JP5841757B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品に関し、特に着用者の脚周りにフィットさせることができるパンツ型おむつに関する。
従来から、前胴回り領域、後胴回り領域、及び股下領域を有し、着用者の脚周りに配置される脚周り開口部と、着用者の腰周りに配置される腰周り開口部とが形成されたパンツ型おむつが提供されている。このような、使い捨て着用物品において、腰周り開口部や脚周り開口部の寸法が小さ過ぎると、着用者の身体への締め付けがきつくなり、装着性が悪化するおそれがある。一方、腰周り開口部や脚周り開口部の寸法が大き過ぎると、着用者の身体に対する位置がずれてしまうおそれがある。よって、腰周り開口部や脚周り開口部のフィット性が求められている。
また、近年、着用者の脚周りに配置される脚周り開口部が着用者の股下部まで延びる、いわゆるボクサータイプのパンツ型おむつが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるパンツ型おむつは、着用者の脚の付け根の周囲を覆うように配置されるため、着用者の脚の動きに追従して脚周り開口部が移動し易くなり、フィット性を向上させることができる。
特開2011−62329号公報
しかしながら、出願人は、上述のパンツ型おむつについて、以下のような問題点を発見した。
一般的なブリーフタイプのパンツ型おむつの脚周り開口部は、股下部から着用者の側方に向かって上方に傾斜しており、脚の付け根に沿って配置される。一方、ボクサータイプのパンツ型おむつの脚周り開口部は、股下領域よりも下方において、水平方向に沿って配置されている。ボクサータイプのパンツ型おむつは、脚周り開口部が水平方向に沿って配置されているため、ブリーフタイプのパンツ型おむつと比較して、開口部が小さくなり易い。脚周り開口部の開口寸法が小さいと、着用者が装着する際に、着用者が脚を挿入し難くなったり、着用者の脚周りを締め付け過ぎたりして、装着感が悪化するおそれがある。
また、ボクサータイプやブリーフタイプのパンツ型おむつにおいて、脚周り開口部の締め付けを抑制するために、脚周り開口部の寸法を大きくすることが考えられる。しかし、脚周り開口部の寸法を大きくすると、パンツ型おむつの全体寸法が大きくなることがある。例えば、パンツ型おむつの腰周りの寸法が大きくなると、腰回りのフィット性が低下して、装着感が悪化するおそれがある。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、着用者の脚周り及び腰周りにフィットさせて、装着感の悪化を抑制することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明に係る吸収性物品(吸収性物品1)は、着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向と、着用者の身体上側と身体下側とに延びる上下方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、を有し、前胴回り領域(前胴回り領域S10A)、後胴回り領域(後胴回り領域S10B)、及び前記前胴回り領域と前記後胴回り領域との間に介在する股下領域(股下領域S20)を有するシャーシ(シャーシ3)を備える吸収性物品であって、前記シャーシは、前記前胴回り領域から前記股下領域を介して前記後胴回り領域に延びるシャーシ本体(シャーシ本体31)と、前記幅方向におけるシャーシ本体の両側端部(前側端部31A、後側端部31B)とそれぞれ接合され、かつ前記前胴回り領域と前記後胴回り領域との間に配置される一対の側部パネル(側部パネル41)と、を有しており、前記シャーシ本体と前記側部パネルとによって、着用者の脚の周りに配置される脚周り開口部(脚周り開口部5)と、着用者の腰の周りに配置される腰周り開口部(腰周り開口部6)と、が形成されており、前記側部パネルの前記下側の端部である下端部(下端部41D)の前記幅方向の長さは、前記側部パネルの前記上側の端部である上端部(上端部41C)の前記幅方向の長さよりも長いことを要旨とする。
本発明によれば、脚回りに対応する側部パネルの下端部の幅方向の長さが、胴周りに対応する側部パネルの上端部の幅方向の長さよりも長いため、脚周り開口部の寸法を大きくして、着用者の脚周りを締め付け過ぎることを抑制できる。また、脚周り開口部の寸法のみを大きくすることができるため、吸収性物品全体の寸法を大きくすることによって腰回りの寸法が大きくなり過ぎることを抑制でき、腰回りのフィット性と脚周りのフィット性とを向上させることができる。
第1の実施形態に係る吸収性物品の外観斜視図である。 第1の実施形態に係る吸収性物品の側面図である。 図2のA−A断面及びB−B断面を模式的に示した模式断面図である。 第2の実施形態に係る吸収性物品の外観斜視図である。 第2の実施形態に係る吸収性物品の側面図である。 変形例1に係る吸収性物品の模式図である。 変形例2に係る吸収性物品の模式図である。 変形例3に係る吸収性物品を構成する側部パネルの模式図である。
(第1の実施形態)
図1から図3を参照して、第1の実施形態に係る吸収性物品1について説明する。本実施形態に係る吸収性物品1は、パンツ型おむつである。図1に、本実施形態に係る吸収性物品1の外観斜視図を示す。図2に、図1に示す吸収性物品の側面図を示す。図3は、図2に示すA−A断面及びB−B断面の断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る吸収性物品1は、シャーシ3及び吸収体本体2を有している。図1には、おむつ1の前後方向と幅方向と上下方向とが互いに直交する双頭矢印X,Y,Zで示されている。おむつの前後方向X、幅方向Y、及び上下方向Zは、着用者が吸収性物品を装着した状態における方向である。なお、幅方向は、左右方向に沿った方向である。
図1及び図2に示すように、シャーシ3は、着用者の前胴回りに対応する前胴回り領域S10Aと、後胴回りに対応する後胴回り領域S10Bと、前胴回り領域S10Aと後胴回り領域S10Bとの間に介在する股下領域S20とを有するシャーシ本体31と、シャーシ本体31の幅方向Yにおける前側端部31A及び後側端部31Bと接着され、かつ前胴回り領域S10Aと後胴回り領域S10Bとの間に配置される側部パネル41と、を有する。
吸収体本体2は、シャーシ3の吸収性物品1の肌当接面側に、股下領域S20から前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bに渡って設けられている。前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bでは、吸収体本体2は、幅方向Yの中央領域に設けられている。また、吸収体本体2の長手方向の両側部には、図示しない防漏壁が設けられている。防漏壁を設けることにより、吸収体から幅方向外側への体液の漏れを防止できる。
シャーシ本体31は、例えば、ポリプロピレン(PP)からなるSMS不織布によって構成されている。シャーシ本体31の目付は、11〜30g/m2が好ましい。より好ましくは、15〜17g/m2がよい。また、2枚の不織布によって構成されるシャーシ本体31においては、2枚の不織布の目付が30〜35g/m2であることが好ましい。2枚の不織布によって構成されるシャーシ本体31の内側の不織布は、例えば、SMS不織布であり、外側の不織布は、スパンボンド不織布又はエアスルー不織布である。
シャーシ本体31には、腰回り用弾性部材91や胴回り用弾性部材92や脚回り用弾性部材(図示せず)が伸張された状態で保持されている。したがって、シャーシ本体31は、伸縮可能である。腰回り用弾性部材91や胴回り用弾性部材92には、天然ゴムや合成ゴムやスパンデックス等を使用でき、その伸張倍率は、1.3〜4.0倍が望ましい(スパンデックスの場合、その太さは、300〜1300dtexが望ましい)。
なお、股下領域S20において、吸収体本体2とシャーシ本体31とを接合してもよいし、シャーシ本体31と吸収体本体2とを接合しないように構成してもよい。股下領域S20において、シャーシ本体31と吸収体本体2とを接合しないように構成することにより、シャーシ本体が下がった場合であっても、吸収体本体が追従して下がることを抑制できる。また、腰回り弾性部材92を股下領域S20にかけて配置することにより、更に股下領域S20における位置ずれを防止できる。
吸収性物品1は、着用者の腰の側部に対応する側部パネル41を有する。側部パネル41は、前胴回り領域S10Aにおけるシャーシ本体31の前側端部31Aと接合される前側端部41Aと、後胴回り領域S10Bにおけるシャーシ本体31の後側端部31Bと接続される後側端部41Bと、を有する。
側部パネル41の前側端部41Aは、シャーシ本体31の前胴回り領域S10Aの前側端部31Aよりも前方に配置されている。また、側部パネル41の後側端部41Bは、シャーシ本体31の後胴回り領域S10Bの後側端部31Bよりも後方に配置されている。すなわち、側部パネル41の両側端部とシャーシ本体31の両側端部とは、重なって互いに接着されている。シャーシ本体31と側部パネル41との間は、ホットメルト型接着剤60によって接着されている。
なお、シャーシ本体31と側部パネル41との接合は、音波シール、熱接着、圧力接着、その他接着剤又は凝集結合、縫合、自己結合などで接着してもよい。側部パネル41は、シャーシ本体31の肌当接面側、又は非肌当接面側に接合される。しかし、側部パネル41は、シャーシ本体31が複数層で構成されている場合には、シャーシ本体31を構成する層と層の間において接合されていてもよい。
シャーシ本体31と側部パネル41とが接合されることにより、シャーシ本体31における前胴回り領域S10Aの上端部及び後胴回り領域S10Bの上端部と、側部パネル41の上端部とによって囲まれる腰周り開口部6と、シャーシ本体31における前胴回り領域S10Aの下端部及び後胴回り領域S10Bの下端部と、側部パネル41の下端部とによって囲まれる脚周り開口部5とが形成される。
腰周り開口部6は、着用者に装着された状態で、着用者の腰回りに配置される。脚周り開口部5は、着用者に装着された状態で、着用者の脚周りに配置される。
本実施の形態に係る側部パネル41とシャーシ本体31とが接合される接合領域は、側部パネル41とシャーシ本体31とが重なる領域に配置される。接合領域は、側部パネル41とシャーシ本体31とが重なる領域におけるシャーシ本体31の側端部から3〜20mm内側、かつ側部パネル41の側端部から3〜20mm内側であることが好ましい。また、接着領域の幅は、5mm以上、かつ30mm以下であることが好ましい。
接合領域は、脚周り開口部5から2〜20mm内側、かつ腰周り開口部6から2mm〜20mm内側であることが好ましい。このように、側部パネル41とシャーシ本体31とが重なる領域よりも内側に接合領域を設けることにより、コーター塗工等によって接着剤が接合領域からはみ出した場合であっても、側部パネル41とシャーシ本体31とが重なる領域よりも外側に接着剤がはみ出すことを防止できる。
また、シャーシ本体31の接合領域には、胴回り用弾性部材92を設けないように構成することが好ましい。シャーシ本体31の接合領域に胴回り用弾性部材92が設けられていると、胴回り用弾性部材92によってシャーシ本体31が伸縮し、接合強度が低下するおそれがある。しかし、シャーシ本体31の接合領域に胴回り用弾性部材92を配置しないように構成することにより、側部パネル41との接合強度を高くすることができる。
また、シャーシ本体31の接合領域に胴回り用弾性部材92を設ける場合において、胴回り用弾性部材92を非伸縮状態で配置することにより、胴回り用弾性部材92を設けない場合と同様の効果を得ることができる。
図3に示すように、側部パネル41の下側の端部である下端部の幅方向の長さL1は、側部パネル41の上側の端部である上端部の幅方向の長さL2よりも長い。側部パネル41の幅方向の長さは、上側から下側に向かうに連れて長くなっている。図2に示す側面図において、側部パネル41は、裾広がりの台形形状である。
なお、側部パネル41は、側部パネル自体の幅が上端部よりも下端部において長くなるように構成されていてもよいし、側部パネル41を挟んで配置されるシャーシ本体31の幅が上端部よりも下端部において長くなるように構成されていてもよい。
脚回りに対応する側部パネル41の下端部の幅方向の長さが、腰周りに対応する側部パネル41の上端部の幅方向の長さよりも長いため、脚周り開口部を十分に確保して脚周りにおける締め付けを低減し、フィット性を向上させることができる。また、おむつ全体の寸法を大きくすることなく、脚周り開口部の寸法のみを大きくすることができる。したがって、腰周り開口が大きくなり過ぎることを抑制し、腰回りにおける位置ずれを防止できる。
更に、側部パネル41は、下方に向かって徐々に開口寸法が大きくなり、側部パネル41が裾広がりの形状であるため、着用時に着用者が脚をスムーズに挿入することができる。また、脚周り開口の寸法を大きくできるため、脚周りに隙間を設けて、脚周りの締め付けを防止できる。
側部パネル41は、非伸縮性である。非伸縮性の側部パネルを有する吸収性物品1は、伸縮性の側部パネルを有する吸収性物品よりも、装着する前の寸法長くなる。よって、脚周り開口部を比較的大きく確保でき、着用者の脚が通し易くなる。なお、本実施の形態に係る側部パネル41は、非伸縮性であるが、伸縮性であってもよい。例えば、側部パネル41を伸縮性にすることにより、側部パネル41を着用者の肌にフィットさせることができる。
側部パネル41の生地単体での伸び止まりまでの伸長可能範囲を表す伸縮率は、20〜200%が好ましい。また側部パネルの伸縮方向は、側部パネルの成形工程におけるMD方向(機械流れ方向)又はCD方向(機械流れ方向に対して直交する方向)のいずれかであってもよく、また、MD方向及びCD方向の両方向であってもよい。
ここで、側部パネルの伸縮率の測定方法について説明する。まず、対象となるシート(ここでは、側部パネル)をその伸縮方向に最大に伸長させた場合での長さをYとし、その後伸長を開放して自然状態に放置し、自然に収縮した状態における対象となるシートの縮み長さをyとして下記の式にあてはめる。
Figure 0005841757
また、収縮した状態で、伸縮方向に一定間隔(例:100mm)の記しを付け、対象となるシートをその伸縮方向に最大に伸長させた状態の印間の長さを測定し、上記式で伸縮率を求めてもよい。
側部パネル41は、着用者の肌に触れるため、肌への刺激が少なく、着用者の違和感が少ない材質が望ましい。具体的には、例えば、スパンボンド不織布やSMS不織布を例示できる。また、スパンボンド不織布やSMS不織布以外の材質によって側部パネル41を構成する場合には、表面にエンボス加工等、表面を滑らかにする処理を施すことにより、肌への違和感や刺激を和らげることができる。特に、本実施の形態に係る側部パネル41は、上端部よりも下端部の幅を長く構成しており、上端部と下端部の幅が同じ側部パネル41と比較して、肌に接する面積が大きく、側部パネル41による肌への刺激が強くなり易い。したがって、側部パネル41は、肌への刺激が少ない材質によって構成することが望ましい。
また、本実施の形態に係る側部パネル41は、1枚の不織布によって構成されているが、複数のシート材を積層して構成してもよい。複数のシート材によって側部パネルを構成することにより、様々な機能を有する素材を複数組み合わせて、側部パネル全体の機能を安易に変化させることができる。具体的には、例えば、肌当接面側にATを配置し、肌非当接面側にSMS不織布を設けることができる。肌への刺激を抑制しつつ、強度に優れた側部パネルとなる。
また、複数のシート材によって接合パネルを構成する場合には、シート材の配置によって摩擦係数が異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、側部パネルが、第1側部パネルと、第1側部パネルよりも着用者の肌当接面側に配置された第2側部パネルと、を備える場合には、第2側部パネルの摩擦係数を、第1側部パネルの摩擦係数よりも低く構成する。
このように、肌当接面側に位置する第2側部パネルの摩擦係数を、非肌当接面側に位置する第1側部パネルの摩擦係数よりも低くすることにより、肌に対する側部パネルの摩擦が低減され、より装着感を良好に保つことができる。なお、摩擦係数の測定は、例えば、カトーテック株式会社製のKESFB4−AUTO−A(商品面)を用いて測定することができる。
また、側部パネルにエンボス加工を施すように構成してもよい。側部パネルにエンボス加工を施すことにより、側部パネルと着用者の肌との接触面積が少なくなり、摩擦係数を低減することができる。側部パネルの摩擦係数を低減することにより、装着感を良好に保つことができ、また装着時においておむつを引き上げ易くすることができる。
また、本実施の形態に係る吸収性物品1は、側部パネルの下端部の幅が上端部の幅よりも長いため、着用者の脚周りに隙間が生じることによって、脚周り近傍において吸収性物品の位置ずれが生じるおそれがある。
このような位置ずれを防止するために、例えば、レッグギャザーやウエストギャザーの伸長率を高めたり、本数を増やしたり、弾性部材の間隔を小さくしたりして、吸収性物品全体の伸縮応力を高めることができる。吸収性物品全体の伸縮応力を高めることにより、吸収体全体の伸縮性を向上させて、着用者に対する位置ずれを防止できる。
また、位置ずれを防止するために、胴回り弾性部材92の間隔を狭くすることにより、相対的に腰周り弾性部材91の伸縮応力を高くして、使い捨ておむつの腰周りがずれ落ちることを防止できる。
なお、本実施の形態に係る側部パネル41は、シャーシ本体31と別々に形成され、側端部同士が接合されて一体化されている。例えば、既存のシャーシ本体31に、本実施の形態に係る側部パネル41を接合することにより、本実施の形態に係る吸収性物品1を得ることができる。
このように構成された吸収性物品の製造方法としては、例えば、側部パネルを形成する工程と、側部パネルをシャーシ本体31に接合する工程と、を含む方法によって吸収性物品を製造することができる。なお、シャーシ本体31等、他の部分は、公知の製造方法に従って製造し得る。
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る吸収性物品について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。なお、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については同符号を用いて説明を省略する。
第2の実施形態に係る吸収性物品1Aは、いわゆるボクサータイプのパンツ型おむつである。なお、本実施の形態におけるボクサータイプのパンツ型おむつとは、装着された状態において脚周り開口部が水平方向に沿っているものである。なお、脚周り開口部の方向は、水平方向と一致していなくてもよく、例えば、水平方向に対して±30度の範囲内であればよい。
シャーシ本体31の股下領域S20には、着用者に装着された状態で着用者の股間に対向して配置される股下部7が設けられている。本実施の形態に係る吸収性物品1は、着用者に装着された状態で股下部7よりも下方に脚周り開口部5が配置されている。吸収性物品1は、着用者の脚の付け根の周囲を覆うように配置されるため、着用者の脚の動きに追従して脚周り開口部5が移動し易くなり、フィット性を向上させることができる。
本実施の形態におけるボクサータイプのパンツ型おむつは、脚周り開口部5が股下部7よりも下方において水平方向に沿って配置されている。脚周り開口部が水平方向に沿って配置されているため、ブリーフタイプのパンツ型おむつと比較して、開口部が小さくなり易い。脚周り開口部の開口寸法が小さいと、着用者が装着する際に、着用者が脚を挿入し難くなったり、着用者の脚周りを締め付け過ぎたりして、装着感が悪化するおそれがある。
しかし、側部パネルの上端部の幅方向の長さよりも、側部パネルの下端部の幅方向の長さが長いため、脚周り開口部が着用者の脚に密着し過ぎることを防止することができる。よって、ボクサータイプのパンツ型おむつの装着感を向上させることができる。
次いで、変形例に係る吸収性物品1B、1Cについて、図6から図8を参照して詳細に説明する。なお、以下の変形例の説明においては、第1の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については同符号を用いて説明を省略する。
変形例1及び変形例2に係る吸収性物品1B、1Cは、側部パネル41の一部が接合されて、側部パネル41の上端部41Cと側部パネル41の下端部41Dとの長さが異なるように構成されている。図6は、変形例1に係る吸収性物品1Bを示しており、図6(a)は、製造している過程の吸収性物品1Bを示しており、図6(b)は、製造後の吸収性物品1Bを示している。
吸収性物品1Bを構成する側部パネル41の幅は、上端部41Cから下端部41Dまで一定である。側部パネル41は、上下方向に沿った折り目FLを基点に折り畳まれる。また、折り畳まれ状態においても、側部パネルの幅は、上端部から下端部まで一定である。
図6(a)は、折り畳まれた状態の側部パネルをシャーシ本体31に接合した状態を示している。この状態において、折り畳まれた側部パネルの上端部の一部を接合する。この接合領域は、略三角形状である。接合領域の三角形状は、上側から下側に向かって幅が短くなっている。
このように、側部パネルを接合して、接合されていない側部パネルを開くことにより、図6(b)に示す状態となる。シャーシ本体31間に配置される側部パネルは、上端部から下端部に向かって幅方向の長さが短くなっている。
次いで、変形例2に係る吸収性物品1Cについて説明する。図7は、変形例2に係る吸収性物品1Cを示している。図7(a)は、製造している過程の吸収性物品1Bを示しており、図7(b)は、製造後の吸収性物品1Bを示している。なお、変形例2に係る吸収性物品1Cは、図7(a)に示す側部パネル41とシャーシ本体31との接合過程まで、変形例1に係る吸収性物品1Bと同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。
吸収性物品1Bは、図7(b)に示すように、上下方向に沿った折り目FLを基点に折り畳まれた状態において、シャーシ本体31に接合される。折り畳まれた側部パネル41の上端部及びシャーシ本体31同士の一部を接合する。この接合領域は、略三角形状である。接合領域の三角形状は、上側から下側に向かって幅が短くなっている。
このように、側部パネル41及びシャーシ本体31を接合して、接合されていない側部パネルを開くことにより、図7(b)に示す状態となる。シャーシ本体の上端部では。シャーシ本体同士が接合されているため、腰周り開口部には側部パネルが配置されていない。上端部よりも下方において、シャーシ本体31間に側部パネルが配置される。側部パネルは、上側から下側に向かって幅方向の長さが短くなっている。
変形例3に係る吸収性物品は、実施の形態1と側部パネルの形状が異なっている。変形例3に係る吸収性物品の側部パネル42は、側部パネル42の幅方向中心が上下方向に沿って変化している。
図8は、変形例3に係る吸収性物品を構成する側部パネル41を示しており、図8(a)及び図8(b)は、製造している過程の側部パネル42を示しており、図8(c)は、製造後の側部パネル42を示している。
側部パネル42は、図8(a)に示すように、上下方向に沿った折り目FLを基点に折り畳まれた状態において、上端部と下端部が切断される。次いで、図8(b)に示すように、側部パネルの幅方向における両端部に位置する、シャーシ本体との接合領域を折り返す。このように構成されたシャーシ本体を開くことにより、図8(c)に示す状態となる。側部パネル42は、上側から下側に向かって幅が長くなった後、上側から下側に向かって幅が短くなっている。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
実施の形態に係る吸収性物品の側部パネルは、1枚のシート材で構成されているが、側部パネルは、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、複数のシート材によって側部パネルが構成されている場合には、複数のシート材間に、シャーシ本体が配置されるように構成してもよい。更に、側部パネルは、シャーシ本体よりも肌当接面側に配置されていてもよいし、非肌当接面側に配置されていてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1、1A、1B、1C…吸収性物品、 2…吸収体本体、 3…シャーシ、
5…脚周り開口部、 6…腰周り開口部、 7…股下部、 31…シャーシ本体、 31A…前側端部、 31B…後側端部、 40…開口部、 41…側部パネル、 41A…前側端部、 41B…後側端部、41C…上端部、 41D…下端部 91…腰回り用弾性部材、 92…腰回り用弾性材

Claims (4)

  1. 着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向と、着用者の身体上側と身体下側とに延びる上下方向と、前記前後方向に直交し、かつ前記上下方向に直交する幅方向と、を有し、前胴回り領域、後胴回り領域、及び前記前胴回り領域と前記後胴回り領域との間に介在する股下領域を有するシャーシを備える吸収性物品であって、
    前記シャーシは、前記前胴回り領域から前記股下領域を介して前記後胴回り領域に延びるシャーシ本体と、前記幅方向におけるシャーシ本体の両側端部とそれぞれ接合され、かつ前記前胴回り領域と胴回り領域との間に配置される一対の側部パネルと、を有しており、
    前記シャーシ本体と前記側部パネルとによって、着用者の脚の周りに配置される脚周り開口部と、着用者の腰の周りに配置される腰周り開口部と、が形成されており、
    前記シャーシ本体には、着用者の股下に配置される股下部を備えており、
    着用者に装着された状態で、前記脚周り開口部が、前記股下部よりも下方において水平方向に沿って配置されており、
    前記側部パネルの前記下側の端部である下端部の前記幅方向の長さは、前記側部パネルの前記上側の端部である上端部の前記幅方向の長さよりも長く、
    前記側部パネルは、第1側部パネルと、前記第1側部パネルよりも着用者の肌当接面側に配置された第2側部パネルと、を備えており、
    前記第2側部パネルの摩擦係数は、前記第1側部パネルの摩擦係数よりも低く構成されている、吸収性物品。
  2. 前記側部パネルの前記幅方向の長さは、前記上端部から前記下端部に向かうに連れて長くなっている、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記側部パネルは、非伸縮性である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記側部パネルは、伸縮性である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
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