JP5842222B2 - 防犯用センサ装置の化粧カバーおよび取付構造 - Google Patents

防犯用センサ装置の化粧カバーおよび取付構造 Download PDF

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本発明は、支持ポールの両側に一対の防犯センサが支持された防犯用センサ装置における両防犯センサ間の隙間を覆う化粧カバーに関するものである。
警戒距離が比較的長い警戒区域に使用される能動型のセンサ装置では、投光器と受光器とからなるセンサセットを複数、例えば2つ直列に並べる場合がある。その場合、一般に警戒区域の両端の支持ポールのそれぞれに、投光器または受光器あるいはその両方を含む防犯センサを取り付け、中央の支持ポールに、前記防犯センサとの間で検知線を授受する別の一対の防犯センサを、背中合わせの配置で取り付ける。このような配置において、両防犯センサ間の支持ポールを見えなくして美観の向上を図るとともに、両防犯センサに接続されている配線を悪戯されないように隠蔽することを目的として、背中合わせの二つの防犯センサ間の隙間を覆う化粧カバーを取り付けることが知られている(非特許文献1参照)。
上記化粧カバーは以下のような施工手順で取り付けられる。すなわち、図7に示すように、先ず、第1の防犯センサ(例えば受光器)50Aの取付プレート51が、これの挿通孔51aに挿通したねじ体59を、支持ポール54に当てがわれた半円形状の取付金具58Aの両端部のねじ孔58aにねじ込むことにより、支持ポール54に固定される。つぎに、第1の防犯センサ50Aのセンサ本体52がねじ体(図示せず)の締結により取付プレート51に取り付けられ、このセンサ本体52にセンサカバー53を被せてねじ体(図示せず)を締結することにより、第1の防犯センサ50Aが支持ポール54に支持される。つづいて、図8に示すように、第2の防犯センサ(例えば受光器)50Bの取付プレート60が、上述と同様に、ねじ体59を取付金具58Bの両端部のねじ孔58aにねじ込むことにより支持ポール54に固定される。この取付プレート60には、化粧カバー取付用のねじ孔61aを有する4つの取付突部61が側方に突設されている。
つぎに、取付プレート60に化粧カバー62が取り付けられる。この化粧カバー62は、帯状の板金を曲げ加工して、相対向する一対の側壁62a,62bと、この両側壁62a,62bの上端部を接続する上壁62cと、両側壁62a,62bの相対向する内面にそれぞれ2つずつ設けられた取付片62dと、この各取付片62dに形成された挿通孔62eとを有している。側壁62a,62bの下端部は開放されている。化粧カバー62は、ねじ体63が化粧カバー62の各挿通孔62eに挿通されて取付プレート60の取付突部61のねじ孔61aにねじ込まれることにより、支持ポール54に固定済みの取付プレート60に取り付けられる。最後に、第2の防犯センサ50Bが上述した第1の防犯センサ50Aと同様の手順で取り付けられる。これにより、化粧カバー62は、これの両側壁62a,62bが両防犯センサ50A,50B間の隙間を側方から覆うともに、上壁62cが両防犯センサ間の上方の隙間および支持ポール54の上端面を覆う配置となる。
2008年6月8日付けでオプテックス株式会社発行の施工説明書、フォトエレクトリックディテクタ、AX−100TII(J)ほか
しかしながら、前記化粧カバー62には種々の課題がある。第1に、既設の防犯用センサ装置に対して、美観の向上や配線への悪戯を防止する目的で化粧カバーを追加で取り付けたい要望があった場合には、いずれか一方の防犯センサ、例えば第2の防犯センサ50Bを一旦取り外したのちに、化粧カバー取付用のねじ孔61aを有する取付プレート60を取付金具58Bに取り付け、この取付プレート60に化粧カバー62を取り付け、取付プレート60に第2の防犯センサ50Bを再度取り付ける必要がある。この防犯センサ50Bは、支持ポール54から一旦取り外したことから、対応する防犯センサ(例えば投光器)との光軸合わせ調整などをやり直す必要がある。そのため、既設の防犯用センサ装置に化粧カバー62を追加で付設するに際しては、施工者に相当の作業負担を強いることになる。
第2に、化粧カバー62は、いずれか一方の防犯センサ、この例では第2の防犯センサ50Bの取付プレート60に取り付けられることから、支持ポール54のポール外径の大小にかかわらず第2の防犯センサ50Bに対し常に一定の相対位置で取り付けられる。したがって、防犯用センサ装置がポール外径の小さい支持ポール54に支持されている場合には、両防犯センサ50A,50Bの間の距離(隙間)が小さくなるので、化粧カバー62が第1の防犯センサ50A側に必要以上に突出して、第1の防犯センサ50Aの側部に大きく重なり、第1の防犯センサ50Aの光学系への検知線の一部を遮ったり、化粧カバー62の突出部分での反射光が光学系に入射したりして、第1の防犯センサ50Aが誤動作するおそれがある。そのため、化粧カバー62の両側壁62a,62bの幅Wは必要以上に大きく設定することができない。
一方、これとは反対に、防犯用センサ装置がポール外径の大きい支持ポール54に支持されている場合には、両防犯センサ50A,50B間の距離(隙間)が大きくなるので、第1の防犯センサ50A側の一部分が化粧カバー62で隠蔽できずに外部に露出されて、美観の低下を招くことになる。そのため、化粧カバー62の両側壁62a,62bの幅Wは必要以下に小さく設定することができない。このように、化粧カバー62の両側壁62a,62bの幅Wは所定範囲内に設定する必要があり、それに伴って化粧カバー62の適用可能な支持ポール54は、狭い範囲内のポール外径を有するものに限られる。
第3に、化粧カバー62は、短冊状の板金を曲げ加工して両側壁62a,62bの一端部を上壁62cで接続した形状となっており、上壁62cはポール挿通孔のない単なる矩形状であるため、支持ポール54の上端部に支持された防犯用センサ装置を覆う用途にしか適用することができない。すなわち、化粧カバー62に支持ポール54を挿通させる必要がある、支持ポール54の上端部以外の中間部に支持された防犯用センサ装置には、取り付けることができない。
本発明は、既設の防犯用センサ装置に対し、これを何ら取り外すことなく覆う配置で容易に取り付けることができ、かつ様々なポール外径にも対応できる化粧カバーを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、広い範囲のポール外径を有する支持ポールに取り付いた防犯用センサ装置、および支持ポールの任意の高さ位置に支持された防犯用センサ装置のいずれにも適用可能な化粧カバーを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る防犯用センサ装置の化粧カバーは、支持ポールの一側部および他側部に防犯センサを支持した支持構造において前記両防犯センサ間の隙間を覆う化粧カバーであって、前記支持ポールの長手方向に2分割された一対のカバー片を有し、前記各カバー片が、前後一対の側壁とこれら両側壁の一端部同士を接続する接続壁とを有し、前記一対のカバー片における相対向する他端部同士が着脱自在な連結具により連結されている。
この防犯用センサ装置の化粧カバーでは、一対のカバー片を、両防犯センサ間の隙間を覆うように支持ポールの長手方向に沿って差し込み、各々の相対向する他端部同士を連結具で連結すると、一対のカバー片の各々の両側壁および接続壁が両防犯センサの間の前後および両端の隙間を覆う配置で取り付く。このように、この化粧カバーは、防犯用センサ装置の一部に固定して取り付ける従来の化粧カバーとは異なり、防犯用センサ装置に対し直接的な固定手段を一切用いずに、一対のカバーを互いに連結することで両防犯センサ間を覆う配置で取り付く。したがって、支持ポールに既設の防犯用センサ装置に対して化粧カバーを追加で取り付ける場合には、防犯用センサ装置の一部を支持ポールから取り外す必要がなく、両カバー片の他端部同士を着脱自在な連結具で連結するだけの簡単な作業で容易に防犯用センサ装置に取り付けることができる。しかも、化粧カバーが防犯センサに固定して取り付けられていないから、両防犯センサの隙間の中間位置に化粧カバーの中心を合致させることで、前記隙間を適切に覆うことができる。したがって、一方の防犯センサに化粧カバーを取り付けた場合のように、他方の防犯センサ側に必要以上に突出したり、支持ポールにおける他方の防犯センサの一部分が露呈したりすることがない。そのため、この化粧カバーは、広い範囲のポール外径を有する支持ポールに支持された防犯用センサ装置に支障なく適用することができ、防犯用センサ装置の美観を向上させる。
本発明において、前記各カバー片に、前記両防犯センサにばね力で押し当てられて前記カバー片を両防犯センサ間の中間に位置決めする位置決め機構が設けられていることが好ましい。これにより、化粧カバーは、両センサが支持されている支持ポールのポール外径の大小に応じて異なる両センサ間の隙間に対応して、その隙間の中間に自動的に位置するように位置決めされる。これにより、広い範囲のポール外径に自動的に適切に対応できる。
位置決め機構を有する構成において、前記各位置決め機構は、一方の防犯センサに接触する第1の接触子と、他方の防犯センサに接触する第2の接触子と、前記各接触子を対応する防犯センサに向けて進出させるばね体と、前記各接触子に設けた係止部に進出限界位置で係止して、前記各接触子を進出限界で位置決めする被係止部とを有することが好ましい。これにより、両センサが支持されている支持ポールのポール外径の大小に応じて両センサ間の隙間の大きさが異なっても、両カバー片は、各接触子を対応する防犯センサに向けて進出させる両ばね体のばね力がバランスする位置まで移動されて、両センサ間の隙間の中間に自動的に位置決めされる。
本発明において、前記支持ポールは上下方向に延びており、前記化粧カバーは上側の第1カバー片と下側の第2カバー片とを有し、前記第2カバー片が前記支持ポールに側方から嵌まり込む係合孔を有していることが好ましい。これにより、第2カバー片を、係合孔に支持ポールを側方から嵌まり込ませた状態で、支持ポールにスライドさせながら上方に向け移動させて第1カバー片に連結することにより、両センサ間の隙間を覆う配置とすることができるので、支持ポールに既設の両センサに対して化粧カバーを、容易な操作で取り付けることができる。
本発明において、少なくとも前記第1カバー片の前記接続壁が前記支持ポールを挿通させる挿通孔を選択的に形成させるノックアウト板を有していることが好ましい。これにより、第1のカバー片の接続壁に、ノックアウト板を切除して支持ポールを挿通させる挿通孔を形成すれば、第1カバー片を、支持ポールにおける上端以外の任意の中間位置に支持された両センサに、これの隙間を覆う配置で取り付けることができる。
少なくとも前記第1カバー片の接続壁がノックアウト板を有する構成において、下側の前記第2カバー片の前記接続壁も前記ノックアウト板を有し、さらに、前記各カバー片の前記接続壁が、前記両側壁に一体形成された壁本体と、この壁本体に着脱自在に取り付けられ、前記壁本体に取り付けられたときに前記壁本体との間に前記支持ポールの挿通孔を形成する分離壁とを有することが好ましい。これにより、第1および第2の両カバー片は、共にノックアウト板を有し、かつ、壁本体と分離壁とを有しているので、同一形状のものを共用することができるから、成形金型の費用を低減することができ、また、両カバー片は、化粧カバーを中間位置で2分割したものとなって形状を小さくできるので、梱包形状を小さくして輸送費の低減を図ることができる。
本発明の防犯用センサ装置の化粧カバーによれば、支持ポールの長手方向に2分割された一対のカバー片を、支持ポールに支持された両防犯センサ間の隙間を覆うように配置して、各々の相対向する他端部同士を連結具で連結することにより、両防犯センサ間の前後および両端の隙間を覆う配置で取り付けることできるから、防犯用センサ装置の一部に固定して取り付ける従来の化粧カバーとは異なり、防犯用センサ装置に対し直接的な固定手段を一切用いずに、一対のカバーを互いに連結することで両防犯センサ間を覆う配置で取り付く。したがって、支持ポールに既設の防犯用センサ装置に化粧カバーを追加で取り付ける場合に、防犯用センサ装置の一部を支持ポールから取り外す必要がなく、両カバー片の他端部同士を着脱自在な連結具で連結するだけの簡単な作業で、化粧カバーを容易に防犯用センサ装置に取り付けることができる。したがって、支持ポールに既設の防犯用センサ装置に対して化粧カバーを追加で取り付ける場合には、防犯用センサ装置の一部を支持ポールから取り外す必要がなく、両カバー片の他端部同士を着脱自在な連結具で連結するだけの簡単な作業で容易に防犯用センサ装置に取り付けることができる。また、化粧カバーが防犯センサに固定して取り付けられていないから、両防犯センサの隙間の中間に化粧カバーの中心を合致させることで、前記隙間を適切に覆うことができるので、広い範囲のポール外径に対応することができ、防犯用センサ装置の美観を向上させる。
本発明の一実施形態の化粧カバーが取り付けられた防犯用センサ装置を示す斜視図である。 図1の分解斜視図である。 同上の化粧カバーの分解斜視図である。 同上の化粧カバーに設けられた位置決め機構の接触子およびばね体を示す分解斜視図である。 同上の位置決め機構の要部を示す、図2のIV方向から見た斜視図である。 同上の位置決め機構の縦断面図である。 支持ポールに防犯センサを取り付ける手順を示す斜視図である。 同上の防犯センサに従来の化粧カバーを取り付ける手順を示す斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る樹脂製の化粧カバー1が取り付けられた防犯用センサ装置を示す斜視図であり、同図において、図7および図8と同一若しくは相当するものに同一の符号を付して、重複する説明を省略する。図1の化粧カバー1は、地面に立設された支持ポール54の一側部および他側部に支持された2つの防犯センサ50A,50B間の隙間を覆うように取り付けられるものであって、支持ポール54の長手方向(この実施形態では上下方向)に2分割された一対のカバー片2,3を有している。この実施形態において、上側の第1カバー片2および下側の第2カバー片3は同一形状であり、したがって、各カバー片2,3は、化粧カバー1を長手方向の中間で2分割したものとなる。両カバー片2,3における相対向する他端部同士が着脱自在な連結具4により連結されて、化粧カバー1が形成される。
図2は図1の分解斜視図を示す。第1および第2の防犯センサ50A,50Bは、図7で説明したと同様の手順で支持ポール54の一側部および他側部に背中合わせの配置で支持される。すなわち、第1の防犯センサ50Aの取付プレート51が、これの挿通孔51aに挿通したねじ体59を、半円形状に湾曲された形状を有して支持ポール54に当てがわれた取付金具58の両端部のねじ孔58aにねじ込むことにより、支持ポール54に固定される。つぎに、第1の防犯センサ50Aのセンサ本体52がねじ体(図示せず)の締結により取付プレート51に取り付けられ、このセンサ本体52および取付プレート51にセンサカバー53を被せてねじ体(図示せず)を締結することにより、第1の防犯センサ50Aが支持ポール54に支持される。第2の防犯センサ50Bも同様の手順で支持ポール54に取り付けられる。両防犯センサ50A,50Bの配線は、例えば、支持ポール54に設けた図示しない貫通孔に挿通されて、支持ポール54の中空部を通る。
第1および第2の防犯センサ50A,50Bは一般に両方とも投光器または両方とも受光器である。他方、各防犯センサ50A,50Bに対向して、別の2つの支持ポールのそれぞれに、一つの受光器または投光器が配置されている。ただし、背中合わせの両防犯センサ50A,50Bの一方を投光器、他方を受光器としてもよい。投光器の場合、センサ本体52には、赤外線のような検知線を発する投光素子、その駆動回路、検知線の投光用レンズ等が組み込まれる。受光器の場合、センサ本体52には、前記検知線を受光する受光素子、受光素子からの電気信号を処理する受光回路、検知線の受光用レンズ等が組み込まれる。投光器から受光器へ投射された検知線の遮断により、侵入者を検知する。
化粧カバー1の第1および第2カバー片2,3は、相対向する前後一対の第1および第2側壁8,9と、この両側壁8,9の一端部同士を互いに接続する接続壁10とを有している。互いに同一の形状を有する各カバー片2,3は、これらの一方に対して、他方を180°回動させて上下逆にして相対向する相対配置とされる。したがって、各カバー片2,3は、各々の第1側壁8と各々の第2側壁9とが相対向する配置で互いに連結される。各カバー片2,3の第1側壁8には、これの他端部の左右方向中央部から接続片11が一体に突設されており、この接続片11に、これの内面から内方に向け突出する円筒状の連結用ボス12が形成されている。第2側壁9には、他端部の近傍箇所に連結具4(図1)の挿通孔13が穿孔されている。また、第2側壁9には、これの内面における挿通孔13の両側位置に複数のガイド突片14が形成されているが、これの詳細についても後述する。
図3は化粧カバー1の分解斜視図を示す。第2側壁の内面における挿通孔13の両側位置には、接続片11を上下方向(支持ポール54の長手方向)に通すことのできるL字形の保持突片14が、挿通孔13の両側位置に2つずつ形成されている。各保持突片14は、接続片11の左右両側部に係合して各カバー片2,3の相対的な傾きを防止するとともに、カバー片2,3の各々の側壁8,9の他端面が互いに突き合わされたときに、連結用ボス12が挿通孔13に合致するように位置決めする。互いに合致した状態の挿通孔13に、連結具4を挿通して連結用ボス12にねじ込むことにより、両ガイド片2,3が連結されて化粧カバー1が形成される。連結具4として、この実施形態では、連結用ボス12にねじ込まれるタッピングスクリューが用いられている。
各カバー片2,3の接続壁10は、壁本体10aと分離壁18とを有している。壁本体10aは、カバー片2,3の一対の側壁8,9に一体形成されて両側壁8,9を連結している。分離壁18は、カバー片2,3とは別体に形成されたものであって、カバー片2,3に着脱自在に取り付けられる。接続壁10は、ポール外径が異なる2種の支持ポール54を選択的に挿通させることのできる形状に変更可能になっている。すなわち、壁本体10aには、ポール外径の小さい支持ポール54に側方から嵌まり込む半円形状の係合孔10bが形成されており、この係合孔10bよりも径の大きな半円形状の薄肉に形成されたノックアウト部10cが係合孔10bと同心状の配置で設けられている。したがって、ノックアウト部10cに沿って切断してこれの内側部分を切除すれば、壁本体10aの係合孔10bが、ポール外径の大きな支持ポール54に側方(径方向)から嵌まり込むことのできる大きな内径を有する半円形状となる。
一方、分離壁18は、下方の第2カバー片3について明示したように、壁本体10aに取り付けられる。すなわち、分離壁18は、壁本体10aに対し接続壁10の一部を構成するように配置されたときに、これの内面に形成された取付部21が壁本体10aの支持ボス部10dに合致し、この状態で、取付具の一例であるタッピングスクリュー19を取付部21を介し支持ボス部10dにねじ込むことにより、壁本体10aに連結されて、接続壁10が形成される。この分離壁18は、上側の第1カバー片2について示すように、壁本体10の半円形状の係合孔10bと同一の径を有する円形のノックアット板20を有しており、このノックアット板20は、一方の半部が分離壁18から突出され、他方の円部が薄肉の半円形状に形成された小径ノックアウト部22を介して分離壁18に連接されている。さらに、分離壁18には、壁本体10aのノックアウト部10cと同一の径を有する薄肉の半円形状を有する大径ノックアウト部24が、小径ノックアウト部22に対し同心状の配置で形成されている。
一対の防犯センセ50A,50Bが支持ポール54の上端部に支持されている場合、上側の第1カバー片2の接続壁10は、分離壁18をそのまま壁本体10aに連接することにより、ノックアウト板20の半円状に突出した半部が壁本体10aの係合孔10bに嵌まり込んで矩形平板状とされ、この矩形平板状の接続壁10が支持ポール54の上端面(図2)の全体を覆う。
このとき、下側の第2カバー片3の接続壁10は以下のように形成される。すなわち、支持ポール54が小さなポール外径のものである場合には、第2カバー片3の壁本体10aの係合孔10bに側方から支持ポール54を嵌まり込ませることにより第2カバー片3を支持ポール54に当てがう。他方、分離壁18のノックアウト板20を小径ノックアウト部22に沿って切除し、この分離壁18をタッピングスクリュー19によって壁本体10aに連結する。これにより、下側の第2カバー片3の接続壁10は、図3のように壁本体10の係合孔10bと分離壁18の小径ノックアウト部22の外径面に合致した内周面22aとにより、ポール外径の小さな支持ポール54が挿通した挿通孔23Aが形成される。
さらに、支持ポール54のポール外径が大きい場合、第2カバー片3の壁本体10aを、大径のノックアウト部10cに沿って切断してノックアウト部10cの外側部分を切除することにより、係合孔10が大きな内径となる。これに合わせて、分離壁18のノックアウト板20を大径ノックアウト部24に沿って切除する。これにより、第2カバー片3の接続壁10には、壁本体10の径の大きな係合孔と、分離壁18の大径ノックアウト部24の外径面に合致した内周面とにより、ポール外径の大きな支持ポール54を挿通させる挿通孔23Bが形成される。
また、一対の防犯センサ50A,50Bが支持ポール54の上端部から下方の中間位置に支持されている場合(図2の場合)、上側の第1カバー片2についても、第2カバー片3の場合と同様に、壁本体10aの係合孔10bまたはノックアウト部10cと、分離壁18の小径ノックアウト部22または大径ノックアウト部24の選択とにより、ポール外径が小径または大径の支持ポール54に適合させて、第1カバー片2に挿通孔23Aまたは23Bを形成し、この挿通孔23Aまたは23Bに支持ポール54を挿通させる。
このように、カバー片2,3の接続壁10が、両側壁8,9に一体形成された壁本体10aと、ノックアウト板20を有して壁本体10aに着脱自在に取り付けられる分離壁18とを有する構成として、ノックアウト板20の有無および大きさが選択された分離壁18を壁本体10aに取り付けることにより、上側の第1カバー片2および下側の第2カバー片3として同一形状のものを共用することが可能になっている。
カバー片2,3は、防犯センサ50A,50Bに対して何ら固定されないことから、支持ポール54とカバー片2,3の挿通孔23A,23Bとの隙間(図6のS)に相当する距離だけ側壁8,9の幅方向(左右方向)に移動する。そこで、カバー片2,3の両側壁8,9の対向内面における接続壁10の近傍箇所には、それぞれ同一構成の位置決め機構28が設けられている。この位置決め機構28は、側壁8,9の内面に形成された機構収容部29に、一対の接触子30A,30Bが両側開口から移動自在に突出する配置で収容され、各接触子30A,30Bが同一のばね力で対応する防犯センサ50A,50Bの裏面に押し当てられることにより、カバー片2,3を両防犯センサ50A,50B間の中間位置に位置決めするよう機能する。
つぎに、前記位置決め機構28の詳細について、図4ないし図6を参照しながら説明する。図4は、一対の接触子30A,30BA,30Bおよびばね体31における機構収容部29の内部に収容されるときの相対配置を示す。ばね体31として、この実施形態において同一のコイルスプリングが用いられている。したがって、一対のばね体31,31のばね力は同じである。一方、一対の接触子30A,30Bは、同一形状の樹脂製であり、一方に対して他方を反転させた、つまり接触子30A,30Bの移動方向に沿った軸心C1の回りに180°回転させた配置で、相対向させて機構収容部29(図3)内に収容される。この接触子30A,30Bには、ほぼ三角形状の外形を有し、その先端に接触端部30aが設けられている。
前記接触端部30aは、対応する防犯センサ50A,50Bの取付プレート51の裏面51bに押し当てられる。接触端部30aの両側方の表裏面には、段差部30b,30bがそれぞれ形成されており、この段差部30b,30bの間に、ばね体31の一端部が挿入される円形凹所からなるばね受部30cが設けられている。各段差部30bのさらに外側にはアーム30dが突設され、その先端に、係止部を形成する係止爪30eが設けられている。軸心C1を挟んでアーム29dと反対側には、矩形板状のガイド板部30fが突設されている。
図5は、下側の第2カバー片3の機構収容部29を図3の矢印IV方向から見た斜視図である。同図において、位置決め機構28の各接触子30A,30Bおよびばね体31は除外されている。機構収容部29は、第2側壁9からこれの直交方向に向け互いに平行に延設された一対の短壁部32,33と、第2側壁9に平行な配置で両短壁部32,33の先端部を互いに接続する長壁部34とを有し、第2側壁9と共に、両端(図5の表裏方向)に開口部P1,P2を持つ直方体形状の箱形になっている。
一方の短壁部32の内側面には、機構収容部29の高さ、つまりこの短壁部32の長さがほぼ半分の高さを有する一対の広幅ガイドレール38A,38Bと、これよりも低い小幅ガイドレール39A,39Bとが一体形成されている。広幅ガイドレール38Aは開口部P1から奥へ向かって延び、両開口部P1,P2の中間部で終端しており、この終端部38Aaから開口部P2まで、小幅ガイドレール39Bが延びている。被係止部である前記終端部38Aaに、図4の接触子30Aの上側の係止爪30eが係止される。同様に、図5のP2側の広幅ガイドレール38Bは開口部P2から奥(図5の手前)へ向かって延び、両開口部P1,P2の中間部で終端しており、この終端部(被係止部)38Baから開口部P2まで、小幅ガイドレール39Aが延びている。他方の短壁部33の内側面にも、上述の一方の短壁部32と同一形状の一対の広幅ガイドレール38A,38Bおよび小幅ガイドレール39A,39Bが、一方の短壁部32に対し点対称の配置で形成されている。
両短壁部32,33の中間部には、長壁部34と第2側壁9とを互いに連結する矩形板状の仕切り壁部40が一体形成されている。この仕切り壁部40の開口部P1,P2側に向いた主面の各中央部に、図4のばね体31の他端部を支持する十字形の支持突部41がそれぞれ一体形成されている。さらに、仕切り壁部40には、矩形状の両主面における対角線上の両側の角部からそれぞれ側壁9および長壁部34に沿って開口部P1,P2へ向かって延びる短冊状のガイド片42,42が一体形成されている。ガイド片42は、図4の接触子30A,30Bの段差部30bの低位側に接触することにより、接触子30A,30Bを移動方向(図3の左右方向)に沿ってガイドする。なお、図3の第1カバー片2の機構収容部29も、第2カバー片3の機構収容部29と同一の構成である。
位置決め機構28は、対の接触子30A,30Bが図4に示す相対配置で、かつ、各々のばね受け部30cにばね体31の一端部を挿入して支持した状態で、ばね体31のばね力に抗して、図5の機構収容部29内にこれの両側の開口部P1,P2からそれぞれ押し込まれる。開口部P1から挿入された一方の接触子30Aの両側の一対のアーム30dは、先端の係止爪30eが図5の機構収容部29の両側の広幅ガイドレール38Aの内側面に摺接するのに伴って、自身の弾性により図4の軸心C1側に向け僅かに変形し、係止爪30eが広幅ガイドレール38Aを通過した時点で弾性復帰し、係止爪30eを終端部(被係止部)38Aaに係止させる。これにより、接触子30Aが機構収容部29内に位置決めされた状態で収容される。他方の接触子30Bも同様に開口部P2から機構収容部29内に収容される。
こうして、図6に示すように、各接触子30A,30Bは、両防犯センサ50A,50B間に位置したとき、防犯センサ50A,50Bの裏面、つまり取付プレート51の裏面51bによって内方へ押し込まれて、圧縮されたばね体31の復元力により、接触端部30aが取付プレート51に押し当てられる。これにより、両防犯センサ50A,50B間の隙間Sに対し、その中間位置にカバー片2、3が位置決めされる。
上記構成において、図1に示す化粧カバー1は、支持ポール54の長手方向に2分割された一対のカバー片2,3を有し、両カバー片2,3の他端部同士を着脱自在な連結具4で連結することにより、支持ポール54に支持された両防犯センサ50A,50B間の隙間を覆う配置で取り付けられる。すなわち、この化粧カバー1は、防犯センサ50A,50Bに対し直接的な固定手段を一切用いずに、一対のカバー片2,3を互いに連結するだけで両防犯センサ50A,50B間を覆うように取り付けることができる。したがって、支持ポール54に既設の防犯用センサ装置に対して追加で取り付ける場合、既設の防犯用センサ装置の一部を支持ポール54から一切取り外す必要がなく、両カバー片2,3の他端部同士を着脱自在な連結具4で連結するだけの簡単な作業で、化粧カバー1を防犯用センサ装置に容易に取り付けることができる。同様の理由で、化粧カバー1を防犯用センサ装置から取り外す作業も容易になる。
また、各カバー片2,3に、図2の両防犯センサ50A,50Bにばね力で押し当てられてカバー片2,3を両取付プレート51間の中間に位置決めする位置決め機構28を設けているので、支持ポール54のポール外径の大小に応じて両防犯センサ50A,50B間の隙間の大きさが異なっても、両カバー片2,3が、図3の両ばね体31,31のばね力がバランスする位置、つまり図6の両防犯センサ50A,50B間の隙間Sの中間位置に自動的に位置決めされる。そのため、この化粧カバー1は、広い範囲のポール外径を有する支持ポール54に支持された両防犯センサ50A,50Bに使用されて、隙間Sを前後方向および上下方向から十分に覆うことができ、これによって、防犯用センサ装置の美観が向上する。しかも、簡単な構造により所要の機能を有する位置決め機構28を得ることできる。
これとは異なり、一方の防犯センサに化粧カバーを取り付けた場合には、他方の防犯センサ側に必要以上に突出したり、支持ポールにおける他方の防犯センサの一部分が露呈したりして、美観が損なわれる。なお、位置決め機構28を有しない場合でも、両防犯センサ50A、50Bの隙間Sの中間位置に化粧カバー1の左右方向の中心を合致させることで、前記隙間Sを適切に覆うことができる。
さらにまた、図3の下側の第2カバー片3が支持ポール54に側方から嵌まり込む係合孔10bを有しているので、第2カバー片3を、その係合孔10bに支持ポール54を側方から嵌めた状態で、支持ポール54にスライドさせながら上方に向け移動させて両防犯センサ50A,50B間の隙間を覆う位置に配置することができるので、支持ポール54に既設の両防犯センサ50A,50Bに対して、容易な作業で取り付けることができる。
また、図3の上側の第1カバー2の接続壁10が挿通孔23を選択的に形成させるノックアウト板20を有しているので、第1カバー片2の接続壁10をノックアウト板20を残して使用すれば、支持ポール54の上端に支持された両防犯センサ50A,50B間の隙間を覆う用途に用いることができ、一方、ノックアウト板20を切除して支持ポール54を挿通させる挿通孔23A,23Bを形成すれば、第1カバー片2を、支持ポール54における上端以外の任意の中間位置に支持された両防犯センサ50A,50B間に配置して、その隙間を覆う用途に用いることができる。
また、各カバー片2,3の接続壁10を、両側壁8,9に一体形成された壁本体10aと、この壁本体10aに着脱自在に取り付けられて壁本体10aとの間に支持ポール54の挿通孔23A,23Bを形成する分離壁18とにより形成するとともに、分離壁18がノックアット板20を有しているので、各カバー片2,3として同一のものを共用することができるから、成形金型の費用を低減することができる。さらに、両カバー片2,3は、化粧カバー1を中間位置で2分割したものとなって形状を小さくできるので、梱包形状を小さくして輸送費の低減を図ることができる。
本発明は上述した実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 化粧カバー
2 第1カバー片
3 第2カバー片
4 連結具
8,9 側壁
10 接続壁
10a 壁本体
10b 係合孔
18 分離壁
20 ノックアウト板
23A,23B 挿通孔
28 位置決め機構
29e 係止爪(係止部)
30A 第1の接触子
30B 第2の接触子
31 ばね体
38Aa,38ba 被係止部
50A,50B 防犯センサ
54 支持ポール

Claims (5)

  1. 支持ポールの一側部および他側部に防犯センサを支持した支持構造において前記両防犯センサ間の隙間を覆う化粧カバーであって、
    支持ポールの長手方向に2分割された一対のカバー片を有し、
    前記各カバー片が、前後一対の側壁とこれら両側壁の一端部同士を接続する接続壁とを有し、
    前記一対のカバー片における相対向する他端部同士が着脱自在な連結具により連結され、
    前記各カバー片に、前記両防犯センサにばね力で押し当てられて前記カバー片を両防犯センサ間の中間に位置決めする位置決め機構が設けられている防犯用センサ装置の化粧カバー。
  2. 請求項1において、前記各位置決め機構は、一方の防犯センサに接触する第1の接触子と、他方の防犯センサに接触する第2の接触子と、前記各接触子を対応する防犯センサに向けて進出させるばね体と、前記各接触子に設けた係止部に進出限界位置で係止して、前記各接触子を進出限界で位置決めする被係止部とを有する防犯用センサ装置の化粧カバー。
  3. 上下方向に延びる支持ポールの一側部および他側部に防犯センサを支持し、前記両防犯センサ間の隙間を化粧カバーで覆った取付構造であって、
    上下方向に2分割された一対のカバー片を有し、
    前記各カバー片が、前後一対の側壁とこれら両側壁の一端部同士を接続する接続壁とを有し、
    前記一対のカバー片における相対向する他端部同士が着脱自在な連結具により連結され、
    前記化粧カバーは上側の第1カバー片と下側の第2カバー片とを有し、前記第2カバー片が前記支持ポールに側方から嵌まり込む係合孔を有している防犯用センサ装置の取付構造
  4. 請求項3において、少なくとも前記第1カバー片の前記接続壁が前記支持ポールを挿通させる挿通孔を選択的に形成させるノックアウト板を有している防犯用センサ装置の取付構造
  5. 請求項4において、下側の前記第2カバー片の前記接続壁も前記ノックアウト板を有し、
    さらに、前記各カバー片の前記接続壁が、前記両側壁に一体形成された壁本体と、この壁本体に着脱自在に取り付けられ、前記壁本体に取り付けられたときに前記壁本体との間に前記支持ポールの挿通孔を形成する分離壁とを有する防犯用センサ装置の取付構造
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