JP5841557B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼制御装置に関し、特にノッキングを抑制するための燃焼制御装置に関する。
特許文献1には、ノック抑制剤を機関に供給することによりノッキングを抑制する装置が示されている。この装置によれば、ノック抑制剤として、水、アルコール、あるいは水とアルコールの混合物が使用される。
特公平3−38425号公報
特許文献1に示されるノック抑制剤を機関に供給するためには、貯蔵タンクと、高価な添加装置及び添加量を計測するための装置とが必要となるという課題がある。
本発明は、この点に着目してされたものであり、比較的簡単な構成でノッキングを効果的に抑制することができる内燃機関の燃焼制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、燃焼室内に火花点火手段(7)を備える内燃機関(1)の燃焼制御装置において、前記機関に一酸化窒素を供給する一酸化窒素供給手段(21〜23)を有し、前記機関の回転数(NE)、前記機関の負荷を示す機関負荷パラメータ(PBA)、及び前記機関の温度を示す機関温度パラメータ(TW)を含む機関運転パラメータに応じて予め設定されている量(ANOB,ANOCMD)の一酸化窒素を前記機関に供給することにより、前記機関のノッキングを抑制するノッキング抑制手段と、前記機関のノッキングを検出するノッキング検出手段とを備え、前記ノッキング抑制手段は、前記ノッキング検出手段によりノッキングが検出されたときは、前記一酸化窒素の供給量(ANOB,ANOCMD)を増量補正する一方、ノッキングが検出されないときは前記一酸化窒素の供給量を減量補正することを特徴とする。
この構成によれば、機関の回転数、機関負荷パラメータ、及び機関温度パラメータを含む機関運転パラメータに応じて予め設定されている量の一酸化窒素を機関に供給することにより、ノッキングが抑制される。一酸化窒素を燃料及び空気の混合気とともに機関に供給することにより、比較的簡単な構成でノッキングを効果的に抑制することができる。具体的には、ノッキングが検出されたときは、一酸化窒素の供給量が増量補正される一方、ノッキングが検出されないときは一酸化窒素の供給量が減量補正される。これにより、ノッキングの発生状態に応じて一酸化窒素の供給量を最適値に収束させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記ノッキング抑制手段は、前記機関負荷パラメータ(PBA)の増加、及び/または前記機関温度パラメータ(TW)の上昇に対して前記一酸化窒素の供給量(ANOB,ANOCMD)を増加させるかまたは一定量に保持することを特徴とする。
この構成によれば、機関負荷パラメータの増加、及び/または機関温度パラメータの上昇に対して一酸化窒素の供給量を増加させるかまたは一定量に保持される。これにより、機関運転状態の変化に対応した適量の一酸化窒素を供給することができる。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記ノッキング検出手段によりノッキングが検出されたときは、前記火花点火手段による点火時期(IGLOG)を遅角させる点火時期補正手段をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、ノッキングが検出されたときは、火花点火手段による点火時期が遅角される。例えば一酸化窒素の供給量が補正によって上限値に達したときに、点火時期の遅角を行うことにより、粗悪な燃料が使用された場合でもノッキングを抑制することが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記一酸化窒素供給手段は、空気が供給される放電室(24)と、該放電室内において放電を発生させる電極(25)とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、放電室内の電極間での放電によって一酸化窒素が生成され、機関に供給される。放電による一酸化窒素の生成装置を用いることにより、一酸化窒素が充填されたボンベを使用することなく、比較的簡単な構成で一酸化窒素を供給することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からの何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記一酸化窒素供給手段は、一酸化窒素が充填されたボンベ(32)と、該ボンベから一酸化窒素が供給される一酸化窒素噴射弁(31)とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、一酸化窒素が充填されたボンベから一酸化窒素噴射弁を介して、一酸化窒素が機関に供給される。放電による生成装置を用いる場合に比べて、供給量の制御精度を高めることができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 図1に示すNO生成装置の構成を示す図である。 NOを供給することによるノッキング抑制効果を説明するための図である。 NOを供給することによるノッキング抑制効果を説明するための図である。 NOを供給することによるノッキング抑制効果を説明するための図である。 NOを供給することによるノッキング抑制効果を説明するための図である。 NO供給制御処理のフローチャートである。 図7の処理で実行される補正量(ANOCR)算出処理のフローチャートである。 点火時期制御処理のフローチャートである。 図1に示す構成の変形例を示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の構成を示す図であり、例えば4気筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配置されている。スロットル弁3にはスロットル弁開度THを検出するスロットル弁開度センサ4が連結されており、スロットル弁開度センサ4の検出信号は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に供給される。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時期(燃料噴射時期)及び開弁時間(燃料噴射時間)が制御される。エンジン1の各気筒には、点火プラグ7が設けられており、点火プラグ7はECU5に接続されている。ECU5は、点火プラグ7による点火時期を制御する。
スロットル弁3の下流側には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ8、及び吸気温TAを検出する吸気温センサ9が設けられている。エンジン1の本体には、エンジン冷却水温TWを検出する冷却水温センサ10及び非共振型のノックセンサ11が装着されている。センサ8〜11の検出信号は、ECU5に供給される。ノックセンサ11としては、例えば5kHzから25kHzまでの周波数帯域の振動を検出可能なものが使用される。
吸気管2のスロットル弁3の上流側には、吸入空気流量GAを検出する吸入空気流量センサ13が設けられており、その検出信号はECU5に供給される。さらに大気圧PAを検出する大気圧センサ14がECU5に接続されており、その検出信号がECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1のクランク軸及びカム軸(図示せず)の回転角度を検出する回転位相センサ12が接続されており、クランク軸及びカム軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。回転位相センサ12の出力信号に基づいて、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出が行われる。
吸気管2のスロットル弁3の下流側には、通路21を介して一酸化窒素(以下「NO」という)生成装置22が接続されており、通路21にはNO流量を制御するNO流量制御弁23が設けられている。NO生成装置22は、図2に示すように、放電室24と、放電室24に設けられた放電電極対25と、放電電極対25に電力を供給する高圧電源26と、放電室24の出力側に設けられたヒータ27とを備えている。ヒータ27には図示しないバッテリから電力が供給される。
NO生成装置22は、設定される時間間隔で、放電電極対25によってアーク放電を発生させることにより、NOを生成する。NO流量制御弁23はECU5に接続されており、ECU5によってデューティ制御される。したがって、通路23を介して吸気管2にNOが供給され、その供給量はECU5によって制御される。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、該CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路(メモリ)、燃料噴射弁6、点火プラグ7、及びNO流量制御弁23に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
本実施形態では、NOをエンジン1に供給することによってノッキングを抑制する制御が行われるので、図3〜図6を参照して、NOを供給することによるノッキング抑制効果を説明する。図3〜図6に示す測定データは、データ測定の便宜及び測定精度を考慮して、実験用単気筒エンジンを使用して得られたものである。これらの図において横軸はクランク角度(圧縮上死点を0度とする)、縦軸は筒内圧PCYLを示し、曲線LMは、空気のみを供給した場合のいわゆるモータリング波形を示している。また、実線はNOを供給した場合の特性を示し、破線は比較のために窒素ガス(N2)を供給した場合の特性を示し、図4〜図6に示す一点鎖線はNO及び窒素を供給しない(燃料と空気の混合気のみ)の場合の特性を示す。エンジン回転数及び吸気温の設定は、600rpm及び50℃としており、図3〜図6のすべてに共通である。窒素を供給している状態は排気還流を行っている状態に近いと考えられる。
図3は、圧縮比εが9.3で、燃料A(オクタン価100に調整された燃料)を使用した場合の特性を示し、各曲線L1〜L4の設定条件は図中の表に示す通りである。破線L3,L4で示す特性では、ノッキングが顕著に発生しているが、実線L1,L2で示す特性では、抑制されていることが確認できる。
図4は、圧縮比εが12で、燃料B(オクタン価90に調整された燃料)を使用した場合の特性を示し、各曲線L11〜L16の設定条件は図中の表に示す通りである。一点鎖線L15,L16、破線L14、及び実線L12で示す特性では、ノッキングが顕著に発生し、破線L13及び実線L1で示す特性では、ノッキングが抑制されていることが確認できる。ただし、破線L13で示す特性では、顕著ではないがノッキングが発生していることを音によって確認可能な状態であるのに対し、実線L1で示す特性ではノッキングが発生しない。
図5は、圧縮比εが14で、燃料Bを使用した場合の特性を示し、各曲線L21〜L23の設定条件は図中の表に示す通りである。一点鎖線L23及び破線L22で示す特性では、ノッキングが顕著に発生しているが、実線L21で示す特性では、抑制されていることが確認できる。図示はしていないが、NOの濃度を高めるとノッキングの発生を防止可能であることが確認されている。
図6は圧縮比εが14で、燃料Aを使用した場合の特性を示し、各曲線L31〜L33の設定条件は図中の表に示す通りである。一点鎖線L33で示す特性では、ノッキングが顕著に発生しているが、破線L32及び実線L31で示す特性では、抑制されていることが確認できる。ただし、破線L32で示す特性では、顕著ではないがノッキングが発生していることを音によって確認可能な状態であるのに対し、実線L31で示す特性ではノッキングがほぼ完全に抑制されている。この場合も図示はしていないが、NOの濃度を高めるとノッキングの発生を防止可能である。
以上のようにエンジンにおいて燃焼する混合気中にNOを添加することにより、ノッキングを抑制することが可能であり、その理由は概略以下のように推定される。
炭化水素ラジカルを「R」で表すと、NOを添加しない通常の低温酸化反応では、RO2が生成され、この過酸化物は異性化反応が起きやすいために、ノッキングが発生する。一方、NOを添加する低温酸化反応では、下記式(1)で示す反応が行われて、RO2がROに変化する。ROは低温度域では異性化反応が起きにくいために、ノッキングが抑制される。
NO+RO2 → NO2+RO (1)
図7は、本実施形態におけるNO供給制御処理のフローチャートである。この処理は、ECU5において例えば所定時間ごとに実行される。
ステップS11では、エンジン運転パラメータ、具体的にはエンジン回転数NE、吸気圧PBA、及びエンジン冷却水温TWに応じて予め設定されているNO量マップを用いて、基本NO供給量ANOB及び上限量ANOMAXを算出する。NO量マップは、吸気圧PBAが増加するほど基本NO供給量ANOBが増加し、エンジン冷却水温TWが上昇するほど基本NO供給量ANOBが増加するように設定されており、上限量ANOMAXも同様に設定されたマップを用いて算出される。なお、エンジン回転数NEの変化に対してNO量をどのように設定するかは、他の運転パラメータの値に依存して変化するため、一律に決定することはできない。
ステップS12では、図8に示すANOCR算出処理を実行し、補正量ANOCRを算出する。
図8のステップS21では、ノッキング検出フラグFKNOCKが「1」であるか否かを判別する。ノッキング検出フラグFKNOCKは、図示しないノッキング判定処理において、ノックセンサ11の出力に基づいてノッキングが発生したと判定されると「1」に設定され、発生していないと判定されたときは「0」に設定される。
ステップS21の答が肯定(YES)であってノッキングが発生したときは、下記式(2)により、補正量ANOCRを増加方向に更新する(ステップS22)一方、ステップS21の答が否定(NO)であるときは、下記式(3)により、補正量ANOCRを減少方向に更新する(ステップS23)。これらの式のDANOは、比較的小さな値に設定される所定更新量である。補正量ANOCRは、イグニッションスイッチオフ後も保持され、次にイグニッションスイッチがオンされたときに、初期値として使用される。
ANOCR=ANOCR+DANO (2)
ANOCR=ANOCR−DANO (3)
図7に戻り、ステップS13では、基本NO供給量ANOB及び補正量ANOCRを下記式(4)に適用し、NO供給指令量ANOCMDを算出する。
ANOCMD=ANOB+ANOCHR (4)
ステップS14では、NO供給指令量ANOCMDが上限量ANOMAXより大きいか否かを判別し、この答が否定(NO)であるときは、NO量上限フラグFNOMAXを「0」に設定し(ステップS16)、ステップS17に進む。ステップS14の答が肯定(YES)であるときは、NO供給指令量ANOCMDを上限量ANOMAXに設定するとともに、NO量上限フラグFNOMAXを「1」に設定する(ステップS15)。
ステップS17では、NO供給指令量ANOCMDに応じてNO流量制御弁23の制御デューティDUTを算出する。算出された制御デューティDUTの駆動信号がNO流量制御弁23に供給される。
図9は点火プラグ7による点火時期を制御する処理のフローチャートである。この処理は、回転位相センサ12から出力されるTDCパルスに同期して実行される。TDCパルスは、エンジン1のクランク軸が180度回転する毎に出力される。
ステップS31では、エンジン運転状態に応じて最適点火時期IGMBTを算出する。最適点火時期IGMBTは、エンジン1の出力トルクを最大とする点火時期であり、具体的にはエンジン回転数NE及び吸気圧PBAに応じて設定されたマップを検索することにより算出される。
ステップS32では、吸気温TA、エンジン冷却水温TW、及び大気圧PAに応じて環境補正値IGCRを算出する。ステップS33では、NO量上限フラグFNOMAXが「1」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、ノッキング補正値IGKNOCKを「0」に設定し(ステップS35)、ステップS36に進む。
ステップS33の答が肯定(YES)であって、NO供給指令量ANOCMDが上限量ANOMAXに設定されているときは、ステップS34において、ノッキング補正値IGKNOCKを算出し、ステップS36に進む。ノッキング補正値IGKNOCKの算出には公知の手法が適用され、ノッキング検出フラグFKNOCKが「1」であるときは増加方向に更新する一方、ノッキング検出フラグFKNOCKが「0」であるときは減少方向に更新することによって、算出される。
ステップS36では、下記式(5)に最適点火時期IGMBT、環境補正値IGCR、及びノッキング補正値IGKNOCKを適用し、点火時期IGLOGを算出する。
IGLOG=IGMBT+IGCR−IGKNOCK (5)
点火時期IGLOGは圧縮上死点からの進角量として定義され、ノッキング補正値IGKNOCKが増加するほど、点火時期IGLOGは遅角される。
以上のように本実施形態では、エンジン回転数NE、吸気圧PBA、及びエンジン冷却水温TWに応じて予め決定されている量のNOをエンジン1に供給することにより、ノッキングが抑制される。NOを燃料及び空気の混合気とともにエンジン1に供給することにより、比較的簡単な構成でノッキングを効果的に抑制することが可能となる。
また吸気圧PBAの増加、及びエンジン冷却水温TWの上昇に対して一酸化窒素の供給量が増加するように設定されるので、エンジン運転状態の変化に対応した適量のNOを供給することができる。
またノッキングの検出結果を示すノッキング検出フラグFKNOCKに応じて補正量ANOCRが算出され、補正量ANOCRによって基本NO供給量ANOBが補正されるので、ノッキングの発生状態に応じた適量のNOをエンジン1に供給することができる。
より具体的には、ノッキングが検出されたときは、補正量ANOCRが増加方向に更新される一方、ノッキングが検出されないときは補正量ANOCRが減少方向に更新されるので、ノッキングの発生状態に応じてNO供給量を最適値に収束させることが可能となる。
またNO供給指令量ANOCMDが上限量ANOMAXに達した状態でもノッキングが発生するときは、点火時期IGLOGの遅角補正が行われるので、例えば粗悪な燃料が使用された場合でもノッキングを抑制することが可能となる。
またNO生成装置22によれば、放電室24内の放電電極対25間での放電によってNOが生成されので、比較的簡単な構成で、NOが充填されたボンベを使用することなくNOを供給することができる。
本実施形態では、点火プラグ7が火花点火手段に相当し、NO生成装置22、通路21、NO流量制御弁23、及びECU5が一酸化窒素供給手段を含むノッキング抑制手段を構成し、ノックセンサ11及びECU5がノッキング検出手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、図10に示すように、図1のNO生成装置22に代えて、NOが充填されたNOボンベ32を用いてNOをエンジン1に供給するようにしてもよい。
図10において、吸気管2の燃料噴射弁6より少し上流側には、NO噴射弁31が設けられており、NO噴射弁31は通路33を介してNOボンベ32に接続されている。NOボンベ32から通路33及びNO噴射弁31を介して吸気管2にNOが供給される。NO噴射弁31はECU5に接続されており、ECU5によってその作動が制御される。
この変形例によれば、NOボンベ32からNO噴射弁31を介して、NOが供給されるので、放電によるNO生成装置22を用いる場合に比べて、NO供給量の制御精度を高めることができる。本変形例では、NOボンベ32、通路33、NO噴射弁31、及びECU5が一酸化窒素供給手段を含むノッキング抑制手段を構成する。
また上述した実施形態では、吸気圧PBAが増加するほど基本NO供給量ANOBを増加させ、エンジン冷却水温TWが上昇するほど基本NO供給量ANOBを増加させるように設定したが、吸気圧PBA及びエンジン冷却水温TWの何れか一方または両方が変化しても基本NO供給量ANOBを一定値に維持するようにしてもよい。
また負荷パラメータとしては、吸気圧PBAに代えて、スロットル弁開度TH、吸入空気流量GAなどを用いてもよく、またエンジン1の潤滑油温度TOILを検出し、潤滑油温度TOILを、エンジン冷却水温TWに代えて機関温度パラメータとして用いてもよい。
1 内燃機関
2 吸気管
5 電子制御ユニット(ノッキング抑制手段、ノッキング検出手段)
6 燃料噴射弁
7 点火プラグ(火花点火手段)
8 吸気圧センサ
10 エンジン冷却水温センサ
11 ノックセンサ(ノッキング検出手段)
12 回転位相センサ
22 NO生成装置(一酸化窒素供給手段)
23 NO流量制御弁(一酸化窒素供給手段)
24 放電室
25 放電電極対
31 NO噴射弁(一酸化窒素供給手段)
32 NOボンベ(一酸化窒素供給手段)

Claims (5)

  1. 燃焼室内に火花点火手段を備える内燃機関の燃焼制御装置において、
    前記機関に一酸化窒素を供給する一酸化窒素供給手段を含み、
    前記機関の回転数、前記機関の負荷を示す機関負荷パラメータ、及び前記機関の温度を示す機関温度パラメータを含む機関運転パラメータに応じて予め設定されている量の一酸化窒素を前記機関に供給することにより、前記機関のノッキングを抑制するノッキング抑制手段と、
    前記機関のノッキングを検出するノッキング検出手段とを備え、
    前記ノッキング抑制手段は、前記ノッキング検出手段によりノッキングが検出されたときは、前記一酸化窒素の供給量を増量補正する一方、ノッキングが検出されないときは前記一酸化窒素の供給量を減量補正することを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記ノッキング抑制手段は、前記機関負荷パラメータの増加、及び/または前記機関温度パラメータの上昇に対して、前記一酸化窒素の供給量を増加させるかまたは一定量に保持することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記ノッキング検出手段によりノッキングが検出されたときは、前記火花点火手段による点火時期を遅角させる点火時期補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項またはに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 前記一酸化窒素供給手段は、空気が供給される放電室と、該放電室内において放電を発生させる電極とを備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 前記一酸化窒素供給手段は、一酸化窒素が充填されたボンベと、該ボンベから一酸化窒素が供給される一酸化窒素噴射弁とを備えることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
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