JP5843561B2 - 軽量加工紡績糸および織編物の製造方法 - Google Patents
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さらに、本発明者らは、紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸を所定の割合で用いて当該3種類の糸を紡績糸の撚り方向と同じ方向に紡績糸の撚数の0.3〜2倍に撚り合わせて複合撚糸をつくり、この複合撚糸から織編物を製造した後に織編物中の水溶性糸を水で溶解除去すると、伸縮性(キックバック性)、形態安定性などに優れる織編物が得られることを見出して先に出願した(特許文献2を参照)。
さらに、特許文献1および2の発明では、複合撚糸から織編物を製造した後に織編物中の水溶性糸を水で除去するため、複合撚糸を糸の状態で予め染色する先染め法を採用することは一般に困難であり(糸の状態で先染めすると複合撚糸中の水溶性糸が染色液によって溶かされてしまう)、織編物にしてから染色する後染め法で染色せざるを得ないため、織編物の色調、色柄、色柄などの点で制約を受けやすい。
また、本発明の目的は、高速の織機や編機を使用した際にも糸切れなどのトラブルの発生がなくて製編織性に優れ、天然繊維製の紡績糸、合成繊維製の紡績糸、半合成繊維製の紡績糸などの種々の紡績糸を使用でき、小ロット多品種に高い生産性で対応でき、しかも細番手から太番手まで任意の太さの紡績糸を用いることのできる軽量加工紡績糸を提供することである。
さらに、本発明の目的は、前記した軽量加工紡績糸を用いて、シャリ感、軽量性、吸水性、速乾性、保温性、耐ピリング性に優れ、毛羽落ちがなく、それらの特性の持続性に優れる織編物を得ることにある。
そのような状況下において、本発明者らは、軽量性に優れ、しかもシャリ感に優れる織編物を与える糸を開発すべく研究を行ってきた。そして、紡績糸と水溶性糸を紡績糸の撚り方向と同じ方向に所定の撚数で撚り合わせて複合撚糸をつくり、当該複合撚糸を用いて織編物を製造した後に織編物から水溶性糸を水で溶解除去するものである引用文献1の発明の手法に代えて、紡績糸と水溶性糸を紡績糸の撚り方向と同じ方向に所定の撚数で撚り合わせて得られる複合撚糸から、織編物にする前の糸の段階で複合撚糸中の水溶性糸を水で溶解除去して水溶性糸をもはや含まない加工紡績糸を製造したところ、当該加工紡績糸はシャリ感に優れ、紡績糸に比べて凹凸が付与されていて膨らみがあるため通気性および速乾性に優れており、しかも毛羽落ちがなく、製編織用の糸として問題なく使用できることが判明した。そこで、当該加工紡績糸を用いて製編織を行って織編物を製造したところ、それにより得られる織編物は、シャリ感および軽量性に優れ、しかも吸水性、速乾性、保温性、耐ピリング性にも優れていて、毛羽落ちがなく、それらの特性の持続性に優れることを見出した。
(1) 下記の要件(a1)および(a2);
(a1)紡績糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜1.5倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;および、
(a2)当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸の割合が20〜98質量%および水溶性糸の割合が2〜80質量%である;
を満たす複合撚糸[以下この複合撚糸を「複合撚糸(Ac)」ということがある]から、当該複合撚糸中の水溶性糸を水で溶解除去したことを特徴とする織編物製造用の軽量加工紡績糸[以下これを「軽量加工紡績糸(A)」ということがある]である。
(2) 下記の要件(b1)〜(b3);
(b1)紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜2倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;
(b2)当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計割合が50〜95質量%および水溶性糸の割合が5〜50質量%である;および、
(b3)当該複合撚糸中の紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計質量に基づいて、紡績糸の割合が50〜99質量%および水不溶性フィラメント糸の割合が1〜50質量%である;
を満たす複合撚糸[以下これを「複合撚糸(Bc)」ということがある]から、当該複合撚糸中の水溶性糸を水で溶解除去したことを特徴とする織編物製造用の軽量加工紡績糸[以下これを「軽量加工紡績糸(B)」ということがある]である。
(3) 前記(1)の軽量加工紡績糸(A)および/または前記(2)の軽量加工紡績糸(B)を用いて製造した織編物;および、
(4) 織編物の全質量に基づいて、前記(1)の軽量加工紡績糸(A)および/または前記(2)の軽量加工紡績糸(B)を10質量%以上の割合で含む前記(3)の織編物;
である。
本発明の軽量加工紡績糸は、糸の段階で水溶性糸が既に取り除かれていて織編物にした後に水溶性糸を除くものではないため、予め染色した糸を用いて織編物を製造する先染め法および織編物にした後に染色する後染め法の両方に適用でき、それによって色調、色柄、模様などの点において多種多様の織編物を円滑に製造することができる。
本発明の軽量加工紡績糸は、高速の織機や編機を使用した際にも糸切れなどのトラブルの発生がなくて製編織性に優れており、さらに小ロット多品種に高い生産性で対応することができる。
本発明の軽量加工紡績糸は、天然繊維製の紡績糸、合成繊維製の紡績糸、半合成繊維製の紡績糸などの種々の紡績糸を使用して製造することができ、また紡績糸として単糸または双糸、三子糸、四子糸などの紡績糸を2本以上撚り合わせた糸、紡績糸を撚り合わせせずに2本以上引き揃えた糸などのいずれを用いても製造でき、細番手から太番手まで任意の太さの紡績糸を用いて製造でき、前記したいずれの紡績糸を用いた場合にも、シャリ感および軽量性に優れ、しかも吸水性、速乾性、保温性、耐ピリング性にも優れていて、毛羽落ちがなく、洗濯を繰り返しても前記した優れた特性が失われず、前記した特性の持続性に優れる織編物を与える軽量加工紡績糸を得ることができる。
本発明の軽量加工紡績糸を用いて製編織して得られる本発明の織編物は、紡績糸をそのまま追撚してなる紡績糸、通常の強撚糸、紡績糸と水不溶性フィラメント糸をそのまま追撚して得られる糸を用いて製編織して得られる織編物に比べて、シャリ感、軽量性、通気性、速乾性に優れている。
本発明の軽量加工紡績糸を用いて製編織して得られる本発明の織編物は、複合撚糸(Ac)および/または複合撚糸(Bc)を用いて製編織して織編物を製造した後に織編物中の水溶性糸を水で溶解除去して得られる織編物(特許文献1および2の織編物)に比べて、シャリ感および軽量性の点で一層優れており、さらに製編織後の生地取扱い性の点でも優れている。
本発明の軽量加工紡績糸(A)は、下記の要件(a1)および(a2);
(a1)紡績糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜1.5倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;および、
(a2)当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸の割合が98〜20質量%および水溶性糸の割合が2〜80質量%である;
を満たす複合撚糸(Ac)から、当該複合撚糸(Ac)を構成している水溶性糸を水で溶解除去した糸である。
また、本発明の軽量加工紡績糸(B)は、下記の要件(b1)〜(b3);
(b1)紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜2倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;
(b2)当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計割合が50〜95質量%および水溶性糸の割合が5〜50質量%である;および、
(b3)当該複合撚糸中の紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計質量に基づいて、紡績糸の割合が50〜99質量%および水不溶性フィラメント糸の割合が1〜50質量%である;
を満たす複合撚糸(Bc)から、当該複合撚糸(Bc)を構成している水溶性糸を水で溶解除去した糸である。
その際に、単糸(紡績単糸)の撚数は特に制限されないが、撚数をT(単位:回/2.54cm)、綿番手をS(単位:番手)とすると、K=T/√Sで表される撚係数Kが2〜4の紡績単糸が、糸の品質安定性、複合撚糸製造時の生産性、紡績単糸の入手容易性などの点から好ましく用いられる。
また、複合撚糸(Ac)および/または複合撚糸(Bc)を構成する紡績糸が双糸または3本以上の紡績糸を撚り合わせた合撚糸である場合の撚数(上撚の数、最後の撚数)は特に制限されないが、これらの合撚糸は、一般的に下撚(単糸)の撚り方向と逆の方向に下撚の撚数の0.4〜0.8倍の撚数で撚り合わせて製造されることが多いことから、紡績糸として双糸または3本以上の紡績糸を撚り合わせた合撚糸を用いる場合には、紡績糸(合撚糸)を製造した際の最後の撚りの撚方向が、双糸または合撚糸の製造に用いた単糸の撚方向と逆方向になっていて且つ当該最後の撚りの撚数(本発明でいう紡績糸の撚数;双糸または合撚糸を製造した際の撚数)が、双糸または合撚糸の製造に用いた単糸の撚数の0.4〜0.8倍である合撚糸が、入手の容易性、撚糸の生産性、糸のハンドリング性、風合などの点から好ましく用いられる。
本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を用いて製造する織編物の種類や用途などに応じて、適当な紡績糸を選択して使用すればよい。
特に、水溶性糸としては、水溶性糸自体を単独で温度80℃以上の水に浸漬して30分放置したときに、浸漬前の水溶性糸の質量に対して85質量%以上、特に95質量%以上が前記水に溶解する水溶性糸(水不溶性の残差が15質量%以下、特に5質量%以下である水溶性糸)がより好ましく用いられる。
そのうちでも、水可溶性ポリビニルアルコール繊維および水可溶性エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維のいずれか一方または両方から形成されている水溶性糸が、糸強力、水への高い溶解性、生分解性、入手容易性などの点から好ましく用いられる。
水可溶性ポリビニルアルコール繊維は、従来から広く知られており、例えば、水溶性ビニロンなどとして販売されている。また、水可溶性ポリビニルアルコール繊維および水可溶性エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維は生分解性であるため、複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)から水溶性糸を水で溶解除去した際に排出される廃液を微生物により円滑に処理して浄化することができる。
紡績糸と水溶性糸の含有割合を前記範囲にすることによって、複合撚糸(Ac)から水溶性糸を水で溶解除去して得られる本発明の軽量加工紡績糸(A)は、シャリ感、軽量性、製編織時の安定性などに優れたものとなり、当該軽量加工紡績糸(A)を用いて製編織して得られる本発明の織編物は、軽量で、シャリ感に優れ、吸水性、速乾性、耐ピリング性に優れ、毛羽落ちがなく、それらの性能の持続性に優れたものとなる。
複合撚糸(Ac)における水溶性糸の割合が上記範囲よりも少ないと(紡績糸の割合が上記範囲よりも多いと)、当該複合撚糸から水溶性糸を水で溶解除去して得られる加工紡績糸の軽量性などが低下する。一方、複合撚糸(Ac)における水溶性糸の割合が上記範囲よりも多いと(紡績糸の割合が上記範囲よりも少ないと)、当該複合撚糸から水溶性糸を水で溶解除去して得られる加工紡績糸は、形態安定性に劣るようになって、製編織性が低下する。
本発明で用いる複合撚糸(Ac)では、上撚(複合撚糸)の撚数(α1)が下撚(紡績糸)の撚数(β1)の0.4〜1.5倍(α1/β1=0.4〜1.5)であることが好ましく、0.5〜1.2倍(α1/β1=0.5〜1.2)であることがより好ましい。
なお、本明細書でいう「複合撚糸(Ac)の撚数」(上撚の撚数)とは、紡績糸と水溶性糸を撚り合わせたときの撚数のことであり、実際には撚糸工程時の設定撚数に準じた値となる。
複合撚糸(Bc)では、複合撚糸(Bc)の質量に基づいて、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計割合が55〜92質量%および水溶性糸の割合が8〜45質量%%であることが好ましく、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計割合が60〜90質量%および水溶性糸の割合が10〜40質量%%であることがより好ましい。
また、複合撚糸(Bc)では、複合撚糸(Bc)中の紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計質量に基づいて、紡績糸の割合が55〜99質量%および水不溶性フィラメント糸の割合1〜45質量%であることが好ましく、紡績糸の割合が60〜99質量%および水不溶性フィラメント糸の割合が1〜40質量%であることがより好ましい。
複合撚糸(Bc)における水溶性糸の割合が上記範囲よりも少ないと、当該複合撚糸から水溶性糸を水で溶解除去して得られる加工紡績糸の軽量性などが低下する。一方、複合撚糸(Bc)における水溶性糸の割合が上記範囲よりも多いと、当該複合撚糸から水溶性糸を水で溶解除去して得られる加工紡績糸は、形態安定性に劣るようになって、製編織性が低下する。
複合撚糸(Bc)における紡績糸の割合が上記範囲よりも少ないと、複合撚糸(Bc)から水溶性糸を水で溶解除去して得られる加工紡績糸は凹凸に乏しくなり、当該加工紡績糸を用いて製編織して得られる織編物のシャリ感が低下し、織編物の風合いの低下などが生じ易くなる。
また、複合撚糸(Bc)における水不溶性フィラメント糸の割合が上記範囲よりも多いと、複合撚糸(Bc)から水溶性糸を水で溶解除去して得られる加工紡績糸を用いて製造した織編物のシャリ感の低下、風合いの低下などが生じ易くなる。
本発明で用いる複合撚糸(Bc)では、上撚(複合撚糸)の撚数(α2)が下撚(紡績糸)の撚数(β2)の0.4〜2倍(α2/β2=0.4〜2)であることが好ましく、0.5〜1.5倍(α2/β2=0.5〜1.5)であることがより好ましい。
なお、本明細書でいう「複合撚糸(Bc)の撚数」(上撚の撚数)とは、紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸を撚り合わせたときの撚数のことであり、実際には撚糸工程時の設定撚数に準じた値となる。
複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)中の水溶性糸を小ロットで生産性よく溶解除去するためには、複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)をそれぞれチーズ状に巻いた状態で当該複合撚糸中の水溶性糸を水で溶解除去することが好ましい。その際に、巻かれた状態での繊維密度が0.1〜0.7g/cm3、特に0.2〜0.5g/cm3になるようにして複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)をそれぞれチーズ状に巻いて水溶性糸を水で溶解除去すると、凹凸に富み、シャリ感、軽量性に優れる軽量加工紡績糸(A)および軽量加工紡績糸(B)を得ることができる。
複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)のそれぞれをチーズ状に巻いたものの密度が0.1g/cm3未満であると、水溶性糸を溶解除去する前、溶解除去している途中および/または水溶性糸を溶解除去した後に巻き崩れて水による溶解除去工程を行いにくくなり、一方複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)のそれぞれをチーズ状に巻いたものの密度が0.1g/cm3を超えると、内側に巻かれた複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)中の水溶性糸が水で溶解除去されずに残留してしまうため好ましくない。
糸染め染色機の釜を使用する場合は、複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)から水溶性糸を溶解除去した後に、そのまま同じ釜を使用して、水溶性糸を溶解除去して得られた軽量加工紡績糸(A)および軽量加工紡績糸(B)の染色を引き続いて行ってもよい。
複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)から水溶性糸を溶解除去して得られる本発明の軽量加工紡績糸(A)および軽量加工紡績糸(B)は、糸の用途などに応じて、シャリ感、軽量性、吸水性などの性能が低減しないようにしながら、必要に応じて、染色処理、潤滑性を付与するための油剤の付与処理、撥水処理、抗菌処理やその他の処理を行ってもよいし、或いは他の糸との合撚などの糸加工などを行ってもよい。
上記により得られる本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を、織編物を製造するための糸の少なくとも一部として用いて製編織を行うことによって、シャリ感、軽量性、吸水性、通気性、速乾性、耐ピリング性に優れ、しかも毛羽落ちがなく、それらの特性の持続性に優れる本発明の織編物を製造することができる。
織編物の製造に当たっては、軽量加工紡績糸(A)および軽量加工紡績糸(B)の一方のみを使用してもよいし、または軽量加工紡績糸(A)および軽量加工紡績糸(B)の両方を用いてもよい。
何ら限定されるものではないが、本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を用いて製造される織物としては、例えば、平織物(平地)、綾織物(綾地)、朱子織物(朱地)、ジャガード織物、パイル織物、デニム、ギンガムなどを挙げることができる。織物を製造するに当たっては、本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を経糸の糸の一部または全部および緯糸の一部または全部として用いてもよいし、本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を経糸の全部または一部として用い且つ緯糸は別の糸を用いてもよいし、或いは経糸は別の糸を用い且つ緯糸の全部または一部として本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を用いてもよい。
また、本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を用いて製造される編物としては、例えば、横編地、経編地、丸編地、パイル編地などを挙げることができる。
以下の実施例および比較例において、編地の厚さは、厚み測定器(OZAKI MFG.CO.,LTD製「DIAL THICKNESS GAUGE H30)を使用して測定した。
(1)(i) 紡績糸として、撚数が600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」)を準備した。なお、この紡績糸は、2.54cm当りの撚数T=15.24回であり、番手S=20であることにより、式:K=(T/√S)から求められる撚り係数Kは、15.24/√20=15.24/4.47=3.24である。
(ii) 水溶性糸として、ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)を準備した。
(2) 上記(1)の(i)で準備した紡績糸1本と、上記(1)の(ii)で準備した水溶性糸1本を、ダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Ac1)を製造した[複合撚糸(Ac1)の撚数=紡績糸の撚数の0.83倍]。
(3) 上記(2)で得られた複合撚糸(Ac1)から所定長(1m)の糸を切り取って試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Ac1)は紡績糸88質量%および水溶性糸12質量%からなっていた。
(4) 上記(2)で得られた複合撚糸(Ac1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Ac1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、軽量加工紡績糸(A)を製造した。
(5) 上記(4)で得られた軽量加工紡績糸(A)を用いて、20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地の目付(W)は125g/m2であった。
また、この筒編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.73mmであった。
実施例1で用いたのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]の1本を単独で使用して、実施例1の(5)で使用したのと同じ20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地の目付(W)は120g/m2であった。
また、この筒編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.65mmであった。
(1) 実施例1で用いたのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」)]の1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして追撚して追撚紡績糸(上撚数/下撚数=0.83)を製造した。
(2) 上記(1)で得られた追撚紡績糸を用いて、実施例1の(5)で使用したのと同じ20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地の目付(W)は130g/m2、であった。
また、この筒編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.69mmであった。
(1) 実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例1で使用したのと同じ水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が150回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Ad1)を製造した[複合撚糸(Ad1)の撚数=紡績糸の撚数の0.25倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Ad1)から所定長(1m)の糸を切り取って試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Ad1)は紡績糸88質量%および水溶性糸12質量%からなっていた。
(3) 上記(2)で得られた複合撚糸(Ad1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Ad1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、加工紡績糸(Ad)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(Ad)を用いて、20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地の目付(W)は124g/m2であった。
また、この筒編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.7mmであった。
実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例1で使用したのと同じ水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が1000回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Ae1)を製造しようとしたが(複合撚糸製造時の撚数=紡績糸の撚数の1.67倍)、糸切れが多く、撚糸が困難で複合撚糸(Ae1)を得ることができなかった。
(1)(i) 撚数が350回/m(Z撚)の木綿100%の10番手紡績糸(都築紡績社製「TS10単糸」)の2本を、撚数が250回/m(S撚)となるように撚糸して双糸を製造した。
(ii) 上記(i)で製造した双糸1本と、実施例1で使用したのと水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(22dtex)(80℃の水に溶解)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が200回/m(S撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Af1)を製造した[複合撚糸(Af1)の撚数=紡績糸の撚数の0.80倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Af1)から所定長(1m)の糸を切り取って試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Af1)は紡績糸98.2質量%および水溶性糸1.8質量%からなっていた。
(3) 上記(2)で得られた複合撚糸(Af1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Af1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、加工紡績糸(Ae)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(Af)を用いて、20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地の目付(W)は488g/m2であった。
また、この筒編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ1.33mmであった。
(1) 比較例5で用いたのと同じ紡績糸[撚数350回/m(Z撚)の木綿100%の10番手紡績糸(都築紡績社製「TS10単糸」)]の2本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が250回/m(S撚)となるようにして撚り合わせて双糸(上撚数/下撚数=0.71)を製造した。
(2) 上記(1)で得られた双糸を用いて、実施例1の(5)で使用したのと同じ20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地の目付(W)は480g/m2、であった。
また、この筒編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ1.32mmであった。
(1) 撚数が1500回/m(Z撚)、木綿100%の120番手紡績糸[Royal Textile MIlls LTD.(インド)製「Royal 120」]の1本と、水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(56dtex)(80℃の水に溶解)]の6本を実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が1000回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Ag1)を製造した[複合撚糸(Ag1)の撚数=紡績糸の撚数の0.67倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Ag1)から所定長(1m)の糸を切り取って試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Ag1)は紡績糸13質量%および水溶性糸87質量%からなっていた。
(3) 上記(2)で得られた複合撚糸(Ag1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Ag1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、加工紡績糸(Af)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(Ag)を用いて、20G筒編機を使用して筒編地を製造しようとしたが、製編時に糸切れが多発して筒編地を製造することができなかった。
(1) 実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例1で使用したのと同じ水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が900回/m(S撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(C1)を製造した[複合撚糸(C1)の撚数=紡績糸の撚数の1.5倍;複合撚糸の撚り方向=紡績糸の撚り方向と逆]。
(3) 上記(2)で得られた複合撚糸(C1)から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(C1)は紡績糸88質量%および水溶性糸12質量%からなっていた。
(4) 上記(2)で得られた複合撚糸(C1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(C1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、加工紡績糸(C)を製造した。
(5) 上記(4)で得られた加工紡績糸(C)を用いて、実施例1で使用したのと同じ20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地の目付(W)は125g/m2、であった。
また、この筒編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.77mmであった。
実施例1、比較例1、2、3、5、6および参考例1で得られた筒編地は、精練加工などを施しておらず、それぞれの加工紡績糸(実施例1、比較例3と5および参考例1)または紡績糸(比較例1および2)を用いて製編しただけであって、筒編地の物性が製編に用いた糸の物性をほぼそのまま反映していることから、筒編地のシャリ感の評価結果は、糸自体のシャリ感の評価結果とみなすことができる。
また、上記の実施例1、比較例1、2、3、5、6および参考例1で得られた筒編地について、「目付(W)/厚さ(D)」の値を求めて軽量性の指標としたところ下記の表2に示すとおりであった。ここで、「目付(W)/厚さ(D)」の値が小さいほど、軽量であることを示す。
また、比較例3では、加工紡績糸を得るための原糸である複合撚糸(Ad1)が、紡績糸と水溶性糸を本発明で規定する割合で用いて紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わされているが、複合撚糸(Ad1)を製造する際の撚数(上撚数)が紡績糸の撚数の0.3倍未満であることにより、複合撚糸(Ad1)中の水溶性糸を水で溶解除去して得られた加工紡績糸(Ad)を使用して製造された筒編地のシャリ感が実施例1で得られた筒編地のシャリ感よりも劣っている。
また、比較例4では、加工紡績糸を得るための原糸である複合撚糸(Ae1)を製造する際の撚数(上撚数)が紡績糸の撚数の1.5倍を超えるため、複合撚糸(Ae1)の製造時に糸切れが多発して複合撚糸を製造することができない。
比較例5では、加工紡績糸を得るための原糸である複合撚糸(Af1)を製造する際の水溶性糸の含有割合が1.8質量%であって、本発明における規定範囲よりも少ないために、当該複合撚糸(Af1)中の水溶性糸を水で除去して得られる加工紡績糸(Af)を用いて製造した筒編地は、実施例1で得られた筒編地に比べて軽量性に劣っている。
参考例1では、加工紡績糸を得るための原糸である複合撚糸(C1)を製造する際の撚り方向(上撚の方向)が紡績糸の撚り方向と逆であるため、当該複合撚糸(C1)中の水溶性糸を水で除去して得られる加工紡績糸(C)を用いて製造した筒編地は、軽量性に優れているものの、シャリ感がない。
(1)(i) 紡績糸として、撚数が600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」)を準備した。
(ii) 水溶性糸として、ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)を準備した。
(iii) 水不溶性フィラメント糸として、ポリエステルフィラメント糸(33dtex)を準備した。
(2) 上記(1)の(i)で準備した紡績糸1本と、上記(1)の(ii)で準備した水溶性糸1本と、上記(1)の(iii)で準備した水不溶性フィラメント糸1本を、ダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Bc1)を製造した[複合撚糸(Bc1)の撚数=紡績糸の撚数の0.83倍]。
(3) 上記(2)で得られた複合撚糸(Bc1)から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Bc1)は紡績糸80質量%、水不溶性フィラメント糸9質量%および水溶性糸11質量%からなっていた。
(4) 上記(2)で得られた複合撚糸(Bc1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Bc1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、軽量加工紡績糸(B)を製造した。
(5) 上記(4)で得られた軽量加工紡績糸(B)を用いて、実施例1で使用したのと同じ20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地のシャリ感を、比較例1で得られた筒編地のシャリ感を基準(3点)にして、上記の表1に記載されている評価基準に従って評価したところ、5点であり、シャリ感に優れていた。
また、この実施例2により得られた筒編地の目付(W)は141g/m2、厚さ(D)は0.85mmであって、目付(W)/厚さ(D)=0.166g/cm3であり、軽量性に優れていた。
(1) 実施例2で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例2で使用したのと同じ水不溶性フィラメント糸[ポリエステルフィラメント糸(33dtex)]1本をダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(D)を製造した[複合撚糸(D)の撚数=紡績糸の撚数の0.83倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(D)から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(D)は紡績糸90質量%および水不溶性フィラメント糸10質量%からなっていた。
(3) 上記(1)で得られ複合撚糸(D)を用いて、実施例1で使用したのと同じ20G筒編機を使用して筒編地を製造した。
これにより得られた筒編地のシャリ感を、比較例1で得られた筒編地のシャリ感を基準(3点)にして、上記の表1に記載されている評価基準に従って評価したところ5点であった。
また、この比較例8により得られた筒編地の目付(W)は181g/m2、厚さ(D)は0.80mmであって、目付(W)/厚さ(D)=0.226g/cm3であり、実施例2で得られた筒編地に比べて、軽量性の点で劣っていた。
(1) 実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例1で使用したのと同じ水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Ac1)を製造した[複合撚糸(Ac1)の撚数=紡績糸の撚数の0.83倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Ac1)から所定長(1m)の糸を切り取って試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Ac1)は紡績糸88質量%および水溶性糸12質量%からなっていた。
(3) 上記(1)で得られた複合撚糸(Ac1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Ac1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、軽量加工紡績糸(A)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(A)を用いて、14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬し、熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は125g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.77mmであった。
実施例1で用いたのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]の1本を単独で使用して、実施例3で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬し、熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は179g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.70mmであった。
比較例2で用いたのと同じ追撚紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」)1本をダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して500回/mの撚数でZ方向に追撚した糸(上撚数/下撚数=0.83)]の1本を単独で使用して、実施例3で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬し、熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は135g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.69mmであった。
(1) 実施例3の(1)で得られた水溶性糸を除去する前の複合撚糸(Ac1)を用いて、実施例3で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬してスムース編地中の水溶性糸を水で溶解除去すると共に精練し、次いで熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は132g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.75mmであった。
しかも、実施例3で得られたスムース編地は、追撚紡績糸を用いて得られた比較例10のスムース編地に軽量性の点で優れており、また上記の要件(a1)および(a2)を満たす複合撚糸(Ac1)を用いてスムース編地を製造した後にスムース編地を形成している複合撚糸(Ac1)中の水溶性糸を水で溶解除去して得られた比較例11のスムース編地に比べて、シャリ感および軽量性に優れている。
(1) 実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例1で使用したのと同じ水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)]1本と実施例2で使用したのと同じ水不溶性フィラメント糸「ポリエステルフィラメント糸(33dtex)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Bc1)を製造した[複合撚糸(Bc1)の撚数=紡績糸の撚数の0.83倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bc1)から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Bc1)は紡績糸80質量%、水不溶性フィラメント糸9質量%および水溶性糸11質量%からなっていた。
(3) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bc1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Bc1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、軽量加工紡績糸(B)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(B)を用いて、実施例3で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬し、熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は150g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.91mmであった。
比較例8の(1)で得られた複合撚糸(D)[実施例1および2で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と実施例2で使用したのと同じ水不溶性フィラメント糸[ポリエステルフィラメント糸(33dtex)]1本をダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて製造した複合撚糸;複合撚糸(D)の撚数=紡績糸の撚数の0.83倍]の1本を単独で使用して、実施例3で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬し、熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は155g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.81mmであった。。
(1) 実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例1で使用したのと同じ水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)]1本と実施例2で使用したのと同じ水不溶性フィラメント糸「ポリエステルフィラメント糸(33dtex)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が150回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Bd1)を製造した[複合撚糸(Bd1)の撚数=紡績糸の撚数の0.25倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bd1)から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Bd1)は紡績糸80質量%、水不溶性フィラメント糸9質量%および水溶性糸11質量%からなっていた。
(3) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bd1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Bd1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、軽量加工紡績糸(Bd)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(Bd)を用いて、実施例4で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬し、熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は151g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.89mmであった。
実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、実施例1で使用したのと同じ水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(38dtex)(80℃の水に溶解)(株式会社クラレ製「水溶性ビニロン」)]1本と実施例2で使用したのと同じ水不溶性フィラメント糸「ポリエステルフィラメント糸(33dtex)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が1500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Be1)を製造しようとしたが(複合撚糸製造時の撚数=紡績糸の撚数の2.5倍)、糸切れが多く、撚糸が困難で複合撚糸(Be1)を得ることができなかった。
(1) 実施例1で使用したのと同じ紡績糸[撚数600回/m(Z撚)の木綿100%の20番手紡績糸(都築紡績社製「TS20単糸」]1本と、水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(33dtex)(80℃の水に溶解)]1本と水不溶性フィラメント糸「ポリエステルフィラメント糸(330dtex)]4本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が500回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Bf1)を製造した[複合撚糸(Bf1)の撚数=紡績糸の撚数の0.83倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bf1)から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Bf1)は紡績糸18質量%、水不溶性フィラメント糸80質量%および水溶性糸2質量%からなっていた。
(3) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bf1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Bf1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、軽量加工紡績糸(Bf)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(Bf)を用いて、実施例4で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬し、熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は680g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ1.68mmであった。
(1) 撚数が1500回/m(Z撚)、木綿100%の120番手紡績糸[Royal Textile MIlls LTD.(インド)製「Royal 120」]の1本と、水溶性糸[ポリビニルアルコールマルチフィラメント糸(56dtex)(80℃の水に溶解)]の3本と、水不溶性フィラメント糸[ポリエステルマルチフィラメント糸(28dtex)]1本を、実施例1で使用したのと同じダブルツイスター(村田機械製「36M」)に供給して、撚数(上撚)が1000回/m(Z撚)となるようにして撚り合わせて複合撚糸(Bg1)を製造した[複合撚糸(Bg1)の撚数=紡績糸の撚数の0.67倍]。
(2) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bg1)から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と水溶性糸の2種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の割合を求めたところ、当該複合撚糸(Bg1)は紡績糸19質量%、水不溶性フィラメント糸70質量%および水溶性糸11質量%からなっていた。
(3) 上記(1)で得られた複合撚糸(Bg1)を染色ボビンに巻き上げた後に上方から圧縮して繊維密度0.3g/cm3にし、それを染色機の釜に入れて95℃の熱水中で15分間処理して複合撚糸(Bg1)中の水溶性糸を溶解除去した後、50℃の水で十分に水洗し、次いで90℃の熱風で90分間乾燥させて、軽量加工紡績糸(Bg)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた軽量加工紡績糸(Bg)を用いて、実施例4で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立てようとしたが、糸の巻形態が不安定なため糸解舒不良で糸切れが多発し、スムース編地を製造することができなかった。
(1) 実施例4の(1)で得られた水溶性糸を除去する前の複合撚糸(Bc1)を用いて、実施例3で使用したのと同じ14Gの丸編機によりスムース編地を編み立て、得られたスムース編地を95℃の連続精練機で浴中精錬してスムース編地中の水溶性糸を水で溶解除去すると共に精練し、次いで熱風乾燥機により150℃で乾燥した。
これにより得られたスムース編地の目付(W)は145g/m2であった。
また、このスムース編地の厚さ(D)を上記した厚み測定器を使用して測定したところ0.82mmであった。
しかも、実施例4で得られたスムース編地は、紡績糸と水不溶性フィラメント糸のみを用いて製造した複合撚糸(D)を用いて製造した比較例12のスムース編地に比べて、シャリ感および軽量性に優れている。
さらに、実施例4で得られたスムース編地は、上記の要件(b1)〜(b3)を満たす複合撚糸(Bc1)を用いてスムース編地を製造した後に、スムース編地を形成している複合撚糸(Bc1)中の水溶性糸を水で溶解除去して得られた比較例17のスムース編地に比べて、シャリ感および軽量性に優れている。
また、比較例14では、加工紡績糸を得るための原糸である複合撚糸(Be1)を製造する際の撚数(上撚数)が紡績糸の撚数の2倍を超えるため、複合撚糸(Be1)の製造時に糸切れが多発して複合撚糸を製造することができない。
比較例15では、加工紡績糸を得るための原糸である複合撚糸(Bf1)を製造する際の水溶性糸の含有割合が2質量%であって、本発明における規定範囲よりも少ないために、当該複合撚糸(Bf1)中の水溶性糸を水で除去して得られる加工紡績糸(Bf)を用いて得られたスムース編地は、実施例4で得られたスムース編地に比べて、シャリ感および軽量性において劣っている。
比較例16では、加工紡績糸を得るための原糸である複合撚糸(Bg1)を製造する際の水溶性糸の含有割合が70質量%であって、本発明における規定範囲を超えているために、当該複合撚糸(Bg1)中の水溶性糸を水で除去して得られる加工紡績糸(Bg)を用いてスムース編地を製造する際に糸の巻形態が不安定なため糸解舒不良で糸切れが多発し、スムース編地が得られない。
すなわち、製編織する前の複合撚糸の状態で複合撚糸(Ac)および複合撚糸(Bc)中の水溶性糸を水で溶解して除去して軽量加工紡績糸(A)および軽量加工紡績糸(B)にすると、水溶性糸が溶解除去された部分に空隙となり、その後の製編織工程でも空隙が保たれ、また凹凸も強く残るために、軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を用いて製編織して得られる織編物はシャリ感および軽量性に優れたものとなるのに対して、複合撚糸(Ac)および/または複合撚糸(Bc)を用いて織編物を製造した後に織編物中の水溶性糸を水で溶解除去すると、水溶性糸の溶解中に複合撚糸にテンションがかかって空隙が小さくなると共に凹凸も小さくなり易く、この傾向は複合撚糸に紡績糸と同じ方向の撚りがかかっているために著しくなり、結果として本発明の軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を用いて得られる織編物に比べてシャリ感および軽量性の点で低くなり易い。
Claims (6)
- 下記の要件(a1)および(a2);
(a1)紡績糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜1.5倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;および、
(a2)当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸の割合が20〜98質量%および水溶性糸の割合が2〜80質量%である;
を満たす複合撚糸(Ac)から、当該複合撚糸(Ac)中の水溶性糸を水で溶解除去することを特徴とする織編物製造用の軽量加工紡績糸(A)の製造方法。 - 下記の要件(b1)〜(b3);
(b1)紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜2倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;
(b2)当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計割合が50〜95質量%および水溶性糸の割合が5〜50質量%である;および、
(b3)当該複合撚糸中の紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計質量に基づいて、紡績糸の割合が50〜99質量%および水不溶性フィラメント糸の割合が1〜50質量%である;
を満たす複合撚糸(Bc)から、当該複合撚糸(Bc)中の水溶性糸を水で溶解除去することを特徴とする織編物製造用の軽量加工紡績糸(B)の製造方法。 - ・下記の要件(a 1 )および(a 2 );
(a 1 )紡績糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜1.5倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;および、
(a 2 )当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸の割合が20〜98質量%および水溶性糸の割合が2〜80質量%である;
を満たす複合撚糸(Ac)から、当該複合撚糸(Ac)中の水溶性糸を水で溶解除去して織編物製造用の軽量加工紡績糸(A)を製造し;
・前記の軽量加工紡績糸(A)を用いて製編織する;
ことを特徴とする織編物の製造方法。 - ・下記の要件(b 1 )〜(b 3 );
(b 1 )紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜2倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;
(b 2 )当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計割合が50〜95質量%および水溶性糸の割合が5〜50質量%である;および、
(b 3 )当該複合撚糸中の紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計質量に基づいて、紡績糸の割合が50〜99質量%および水不溶性フィラメント糸の割合が1〜50質量%である;
を満たす複合撚糸(Bc)から、当該複合撚糸(Bc)中の水溶性糸を水で溶解除去して織編物製造用の軽量加工紡績糸(B)を製造し;
・前記の軽量加工紡績糸(B)を用いて製編織する;
ことを特徴とする織編物の製造方法。 - ・下記の要件(a 1 )および(a 2 );
(a 1 )紡績糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜1.5倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;および、
(a 2 )当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸の割合が20〜98質量%および水溶性糸の割合が2〜80質量%である;
を満たす複合撚糸(Ac)から、当該複合撚糸(Ac)中の水溶性糸を水で溶解除去して織編物製造用の軽量加工紡績糸(A)を製造し;
・下記の要件(b 1 )〜(b 3 );
(b 1 )紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸を、紡績糸の撚数の0.3〜2倍の撚数で、紡績糸の撚り方向と同じ方向に撚り合わせてなる複合撚糸である;
(b 2 )当該複合撚糸の質量に基づいて、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計割合が50〜95質量%および水溶性糸の割合が5〜50質量%である;および、
(b 3 )当該複合撚糸中の紡績糸と水不溶性フィラメント糸の合計質量に基づいて、紡績糸の割合が50〜99質量%および水不溶性フィラメント糸の割合が1〜50質量%である;
を満たす複合撚糸(Bc)から、当該複合撚糸(Bc)中の水溶性糸を水で溶解除去して織編物製造用の軽量加工紡績糸(B)を製造し;
・前記の軽量加工紡績糸(A)および軽量加工紡績糸(B)を用いて製編織する;
ことを特徴とする織編物の製造方法。 - 軽量加工紡績糸(A)および/または軽量加工紡績糸(B)を、製造する織編物の全質量に基づいて10質量%以上の割合で用いて製編織する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の織編物の製造方法。
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