JP5847156B2 - 肝細胞がんの処置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を投与することにより、肝細胞がん(HCC)を処置するための方法および組成物に関する。
肝細胞がん(HCC)は、世界で5番目に多いがんであり、がんに関連する死亡のうちで3番目に多い原因である。非特許文献1を参照されたい。HCCは、臨床症状発現の経過の後期において診断されることが多い。結果として、治癒的な手術の候補者となる患者は、10〜15%に過ぎない。HCC患者の大半については、全身に対する化学療法または支持療法(supportive therapy)が、頼みの綱の処置選択肢である。しかしながら、大半の化学療法剤が示す有効性は限定されたものであり、患者の生存を改善することは不可能であった。例えば、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、および非特許文献5を参照されたい。近年における、B型肝炎に関連するHCC患者における、VEGF受容体、PDGF受容体、およびRafの経口多重キナーゼ阻害剤である、Sorafenibについての第III相無作為化試験は、初めて、進行病期患者の生存の延長を示した。Cheng A. L.ら、Lancet Oncology、10巻:25〜34頁(2009年)を参照されたい。しかし、メジアンの全生存は、プラセボ群における4.2カ月から処置群における6.5カ月へと延長されたに過ぎない。さらに、HCCは、化学療法耐性であることが多く、MDR1(P−gp)などの多剤耐性遺伝子、および多剤耐性タンパク質(MRP)を過剰発現することも公知である。例えば、Ng I.ら、American J. of Clinical Pathology、113巻:355〜63頁(2000年)、Endicott J. A.ら、Annual Review of Biochemistry、58巻:137〜71頁(1989年)、およびPark J. G.ら、J. of the National Cancer Institute、86巻:700〜5頁(1994年)を参照されたい。大半のHCC患者の有害な臨床経過は、より有効な化学療法および標的化戦略の開発に対する多大な必要を強調している。
タキサン類(パクリタキセルおよびドセタキセルなど)は、広範なヒトのがんに対して抗腫瘍活性を及ぼす、ジテルペノイド薬のクラスである。パクリタキセルは、元来、イチイの樹皮から単離され、正常な微小管解体機能に干渉することにより作用することが公知であった。パクリタキセルは、微小管の構成要素であるチューブリンのβ−サブユニットに結合し、微小管構造の超安定化(hyper−stabilization)を引き起こす。結果としてもたらされるパクリタキセル/微小管構造を、分解不能とし、これにより、有糸分裂を停止させ、血管新生を阻害する。パクリタキセルは、乳がん、黒色腫、および卵巣がんなど、多様な悪性腫瘍細胞に対して有効であることが示されてきたが、HCCに対するその有効性は疑問視されてきた。HCC患者を対象とするパクリタキセルについての第II相臨床試験が、British Journal of Cancer、78巻(1号)、24〜39頁、1998年において報告されたが、これによれば、パクリタキセルは、HCC患者において、顕著な抗がん効果を示さないと結論づけられた。これに対し、ドセタキセルは、HCC細胞に対して、パクリタキセルより有効であることが報告された(特許文献1)。
アルブミンベースのナノ粒子組成物が、タキサンなど、実質的に水に不溶性である薬物を送達するための薬物送達系として開発されている。例えば、特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;および特許文献6を参照し、また、特許文献7も参照されたい。アルブミンベースのナノ粒子技術は、タンパク質であるアルブミンが、実質的に水に不溶性である薬物を、疾患部位へと輸送および送達する天然の特性を用いる。これらのナノ粒子は、身体内の固有の輸送プロセスへの組込みが容易であり、腫瘍のアルブミンへの誘引を利用することが可能であることから、ナノ粒子における高濃度の活性薬物を標的部位へと送達することが可能となる。加えて、アルブミンベースのナノ粒子技術は、投与過程における溶媒などの有毒な化学物質に対する必要を回避し、これにより、溶媒関連の副作用を除去することを介して潜在的に安全性を改善することにより、薬物の溶解度を改善する可能性ももたらす。
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、特許出願、および特許出願公開の開示は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
米国特許出願第2008/0045584号明細書 米国特許第5,916,596号明細書 米国特許第6,506,405号明細書 米国特許第6,749,868号明細書 米国特許第6,537,579号明細書 米国特許第7,820,788号明細書 米国特許公開第2007/0082838号明細書
Parkin D. M.、Lancet Oncology(2001年)2巻:533〜43頁 Yeo W.ら、J. of the National Cancer Institute(2005年)97巻:1532〜8頁 Gish R. G.ら、J. of Clinical Oncology(2007年)25巻:3069〜75頁 Ramanathan R. K.ら、J. of Clinical Oncology(2006年)24巻:4010頁 O’Dwyer P. J.ら、J. of Clinical Oncology(2006年)24巻:4143頁
一部の実施形態における本発明は、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(本明細書の後出ではまた、「ナノ粒子組成物」または「タキサンナノ粒子組成物」とも称する)を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、タキサンが、ドセタキセルである。一部の実施形態では、アルブミンが、ヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、ナノ粒子が、アルブミンでコーティングしたパクリタキセル(またはドセタキセル)を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが、約200nm以下(約200nm未満など)である。一部の実施形態では、組成物が、アルブミンで安定化させたパクリタキセルのナノ粒子処方物(Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標)))を含む。一部の実施形態では、組成物が、Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))である。
したがって、例えば、一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、組成物を静脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を門脈内(intraportally)投与する。一部の実施形態では、組成物を動脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を腹腔内投与する。一部の実施形態では、組成物を肝内(intrahepatically)投与する。一部の実施形態では、肝動脈注入を介して組成物を投与する。
また、HCCを処置するための組合せ療法も提供される。したがって、例えば、一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。ナノ粒子組成物と、他の薬剤とを、同時投与することもでき、逐次投与することもできる。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、他の薬剤とを、共時投与する(administer concurrently)。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、タキサンが、ドセタキセルである。一部の実施形態では、アルブミンが、ヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、ナノ粒子が、アルブミンでコーティングされたパクリタキセル(またはドセタキセル)を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが、約200nm以下(約200nm未満など)である。一部の実施形態では、組成物が、アルブミンで安定化させたパクリタキセルのナノ粒子処方物(Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標)))を含む。一部の実施形態では、組成物が、Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))である。
一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管の分解を促進する分子を直接的または間接的に阻害する。一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管の分解を促進する分子の活性を阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子の発現を阻害する。一部の実施形態では、他の薬剤が、ABP1、ARHGAP4、HSPA8、LCP1、PACSIN2、RUNX1T1、STMN1、チューブリン、およびTUBB4からなる群より選択される分子を阻害する。
一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子を直接的または間接的に活性化する。一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子の活性を増強する。一部の実施形態では、薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子の発現を増大させる。一部の実施形態では、他の薬剤が、ABI1、BCL2L11、CDC42、CHRM3、CNN3、CSMD1、DDOST、DOCK7、EHMT2、ENAH、ERMAP、ERLF1、HDAC5、LDLRAP1、MCF2、OLA1、RASA1、SHC2、STMN2、およびTRIP10からなる群より選択される分子を活性化する。
一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)STMN1(スタスミン1)を阻害する有効量の薬剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物およびSTMN1を阻害する薬剤が、HCCの処置に対して相乗効果を及ぼす。一部の実施形態では、STMN1を阻害する薬剤が、HCC細胞を、ナノ粒子組成物による処置に対して感作させる。
一部の実施形態では、薬剤が、STMN1の活性を阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1がチューブリンに結合することを阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1のリン酸化を増大させる。一部の実施形態では、薬剤が、キサントンファミリーの分子である。一部の実施形態では、薬剤が、ガンボージまたはその誘導体である。ガンボージおよび誘導体には、例えば、ガンボギン酸(gambogic acid)(GA)およびガンボゲン酸(gembogenic acid)(GEA)が含まれる。
一部の実施形態では、薬剤が、STMN1の発現を阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、抗STMN1リボザイム(Rz184およびRz305など)である。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1に対する低分子干渉RNA(siRNA)である。したがって、例えば、一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)STMN1を阻害する有効量の組成物とを投与するステップを含み、組成物が、STMN1に対するsiRNAを含む方法が提供される。一部の実施形態では、組成物が、STMN1に対する1つより多いsiRNAを含む。
したがって、例えば、一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ここで、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている、組成物と、(b)STMN1を阻害する有効量の組成物(STMN1に対するsiRNAを含む組成物など)とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ここで、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である、組成物と、(b)STMN1を阻害する有効量の組成物(STMN1に対するsiRNAを含む組成物など)とを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ここで、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である、組成物と、(b)STMN1を阻害する有効量の組成物(STMN1に対するsiRNAを含む組成物など)とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体に(a)Nab−パクリタキセルを含む有効量の組成物と、(b)STMN1を阻害する有効量の組成物(STMN1に対するsiRNAを含む組成物など)とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体に(a)有効量のNab−パクリタキセルと、(b)STMN1を阻害する有効量の組成物(STMN1に対するsiRNAを含む組成物など)とを投与するステップを含む方法が提供される。
本明細書に記載される方法により処置されうるHCCには、肝細胞がん、HCCの線維層板状変異型(fibrolamellar variant)、および混合型肝細胞胆管がん(mixed hepatocellular cholangiocarcinoma)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、HCCが、早期HCC、非転移性HCC、原発性HCC、進行HCC、局所進行HCC、転移性HCC、寛解期HCC、再発性HCC、付加療法の状況でのHCC、または新補助療法の状況でのHCCのうちのいずれかである。一部の実施形態では、HCCが、化学療法剤の非ナノ粒子処方物(パクリタキセルの非ナノ粒子処方物など)による処置に対して耐性である。
本明細書に記載される方法は、以下の目的:HCCの1またはそれより多くの症状を緩和すること、HCCの進行を遅延させること、HCC患者における腫瘍サイズを縮小させること、HCCの腫瘍増殖を阻害すること、全生存を延長すること、無病生存(disease−free survival)を延長すること、HCC疾患進行までの時間を延長すること、HCCの腫瘍転移を予防するかもしくは遅延させること、既存のHCCの腫瘍転移を軽減する(根絶するなど)こと、既存のHCCの腫瘍転移の発生もしくは負荷を軽減すること、またはHCCの再発を予防することのうちの任意の1またはそれより多くに用いることができる。
また、本明細書に記載される方法に有用な組成物(医薬組成物など)、医薬、キット、および単位用量も提供される。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
肝細胞がん(HCC)の処置を必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、該個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを包含する、方法。
(項目2)
HCCの処置を必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、該個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、該他の薬剤が、微小管の分解を阻害する、方法。
(項目3)
前記ナノ粒子組成物と、前記他の薬剤とを、同時投与または逐次投与する、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記ナノ粒子組成物と、前記他の薬剤とを、共時投与する、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記他の薬剤が、微小管の分解を促進する分子を直接的または間接的に阻害する、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記他の薬剤が、ABP1、ARHGAP4、HSPA8、LCP1、PACSIN2、RUNX1T1、STMN1、チューブリン、およびTUBB4からなる群より選択される分子を阻害する、項目2に記載の方法。
(項目7)
前記他の薬剤が、STMN1の阻害剤である、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記他の薬剤が、STMN1に対するsiRNAである、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記他の薬剤が、ガンボージまたはその誘導体である、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記他の薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子を直接的または間接的に活性化する、項目2に記載の方法。
(項目11)
前記他の薬剤が、ABI1、BCL2L11、CDC42、CHRM3、CNN3、CSMD1、DDOST、DOCK7、EHMT2、ENAH、ERMAP、ERLF1、HDAC5、LDLRAP1、MCF2、OLA1、RASA1、SHC2、STMN2、およびTRIP10からなる群より選択される分子を活性化する、項目2に記載の方法。
(項目12)
前記HCCが、肝細胞がん、HCCの線維層板状変異型、または混合型肝細胞胆管がんである、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記HCCが、早期HCC、非転移性HCC、原発性HCC、進行HCC、局所進行HCC、転移性HCC、寛解期HCC、再発性HCC、付加療法の状況でのHCC、または新補助療法の状況でのHCCである、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む前記組成物を非経口的に投与する、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む前記組成物を静脈内投与、動脈内投与、肝内投与、または門脈内投与する、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記タキサンが、パクリタキセルである、項目1から15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記組成物中の前記ナノ粒子の平均直径が、約200nm以下である、項目1から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記組成物中の前記ナノ粒子の平均直径が、約200nm未満である、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記ナノ粒子中の前記タキサンが、アルブミンでコーティングされている、項目1から18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記個体がヒトである、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。
本発明のこれらの態様および利点、ならびに他の態様および利点は、後続の詳細な説明および付属の特許請求の範囲から明らかとなる。本明細書に記載される多様な実施形態の1つの特性、一部の特性、またはすべての特性を組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成することができる。
図1Aは、HCCにおいて上位10位にランク付けされた機能的オントロジーを明らかにするIngenuity Pathway Analysisを示す。細胞のアセンブリおよび組織化に関与する上方制御された遺伝子および下方制御された遺伝子を示す。図1Bは、STMN1−チューブリン軸経路を例示する。 図2Aは、HCCにおいてタキサンおよびドキソルビシンの細胞毒性効果を示す。細胞株Hep3B、HKCl−9およびSK−HEP−1を、漸増濃度のドキソルビシン、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))およびNab−パクリタキセル(アブラキサン(登録商標))を用いて48時間処理した。細胞の生存度に対する効果をMTTにより調査し、IC50値を決定した。実験を3回反復し、平均±SDとして表した。図2Bは、ウエスタンブロッティングにより検出された、正常な肝臓およびHCC細胞株におけるSTMN1の発現を示す。図2Cは、さまざまなHCC細胞株において試験された薬物のIC50値を示す。 図3は、Nab−パクリタキセルを用いて処理したHep3BおよびSK−HEP1細胞における微小管の形態を示す。5ng/mlのNab−パクリタキセルを用いて、24時間処理した細胞を4%のパラホルムアルデヒド中で固定し、β−チューブリンに関して染色した(a、d、g、j)。核を、DAPIを用いて対比染色した(b、e、h、k)。(aからc):Hep3Bコントロール;(dからf):Nab−パクリタキセルで処理されたHep3B;(gからi):SK−HEP1コントロール;(jからl):Nab−パクリタキセルで処理されたSK−HEP1。図(dからf)および(jからl)中の挿入図は、同じスライド由来の異なる視野から捕捉する。Nab−パクリタキセルで処理された細胞は、より高い程度の微小管の重合を示した(矢印)。2回の独立した実験由来の代表的画像を示す。 図4Aは、Nab−パクリタキセルで処理されたHep3BおよびSK−HEP1の細胞周期プロファイルを示す。異なる濃度のNab−パクリタキセルを用いて12時間処理された細胞を回収し、PIを用いて染色し、フローサイトメトリにより分析した。図4Bはさまざまな濃度のNab−パクリタキセルに応答した、Hep3BおよびSK−HEP1中のG2M対G0/G1集団の比を示す。*P<0.05、**P<0.01(一元ANOVA(one−way ANOVA))。図4Cは、Nab−パクリタキセル100ng/mlで48時間の処理後にアポトーシス細胞数の増加を示した、Hep3BおよびSK−HEP1細胞におけるTUNEL分析を示す。核を、DAPIを用いて対比染色した。示した画像は、2回の独立した実験の代表である。図4Dは、適用した漸増濃度のNab−パクリタキセルによるアポトーシス細胞の増加の百分率を示す。*P<0.05、**P<0.01(一元ANOVA)。図4Eは、Nab−パクリタキセルを用いて処理されたHep3BおよびSK−HEP1中のPARPについてのウエスタンブロットを示し、これは、時間とともに切断されたPARPの量が増加することを実証している。 図5Aは、in vivoにおけるHCC腫瘍成長に対するNab−パクリタキセルの効果を示す。図5Bは、薬物処置によるマウス体重における百分率での変化を示す。図5Cは、実験の間のマウスの状態に従ってプロットされた生存曲線を示す。ビヒクル群と薬物処置群との間に有意な差が観察された(*P<0.05、**P<0.01、PBS群と比較)。図5Dは、代表的なコントロールおよびNab−パクリタキセル処置マウスのIVIS画像を示す。 図6は、STMN1遺伝子発現のサイレンシング後の薬物感受性に対する効果を示す。図6Aは、siRNAノックダウン後1日および3日のSTMN1のレベルを示す。STMN1の発現は、ウエスタンブロットにより決定した(図6A)。画像は、3回の独立した実験の代表である。図6Bは、STMN1のサイレンシングにより、Hep3B細胞の生存度が3日目に約40%阻害されることを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表した(**P<0.01、***P<0.001 siMock群と比較)。図6Cは、STMN1発現のサイレンシングが、抗微小管薬に対してSTMN1−過剰発現細胞を感作させたことを示す。siSTMN1をトランスフェクトされたHep3B細胞を、ドキソルビシン、パクリタキセルおよびNab−パクリタキセルを用いて48時間処理した。Nab−パクリタキセルにより明白な相乗効果が示唆された。示された結果は2回以上の独立した実験の平均±SDを表す(*P<0.05、**P<0.01 siMock群と比較)。
本発明は、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を投与することにより、HCCを処置するための方法および組成物を提供する。また、微小管の分解を阻害する少なくとも1つの他の薬剤(STMN1の阻害剤など)と共に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与することにより、HCCを処置するための組合せ療法も提供される。
in vitroにおける細胞生存度アッセイと、マウス異種移植研究とを用いて、本発明者らは、アルブミンで安定化させたパクリタキセルのナノ粒子処方物、すなわち、Nab−パクリタキセルが、パクリタキセルの非ナノ粒子処方物(PaclitaxelまたはTaxol(登録商標))およびドセタキセルの非ナノ粒子処方物(DocetaxelまたはTaxotere(登録商標))の有効IC50用量の15分の1であり、Doxorubicinの有効IC50用量の約450分の1である有効IC50用量を示すことを見出した。in vivoにおける動物研究はまた、Nab−パクリタキセルが、Paclitaxel、Docetaxel、およびDoxorubicinと比較して、宿主細胞に対してより低い毒性で、異種移植腫瘍の増殖を容易に阻害することも示した。本発明者らは、Nab−パクリタキセルと組み合わせた、微小管の主要な制御遺伝子であるSTMN1に対する遺伝子サイレンシングが、HCC細胞を死滅させるのに顕著な相乗効果を示すこともさらに見出した。したがって、本発明は、単独で、または微小管の分解を阻害する薬剤(STMN1の阻害剤など)など、別の薬剤と組み合わせて、アルブミンおよびタキサンによるナノ粒子組成物を投与することにより、HCCを処置するための方法および組成物を提供する。
一態様では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。
別の態様では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。
また、本明細書に記載される方法に有用な組成物(医薬組成物など)、医薬、キット、および単位用量も提供される。
定義
本明細書で用いられる「処置」または「処置すること」とは、臨床的な結果を含めた有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果に、以下:疾患から結果として生じる1またはそれより多くの症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の増悪を予防するかまたは遅延させること)、疾患の拡大(例えば、転移)を予防するかまたは遅延させること、疾患の再発を予防するかまたは遅延させること、疾患の進行を遅延させるかまたは緩徐化すること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分寛解または完全寛解)をもたらすこと、疾患を処置するのに必要とされる1またはそれより多くの他の医薬の用量を低減すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、および/または生存を延長することのうちの1または複数が含まれるがこれらに限定されない。また、「処置」には、HCCの病理学的帰結の軽減も包含される。本発明の方法は、処置のこれらの側面のうちの任意の1または複数を意図する。
「個体」という用語は、哺乳動物を指し、これには、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類が含まれるがこれに限定されない。
本明細書で用いられる「危険性がある」個体とは、HCCを発症する危険性がある個体である。「危険性がある」個体は、検出可能な疾患を有する場合もあり、有さない場合もあり、本明細書に記載される処置法の前に、検出可能な疾患を示している場合もあり、示していない場合もある。「危険性がある」とは、個体が1またはそれより多くのいわゆる危険因子を有することを意味し、これらは、本明細書に記載されるHCCの発症と相関する測定可能なパラメーターである。これらの危険因子のうちの1または複数を有する個体は、これらの危険因子(複数可)を伴わない個体より、がんを発症する可能性が高い。
「付加療法の状況」とは、個体が、HCCの既往歴を有し、個体に治療が全般的に応答性である(しかし、必ずしもそうである必要はない)臨床状況を指し、これには、手術(例えば、手術による切除)、放射線療法、および化学療法が含まれるがこれらに限定されない。しかし、彼らのHCCの既往歴のために、これらの個体は、疾患を発症する危険性があると考えられる。「付加療法の状況」における処置または投与は、後続の処置方式を指す。危険性の程度(例えば、付加療法の状況にある個体が「高危険性」または「低危険性」とみなされる場合の)は、複数の因子に依存し、最初に処置された時における疾患の程度に依存することが最も通常である。
「新補助療法の状況」とは、方法を、主要な/決定的な治療の前に実施する臨床状況を指す。
本明細書で用いられる、HCCの発症を「遅延させること」とは、HCCの発症を延期するか、阻害するか、緩徐化するか、遅滞させるか、安定化させるか、かつ/または遅らせることを意味する。この遅延は、疾患の既往歴および/または処置される個体に応じて、様々な長さの時間でありうる。当業者に明らかである通り、十分な遅延または顕著な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で、予防を包含しうる。HCCの発症を「遅延させる」方法とは、所与の時間枠における疾患発症の可能性を低減し、かつ/またはこの方法を用いない場合と比較して、所与の時間枠内で疾患の程度を軽減する方法である。このような比較は、統計学的に有意な数の被験体を用いる臨床研究に基づくことが典型的である。HCCの発症は、コンピュータ断層撮影法(CATスキャン)、磁気共鳴画像診断法(MRI)、腹部超音波法、凝血検査、動脈造影法、または生検が含まれるがこれらに限定されない標準的な方法を用いて検出することができる。発症とは、初期において検出されず、発生、再発および発病(onset)を含むHCCの進行を指す場合がある。
本明細書で用いられる「組合せ療法」とは、第1の薬剤を、別の薬剤と共に投与することを意味する。「〜と共に」とは、同じ個体への他の薬剤の投与に加えた、本明細書に記載されるナノ粒子組成物の投与など、別の処置モダリティーに加えた、1つの処置モダリティーの投与を指す。したがって、「〜と共に」は、個体に他の処置モダリティーを送達する前、送達する間、または送達した後における、1つの処置モダリティーの投与を指す。
本明細書で用いられる「有効量」という用語は、その症状のうちの1または複数を改善するか、緩和するか、軽減するか、かつ/または遅延させるなど、指定された障害、状態、または疾患を処置するのに十分な量の化合物または組成物を指す。HCCについて、有効量は、腫瘍を縮小させ、かつ/もしくは腫瘍の増殖速度を減少させる(腫瘍の増殖を抑制するなど)か、またはHCCにおける望ましくない他の細胞増殖を予防するかもしくは遅延させるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量が、HCCの発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量が、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。HCCの場合、薬物または組成物の有効量は、(i)HCC細胞の数を低減することが可能であり、(ii)腫瘍のサイズを縮小させることが可能であり、(iii)末梢器官へのHCCがん細胞の浸潤をある程度まで阻害し、遅滞させ、緩徐化し、好ましくは停止させることが可能であり、(iv)腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度まで緩徐化し、好ましくは停止させる)ことが可能であり、(v)腫瘍の増殖を阻害することが可能であり、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防するかもしくは遅延させることが可能であり、かつ/または(vii)HCCと関連する症状のうちの1もしくは複数をある程度まで緩和することが可能である。
本明細書で用いられる「同時投与」という用語は、組合せ療法における第1の療法と第2の療法とを、約10分間、約5分間、または約1分間以内のうちのいずれかなど、約15分間以内の時間間隔で投与することを意味する。第1の療法と第2の療法とを同時に投与する場合、第1の療法および第2の療法を同じ組成物(例えば、第1の療法および第2の療法の両方を含む組成物)中に含有させることもでき、別個の組成物中に含有させる(例えば、第1の療法を1つの組成物中に含有させ、第2の療法を別の組成物中に含有させる)こともできる。
本明細書で用いられる「逐次投与」という用語は、組合せ療法における第1の療法および第2の療法を、約20分間、約30分間、約40分間、約50分間、約60分間またはそれより長い時間のうちのいずれかなど、約15分間を超える時間間隔で投与することを意味する。第1の療法をまず投与することもでき、第2の療法をまず投与することもできる。第1の療法と第2の療法とを別個の組成物中に含有させ、これらを同じパッケージまたはキットに含有させることもでき、異なるパッケージまたはキットに含有させることもできる。
本明細書で用いられる「共時投与」という用語は、組合せ療法における第1の療法の投与と、第2の療法の投与とが、互いと重複することを意味する。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性の」とは、生物学的でも他の点でも望ましい材料を意味し、例えば、材料は、あらゆる顕著に望ましくない生物学的作用を引き起こさず、またはそれが含有される組成物の他の成分のうちのいずれかとも有害な様式で相互作用もしない、患者に投与される医薬組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤は、好ましくは、毒性試験および製造試験の要求基準を満たし、かつ/または米国食品医薬品局により作成された「不活性成分についての指針」に含まれるものである。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」こと、および/または態様および実施形態「から本質的になる」ことを包含することを理解されたい。
本明細書における「おおよその」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とするばらつきを包含(および記載)する。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を包含する。
本明細書および付属の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある」、「または」、および「その」は、文脈が別段に決定することが明らかでない限り、複数の指示を包含する。
HCCを処置する方法
本発明は、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にa)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法も提供する。後出におけるHCCを処置する方法に対する言及およびこれらについての説明は例示的なものであり、この説明は、組合せ療法を用いてHCCを処置する方法にも同等に当てはまり、これらの方法も包含することが理解される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、HCCが、早期HCC、非転移性HCC、原発性HCC、進行HCC、局所進行HCC、転移性HCC、寛解期HCC、または再発性HCCである。一部の実施形態では、HCCが、切除可能な限局性HCC(すなわち、手術による完全な除去を可能とする、肝臓の一部に限定された腫瘍)、切除不能な限局性HCC(すなわち、この限局性腫瘍は、極めて重要な血管構造が関与しているため、または肝臓が損傷しているために、切除不能でありうる)、または切除不能HCC(すなわち、この腫瘍は、肝臓の全葉に関与しており、かつ/または拡大して他の臓器(例えば、肺、リンパ節、骨)にも関与している)である。一部の実施形態では、HCCが、TNM分類に従い、病期Iの腫瘍(血管浸潤を伴わない単一の腫瘍)、病期IIの腫瘍(血管の浸潤を伴う単一の腫瘍、またはいずれもが5cmを超えない複数の腫瘍)、病期IIIの腫瘍(いずれかが5cmを超える複数の腫瘍、または門脈もしくは肝静脈の主枝に関与する腫瘍)、病期IVの腫瘍(胆嚢以外の隣接臓器を直接的に浸潤するか、または内臓側腹膜の穿孔を伴う腫瘍)、N1腫瘍(局所的なリンパ節転移)、またはM1腫瘍(遠位の転移)である。一部の実施形態では、HCCが、AJCC(American Joint Commission on Cancer)の病期分類基準に従い、T1期のHCC、T2期のHCC、T3期のHCC、またはT4期のHCCである。一部の実施形態では、HCCが、肝細胞がん、HCCの線維層板状変異型、および混合型肝細胞胆管がんのうちのいずれか1つである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除可能な限局性HCCを処置する方法であって、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能な限局性HCCを処置する方法であって、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における切除不能HCCを処置する方法であって、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
本明細書で提供される方法を用いて、HCCと診断されたか、またはHCCを有することが疑われる個体(例えば、ヒト)を処置することができる。一部の実施形態では、個体がヒトである。一部の実施形態では、個体が、少なくとも、約35歳、約40歳、約45歳、約50歳、約55歳、約60歳、約65歳、約70歳、約75歳、約80歳、または約85歳のうちのいずれかである。一部の実施形態では、個体が、アジア系である。一部の実施形態では、個体が男性である。一部の実施形態では、個体が女性である。一部の実施形態では、個体が、早期HCC、非転移性HCC、原発性HCC、進行HCC、局所進行HCC、転移性HCC、寛解期HCC、または再発性HCCを有する。一部の実施形態では、個体が、AJCC(American Joint Commission on Cancer)の病期分類基準に従い、T1期のHCC、T2期のHCC、T3期のHCC、またはT4期のHCCを有する。一部の実施形態では、個体が、HBsAg陽性である。一部の実施形態では、個体が、HBsAg陰性である。一部の実施形態では、個体が、根底にある肝硬変を有する。一部の実施形態では、個体が、根底にある肝硬変を有さない。一部の実施形態では、個体が、提示時に単一の病変を有する。一部の実施形態では、個体が、提示時に複数の病変を有する。一部の実施形態では、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標))によるHCCの処置に対して耐性である。一部の実施形態では、個体に、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)によるHCCの処置が当初は応答するが、処置後に進行している。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陽性であり、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体がHBsAg陰性であり、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされている方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にタキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標など))による処置に対して耐性であり、個体にパクリタキセルおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、ナノ粒子中のパクリタキセルがアルブミンでコーティングされており、組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体にNab−パクリタキセルを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHCCを処置する方法であって、個体が、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子処方物、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標)など)による処置に対して耐性であり、個体に有効量のNab−パクリタキセルを投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、個体は、HCCと関連する1またはそれより多くの症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体が、HCCの早期にある。一部の実施形態では、個体が、HCCの進行期にある。一部の実施形態では、個体が、遺伝子的に、または他の形で、HCCを発症する素因を示す(例えば、危険因子を有する)。これらの危険因子には、年齢、性別、人種、食餌、疾患の既往歴、前駆疾患(例えば、B型肝炎ウイルス感染またはC型肝炎ウイルス感染、肝硬変)の存在、遺伝子的(例えば、遺伝的)検討事項(consideration)、および環境的曝露が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、HCCの危険性がある個体には、例えば、HCCを経験した親族を有する個体、およびその危険性が、遺伝子マーカーまたは生化学マーカーを解析することにより決定される個体が含まれる。一部の実施形態では、個体が、SPARC発現について陽性である(例えば、IHC基準に基づく)。一部の実施形態では、個体が、SPARC発現について陰性である。
本明細書で提供される方法は、付加療法の状況で実施することができる。一部の実施形態では、上記方法を、新補助療法の状況において実施する、すなわち、上記方法を、一次療法(primary therapy)/根治治療(definitive therapy)の前に実施することができる。一部の実施形態では、上記方法を用いて、以前に処置された個体を処置する。本明細書で提供される処置方法のうちのいずれかを用いて、以前に処置されたことがない個体を処置することができる。一部の実施形態では、上記方法を、第一選択療法(first line therapy)として用いる。一部の実施形態では、上記方法を、第二選択療法として用いる。
本明細書に記載される方法は、HCC処置の多様な側面に有用である。一部の実施形態では、個体におけるHCC細胞の増殖(HCCの腫瘍増殖など)を阻害する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%の(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のうちのいずれかを含む)細胞増殖を阻害する。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
一部の実施形態では、個体におけるHCCの腫瘍転移を阻害する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%の(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のうちのいずれかを含む)転移を阻害する。一部の実施形態では、リンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、肺への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
一部の実施形態では、個体における既存のHCC腫瘍の転移(肺転移またはリンパ節への転移など)を軽減する(根治するなど)方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、転移を、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のうちのいずれかを含む)縮小させる。一部の実施形態では、リンパ節への転移を軽減する方法が提供される。一部の実施形態では、肺への転移を軽減する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
一部の実施形態では、個体における既存のHCC腫瘍の転移(肺転移またはリンパ節への転移など)の発生または負荷を軽減する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
一部の実施形態では、個体におけるHCCの腫瘍サイズを縮小させる方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズを、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のうちのいずれかを含む)縮小させる。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
一部の実施形態では、個体におけるHCCの疾患の進行への時間を延長する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、または12週間のうちのいずれかだけ、HCCの疾患の進行への時間を延長する。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
一部の実施形態では、HCCを有する個体の生存を延長する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、12カ月間、18カ月間、または24カ月間のうちのいずれかだけ、個体の生存を延長する。一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
一部の実施形態では、HCCを有する個体における1またはそれより多くの症状を緩和する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、静脈内投与を介して投与する。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子中のタキサンを、肝動脈内注入を介して投与する。
本節で説明される実施形態のうちのいずれかが、「組合せ療法」の節で提供される実施形態に適用されることが理解される。例えば、一部の実施形態では、HCCを有する個体における1またはそれより多くの症状を緩和する方法であって、個体にa)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、b)有効量のSTMN1の阻害剤とを投与するステップを含み、ナノ粒子組成物と、STMN1阻害剤とを共時投与する方法が提供される。一部の実施形態では、HCCを有する個体における1またはそれより多くの症状を緩和する方法であって、個体にa)アルブミンでコーティングしたパクリタキセル(Abraxane(登録商標)など)を含む有効量のナノ粒子と、b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含み、ナノ粒子組成物と、STMN1阻害剤とを共時投与する方法が提供される。
一部の実施形態では、個体における既存のHCC腫瘍の転移(肺転移またはリンパ節への転移など)を軽減する(根治するなど)方法であって、個体にa)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含み、ナノ粒子組成物と、STMN1阻害剤とを共時投与する方法が提供される。一部の実施形態では、個体における既存のHCC腫瘍の転移(肺転移またはリンパ節への転移など)を軽減する(根治するなど)方法であって、個体にa)アルブミンでコーティングしたパクリタキセル(Abraxane(登録商標)など)を含む有効量のナノ粒子と、b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含み、ナノ粒子組成物と、STMN1阻害剤とを共時投与する方法が提供される。
組合せ療法
一部の実施形態における、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を投与する方法は、少なくとも1つの他の薬剤の投与と共に実施される。
一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))を含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)有効量のNab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、微小管の分解を阻害する薬剤とを、共時投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および他の薬剤が、HCCの処置に対して相乗効果を及ぼす。一部の実施形態では、他の薬剤が、HCC細胞を、ナノ粒子組成物による処置に感作させる。一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管の分解を促進する分子を直接的または間接的に阻害する。一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管の分解を促進する分子の活性を阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子の発現を阻害する。一部の実施形態では、他の薬剤が、ABP1、ARHGAP4、HSPA8、LCP1、PACSIN2、RUNX1T1、STMN1、チューブリン、およびTUBB4からなる群より選択される分子を阻害する。
一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子を直接的または間接的に活性化する。一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子の活性を増強する。一部の実施形態では、薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子の発現を増大させる。一部の実施形態では、他の薬剤が、ABI1、BCL2L11、CDC42、CHRM3、CNN3、CSMD1、DDOST、DOCK7、EHMT2、ENAH、ERMAP、ERLF1、HDAC5、LDLRAP1、MCF2、OLA1、RASA1、SHC2、STMN2、およびTRIP10からなる群より選択される分子を活性化する。
一部の実施形態では、他の薬剤が、STMN1を阻害する。STMN1(スタスミン1)とは、有糸分裂紡錘体の構築および機能に関与する、微小管不安定化リンタンパク質である。Ranaら、Expert Rev. Anticancer The.8巻(9号)、1461〜1470頁(2008年)を参照されたい。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)STMN1を阻害する有効量の薬剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1の活性を阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1がチューブリンに結合することを阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1のリン酸化を増大させる。一部の実施形態では、薬剤が、STMN1に対する抗体である。
一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている組成物と、(b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))を含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)有効量のNab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))と、(b)有効量のSTMN1阻害剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、STMN1阻害剤とを、共時投与する。
一部の実施形態では、薬剤が、キサントンファミリーの分子である。一部の実施形態では、薬剤が、ガンボージまたはその誘導体である。ガンボージおよび誘導体には、例えば、ガンボギン酸(GA)およびガンボゲン酸(GEA)が含まれる。したがって、例えば、一部の実施形態では、個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子(Nab−パクリタキセルなど)を含む有効量の組成物と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、有効量のタキサンナノ粒子組成物と組み合わせると、ガンボージまたはその誘導体が、HCCにおける細胞の増殖または転移を阻害するのに相乗効果を及ぼす。一部の実施形態では、ガンボージまたはその誘導体が、HCC細胞を、タキサンナノ粒子組成物(Nab−パクリタキセルなど)に感作させる。
したがって、例えば、一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている組成物と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))を含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)有効量のNab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))と、(b)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、ガンボージまたはその誘導体とを、共時投与する。
一部の実施形態では、他の薬剤が、STMN1の発現を阻害する。一部の実施形態では、薬剤が、抗STMN1リボザイム(Rz184およびRz305など)である。一部の実施形態では、STMN1阻害剤が、STMN1の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである。一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチドである。他の実施形態では、STMN1阻害剤が、低分子干渉RNA(siRNA)である。一部の実施形態では、他の薬剤が、STMN1に対する1つより多いsiRNAを含む組成物である。当技術分野では、STMN1に対する適切なsiRNAが公知である。例えば、STMN1 siGenomeSMARTプールは、STMN1に対する4つのsiRNAの混合物である。
したがって、例えば、一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)STMN1に対する有効量のsiRNAとを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされている組成物と、(b)STMN1に対する有効量のsiRNAとを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)STMN1に対する有効量のsiRNAとを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のタキサンがアルブミンでコーティングされており、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒子サイズが約200nm以下(約200nm未満など)である組成物と、(b)STMN1に対する有効量のsiRNAとを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))を含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)STMN1に対する有効量のsiRNAとを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)有効量のNab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))と、(b)STMN1に対する有効量のsiRNAとを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、STMN1に対するsiRNAとを、共時投与する。
一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の別の薬剤とを投与するステップを含み、他の薬剤がTUBB4阻害剤である方法が提供される。一部の実施形態では、他の薬剤が、TUBB4の重合を阻害する。一部の実施形態では、他の薬剤が、TUBB4の発現を阻害する。例えば、一部の実施形態では、TUBB4阻害剤が、TUBB4の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。一部の実施形態では、TUBB4阻害剤が、TUBB4に対するsiRNAである。一部の実施形態では、有効量のタキサンナノ粒子組成物およびTUBB4阻害剤が、HCCにおける細胞の増殖または転移を相乗効果的に阻害する。一部の実施形態では、TUBB4阻害剤が、HCC細胞を、タキサンナノ粒子組成物(Nab−パクリタキセルなど)に感作させる。
一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の別の薬剤とを投与するステップを含み、他の薬剤がDOCK7の活性化剤である方法が提供される。
本明細書に記載される他の薬剤は、薬剤自体、薬学的に許容されるそれらの塩、および薬学的に許容されるそれらのエステルのほか、立体異性体、エナンチオマー、ラセミ混合物などでありうる。説明される1またはそれより多くの他の薬剤、ならびに薬剤(複数可)を含有する医薬組成物を投与することができ、この場合、医薬組成物は、薬学的に許容されるキャリアビヒクルなどを含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンに加えて、2つ以上の化学療法剤を投与する。これらの2つ以上の化学療法剤は、化学療法剤の異なるクラスに属する場合がある(しかし、必ずしも化学療法剤の異なるクラスに属するわけではない)。本明細書では、これらの組合せの例が提供される。また、他の組合せも意図される。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体におけるHCCを処置する方法であって、個体にa)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、b)STMN1に対する有効量のsiRNAと、c)有効量のガンボージまたはその誘導体とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量のSTMN1阻害剤と、c)有効量のTUBB4阻害剤とを投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるHCCを処置する方法であって、個体にa)タキサンおよびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、b)有効量のSTMN1阻害剤と、c)有効量のDOCK7活性化剤とを投与するステップを含む方法が提供される。
また、本明細書に記載されるHCCを処置する方法のうちのいずれかにおいて用いられる、タキサンおよびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含む医薬組成物も提供される。
本明細書に記載されるHCCを処置する方法(上記の節「HCCを処置する方法」)のうちのいずれもが、組合せ療法についての説明に当てはまり、これを包含することが理解される。一部の実施形態では、個別の療法に一般的に用いられる量と比較して少ない量の各々の薬学的に活性な化合物を、組合せ療法の一部として用いる。一部の実施形態では、個別の化合物のうちのいずれかを単独で用いることにより達成される治療上の利益と同じであるかまたはこれより大きな治療上の利益を、組合せ療法を用いて達成する。一部の実施形態では、個別の療法に一般に用いられる量よりも少量(例えば、低用量または低頻度の投与スケジュール)の薬学的に活性な化合物を組合せ療法において用いて、同じであるかまたはこれより大きな治療上の利益を達成する。例えば、少量の薬学的に活性な化合物の使用は、この化合物と関連する1またはそれより多くの副作用の数の減少、重症度の低下、頻度の低下、または持続の短縮を結果としてもたらしうる。
後出では、本明細書に記載される方法のための投与レジメンがさらに示される。
さらなる例示的な実施形態
一部の実施形態における本出願は、それを必要とする個体における肝細胞がん(HCC)を処置する方法であって、個体にタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、それを必要とする個体におけるHCCを処置する方法であって、個体に(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを投与するステップを含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、他の薬剤とを、同時投与または逐次投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、他の薬剤とを、共時投与する。一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管の分解を促進する分子を直接的または間接的に阻害する。一部の実施形態では、他の薬剤が、ABP1、ARHGAP4、HSPA8、LCP1、PACSIN2、RUNX1T1、STMN1、チューブリン、およびTUBB4からなる群より選択される分子を阻害する。一部の実施形態では、他の薬剤が、STMN1の阻害剤である。一部の実施形態では、他の薬剤が、STMN1に対するsiRNAである。一部の実施形態では、他の薬剤が、ガンボージまたはその誘導体である。一部の実施形態では、他の薬剤が、微小管のアセンブリーを促進する分子を直接的または間接的に活性化する。一部の実施形態では、他の薬剤が、ABI1、BCL2L11、CDC42、CHRM3、CNN3、CSMD1、DDOST、DOCK7、EHMT2、ENAH、ERMAP、ERLF1、HDAC5、LDLRAP1、MCF2、OLA1、RASA1、SHC2、STMN2、およびTRIP10からなる群より選択される分子を活性化する。
本節の上記で説明した方法のうちのいずれかに従う一部の実施形態では、HCCが、肝細胞がん、HCCの線維層板状変異型、または混合型肝細胞胆管がんである。
本節の上記で説明した方法のうちのいずれかに従う一部の実施形態では、HCCは、早期HCC、非転移性HCC、原発性HCC、進行HCC、局所進行HCC、転移性HCC、寛解期HCC、再発性HCC、付加療法の状況でのHCC、または新補助療法の状況でのHCCである。
本節の上記で説明した方法のうちのいずれかに従う一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を、非経口的に投与する。一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を、静脈内投与、動脈内投与、肝内投与、または門脈内投与する。
本節の上記で説明した方法のうちのいずれかに従う一部の実施形態では、タキサンが、パクリタキセルである。
本節の上記で説明した方法のうちのいずれかに従う一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径が、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径が、約200nm未満である。
本節の上記で説明した方法のうちのいずれかに従う一部の実施形態では、ナノ粒子中のタキサンが、アルブミンでコーティングされている。
本節の上記で説明した方法のうちのいずれかに従う一部の実施形態では、個体がヒトである。
ナノ粒子組成物を投与する用量および方法
個体(ヒトなど)に投与されるタキサンナノ粒子組成物の用量は、具体的な組成物、投与方式、および処置されるHCCの種類によって変化しうる。一部の実施形態では、組成物の量が、客観的な応答(部分的な応答または完全な応答など)を結果としてもたらすのに有効である。一部の実施形態では、タキサンナノ粒子組成物の量が、個体において完全な応答を結果としてもたらすのに十分である。一部の実施形態では、タキサンナノ粒子組成物の量が、個体において部分的な応答を結果としてもたらすのに十分である。一部の実施形態では、投与されるタキサンナノ粒子組成物の量(例えば、単独で投与される場合の)が、タキサンナノ粒子組成物により処置される個体の集団のうち、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約64%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%のうちのいずれかを超える全体的な応答率をもたらすのに十分である。本明細書に記載される処置方法に対する個体の応答は、例えば、RECISTレベルに基づいて決定することができる。
一部の実施形態では、組成物の量が、個体の無進行生存(progress−free survival)を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量が、個体の全生存を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(例えば、単独で投与される場合の)が、タキサンナノ粒子組成物により処置される個体の集団のうち、約50%、約60%、約70%、または約77%のうちのいずれかを超える臨床的利益をもたらすのに十分である。
一部の実施形態では、組成物、第一療法、第二療法、または組合せ療法の量が、処置前の同じ被験体における、対応する腫瘍サイズ、HCC細胞の数、もしくは腫瘍増殖速度と比較して、またはこの処置を受けていない他の被験体における対応する活性と比較して少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約100%のうちのいずれか、腫瘍サイズを縮小させるか、がん細胞の数を減少させるか、または腫瘍の増殖速度を低下させるのに十分な量である。標準的な方法を用いて、精製酵素によるin vitroアッセイ、細胞ベースのアッセイ、動物モデル、またはヒトにおける試験など、この効果の大きさを測定することができる。
一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量が、毒性作用(すなわち、臨床的に許容される毒性レベルを上回る作用)を誘導するレベル未満であるか、または組成物を個体に投与する場合に、潜在的な副作用を制御または忍容しうるレベルである。
一部の実施形態では、組成物の量が、同じ投与レジメンに従う組成物の最大許容投与量(MTD)に近接する。一部の実施形態では、組成物の量が、MTDの約80%、約90%、約95%、または約98%のうちのいずれかを超える。
一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量が、以下の範囲:約0.1mg〜約500mg、約0.1mg〜約2.5mg、約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mgのうちのいずれかで包含される。一部の実施形態では、有効量の組成物(例えば、単位剤形)におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量が、約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgなど、約5mg〜約500mgの範囲にある。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度を、例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、または約5mg/mlのうちのいずれかを含め、希釈(約0.1mg/ml)または濃縮(約100mg/ml)する。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度が、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、または50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度が、約100mg/ml、90mg/ml、80mg/ml、70mg/ml、60mg/ml、50mg/ml、40mg/ml、30mg/ml、20mg/ml、10mg/ml、または5mg/mlのうちのいずれか以下である。
ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)における例示的な有効量には、少なくとも約25mg/m、30mg/m、50mg/m、60mg/m、75mg/m、80mg/m、90mg/m、100mg/m、120mg/m、125mg/m、150mg/m、160mg/m、175mg/m、180mg/m、200mg/m、210mg/m、220mg/m、250mg/m、260mg/m、300mg/m、350mg/m、400mg/m、500mg/m、540mg/m、750mg/m、1000mg/m、または1080mg/mのタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。多様な実施形態では、組成物が、約350mg/m、300mg/m、250mg/m、200mg/m、150mg/m、120mg/m、100mg/m、90mg/m、50mg/m、または30mg/mのタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれか未満を包含する。一部の実施形態では、投与1回当たりのタキサン(例えば、パクリタキセル)の量が、約25mg/m、22mg/m、20mg/m、18mg/m、15mg/m、14mg/m、13mg/m、12mg/m、11mg/m、10mg/m、9mg/m、8mg/m、7mg/m、6mg/m、5mg/m、4mg/m、3mg/m、2mg/m、または1mg/mのうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量が、以下の範囲:約1〜約5mg/m、約5〜約10mg/m、約10〜約25mg/m、約25〜約50mg/m、約50〜約75mg/m、約75〜約100mg/m、約100〜約125mg/m、約125〜約150mg/m、約150〜約175mg/m、約175〜約200mg/m、約200〜約225mg/m、約225〜約250mg/m、約250〜約300mg/m、約300〜約350mg/m、または約350〜約400mg/mのうちのいずれかで包含される。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量が、約100〜約150mg/m、約120mg/m、約130mg/m、または約140mg/mなど、約5〜約300mg/mである。
上記の態様のうちのいずれかについての一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量が、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのうちのいずれかを包含する。多様な実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量が、少なくとも約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kgのタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれか未満を包含する。
ナノ粒子組成物を投与するための例示的な投与頻度には、毎日、隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、休みなく毎週、4週間のうちの3週間、3週間ごとに1回、2週間ごとに1回、または3週間のうちの2週間が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、組成物を、2週間ごとに約1回、3週間ごとに約1回、4週間ごとに約1回、6週間ごとに約1回、または8週間ごとに約1回投与する。一部の実施形態では、組成物を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)を、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量が、約0.25mg/m〜約25mg/m、または約25mg/m〜約50mg/mなど、約0.25mg/m〜約250mg/m、約0.25mg/m〜約150mg/m、約0.25mg/m〜約75mg/mである。
組成物の投与は、約1カ月間〜約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、組成物を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の投与量が、3週間のスケジュールで与える場合、5〜400mg/mの範囲にあり得るか、毎週のスケジュールで与える場合、5〜250mg/m(80〜150mg/m、例えば、100〜120mg/mなど)の範囲にあり得る。例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、3週間のスケジュールで約60〜約300mg/m(例えば、約260mg/m)である。
ナノ粒子組成物(例えば、パクリタキセル/アルブミンナノ粒子組成物)を投与するための、他の例示的な投与スケジュールには、休みなしに毎週100mg/m;4週間のうち3週間にわたり毎週75mg/m;4週間のうち3週間にわたり毎週100mg/m;4週間のうち3週間にわたり毎週125mg/m;3週間のうち2週間にわたり毎週125mg/m;休みなしに毎週130mg/m;2週間ごとに1回175mg/m;2週間ごとに1回260mg/m;3週間ごとに1回260mg/m;3週間ごとに180〜300mg/m;休みなしに毎週60〜175mg/m;毎週2回20〜150mg/m;および毎週2回150〜250mg/mが含まれるがこれらに限定されない。組成物の投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程にわたり調整することができる。
一部の実施形態では、個体を、少なくとも約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の処置サイクルのうちのいずれかにわたり処置する。
本明細書に記載される組成物は、約24時間より短い注入時間にわたり、個体に組成物を注入することを可能とする。例えば、一部の実施形態では、組成物を、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分間、20分間、または10分間のうちのいずれか未満の注入期間にわたり投与する。一部の実施形態では、組成物を、約30分間の注入期間にわたり投与する。
ナノ粒子組成物におけるタキサン(一部の実施形態では、パクリタキセル)の他の例示的な用量には、約50mg/m、60mg/m、75mg/m、80mg/m、90mg/m、100mg/m、120mg/m、160mg/m、175mg/m、200mg/m、210mg/m、220mg/m、260mg/m、および300mg/mのうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。例えば、ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの投与量は、3週間のスケジュールで与える場合、約100〜400mg/mの範囲であり得、毎週のスケジュールで与える場合、約50〜250mg/mの範囲にあり得る。
ナノ粒子組成物は、例えば、静脈内経路、動脈内経路、腹腔内経路、肺内経路、経口経路、吸入経路、膀胱内(intravesicular)経路、筋肉内経路、気管内経路、皮下経路、眼内経路、髄腔内経路、経粘膜(transmucosal)経路、および経皮経路を含めた各種の経路を介して、個体(ヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態では、組成物の持続放出処方物を用いることができる。一部の実施形態では、組成物を、静脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、門脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、動脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、腹腔内投与する。一部の実施形態では、組成物を、肝内投与する。一部の実施形態では、組成物を、肝動脈内注入を介して投与する。
組合せ療法の投与方式
上記の節で説明した投与レジメンは、単剤療法状況および組合せ療法状況のいずれにも適用される。以下では、組合せ療法のための投与方式をさらに説明する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および他の薬剤(本明細書に記載される特定の化学療法剤を含む)を、同時投与する。薬物を同時投与する場合、ナノ粒子中の薬物と、他の薬剤とは、同じ組成物(例えば、ナノ粒子および他の薬剤の両方を含む組成物)に含有される場合もあり、別個の組成物(例えば、ナノ粒子が1つの組成物に含有され、他の薬剤が別の組成物に含有されている)に含有される場合もある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、他の薬剤とを、逐次投与する。ナノ粒子組成物または他の薬剤のいずれかを最初に投与することができる。ナノ粒子組成物と、他の薬剤とは、別個の組成物中に含有され、これらは、同じパッケージ内に含有される場合もあり、異なるパッケージ内に含有される場合もある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、他の薬剤とを、共時投与する、すなわち、ナノ粒子組成物の投与期間と他の薬剤の投与期間とが、互いに重なり合う。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物を、他の薬剤の投与に先だって少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも、2サイクル、3サイクル、または4サイクルのいずれか)にわたり投与する。一部の実施形態では、他の薬剤を、少なくとも1、2、3、または4週間のうちのいずれかにわたり投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、または7日間のうちのいずれか以内に)開始する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、または7日間のうちのいずれか以内に)終了する。一部の実施形態では、他の薬剤の投与を、ナノ粒子組成物の投与を終了した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかにわたり)継続する。一部の実施形態では、他の薬剤の投与を、ナノ粒子組成物の投与を開始した後(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかの後)に開始する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、他の薬剤の投与とを、ほぼ同時に開始し、終了する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、他の薬剤の投与とを、ほぼ同時に開始し、他の薬剤の投与を、ナノ粒子組成物の投与を終了した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかにわたり)継続する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、他の薬剤の投与とを、ほぼ同時に終了し、他の薬剤の投与を、ナノ粒子組成物の投与を開始した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかの後)開始する。一部の実施形態では、方法が、1つより多い処置サイクルを含み、この場合、これらの処置サイクルのうちの少なくとも1つが、(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびに(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤の投与を含み、前記他の薬剤が、微小管の分解を阻害する。一部の実施形態では、処置サイクルが、約21日間以上(約21日間など)を含む。一部の実施形態では、処置サイクルが、約21日間未満(例えば、毎週または毎日)を含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、他の薬剤の投与とが、非共時的(non−concurrent)である。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与を、他の薬剤を投与する前に終了する。一部の実施形態では、他の薬剤の投与を、ナノ粒子組成物を投与する前に終了する。これらの2つの非共時投与間の期間は、約4週間など、約2〜8週間の範囲でありうる。
薬物を含有するナノ粒子組成物および他の薬剤の投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程にわたり調整することができる。別個に投与する場合、薬物を含有するナノ粒子組成物と、他の薬剤とは、異なる投与頻度または異なる投与間隔で投与することができる。例えば、薬物を含有するナノ粒子組成物を毎週投与しうる一方で、化学療法剤は、より高頻度で投与することもでき、より低頻度で投与することもできる。一部の実施形態では、薬物を含有するナノ粒子および/または化学療法剤の持続放出処方物を用いることができる。当技術分野では、持続放出を達成するための多様な処方物およびデバイスが公知である。また、本明細書に記載される投与構成の組合せも用いることができる。
ナノ粒子組成物と、他の薬剤とは、同じ投与経路を用いて投与することもでき、異なる投与経路を用いて投与することもできる。一部の実施形態では(同時投与および逐次投与のいずれについても)、ナノ粒子組成物におけるタキサンと他の薬剤とを、所定の比で投与する。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンと他の薬剤との重量比が、約1対1である。一部の実施形態では、重量比が、約0.001対約1〜約1000対約1の場合もあり、約0.01対約1〜100対約1の場合もある。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンと他の薬剤との重量比が、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンと他の薬剤との重量比が、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1のうちのいずれかを超える。他の比も意図される。
タキサンおよび/または他の薬剤に必要とされる用量は、各薬剤を単独で投与する場合に通常必要とされる用量よりも少ない可能性がある(しかし、必ずしもそうでなくともよい)。したがって、一部の実施形態では、治療量未満の量の、ナノ粒子組成物中の薬物および/または他の薬剤を投与する。「治療量未満の量(subtherapeutic amount)」または「治療レベル未満のレベル」とは、治療量(therapeutic amount)未満の量、すなわち、ナノ粒子組成物中の薬物および/または他の薬剤を単独で投与する場合に通常用いられる量未満の量をいう。この低減は、所与の投与で投与される量に関して反映させることもでき、かつ/または所与の期間にわたり投与される量に関して反映させる(頻度の低減)こともできる。
一部の実施形態では、同程度の処置を実施するのに必要とされるナノ粒子組成物における薬物の通常用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%以上のうちのいずれかだけ低減することを可能とするのに十分な化学療法剤を投与する。一部の実施形態では、同程度の処置を実施するのに必要とされる他の薬剤の通常用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%以上のうちのいずれかだけ低減することを可能とするのに十分な、ナノ粒子組成物における薬物を投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン、および他の薬剤の両方の用量を、単独で投与される場合の各々の対応する通常用量と比較して低減する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン、および他の薬剤の両方を、治療レベル未満のレベル、すなわち、低減させたレベルで投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および/または他の薬剤の用量は、確立された最大毒性用量(maximum toxic dose)(MTD)よりも実質的に少ない。例えば、ナノ粒子組成物および/または他の薬剤の用量は、MTDの約50%、40%、30%、20%、または10%未満である。
本明細書に記載される投与構成の組合せを用いることができる。本明細書に記載される組合せ療法は、単独で実施することもでき、化学療法、放射線療法、手術、ホルモン療法、遺伝子療法、免疫療法、化学免疫療法、肝動脈ベースの療法、寒冷療法、超音波療法、肝移植、局所焼灼療法(local ablative therapy)、無線周波数焼灼療法(radiofrequency ablation therapy)、光ダイナミック療法など、別の療法と組み合わせて実施することもできる。加えて、HCCを発症するリスクが大きい患者には、HCCの発症を阻害し、かつ/または遅延させる処置を受けることもできる。
本明細書に記載される他の薬剤は、例えば、静脈内経路、動脈内経路、腹腔内経路、肺内経路、経口経路、吸入経路、膀胱内経路、筋肉内経路、気管内経路、皮下経路、眼内経路、髄腔内経路、および経皮経路を含む、非経口的に、各種の経路を介して、個体(ヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態では、他の薬剤を、静脈内投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物を、経口投与する。
他の薬剤の投与頻度は、ナノ粒子組成物の投与頻度と同じ場合もあり、異なる場合もある。例示的な頻度は、上記に示した。さらなる例として、他の薬剤は、1日3回、1日2回、毎日、1週間に6回、1週間に5回、1週間に4回、1週間に3回、1週間に2回、毎週投与することができる。一部の実施形態では、他の薬剤を毎日2回または毎日3回投与する。他の薬剤の例示的な量には、以下の範囲:約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mgのうちのいずれかが含まれるがこれに限定されない。例えば、他の薬剤は、約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)の用量で投与することができる。例えば、一部の実施形態では、STMN1阻害剤を、隔日で約1〜100mg/kg(例えば、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kgを含む)、5回投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンの有効量が、約45mg/m〜約350mg/mであり、他の薬剤の有効量が約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンの有効量が、約80mg/m〜約350mg/mであり、他の薬剤の有効量が約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンの有効量が、約80mg/m〜約300mg/mであり、他の薬剤の有効量が約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンの有効量が、約150mg/m〜約350mg/mであり、他の薬剤の有効量が約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンの有効量が、約80mg/m〜約150mg/mであり、他の薬剤の有効量が約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量が、約100mg/mである。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンの有効量が、約170mg/m〜約200mg/mであり、他の薬剤の有効量が約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンの有効量が、約200mg/m〜約350mg/mであり、他の薬剤の有効量が約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量が、約260mg/mである。上記の方法のうちのいずれかについての一部の実施形態では、他の薬剤の有効量が、約20〜30mg/kg、約30〜40mg/kg、約40〜50mg/kg、約50〜60mg/kg、約60〜70mg/kg、約70〜80mg/kg、約80〜100mg/kg、または約100〜120mg/kgである。
一部の実施形態では、他の薬剤の適切な用量が、ほぼ、臨床的治療において既に用いられている用量であり、この場合、他の薬剤は、単独で、または他の薬剤と組み合わせて投与される。
ナノ粒子組成物
本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)と、アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)(から本質的になる様々な実施形態において)含むナノ粒子を含む。水溶性が乏しい薬物(タキサンなど)のナノ粒子は、例えば、それらの各々が参照によりそれらの全体において組み込まれる、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;および同第7,820,788号において開示され、また、米国特許出願公開第2006/0263434号および同第2007/0082838号;PCT特許出願第WO08/137148号においても開示されている。
一部の実施形態では、組成物が平均(averageまたはmean)直径が、約900、800、700、600、500、400、300、200、および100nmのうちのいずれか以下など、約1000ナノメートル(nm)以下であるナノ粒子を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約200nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約150nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約100nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約20〜約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約40〜約200nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子が、滅菌濾過可能である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物におけるナノ粒子の平均直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)の直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)が、例えば、約20〜約200nm、約40〜約200nm、約30〜約180nm、ならびに約40〜約150nm、約50〜約120nm、および約60〜約100nmを含む、約20〜約400nmの範囲内に収まる。
一部の実施形態では、アルブミンが、ジスルフィド結合を形成しうるスルフヒドラール基を有する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンのうちの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のうちのいずれか1つを含む)が、架橋されている(例えば、1またはそれより多くのジスルフィド結合を介して架橋されている)。
一部の実施形態では、ナノ粒子が、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含む。一部の実施形態では、組成物が、ナノ粒子形態および非ナノ粒子形態の両方でのタキサンを含み(例えば、パクリタキセル溶液の形態、または可溶性アルブミン/ナノ粒子複合体の形態での)、組成物におけるタキサンのうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかがナノ粒子形態である。一部の実施形態では、ナノ粒子中のタキサンが、ナノ粒子の重量で約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、非ポリマーマトリックスを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、ポリマー材料(ポリマーマトリックスなど)を実質的に含まないタキサンのコアを含む。
一部の実施形態では、組成物が、その組成物のナノ粒子部分および非ナノ粒子部分の両方においてアルブミンを含み、組成物におけるアルブミンのうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかが、組成物の非ナノ粒子部分にある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比が、約15:1以下、例えば、約10:1以下など、約18:1以下である。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比が、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、または約5:1〜約10:1のうちのいずれかの範囲内に収まる。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンとタキサンとの重量比が、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:15以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれかである。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、上記の特徴のうちの1または複数を含む。
本明細書に記載されるナノ粒子は、乾燥処方物(凍結乾燥組成物など)で存在させる場合もあり、生体適合性媒体中に懸濁させる場合もある。適切な生体適合性媒体には、水、水性緩衝媒体、生理食塩液、緩衝生理食塩液、アミノ酸の必要に応じて緩衝化させた溶液、タンパク質の必要に応じて緩衝化させた溶液、糖の必要に応じて緩衝化させた溶液、ビタミンの必要に応じて緩衝化させた溶液、合成ポリマーの必要に応じて緩衝化させた溶液、脂質含有エマルジョンなどが含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、薬学的に許容されるキャリアは、ヒト血清アルブミンを含む。ヒト血清アルブミン(HSA)とは、M65Kの高度に可溶性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧のうちの70〜80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17個のジスルフィド架橋、1個の遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性ショック(hypovolumic shock)の予防および処置に適用があり(例えば、Tullis、JAMA、237巻、355〜360頁、460〜463頁(1977年)、およびHouserら、Surgery、Gynecology and Obstetrics、150巻、811〜816頁(1980年)を参照されたい)、新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血と共に行われる(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85〜120頁(1980年)を参照されたい)。ウシ血清アルブミンなど、他のアルブミンも意図される。このような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(家庭用ペットおよび農業上の状況を含む)など、非ヒト哺乳動物においてこれらの組成物を使用する状況で適切でありうる。
ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(HSAの内因性リガンドである脂肪酸について、合計8つ)を有し、タキサンの多様なセット、特に、中性の疎水性化合物および負に荷電した疎水性化合物に結合する(Goodmanら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、9版、McGraw−Hill New York(1996年))。極性リガンド特徴に対する結合点として機能する表面近傍の荷電リシン残基および荷電アルギニン残基を伴う、極めて細長い疎水性ポケットである、HSAのIIAサブドメインおよびIIIAサブドメインでは、2つの高アフィニティーの結合部位が提起されている(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687〜92頁(198a)、Vorum、Dan. Med. Bull.、46巻、379〜99頁(1999年)、Kragh−Hansen、Dan. Med. Bull.、1441巻、131〜40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827〜35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439〜46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209〜15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153〜203頁(1994年)を参照されたい)。パクリタキセルおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187〜91頁(200a)、Purcellら、Biochim. Biophys. Acta、1478(a)、61〜8頁(2000年)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053〜6頁(1995年)、およびGarridoら、Rev. Esp. Anestestiol. Reanim、41巻、308〜12頁(1994年)を参照されたい)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されている(例えば、Urienら、Invest. New Drugs、14(b)、147〜51頁(1996年)を参照)。
組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)は一般に、タキサンのキャリアとして役立つ、すなわち、組成物におけるアルブミンは、アルブミンを含まない組成物と比較して、タキサンを、水性媒体中でより容易に懸濁可能とするか、またはこの懸濁物を維持する一助となる。これは、タキサンを可溶化するための毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を回避することが可能であり、これにより、個体(ヒトなど)にタキサンを投与することによる1またはそれより多くの副作用を軽減しうる。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物が、Cremophor(Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。ナノ粒子組成物を個体に投与するとき、組成物におけるCremophorまたは界面活性剤の量が、その個体において1またはそれより多くの副作用を引き起こすのに十分でない場合は、その組成物は、「Cremophorを実質的に含まない」か、または「界面活性剤を実質的に含まない」。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%のうちのいずれか未満の有機溶媒または界面活性剤を含有する。
本明細書に記載される組成物におけるアルブミンの量は、その組成物における他の成分に応じて変化する。一部の実施形態では、組成物が、水性懸濁物、例えば、安定的なコロイド状懸濁物(ナノ粒子の安定的な懸濁物など)の形態でタキサンを安定化させるのに十分な量でアルブミンを含む。一部の実施形態では、アルブミンが、水性媒体におけるタキサンの沈降速度を低減する量である。粒子含有組成物の場合、アルブミンの量はまた、タキサンのナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
タキサンは、少なくとも約0.1時間、0.2時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間のうちのいずれかにわたるなど、長時間にわたり水性媒体において懸濁されたままである(目視可能な沈殿も沈降もないなど)場合、タキサンは、水性懸濁物中で「安定化」されている。懸濁物は一般に、個体(ヒトなど)への投与に適するが、必ずしもそうではない。懸濁物の安定性は一般に、保存温度(室温(20〜25℃など)または冷蔵条件(4℃など)など)で評価する(しかし、必ずしもそうではない)。例えば、懸濁物の調製後約15分で、懸濁物が、肉眼で目視可能なフロキュレーションも粒子凝集も、または1000倍の光学顕微鏡下で観察したときにフロキュレーションも粒子凝集も示さない場合、その懸濁物は、保存温度で安定的である。安定性はまた、約40℃より高温の温度など、加速試験条件下でも評価することができる。
一部の実施形態では、アルブミンが、特定の濃度の水性懸濁物においてタキサンを安定化させるのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のタキサンの濃度は、例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、約5mg/mlのうちのいずれかを含む、約0.1〜約100mg/mlである。一部の実施形態では、タキサンの濃度が、約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物が、界面活性剤(Cremophorなど)を含まないか、または実質的に含まないように、アルブミンが、界面活性剤(Cremophorなど)の使用を回避する量で存在する。
一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.1%〜約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))のアルブミンを含む。一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.5%〜約5%(w/v)のアルブミンを含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン、例えば、アルブミン対タキサンの重量比が、十分な量のタキサンが、細胞に結合するか、または細胞により輸送されるような重量比である。アルブミンとタキサンとの異なる組合せに対して、アルブミン対タキサンの重量比を最適化しなければならないが、一般に、アルブミン、例えば、アルブミン対タキサンの重量比(w/w)は、約0.01:1〜約100:1、約0.02:1〜約50:1、約0.05:1〜約20:1、約0.1:1〜約20:1、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、約4:1〜約10:1、約5:1〜約9:1、または約9:1である。一部の実施形態では、アルブミン対タキサンの重量比が、約18:1以下、15:1以下、14:1以下、13:1以下、12:1以下、11:1以下、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、および3:1以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれか1つである。
一部の実施形態では、アルブミンにより、組成物を、個体(ヒトなど)に、重大な副作用なしに投与することが可能となる。一部の実施形態では、アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)が、ヒトへのタキサン投与の1またはそれより多くの副作用を軽減するのに有効な量である。「タキサン投与の1またはそれより多くの副作用を軽減すること」という用語は、タキサンにより引き起こされる1またはそれより多くの望ましくない作用、ならびにタキサンを送達するのに用いられる送達ビヒクル(タキサンを注射に適するものとする溶媒など)により引き起こされる副作用の軽減、緩和、除去、または回避をいう。このような副作用には、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢性神経障害、好中球減少性発熱(neutropenic fever)、アナフィラキシー反応、静脈血栓症(venous thrombosis)、管外遊出、およびこれらの組合せが含まれる。しかし、これらの副作用は、例示的なものであるに過ぎず、タキサンと関連する他の副作用または副作用の組合せも軽減することができる。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Abraxane(登録商標)(Nab−パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Abraxane(登録商標)(Nab−パクリタキセル)である。Abraxane(登録商標)とは、ヒトアルブミンUSPにより安定化させたパクリタキセルの処方物であり、直接注射可能な生理学的溶液中で分散させることができる。0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射液など、適切な水性媒体中で分散させると、Abraxane(登録商標)は、パクリタキセルの安定的なコロイド状懸濁物を形成する。コロイド状懸濁物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約130ナノメートルである。HSAは、水中で際限なく(freely)可溶性であるので、例えば、約2mg/ml〜約8mg/ml、約5mg/mlを含む、希釈(約0.1mg/mlのパクリタキセル)〜濃縮(約20mg/mlのパクリタキセル)の範囲にわたる広範な濃度で、Abraxane(登録商標)を再構成することができる。
当技術分野では、ナノ粒子組成物を作製する方法が公知である。例えば、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含有するナノ粒子は、高せん断力条件(例えば、超音波処理、高圧ホモジナイゼーションなど)下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;および同第7,820,788号において開示され、また、米国特許出願公開第2007/0082838号、同第2006/0263434号、およびPCT出願第WO08/137148号においても開示されている。
簡潔に言うと、タキサン(パクリタキセルなど)を、有機溶媒中に溶解させ、この溶液を、アルブミン溶液へと添加することができる。この混合物を、高圧ホモジナイゼーションに供する。次いで、蒸発により有機溶媒を除去することができる。得られた分散物を、さらに凍結乾燥させることができる。適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知の他の溶媒が含まれる。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1の比による)でありうる。
ナノ粒子組成物における他の成分
本明細書に記載されるナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤、または安定化剤を含む組成物中に存在させることができる。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を増大させることにより安定性を増大させるために、1種または複数の負に荷電した成分を添加することができる。負に荷電したこのような成分には、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などからなる胆汁酸による胆汁酸塩、以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるレシチン(卵黄)ベースのリン脂質を含めたリン脂質が含まれるがこれらに限定されない。他のリン脂質は、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DSPC)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む。例えば、硫酸コレステリルナトリウムなど、負に荷電した界面活性剤または乳化剤もまた、添加剤として適する。
一部の実施形態では、組成物が、ヒトへの投与に適する。一部の実施形態では、組成物が、獣医学の状況において、家庭用ペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に適する。多種多様なナノ粒子組成物の適切な処方物が存在する(例えば、米国特許第5,916,596号、同第6,096,331号および同第7,820,788号を参照されたい)。以下の処方物および方法は、例示的なものであるに過ぎず、全く限定的なものではない。経口投与に適する処方物は、(a)水、生理食塩液、またはオレンジジュースなどの希釈剤中に溶解させた有効量の化合物などの液体溶液、(b)各々が、固体または顆粒として、所定量の有効成分を含有する、カプセル、小袋(sachet)、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁物、および(d)適切なエマルジョンからなる場合がある。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微晶質セルロース、アカシアガム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤(moistening agent)、防腐剤、矯味矯臭剤、および薬理学的に適合性の賦形剤のうちの1または複数を包含しうる。ロゼンジ形態は、矯味矯臭薬(通常はスクロースおよびアカシアガムまたはトラガカントガム)中の有効成分、ならびに、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠、有効成分に加えて当技術分野で公知の賦形剤などの賦形剤を含有するエマルジョン、ゲルなどを含み得る。
適するキャリア、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩溶液、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸塩およびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれるがこれらに限定されない。処方物は、さらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、防腐剤、甘味剤、または矯味矯臭剤も含み得る。
非経口投与に適する処方物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および処方物を、意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含有しうる水性および非水性で等張性の滅菌注射液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤(thickening agent)、安定化剤、および防腐剤を包含しうる水性および非水性の滅菌懸濁物とが含まれる。処方物は、アンプルおよびバイアルなど、単位用量または複数回用量の密封容器内に存在させることが可能であり、使用の直前に、注射用の滅菌液体賦形剤、例えば、水の添加だけを必要とする凍結乾燥(freeze−dried (lyophilized))条件下で保存することが可能である。既に説明した種類の滅菌粉末、滅菌顆粒、および滅菌錠剤から、即席の注射液および懸濁物を調製することができる。注射用処方物が好ましい。
一部の実施形態では、例えば、約5.0〜約8.0、約6.5〜約7.5、および約6.5〜約7.0のうちのいずれかのpH範囲を含む、pH範囲が約4.5〜約9.0となるように組成物を処方する。一部の実施形態では、例えば、約6.5、7、または8(約8など)のうちのいずれか以上を含む、組成物のpHを約6以上となるように処方する。また、グリセロールなど、適切な張度修飾剤(tonicity modifier)を添加することにより、組成物を血液と等張性とすることもできる。
キット、医薬、および組成物
本発明はまた、本明細書に記載される方法のうちのいずれかで使用するためのキット、医薬、組成物、および単位剤形も提供する。
本発明のキットは、タキサンを含有するナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)および/または別の薬剤(本明細書で記載されるような薬剤など)を含む1またはそれより多くの容器を含み、そして、一部の実施形態では、本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う、使用のための指示書もさらに含む。キットは、処置に適する個体を選択するための説明もさらに含みうる。本発明のキットに供給される指示書は、ラベルまたはパッケージの添付文書(例えば、キット内に包含される紙製シート)に書かれた指示であることが典型的であるが、機械により読み取り可能な指示(例えば、磁気的保存ディスクまたは光学的保存ディスク上に保持された指示)もまた許容可能である。
例えば、一部の実施形態では、キットが、タキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)HCCを処置するためにナノ粒子組成物を投与するための指示書とを含む。一部の実施形態では、キットが、a)タキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを含み、この場合、他の薬剤が、微小管の分解を阻害する。一部の実施形態では、キットが、a)タキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)HCCを処置するためにこのナノ粒子組成物を投与するための指示書とを含む。一部の実施形態では、キットが、a)タキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)微小管の分解を阻害する、有効量の少なくとも1つの他の薬剤と、c)HCCを処置するためにこのナノ粒子組成物および他の薬剤を投与するための指示書とを含む。ナノ粒子と、他の薬剤とは、別個の容器に存在させることもでき、単一の容器に存在させることもできる。例えば、キットは、1つの異なる組成物を含む場合もあり、2つ以上の組成物を含み、一方の組成物がナノ粒子を含み、もう一方の組成物が別の薬剤を含む場合もある。
本発明のキットは、適切なパッケージ(packaging)中に存在する。適切なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性のパッケージ(例えば、密封された(seled)Mylarバッグまたはプラスティック製のバッグ)などが含まれるがこれらに限定されない。キットは場合によって、緩衝剤および解釈情報など、さらなる構成要素も提供しうる。したがって、本出願はまた、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、可撓性パッケージなどを含む製品も提供する。
ナノ粒子組成物の使用に関する指示は一般に、意図される処置のための投与量、投与スケジュール、および投与経路についての情報を包含する。容器は、単位用量の場合もあり、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)の場合もあり、または部分単位用量(sub−unit dose)の場合もある。例えば、1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間以上のうちのいずれかなどの長期間にわたり、個体の有効な処置をもたらすのに十分な投与量の、本明細書で開示されるタキサン(タキサンなど)を含有するキットを提供することができる。キットはまた、複数単位用量のタキサンおよび医薬組成物および使用のための指示書を包含し、薬局、例えば、院内薬局および調剤薬局において保存および使用されるのに十分な量でこれを包装することも可能である。
また、本明細書に記載される方法に有用な医薬、組成物、および単位剤形も提供される。一部の実施形態では、HCCの処置に使用するための医薬(または組成物)が提供され、これは、タキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、別の薬剤とともに、HCCの処置に使用するための医薬(または組成物もしくは単位剤形)が提供され、これは、タキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、他の薬剤は、微小管の分解を阻害する。一部の実施形態では、HCCを処置するのに用いられる医薬(または組成物もしくは単位剤形)が提供され、これは、タキサンおよびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子と、少なくとも1つの他の薬剤とを含み、他の薬剤は、微小管の分解を阻害する。
当業者は、本発明の範囲および精神の範囲内では、複数の実施形態が可能であることを認識する。ここで、本発明を、以下の非限定的な例に言及することにより、より詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然ながら、いかなる形でもその範囲を限定するものとしてみなすべきではない。
(実施例1)
in vitroおよびin vivoの肝細胞がん(HCC)モデルにおけるナノ粒子(Nab−パクリタキセル)の有効性の評価
この実施例はin vitroおよびin vivoのHCCモデルにおけるNab−パクリタキセルの活性を実証する。
材料および方法
発現プロファイリングおよび情報科学的分析
43対のHCC腫瘍および隣接する非腫瘍肝臓についての遺伝子発現プロファイリングを、Wong N.ら、Clinical Cancer Research 11:1319〜26頁(2005年)により記載された方法に従って実施した。研究された症例の人口統計学的情報を表1に示す。3つの個体由来の正常な肝臓RNAをプールし、アレイハイブリダイゼーションにおける参照コントロールとして使用した(Ambion、Austin、TX;Clontech Laboratory Inc.、Palo Alto、CA;およびStrategene、La Jolla、California)。簡潔に言うと、試験試料由来の逆転写されたRNAおよび正常な肝臓のプールを、蛍光Cy5−dCTPまたはCy3−dCTPを用いて差次的に標識した。標識されたcDNAを、19K cDNAアレイに共ハイブリダイズした(Ontario Cancer Institute、Canada)。ScanArray 5000(Packard BioScience、UK)により捕捉されたハイブリダイズされたシグナルを、GenePix Pro4.0(Axon、CA)により分析した。重複したスポットおよび色素交換実験の結果を平均し、各転写産物に関する正規化された強度比を情報科学的分析に供し、悪性HCC形質転換に関与する影響力の大きい遺伝子を決定した。
組み合わせたパラメトリック分析およびノンパラメトリック分析を、得られたマイクロアレイプロファイルについて実施した。各遺伝子に関する統計的有意性(P値)を、Significant Analysis for Microarray(SAM)および両側ウィルコクソンの符号付き順位検定(paired Wilcoxon signed rank test)を使用して、ペアワイズ並べ替えt検定(pair−wise permutation t−test)に基づいて計算した。多重仮説検定に関する補正を、ボンフェローニ法または偽発見率(False Discovery Rate)分析を使用して実施した。遺伝子の有意性を確立するために、SAMおよびウィルコクソン検定からの合わせたP値を平均し、ランク付けにより優先順位を付けた。上位5%パーセンタイルにランク付けられた遺伝子(メジアンの≧1.8倍の上方制御または下方制御)を選択し、Ingenuity Pathway Analysis(IPA;world wide webのingenuity.com)による機能的オントロジー分析にさらに供した。
細胞培養およびタキサン薬物
ATCCから取得したヒト肝臓がん細胞株Hep3BおよびSK−HEP1を、10%ウシ胎仔血清を補足したGlutamax−1(Gibco−BRL、Grand Island、NY、USA)含有ダルベッコ変法イーグル培地中で培養した。HKCl−9を、(Chan K.Y.Y.ら、Modern Pathology 19:1546〜54頁(2006年)に記載のように)1%L−グルタミンおよび10%ウシ胎仔血清を補足したAIMV培地(Gibco−BRL)において培養した。すべての細胞を5%COの加湿雰囲気下で37℃において培養した。
ドキソルビシンはEBEWE Pharma Ges(Unterach、Austria)から入手し、2mg/mlの濃度で4℃において保存した。パクリタキセル(タキソール(登録商標))をBristol−Myers Squibb(Princeton、NJ、USA)から入手し、527mgの精製CremophorELおよび49.7%無水アルコール中6mg/mlの濃度で−20℃において保存した。ドセタキセル(タキソテール(登録商標))は、Aventis Pharma SA(Paris、France)から入手し、13%w/wエタノール中10mg/mlの濃度で4℃において保存した。ナノ粒子アルブミン−結合(nab)−パクリタキセル(Nab−パクリタキセル)をこの実験に使用した。供給されたNab−パクリタキセルの各バイアルは100mgのパクリタキセルを含有し、900mgのアルブミン中で安定化させた。再構成の際に、20mlのPBSを加え、5mg/mlのNab−パクリタキセルのストック濃度とし、−20℃において使用まで保存した。
細胞の生存度アッセイ
細胞の生存度をMTTアッセイにより測定した。3000細胞/ウェルの密度で96−ウェルプレートにおいて成長させた細胞を、示されるように、薬物またはsiRNAトランスフェクションで処理した。パクリタキセル、ドセタキセルおよびNab−パクリタキセルを、0から40μg/mlの範囲のさまざまな濃度において48時間試験し、一方、ドキソルビシンは、0から150μg/mlの範囲の濃度において48時間試験した。形成されたホルマザンを570nmにおいて測定し、細胞の生存度を、3回の独立した実験での5つの複製物から最大吸光度の百分率として表す。細胞の生存を50%阻害した薬物の濃度(IC50)を、細胞の生存曲線から決定した。
免疫蛍光分析
滅菌18×18mmのガラスカバースリップにプレーティングした細胞を、24時間接着させ、その後、5ng/mlのNab−パクリタキセルまたは培地を用いて、さらに24時間処理した。4%パラホルムアルデヒド中に固定した細胞を、その後、1:100希釈の抗βチューブリン(Zymed、Invitrogen)と一緒にインキュベートした。二次抗体Alexa−598−結合抗マウス免疫グロブリン(Molecular Probes、Eugene、OR、USA)を1:200希釈で適用した。DAPI(Molecular Probes)中で対比染色した細胞の核を、蛍光顕微鏡(Nikon EFD−3、Japan)下で検査した。捕捉後の画像分析および画像スタックの処理を、analySISソフトウェアを使用して実施した。
細胞周期のフローサイトメトリ分析
細胞周期分布を、さまざまな濃度のNab−パクリタキセルに曝露後測定した。12時間後、剥離した細胞を含むすべての細胞を回収し、70%エタノール中で4℃において一晩固定した。固定した細胞を、フローサイトメトリ分析(BD FACSCalibur(商標)、Becton Dickinson)前に、RNase Aおよびヨウ化プロピジウムとともにインキュベートした。G−G、SおよびG−M期の平均値を、2回の独立した実験から計算した。
TUNELアッセイ
TUNELアッセイを、In−Situ Cell Death Detection Kit(Roche Applied Science、Mannheim、Germany)の手順に従って実施した。簡潔には、さまざまな濃度のNab−パクリタキセルを用いて処理した細胞を固定し、TUNEL反応混合物と一緒に1時間、37℃においてインキュベートした。DAPI中で対比染色した細胞の核を、蛍光顕微鏡(Nikon EFD−3、Japan)により検査した。アポトーシス細胞の百分率を、少なくとも4つのランダムに選択された視野に基づいて計算し、合計で約200細胞であった。
siRNAトランスフェクション
siRNA配列は、STMN1 siGENOME SMARTpool(si−STMN1)およびsiCONTROL Non−Targeting siRNA(si−mock)を含んだ。すべてのsiRNAを、二本鎖RNA(Dharmacon)として化学的に合成し、Lipofectamine 2000(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA)により、製造業者の指示書に従って細胞株に導入した。簡潔に言うと、細胞を、100nMのsiRNA(si−STMN1またはsi−mock)と一緒にインキュベートした。トランスフェクションの6時間後、培地を新鮮な成長培地と交換した。STMN1の発現をウエスタンブロットによりモニターし、少なくとも3日間発現が抑制されたことが示された。0μg/ml〜40μg/mlの範囲の濃度のパクリタキセルおよびNab−パクリタキセルを、siRNAのトランスフェクション後6時間目に適用した。細胞の生存度に関するMTTアッセイを48時間のときに実施し、IC50値を計算した。
免疫ブロッティング
Nab−パクリタキセルを用いて48時間処理した細胞および未処理のコントロール細胞からのタンパク質溶解産物を、Bradford Protein Assay(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA、USA)を使用して定量した。等量のタンパク質溶解産物(30〜60μg)をSDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜(Bio−Rad Laboratories)に電気転写(electrotransfer)した。使用した一次抗体は、抗STMN1(1:1000希釈)、抗PARP(1:1000希釈)(Santa Cruz Biotechnology、Heidelberg、Germany)、抗GAPDH(1:10,000希釈)(Millipore Corporation、Bedford、MA、USA)を含んだ。ペルオキシダーゼ結合体化二次抗体(抗GAPDHに関しては1:10,000希釈;他の一次抗体に関しては1:2000)(Santa Cruz)と一緒のインキュベーション後、タンパク質発現を、SuperSignal West Pico Chemiluminescent Substrate(Thermo Scientific、Rockford、IL、USA)を使用して検出した。
SK−HEP1/Luc+異種移植片モデル
SK−HEP1ルシフェラーゼ安定クローンを、SK−HEP1細胞にホタルルシフェラーゼ発現ベクターをトランスフェクトすることによって調製し、500ug/mlのGeneticin(Gibco−BRL)を用いて4週間選択した。個別のコロニーを、生物発光活性に関してXenogen IVIS(登録商標)imager(Alameda、CA、USA)を使用してスクリーニングした。安定した発光の発現を有するクローンをin−vivo研究に使用した。
平均体重約20gを有する6〜8週齢の雄のBALB/cヌードマウスに、塩酸ケタミン(120mg/kg)(Fort Dodge Animal Health、Fort Dodge、IA、USA)+キシラジン(6mg/kg)(Phoenix Scientific、Inc.、St.Joseph、MO、USA)の腹腔内注射により麻酔をかけた。麻酔をかけた動物は、その後、200μl無血清培地に懸濁された5×10のSK−HEP1/Luc+細胞を、背面側腹部の下への皮下注射により与えられた。薬物処置を、腫瘍細胞の接種後14日に開始した。マウスを5群に分割した:PBS(n=13)、Nab−パクリタキセル(n=14)、パクリタキセル(n=9)、ドセタキセル(n=9)およびドキソルビシン(n=10)。すべての薬物を、2日ごとに5回、用量35mmol/kgで与えた。Desai N.ら、Clinical Cancer Research、12:1317〜24頁(2006年)を参照されたい。腫瘍成長を、毎週2回のin−vivo生物発光の画像化および式[(長さ×幅)/2]を使用した外部からのカリパス測定により、24日間モニターした。in−vivo生物発光の画像化のために、150mg/kgのD−ルシフェリンを腹腔内注射することによって与え、ルシフェリン注射の10分後、マウスにイソフルランにより麻酔をかけ、腫瘍細胞の生存度をXenogen IVIS(登録商標)imagerにより測定した。
統計的分析
データは平均±SDで表した。スチューデントt検定、Kaplan−Meier生存曲線および一元ANOVA分析を、Graphpad Prism3.0ソフトウェアを使用して実施した。差は、P<0.05で統計的に有意とみなされた。
結果
HCCの発症に関与する機能的オントロジー
マイクロアレイデータセット由来の遺伝子は、最初にランク付けされ、統計的な方法に従った有意な差次的発現の証拠により選択された。約1,000の重要な公知の遺伝子のIPA分析(上位5%パーセンタイルの変化)により、いくつかの有意な遺伝子オントロジーが示唆され、これらは、細胞のアセンブリおよび組織化、細胞の機能および維持、細胞死、細胞周期、細胞の組成、薬物および脂質の代謝ならびに小分子生化学を含んだ(図1)。特に、細胞のアセンブリおよび組織化のカテゴリーはもっとも有意な事象にランク付けされ、STMN1およびTUBB4などの微小管関連遺伝子の過剰提示が見出だされた(図1)。
HCC細胞に対するタキサンの細胞毒性効果
STMN1発現の上昇を示したHCC細胞株についてのパクリタキセル、ドセタキセルおよびNab−パクリタキセルの効果を評価した(図2B)。タキサン系薬物に対する高度の感受性は、HCCを含む多くのがんに広範囲に使用されている化学療法剤のドキソルビシンと比較して、全般に、Hep3B、SK−HEP1およびHKCl−9において見出された(図2A)。顕著なことに、Nab−パクリタキセルは、試験した3種すべての細胞株において、もっとも少ない有効投与量でもっとも高い効能を示した。Nab−パクリタキセルについて得られたIC50は0.29±0.02nMから10.42±1.37nMにおよび、これはドキソルビシンの約1/44から1/1082であった(IC50値は105.95±10.58nMから455.93±35.72nMにおよぶ)(図2C)。
Nab−パクリタキセル処理誘導性の細胞周期の遮断およびアポトーシス
より高い程度の微小管重合がNab−パクリタキセル処理細胞において見出された(図3Aおよび3B)。さらにHep3BおよびSK−HEP1の両方において、フローサイトメトリ分析により、漸増濃度のNab−パクリタキセルを適用すると、G2/M集団の増加が見出されることが示され、用量依存性の細胞周期の停止を示唆している(P<0.05;図4B)。フローサイトメトリプロファイルは、Nab−パクリタキセルを用いた処理後に現れるサブG1(sub−G1)部分をさらに示した(図4A)。アポトーシス細胞の存在を、SK−HEP1およびHep3BにおいてTUNEL分析によりさらに確認し、これはTUNEL陽性細胞数が、使用したNab−パクリタキセルの量に対応することを示した(P<0.001;図4Cおよび図4D)。核タンパク質PARPの切断を、89kDa切断産物の存在をモニターすることによって決定した。PARPの切断は処理後12時間で明らかになり、48時間にわたって徐々に増加した(図4E)。
in−vivo異種移植片の成長に対するNab−パクリタキセルの効果
SK−HEP1/Luc+細胞をBALB/cヌードマウスに皮下注射し、in−vivoにおけるさまざまな組成物の抗腫瘍効果を検査した。発達した異種移植片を、処置の初日、その後週に2回、IVIS画像化およびカリパス測定により腫瘍サイズに関して測定した。図5Aは、時間とともに各処置群における腫瘍サイズ変化の百分率を示す。コントロールPBS群は、研究期間にわたって腫瘍サイズが徐々に増加することを示した。各処置群が腫瘍サイズの減少を示す一方で、ドキソルビシン、パクリタキセルおよびドセタキセル由来の毒性は特に重篤であり3回以内の注射で多くのマウスの大幅な体重減少および死亡をもたらした(図5Bおよび図5C)。体重減少は、Nab−パクリタキセル注射を用いても観察されたが、最も重篤ではなく、マウスは全般に、9日目の最終の注射後に体重が回復できた。Nab−パクリタキセルの抗腫瘍効果は高度に有意であり、コントロール群と比較して腫瘍サイズに対する相当な阻害が存在した(P=0.0007)。さらに、60%を上回るマウスが実験終了まで生存した(図5B)。
STMN1のノックダウンがタキサン薬物に対する感受性を増加させる
本発明者らはSTMNのノックダウンとNab−パクリタキセルとの間の相乗効果を観察した。図6Aは、1日目および3日日目のsiRNAノックダウン後のHep3BにおけるSTMN1タンパク質レベルを示す。Hep3Bにおける特異的STMN1ノックダウンは、トランスフェクション後3日のmockと比較して、細胞の生存度が約40%減少したことを示した(図6B)。タキサンを用いた比較研究(combinatory study)において、si−STMN1をトランスフェクトされたHep3Bは、Nab−パクリタキセルに対して7.7倍超、感受性であり(IC50、0.04±0.004nM対0.31±0.04nM)、パクリタキセルに対して、2.7倍超、感受性であった(IC50、1.95±0.28nM対5.17±0.06nM)(図6C)。対照的に、STMN1のノックダウンは、微小管を標的としない薬物であるドキソルビシンの感受性には効果がなかった。
前述の発明を、明確な理解の目的で例示および実施例を用いて少し詳しく記載したが、特定のわずかな変形および修正が実践されるであろうことは当業者には明らかである。したがって、説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。

Claims (13)

  1. 肝細胞がん(HCC)の処置を必要とする個体におけるHCCを処置するための組合せ物であって、該組合せ物は、(a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物と、(b)有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを含み、該他の薬剤が、STMN1の阻害剤である、組合せ物。
  2. 前記組成物と、前記他の薬剤とが、同時投与または逐次投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組合せ物。
  3. 前記組成物と、前記他の薬剤とが、共時投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組合せ物。
  4. 前記他の薬剤が、ガンボージもしくはその誘導体、またはSTMN1に対するsiRNAである、請求項に記載の組合せ物。
  5. 前記HCCが、肝細胞がん、HCCの線維層板状変異型、または混合型肝細胞胆管がんである、請求項1からのいずれか一項に記載の組合せ物。
  6. 前記HCCが、早期HCC、非転移性HCC、原発性HCC、進行HCC、局所進行HCC、転移性HCC、寛解期HCC、再発性HCC、付加療法の状況でのHCC、または新補助療法の状況でのHCCである、請求項1からのいずれか一項に記載の組合せ物。
  7. タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む前記組成物が非経口的に投与されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の組合せ物。
  8. タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む前記組成物が静脈内投与、動脈内投与、肝内投与、または門脈内投与されることを特徴とする、請求項に記載の組合せ物。
  9. 前記タキサンが、パクリタキセルである、請求項1からのいずれか一項に記載の組合せ物。
  10. 前記組成物中の前記ナノ粒子の平均直径が200nm以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の組合せ物。
  11. 前記組成物中の前記ナノ粒子の平均直径が200nm未満である、請求項1に記載の組合せ物。
  12. 前記ナノ粒子中の前記タキサンが、アルブミンでコーティングされている、請求項1から1のいずれか一項に記載の組合せ物。
  13. 前記個体がヒトである、請求項1から1のいずれか一項に記載の組合せ物。
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