本実施形態は、例えば店員であるオペレータと客とがショーケースを介して対面し、ショーケース内に陳列されている惣菜や肉等を秤売りする惣菜店や精肉店において、ショーケースの上に載置して使用する対面用の電子秤装置への適用例を示す。
ここで、図1は実施形態にかかる電子秤装置1をオペレータ側から示す外観斜視図である。図1に示すように、この電子秤装置1は、扁平筐体状のハウジング2の上面全体に重量が測定される商品が載置される載置面である秤皿3を有し、オペレータ側の正面左側にタッチパネル4を備えた表示装置であるディスプレイ5(タッチパネル付き表示装置)を有している。
ディスプレイ5は、薄型のLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)を表示部5aとして構成されている。また、ディスプレイ5には、キーボード部6も設けられている。なお、ハウジング2の内部であって秤皿3の下方位置には、品物の重量を電気的信号として出力する計量部として機能するロードセルユニット16(図7参照)が設けられている。
一方、電子秤装置1には、図1に示すように、オペレータ側と同様に客側にもタッチパネル8を備えた表示装置であるディスプレイ9(タッチパネル付き表示装置)が設けられている。ディスプレイ9も、薄型のLCDや有機ELを表示部9aとして構成されている。したがって、計量部として機能するロードセルユニット16を挟んだ装置両側にタッチパネル4を備えたディスプレイ5と、タッチパネル8を備えたディスプレイ9が設けられていることになる。
また、ディスプレイ5およびディスプレイ9は、ハウジング2に対して上端部を軸として上下方向に傾け可能(チルト可能)に設けられている。
例えば、ディスプレイ5は、図1に示す状態から、ディスプレイ5を下方に傾けてその下縁をハウジング2の下面よりも下方に延出させることが可能である。これは、ハウジング2の設置部7を例えば図示しないショーケースの上面に載置して電子秤装置1を設置し、ディスプレイ5をショーケースの上面よりも下方に位置付けるような使用態様を考慮しての構造である。
また、ディスプレイ5は、図2に示すように、図1に示す状態から上方に傾けられることで、秤皿3に対して略平行な位置に位置付けられることが可能である。同様に、ディスプレイ9も、図2に示すように、図1に示す状態から上方に傾けられることで、秤皿3に対して略平行な位置に位置付けられることが可能である。これにより、オペレータの腰位置ほどの低いショーケース等に電子秤装置1を置いた場合であっても、オペレータおよび客は、ディスプレイ5およびディスプレイ9の表示内容を確認することができる。
なお、上述のようにディスプレイ5およびディスプレイ9を秤皿3に対して略平行な位置、すなわち略水平面に位置付けた場合、ディスプレイ5およびディスプレイ9は秤皿3に対して5mmほど下方に位置する。このように構成するのは、秤皿3からはみ出す大きさの物体を計量する場合、当該物体がディスプレイ5およびディスプレイ9上に乗り上げてしまうことで正確な計量ができなくなる事態を回避するためである。
また、ディスプレイ9は、図3に示すように、図1に示す状態から上方に傾けられることで、秤皿3に対して略垂直な位置に位置付けられることが可能である。このようにディスプレイ9を秤皿3に対して略垂直な位置に位置付けることにより、電子秤装置1は、店頭にてセルフ秤としての使用も可能になる。
ここで、ハウジング2に対するディスプレイ5およびディスプレイ9のチルト機構について説明する。ここで、図4はチルト機構701を示す斜視図、図5はチルト機構701を示す正面断面図、図6は位置移動するディスプレイ9を示す模式図である。図5では、電子秤装置1を客側上方から見て右側に位置する一方のチルト機構701のみ示している。なお、図4ないし図6では、客側のディスプレイ9のチルト機構について説明するが、オペレータ側のディスプレイ5についても同一のチルト機構である。
図4に示すように、ディスプレイ9のハウジング9bの下端部分には、ディスプレイ9の一部であって表示部9aと平行な平面状の固定板411が内蔵されている。固定板411は、ハウジング9bに対してネジ(図示せず)によって位置固定されている。固定板411の表示部9a側から見て右側には、側面板412aが設けられている。同様に、固定板411の表示部9aから見て左側には、側面板412bが設けられている。側面板412a、412bは、それぞれ固定板411に対して直角をなしている。側面板412aの外側の面には、側方に延出した支持軸413aが一体に設けられている(図5、図6等参照)。
側面板412bの外側の面には、側方に延出した支持軸413b(図6等参照)が一体に設けられている。支持軸413aと413bとは、互いに同心であり、表示部9aと面方向と平行な軸方向を有する。以下、支持軸413aと支持軸413bとを併せて支持軸413と称することがある。なお、支持軸413a、413bは、それぞれ、側面板412a、412bよりも固定板411側に突出している。支持軸413a、413bの突出部分を覆うキャップ415a、415bが側面板412a、412bには取り付けられている。ハウジング2について、表示部9a側から見て右側部分の上面には、軸支持部414aが固定されている。同様に、表示部9a側から見て左側部分の上面には、軸支持部414bが固定されている。軸支持部414a、414bは、それぞれ支持軸413a、413bを回動自在に保持している。したがって、ディスプレイ9は、図4に示すような表示部9aが垂直な垂直位置と、表示部9aが矢印Cの方向、または矢印Dの方向に位置移動した傾斜位置(図6)とに位置移動自在に支持されている。なお、ハウジング2には、ストッパ(図示せず)が設けられている。ストッパは、ディスプレイ9のハウジング9bに当接することでディスプレイ9の位置移動を規制し、ディスプレイ9を傾斜位置に位置付ける。つまり、固定板411、側面板412a、412b、支持軸413a、413b、軸支持部414a、414b、及びストッパは、支持機構401を構成する。
側面板412aの表示部9a側から見て右側には、弾性部材としてトーションバネ511aが設けられている。また、側面板412bの表示部9a側から見て左側には、弾性部材としてトーションバネ511bが設けられている。トーションバネ511aは、その両端部分として側方に延びたアーム521aと上方に延びたアーム522aとを有する。アーム521aとアーム522aとを近づけさせて閉状態にすることによりトーションバネ511aは反発力を蓄積し、閉状態の解除によりトーションバネ511aは開状態へと復元する。トーションバネ511bについても、トーションバネ511aと同様の構造である。以下、トーションバネ511aとトーションバネ511bとを併せてトーションバネ511と称することがある。
ディスプレイ9が水平位置に位置付けられている状態において、表示部9a側から見て右側のトーションバネ511aは、その内径の中心である開閉中心が支持軸413a(図5参照)と同心上となるように設けられている。トーションバネ511aは、アーム522aが矢印Cの方向に閉じる向きで設けられている。アーム521aは、軸支持部414aの一部であるアーム保持部512aによって保持されている。アーム押圧部513aは、側面板412aに対して表示部9a側に設けられている。図5に示すように、ディスプレイ9が水平位置に位置付けられている場合、アーム522aとアーム押圧部513aとは当接している。
なお、ディスプレイ9が水平位置に位置付けられている状態において、表示部9a側から見て左側についても同様であり、その説明は省略する。
ディスプレイ9が水平位置から矢印C方向の傾斜位置に位置移動することにより、表示部9a側から見て右側のトーションバネ511aのアーム522aはアーム押圧部513aによって押圧されて矢印C方向に閉じ、トーションバネ511aは反発力を蓄積する。蓄積される反発力によって表示部9aは、水平位置から傾斜位置に向かう方向に押圧される。ここに、押圧機構501が実現されている。このとき、アーム押圧部(図示せず)とトーションバネ511bのアーム(図示せず)との当接は解除される。つまり、トーションバネ511bのアーム(図示せず)には何ら押圧力は付与されずその位置は不変であり、トーションバネ511bに反発力は蓄積されない。
また、ディスプレイ9が水平位置から矢印D方向の垂直位置に位置移動することにより、アーム押圧部513aとアーム522aとの当接は解除される。つまり、トーションバネ511aのアーム522aには何ら押圧力は付与されずその位置は不変であり、トーションバネ511aに反発力は蓄積されない。一方で、このとき、表示部9a側から見て左側のトーションバネ511bのアーム(図示せず)はアーム押圧部(図示せず)によって押圧されて矢印D方向に閉じ、トーションバネ511bは反発力を蓄積する。蓄積される反発力によってディスプレイ9は、垂直位置から水平位置に向かう方向に押圧される。ここに、押圧機構501が実現されている。
これにより、ディスプレイ9は、垂直位置と傾斜位置との間の任意の位置で位置保持が可能である。このような位置保持は、位置保持機構601(図5参照)によって実現される。支持機構401と押圧機構501と位置保持機構601とは、チルト機構701を構成する。
図5に示すように、支持機構401が有する軸支持部414aは、固定板411の方向に向けて開口した中空の筒部441aを主体に構成されている。筒部441aの中空部分は、開口側の第1の中空部442aと、筒部441aの内周面に形成された弁443aによって第1の中空部442aと区切られた第2の中空部444aと、から構成されている。側面板412aから延出した支持軸413aの先端には、筒部441aの内周(第2の中空部444a)よりわずかに径の小さい円盤部445aが支持軸413aと一体に設けられている。円盤部445aは、第2の中空部444aに収納されている。円盤部445aは、弁443aと当接することによって第1の中空部442aへの移動が規制されている。円盤部445aは、後述する第1の板バネ611aと第2の板バネ612aとによって弁443aに対して押圧されている。このようにして、支持軸413aは軸支持部414aに支持されている。電子秤装置1を正面側から見て左側に位置する支持機構401についても同様の構成を有する。
押圧機構501が有するトーションバネ511aは、軸支持部414aの筒部441aに巻き付けられている。アーム522aは、トーションバネ511aの巻き付け方向に沿った方向を有している。アーム521aは、その先端部分がトーションバネ511aの巻き付け方向からL字状に屈曲している。軸支持部414aの一部であるアーム保持部512aには、支持軸413aの軸方向に貫通したアーム穴541aが形成されている。L字状に屈曲したアーム521aは、アーム穴541aに差し込まれている。このようにして、アーム521aは、アーム保持部512aに保持されている。電子秤装置1を正面側から見て左側に位置する押圧機構501についても同様の構成を有する。
位置保持機構601は、第2の中空部444aの中に、第1の接触部材として弧状に湾曲した第1の板バネ611aと、第2の接触部材として弧状に湾曲した第2の板バネ612aとを有している。第1の板バネ611aと第2の板バネ612aとは共に弾性を有する。第1の板バネ611aと第2の板バネ612aとは対面配置されて湾曲部分で互いに当接している。第1の板バネ611aの両端部分は、表示部9aの一部でもある円盤部445aに当接している。第2の板バネ612aの両端部分は、筒部441aに当接している。第2の板バネ612aは、第1の板バネ611aを支持軸413aの軸方向に押圧している。この押圧によって、第1の板バネ611aと第2の板バネ612aとの間には、接触摩擦が発生する。この発生する接触摩擦によって、表示部9aは、垂直位置と傾斜位置との間の任意の位置に位置保持される。ここに、位置保持機構601が実現されている。電子秤装置1を正面側から見て左側に位置する位置保持機構601についても同様の構成を有する。
そして、図6に示すように、ディスプレイ9は、支持軸413(支持軸413a、413b)を中心にして位置移動し、任意の位置で位置保持される。
次に、電子秤装置1に内蔵される各部の電気的接続について図7を参照して説明する。図7に示すように、電子秤装置1には、各種演算処理等を実行して各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)10が設けられている。このCPU10には、固定データを格納するFlashROM(Read Only Memory)11と、可変データを書換え自在に格納してワークエリア等として利用されるRAM(Random Access Memory)12とがシステムバス13を介して接続されている。FlashROM11には、制御プログラムや後述する各種のファイルが格納されている。
なお、電子秤装置1で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、電子秤装置1で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、電子秤装置1で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、CPU10には、システムバス13を介してI/Oポート14が接続され、このI/Oポート14にはA/D変換部15を介してロードセルユニット16が接続されている。このロードセルユニット16は、ロードセル等によって構成され、秤皿3に載置された品物の重量を計量して計量値データを出力する構造のものである。このようなロードセルユニット16からの出力はアナログ出力であり、このアナログ出力はA/D変換部15でデジタルデータに変換されてI/Oポート14に入力される。そこで、CPU10は、I/Oポート14に入力されたロードセルユニット16からの出力データに基づいて、FlashROM11に格納された制御プログラムやファイル等を参照し、RAM12をワークエリアとして使用して、秤皿3に載置された品物の重量を演算によって求めることができる。
加えて、CPU10には、キーボード部6を駆動制御するためのキーボードコントローラ18、ディスプレイ5を駆動制御するディスプレイコントローラ19、ディスプレイ9を駆動制御するディスプレイコントローラ20、タッチパネル4を駆動制御するタッチパネルコントローラ21、及び、タッチパネル8を駆動制御するタッチパネルコントローラ22もシステムバス13を介して接続されている。
CPU10は、RAM12として設けられた画像メモリを利用しつつ、FlashROM11に記憶されていたり画像メモリで合成されたりするイメージ画像データに基づいてディスプレイコントローラ19,20を駆動制御する。これにより、ディスプレイ5,9がマトリクス状に備える多数個の液晶シャッタが選択的に開閉駆動され、ディスプレイ5,9にイメージ画像データに基づく画像が表示出力されることになる。
さらに、CPU10は、タッチパネルコントローラ21,22を駆動制御し、操作者によりタッチされたタッチパネル4,8上のXY座標の位置を認識して座標データ取得する。これにより、ディスプレイ5,9に表示されるボタン等とタッチパネル4,8の座標との位置関係の同期をとることによって、タッチパネル4とディスプレイ5との組合せ、及び、タッチパネル8とディスプレイ9との組合せは、キーボードと同様の機能を奏することになる。
さらに、CPU10は、ディスプレイ9が秤皿3に対して略垂直な位置に位置付けられたことを検知する検知部17に、システムバス13を介して接続されている。検知部17は、例えばマイクロスイッチである。なお、検知部17としては、透過型センサや加速度センサを適用するようにしても良い。
次に、FlashROM11に格納されている各種のファイルについて説明する。図8はPLU(Price Look Up)ファイルの内容を概念的に示す模式図、図9は品物情報ファイルの内容を概念的に示す模式図である。FlashROM11は、記憶部として機能して各種のファイルを書換え自在かつ記憶保持可能な状態で格納する。このようなFlashROM11に格納されるファイルの一部として、本実施の形態では、PLUファイル101及び品物情報ファイル201を備える。
図8に示すPLUファイル101は、概念的には、品物である商品の品番111毎に、商品コード112、品名113、単価114、後述するオペレータ側のディスプレイ5に表示されるPLUキーA(図12参照)の位置決めのためのキーナンバー115、及び、後述する客側のディスプレイ9に表示されるPLUキーD(図14参照)の位置決めのためのキーナンバー116という各種の情報を対応付けて格納するファイルである。つまり、PLUファイル101は、少なくとも、品物を特定するための品物特定データとして機能する品番111とその品物の単位重量当たりの単価114とを対応付けて記憶するファイル構造を備えている。
図9に示す品物情報ファイル201は、概念的には、品番211毎に、イメージ画像データ212を対応付けて格納するファイルである。つまり、品物情報ファイル201は、品物を特定するための品物特定データとして機能する品番211とその品物を認識させる品物情報として機能するイメージ画像データ212とを対応付けて記憶するファイル構造を備えている。ここで、品番211は、PLUファイル101の品番111に対応する。例えば、PLUファイル101中の品番111「0001」と品物情報ファイル201中の品番211「0001」とは、共に、商品Aという品物を特定している。そこで、PLUファイル101では、「0001」という品番111に対応させて「商品A」という品名113やその単価114等が格納されているのに対し、品物情報ファイル201では、「0001」という品番211に対応させて「商品A」のイメージ画像データ212が格納されている。このようなイメージ画像データ212の内容は、例えば、商品A等の品物に関するデジタル写真データ、イラスト、絵画等、その品物を視覚的に認識可能なものに関するデジタルデータである。
次いで、FlashROM11に記憶された制御プログラムに従いCPU10が実行する処理について説明する。なお、本実施の形態においては、従来の電子秤装置によって行なわれる処理と同様の処理についてはその説明を省略する。ここでは、画面表示処理について説明する。
ここで、図10は電子秤装置1における画面表示処理にかかる機能ブロック図である。図10に示すように、電子秤装置1で実行される制御プログラムは、動作モード切替手段23を含むモジュール構成となっている。CPU10は、FlashROM11から制御プログラムを読み出して、上記各部をRAM12にロードする。これにより、動作モード切替手段23がRAM12上に生成される。
動作モード切替手段23は、検知部17により客側のディスプレイ9が所定位置(秤皿3に対して略垂直な位置)に位置付けられたことを検知した場合、動作モードをセルフモードに切り替える。具体的には、動作モード切替手段23は、動作モードをセルフモードに切り替えた場合、所定位置(秤皿3に対して略垂直な位置)に位置付けられた客側のディスプレイ9の表示部9aに表示される画像情報の上下方向を逆転させる。
図11は、電子秤装置1における画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、電子秤装置1のCPU10は、電源投入後、客側のディスプレイ9が秤皿3に対して略垂直な位置に位置付けられていない場合には(ステップS1のNo)、動作モードを通常モードとし、オペレータ側のディスプレイ5及び客側のディスプレイ9にそれぞれ所定の通常画面を表示する(ステップS2)。
ここで、図12はオペレータ側のディスプレイ5に表示される通常画面の一例を示す正面図である。図12に示すように、オペレータ側のディスプレイ5に表示される画面には、商品販売処理時にPLU(Price Look Up)を指定するためのPLUキーA、部門キーB、商品コードや金額等を入力するための「0」から「9」までの置数キーC等が表示されており、タッチパネル4を介すことによりそれぞれがキーボードのキーと同様の機能を有するタッチキーK1として機能する。なお、PLUキーAは、PLUファイル101のPLUキーAの位置決めのためのキーナンバー115に基づいて決定され、対応するPLUファイル101の品名113が表示されている。
ここで、図13は客側のディスプレイ9に表示される通常画面の一例を示す正面図である。図13に示すように、客側のディスプレイ9に表示される通常画面には、図12に示したオペレータ側のディスプレイ5に表示される画面で選択操作された購入希望商品が拡大表示されることにより、客の購入意思がオペレータに伝わったことが客側で確認できる。
一方、客側のディスプレイ9が秤皿3に対して略垂直な位置に位置付けられていることが検知部17にて検知された場合には(ステップS1のYes)、電子秤装置1のCPU10(動作モード切替手段23)は、動作モードをセルフモードに切り替え、客側のディスプレイ9に表示される画面をセルフ用の画面に切り替える(ステップS3)。
また、図14は客側のディスプレイ9に表示されるセルフ用の画面の一例を示す正面図である。図14に示すように、客側のディスプレイ9に表示されるセルフ用の画面には、商品販売処理時にPLUを指定するためのPLUキーD等が表示されており、タッチパネル8を介すことによりそれぞれがキーボードのキーと同様の機能を有するタッチキーK2として機能する。なお、PLUキーDは、PLUファイル101のPLUキーDの位置決めのためのキーナンバー116に基づいて決定され、対応するPLUファイル101の品名113及び対応する品物情報ファイル201のイメージ画像データ212が表示されている。また、客側のディスプレイ9に表示されるPLUキーDの配列は、当該電子秤装置1が載置されるショーケースにおける商品の陳列レイアウトと同様の配置とされている。
なお、ステップS3において電子秤装置1のCPU10は、図14に示すセルフ用の画面に表示される画像情報について、図13に示す通常画面とは表示の上下方向を逆転させている。
このように、本実施形態の電子秤装置1によれば、ロードセルユニット16を挟んだ装置両側にそれぞれ設けられたディスプレイ5,9を、チルト機構701により計量対象となる品物の秤皿3に対して略平行な位置にディスプレイ5,9の表示部5a,9aを位置付けた水平位置と当該表示部5a,9aを秤皿3に対して下方に移動させた位置との間でそれぞれ位置移動可能に支持する。これにより、オペレータ側のディスプレイ5と客側のディスプレイ9との両方とも水平位置に位置付けることで、オペレータの腰位置ほどの低いショーケース等に置いて使用した場合でも、オペレータ側および客側の何れからでも表示内容を確認することができ、操作性を向上させることができる。
さらに、チルト機構701は、表示部5a,9aを秤皿3に対して略平行な位置に位置付けた水平位置と当該表示部5a,9aを秤皿3に対して上方に移動させた位置との間でもディスプレイ5,9を位置移動可能に支持することにより、客側のディスプレイ9についてはさらに水平位置から上方に傾けて秤皿3に対して略垂直な位置に位置付けることにより、電子秤装置1を店頭にてセルフ秤として使用することが可能になる。この場合、客側のディスプレイ9が秤皿3に対して略垂直な位置に位置付けられたことを検知部17により検知した場合、動作モード切替手段23により動作モードをセルフモードに切り替えて客側のディスプレイ9に表示される画像情報の上下方向を逆転させる。これにより、店頭にてセルフ秤として使用するような場合、選んだ物等の表示や大型のキーボード等を客側のディスプレイ9に表示させることで、操作性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。