<第1実施例>
図1を参照して、第1実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUとも呼ばれるプロセッサ24を含む。このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、タッチパネル制御回路36および時計回路40などが接続される。
また、無線通信回路14にはアンテナ12が接続される。A/D変換器16にはマイク18が接続される。D/A変換器20にはスピーカ22が接続される。表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続される。タッチパネル制御回路36にはタッチパネル38が接続される。
プロセッサ24は携帯電話機10の全体制御を司る。RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータ、当該携帯電話機10の所有者ないし使用者のプロフィールのデータおよびアドレス帳のデータなどが記憶される。
A/D変換器16は、マイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、図示しないアンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。
キー入力装置26は、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cなどを含む(図2参照)。また、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はキー入力装置26からプロセッサ24に入力される。
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、ディスプレイ30の表示を制御する。図示は省略するが、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含む。
タッチパネル38は、静電容量方式のタッチパネルであって、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する。これによって、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル38に触れたことが検出される。図2に示すように、タッチパネル38は、ディスプレイ30の画面上に設けられ、その画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル制御回路36は、タッチパネル38のタッチ範囲(操作可能な範囲)内で、使用者が押したり、撫でたり、触れたりする操作(以下、「タッチ操作」という)を検出し、このタッチ操作により指示される位置に対応する座標のデータをプロセッサ24に与える(入力)する。
この第1実施例では、使用者がタッチパネル38の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。また、タッチパネル38から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。
なお、タッチ操作は指だけに限らず、導電体が先端に取り付けられたタッチペンなどによって行われてもよい。また、タッチパネル38としては、表面型の静電容量方式のタッチパネルが採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などの他の方式のタッチパネルが採用されてもよい。
時計回路40は、典型的にはRTCであり、計時し、プロセッサ24からの要求に応じて、現在時刻(年月日を含む。)をプロセッサ24に通知する。
また、プロセッサ24は、内部にタイマ24aを備えており、このタイマ24aを用いて時間をカウントする。
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、携帯電話機10に最も近い基地局(図示せず)に送信され、通信網(図示せず)を経て相手の電話機に最も近い基地局から当該相手の電話機に呼び出し信号が送信される。つまり、呼び出し処理が開始される。相手の電話機では、呼び出し信号がアンテナ12によって受信されると、これに応じて、電話着信(着呼)の処理が実行される。図示は省略するが、たとえば、相手の電話機では、発信元情報(電話番号など。以下、同じ。)が表示装置に表示されたり、スピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。以下、同じ。)が出力されたりする。そして、相手の電話機において、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、通話可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施される。これらの処理によって得られた変調音声信号は、アンテナ12から出力され、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
また、相手の電話機からの電話発信信号に応じて基地局から送信された呼び出し信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、スピーカ22から着信音を出力させる。そして、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、着信応答処理が実行される。つまり、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、応答指示(接続指示)を基地局に送信する。そして、相手の電話機との間で通話可能状態が確立され、プロセッサ24は、上述した通常の通話処理を実行する。
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、相手の電話機に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。つまり、電話回線の接続が切断される。また、先に相手の電話機から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、相手の電話機によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
図2は、携帯電話機10の外観を斜め上方から見た外観図である。図2を参照して、携帯電話機10は、ストレート型の形状をしており、平面矩形の筐体Cを有する。筐体Cの上面のほぼ中央には、上述したディスプレイ30がその画面を露出するように設けられる。このディスプレイ30の上面にタッチパネル38が設けられる。また、筐体Cには、縦方向の一方端部(ディスプレイ30の上側)に開口OP1が設けられ、縦方向の他方端部(ディスプレイ30の下側)にキー入力装置26および開口OP2が設けられる。
図2では図示を省略するが、上述したマイク18は、開口OP2が設けられる位置であり、筐体Cの内部に設けられる。また、上述したスピーカ22は、開口OP1が設けられる位置であり、筐体Cの内部に設けられる。また、キー入力装置26は、上述したように、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cを含む。
上述したように、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号に応じて、呼び出し信号が基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。つまり、呼び出し処理が開始される。そして、相手の電話機において電話着信処理が行われ、その後、着信応答処理が行われると、通話可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
しかし、相手の電話機で着信応答処理が行われずに、キャリア(電話事業者)が提供する留守番電話のサービスによって当該電話事業者が運営するセンターに接続(転送)されたり、相手の電話機で着信応答処理が自動的に行われて、当該相手の電話機でメッセージを記憶する簡易の録音機能が実行されたりした場合には、使用者がメッセージを預けたく(記憶したく)ない場合であっても、通話料金が発生してしまう。つまり、課金されてしまう。
以下、この明細書において、特に区別する必要がない場合には、電話事業者が提供する留守番電話のサービスまたは電話機が備える簡易の録音機能によってメッセージを記憶することを「留守録」という。同様に、特に区別する必要がない場合には、留守録が実行される場合に、電話事業者が運営するセンターや相手の電話機に接続されることを「留守番電話に接続される」という。
また、メッセージを記憶せずに、直接通話したい場合には、電話発信の停止(呼び出しの終了)および電話発信の指示(操作)を何度も繰り返す必要があり、面倒である。かかる場合には、上述したような通話料金が発生しないようにするためには、使用者は呼び出している時間もさらに考慮して、留守番電話に接続される前に電話発信の停止(呼び出しの終了)を指示する必要がある。
そこで、この第1実施例では、呼び出しを継続して、メッセージを記憶することを選択したり、呼び出しを継続せず、しかも不要な通話料金の発生を防いで、呼び出しを繰り返し行うことを選択したりするようにしてある。
図示は省略するが、従来の携帯電話機のように、単に発信を行うモード(第1モード)と、上記のように、選択的に発信を行うモード(第2モード)とは、携帯電話機10のメインメニューで設定することができる。
図3(A)は、携帯電話機10が有するアドレス帳の機能で、通話や通信の相手を新規に登録する画面(登録画面)50の一例を示す。ただし、登録画面50は、登録する相手毎に表示される。
図3(A)に示すように、登録画面50は、画面50aおよび画面50bによって構成される。画面50aには、電波状況、電池残量および現在時刻などが表示される。このことは、他の画面(70a、80a、90a、100a、110a、120a、130a、140a、150a)についても同じである。したがって、個別の説明は省略することにする。
画面50bには、表示領域52、54、56、58、60、…が設けられる。表示領域52は、相手の氏名(ニックネームなどでもよい。)を登録したり、登録した内容を表示したりするための領域である。たとえば、この表示領域52をタッチすると、文字の入力可能な状態となる。他の表示領域(54−60、…)についても同様である。また、図示は省略するが、文字入力可能な状態になると、たとえば、ソフトウェアキーボードが画面50b(または、登録画面50)の下半分に表示される。このソフトウェアキーボードを用いて、使用者は相手の氏名を入力および登録する。後述する電話番号およびメールアドレスを入力および登録する場合にも、同様に、ソフトウェアキーボードが表示される。
詳細な説明は省略するが、この第1実施例では、ディスプレイ30の座標系とタッチパネル38の座標系とは、予め対応づけられている。したがって、タッチパネル38がタッチされたことに応じて、タッチパネル制御回路36からタッチ操作により指示された位置に応じた座標のデータがプロセッサ24に入力されると、プロセッサ24は、対応するディスプレイ30の画面における座標を知ることができる。したがって、ディスプレイ30に表示された表示領域や後述するボタン画像がタッチされたかどうかを知ることができる。以下、表示領域またはボタン画像がタッチされる場合について同様である。
表示領域54は、表示領域52に表示された相手の電話番号を登録したり、登録した電話番号を表示したりするための領域である。表示領域56は、表示領域52に表示された相手のメールアドレスを登録したり、登録したメールアドレスを表示したりするための領域である。
表示領域58は、表示領域52に表示(登録)された相手の電話機を呼び出す時間(呼び出し時間)を登録したり、登録した呼び出し時間を表示したりするための領域である。この第1実施例では、「呼び出し時間」とは、相手の電話機への発信処理を実行(呼び出しを開始)してから呼び出しを終了するまでの時間(呼び出し処理の時間)を意味する。この第1実施例では、上述したように、留守番電話に接続されることにより、通話料金が発生するのを回避するため、留守番電話に接続される前に呼び出しを自動的に終了するように、呼び出し時間が設定される。
たとえば、相手の電話機への発信処理が実行され、呼び出しが開始されてから留守番電話に接続されるまでの時間(以下、「留守電接続時間」という。)は、電話事業者毎に決定されたり、相手の電話機の所有者ないし使用者によって任意に決定されたりしている。したがって、携帯電話機10の使用者は、留守電接続時間を相手から直接聞いたり、調べたりすることにより、それよりも短い時間を呼び出し時間として設定する。
または、上述したように、留守電接続時間は電話事業者毎に決定されているため、相手の電話機のメールアドレスが登録された場合に、当該メールアドレスのドメイン名で特定される電話事業者の留守電接続時間を用いて自動的に呼び出し時間を設定することもできる。かかる場合には、図示は省略するが、電話事業者に応じた留守電接続時間をフラッシュメモリ32に記憶しておき、特定された電話事業者に応じた留守電接続時間を読み出す。そして、読み出した留守電接続時間よりも所定時間(たとえば、1秒)短い時間を取得(算出)し、取得した時間が呼び出し時間として設定される。したがって、使用者の手間を省くことができる。
さらに、相手の電話機に発信した場合に、呼び出し音が鳴る前に特定の音が鳴るなどして、相手の電話機の電話事業者を判別(特定)できる場合には、その特定される電話事業者の留守電接続時間を用いて自動的に呼び出し時間を設定することもできる。すなわち、発信時に電話事業者の判別を可能にする所定の信号が提供(送信)される場合には、その所定の信号から特定される電話事業者に応じて呼び出し時間を設定することもできる。たとえば、所定の信号は、音信号(音声信号を含む。)または音信号以外の信号(使用者が認識できなくてもよい。)であり、上述したように、電話事業者を判別(特定)可能な信号である。
かかる場合には、上述のメールアドレスに基づいて呼び出し時間を設定する場合と同様に、留守電接続時間よりも所定時間(たとえば、1秒)短い時間取得をし、取得した時間が呼び出し時間として設定される。また、発信時に、相手の電話機を呼び出す前に、当該相手の電話機の電話事業者を特定することができるので、かかる場合には、登録画面50を用いずに、当該発信時に、呼び出し時間をリアルタイムに設定することができる。また、初めて電話をかける相手であっても留守番電話に接続される前に切断(電話発信の停止)可能となるため、課金を回避することができる。ただし、発信時にリアルタイムに用いた呼び出し時間(または電話事業者)をRAM34に記憶しておき、たとえば、通話終了後に、自動的に設定(登録)するようにしてもよい。または、通話終了後に、使用者に呼び出し時間を知らせて、使用者が登録画面50を用いて設定するようにしてもよい。
なお、留守番電話のサービスおよび簡易の録音機能の両方が設定されている場合には、短い方の留守電接続時間が呼び出し時間として設定される。
この第1実施例では、表示領域58がタッチされると、図3(B)に示すような呼び出し時間設定画面70がディスプレイ30に表示される。呼び出し時間設定画面70は、画面70aおよび画面70bを含む。画面70bには、表示領域72が設けられる。表示領域72には、「呼び出し時間」の文字列が表示され、この文字列の下方に、ボタン画像74a、ボタン画像74bおよび表示領域76が設けられる。
ボタン画像74aは、呼び出し時間を長くするのに用いられる。ボタン画像74bは、呼び出し時間を短くするのに用いられる。表示領域76には、呼び出し時間が秒単位で表示され、ボタン画像74a、74bがタッチされると、これに応じて、表示された秒数が増減される。
また、画面70bには、表示領域72の下方に、ボタン画像78が設けられる。ボタン画像78は、呼び出し時間を設定(登録)するのに用いられる。したがって、ボタン画像78がタッチされると、表示領域76に表示された呼び出し時間が設定(登録)され、図3(A)に示した登録画面50に戻る。このとき、登録画面50では、登録された呼び出し時間が表示領域58に表示される。
また、図3(A)に示す表示領域60は、相手の電話機を呼び出す回数(呼び出し回数)を登録したり、登録した内容を表示したりする。ただし、相手の電話機への発信処理が実行されたことに応じて呼び出し処理が実行されるため、呼び出し回数は、相手の電話機への発信処理を実行する回数ということもできる。この第1実施例では、呼び出し回数は、「1」以上で設定可能である。したがって、2回以上呼び出す場合には、呼び出し処理が複数回実行される(繰り返される)ことになる。図3(A)に示す登録画面50において、表示領域60がタッチされると、図4(A)に示すような呼び出し回数設定画面80がディスプレイ30に表示される。
図4(A)に示すように、呼び出し回数設定画面80は、画面80aおよび画面80bを含む。画面80bには、表示領域82が設けられる。表示領域82には、「呼び出し回数」の文字列が表示され、この文字列の下方に、ボタン画像84a、ボタン画像84bおよび表示領域86が設けられる。ボタン画像84aは、呼び出し回数を増大させるのに用いられる。ボタン画像84bは、呼び出し回数を減少させるのに用いられる。表示領域86には、呼び出し回数の数値が表示され、ボタン画像84a、84bのタッチに応じて、表示された数値が増減される。画面80bでは、表示領域82の下方に、ボタン画像88が設けられる。ボタン画像88は、呼び出し回数を設定(登録)するのに用いられる。したがって、ボタン画像88がタッチされると、このとき表示領域86に表示されている数値が呼び出し回数として設定(登録)され、図3(A)に示した登録画面50に戻る。このとき、登録された呼び出し回数が表示領域60に表示される。
図4(B)は、各項目が設定(登録)された登録画面50の一例を示す。具体的には、図4(B)に示すように、氏名として「Aさん」が登録され、電話番号として「090−xxxx−xxxx」が登録され、メールアドレスとして「yyy@***.ne.jp」が登録され、呼び出し時間として「10秒」が設定され、そして、呼び出し回数として「5回」が設定(登録)されている。このように、相手の氏名、電話番号およびメールアドレスとともに、呼び出し時間および呼び出し回数を登録するので、通話や通信の相手毎に、呼び出し時間および呼び出し回数を設定することができる。
なお、登録画面50で登録された内容は、編集(修正、追加、削除)することができる。その場合には、アドレス帳の機能で、編集する相手の登録内容を読み出すと、先に登録された各項目の内容(現在の登録内容)が記述された登録画面50がディスプレイ30に表示される。各項目の内容を編集する方法は、本願発明の本質的な内容ではないため、詳細な説明は省略する。
また、図示は省略するが、電話を掛けたり、電子メールを送信したりする場合に、通話や通信の相手を選択する場合にも、アドレス帳が参照され、かかる場合には、少なくとも、相手の氏名とともに、電話番号やメールアドレスが登録された画面(登録画面50と同様の画面)がディスプレイ30に表示される。
たとえば、携帯電話機10では、使用者の発信指示に従って、電話発信(発信処理)を実行し、相手の電話機の呼び出し処理が開始されると、アドレス帳に登録された当該相手の呼び出し時間および呼び出し回数が取得される。また、タイマ24aがリセットおよびスタートされ、呼び出し時間がカウントされる。
第1モードが設定されている場合には、呼び出し時間にかかわらず、相手の電話機の呼び出しが継続され、相手の電話機との間で接続状態が確立されると、通話可能状態となり、上述したような通常の通話処理が実行される。ただし、留守番電話に接続された場合には、携帯電話機10は、電話事業者のセンターまたは相手の電話機から送信される応答メッセージを受信し、使用者が必要に応じて入力する音声(メッセージ)を送信する(預ける)。
通常の通話処理では、その後、使用者が終話キー26cを操作したり、相手の電話機で終話の操作が行われたりすることにより、電話回線が切断され、携帯電話機10は待ち受け状態に戻る。また、留守番電話に接続された場合には、その後に、使用者が終話キー26cを操作したり、電話事業者のセンターや相手の電話機で終話の操作が行われたりすることにより、電話回線が切断され、携帯電話機10は待ち受け状態に戻る。
一方、第2モードが設定されている場合には、相手の電話機の呼び出し処理が開始されると、呼び出しを終了する所定時間(あとえば、3〜5秒)前に、呼び出しを継続するかどうかを使用者に確認する。具体的には、携帯電話機10は、スピーカ22からアラーム音ないしメッセージを出力するとともに、ディスプレイ30に図5(A)に示すような継続確認画面90を表示する。たとえば、継続確認画面90に表示されるメッセージの合成音声がスピーカ22から出力される。ただし、継続確認するべき旨のメッセージであれば、他の内容であっても構わない。
図5(A)に示すように、継続確認画面90は、画面90aおよび画面90bを含む。画面90bには、表示領域92が設けられる。表示領域92には、所定のメッセージが表示されるとともに、このメッセージの下方にボタン画像94が設けられる。この第1実施例では、「まもなく呼び出しを終了します。呼び出しを続ける場合には、「呼び出しを続ける」ボタンまたは「通話ボタン」を押してください。」とのメッセージが表示される。ただし、「呼び出しを続ける」ボタンはボタン画像94であり、「通話ボタン」は通話キー26aである。したがって、ボタン画像94がタッチされたり、通話キー26aが押されたりすると、呼び出しを続けことが指示される。つまり、当該相手の電話機の呼び出し処理が継続される。かかる場合には、上述した第1モードの場合と同様の処理が行われる。
このように、呼び出しを続ける場合に、ボタン画像94をタッチしたり、通話キー26aを押したりするようにしてあるのは、呼び出しを続けた場合に、留守番電話に接続されることにより、通話料金が発生するからである。つまり、相手が電話に応答せずに留守録となる可能性が高い通話において、課金されることの承諾を使用者に得ているのである。
一方、ボタン画像94がタッチされず、通話キー26aが押されない場合には、呼び出しを続けることが指示されない。この状態で、タイマ24aのカウント値が呼び出し時間の設定秒数になると、相手の電話機の呼び出しを自動的に終了する。つまり、呼び出しの終了指示(終了信号)が基地局に送信される。このとき、呼び出し回数として「2」以上が設定されている場合には、当該相手の電話機の呼び出し繰り返す。ただし、呼び出し回数として「1」が設定されている場合には、呼び出しを繰り返すことなく、待ち受け状態に戻る。
呼び出しを繰り返す場合には、所定時間(たとえば、1秒)待機した後に、当該相手の電話機への電話発信が実行され、つまり呼び出し処理が再度開始され、タイマ24aによって呼び出し時間がカウントされる。このとき、残りの繰り返し回数が使用者に報知される。この第1実施例では、残り回数を伝えるメッセージがスピーカ22から出力されるとともに、図5(B)に示すような回数表示画面100がディスプレイ30に表示される。ただし、これらはいずれか一方のみが実行されてもよい。
図5(B)に示すように、回数表示画面100は、画面100aおよび画面100bを含む。画面100bには、表示領域102が設けられる。表示領域102には、自動で発信処理(呼び出し)を再度実行している旨のメッセージが表示され、このメッセージの下方に残りの呼び出し回数を表示する表示領域104が設けられる。
当該相手の電話機で着信応答処理が行われない場合には、呼び出し回数だけ、呼び出し(発信処理)が繰り返し行われる。そして、呼び出し回数だけ発信処理が実行され、最終回の呼び出しを終了すると、自動的に呼び出しを完全に終了したことを使用者に報知して、待ち受け状態に戻る。この実施例では、自動的に呼び出しを完全に終了したことを使用者に報知するために、図6(A)に示すような終了報知画面110がディスプレイ30に表示される。
図6(A)に示すように、終了報知画面110は画面110aおよび画面110bを含む。画面110bには、表示領域112が表示される。表示領域112には、相手の電話機に繋がらなかった旨と呼び出しを終了した旨のメッセージが表示される。
また、第2モードで、相手の電話機の呼び出し処理が実行され、当該相手の電話機で着信応答処理が行われた場合には、当該相手の電話機との間で通常の通話処理が行われる。ただし、第2モードで、相手の電話機の呼び出し処理が実行され、初回の呼び出し処理において、呼び出し時間になる前に、当該相手の電話機との間で接続状態が確立した場合には、携帯電話機10が留守番電話に接続されている場合もある。
これは、登録された呼び出し時間が正しくない場合や相手の電話機の設定が変更されている場合があるからである。したがって、この第1実施例では、第2モードで、初回の呼び出し処理が実行された場合に、相手の電話機との間で接続状態が確立されると、タイマ24aで実際の呼び出し時間をカウントし、使用者に報知するようにしてある。ただし、一般的な携帯電話機10では、通話終了後に、通話時間が使用者に提示されるため、この第1実施例では、通話時間とともに、実際の呼び出し時間を報知するようにしてある。
具体的には、図6(B)に示すような計測時間報知画面120がディスプレイ30に表示される。この計測時間報知画面120は、画面120aおよび画面120bを含む。画面120bには、表示領域122が表示される。表示領域122には、呼び出し処理および通話処理を実行した相手の氏名が文字列で表示され、その下方に、通話時間および実際の呼び出し時間が表示される。
たとえば、携帯電話機10の使用者は、第2モードにおいて、初回の呼び出し処理で接続状態が確立された場合に、留守番電話に接続されたことについては、センターや相手の電話機からの応答メッセージによって知ることができる。したがって、携帯電話機10の使用者は、電話回線が切断された後に、計測時間報知画面120に表示された実際の呼び出し時間を見て、呼び出し時間の設定を変更することができる。
なお、初回の呼び出し処理で接続状態が確立されない場合には、少なくとも、呼び出し時間は留守番電話に接続される前に呼び出し処理を終了できる時間に設定されていることが分かる。
図7は図1に示したRAM34のメモリマップ300の一例を示す。図7に示すように、RAM34は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、呼び出し制御プログラム302a、通話プログラム302b、通信プログラム302cおよびアドレス帳プログラム302dなどが記憶される。
呼び出し制御プログラム302aは、電話発信の指示に応じて、指示された電話機への電話発信(発信処理)を実行し、第1モードまたは第2モードで、相手の電話機の呼び出しを制御するためのプログラムである。通話プログラム302bは、相手の電話機との間で通話処理を実行するためのプログラムである。つまり、通話プログラム302bは、相手の電話機との間で通常の通話処理を実行したり、相手の電話機で簡易の録音機能が実行されることにより通話処理を実行したりする。また、通話プログラム302bは、留守番電話のサービスにより、電話事業者が運営するセンターとの間で通話処理を実行することもある。
通信プログラム302cは、他の電話機やコンピュータとの間で、インターネットのようなネットワーク(図示せず)を介して、データを送信したり、データを受信したりするためのプログラムである。たとえば、通信プログラム302cは、ブラウザ機能や電子メール機能におけるデータの送受信を実行する。
アドレス帳プログラム302dは、アドレス帳の機能を実行するためのプログラムである。上述したように、アドレス帳プログラム302dは、登録画面50などの画面を表示することにより、相手の氏名などの各項目を登録したり、編集したりするためのプログラムである。
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、携帯電話機10が有する他の機能(スケジュール、アラームなど)を実行するためのプログラムも記憶される。
また、データ記憶領域304には、画面データ304a、呼び出し時間データ304b、呼び出し回数データ304cおよびカウント時間データ304dが記憶される。
画面データ304aは、各種の画面(50、60、70、80、90、100、110、120など)を表示するためのデータである。呼び出し時間データ304bは、第2モードで相手の電話機を呼び出す場合に、呼び出す相手に対応して登録された呼び出し時間についてのデータである。たとえば、フラッシュメモリ32に記憶されたアドレス帳のデータから、該当する相手についての呼び出し時間データ304bが読み出される。
呼び出し回数データ304cは、第2モードで相手の電話機を呼び出す場合に、呼び出す相手に対応して登録された呼び出し回数についてのデータである。呼び出し時間データ304bと同様に、フラッシュメモリ32に記憶されたアドレス帳のデータから、該当する相手についての呼び出し回数データ304cが読み出される。カウント時間データ304dは、第2モードで相手の電話機を読み出す場合の実際に呼び出した(呼び出し処理が行われた)時間についてのデータである。
図示は省略するが、データ記憶領域304には、各種のプログラム(302a−302dなど)の実行に必要な他のデータが記憶されたり、各種のプログラムの実行に必要なカウンタ(タイマ)やフラグが設けられたりする。
図8−図11は、図1に示したプロセッサ24の全体処理を示すフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンされ、起動されると、図8に示すように、プロセッサ24は、全体処理を開始し、ステップS1で、待ち受け画面(図示せず)をディスプレイ30に表示する。次のステップS3では、発信操作が有るかどうかを判断する。たとえば、アドレス帳から発信先(相手)の電話番号が選択されたり、電話番号が直接入力されたりした後に、発信ボタンのボタン画像(図示せず)がタッチされたり、通話キー26aが押されたりして電話発信の指示が入力されたかどうかを判断する。
ステップS3で“NO”であれば、つまり発信操作が無ければ、ステップS5で、他の操作が有るかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ24は、タッチ操作やキー操作によって、何らかの指示が入力されたかどうかを判断するのである。ステップS5で“NO”であれば、つまり他の操作が無ければ、そのままステップS1に戻る。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり他の操作が有れば、ステップS7で、他の操作に応じた処理を実行して、ステップS1に戻る。
詳細な説明は省略するが、他の操作としては、他の電話機からの呼び出しに対する着信応答操作や電子メール、アドレス帳、スケジュール、ブラウザなどの各種機能(アプリケーション)を実行するための操作などが該当する。また、図示は省略するが、他の電話機からの呼び出しに応答した場合には、プロセッサ24は、通話処理を終了した後にステップS1に戻る。また、各種機能を実行した場合には、プロセッサ24は、対応する機能を終了した後にステップS1に戻る。
また、ステップS3で“YES”であれば、つまり発信操作が有れば、ステップS9で、電話発信を実行する。すると、発信操作によって指示された相手の電話機の呼び出し処理が開始される。次に、ステップS11で、相手の呼び出し時間および呼び出し回数を取得する。ここでは、プロセッサ24は、使用者が発信操作を行った際に、指示された相手について登録されている呼び出し時間および呼び出し回数のデータをフラッシュメモリ32に記憶されたアドレス帳のデータから読み出し、データ記憶領域304に記憶する。したがって、呼び出し時間データ304bおよび呼び出し回数データ304cがデータ記憶領域304に記憶される。
なお、この第1実施例では、呼び出し時間や呼び出し回数が登録されていることを前提としているが、アドレス帳に登録されていない相手の電話機や呼び出し時間および呼び出し回数が登録されていない相手の電話機に発信される場合もある。図示は省略するが、そのような場合には、ステップS11で呼び出し時間および呼び出し回数を取得できないため、そのまま図11に示すステップS59に処理が移行される。または、ステップS9で、呼び出し時間および呼び出し回数のデフォルト値を取得し、ステップS11以降の処理を実行してもよい。
続いて、ステップS13では、タイマ24aをリセットおよびスタートする。つまり、実際の呼び出し時間のカウントが開始される。次のステップS15では、第2モードが設定されているかどうかを判断する。ステップS15で“NO”であれば、つまり第1モードが設定されていれば、ステップS59に進む。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまり第2モードが設定されていれば、ステップS17で、変数nを初期設定する(n=1)。ただし、変数nは、同じ相手の電話機の呼び出し(発信処理)を実行した回数をカウントするための変数である。
次のステップS19では、今回の呼び出し終了の所定時間(たとえば、3秒)前であるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ24は、呼び出し時間データ304bが示す呼び出し時間からタイマ24aのカウント値を減算した値(秒数)が3以下であるかどうかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり今回の呼び出し終了の所定時間前になっていないと判断して、そのままステップS19に戻る。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり今回の呼び出し終了の所定時間前になったと判断して、図9に示すステップS21で、継続確認のメッセージを出力する。つまり、継続確認のメッセージについての合成音声がスピーカ22から出力される。なお、図示等は省略したが、各種メッセージに対応する合成音声のデータは、RAM34のデータ記憶領域304に記憶されている。
次のステップS23では、図5(A)に示したような継続確認画面90をディスプレイ30に表示する。続いて、ステップS25では、呼び出しを継続するかどうかを判断する。プロセッサ24は、所定時間(たとえば、2〜3秒)内に、ボタン画像94がタッチされたり、通話キー26aが押されたりしたかどうかを判断する。ステップS25で“YES”であれば、つまり呼び出しを継続する場合には、ステップS59に進む。一方、ステップS25で“NO”であれば、つまり呼び出しを継続しない場合には、ステップS27で、接続状態を確立したかどうかを判断する。
ステップS27で“YES”であれば、つまり接続状態を確立すれば、ステップS29で、タイマ24aをストップし、ステップS31で、タイマ24aのカウント値(カウント時間)を記憶して、図11に示すステップS61に進む。つまり、ステップS31では、カウント時間データ304dがデータ記憶領域304に記憶される。
一方、ステップS27で“NO”であれば、つまり接続状態を確立していなければ、ステップS33で、終話操作が有るかどうかを判断する。プロセッサ24は、終話ボタンのボタン画像(図示せず)がタッチされたり、終話キー26cが押されたりしたかどうかを判断する。ステップS33で“YES”であれば、つまり終話操作が有れば、ステップS35で、呼び出し処理を終了し、図8に示したステップS1に戻る。つまり、ステップS35では、プロセッサ24は、無線通信回路14から呼び出しの終了信号を送信する。後述するステップS39も同様である。
一方、ステップS33で“NO”であれば、つまり終話操作が無ければ、図10に示すステップS37で、呼び出し時間になったかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、タイマ24aのカウント値が呼び出し時間データ304dに対応する呼び出し時間と等しいかどうかを判断する。ステップS37で“NO”であれば、つまり呼び出し時間になっていなければ、図9に示したステップS27に戻る。
一方、ステップS37で“YES”であれば、つまり呼び出し時間になれば、ステップS39で、呼び出し処理を終了し、ステップS41で、タイマ24aをリセットおよびスタートする。つまり、ステップS41では、次の発信処理を開始するまでの待機時間(たとえば、1秒)のカウントが開始される。続くステップS43では、所定時間(1秒)を経過したかどうかを判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり所定時間を経過していなければ、そのまま同じステップS43に戻る。一方、ステップS43で“YES”であれば、つまり所定時間を経過すれば、ステップS45で、変数nを1加算する(n=n+1)。
続いて、ステップS47では、変数nが設定回数よりも大きいかどうかを判断する。具体的には、プロセッサ24は、変数nが呼び出し回数データ304cに対応する呼び出し回数よりも大きいかどうかを判断する。ステップS47で“YES”であれば、つまり変数nが設定回数よりも大きければ、呼び出し回数だけ呼び出し(発信処理)を実行したと判断して、ステップS49で、図6(A)に示したような終了報知画面110をディスプレイ30に表示して、ステップS1に戻る。
一方、ステップS47で“NO”であれば、つまり変数nが設定回数以下であれば、次の呼び出し(発信処理)を実行すると判断して、ステップS51で、再度電話発信を実行する。すると、次の呼び出し処理が開始される。次のステップS53では、タイマ24aをリセットおよびスタートする。つまり、次の呼び出し時間のカウントが開始される。さらに、ステップS55で、残り回数のメッセージを出力し、ステップS57で、図5(B)に示したような回数表示画面100をディスプレイ30に表示して、図9に示したステップS27に戻る。
なお、図示は省略するが、ステップS57の処理を実行してステップS27に戻った場合には、つまり2回目以降の発信処理(呼び出し)が実行される場合には、呼び出し時間を使用者に報知する必要がないため、ステップS27で“YES”となった場合であっても、ステップS31の処理は実行されない。
図11に示すように、ステップS59では、接続状態を確立したかどうかを判断する。ステップS59で“NO”であれば、そのまま同じステップS59に戻る。この第1実施例では、ステップS59で“NO”の場合には、そのまま同じステップS59に戻るようにしてあるが、接続状態を確立できない状態が所定時間(たとえば、30秒)継続した場合には、呼び出し処理を自動的に終了して、ステップS1に戻るようにしてもよい。
一方、ステップS59で“YES”であれば、つまり接続状態を確立すれば、ステップS61で、通話処理を実行する。ただし、ステップS61では、通常の通話処理が実行されたり、留守録が実行されたりする。続くステップS63では、終話かどうかを判断する。ここでは、終話ボタンのボタン画像がタッチされたり、終話キー26cが押されたり、センターや相手の電話機からの通話終了信号を受信したりしたかどうかを判断する。
ステップS63で“NO”であれば、つまり終話でなければ、そのままステップS61に戻る。一方、ステップS63で“YES”であれば、つまり終話であれば、ステップS65で、電話回線を切断して、ステップS67で、カウント時間が有るかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ24は、データ記憶領域304に、カウント時間データ304dが記憶されているかどうかを判断する。
ステップS67で“NO”であれば、つまりカウント時間データ304dが記憶されていなければ、そのままステップS1に進む。一方、ステップS67で“YES”であれば、つまりカウント時間データ304dが記憶されていれば、ステップS69で、図6(B)に示したような計測時間報知画面120をディスプレイ30に表示してから、ステップS1に戻る。
なお、図示および説明は省略したが、通話時間は、タイマ24aとは異なるタイマでカウントされ、計測時間報知画面120を表示するときに、そのカウント値が通話時間として表示される。
また、この実施例では、ステップS67で“NO”の場合には、そのままステップS1に戻るようにしてあるが、実際には、通話時間を報知してからステップS1に戻る。
第1実施例によれば、第2モードが設定されている場合に、呼び出しを継続しないことが選択されると、留守番電話に接続されない呼び出し時間になると呼び出しを終了するので、メッセージを預けたくない場合に、通話料金が発生するのを防止することができる。つまり、不要な課金を未然に回避することができる。
また、第1実施例によれば、メッセージを預けたくない場合に、留守番電話に接続される前に、呼び出しを終了し、所定時間待機した後に、次の呼び出し(発信処理)を行うので、使用者の手を煩わさずに繰り返し相手の電話機を呼び出すこともできる。
さらに、第1実施例によれば、呼び出しを継続するかどうかを使用者が選択するので、第2モードが選択されたとしても、相手の電話機側で留守録が実行されることに応じて、メッセージを記憶することができる。
なお、第1実施例では、留守番電話に接続された場合に、通話料が発生することを前提として説明したが、これに限定される必要はない。たとえば、電話事業者が提供するサービスの内容によっては、特定の相手については、或る時間帯においてのみ通話料が発生する場合もある。かかる場合には、そのような特定の相手について或る時間帯をさらに設定しておき、当該時間帯だけ、呼び出し時間および呼び出し回数に従って、呼び出し処理を制御するようにしてもよい。
具体的には、プロセッサ24は、図8−図11に示した全体処理において、ステップS25で、現在時刻が設定された或る時間帯の範囲外であるかどうかを判断し、範囲外である場合(“YES”)に、ステップS59に進み、範囲内である場合(“NO”)に、ステップS27に進む。このようにした場合には、設定された或る時間帯以外で、呼び出し時間および呼び出し回数に従って呼び出し処理が実行(制御)されないが、不要な課金を未然に回避することはできる。
また、第1実施例では、今回の呼び出し終了の所定時間前になると、継続確認のメッセージを出力したり、継続確認画面を表示したりするようにしたが、これらの処理は、第2モードであることが判断されると、直ぐに実行されてもよい。かかる場合には、メッセージから「まもなく呼び出しを終了します。」の部分を削除してもよい。
さらに、上述したように、発信時に電話事業者の判別を可能にする所定の信号が提供(送信)される場合には、その所定の信号から特定される電話事業者に応じて呼び出し時間を設定することもできる。かかる場合には、たとえば、図12に示すように、ステップS9で、電話発信を実行した後に、ステップS71で、呼び出し音が鳴る前に、相手の電話機の電話事業者から送信される所定の信号を受信したかどうかを判断する。所定の信号を受信しない場合には、ステップS71で、“NO”となり、そのままステップS11に進む。一方、所定の信号を受信した場合には、ステップS71で“YES”となり、ステップS73で、所定の信号から相手の電話機の電話事業者を特定し、ステップS75で、特定した電話事業者に応じた呼び出し時間を取得する。つまり、プロセッサ24は、電話事業者に対応して記憶された留守電接続時間をフラッシュメモリ32から読み出し、読み出した留守電接続時間よりも所定時間(たとえば、1秒)短い時間を呼び出し時間として取得し、取得した呼び出し時間のデータをデータ記憶領域304に記憶する。
次のステップS77では、相手の呼び出し回数を取得する。ここでは、プロセッサ24は、ステップS11の場合と同様に、使用者が発信操作を行った際に、指示された相手について登録されている呼び出し回数のデータをフラッシュメモリ32に記憶されたアドレス帳のデータから読み出し、データ記憶領域304に記憶する。そして、ステップS79で、相手の呼び出し時間を設定して、ステップS13に進む。ここでは、プロセッサ24は、ステップS75で、データ記憶領304に記憶した呼び出し時間のデータ(304b)を、使用者が発信操作を行った際に、指示された相手についての呼び出し時間のデータとしてフラッシュメモリ32に記憶(登録)する。つまり、リアルタイムで呼び出し時間が設定される。
なお、図12では、取得した呼び出し時間をリアルタイムに登録するようにしてあるが、たとえば、通話終了後に、取得した呼び出し時間を登録するようにしてもよい。かかる場合には、ステップS79の処理を、図11に示したステップS63以降であり、ステップS1に戻る前に実行すればよい。
<第2実施例>
第2実施例では、呼び出し時間および呼び出し回数に加えて、留守番電話に接続されると通話料が発生する(課金される)場合の情報(課金情報)をさらに登録しておき、呼び出しを継続するかどうかを判断する際に、課金されるかどうかも含めて使用者に通知するようにした。以下、第2実施例について説明するが、上記のこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。このように、課金情報を含めるのは、上述したように、相手によっては、携帯電話事業者が提供するサービスの内容により、課金されない相手(電話機)や課金されない時間帯(曜日が含まれる場合がある。)などがあるからである。また、たとえば、電話機に接続された場合には通話料は発生しないが、センターに接続(転送)された場合には通話料が発生する場合もあるからである。
この第2実施例では、課金情報として、時間帯が設定される場合について説明する。図13(A)に示すように、登録画面50の画面50bに表示領域62がさらに設けられ、時間帯が設定(登録)される。この登録画面50において、表示領域62がタッチされると、図13(B)に示すような時間帯設定画面130がディスプレイ30に表示される。この時間帯設定画面130では、画面130bに、表示領域132が設けられる。表示領域132では、開始時刻の文字列が表示され、この文字列の下方には、表示領域134aおよび134bが設けられる。さらに、表示領域134a、134bの下方に、終了時刻の文字列が表示され、この文字列の下方には、表示領域136aおよび表示領域136bが設けられる。表示領域134aおよび134bは、開始時刻の時分を設定するために設けられる。表示領域136aおよび136bは、終了時刻の時分を設定するために設けられる。また、表示領域132の下方には、ボタン画像138が設けられる。ボタン画像138は、時間帯を設定(登録)するために設けられる。したがって、ボタン画像138がタッチされると、表示領域132に表示された開始時刻と終了時刻とで決まる時間帯が設定され、図13(A)に示した登録画面50に戻る。このとき、設定された時間帯が表示領域62に表示される。
なお、簡単のため、時間帯を1つ設定するようにしてあるが、複数設定してもよい。
このように、課金情報を登録する場合には、発信操作が行われ、呼び出し処理が開始され、呼び出しを継続するか否かを確認する場合に、課金情報を参照して、課金されるかどうかが判断され、この判断結果に応じて、継続確認のメッセージが出力されたり、継続確認画面が表示されたりする。課金される場合には、図14(A)に示すように、継続確認画面(課金あり)140がディスプレイ30に表示される。一方、課金されない場合には、図14(B)に示すように、継続確認画面(課金なし)150がディスプレイ30に表示される。
図14(A)および図14(B)に示す画面(140、150)は、いずれも第1実施例の図5(A)に示した継続確認画面90と、メッセージが異なる以外は同じであるため、重複した説明は省略する。継続確認画面(課金あり)140では、継続確認画面90に表示されたメッセージに加えて、留守番電話に接続されると課金される旨のメッセージがさらに表示される。また、継続確認画面(課金なし)150では、継続確認画面90に表示されたメッセージに加えて、留守番電話に接続されても課金されない旨のメッセージがさらに表示される。
詳細な説明は省略するが、第2実施例においても、合成音声のメッセージは各画面(140、150)に表示されたメッセージと同じ内容である。
具体的には、図8−図11に示した全体処理のうちの一部が異なる。したがって、異なる部分のみを説明することにする。図15に示すように、図9に示したステップS21およびS23に代えて、ステップS81、S83、S85、S87およびS89が設けられる。図示は省略するが、第2実施例では、ステップS11で、相手の呼び出し時間および呼び出し回数を取得するときに、課金情報も取得される。つまり、図示は省略するが、RAM34のデータ記憶領域304には、課金情報のデータも記憶されている。
したがって、プロセッサ24は、呼び出し終了の所定時間前になると、図15に示すように、ステップS81で、課金されるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ24は、時計回路40から取得した現在時刻が課金情報のデータに対応する時間帯に含まれるかどうかを判断する。なお、時間帯を規定する開始時刻と終了時刻については、時間帯の範囲に含んでも含まなくてもよい。
ステップS81で“YES”であれば、つまり課金される場合には、ステップS83で、継続確認(課金あり)のメッセージをスピーカ22から出力し、ステップS85で、図14(A)に示したような継続確認画面(課金あり)140をディスプレイ30に表示して、ステップS25に進む。
一方、ステップS81で“NO”であれば、つまり課金されない場合には、ステップS87で、継続確認(課金なし)のメッセージをスピーカ22から出力し、ステップS89で、継続確認画面(課金なし)150をディスプレイ30に表示して、ステップS25に進む。
第2実施例によれば、課金の有無に応じて呼び出し処理の継続確認を行うので、使用者は、課金されるかどうかを踏まえた上で、呼び出し処理を継続するか否かを適切に判断することができる。つまり、課金情報が個別に設定されているような場合にも、不要な課金を未然に回避することができる。
なお、第2実施例では、課金情報として時間帯が設定される場合についてのみ説明したが、これに限定されるべきではない。電話事業者が提供する留守番電話のサービスしか有していない電話機では、当該電話事業者のセンターに接続(転送)されると必ず課金される場合には、当該電話機の相手に対して、課金情報として「課金あり」が登録されてもよい。また、個別の通話料金が発生しない相手に対しては、課金情報として「課金なし」が登録されてもよい。
上述の実施例では、相手の電話機の呼び出し処理を開始した後に、ステップS25で、呼び出しを継続するかどうかを使用者が選択するようにしたが、継続するか否かを自動的に判断するようにしてもよい。かかる場合には、図16に示すように、登録画面50において、表示領域64がさらに設けられる。この表示領域64では、呼び出しを継続するか否かを設定(登録)することができる。たとえば、呼び出しを継続する場合には「ON」が登録され、呼び出しを継続しない場合には「OFF」が登録される。この設定(登録)内容に従って、ステップS25の判断が自動的に行われる。
なお、上述の実施例では、CDMA方式で音声通話の処理を実行するようにしたが、これは単なる一例であり、限定されるべきでない。たとえば、W−CDMA方式、LTE方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式のような他の方式を採用することもできる。
また、上述の実施例では、タッチ操作が可能ないわゆるスマートフォンを用いた場合について説明したが、テンキーを含むダイヤルキーを備えたフューチャーフォンないしフィーチャーフォンを用いるようにしてもよい。また、フューチャーフォンないしフィーチャーフォンの形状は、ストレートタイプ、折り畳みタイプ、またはスライドタイプのいずれでも構わない。つまり、携帯電話機の種類や形状は限定される必要はない。
さらに、上述の実施例では、相手の電話機については特に言及していないが、一般的な携帯電話機または固定電話機のいずれでもよい。
さらにまた、以上の説明で挙げた具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。