JP5841106B2 - 拡大流れを利用した船舶用マグナス揚力発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、風力を利用した船舶の航行及び係留のための推進力発生装置に関する。
マグナス効果により風から揚力を生み出す回転駆動する円筒(以下「ローター」という)と該ローターを装備した船舶(以下「ローター船」という)が約一世紀前に発明された。その後、急速に発達した内燃機関が大型船舶の動力を担ったことでローター船の技術開発は長期にわたり停滞したが、近年の燃油高騰や地球環境問題を契機に、内燃機関を主動力、ローターに生じる揚力を補助動力とするローター船が再び建造されるようになった。
ローター船が推進する上でローターが効果的に揚力を生み出すには最適な風向と十分な風速が必要であるが、自然界の気象環境の中では風が季節、海域あるいは朝夕でも大きく変化し、従ってローターの揚力出力も安定せず、ローター船がその特徴である燃費効率の良さを十分発揮できていないのが現状である。
風力を船の推進力に生かす技術開発が進まない最大の理由は、風が常に変化し数量的に捕捉することが難しい上に、期待される安定した風向と風速が得難いことにあるのは明らかである。しかし、近年開発されているローター船に搭載されるローター(特許文献1参照)も、立設した円筒を水平に回転駆動させて揚力を生み出す基本構造は発明当時から変わっていない。
また、船体の一部を円筒構造とし、該円筒の両側面の風速の違いから揚力を生み出す技術(特許文献2参照)、あるいは回転自在の円筒を風によって回転することで揚力を生みだす帆走装置(特許文献3参照)のように、風によって円筒に生み出される揚力を船の推進力として利用しようとする技術が提案されているが、いずれも、生み出される揚力を船舶の推進力とするには揚力の出力性能をはじめ多くの課題が残っている。
風力を推進力に利用できるローター船には大きな期待と同時に高い燃費効率が求められており、自然界の不安定な風からできる限り大きな揚力を安定的に生み出すローター構造の開発が大きな課題となっている。
特開2011−121586(図1) 特開2005−225271 特開2011−098664
「図解によるわかりやすい流体力学」、森北出版株式会社、2010、P126「マグナス効果とクッタ・ジューコフスキーの定理」
ローター船のローターが低風速でも大きな揚力を生み出せるローターの構造と、該ローターが生み出す揚力が、様々な風速水準において常に最大化を可能とする技術を提案する。
請求項1に記載のマグナス揚力発生装置は、回転駆動するローターと風とのマグナス効果によって該ローターに生じる揚力を推進力に用いるローター船に搭載されるマグナス揚力発生装置であって、円筒状のローターと、円盤状のターンテーブルと、二枚の平面ブレードと、により構成される。
前記のローターは、水平面に対し軸心方向が垂直となるよう立設され、ローター駆動用モーターによって、軸心を中心に時計回り、反時計回りのいずれにも回転可能な構造を有し、風の流れと同方向に回転するローター側面部における風とローター表面の相対速度をローターの回転速度制御によって最小化する仕組みを有することを特徴とする。
前記のターンテーブルは、垂直のローターの底部に水平に設置され、ローターと共通の回転中心を有し、ローターの回転とは独立した回転を可能とするターンテーブル駆動用モーターを有することを特徴とする。
前記の二枚の平面ブレードは、前記ターンテーブルに前記ブレードの長手方向が垂直に立設され、二枚のブレードがローターを両側から挟むように、ブレードの略先端部をローターの側面と所定の距離を持たせて近接させて設置されることを特徴とする。
この構成によって、ターンテーブルに乗った平面ブレードは、風向の変化に合せてローターが効果的に揚力を生み出せる位置まで回転移動し、風のエネルギーを効果的に揚力に変換することが可能となる。
請求項2に記載のマグナス揚力発生装置は、請求項1記載のマグナス揚力発生装置において、平面ブレードの後端部をローターの反対側に反らせて曲面とすることを特徴とするものである。
請求項3に記載のマグナス揚力発生装置は、請求項1記載のマグナス揚力発生装置において、平面ブレードの後端部を可動式フラップとするものであり、各フラップは相互に連動、あるいはそれぞれ独立した可動が可能である。
請求項4に記載のマグナス揚力発生装置は、請求項1乃至3の何れかに記載のマグナス揚力発生装置において、風がブレードとローターの間にスムースに流れ込み易くするために、平面ブレードの前端部をローターの反対側に反らせて曲面構造にするものである。
請求項5に記載のマグナス揚力発生装置は、請求項1乃至4の何れかに記載のマグナス揚力発生装置において、ブレードの耐候性の向上を図るため、ブレード上端部にフランジを設けるものである。この場合、フランジの下面に回転自在のローター軸心受けを設けてローターとフランジを連結することで、ブレードはフランジを介してローターと連結されるため、ブレードの耐候性はさらに向上することが期待できる。
請求項6に記載のマグナス揚力発生装置は、請求項1乃至5の何れかに記載のマグナス揚力発生装置において、ブレードの耐候性向上を図るためにブレードの基部と上端部の間にブレード連結翼を設けるものである。
さらに本発明にかかる請求項7の船舶及び浮遊式海洋構造物は請求項1乃至6のいずれかに記載のマグナス揚力発生装置を有することを特徴とする。
ローターにブレードを付けることによって、マグナス効果によってローターに生じる揚力の大きさに関わるローター側面風速を増速させることが可能となり、この増速された側面風速にローターの回転数制御によってローター周速をシンクロ状態にすることで、ブレードの付かない従来のローターに比べ、より低い風速からでも船の推進に有効な揚力を得ることが可能となる。
マグナス効果によってローターには風向に垂直な方向に揚力が生じる。したがってローター船の場合、風速が同じであればローターに当たる風は進行方向に対し真横からの風が最適となる。一方、船の真正面からの風によって生み出される揚力は船の進行方向に対して真横を向くことになる。つまり、従来のローター船は、風が目的地の方向から船に向かって吹く場合、ヨットなどの帆船と同様に目的地に直進することはできない。
しかし、ローターにブレードを付けることによって、風の来る方向に垂直に生じる揚力の向きを目的地の方向に傾斜させることが可能となる。この機能によって、従来のローター船に比べてより短い航路選択が可能となるだけでなく、このローターを複数設置することで風が目的地の方向から船に向かって吹く場合にも目的地に直進が可能となり、全ての風向が推進力に活かせることによって風を利用した定位置での係留も可能となる。
マグナス効果の構造 時計回りに回転駆動するローター表面を6分割(a・b・c・d・e・f)して各区域に分割されたローター表面の中央部(o・p・q・r・s・t)におけるローター表面周速とローター側面風速の相対速度を模式的に表わした図 円筒周辺の風速が平面ブレードによって増速する模式図 風速増速機能を有するブレードの平面図 (a)平面ブレードの後端部を曲面化 (b)平面ブレードの後端部をフラップ化 (c)平面ブレードの前端部を曲面化 (d)平面ブレード前端部と後端部をともに曲面化 平面ブレードにフランジ、ブレード連結翼を付けてブレード強度を高めたローターの斜視図 平面ブレードの一部の形状を変えたローターの斜視図 (a)ブレード後端部を曲面化したローター(ブレード連結翼付き) (b)ブレード後端部をフラップ化したローター ブレード付きローターを設置したローター船 (a)平面図 (b)斜視図 ブレードの向きと風の流れの向きの傾斜が揚力の発生方向に及ぼす影響を示す模式図 (a)風の流れの向きにブレードを向けた場合 (b)風の流れの向きとブレードの向きに傾斜がある場合 ブレード付きローターを複数組み合わせることで船舶等が真っ直ぐ風上に進む推進力を生む仕組み図
マグナス効果については、回転駆動する円筒が粘性を有する流体中を一定速度で移動または一様流中に置かれた場合、円筒に接する流体の粘性によって回転運動に引きずられ移動方向または一様流に対して垂直な力が発生すると一般的に説明されている(図1)。
ローターに風が当たる際、ローターには少なくとも▲1▼流れの向きに生じる抗力、▲2▼ローターの回転駆動によって生じる遠心力、▲3▼風がローター側面で増速し、気圧が低下することでローター表面に生じる内側から外側に向かう負圧、▲4▼ローター表面と風が作り出すローター表面の外側から内側に向かう正圧、の4つの力が生じると考えられる。
このうち、抗力は円筒の回転駆動なしに風のみによっても生じ、また遠心力は無風でも円筒の回転駆動のみによって生じるため、いずれも風と回転駆動する円筒の相互作用から生じるマグナス効果との関係は薄く、マグナス効果としてローターに生じる揚力の主体は、ローター表面に生じる負圧と正圧であると考えられる。
図2は、ローター側面風速(ローター表面の境界層の外側を流れる風の速度であり、ローター表面との摩擦に影響されない風速)とローターの表面周速との速度差(以下「相対速度」という)のローター側面の位置とローターに生じる揚力の向きとの関係について、ローターが時計回りに回転する場合を例に、模式的に表わしたものである。この図から、マグナス効果による揚力の向きは、相対速度の大きい側面部(図の左側面:a・b・c)から相対速度の小さい側面部(図の右側面:d・e・f)に向かう向きと重なっていることは明らかである。
また、マグナス効果において風速の上昇は揚力を増大するとされているが(非特許文献1参照)、風速の上昇はローターの左側面部の相対速度も上昇させる。このことは左側面部の相対速度の上昇が揚力の上昇に大きく関わることを示すものであり、さらには左側面部の相対速度の上昇が揚力の主体となる左側面部の正圧、負圧の増減に影響を及ぼしていることを示すものである。(図2)
これらのことは、ローター表面における相対速度の大きさと分布の制御が、マグナス効果による揚力の大きさと方向の制御を可能にすることを示すものであり、従ってローターの揚力出力の増大には、第一に風の流れの向きに回転するローター側面部における相対速度の最小化、第二に風の流れの向きと反対向きに回転するローター側面部における相対速度の最大化がカギとなる。(図2)
第一の課題である風の流れと同方向に回転するローター側面部における相対速度の最小化には、ローター側面風速とローター表面周速を一致(以下「シンクロ」という)させることが必要である。具体的には、ローターの回転速度を制御する機構をローター駆動用モーターに連結し、常時、ローター右側面部における相対速度をできるだけ小さくするよう制御することが必要である。(図2)
ローター側面風速は、ローター表面の境界層の外側を流れる風であり、ローターの曲面にそって流れるため、図2のローターの右側面部(d・e・f)ではsにおける境界層の外側を通過する風速(以下「SW」という。また他のo・p・q・r・tにおける境界層の外側を通過する風速を「OW」、「PW」、「QW」、「RW」、「TW」という。)が最速となり、ローター左側面部(a・b・c)ではPWが最速となる。
図2のローター右側面部のRW、SW、TWは少しずつ異なるため、最速のSWをもとにローター周速をシンクロさせるとローター周速がRW、TWを上回り、RW又はTWを基にローター周速をシンクロさせるとSWがローター側面風速を上回る。従って、ローター右側面部の全エリアの相対速度の最小化にはローター周速をSW(最大値)とRWあるいはTW(最小値)の間にある最適な速度に常時制御する必要がある。
しかし、自然界の風速は数秒単位でも大幅に変化するものであり、風速の正確な捕捉技術、ローター周速をシンクロさせる追従技術ともに確立できていないのが現状である。したがって実際には、SWの測定値から単位時間当たり平均風速を算出し、該平均風速を基準に一定の減速率を乗じた風速をシンクロ風速として位置付けることで効果的なシンクロが可能である。
第二の課題である風の流れの向きとは反対向きに回転するローター側面部における相対速度の最大化には、図2においては、左側面部のローター表面周速の増速とローター側面風速の増速が必要である。仮に、ローターの回転速度を上げて左側面部のローター表面周速の増速だけを行うと、右側面部においてローター表面周速がローター側面風速を上回ってしまい、第一の課題である右側面部の相対速度を最小に維持できなくなる。このため、左側面部のローター表面周速の増速は、同時に左側面部のローター側面風速の増速を伴わなければならない。つまり、左側面部の相対速度の最大化にはローター側面風速(左右両方)の増速が不可欠となる。
具体的には、水平面に対し軸心の方向が垂直に設置されるローターの底部に、ローターと共通の位置に回転中心を持ち、ターンテーブル駆動用モーター(24)を有するターンテーブル(20)を水平に設け、2枚のローター側面風速増速ブレード(8)(以下「ブレード」という。)をターンテーブル上に垂直に、ブレード前端部(9)はローターの側面と所定の距離に近接させ、ローターを両側から挟むように立てる。(図5・図6)
ターンテーブル(20)は直接、あるいはギア(25)やベルトを介してターンテーブル駆動用モーター(24)に連結し、ブレードは、ターンテーブルの回転によって風向に応じて最適な向きに制御される。(図5)
ブレードが付かないローターのにおいて、風はローター側面部を通過し、ローターの背後に回り込んで両側面からの風が合流する(図1)が、ブレードを付けることで風はブレードで仕切られてブレードの外側にそって流れる。(図3)
一方、ローター側面とブレードは、前方が狭く後方に行くに従い広くなることで拡大流れが生じる空間(以下「拡大流れ空間」という。)を形成する。拡大流れ空間の前部では圧力が低く流れが速くなり、後部では圧力が高く流れは遅くなる。しかしローター側面とブレードが作り出す拡大流れ空間(12)では、この拡大流れ空間の後部で遅くなった風速が、拡大流れ空間の後方でブレード外側を流れる風に合流して再増速されるため、拡大流れ空間の風速も増速される。(図3)
ブレードは、その後端をローターと反対方向にカーブする曲面形状(図4a)にすると、平面のブレードに比べ拡大流れ空間後方の圧力低下を促進し、この圧力低下が拡大流れ空間の後部で高くなった圧力を低下させるため、拡大流れ空間の風速はさらに増速される。
一方、このブレード後端の曲面構造は、風の流れに平行状態にした平面ブレードに比べると風による抗力を生じやすく、ローター船においては進路前方から吹いてくる風の場合にはこの抗力が前進のブレーキとなり易い。そこで、ブレード後端を曲面の代わりに可動式のフラップ(19)にすることで、風向きに応じて使い分けすることが可能となる。(図4b)
また、ブレード前端をローターと反対側に反らせることで、ブレード前端の開口部からの風の流入をよりスムースにする効果が期待できる。(図4c)
また、ブレードは拡大流れ空間を形成するために形状の維持が不可欠であり、2枚のブレードを連結するためのフランジ(21)をブレード最上部に設け、あるいはブレード連結翼(22)を設けることでブレード強度を確保する。(図5)
ブレード前端の位置、ブレードの幅はともに拡大流れ空間の形成にとって重要である。拡大流れが始まるのはブレードの前端部、あるいはローター側面との最接近ポイント(MP)がブレード前端より後方の場合は該最接近ポイントからであり、該最接近ポイント周辺部の空間を中心にその周辺域の風速が増速する(以下「増速エリア」という。)。(図3)なお、ブレードの幅のうち最接近ポイントからブレード前端までの幅(15a)については大き過ぎると縮小流れ空間を形成して、後方の拡大流れ空間の機能を妨げる可能性があるため、15a>15bとすることが必要である。
2つの増速エリア(13)の中央を結ぶラインがローター回転軸(4)から離れ過ぎると、発生する揚力がローターの回転軸に作用し難くなるため、増速エリアはローター回転軸を挟んで向かい合って形成されることが重要であり、増速エリアの位置を決める最接近ポイントもローター回転軸を挟んで向かい合って配置される必要がある。(図3)
通常、ターンテーブルを回転させて、ブレードの向きをローターに当たる風の流れに沿うように(平面ブレードの場合は風向に平行に)調整することでブレードの増速機能は最大化し、増速された側面の風速を基準にローター周速をシンクロさせることで、発生する揚力も最大化が可能となる。(図8a)しかし、ブレードの向きを、風の来る方向を基準に船の進行方向に対し横方向(進行方向に対し90度の方向)側に傾斜(29)させることで(図8b)、揚力の向きを船の進行方向側に向かせることができる。このブレードの向きと風向との傾斜角(29)は大きすぎると2つの拡大流れ空間が適正に機能しなくなるため、適正範囲は最大でも15度程度であるが、進行方向前方からの風に対しては、このブレードの向きの僅かな傾斜によって、図8におけるローターに生じる揚力(3)の大きさがb3<a3であっても、揚力の前進成分(28)においてはb28>a28とすることが可能となる。従って、従来のブレードの付かないローターを有するローター船が選択し難い風上に対しても航路を採りやすくなり、風の状況に応じた適確な航路選択に役立つ。
また、従来のローターは風向に対して垂直方向の揚力を生むだけであり、複数のローターを設けても進行方向正面からの向かい風に直進する推進力は得られない。図9は進行方向正面からの向かい風の中を進む、ブレード付ローターを4基設置した船舶の例である。この4基のブレード付ローターのうち、a・b・dの各ローターのブレードは風向に対しやや左側に傾斜させ、時計回りに回転させる。またcローターのブレードは風向に対しやや右側に傾斜させ、反時計回りに回転させる。この場合、a・b・dの各ローターの生み出す揚力(3)は何れも進行方向に対し右前方を向き、cローターの揚力は左前方を向くことになる。4基のローターのうち、3基(ローターa・b・d)の揚力の右側を向く成分とローターCの揚力の左側を向く成分をローター出力を制御することで相殺することで船舶には左又は右方向への余分な推進力は生まれず、各ローターに生じる揚力の前進成分(28)によって風に正面から向かうことが可能となる。従って、ブレード付ローターを複数搭載した船舶は、風の来るあらゆる方向に進行可能になり、この特性によって洋上での係留も可能となる。
1 ローター
2 ローター表面
3 揚力
4 ローター回転軸
5 ローター表面周速
6 ローター側面風速
7 ローター側面風速とローター表面周速の相対速度
8 ブレード
9 ブレード前端部
10 ブレード後端部
11 ブレード開口部のブレードとローター表面との最接近距離
12 拡大流れ空間
13 増速エリア
14 ブレード後端から回り込む風
15 ブレード幅(aはブレード幅のうち最接近ポイントから後端までの幅)
16 ブレードと拡大流れ空間を形成するローター側面
17 ブレード平面部
18 ブレード曲面部
19 フラップ
20 ターンテーブル
21 フランジ
22 ブレード連結翼
23 ローター駆動用モーター
24 ターンテーブル駆動用モーター
25 ギア
26 船首
27 ブレードの向き
28 揚力のうち前進成分
29 ブレードの向きと風向との傾斜角
30 ローター回転方向
W 風の向き
MP 最接近ポイント

Claims (7)

  1. 回転駆動するローターと風とのマグナス効果によって該ローターに生じる揚力を推進力に用いるローター船に搭載されるマグナス揚力発生装置であって、円筒状のローターと、円盤状のターンテーブルと、二枚の平面ブレードと、により構成され、
    前記ローターは、水平面に対し軸心方向が垂直方向に立設され、ローター駆動用モーターによって、軸心を中心に時計回り、反時計回りのいずれにも回転可能な構造を有し、風の流れと同方向に回転するローター側面部における風とローター表面の相対速度をローターの回転速度制御によって最小化する仕組みを有し、
    前記ターンテーブルは、前記ローターの底部に水平に設置され、前記ローターの回転とは独立して回転を可能とするターンテーブル駆動用モーターを有し、
    前記の二枚の平面ブレードは、前記ターンテーブルに前記ブレードの長手方向が垂直に立設され、二枚のブレードがローターを両側から挟むように、ブレードの前端部をローターの側面と所定の距離を持たせて近接させて設置し、
    前記ブレードが、ローターが効果的に揚力を生み出せる位置まで回転移動させることで、風の有するエネルギーを効果的に揚力に変換することを可能とすることを特徴とするマグナス揚力発生装置
  2. 前記ブレードの後端部をローターの反対側に反らせて曲面とすることを特徴とする請求項1に記載のマグナス揚力発生装置
  3. 前記ブレードの後端部を可動式フラップとすることを特徴とする請求項1に記載のマグナス揚力発生装置
  4. 前記ブレードの先端部をローターの反対側に反らせて曲面とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のマグナス揚力発生装置
  5. 前記ブレードの上端部にフランジを設けてブレードを繋ぎ、耐候性の向上を図った請求項1乃至4の何れかに記載のマグナス揚力発生装置
  6. ブレードの耐候性の向上を図るためブレードの基部とブレードの上端部の間にブレード連結翼を設けることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のマグナス揚力発生装置
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載のマグナス揚力発生装置を設置した船舶及び浮遊式海洋構造物
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