A.実施形態:
図1は、スパークプラグ10の部分断面を示す説明図である。図1には、スパークプラグ10の軸心である軸線CA1を境界として、紙面右側にスパークプラグ10の外観形状を図示し、紙面左側にスパークプラグ10の断面形状を図示した。本実施形態の説明では、スパークプラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
スパークプラグ10は、中心電極100と、絶縁体200と、主体金具300と、接地電極400とを備える。本実施形態では、スパークプラグ10の軸線CA1は、中心電極100、絶縁体200および主体金具300の各部材における軸心でもある。
スパークプラグ10は、中心電極100と接地電極400との間に形成された間隙SGを先端側に有する。スパークプラグ10の間隙SGは、火花ギャップとも呼ばれる。スパークプラグ10は、間隙SGが形成されている先端側を燃焼室920の内壁910から突出させた状態で内燃機関90に取り付け可能に構成されている。スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けた状態で、2万〜3万ボルトの高電圧を中心電極100に印加すると、間隙SGに火花放電が発生する。この間隙SGに発生させた火花放電によって、燃焼室920内の混合気に着火することが可能である。
図1には、相互に直交するXYZ軸を図示した。図1のXYZ軸は、後述する他の図におけるXYZ軸に対応する。
図1のXYZ軸のうち、軸線CA1に沿った軸をZ軸とする。Z軸に沿ったZ軸方向(軸線方向)に関し、スパークプラグ10の後端側から先端側に向かって+Z軸方向とし、その逆を−Z軸方向とする。+Z軸方向は、中心電極100が絶縁体200と共に軸線CA1に沿って主体金具300の先端側から突出する方向である。
図1のXYZ軸のうち、接地電極400が軸線CA1に向けて屈曲する方向に沿った軸をY軸とする。Y軸に沿ったY軸方向に関し、接地電極400が軸線CA1に向けて屈曲する方向を−Y軸方向とし、その逆を+Y軸方向とする。
図1のXYZ軸のうち、Y軸およびZ軸に直交する軸をX軸とする。X軸に沿ったX軸方向に関し、図1の紙面奥から紙面手前に向かって+X軸方向とし、その逆を−X軸方向とする。
スパークプラグ10の中心電極100は、導電性を有する電極体である。中心電極100は、Z軸方向(軸線方向)に延びた棒状をなす。本実施形態では、中心電極100は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル(登録商標))からなる。中心電極100の外側面は、絶縁体200によって外部から電気的に絶縁されている。中心電極100の先端側は、絶縁体200の先端側から突出している。中心電極100の後端側は、絶縁体200の後端側へと電気的に接続されている。本実施形態では、中心電極100の後端側は、シール体160、セラミック抵抗170、シール体180、端子金具190を介して絶縁体200の後端側へと電気的に接続されている。
スパークプラグ10の接地電極400は、導電性を有する電極体である。接地電極400は、主体金具300から軸線CA1に対して平行に一旦延びた後に軸線CA1に向けて屈曲した形状をなす。接地電極400の基端部は、主体金具300に接合されている。接地電極400の先端部は、中心電極100との間に間隙SGを形成する。本実施形態では、接地電極400は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル(登録商標))からなる。
スパークプラグ10の絶縁体200は、電気絶縁性を有する碍子である。絶縁体200は、Z軸方向(軸線方向)に沿った筒状をなす。本実施形態では、絶縁体200は、絶縁性セラミックス材料(例えば、アルミナ)を焼成してなる。絶縁体200は、軸線CA1に沿った貫通孔である軸孔280を備える。絶縁体200の軸孔280には、絶縁体200の先端側(+Z軸方向側)から突出させた状態で中心電極100が軸線CA1上に保持されている。
スパークプラグ10の主体金具300は、導電性を有する金属体である。主体金具300は、軸線CA1に沿った筒状をなす。本実施形態では、主体金具300は、筒状に成形した低炭素鋼にニッケルメッキを施した金属体である。他の実施形態では、主体金具300は、亜鉛メッキを施した金属体であっても良いし、メッキを施していない金属体(無メッキ)であっても良い。
主体金具300は、中心電極100から電気的に絶縁された状態で絶縁体200の外側面にカシメ固定されている。主体金具300の外側には、先端側から後端側に向けて順に、先端部310と、ネジ部320と、胴部340と、溝部350と、工具係合部360と、カシメ部380とが形成されている。
主体金具300の先端部310は、主体金具300の先端側(+Z軸方向側)を構成する円筒状の部位である。先端部310には、接地電極400が接合されている。先端部310の中央からは、中心電極100と共に絶縁体200が+Z軸方向に向けて突出している。先端部310の詳細については後述する。
主体金具300のネジ部320は、ネジ山が外側面に形成されている円筒状の部位である。本実施形態では、主体金具300のネジ部320を内燃機関90のネジ孔930に螺合させることによって、スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けることが可能である。本実施形態では、ネジ部320の呼び径は、M10である。他の実施形態では、ネジ部320の呼び径は、M10より小さくても良いし(例えば、M8,M9)、M10より大きくても良い(例えば、M12、M14)。
主体金具300の胴部340は、溝部350よりも外周方向に張り出した鍔状の部位である。スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けた状態で、胴部340と内燃機関90との間にはガスケット500が圧縮される。
主体金具300の溝部350は、胴部340と工具係合部360との間に設けられ、主体金具300を絶縁体200にカシメ固定する際に外周方向に膨出した円筒状の部位である。
主体金具300の工具係合部360は、溝部350よりも外周方向に張り出した鍔状の部位である。工具係合部360は、スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けるための工具(図示しない)に係合する形状をなす。
主体金具300のカシメ部380は、主体金具300を絶縁体200にカシメ固定する際に、絶縁体200に密着するように塑性加工された部位である。本実施形態では、カシメ部380と絶縁体200との間には、粉末のタルク(滑石)が封入されている。
主体金具300の内側には、主体金具300の先端側(+Z軸方向側)から中心電極100と共に突出させた状態で絶縁体200が保持されている。主体金具300の内側には、先端側から後端側に向けて順に、金具内周面392と、環状凸部394と、金具内周面396とが形成されている。
主体金具300の金具内周面392は、主体金具300の内周面のうち環状凸部394よりも先端側に位置する部位ある。主体金具300の環状凸部394は、主体金具300の内周面である金具内周面392および金具内周面396から内側に向けて隆起した環状の部位である。主体金具300の金具内周面396は、主体金具300の内周面のうち環状凸部394よりも後端側に位置する部位ある。
金具内周面392と絶縁体200との隙間は、環状凸部394と絶縁体200との隙間や、金具内周面396と絶縁体200との隙間よりも大きい。絶縁体200を主体金具300の後端側から挿入して主体金具300に組み付ける際、環状凸部394および金具内周面396は、主体金具300に対する絶縁体200の位置決めに利用される。
図2は、スパークプラグ10の先端側を拡大して示す説明図である。図2には、スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けた状態で図示した。図2には、軸線CA1を通りY軸およびZ軸に平行な平面で切断した内燃機関90および主体金具300の各断面にハッチングを施した。図2には、主体金具300のネジ部320におけるネジ山を略画法で図示した。
スパークプラグ10の先端側において、中心電極100は、電極先端110を有する。中心電極100の電極先端110は、中心電極100における+Z軸方向側の先端である。電極先端110は、絶縁体200から突出し、接地電極400との間に間隙SGを形成している。
スパークプラグ10の先端側において、スパークプラグ10の絶縁体200は、絶縁体先端211と、絶縁体側面218とを有する。絶縁体200の絶縁体先端211は、絶縁体200における+Z軸方向側の先端である。絶縁体先端211からは、中心電極100が+Z軸方向に向けて突出している。絶縁体200の絶縁体側面218は、主体金具300の金具内周面392に対向する側面である。絶縁体200の絶縁体側面218と、主体金具300の金具内周面392との間には、隙間が形成されている。
スパークプラグ10の先端側における主体金具300の先端部310は、金具先端311と、金具先端312と、金具傾斜面313と、金具傾斜端317とを有する。
主体金具300における先端部310の金具先端311および金具先端312は、主体金具300における+Z軸方向側の先端を構成し、金具内周面392に繋がる。金具先端311および金具先端312は、X軸およびY軸に平行な平面上で相互に繋がっており、+Z軸方向から見た場合に環状をなす。金具先端311は、金具傾斜面313に繋がり、金具傾斜面313における+Z軸方向側の端を構成する。金具先端312は、接地電極400を接合可能に金具先端311と比較して大きな肉厚を有し、接地電極400は、金具先端312に対して接合されている。
本実施形態では、先端部310には、接地電極400を接合する部位を除き、金具先端311が形成されている。金具先端311と金具先端312とが先端部310に占める割合は、着火性の観点から、接地電極400の接合に支障がない限り、金具先端311の割合が大きい程よく、少なくとも軸線CA1よりも−Y軸方向側(接地電極400の反対側)を金具先端311で構成することが好ましい。
主体金具300における先端部310の金具傾斜面313は、金具傾斜端317から+Z軸方向に向かって金具先端311に至るまで連続的に外径が小さくなる外周面である。主体金具300における先端部310の金具傾斜端317は、金具傾斜面313における−Z軸方向側の端を構成し、ネジ部320に繋がる。本実施形態では、金具傾斜端317は、ネジ部320の+Z軸方向側の端でもある。本実施形態では、金具傾斜面313は、金具傾斜端317を介して内燃機関90の内壁910に繋がる。
軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313の断面形状の外形線は、金具先端311から金具傾斜端317に向けて順に、凸状円弧314と、線分315と、凹状円弧316とを有する。このような金具傾斜面313によれば、燃焼室920内において金具先端311に向けて金具傾斜面313を伝うタンブル渦気流やスキッシュ流などの混合気流Fmに対して、その混合気流Fmが金具傾斜面313を離れる際に軸線CA1に向かう方向への巻き込み作用VAを、凸状円弧314によって発生させることができる。
図3および図4は、主体金具300における先端部310の詳細構成を示す説明図である。図3および図4には、スパークプラグ10の先端側を図2よりも更に拡大して図示した。図3および図4には、軸線CA1を通りY軸およびZ軸に平行な平面で切断した主体金具300の断面にハッチングを施した。図3および図4には、主体金具300のネジ部320におけるネジ山を略画法で図示した。
金具傾斜面313の凸状円弧314は、金具先端311に繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図3に示すように、凸状円弧314の中心712は、金具内周面392上にある。本実施形態では、凸状円弧314の中心712から金具内周面392に沿って+Z軸方向側に進むと金具先端311に至る。混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314の半径R1は、0.2mm(ミリメートル)以上であることが好ましい。凸状円弧314の半径R1についての評価結果については後述する。
金具傾斜面313の線分315は、凸状円弧314と凹状円弧316との間を繋ぐ共通接線である。図3に示すように、線分315は、接点714で凸状円弧314に繋がり、接点724で凹状円弧316に繋がる。線分315の長さ、および、軸線CA1に対する線分315の角度は、凸状円弧314および凹状円弧316との関係で適宜設定することができる。
金具傾斜面313の凹状円弧316は、金具傾斜端317に繋がる内側に陥没した凹状の円弧である。図3に示すように、凹状円弧316の中心722は、金具傾斜端317を通り軸線CA1に平行な直線L2上にある。凹状円弧316の半径R2は、凸状円弧314の半径R1との関係で適宜設定することができる。凹状円弧316の半径R2についての評価結果については後述する。
図4に示す長さSと、長さTと、角度αと、角度βとの関係は、絶縁体200の汚損を抑制する観点から、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。なお、長さSは、金具傾斜端317と絶縁体先端211との間における軸線CA1に沿った長さである。長さTは、金具傾斜端317と軸線CA1との間における軸線CA1に直交する径方向(Y軸方向)に沿った長さである。角度αは、金具傾斜端317を通る凸状円弧314の接線TLが径方向(Y軸方向)に対してなす鋭角の角度である。接線TLは、凸状円弧314と接点TPで接する。
以上説明した実施形態のスパークプラグ10によれば、燃焼室920内において金具先端311に向けて金具傾斜面313を伝う混合気流Fmに対して、その混合気流Fmが金具傾斜面313を離れる際に軸線CA1に向かう方向への巻き込み作用VAを、凸状円弧314によって発生させることができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、金具先端311に向けて金具傾斜面313を伝う混合気流Fmが金具傾斜面313から離れた後に直接的に絶縁体200に当たることを抑制することができる。これによって、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10の耐久性を向上させることができる。
また、金具傾斜面313は、凸状円弧314に加え凹状円弧316を備えるため、燃焼室920の内壁910を伝う混合気流Fmを、凹状円弧316を介して金具傾斜面313へと円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
また、凸状円弧314と凹状円弧316との間は線分315で繋がるため、金具先端311に向けて金具傾斜面313を伝う混合気流Fmを円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
B.変形例:
B−1.第1変形例:
第1変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「a」を付した符号を用いる。
図5は、第1変形例におけるスパークプラグ10aの詳細構造を示す説明図である。図5には、スパークプラグ10aの先端側を図3と同様に図示した。第1変形例のスパークプラグ10aは、主体金具300aの先端部310aの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第1変形例における主体金具300aの先端部310aは、金具先端311aと、金具傾斜面313aと、金具傾斜端317aとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313aの断面形状の外形線は、金具先端311aから金具傾斜端317aに向けて順に、凸状円弧314aと、線分315aとを有する。第1変形例におけるスパークプラグ10aは、特に、金具傾斜面313aが凹状円弧を有しない点で、上述の実施形態と異なる。
第1変形例における金具傾斜面313aの凸状円弧314aは、金具先端311aに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図5に示すように、凸状円弧314aの中心712aは、金具内周面392上にある。
第1変形例における金具傾斜面313aの線分315aは、金具傾斜端317aを通る凸状円弧314aの接線TLaを構成する線分である。線分315aは、接点TPaで凸状円弧314aに繋がると共に、金具傾斜端317aに繋がる。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314aの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第1変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第1変形例における角度αは、接線TLaがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。
以上説明した第1変形例のスパークプラグ10aによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314aによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10aの耐久性を向上させることができる。
B−2.第2変形例:
第2変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「b」を付した符号を用いる。
図6は、第2変形例におけるスパークプラグ10bの詳細構造を示す説明図である。図6には、スパークプラグ10bの先端側を図3と同様に図示した。第2変形例のスパークプラグ10bは、主体金具300bの先端部310bの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第2変形例における主体金具300bの先端部310bは、金具先端311bと、金具傾斜面313bと、金具傾斜端317bとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313bの断面形状の外形線は、凸状円弧314bとなる。第2変形例のスパークプラグ10bは、特に、金具傾斜面313bが線分および凹状円弧を有しない点で、上述の実施形態と異なる。
第2変形例における金具傾斜面313bの凸状円弧314bは、金具先端311bと金具傾斜端317bとの間に繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図6に示すように、凸状円弧314bの中心712bは、金具内周面392上にある。金具傾斜端317bは、金具傾斜端317bを通る凸状円弧314bの接線TLbが凸状円弧314bに接する接点TPbでもある。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314bの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第2変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第2変形例における角度αは、接線TLbがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。
以上説明した第2変形例のスパークプラグ10bによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314bによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10bの耐久性を向上させることができる。
B−3.第3変形例:
第3変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「c」を付した符号を用いる。
図7は、第3変形例におけるスパークプラグ10cの詳細構造を示す説明図である。図7には、スパークプラグ10cの先端側を図3と同様に図示した。第3変形例のスパークプラグ10cは、主体金具300cの先端部310cの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第3変形例における主体金具300cの先端部310cは、金具先端311cと、金具傾斜面313cと、金具傾斜端317cと、金具外周面319cとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313cの断面形状の外形線は、金具先端311cから金具傾斜端317cに向けて順に、凸状円弧314cと、線分315cとを有する。第3変形例におけるスパークプラグ10cは、特に、ネジ部320と金具傾斜端317cとの間に金具外周面319cを設けた点、および、金具傾斜面313cが凹状円弧を有しない点で、上述の実施形態と異なる。
第3変形例の金具傾斜端317cは、金具傾斜面313cにおける−Z軸方向側の端を構成し、金具外周面319cに繋がる。第3変形例では、金具傾斜面313cは、金具傾斜端317cを介して内燃機関90の内壁910に繋がる。
第3変形例の金具外周面319cは、金具傾斜端317cとネジ部320との間を繋ぐ主体金具300cの外周面である。第3変形例では、金具外周面319cは、軸線CA1に沿った面である。
第3変形例における金具傾斜面313cの凸状円弧314cは、金具先端311cに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図7に示すように、凸状円弧314cの中心712cは、金具内周面392上にある。
第3変形例における金具傾斜面313cの線分315cは、金具傾斜端317cを通る凸状円弧314cの接線TLcを構成する線分である。線分315cは、接点TPcで凸状円弧314cに繋がると共に、金具傾斜端317cに繋がる。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314cの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第3変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第3変形例における角度αは、接線TLcがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。
以上説明した第3変形例のスパークプラグ10cによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314cによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10cの耐久性を向上させることができる。
B−4.第4変形例:
第4変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「d」を付した符号を用いる。
図8は、第4変形例におけるスパークプラグ10dの詳細構造を示す説明図である。図8には、スパークプラグ10dの先端側を図3と同様に図示した。第4変形例のスパークプラグ10dは、主体金具300dの先端部310dの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第4変形例における主体金具300dの先端部310dは、金具先端311dと、金具傾斜面313dと、金具傾斜端317dと、金具外周面319dとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313dの断面形状の外形線は、凸状円弧314dとなる。第4変形例におけるスパークプラグ10dは、特に、ネジ部320と金具傾斜端317dとの間に金具外周面319dを設けた点、および、金具傾斜面313dが線分および凹状円弧を有しない点で、上述の実施形態と異なる。
第4変形例の金具傾斜端317dは、金具傾斜面313dにおける−Z軸方向側の端を構成し、金具外周面319dに繋がる。第4変形例では、金具傾斜面313dは、金具傾斜端317dを介して内燃機関90の内壁910に繋がる。
第4変形例の金具外周面319dは、金具傾斜端317dとネジ部320との間を繋ぐ主体金具300dの外周面である。第4変形例では、金具外周面319dは、軸線CA1に沿った面である。
第4変形例における金具傾斜面313dの凸状円弧314dは、金具先端311dと金具傾斜端317dとの間に繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図8に示すように、凸状円弧314dの中心712dは、金具内周面392上にある。金具傾斜端317dは、金具傾斜端317dを通る凸状円弧314dの接線TLdが凸状円弧314dに接する接点TPdでもある。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314dの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第4変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第4変形例における角度αは、接線TLdがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。
以上説明した第4変形例のスパークプラグ10dによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314dによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10dの耐久性を向上させることができる。
B−5.第5変形例:
第5変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「e」を付した符号を用いる。
図9は、第5変形例におけるスパークプラグ10eの詳細構造を示す説明図である。図9には、スパークプラグ10eの先端側を図3と同様に図示した。第5変形例のスパークプラグ10eは、主体金具300eの先端部310eの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第5変形例における主体金具300eの先端部310eは、金具先端311eと、金具傾斜面313eと、金具傾斜端317eと、金具外周面319eとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313eの断面形状の外形線は、金具先端311eから金具傾斜端317eに向けて順に、凸状円弧314eと、線分315eと、凹状円弧316eとを有する。第5変形例におけるスパークプラグ10eは、特に、ネジ部320と金具傾斜端317eとの間に金具外周面319eを設けた点で、上述の実施形態と異なる。
第5変形例の金具傾斜端317eは、金具傾斜面313eにおける−Z軸方向側の端を構成し、金具外周面319eに繋がる。第5変形例では、金具傾斜面313eは、金具傾斜端317eを介して内燃機関90の内壁910に繋がる。
第5変形例の金具外周面319eは、金具傾斜端317eとネジ部320との間を繋ぐ主体金具300eの外周面である。第5変形例では、金具外周面319eは、軸線CA1に沿った面である。
第5変形例における金具傾斜面313eの凸状円弧314eは、金具先端311eに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図9に示すように、凸状円弧314eの中心712eは、金具内周面392上にある。
第5変形例における金具傾斜面313eの線分315eは、凸状円弧314eと凹状円弧316eとの間を繋ぐ共通接線である。
第5変形例における金具傾斜面313eの凹状円弧316eは、金具傾斜端317eに繋がる内側に陥没した凹状の円弧である。図9に示すように、凹状円弧316eの中心722eは、金具傾斜端317eを通り軸線CA1に平行な直線L2上にある。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314eの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第5変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第5変形例における角度αは、金具傾斜端317eを通る凸状円弧314eの接線TLeがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。接線TLeは、凸状円弧314eと接点TPeで接する。
以上説明した第5変形例のスパークプラグ10eによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314eによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10eの耐久性を向上させることができる。
また、金具傾斜面313eは、凸状円弧314eに加え凹状円弧316eを備えるため、凹状円弧316eを介して混合気流Fmを金具傾斜面313eへと円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
また、凸状円弧314eと凹状円弧316eとの間は線分315eで繋がるため、金具先端311eに向けて金具傾斜面313eを伝う混合気流Fmを円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
B−6.第6変形例:
第6変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「f」を付した符号を用いる。
図10は、第6変形例におけるスパークプラグ10fの詳細構造を示す説明図である。図10には、スパークプラグ10fの先端側を図3と同様に図示した。第6変形例のスパークプラグ10fは、主体金具300fの先端部310fの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第6変形例における主体金具300fの先端部310fは、金具先端311fと、金具傾斜面313fと、金具傾斜端317fとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313fの断面形状の外形線は、金具先端311fから金具傾斜端317fに向けて順に、凸状円弧314fと、凹状円弧316fとを有する。第6変形例におけるスパークプラグ10fは、特に、金具傾斜面313fが線分を有しない点で、上述の実施形態と異なる。第6変形例における金具傾斜面313fの凸状円弧314fおよび凹状円弧316fは、接点715fで相互に外接する。
第6変形例における金具傾斜面313fの凸状円弧314fは、金具先端311fに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図10に示すように、凸状円弧314fの中心712fは、金具内周面392上にある。
第6変形例における金具傾斜面313fの凹状円弧316fは、金具傾斜端317fに繋がる内側に陥没した凹状の円弧である。図10に示すように、凹状円弧316fの中心722fは、金具傾斜端317fを通り軸線CA1に平行な直線L2上にある。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314fの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第6変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第6変形例における角度αは、金具傾斜端317fを通る凸状円弧314fの接線TLfがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。接線TLfは、凸状円弧314fと接点TPfで接する。
以上説明した第6変形例のスパークプラグ10fによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314fによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10fの耐久性を向上させることができる。
また、金具傾斜面313fは、凸状円弧314fに加え凹状円弧316fを備えるため、凹状円弧316fを介して混合気流Fmを金具傾斜面313fへと円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
また、凸状円弧314fと凹状円弧316fとは相互に外接するため、金具先端311fに向けて金具傾斜面313fを伝う混合気流Fmを円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
B−7.第7変形例:
第7変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「g」を付した符号を用いる。
図11は、第7変形例におけるスパークプラグ10gの詳細構造を示す説明図である。図11には、スパークプラグ10gの先端側を図3と同様に図示した。第7変形例のスパークプラグ10gは、主体金具300gの先端部310gの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第7変形例における主体金具300gの先端部310gは、金具先端311gと、金具傾斜面313gと、金具傾斜端317gと、金具外周面319gとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313gの断面形状の外形線は、金具先端311gから金具傾斜端317gに向けて順に、凸状円弧314gと、凹状円弧316gとを有する。第7変形例におけるスパークプラグ10gは、特に、ネジ部320と金具傾斜端317gとの間に金具外周面319gを設けた点、および、金具傾斜面313gが線分を有しない点で、上述の実施形態と異なる。第7変形例における金具傾斜面313gの凸状円弧314gおよび凹状円弧316gは、接点715gで相互に外接する。
第7変形例の金具傾斜端317gは、金具傾斜面313gにおける−Z軸方向側の端を構成し、金具外周面319gに繋がる。第7変形例では、金具傾斜面313gは、金具傾斜端317gを介して内燃機関90の内壁910に繋がる。
第7変形例の金具外周面319gは、金具傾斜端317gとネジ部320との間を繋ぐ主体金具300gの外周面である。第7変形例では、金具外周面319gは、軸線CA1に沿った面である。
第7変形例における金具傾斜面313gの凸状円弧314gは、金具先端311gに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図11に示すように、凸状円弧314gの中心712gは、金具内周面392上にある。
第7変形例における金具傾斜面313gの凹状円弧316gは、金具傾斜端317gに繋がる内側に陥没した凹状の円弧である。図11に示すように、凹状円弧316gの中心722gは、金具傾斜端317gを通り軸線CA1に平行な直線L2上にある。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314gの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第7変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第7変形例における角度αは、金具傾斜端317gを通る凸状円弧314gの接線TLgがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。接線TLgは、凸状円弧314gと接点TPgで接する。
以上説明した第7変形例のスパークプラグ10gによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314gによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10gの耐久性を向上させることができる。
また、金具傾斜面313gは、凸状円弧314gに加え凹状円弧316gを備えるため、凹状円弧316gを介して混合気流Fmを金具傾斜面313gへと円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
また、凸状円弧314gと凹状円弧316gとは相互に外接するため、金具先端311gに向けて金具傾斜面313gを伝う混合気流Fmを円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
B−8.第8変形例:
第8変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「h」を付した符号を用いる。
図12は、第8変形例におけるスパークプラグ10hの詳細構造を示す説明図である。図12には、スパークプラグ10hの先端側を図3と同様に図示した。第8変形例のスパークプラグ10hは、主体金具300hの先端部310hの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第8変形例における主体金具300hの先端部310hは、金具先端311hと、金具傾斜面313hと、金具傾斜端317hとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313hの断面形状の外形線は、金具先端311hから金具傾斜端317hに向けて順に、凸状円弧314hと、線分315hとを有する。第8変形例におけるスパークプラグ10hは、特に、軸線CA1に交差する径方向に金具先端311hが幅を有する点、および、金具傾斜面313hが凹状円弧を有しない点で、上述の実施形態と異なる。
第8変形例における先端部310hの金具先端311hは、主体金具300hにおける+Z軸方向側の先端を構成する端面である。第8変形例では、金具先端311hは、X軸およびY軸に平行な平面である。第8変形例の金具先端311hは、金具傾斜面313hおよび金具内周面392に繋がる。
第8変形例における金具傾斜面313hの凸状円弧314hは、金具先端311hに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図12に示すように、凸状円弧314hの中心712hは、金具内周面392上にある。
第8変形例における金具傾斜面313hの線分315hは、金具傾斜端317hを通る凸状円弧314hの接線TLhを構成する線分である。線分315hは、接点TPhで凸状円弧314hに繋がると共に、金具傾斜端317hに繋がる。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314hの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第8変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第8変形例における角度αは、接線TLhがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。
以上説明した第8変形例のスパークプラグ10hによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314hによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10hの耐久性を向上させることができる。
第9変形例:
第9変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「i」を付した符号を用いる。
図13は、第9変形例におけるスパークプラグ10iの詳細構造を示す説明図である。図13には、スパークプラグ10iの先端側を図3と同様に図示した。第9変形例のスパークプラグ10iは、主体金具300iの先端部310iの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第9変形例における主体金具300iの先端部310iは、金具先端311iと、金具傾斜面313iと、金具傾斜端317iと、金具外周面319iとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313iの断面形状の外形線は、金具先端311iから金具傾斜端317iに向けて順に、凸状円弧314iと、線分315iと、凹状円弧316iとを有する。第9変形例におけるスパークプラグ10iは、特に、軸線CA1に交差する径方向に金具先端311iが幅を有する点、および、ネジ部320と金具傾斜端317iとの間に金具外周面319iを設けた点で、上述の実施形態と異なる。
第9変形例における先端部310iの金具先端311iは、主体金具300iにおける+Z軸方向側の先端を構成する端面である。第8変形例では、金具先端311iは、X軸およびY軸に平行な平面である。第9変形例の金具先端311iは、金具傾斜面313iおよび金具内周面392に繋がる。
第9変形例の金具傾斜端317iは、金具傾斜面313iにおける−Z軸方向側の端を構成し、金具外周面319iに繋がる。第9変形例では、金具傾斜面313iは、金具傾斜端317iを介して内燃機関90の内壁910に繋がる。
第9変形例の金具外周面319iは、金具傾斜端317iとネジ部320との間を繋ぐ主体金具300iの外周面である。第9変形例では、金具外周面319iは、軸線CA1に沿った面である。
第9変形例における金具傾斜面313iの凸状円弧314iは、金具先端311iに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図13に示すように、凸状円弧314iの中心712iは、金具内周面392上にある。
第9変形例における金具傾斜面313iの線分315iは、凸状円弧314iと凹状円弧316iとの間を繋ぐ共通接線である。
第9変形例における金具傾斜面313iの凹状円弧316iは、金具傾斜端317iに繋がる内側に陥没した凹状の円弧である。図13に示すように、凹状円弧316iの中心722iは、金具傾斜端317iを通り軸線CA1に平行な直線L2上にある。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314iの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第9変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第9変形例における角度αは、金具傾斜端317iを通る凸状円弧314iの接線TLiがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。接線TLiは、凸状円弧314iと接点TPiで接する。
以上説明した第9変形例のスパークプラグ10iによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314iによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10iの耐久性を向上させることができる。
また、金具傾斜面313iは、凸状円弧314iに加え凹状円弧316iを備えるため、凹状円弧316iを介して混合気流Fmを金具傾斜面313iへと円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
また、凸状円弧314iと凹状円弧316iとの間は線分315iで繋がるため、金具先端311iに向けて金具傾斜面313iを伝う混合気流Fmを円滑に流すことができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
第10変形例:
第10変形例の説明では、上述の実施形態と同様の構成については上述の実施形態と同じ符号を用い、形状や大きさ等が異なるものの上述の実施形態に対応する構成については上述の実施形態の符号に英文字「j」を付した符号を用いる。
図14は、第10変形例におけるスパークプラグ10jの詳細構造を示す説明図である。図14には、スパークプラグ10jの先端側を図3と同様に図示した。第10変形例のスパークプラグ10jは、主体金具300jの先端部310jの形状が異なる点を除き、上述の実施形態と同様である。
第10変形例における主体金具300jの先端部310jは、金具先端311jと、金具傾斜面313jと、金具傾斜端317jとを有する。軸線CA1上を通る平面で切断した金具傾斜面313iの断面形状の外形線は、金具先端311jから金具傾斜端317jに向けて順に、凸状円弧314jと、線分315jとを有する。金具先端311jおよび軸線CA1上を通る平面で切断した金具内周面392jの断面形状の外形線は、凸状円弧318jを有する。第10変形例におけるスパークプラグ10jは、特に、金具傾斜面313hが凹状円弧を有しない点、および、金具内周面392jが凸状円弧318jを有する点で、上述の実施形態と異なる。
第10変形例における金具傾斜面313jの凸状円弧314jは、金具先端311jに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図14に示すように、凸状円弧314jの中心712jは、金具内周面392j上における軸線CA1に沿った部位にある。
第10変形例における金具傾斜面313jの線分315jは、金具傾斜端317jを通る凸状円弧314jの接線TLjを構成する線分である。線分315jは、接点TPjで凸状円弧314jに繋がると共に、金具傾斜端317jに繋がる。
第10変形例における金具内周面392jの凸状円弧318jは、金具先端311jに繋がる外側に突出した凸状の円弧である。図14に示すように、凸状円弧318jの中心732jは、金具先端311jを通り軸線CA1に平行な直線L3上にある。凸状円弧318jの半径R1は、金具先端311jおよび金具傾斜端317jとの関係で適宜設定することができる。
混合気流Fmに対して効果的に巻き込み作用VAを発生させる観点から、凸状円弧314jの半径R1は、上述の実施形態と同様に、0.2mm以上であることが好ましい。絶縁体200の汚損を抑制する観点から、第10変形例においても、上述の実施形態と同様に、「α≧β、tanβ=S/T」を満たすことが好ましい。第10変形例における角度αは、接線TLjがY軸方向に対してなす鋭角の角度である。
以上説明した第10変形例のスパークプラグ10jによれば、上述の実施形態と同様に、凸状円弧314jによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより安定した状態で導くことができる。その結果、主体金具に凸状円弧が形成されていないスパークプラグと比較して、更なる着火性の向上を図ることができる。
また、α≧β、tanβ=S/Tを満たす場合には、上述の実施形態と同様に、絶縁体200の汚損を抑制することができる。その結果、スパークプラグ10jの耐久性を向上させることができる。
また、金具内周面392jに凸状円弧318jを設けたため、金具先端311jに向けて金具傾斜面313jを伝う混合気流Fmに対する軸線CA1に向かう方向への巻き込み作用VAを向上させることができる。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。
C.評価試験の結果:
図15は、評価試験に用いたスパークプラグ10の一例を示す説明図である。図15には、評価試験に用いたスパークプラグ10の先端側を、図3と同様に図示した。主体金具300の金具肉厚tmcは、主体金具300の先端部310における肉厚を示し、具体的には、金具傾斜端317と金具内周面392との間のY軸に沿った長さである。主体金具300の金具半径Rmcは、主体金具300の先端部310における外半径を示し、具体的には、金具傾斜端317と軸線CA1との間のY軸に沿った長さである。主体金具300のネジ先長Lmeは、主体金具300の先端部310の長さを示し、具体的には、金具先端311と金具傾斜端317との間のZ軸に沿った長さである。中心電極突出量Lcpは、中心電極100が絶縁体先端211から+Z軸方向へと突出するZ軸に沿った長さである。絶縁体突出量Lipは、絶縁体200が金具先端311fから+Z軸方向へと突出するZ軸に沿った長さである。
図16〜図27は、主体金具300における先端部310の形状に関する評価試験の結果を示す表である。図16〜図27の評価試験では、凸状円弧314の半径R1および凹状円弧316の半径R2が異なる複数の試料について着火性を評価した。図16〜図27には、各試料について、各試料を識別するために割り当てた試料符号と、凸状円弧314の半径R1と、凹状円弧316の半径R2と、角度αと、着火性評価とをそれぞれ示した。
図16〜図27の評価試験では、圧力センサを設けた排気量1.3リットル、4気筒の内燃機関を用意し、各試料を取り付けた内燃機関を、スロットル全開にして3000rpm(回転毎分)で運転した。その運転状態で、内燃機関に設けた圧力センサを用いて、試料を取り付けた気筒の筒内圧力(燃焼圧力)を測定し、燃焼解析装置を用いて図示平均有効圧力(NMEP:Net Mean Effective Pressure)を算出した。凸状円弧314および凹状円弧316を有しない試料についてのNMEP値を着火性の基準値である基準NMEP値とし、各試料についてのNMEP値と基準NMEP値とを比較することによって、各試料の着火性を次の評価基準で評価した。
×:基準NMEP値に対して1%未満の向上
△:基準NMEP値に対して1%以上の向上
○:基準NMEP値に対して3%以上の向上
◎:基準NMEP値に対して5%以上の向上
図16および図17には、試料A1〜A36についての評価結果を示した。試料A1〜A36では、ネジ部320の呼び径をM14、金具肉厚tmcを1.850mm、金具半径Rmcを6.050mm、ネジ先長Lmeを1.5mm、中心電極突出量Lcpを2.0mm、絶縁体突出量Lipを1.5mmとした。試料A1〜A20については、凹状円弧316の半径R2を有しないもの(すなわち、半径R2=0.0mm)とし、凸状円弧314の半径R1を変化させた。試料A21〜A36については、凸状円弧314の半径R1を0.4mmに固定し、凹状円弧316の半径R2を変化させた。なお、試料A1は、凸状円弧314および凹状円弧316を有しない試料であり、他の試料A2〜A36に対する着火性評価の基準とした。
図16の評価結果によれば、凸状円弧314の半径R1が0.2mm以上で着火性が向上し、凸状円弧314の半径R1が0.4mm以上1.9mm以下で着火性が一層向上することが分かる。図17の評価結果によれば、凸状円弧314に加えて、半径R2が0.1mm以上の凹状円弧316を設けることによって、凸状円弧314単独よりも更に着火性が向上する場合があることが分かる。着火性の観点から、半径R1が0.4mmの凸状円弧314に対しては、半径R2が0.1mm以上1.3mm以下の凹状円弧316を設けることが好ましい。また、着火性の観点から、凸状円弧314に加えて凹状円弧316を設ける場合には、「半径R1+半径R2≦1.7mm」を満たすことが好ましい。
図18および図19には、試料B1〜B33についての評価結果を示した。試料B1〜A33では、ネジ部320の呼び径をM12、金具肉厚tmcを1.550mm、金具半径Rmcを5.050mm、ネジ先長Lmeを1.0mm、中心電極突出量Lcpを2.0mm、絶縁体突出量Lipを1.5mmとした。試料B1〜B19については、凹状円弧316の半径R2を有しないもの(すなわち、半径R2=0.0mm)とし、凸状円弧314の半径R1を変化させた。試料B20〜B33については、凸状円弧314の半径R1を0.4mmに固定し、凹状円弧316の半径R2を変化させた。なお、試料B1は、凸状円弧314および凹状円弧316を有しない試料であり、他の試料B2〜B33に対する着火性評価の基準とした。
図18の評価結果によれば、凸状円弧314の半径R1が0.2mm以上で着火性が向上し、凸状円弧314の半径R1が0.4mm以上で着火性が一層向上することが分かる。図19の評価結果によれば、凸状円弧314に加えて、半径R2が0.1mm以上の凹状円弧316を設けることによって、凸状円弧314単独よりも更に着火性が向上する場合があることが分かる。着火性の観点から、半径R1が0.4mmの凸状円弧314に対しては、半径R2が0.1mm以上1.2mm以下の凹状円弧316を設けることが好ましい。また、着火性の観点から、凸状円弧314に加えて凹状円弧316を設ける場合には、「半径R1+半径R2≦1.6mm」を満たすことが好ましい。
図20および図21には、試料C1〜C28についての評価結果を示した。試料C1〜C28では、ネジ部320の呼び径をM12、金具肉厚tmcを1.450mm、金具半径Rmcを5.050mm、ネジ先長Lmeを1.5mm、中心電極突出量Lcpを2.0mm、絶縁体突出量Lipを1.5mmとした。試料C1〜C16については、凹状円弧316の半径R2を有しないもの(すなわち、半径R2=0.0mm)とし、凸状円弧314の半径R1を変化させた。試料C17〜C28については、凸状円弧314の半径R1を0.4mmに固定し、凹状円弧316の半径R2を変化させた。なお、試料C1は、凸状円弧314および凹状円弧316を有しない試料であり、他の試料C2〜C28に対する着火性評価の基準とした。
図20の評価結果によれば、凸状円弧314の半径R1が0.2mm以上で着火性が向上し、凸状円弧314の半径R1が0.4mm以上で着火性が一層向上することが分かる。図21の評価結果によれば、凸状円弧314に加えて、半径R2が0.100mm以上の凹状円弧316を設けることによって、凸状円弧314単独よりも更に着火性が向上する場合があることが分かる。着火性の観点から、半径R1が0.4mmの凸状円弧314に対しては、半径R2が0.1mm以上0.7mm以下の凹状円弧316を設けることが好ましい。また、着火性の観点から、凸状円弧314に加えて凹状円弧316を設ける場合には、「半径R1+半径R2≦1.1mm」を満たすことが好ましい。
図22および図23には、試料D1〜D26についての評価結果を示した。試料D1〜D26では、ネジ部320の呼び径をM10、金具肉厚tmcを1.325mm、金具半径Rmcを4.250mm、ネジ先長Lmeを1.1mm、中心電極突出量Lcpを1.5mm、絶縁体突出量Lipを1.5mmとした。試料D1〜D15については、凹状円弧316の半径R2を有しないもの(すなわち、半径R2=0.0mm)とし、凸状円弧314の半径R1を変化させた。試料D16〜D26については、凸状円弧314の半径R1を0.4mmに固定し、凹状円弧316の半径R2を変化させた。なお、試料D1は、凸状円弧314および凹状円弧316を有しない試料であり、他の試料D2〜D26に対する着火性評価の基準とした。
図22の評価結果によれば、凸状円弧314の半径R1が0.2mm以上で着火性が向上し、凸状円弧314の半径R1が0.4mm以上で着火性が一層向上することが分かる。図23の評価結果によれば、凸状円弧314に加えて、半径R2が0.1mm以上の凹状円弧316を設けることによって、凸状円弧314単独よりも更に着火性が向上する場合があることが分かる。着火性の観点から、半径R1が0.4mmの凸状円弧314に対しては、半径R2が0.1mm以上0.8mm以下の凹状円弧316を設けることが好ましい。また、着火性の観点から、凸状円弧314に加えて凹状円弧316を設ける場合には、「半径R1+半径R2≦1.2mm」を満たすことが好ましい。
図24および図25には、試料E1〜E24についての評価結果を示した。試料E1〜E24では、ネジ部320の呼び径をM10、金具肉厚tmcを1.225mm、金具半径Rmcを4.225mm、ネジ先長Lmeを1.5mm、中心電極突出量Lcpを1.5mm、絶縁体突出量Lipを1.5mmとした。試料E1〜E14については、凹状円弧316の半径R2を有しないもの(すなわち、半径R2=0.0mm)とし、凸状円弧314の半径R1を変化させた。試料E15〜E24については、凸状円弧314の半径R1を0.4mmに固定し、凹状円弧316の半径R2を変化させた。なお、試料E1は、凸状円弧314および凹状円弧316を有しない試料であり、他の試料E2〜E24に対する着火性評価の基準とした。
図24の評価結果によれば、凸状円弧314の半径R1が0.2mm以上で着火性が向上し、凸状円弧314の半径R1が0.4mm以上で着火性が一層向上することが分かる。図25の評価結果によれば、凸状円弧314に加えて、半径R2が0.1mm以上の凹状円弧316を設けることによって、凸状円弧314単独よりも更に着火性が向上する場合があることが分かる。着火性の観点から、半径R1が0.4mmの凸状円弧314に対しては、半径R2が0.1mm以上0.4mm以下の凹状円弧316を設けることが好ましい。また、着火性の観点から、凸状円弧314に加えて凹状円弧316を設ける場合には、「半径R1+半径R2≦0.8mm」を満たすことが好ましい。
図26および図27には、試料F1〜F23についての評価結果を示した。試料F1〜F23では、ネジ部320の呼び径をM10、金具肉厚tmcを1.175mm、金具半径Rmcを4.225mm、ネジ先長Lmeを1.000mm、中心電極突出量Lcpを1.5mm、絶縁体突出量Lipを1.5mmとした。試料F1〜F14については、凹状円弧316の半径R2を有しないもの(すなわち、半径R2=0.0mm)とし、凸状円弧314の半径R1を変化させた。試料F15〜F23については、凸状円弧314の半径R1を0.4mmに固定し、凹状円弧316の半径R2を変化させた。なお、試料F1は、凸状円弧314および凹状円弧316を有しない試料であり、他の試料F2〜F23に対する着火性評価の基準とした。
図26の評価結果によれば、凸状円弧314の半径R1が0.2mm以上で着火性が向上し、凸状円弧314の半径R1が0.4mm以上で着火性が一層向上することが分かる。図27の評価結果によれば、凸状円弧314に加えて、半径R2が0.1mm以上の凹状円弧316を設けることによって、凸状円弧314単独よりも更に着火性が向上する場合があることが分かる。着火性の観点から、半径R1が0.4mmの凸状円弧314に対しては、半径R2が0.1mm以上0.7mm以下の凹状円弧316を設けることが好ましい。また、着火性の観点から、凸状円弧314に加えて凹状円弧316を設ける場合には、「半径R1+半径R2≦1.1mm」を満たすことが好ましい。
D.他の実施形態:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
具体的には、第10変形例における金具内周面392jに設けた凸状円弧318jを、上述の実施形態や他の変形例に適用しても良い。これによって、中心電極100と接地電極400との間の間隙SG近傍へと混合気流Fmをより一層安定した状態で導くことができる。