図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、CPUまたはコンピュータと呼ばれるプロセッサ24を含む。このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、タッチパネル制御回路36および近接センサ40が接続される。無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D変換器16にはマイク18が接続され、D/A変換器20にはアンプ(図示せず)を介してスピーカ22が接続される。表示ドライバ28には、表示部として機能するディスプレイ30が接続される。また、タッチパネル制御回路36にはタッチパネル38が接続される。
プロセッサ24は、制御用のICであり、携帯電話機10の全体制御を司る。また、記憶部と呼ばれるRAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータやユーザのプロファイルおよびアドレス帳のようなデータが記録される。
A/D変換器16は、当該A/D変換器16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、アンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。
キー入力装置26は、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cなど(図2(A)参照)を備える。そして、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。なお、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は、ディスプレイ30に表示する画面に対応する表示画像データを一時的に記憶するVRAM(図示せず)を含む。プロセッサ24は、表示画像データを、このVRAMに記憶させる。
タッチパネル38は、ディスプレイ30の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。たとえば、この実施例のタッチパネル38は、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式のタッチパネルであって、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル38に触れたことを検出可能である。また、タッチパネル38は、その表面(上面)を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることにより操作されると、その操作を検出する。具体的には、タッチ検出部として機能するタッチパネル制御回路36は、タッチパネル38に指が触れると、その指の位置を特定し、操作された位置を示す座標のデータ(座標データ)をプロセッサ24に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル38の上面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の位置、操作の方向や図形などを携帯電話機10に入力することができる。
以下、この実施例においては、使用者がタッチパネル38の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。一方、タッチパネル38から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。また、タッチパネル38の上面を指で撫でる操作を「スライド」と言うことにする。そして、タッチによって示された座標を「タッチ点(タッチ開始位置)」、リリースによって示された座標を「リリース点(タッチ終了位置)」と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル38の上面をタッチし、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、タッチ、リリース、スライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル38に対して行う操作を、総じて「タッチ操作」と言うことにする。
なお、タッチ操作は指だけに限らず、導電体が先端に取り付けられたタッチペンなど、その他の物体によって行われてもよい。また、タッチパネル38の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
近接センサ40は、図示は省略するが、発光素子である赤外LEDと受光素子であるフォトダイオードとから構成される。プロセッサ24は、フォトダイオードの出力の変化から、近接センサ40(当該携帯電話機10)が使用者の顔に接近したかどうかを判断する。具体的には、赤外LEDは、赤外線を発光し、フォトダイオードは、使用者の顔などで反射した赤外線を受光する。つまり、フォトダイオードが使用者の顔から遠い場合には、赤外LEDが発光した赤外線はフォトダイオードによって受光されないが、近接センサ40が使用者の顔に接近すると、赤外LEDが発光した赤外線はフォトダイオードによって受光される。このように、フォトダイオードでは、近接センサ40が使用者の顔に接近している場合とそうでない場合とで赤外線の受光量が変化するため、これを検出したプロセッサ24は、赤外線の受光量によって、近接センサ40(当該携帯電話機10)が使用者の顔に接近しているかどうかを判断することができる。
なお、本実施例では、近接センサ40として、赤外線を利用する赤外線型の近接センサを用いるようにしてあるが、コンデンサの静電容量の変化を利用する静電容量型の近接センサや、超音波の反射を利用する超音波型の近接センサなどを用いるようにしてもよい。
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて音声発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ12を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態(接続状態)が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話音声信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
また、相手の電話機からの発信信号がアンテナ12によって受信されると、つまり着信があると、無線通信回路14は、音声着信(着呼と言うこともある)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(発信者(相手)の名称など)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある)を出力させる。
なお、携帯電話機10に振動装置(バイブレータ)やLEDが設けられる場合には、それらを駆動することによって、振動や発光(明滅)或いはそれら両方によって、着信を通知することもできる。これは、上述の着信音と共に実行されてもよい。
そして、使用者が、着信に応答することを選択(指示)すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声着信処理を実行し、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
後述するように、着信に対する対応は、2つの画面で操作する必要があるため、誤操作を防止することができる。たとえば、通話キー26aは筐体50の表面に設けられているため、鞄の中に携帯電話機10を収納している場合に、鞄の中の物が通話キー26aを押してしまうような不都合を回避することができる。
また、通話可能状態に移行した後に終話キー26cによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
また、携帯電話機10は、ネットワークに接続されるサーバとのデータ通信を確立することで、複数の機能を実行することができる。たとえば、携帯電話機10は、メールサーバ(図示せず)とのデータ通信を確立することで、メールの送受信を行うメール機能や、サーバが公開するデータを取得するブラウザ機能を実行する事ができる。
図2(A)は、携帯電話機10の表面の外観を示す外観図であり、図2(B)は携帯電話機10の裏面の外観を示す外観図である。図2(A)を参照して、携帯電話機10は、ストレート型の形状であり、平面矩形の筐体50を有する。上述のマイク18は、筐体50に内蔵される。内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は、筐体50の表面であり、筐体50の長手方向の一方端に設けられる。同様に、上述のスピーカ22は、筐体50に内蔵される。内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体50の表面であり、筐体50の長手方向の他方端に設けられる。ディスプレイ30は、モニタ画面が筐体50から露出するように取り付けられる。図2(A)では表現することができないが、ディスプレイ30の上面(前面)には、上述したタッチパネル38が設けられる。
また、図2(A)に示すように、キー入力装置26は、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cを含む。そして、これらのキーは筐体50の表面であり、ディスプレイ30と開口OP2との間に設けられる。
たとえば、使用者は、ディスプレイ30に表示されたダイヤルキーに対して、タッチ操作を行うことで電話番号を入力し、通話キー26aによって音声発信操作を行う。そして、使用者は、通話が終了すると、終話キー26cによって通話終了操作を行う。また、使用者は、ディスプレイ30に表示されたソフトキーおよびメニューに対してタッチ操作を行うことで、メニューの選択や確定を行う。そして、使用者は、終話キー26cを長押しすることで携帯電話機10の電源をオン/オフする。
なお、アンテナ12、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびタッチパネル制御回路36は筐体50に内蔵されているため、図2(A)、(B)では省略してある。
ここで、この実施例の携帯電話機10の着信時の操作について説明することにする。他の電話機から着信があると、携帯電話機10では、図3(A)に示すような着信画面60がディスプレイ30に表示される。この着信画面60は、他の電話機からの着信に応答するなどの対応を行うかどうかを選択するためのものである。図3(A)に示すように、着信画面60には、表示領域60aおよび表示領域60bが設けられる。
表示領域60a(後述する、表示領域70a、80aおよび90aも同じ)には、電波強度、バッテリの残量、月日および時刻が表示される。表示領域60bには、着信を示すメッセージ600が表示され、このメッセージ600の下部に、発信元情報が表示される。この着信画面60において表示される発信元情報としては、発信者について登録した画像602および名称である。図示は省略するが、画像602は、発信者の顔写真や予め携帯電話機10に登録されているまたはダウンロードした画像(キャラクタ画像)である。ただし、発信者について画像が登録されていない場合には、その旨(画像なし)が記載されたカードの画像602が表示される。また、名称は、発信者について登録した氏名やニックネームなどである。さらに、表示領域60bには、この発信元情報(後述する、操作領域650)をタッチするべき旨のメッセージも表示される。
また、発信者情報が表示されている領域に対応して、図3(A)の点線の四角枠で示す操作領域650が設定される。ただし、この操作領域650は、実際の着信画面60に表示されることは無い。また、操作領域650に対応してタッチパネル34の検出範囲(図示せず)が設定(登録)される。具体的には、点線の四角枠で示す操作領域650に対応するタッチパネル34の検出範囲を規定する座標データ群すなわち検出範囲内のすべての座標についての座標データが、この着信画面60に関連づけられてRAM34に記憶される。ただし、操作領域650に対応する検出範囲は四角形であるため、その4つの頂点の座標または対角の2つの頂点の座標に対応する座標データを記憶しておいてもよい。このように設定された操作領域650に対応する検出範囲内の座標が検出された場合には、当該操作領域650がタッチされたことが判断される。一方、設定された操作領域650に対応する検出範囲外の座標が検出された場合には、操作領域650とは異なる領域ないし位置がタッチされたことが判断される。
ここで、図3(A)からも分かるように、着信画面60では、操作領域650は、タッチパネル38の操作可能な全範囲(ディスプレイ30の全表示範囲と同じ範囲)のうち、発信者情報を含む一部の領域に設定される。これは、携帯電話機10を鞄やケースから取り出す際に、誤って操作領域650をタッチしてしまう等ユーザが意図しない操作によってその操作に基づく処理が実行されることを防止するためである。したがって、たとえば、画像602の表示領域のみを操作領域650に設定して、さらに誤操作を少なくするようにしてもよい。
図3(A)に示す着信画面60において、発信者情報すなわち操作領域650がタッチされると、図3(B)に示す対応選択画面70がディスプレイ30に表示される。図3(B)に示すように、対応選択画面70は、表示領域70aおよび表示領域70bを含む。表示領域70aには、上述したように、電波強度などの情報が表示される。
表示領域70bには、発信者についての画像700を含む発信者情報が表示されるとともに、ボタン画像702、ボタン画像704およびボタン画像706が表示される。この対応選択画面70では、発信者情報として、発信者についての画像700および発信者の名称に加えて、発信者が使用している端末の種別(携帯または家電)およびその端末の電話番号が表示される。
このような発信者情報の下部に、ボタン画像702−706が表示される。ボタン画像702は、着信に対して応答する(accept)ために設けられる。ボタン画像704は、着信を無視する(ignore)ために設けられる。ボタン画像706は、着信を無視するとともにその着信の発信者(発信元)にメッセージを送信する(ignore with text)ために設けられる。
図示は省略するが、図3(B)に示す対応選択画面70では、ボタン画像702−ボタン画像706の表示領域の各々に対応して操作領域が設定されている。そして、上述の操作領域650と同様に、ボタン画像702−706の各々の操作領域に対応して、タッチパネル38の検出範囲が設定されている。つまり、各検出範囲についての座標データ群が、対応選択画面70に関連付けられるとともに、対応するボタン画像702−706を識別可能に、RAM34に記憶される。
したがって、タッチパネル38から座標データが入力されると、この座標データがボタン画像702−706の操作領域に対応する検出範囲内であるかどうかが判断される。座標データが、いずれかの検出範囲内である場合には、その検出範囲が設定された操作領域に対応するボタン画像702−ボタン画像706に設定された(割り当てられた)対応(機能)が実行される。ただし、座標データが入力されていない場合や座標データがすべての検出範囲外である場合には、ボタン画像702−706に設定された対応が実行されることはない。
詳細な説明は省略するが、図3(A)および図3(B)から分かるように、着信画面60に設定される操作領域650と、対応選択画面70に設けられるボタン画像702−706およびその操作領域とは、ディスプレイ30の表示領域において、互いに重ならない位置に設定されている。このため、着信画面60が表示されている場合に、誤って操作領域650に相当する領域ないし位置がタッチされ続ける場合であっても、対応選択画面70において、ボタン画像702−706がタッチされることは無い。つまり、使用者が意図せずに、着信に対して何らかの対応が選択されてしまうことは無い。
図3(B)に示される対応選択画面70において、ボタン画像702がタッチされたと判断されると、着信(着呼)に対して応答することが選択され、発信元の端末(電話機)との間で通信可能状態が確立された後に、通常の通話処理が実行される。このとき、図4(A)に示すような、通話中画面80がディスプレイ30に表示される。図4(A)に示すように、通話中画面80は、表示領域80aおよび表示領域80bを含む。表示領域80aには、電話強度などが表示され、表示領域80bには、通話開始からの時間(通話時間)が表示される。
図示は省略するが、通話処理が開始され、携帯電話機10が使用者の顔(耳)に接近され、そのことがプロセッサ24によって近接センサ40からの受光量に基づいて検出されると、ディスプレイ30の電源がオフされる。これは、無駄な消費電力を削減するためである。つまり、通話中に、通話相手と会話している場合には、使用者はディスプレイ30を見ないためである。同様に、通話中に、通話相手と会話している場合には、タッチパネル38を操作しないため、タッチパネル38の電源もオフされる。
なお、近接センサ40を設けない場合には、通話処理が開始され、所定時間(たとえば、3秒から15秒)が経過すると、ディスプレイ30やタッチパネル38の電源がオフされるようにしてもよい。たとえば、所定時間は、使用者が設定可能である。
また、図3(B)に示される対応選択画面70において、ボタン画像704がタッチされたと判断されると、着信を無視することが選択される。すると、携帯電話機10は通信を切断する。つまり、応答せずに、電話を切るのである。したがって、着信音の出力(再生)が停止される。ただし、マナーモードが設定されており、バイブレータが動作されている場合には、その動作(駆動)が停止される。または、着信音が出力されるとともに、バイブレータが動作されている場合には、その両方が停止される。なお、着信をLEDのような照明装置の点灯または明滅で表現する場合には、照明装置が消灯される。このように、携帯電話機10が通信を切断すると、これに応じて、発信元の電話機も通信を切断する。つまり、発信を終了する。
さらに、図3(B)に示される対応選択画面70において、ボタン画像706がタッチされたと判断されると、着信を無視するとともにメッセージを送信することが決定される。着信を無視する動作については、上述したとおりであるが、携帯電話機10の通信が切断された後に、図4(B)に示すようなメッセージ作成画面90がディスプレイ30に表示される。このメッセージ選択画面90は、表示領域90a、表示領域90b、表示領域90cおよび表示領域90dを含む。
表示領域90aには、電波強度などが表示され、表示領域90bには、メッセージの宛先として、発信者の電話機の電話番号が表示される。ただし、発信者情報を携帯電話機10のアドレス帳に登録してある場合には、発信者の名称を表示するようにしてもよい。表示領域90cには、メッセージの入力画面が表示される。表示領域90dには、ソフトキー100などが表示される。たとえば、ソフトキー100は、アルファベット、記号および数字を入力するためのボタン画像を含む。また、メッセージの作成を終了およびメッセージの送信を指示するためのボタン画像102が表示される。
図示は省略するが、ソフトキー100の各ボタン画像およびボタン画像102の表示領域に対応して操作領域が設定されており、各操作領域に対応してタッチパネル38の検出範囲が設定されている。具体的には、各ボタン画像の操作領域に対応するタッチパネル34の検出範囲を規定する座標データ群が、このメッセージ作成画面90に関連づけられてRAM34に記憶される。ただし、ボタン画像に対応する検出範囲は四角形であるため、その4つの頂点または対角の2つの頂点の座標についての座標データが記憶されてもよい。ただし、いずれのボタン画像の検出範囲についての座標データが識別可能に記憶される。
したがって、使用者がソフトキー100をタッチ操作すると、対応する文字(ここでは、アルファベット、記号または数字)が表示領域90cに入力(表示)される。ただし、ローマ字入力の場合には、アルファベットがかな文字に変換される。図示は省略するが、日本語(かな文字)による入力を行う場合には、ソフトキー100には、平仮名文字が表示される。
また、使用者がボタン画像102をタッチすると、メッセージの作成が終了されるとともに、作成したメッセージが表示領域90bに表示された宛先の端末に、たとえば、ショートメッセージサービス(SMS)で送信される。ただし、携帯電話機10が電子メール機能を備える場合には、電子メールで発信者の電話機にメッセージを送信してもよい。かかる場合には、宛先には、電話機に設定されたメールアドレスが入力され、作成されたメッセージが電子メールの本文に設定される。
なお、この実施例では、対応選択画面70において、着信を無視するとともにメッセージを送信することが選択された場合には、通信を切断した後に、即時にメッセージを作成するようにしてあるが、予め作成しておいた1または複数のメッセージから1つのメッセージを選択して、送信するようにしてもよい。かかる場合には、メッセージ作成画面90に代えて、予め作成したメッセージを選択するための画面(図示せず)を表示するようにすればよい。
また、通話中に、他の電話機からの着信(割り込み着信)があると、使用者が携帯電話機10を顔(耳)から離したときに、ディスプレイ30の電源がオンされ、対応選択画面70が、現在通話中の通話相手についての通話中画面80の前面に表示される。したがって、使用者は、上述したように、ボタン画像702、704、706をタッチすることにより、応答、無視、または、無視およびメッセージの送信を、割り込み着信に対して選択することができる。
このように割り込み着信がある場合には、使用者が携帯電話機10を顔から離したときに、対応選択画面70がディスプレイ30に表示されるため、使用者が携帯電話機10を顔から離す行為が、上述したように、割り込み着信でない場合の着信(以下、「通常の着信」ということがある)の場合における、対応選択指示に相当すると言える。
ボタン画像702がタッチされて、割り込み着信に応答することが選択されると、割り込み着信の発信元との間で通信可能状態が確立され、割り込み着信の発信元との間で通話処理が実行される。このとき、先に通話処理を行っていた発信元との通話処理は保留される。割り込み着信の発信元との通話処理が終了すると、保留されていた先の通話処理が再開される。
また、ボタン画像704がタッチされ、割り込み着信を無視することが選択されると、割り込み着信の発信元との間で通信可能状態が確立され、留守録が開始される。留守録が開始されると、電話に出ることができない旨のメッセージについての音声信号が割り込み着信の発信元に送信され、その後、割り込み着信の発信元の電話機の使用者からのメッセージについての音声信号(受話音声信号)の録音が開始される。ただし、この留守録は、先の通話相手との通話処理と並列して実行される。留守録が終了すると、携帯電話機10は割り込み着信の発信元との通信を切断する。たとえば、携帯電話機10は、割り込み着信の発信元の電話機が通信を切断することにより、留守録が終了したことを検知し、したがって、割り込み着信の発信元の電話機との通信を切断する。
なお、留守録に代えて、留守番電話サービスを電話事業者が行う場合には、当該電話事業者が運用および管理するシステムに、メッセージが録音される。この場合には、割り込み着信を無視することが選択されると、携帯電話機10は割り込み着信の発信元の電話機との通信を切断し、その後、割り込み着信の発信元の電話機は、電話事業者が運用および管理するシステムに接続され、当該発信元の電話機の使用者は、メッセージを録音することができる。
さらに、ボタン画像706がタッチされ、割り込み着信を無視するとともにメッセージを送信することが選択されると、上述したように、割り込み着信の発信元との通信可能状態が確立され、留守録が開始される。留守録が終了すると、割り込み着信の発信元の電話機との通信を切断する。そして、メッセージ作成画面90が、現在通話中の電話機についての通話中画面80の前面に表示される。ただし、メッセージ作成画面90の宛先には、割り込み着信の発信元の電話機の電話番号が入力される。メッセージの作成および送信については、上述したとおりであるため、重複した説明は省略する。
図5は図1に示したRAM34のメモリマップ300を示す図解図である。図5に示すように、RAM34は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302は、携帯電話機10の制御プログラムを記憶し、この制御プログラムは、通話処理プログラム310、画面生成プログラム312、画面表示プログラム314、操作入力検出プログラム316、メッセージ作成プログラム318およびメッセージ送信プログラム320などによって構成される。
通話処理プログラム310は、上述したように、発信処理、着信処理、通常の通話処理および割り込み処理を実行するためのプログラムである。画面生成プログラム312は、後述する画像データ334を用いて、ディスプレイ30に表示するための画面(60、70、80、90など)に対応する表示画像データを生成するためのプログラムである。画面表示プログラム314は、画面生成プログラム312に従って生成された表示画像データに対応する画面をディスプレイ30に表示するためのプログラムである。
操作入力検出プログラム316は、キー入力装置26から入力されるキーデータおよびタッチパネル38からタッチパネル制御回路36を介して入力される座標データを検出して、後述する操作データバッファ330に記憶(一時記憶)するためのプログラムである。メッセージ作成プログラム318は、メッセージ作成画面90を用いて、使用者の指示に従ってメッセージを作成するためのプログラムである。メッセージ送信プログラム320は、メッセージ作成プログラム318に従って作成されたメッセージを、使用者の指示に従って宛先(発信元)の電話機に送信するためのプログラムである。
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、着信音(メロディ、音楽を出力(再生)するための音出力プログラムや各種機能(電子メール、アドレス帳、電卓、スケジュールなど)を実行するための各々のプログラムも記憶される。
データ記憶領域304には、操作データバッファ330が設けられる。また、データ記憶領域304には、検出範囲データ332および画像データ334が記憶される。
操作データバッファ330は、キー入力装置26から入力されたキーデータおよびタッチパネル38から入力された座標データを一時記憶する。操作データバッファ330に一時記憶されたキーデータや座標データは、プロセッサ24の処理に用いられた後、削除(消去)される。
検出範囲データ332は、上述したように、各画面に関連付けて記憶された検出範囲についての座標データ群であり、対応する操作領域ないしボタン画像を識別可能に記憶される。
画像データ334は、各画面(70、80、90など)についての表示画像データを生成するためのテンプレートの画像データやキャラクタ画像のデータなどである。
図示は省略するが、着信音(メロディ、音楽)についての音データなども記憶される。また、プロファイルやアドレス帳の読出しが指示されると、対応するデータがフラッシュメモリ32からRAM34にロードされる。また、留守録によって録音されたメッセージについての音声データは、一旦RAM34(データ記憶領域304)に記憶された後に、フラッシュメモリ32に移動(保存)される。
図6ないし図8は、図1に示すプロセッサ24の全体処理を示すフロー図である。携帯電話機10の電源がオンされると、プロセッサ24は全体処理を開始し、ステップS1で、着信が有るかどうかを判断する。つまり、プロッセサ24は、他の電話機からの発信信号を受信したかどうかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり着信が無ければ、ステップS3で、その他の処理を実行して、ステップS1に戻る。たとえば、その他の処理としては、発信処理、発信処理による通常の通話処理、当該通話処理中の割り込み処理(図9および図10参照)、電子メールの受信、作成および送信の各処理、プロファイルやアドレス帳の登録および読み出し(参照)の各処理、電卓の計算処理、スケジュールの表示、入力および消去の各処理などである。ただし、後述割り込み処理以外の処理は、既に周知であり、また、本件の本質的な内容では無いため、詳細な説明については省略する。
一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり着信が有れば、ステップS5で、図3(A)に示したような着信画面60をディスプレイ30に表示する。図示は省略するが、このとき、プロセッサ24は、着信音をスピーカ22から出力させるなどする。続くステップS7では、対応選択指示が有るかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、検出範囲データ332を参照して、タッチパネル38から入力される座標データが操作領域650に対応する検出範囲内であるかどうかを判断する。
ステップS7で“NO”であれば、つまり座標データが入力されていない場合や座標データが操作領域650に対応する検出範囲外である場合には、対応選択指示が無いと判断して、同じステップS7に戻る。
なお、この実施例では、操作領域650がタッチされていない場合、つまり対応選択指示が無い場合には、そのまま同じステップS7に戻るようにしてあるが、これに限定される必要はない。たとえば、所定時間(たとえば、30秒)以上対応選択指示が無い場合、操作領域650の範囲(対応する検出範囲)外の同じ位置を所定時間(たとえば、5秒)以上タッチし続ける場合、または操作領域650の範囲外の領域で所定回数(たとえば、3回)以上連続してタッチした場合には、発信元の電話機との通信を切断したり、着信を保留したり、留守録を開始したりするようにしてもよい。
また、ステップS7で“YES”であれば、つまり座標データが操作領域650に対応する検出範囲内である場合には、対応選択指示が有ると判断して、ステップS9で、図3(B)に示したような対応選択画面70をディスプレイ30に表示する。図7に示すように、次のステップS11では、当該着信に対して応答するかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、検出範囲データ332を参照して、座標データがボタン画像702の操作領域に対応する検出範囲内であるかどうかを判断する。
ステップS11で“NO”であれば、つまり座標データが入力されていない場合や座標データがボタン画像702の操作領域に対応する検出範囲外である場合には、当該着信に対して応答することが選択されていないと判断して、図8に示すステップS27に進む。一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり座標データがボタン画像702の操作領域に対応する検出範囲内であれば、当該着信に対して応答することが選択されたと判断して、ステップS13で、発信元の電話機との間で通信可能状態(接続状態)を確立する。そして、ステップS15で、通話処理を開始し、ステップS17で、図4(A)に示したような通話中画面80をディスプレイ30に表示する。
図示は省略するが、通話処理が開始されると、プロセッサ24は、通話相手からの受話音声信号を受信すると、この受話音声信号に対応する受話音声をスピーカ22から出力し、一方、マイク18を通して検出した使用者の音声(通話音声)を、送話音声信号として通話相手の電話機に送信する。
続くステップS19では、割り込み着信が有るかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、現在通話中の電話機とは異なる他の電話機からの着信があるかどうかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり割り込み着信が無ければ、そのままステップS23に進む。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり割り込み着信が有れば、ステップS21で、後述する割り込み処理(図9および図10参照)を開始して、ステップS23に進む。ただし、割り込み処理は、プロセッサ24によってマルチタスクで全体処理と並列的に実行される。
そして、ステップS23では、終話かどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、通話相手から通話終了信号を受信したり、使用者が終話キー26cを押したりしたかどうかを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり終話で無ければ、ステップS19に戻って、通話処理を続行する。一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり終話であれば、ステップS25で、通話処理を終了して、ステップS1に戻る。ステップS25では、プロセッサ24は、通話相手から通話終了信号を受信したことに応じて、通話処理を終了する。また、ステップS25では、プロセッサ24は、使用者によって終話キー26cが押されたことに応じて、無線通信回路14を制御して通話相手に通話終了信号を送信し、その後、通話処理を終了する。
上述したように、ステップS11で“NO”となり、図8に示すステップS27に進むと、当該着信に対して無視することが選択されたかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、検出範囲データ332を参照して、座標データがボタン画像704の操作領域に対応する検出範囲内であるかどうかを判断する。ステップS27で“NO”であれば、つまり座標データが入力されていない場合や座標データがボタン画像704の操作領域に対応する検出範囲外である場合には、ボタン画像704がタッチされていないと判断して、ステップS31に進む。
ステップS27で“YES”であれば、つまり座標データがボタン画像704の操作領域の検出範囲内であれば、ボタン画像704がタッチされたと判断して、ステップS29で、通信を切断して、図6に示したステップS1に戻る。このとき、発信元の電話機では、当該携帯電話機10が通信を切断したことに応じて、通信が切断される。
ステップS31では、当該着信に対して無視するとともにメッセージを送信することが選択されたかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、検出座標データ332を参照して、座標データがボタン画像706の操作領域に対応する検出範囲内であるかどうかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり、座標データが入力されていない場合や座標データがボタン画像706の操作領域の範囲外である場合には、ボタン画像706がタッチされていないと判断して、図7に示したステップS11に戻る。
なお、この実施例では、ボタン画像702−706のいずれもがタッチされていない場合、すなわち対応の選択が無い場合には、その対応の選択が有るのを待機するべく、ステップS11に戻るようにしてあるが、これに限定される必要はない。たとえば、所定時間(たとえば、30秒)以上対応の選択が無い場合、ボタン画像702−706の表示領域の範囲外の同じ位置を所定時間(たとえば、5秒)以上タッチし続ける場合、またはボタン画像702−706の表示領域の範囲(操作領域に対応する検出範囲)外の領域で所定回数(たとえば、3回)以上連続してタッチした場合には、発信元の電話機との通信を切断したり、着信を保留したり、留守録を開始したりするようにしてもよい。このことは、後述する割り込み処理において、対応の選択の有無を検出する場合も同様である。
一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり座標データがボタン画像706の操作領域の検出範囲内である場合には、ボタン画像706がタッチされたと判断して、ステップS33で、通信を切断する。さらに、ステップS35で、図4(B)に示したようなメッセージ作成画面90をディスプレイ30に表示する。
続くステップS37では、使用者の操作に従ってメッセージを作成する。つまり、本文の表示領域90cに、ソフトキー100の操作に従う文字などが入力(表示)される。ただし、プロセッサ24は、検出範囲データ332を参照して、ソフトキー100のうち、座標データが含まれる検出範囲に対応する操作領域が設定された表示領域に表示されたキー(ボタン画像)が示すアルファベット、記号または数字を入力する。
次のステップS39では、メッセージの作成終了かどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、検出範囲データ332を参照して、座標データがボタン画像102の操作領域に対応する検出範囲内であるかどうかを判断する。ステップS39で“NO”であれば、つまり座標データがボタン画像102の操作領域の検出範囲外であれば、メッセージの作成終了でないと判断して、ステップS37に戻って、メッセージの作成を継続する。一方、ステップS39で“YES”であれば、つまり座標データがボタン画像102の操作領域に対応する検出範囲内であれば、メッセージの作成終了であると判断して、ステップS41で、作成したメッセージを発信元に送信して、ステップS1に戻る。
図9および図10は、プロセッサ24の割り込み処理を示すフロー図である。以下、この割り込み処理について説明するが、上述した全体処理における処理と同じ処理については簡単に説明することにする。
図9に示すように、プロセッサ24は、割り込み処理を開始すると、ステップS61で、使用者が携帯電話機10を顔から離したかどうかを判断する。上述したように、プロセッサ24は、近接センサ40で検出される赤外線の受光量によって、この近接センサ40(携帯電話機10)が使用者の顔に接近しているかどうかを判断する。ステップS61で“NO”であれば、つまり使用者が携帯電話機10を顔から離していなければ、そのままステップS61に戻る。
なお、この実施例では、使用者が携帯電話機10を顔から離していない場合には、そのまま同じステップS61に戻るようにしてあるが、このような状態が所定時間(たとえば、5〜10秒)以上続いた場合には、割り込み着信についての通信を切断したり、留守録を実行した後に通信を切断したりしてもよい。
一方、ステップS61で“YES”であれば、つまり使用者が携帯電話機10を顔から離した場合には、割り込み着信についての対応選択指示であると判断して、ステップS63で、図3(B)に示したような対応選択画面70をディスプレイ30に表示する。このとき、対応選択画面70は、現在通話中の通話相手についての通話中画面80の前面に表示される。
なお、図示は省略するが、ステップS61で“YES”の場合には、ディスプレイ30およびタッチパネル38の電源がオンされた後に、ステップS63の処理が実行される。
続くステップS65では、割り込み着信に対して応答することが選択されたかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、ボタン画像702がタッチされたかどうかを判断する。ステップS65で“NO”であれば、つまりボタン画像702がタッチされていなければ、割り込み着信に対して応答することが選択されていないと判断して、図10に示すステップS81に進む。
一方、ステップS65で“YES”であれば、つまりボタン画像702がタッチされれば、割り込み着信に対して応答することが選択されたと判断して、ステップS67で、先の通話相手との通話を保留し、ステップS69で、割り込み着信の発信元の電話機との間で通信可能状態を確立し、そして、ステップS71で、割り込みの通話処理を開始する。ただし、先の通話相手との通話が保留にされた場合には、全体処理では、ステップS23の処理が停止(一時停止)された状態になる。
続くステップS73では、割り込みの通話処理についての通話中画面70をディスプレイ30に表示する。そして、ステップS75では、終話かどうかを判断する。ステップS75で“NO”であれば、同じステップS75に戻る。一方、ステップS75で“YES”であれば、ステップS77で、割り込み着信についての通話処理を終了する。そして、ステップS79で、保留中の通話相手の電話機との通話処理を再開して、割り込み処理を終了する。つまり、ステップS79では、停止(一時停止)中のステップS23の処理の実行が再開される。
上述したように、ステップS65で“NO”となり、図10に示すステップS81に進むと、割り込み着信に対して無視することが選択されたかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、ボタン画像704がタッチされたかどうかを判断する。ステップS81で“NO”であれば、つまりボタン画像704がタッチされていなければ、割り込み着信に対して無視することが選択されていないと判断して、ステップS91に進む。
一方、ステップS81で“YES”であれば、つまりボタン画像704がタッチされれば、割り込み着信に対して無視することが選択されたと判断して、ステップS83で、割り込み着信の発信元の電話機との間で通信可能状態(接続状態)を確立し、ステップS85で、留守録を開始する。ここでは、プロセッサ24は、電話に出ることができない旨のメッセージについての音声信号を割り込み着信の発信元に送信し、割り込み着信の発信元の電話機の使用者からの受話音声信号の録音を開始する。図示は省略するが、録音する受話音声信号は、RAM34に一時記憶される。
次のステップS87では、留守録を終了するかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、割り込み着信の発信元の電話機が通信を切断したかどうかを判断する。ステップS87で“NO”であれば、つまり留守録を終了しない場合には、同じステップS87に戻って、留守録を継続する。一方、ステップS87
で“YES”であれば、つまり留守録を終了する場合には、ステップS89で、通信を切断して、図9に示したように、割り込み処理を終了する。図示は省略するが、留守録を終了すると、RAM34に一時記憶された受話音声信号(メッセージの音声信号)がフラッシュメモリ32に保存される。
また、ステップS91では、割り込み着信に対して無視するとともにメッセージを送信することが選択されたかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、ボタン画像706がタッチされたかどうかを判断する。ステップS91で“NO”であれば、つまりボタン画像706がタッチされていなければ、割り込み着信に対して無視するとともにメッセージを送信することが選択されていないと判断して、図9に示したステップS65に戻る。
一方、ステップS91で“YES”であれば、つまりボタン画像706がタッチされれば、割り込み着信に対して無視するとともにメッセージを送信することが選択されたと判断して、ステップS93で、割り込み着信の発信元の電話機との間で通信可能状態を確立し、ステップS95で、留守録を開始する。そして、ステップS97で、留守録を終了するかどうかを判断する。
ステップS97で“NO”であれば、同じステップS97に戻って、留守録を継続する。一方、ステップS97で“YES”であれば、ステップS99で、割り込み着信の発信元との通信を切断して、ステップS101で、図4(B)に示したようなメッセージ作成画面90をディスプレイ30に表示する。
続くステップS103では、使用者の操作に従ってメッセージを作成する。そして、ステップS105で、メッセージの作成を終了するかどうかを判断する。つまり、プロセッサ24は、ボタン画像102がタッチされたかどうかを判断する。ステップS105で“NO”であれば、ステップS103に戻って、メッセージの作成を継続する。一方、ステップS105で“YES”であれば、ステップS107で、作成したメッセージを発信元に送信して、割り込み処理を終了する。
この実施例によれば、着信画面で対応選択指示が与えられると、対応選択画面を表示して、着信に対する対応を選択させるので、1回のタッチで着信に対する対応を選択する場合に比べて誤操作を防止することができる。
また、この実施例では、着信画面では、その一部に設定された操作領域以外の領域をタッチしても、対応選択画面に遷移しないため、鞄やケースなどから携帯電話機を取り出す際に、対応選択画面が表示されてしまうのを、或る程度高い割合で防止することができる。
さらに、この実施例では、着信画面に設定された操作領域と対応選択画面のボタン画像の操作領域とは重なっていないため、たとえば、鞄の中でタッチパネルが反応することにより、着信画面に設定された操作領域を押し続けた状態になってしまった場合のように、着信画面に設定された操作領域を誤って押し続けてしまっても、対応選択画面において、いずれかの対応が選択されることはない。
なお、この実施例では、着信に対して、応答すること、無視すること、無視するとともにメッセージを送信することを選択するようにしたが、無視すること、または、無視するとともにメッセージを送信することは選択できなくても(無くても)よい。つまり、着信に応じて、応答すること、または、無視することを選択可能としたり、応答すること、または、無視するとともにメッセージを送信することを選択可能としたりしてもよい。
また、この実施例では、図3(A)に示した操作方法を示すメッセージ(ここをタッチして!)や図3(B)に示した対応の内容(応答、無視、無視 メッセージ)を日本語で表示したが、これに限定される必要は無い。たとえば、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、韓国語、中国語のような他の言語で表示されてよい。このことは、図3(A)、図3(B)、図4(A)および図4(B)に示す他の表示についても同様である。
さらに、この実施例では、図3(A)に示したように、操作方法を示すメッセージを文字列で示したが、タッチする旨が分かる画像(たとえば、指で画面をタッチするような画像)を表示するようにしてもよい。かかる場合には、ユーザが理解できる言語によって操作方法が画面に示されていなくても、画像によって操作方法を理解することができる。
さらにまた、この実施例では、図3(B)に示した対応選択画面が表示されている場合には、ボタン画像702−706のいずれかをタッチすることにより、対応の内容を選択するようにしたが、キー入力装置26を用いて選択するようにしてもよい。たとえば、通話キー26aがオンされると、着信に応答することが選択され、終話キー26cがオンされると、着信を無視することが選択され、そして、機能キー26bがオンされると、着信を無視するとともにメッセージを送信することが選択される。
また、この実施例では、通信方式として、CDMA方式を採用するようにしてあるが、これに限定される必要は無く、LTE(Long Term Evolution)方式、W−CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などの他の方式が採用されてもよい。
さらに、この実施例では、着信に対して応答することが選択され、通話処理が実行されている場合に、割り込み処理が実行される場合についてのみ説明したが、発信に応じて他の電話機との通話処理が実行されている場合についても、同様の割り込み処理が実行される。
さらにまた、以上の説明で挙げた所定時間や所定回数などの具体的数値および各画面は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、図4(B)に示したメッセージ作成画面の表示領域90dに表示されたソフトキー100の配列は、QWERTY配列にしてもよい。