JP2009286345A - 地面効果翼、回転翼、回転翼機、および固定翼機 - Google Patents

地面効果翼、回転翼、回転翼機、および固定翼機 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、低速で十分な地面効果が得られる地面効果翼、および前記地面効果翼を供える、航空機、回転翼機、地面効果翼機を提供することを目的とする。
【解決手段】所定の方向に沿って進行することによって揚力を発生する主翼1と、前記方向に沿って主翼1の前方に位置し、前記方向に進行することによって主翼1の下方に気流を導入する前縁フラップ翼10と、を備える地面効果翼。
【選択図】図1

Description

本発明は、地面効果翼、回転翼、回転翼機、および固定翼機に係り、特に、低速で高い揚力を得ることのできる地面効果翼、および前記地面効果翼を供える回転翼、回転翼機、および固定翼機に関する。
航空機において地面効果を利用すると、少ないエネルギーで浮上走行できる。そこで、地面効果を利用した航空機である地面効果翼機や地面効果翼船はこれまで各種開発されてきた。
このような地面効果翼機や地面効果翼船としては、たとえば、双胴の左側船体と右側船体との間を前後に複数の主翼で連結すると共に、これら各主翼が船体の静止水面よりも十分高い位置に配設されている地面効果翼船(特許文献1)がある。
また、胴部と、同胴部の両側に設けられた地面効果翼としての主翼と、同主翼の下方に形成される空間に地面効果用の高圧空気を供給可能な高圧空気発生手段と、推進器と、同推進器を駆動するためのエンジンとを備え、上記主翼の翼面積よりも小さい翼面積を持ち、地面効果翼としての機能を備えた左右一体の前翼が、上記胴体の両側で上記の主翼の前方の低い位置に取り付けられている地面効果翼機(特許文献2)もある。
更に、軌道上を高速で走行するエアロトレインの構想があり、実用化を目指して開発中である。
エアロトレインの一例としては、トンネル内の周囲が閉鎖された飛行路を、地面効果が作用する程度の高さに浮上して飛行する飛行体であって、アスペクト比を1以下にすると共に、揚力/抗力を10以上にし、更に、主翼5の翼端面を略垂直な平面となし、前記飛行路の側壁に対して翼端板を正の迎角に設定し、飛行路の側壁との間で側壁効果による飛行路中心方向への軌道修正力が生じるようにしたトンネル内飛行体がある(特許文献3)。
また、円筒状チューブ内を飛行する地面効果輸送機として、胴体の重心前方と重心後方の下部に平面翼を取り付け、その平面翼のやや後方の胴体の上方に、部分円環翼を、垂直安定板を介して取り付け、パワープラントとプロペラとを、パワープラント支持部兼水平安定翼を介して胴体の中央部の左右に対照的に取り付けた地面効果輸送機であって、円筒状チューブ内に設置した地面効果板上を非接触で飛行するものがある(特許文献4)。
特開平5−294277号公報 特開平4−024159号公報 特開2000−052974号公報 特開平7−137629号公報
しかしながら、これらの地面効果翼機や地面効果翼船、エアロトレインは、何れも荷重数十トンから数百トンの大型であり、十分な地面効果を得るためには500km/hr程度の高速飛行をする必要がある。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、従来の地面効果翼機や地面効果翼船、エアロトレインよりも低速で十分な地面効果が得られる地面効果翼、および前記地面効果翼を供える、航空機、回転翼機、地面効果翼機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、所定の方向に沿って進行することによって揚力を発生する主翼と、前記方向に沿って前記主翼の前方に位置し、前記方向に進行することによって前記主翼の下方に気流を導入する前縁フラップ翼と、を備える地面効果翼に関する。
前記地面効果翼が前記方向に進行すると、主翼と地面または水面との間に高圧部が形成されるとともに、前記前縁フラップ翼によって前記高圧部に気流が送り込まれる。これによって前記高圧部の圧力は上昇するから、主翼に作用する揚力は増大する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の地面効果翼において、前記前縁フラップ翼が、2またはそれ以上設けられているものに関する。
前記地面効果翼が前記方向に進行すると、夫々の前縁フラップ翼によって主翼の下面の高圧部に気流が送り込まれるから、前記前縁フラップ翼を1つのみ有する地面効果翼と比較して主翼に作用する揚力をより大きく増大させることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の地面効果翼において、前縁フラップ翼の翼弦長をL、主翼と、主翼に最も近い前縁フラップ翼との間隔をtとすると、L/t≧2であるものに関する。
前記地面効果翼においては、L/t<2である地面効果翼と異なり、前縁フラップ翼の主翼への干渉効果が無視でき、前縁フラップ翼による主翼下面への気流の送り込み効果が高いから、より大きな揚力増大効果が獲られる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の地面効果翼において、前記主翼および前縁フラップ翼の少なくとも一方が、翼端部の翼弦長が翼根部の翼弦長よりも長くなるように形成されているものに関する。
前記地面効果翼においては、上述のように翼端部の翼弦長が翼根部の翼弦長よりも長くなるように形成されているから、翼端部の揚力の方が翼根部の揚力よりも大きい。
請求項5に記載の発明は、 軸線の回りに回転するハブと、前記前縁フラップ翼と主翼とが回転方向に対して所定の迎角をなし、しかも前記ハブの軸線に対して放射状に前記ハブに装着された請求項1〜4の何れか1項に記載の地面効果翼と、を備える回転翼に関する。
前記回転翼においては、前縁フラップ翼を前方にして回転することにより、前記前縁フラップ翼による主翼下面への気流送り込み効果が生じるから、同一の周速であれば、前記前縁フラップ翼のない回転翼に比較してより高い揚力が得られる。
請求項6に記載の発明は、飛行中における主要揚力発生部である固定翼を備える機体と、前記機体の下面に設けられている請求項5に記載の回転翼と、前記地面効果翼における前縁フラップ翼が回転方向に対して前方に位置するような方向に前記回転翼を前記ハブの軸線の周りに回転させる回転駆動手段と、を有する固定翼機に関する。
前記固定翼機においては、前記回転駆動手段によって前記回転翼を回転させることにより、前記機体には上方に力が作用する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の固定翼機において、前記地面効果翼が、前記機体の下面に少なくとも2つ設けられ、しかも互いに反対方向に回転するものに関する。
前記固定翼機においては、前記地面効果翼が互いに逆回転方向に回転することにより、前記地面効果翼が回転することによって生じる反動トルクが打ち消される。
請求項8に記載の発明は、飛行中における主要揚力発生部である固定翼を備える機体と、前記機体を前記所定の方向に沿って推進する推進手段と、を備え、前記固定翼は請求項1〜4の何れか1項に記載の地面効果翼である固定翼機に関する。
前記固定翼機が前記推進手段によって前記所定の方向に飛行することにより、前縁フラップ翼によって主翼の下面の高圧部に気流が送り込まれる。
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の回転翼と、前記地面効果翼における前縁フラップ翼が回転方向に対して前方に位置するような方向に前記回転翼を回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段で前記回転翼を回転させることによって生じる反動トルクを打ち消す反動トルク打消し手段と、を備える回転翼機に関する。
前記回転翼機においては、前記回転翼が前記回転駆動手段によって回転することにより、前記回転翼が有する地面効果翼における前縁フラップ翼によって主翼の下面の高圧部に気流が送り込まれる。
請求項1の発明によれば、前縁フラップ翼によって主翼の下方に気流が送り込まれることによって主翼に作用する揚力が増大するから、前記前縁フラップ翼のない地面効果翼と比較してより低速で高い揚力が得られる。
請求項2の発明によれば、前記フラップが1つのみの地面効果翼に比較してより低速で高い揚力が得られる地面効果翼が提供される。
請求項3の発明によれば、L/t<2である地面効果翼と比較してより低速で高い揚力が得られる地面効果翼が提供される。
請求項4の発明によれば、翼端部の揚力のほうが翼根部の揚力よりも大きいから、翼端部と翼根部との翼弦長が同一の地面効果翼に比較して、外乱に対する安定性が高い回転翼を形成できる地面効果翼が提供される。
請求項5の発明によれば、ハブに主翼のみが装着された回転翼に比較してより低回転で大きな揚力の得られる回転翼が提供される。
請求項6の発明によれば、前記回転翼を回転させることにより、揚力を発生させることができるから、前記回転翼のない固定翼機に比較して滑走距離が著しく短いか、または滑走が殆ど不要な固定翼機が提供される。
請求項7の発明によれば、前記回転翼が回転する際の反動トルクを打ち消すためのテールロータなどの反動トルク打消手段の不要な固定翼機が提供される。
請求項8の発明によれば、前縁フラップ翼のない主翼のみの固定翼を備える固定翼機と比較してより低速で大きな揚力の得られる固定翼機が提供される。
請求個9の発明によれば、回転翼において低回転で大きな揚力が得られるから、回転翼からのダウンウォッシュのより少ない回転翼機が提供される。
1.実施形態1
以下、本発明の地面効果翼の一例について説明する。
実施形態1に係る地面効果翼100は、図1の(A)に平面形状を示し、同図(B)に進行方向aに対して平行な垂直面に沿って切断した断面を示すように、矩形の平面形状を有する主翼1と、主翼1の前縁に対して平行に配列された矩形の平面形状を有する前縁フラップ翼10とを備える。
前縁フラップ翼10の翼弦長Lは、主翼1の翼弦長Cよりも小さい。また、前縁フラップ翼10と主翼1との間隔tは、L/t≧2になるように設定されている。ここで、間隔tは、主翼1と前縁フラップ翼10との間のピッチであり、言い換えれば主翼1の前縁と前縁フラップ翼10の後縁との間の距離である。
主翼1の迎角θおよび前縁フラップ翼10の迎角θf、即ち主翼1および前縁フラップ翼10の翼弦と進行方向aとのなす角度は、主翼1において正の揚力が生じ、前縁フラップ翼10の上面および下面を通過した気流が主翼1の下面に導入される限り、特に制限はない。具体的には、主翼1の迎角θおよび前縁フラップ翼10の迎角θfは0〜10度程度が好ましい。なお、前縁フラップ翼10の迎角θfは主翼1の迎角θよりも大きくても小さくてもよいが、図1において(B)に示すように、前縁フラップ翼10により生じる気流が主翼1の下面に流入するように主翼1の迎角θと前縁フラップ翼10の迎角θfとが設定されていることが好ましい。
以下、実施形態1に係る地面効果翼100の作用について説明する。
地面効果翼100が、前縁フラップ翼10が前方に位置するように、矢印aの方向に沿って進行すると、図1において(B)に示すように、主翼1と地面または水面との間に高圧部が形成される。そして、同図において矢印bおよびcに示すように、前縁フラップ翼10の上面を通過した気流は主翼1の下方の高圧部に導入される。
これにより、主翼1の下面の高圧部に気流が導入され、主翼に生じる揚力が増加する。
2.実施形態2
以下、本発明の地面効果翼を備える回転翼の一例について説明する。
実施形態2に係る回転翼200は、図2の(A)および(B)に示すように、軸線の回りに反時計回り方向に回転するハブ150と、ハブ150に放射状に装着された4枚のロータブレードである地面効果翼102とを備える。なお、図2において(A)は回転翼200の平面形状を示し、(B)は、地面効果翼102を翼弦方向に沿った垂直面X−Xに沿って切断した断面を示す。また、矢印aはハブ150の回転方向を示す。
ハブ150は、回転翼200が所定の方向に沿って進行すると、地面効果翼102の回転に応じて主翼1および前縁フラップ翼10の迎角を周期的に変更するピッチ変更機構(図示せず)を内蔵する。前記ピッチ変更機構は、前記進行方向に沿って前進する側の地面効果翼102の迎角が最も小さく、前記進行方向に対して後退する側の地面効果翼102の迎角が最も大きくなるように、地面効果翼100における主翼1の迎角θおよび前縁フラップ翼10の迎角θfを変更する。
地面効果翼102は、実施形態1の地面効果翼100と同様に、主翼1と、前縁フラップ翼10と、前縁フラップ翼10を、主翼1の前方において主翼1の前端に対して平行になるように保持する保持板2および3と、翼根側の保持板3を挟んで主翼1に相対向するように、保持板3に立設された棒状のシャックル部4が立設されている。地面効果翼102は、回転方向aに対して前縁フラップ翼10が前方に位置するように、シャックル部4においてハブ150に装着されている。
地面効果翼102においては、主翼1は、翼弦長が翼根で最も小さく、翼端に向かうに従って翼弦長が増大する逆テーパ状の平面形状を有している。一方、前縁フラップ翼10は、翼弦長Lが一定の矩形状に形成されている。前縁フラップ翼10と主翼1との間隔tと前縁フラップ翼10の翼弦長Lとの関係、および主翼1の迎角θと前縁フラップ翼10の迎角θfとの関係については実施形態1のところで述べたとおりである。
以下、回転翼200の作用について述べる。ハブ150が矢印aで示すように回転すると、図2の(B)に示すように主翼1と地面または水面との間に高圧部が形成される。そして、同図において矢印bおよびcで示すように、前縁フラップ翼10の上面に沿った気流および前縁フラップ翼10の下面に沿った気流は、何れも主翼1の下面の高圧部に導入されるから、前記高圧部の圧力が高くなる。これにより、主翼1で生じる揚力が増大するから、前縁フラップ翼10を有しない通常のロータブレードを備える従来の回転翼と比較して低い回転数でより大きな揚力が得られる。したがって、実施形態2の回転翼を備えるヘリコプタなどの回転翼機は、従来のものに比較して騒音が少なくなる。
以上、地面効果翼102を4枚有する回転翼について述べたが、回転翼における地面効果翼の枚数は2枚以上であればよく、必ずしも4枚には限定されることはない。
3.実施形態3
以下、本発明の地面効果翼を備える回転翼の別の例について説明する。
実施形態3に係る回転翼210は、図3の(A)および(B)に示すように、軸線の回りに反時計回り方向に回転するハブ150と、ハブ150に放射状に装着された4枚のロータブレードである地面効果翼104とを備える。なお、図2において(A)は回転翼200の平面形状を示し、(B)は、地面効果翼104を翼弦方向に沿った垂直面X−Xに沿って切断した断面を示す。
ハブ150については実施形態2のところで述べたとおりである。
地面効果翼104は、翼根から翼端に向かって翼弦長が拡大する逆テーパ状の平面形状を有する主翼1と、回転方向aに対して主翼1の前方に位置し、主翼1の前縁に対して平行に設けられた矩形状の前縁フラップ翼10と、回転方向aに対して前縁フラップ翼10の前方に位置し、前縁フラップ翼10の前縁に対して平行に設けられた矩形状の前縁フラップ翼11と、前縁フラップ翼10および11を主翼1に対して所定の位置に保持する保持板2および3と、翼根側の保持板3に立設されたシャックル部4とを備える。地面効果翼104はシャックル部4においてハブ15に装着されている。
前縁フラップ翼10の翼弦長をL1、前縁フラップ翼11の翼弦長をL2、主翼1と前縁フラップ翼10との間隔をt1、前縁フラップ翼10と前縁フラップ翼11との間隔をt2とすると、L1/t1≧2、およびL2/t2≧2の関係が成立するように翼弦長L、L2、および間隔t1、t2が設定されている。なお、前縁フラップ翼10の翼弦長L1および前縁フラップ翼11の翼弦長L2は何れも主翼1の平均翼弦長Cよりも小さい。ここで、主翼1の平均翼弦長Cは、主翼1の翼根および翼端の翼弦長の平均値である。
主翼1の迎角θは、主翼1において正の揚力が生じる範囲であれば、特に制限はない。また、前縁フラップ翼10の迎角θf1、および前縁フラップ翼11の迎角θf2も、気流を主翼1の下面に導入できる範囲であれば、特に制限はない。具体的には、主翼1の迎角θ、前縁フラップ翼10の迎角θf1、および前縁フラップ翼10の迎角θf2は0〜10度程度が好ましい。なお、前縁フラップ翼10の迎角θf1および前縁フラップ翼11の迎角θf2は主翼1の迎角θよりも大きくても小さくてもよいが、図3において(B)に示すように、前縁フラップ翼10、11により生じる気流が主翼1の下面に流入するように主翼1の迎角θと前縁フラップ翼10の迎角θf1と前縁フラップ翼11の迎角θf2とが設定されていることが好ましい。
以下、回転翼210の作用について説明する。
回転翼210が矢印aの方向に回転すると、図3の(B)に主翼1と地面または水面との間に高圧部が形成される。
同時に、前縁フラップ翼10の上面を通過した気流、前縁フラップ翼10と11との間を通過した気流、および前縁フラップ翼11の下面に流れた気流は、同図において矢印b、c、dに示すように、何れも主翼1下面の高圧部に導入される。
これにより、前縁フラップ翼がない場合および前縁フラップ翼が1枚の場合と比較して同一の速度および迎角であって周速も同一の時においては、前縁フラップ翼がない場合および前縁フラップ翼が1枚の場合と比較してより高い揚力が得られる。
4.実施形態4
以下、本発明の地面効果翼を備える回転翼機に包含されるヘリコプタの一例について説明する。
実施形態4に係るヘリコプタ300は、図4に示すように、胴体302と、胴体302の上方に装着された実施形態2または実施形態3に係る回転翼200(210)と、胴体302の高端部に設けられたテールロータ304とを備える。胴体302における回転翼200(210)の下方には、回転翼200(210)を回転させるためのターボシャフトエンジン306が装着されている。テールロータ304は、回転翼200(210)が矢印aの方向に回転して生じる反動トルクを打ち消す機能を有し、本発明の反動トルク打消手段に相当する。なお、ターボシャフトエンジン306は、本発明の回転駆動手段に相当する。
以上、胴体の上方に回転翼を設けたヘリコプタの例について説明したが、回転翼200(210)は胴体300の下方に設けたヘリコプタも可能である。回転翼200(210)を胴体の下方に設けたヘリコプタは、上方に設けたヘリコプタと比較してより高い地面効果が獲られるという特徴がある。
5.実施形態5
以下、本発明の回転翼を備える固定翼機に包含される地面効果翼機の一例について説明する。
実施形態5に係る地面効果翼機400は、図5に示すように、胴体402と、胴体402の前端部および後端部において胴体402の幅方向に沿って外側に向かって延在する地面効果翼404,406と、地面効果翼404の翼端に略垂直方向に沿って設けられた翼端板408と、地面効果翼406の翼端に略垂直方向に沿って設けられた翼端板410とを備える。胴体402の後端における地面効果翼406よりも後方には垂直安定板414が設けられ、垂直安定板414の両側には本発明の推進手段に相当するファンエンジン412が固定されている。
固定翼404および406の下面には、実施形態2または3に係る回転翼200(210)が装着されている。回転翼200(210)は、固定翼404および406の下面に露出した状態で装着されていてもよいが、隠顕可能とされていれることが好ましい。
胴体402に対して左側の固定翼404、406に装着された回転翼200(210)と、右側の固定翼404、406に装着された回転翼200(210)とは、互いに反対方向に回転するようにすれば、回転翼200(210)が回転して生じる反動トルクを打ち消すことができるから好ましい。
以下、地面効果翼機400の作用について説明する。
離陸時には、地面効果翼404および406の下面から回転翼200(210)を露出させ、ファンエンジン412とは別の原動機で回転翼200(210)を回転させる。これにより、前進速度が小さく、地面効果翼404および406において十分な揚力が発生していない状態においても、地面効果翼機400を地上から浮上させることができる。
地面効果翼機400が地上から浮上したら、回転翼200(210)を回転させた状態でファンエンジン412を作動させて地面効果翼機400を前進させる。
地面効果翼404および406で機体を浮上させるのに十分な揚力が生じる程度に地面効果翼機400が加速されたら、回転翼200(210)の回転を停止させる。そして、回転翼200(210)が隠顕可能とされている形態の地面効果翼機400においては、回転翼200(210)を地面効果翼404および406、または胴体402の内部に収納する。
そして、地面効果翼機400を巡航速度まで加速させる。
実施形態5の地面効果翼機400は、回転翼200(210)を有しない従来の地面効果翼機とは異なり、機体を地面(海面)から浮上させるために滑走する必要がないという特長がある。
6.実施形態6
以下、本発明の地面効果翼を備える固定翼機に包含される地面効果翼機の一例について説明する。
実施形態6に係る地面効果翼機600は、図6に示すように、胴体602と、胴体602の中央部から胴体602の幅方向に沿って外側に向かって延在する地面効果翼604と、胴体602の後端部に設けられた垂直安定板610と、垂直安定板610の頂部に固定された水平安定板612と、垂直安定板610の両側に設けられた推進用のファンエンジン608とを備える。地面効果翼604の翼端には、略垂直方向に延在する翼端板606が固定されている。
地面効果翼604は、矩形状の主翼1と、主翼1の前縁に対して平行に設けられた矩形状の前縁フラップ翼10と、前縁フラップ翼10の前方に前縁フラップ翼10に対して平行に設けられた前縁フラップ翼11とを備える。前縁フラップ翼10、11は、翼端板606と胴体602の側面とによって主翼1に対して所定の位置に保持されている。
前縁フラップ翼10、11の翼弦長と、前縁フラップ翼10と主翼1との間隔、および前縁フラップ翼10と前縁フラップ翼11との間隔については実施形態3のところで述べたとおりである。
また、前縁フラップ翼10、11の作用についても実施形態3のところで述べたとおりである。
地面効果翼機600は、前縁フラップ翼10、11の作用によって主翼1により大きな揚力が生じるから、地面効果翼に前縁フラップ翼のない形態の地面効果翼機と比較してより低速での飛行が可能である。
実施形態2の回転翼200を作製し、地面からの高さhを変化させて回転翼200に作用する揚力および抗力を測定し、得られた測定結果から揚抗比(C/C)を求めた。前縁フラップ翼の翼弦長L=150mm、地面効果翼102のスパンは600mmとした。
前縁フラップ翼10の迎角θfは、2度、4度、6度とし、主翼1の迎角は4度とした。また、主翼1と前縁フラップ翼10との間隔tは、L/4とした。また、回転翼200の回転数を150rpmとした。
結果を図7に示す。図7において、「□」、「△」、「○」は夫々前縁フラップ翼10の迎角θfが6度、4度、2度の場合を示す。また「×」は、前縁フラップ翼10がない場合の結果を示す。
図7から明らかなように、高さhと主翼1の平均翼弦長Cとの比率h/Cが0.01〜0.1の範囲においては、前縁フラップ翼10を有する地面効果翼は、前縁フラップ翼10の迎角θfが6度、4度、2度の何れの場合においても、前縁フラップ翼10を有しない主翼1のみの地面効果翼と比較して高い揚抗比(C/C)が得られることが判る。また、前縁フラップ翼10の迎角θfが2度から6度の範囲においては、迎角θfが大きくなるほど高い揚抗比が得られることがわかった。
実施形態3の回転翼210を作製し、地面からの高さhを変化させて回転翼210に作用する揚力および抗力を測定し、得られた測定結果から揚力係数Cを求めた。
前縁フラップ翼10の迎角θf1および前縁フラップ翼11の迎角θf2は同一とし、2度、6度、10度の範囲で変化させた。主翼1の迎角は4度とした。また、主翼1と前縁フラップ翼10との間隔tおよび前縁フラップ翼10と前縁フラップ翼11との間隔t2とは同一になるようにした。そして、前縁フラップ翼10の翼弦長L1と前縁フラップ翼11の翼弦長L2とは何れも150mmとした。また、主翼1と前縁フラップ翼10との間隔t1および前縁フラップ翼10と前縁フラップ翼11との間隔t2を何れもL/4とした。
結果を図8に示す。図8において、「■」、「▲」、「●」は夫々前縁フラップ翼10および11の迎角θf1、θf2が10度、6度、2度の場合を示す。なお、実施例1の結果を要録係数Cに換算した結果を図9に示す。前縁フラップ翼の迎角が6度と同一の例として、図8の「▲」と図9の「□」とを比較すると、前縁フラップ翼を2枚有する地面効果翼に関する図8の方が、前縁フラップ翼を1枚有する地面効果翼に関する図9よりも何れの高さにおいても高い揚力係数Cが得られていることが判る。
また、図8において「■」、「▲」、「●」を比較すると、前縁フラップ翼10および11の迎角θf1、θf2が大きいほど、高い揚力係数Cが得られることが判る。
本発明は、地面効果翼機や地面効果翼船、エアロトレインなどのように積極的に地面効果を利用する航空機のほか、一般の固定翼機や、ヘリコプタなどの回転翼機にも適用できる。
図1は、実施形態1に係る地面効果翼の構成を示す平面図および断面図である。 図2は、実施形態2に係る回転翼の構成を示す平面図および断面図である。 図3は、実施形態3に係る回転翼の構成を示す平面図および断面図である。 図4は、実施形態4に係るヘリコプタの構成を示す斜視図である。 図5は、実施形態5に係る地面効果翼機の構成を示す斜視図である。 図6は、実施形態6に係る地面効果翼機の構成を示す平面図である。 図7は、実施形態2に係る回転翼における地面からの高さと揚抗比との関係を示すグラフである。 図8は、実施形態3に係る回転翼における地面からの高さと揚力係数との関係を示すグラフである。 図8は、実施形態2に係る回転翼における地面からの高さと揚力係数との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 前縁フラップ翼
2 保持板
3 保持板
4 シャックル部
5 主翼
10 前縁フラップ翼
11 前縁フラップ翼
15 ハブ
100 地面効果翼
102 地面効果翼
104 地面効果翼
150 ハブ
200 回転翼
210 回転翼
300 ヘリコプタ
302 胴体
304 テールロータ
306 ターボシャフトエンジン
400 地面効果翼機
402 胴体
404 地面効果翼
406 地面効果翼
408 翼端板
410 翼端板
412 ファンエンジン
414 垂直安定板
600 地面効果翼機
602 胴体
604 地面効果翼
606 翼端板
608 ファンエンジン
610 垂直安定板
612 水平安定板

Claims (9)

  1. 所定の方向に沿って進行することによって揚力を発生する主翼と、
    前記方向に沿って前記主翼の前方に位置し、前記方向に進行することによって前記主翼の下方に気流を導入する前縁フラップ翼と、
    を備える地面効果翼。
  2. 前記前縁フラップ翼は、2またはそれ以上設けられている請求項1に記載の地面効果翼。
  3. 前縁フラップ翼の翼弦長をL、主翼と、主翼に最も近い前縁フラップ翼との間隔をtとすると、L/t≧2である請求項1または2に記載の地面効果翼。
  4. 前記主翼および前縁フラップ翼の少なくとも一方は、翼端部の翼弦長が翼根部の翼弦長よりも長くなるように形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の地面効果翼。
  5. 軸線の回りに回転するハブと、
    前記前縁フラップ翼と主翼とが回転方向に対して所定の迎角をなし、しかも前記ハブの軸線に対して放射状に前記ハブに装着された請求項1〜4の何れか1項に記載の地面効果翼と、
    を備える回転翼。
  6. 飛行中における主要揚力発生部である固定翼を備える機体と、
    前記機体の下面に設けられている請求項5に記載の回転翼と、
    前記地面効果翼における前縁フラップ翼が回転方向に対して前方に位置するような方向に前記回転翼を前記ハブの軸線の周りに回転させる回転駆動手段と、
    を有する固定翼機。
  7. 前記地面効果翼は、前記機体の下面に少なくとも2つ設けられ、しかも互いに反対方向に回転する請求項6に記載の固定翼機。
  8. 飛行中における主要揚力発生部である固定翼を備える機体と、
    前記機体を前記所定の方向に沿って推進する推進手段と、
    を備え、
    前記固定翼は請求項1〜4の何れか1項に記載の地面効果翼である固定翼機。
  9. 請求項5に記載の回転翼と、
    前記回転翼の地面効果翼における前縁フラップ翼が回転方向に対して前方に位置するような方向に前記回転翼を回転させる回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段で前記回転翼を回転させることによって生じる反動トルクを打ち消す反動トルク打消手段と、
    を備える回転翼機。
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