JP5840602B2 - 血液処理フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、血液から凝集物や白血球等の好ましくない成分を除去する為の血液処理フィルターに関する。特に輸血用の全血製剤、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤などから副作用の原因となる微小凝集物や白血球を除去する目的で用いられる、精密で、且つ使い捨て可能な血液処理フィルターに関するものであって、特に容器の材質として樹脂材料などが用いられている可撓性のフィルターに関するものである。
ドナーから採血された全血は、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤等の血液成分製剤に分離され、貯蔵された後に輸血されるのが一般的となりつつある。またこれらの血液製剤に含まれる微小凝集物や白血球が種々の輸血副作用の原因となることから、輸血の前にこれらの好ましくない成分を除去してから輸血する、または、採血後これらの好ましくない成分を除去してから保存した後に輸血に用いられる方法が多く用いられている。
血液製剤から白血球を除去する為の方法としては、血液製剤を白血球除去フィルターで処理するのが最も一般的である。白血球除去フィルターには、不織布や多孔質体からなるフィルター要素を、採血分離セットのバッグに使用されているものと同一または類似の、可撓性かつ蒸気浸透性に優れる素材を容器に用いた、可撓性容器の白血球除去フィルターまたは、不織布や多孔質体からなるフィルター要素をポリカーボネート等の硬質容器に充填したものの二種類が用いられている。
通常これらの白血球除去フィルターで血液を処理する際は、フィルターの血液入口側に血液チューブを介して接続されている、処理されるべき血液製剤が入ったバッグを、フィルターよりも20cmから100cm程高い位置に置き、重力の作用によって血液製剤をフィルターに通し、フィルターの血液出口側に血液チューブを介して接続された回収バッグに濾過後の血液製剤を収容する。可撓性容器の白血球除去フィルターの場合、濾過の最中にはフィルター要素の抵抗によって圧力損失が生じ、フィルター入口側の空間は陽圧となる。可撓性容器からなるフィルターの場合、容器が可撓性であるが故、この陽圧によって容器は風船状に膨らみ、フィルター要素は出口側の容器に押しつけられる。
一方、出口側容器とフィルター要素との空隙は、出口に接続された血液チューブ内の血液が重力によって落下して、通常フィルターよりも50〜100cm低い位置に置かれた濾過後の血液を収納するためのバッグへと移動しようとするため、この作用によって逆に陰圧となり、可撓性容器はフィルター要素に密着する傾向を示す。即ち、フィルター要素は二重の力によって出口側容器と密着し、血液の流れが阻害される。
なお、フィルター要素と出口側容器との密着を防止するために、比較的安価なオートクレーブ滅菌時に対応可能なポリカーボネート等の硬質容器の採用も考えられる。しかしながら、血液製剤の処理に用いられるために装置全体の滅菌が必要となることを考慮すると、上記の硬質容器に充填した場合、蒸気の浸透性が悪く長時間の滅菌時間が必要となる。また、長時間のオートクレーブ滅菌を実施すると、血液保存液の劣化等が起こるため、フィルターで滅菌した後に、血液バック、回路等を接続した後に滅菌する等の煩雑な作業を実施する必要があった。
本発明の課題は、濾過時に生ずる入口側の陽圧と出口側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、出口側の流路を確保して血液の流れが阻害されることを抑制できる血液処理フィルターを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、出口を形成する出口部材の一部分を意図的に容器本体内に配置することで容器本体と血液処理フィルター材との間に隙間を形成でき、従って濾過時に入口側の陽圧と出口側の陰圧との二重の力が作用したとしても、出口側では流路を確保でき、血液の流れが阻害されることを抑制できることを見出し、本発明を得るに至った。
すなわち、本発明は、血液の入口と出口とを有する可撓性容器と該容器内部を入口側と出口側とに隔てるように配置したシート状の血液処理フィルター材を含む血液処理フィルターであって、可撓性容器は、血液処理フィルター材を収容する容器本体と、出口を形成する出口部材と、を備え、出口部材は、容器本体から容器本体の内側に突き出した突出部を有し、突出部には、血液処理フィルター材との非接触位置に複数の液流入口が形成されている血液処理フィルターに関する。
この血液処理フィルターによれば、濾過時に入口側の陽圧と出口側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、容器本体から突き出した出口部材の突出部によって血液処理フィルター材と容器本体との間に隙間を形成して血液の流れを確保できる。特に、突出部の血液処理フィルター材との非接触位置には、複数の液流入口が形成されているので、例え、一部の液流入口で流れが阻害されたとしても他の液流入口で流路を確保でき、従って血液処理速度の低下を抑えて安定した処理が可能になる。
さらに、突出部は、血液処理フィルター材に当接する当接面と、当接面から外れて血液処理フィルター材との非接触位置に形成された側面とを有し、複数の液流入口は側面に形成されている血液処理フィルターとすることも可能である。
さらに、出口部材は、容器本体の外側に形成された外部を有し、出口は、その外部に形成されている血液処理フィルターとすることも可能である。
さらに、出口部材には、複数の液流入口に連通し、且つ血液処理フィルター材に沿って延在する主流路と、主流路から分岐して出口に連通する分岐流路とが形成されている血液処理フィルターとすることも可能である。
さらに、複数の液流入口のうち、一部の液流入口は入口側の側面に形成され、他の液流入口は出口部材の反対側の側面に形成されている血液処理フィルターとすることも可能である。
本発明によれば、濾過時に生ずる入口側の陽圧と出口側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、出口側の流路を確保して血液の流れが阻害されることを抑制できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る血液処理フィルターの平面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った縦断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る血液処理フィルターの出口部材を拡大して示す縦断面図である。 図4は、本発明の第3実施形態に係る血液処理フィルターの出口部材を拡大して示す縦断面図である。 図5は、本発明の第4実施形態に係る血液処理フィルターの出口部材を拡大して示す縦断面図である。 図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、本発明の第5実施形態に係る血液処理フィルターの出口部材を拡大して示す縦断面図である。 図8は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。 図9は、本発明の第6実施形態に係る血液処理フィルターの縦断面図である。 図10は、比較例1に係る血液処理フィルターの縦断面図である。 図11は、比較例2に係る血液処理フィルターの出口部材を拡大して示す縦断面図である。 図12は、比較例3に係る血液処理フィルターの出口部材を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態中で説明する血液とは、輸血用の全血製剤、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤などの血液製剤を含む。また、血液処理フィルターの外形は、矩形状、円盤状、長円盤状、楕円状などの様々態様を採用できるが、製造時の材料ロスを少なくするためには矩形状が好ましく、従って、以下の実施形態では矩形状を例に説明する。
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aについて説明する。血液処理フィルター1Aは、血液の入口5と出口6を有する可撓性容器7と、可撓性容器7の内部を入口5側と出口6側とに隔てるように配置したシート状の血液処理フィルター材9とを備えている。以下の説明では、血液処理フィルター材9に沿った平面を第1平面P1と仮定し、入口5の中心と出口6の中心とを含む仮想の平面を第2平面P2と仮定した場合に、第1平面P1と第2平面P2との交線に沿った方向を縦方向Daとし、縦方向Daに直交し、且つ第1平面に沿った方向を横方向Dbとして説明する。
可撓性容器7は、矩形扁平状の容器である。扁平状とは、厚みが薄くて面が広い形状を意図する。可撓性容器7は、入口5側となる矩形シート状の入口側容器11と、出口6側となる矩形シート状の出口側容器12とを備えている。入口側容器11と出口側容器12とは、矩形状の血液処理フィルター材9を介して重なり合っており、血液処理フィルター材9の周縁を挟み付けるように接着されている。血液処理フィルター材9の周縁に沿った帯状の接着領域は内側シール部7aであり、内側シール部7aよりも内側の内部領域は血液が流動する濾過領域となる。
また、入口側容器11と出口側容器12とは、内側シール部7aよりも外側で周縁同士が互いに接着されている。入口側容器11と出口側容器12とが直接接着された帯状の接着領域は外側シール部7bである。入口側容器11と出口側容器12とによって血液処理フィルター材9を収容する容器本体10が形成される。
入口側容器11には、血液の入口5を形成する入口部材13が一体的に形成されている。入口部材13は、容器本体10の縦方向Daの一方の端部10a側にずれて配置されている。入口部材13は、入口側容器11の外側に突出して設けられており、入口部材13の外表面には血液が供給される入口5が形成されている。入口5には、血液が供給される血液チューブの連結穴13aが形成されている。入口部材13には、入口5と入口側容器11の内部(濾過領域)とを連通する入口流路13bが形成されている。なお、本実施形態に係る入口部材13は入口側容器11に一体成形されているが、入口部材13と入口側容器11とが別部材によって形成され、溶着などで一体化された態様であってもよい。
出口側容器12には、血液の出口6を形成する出口部材15Aが一体的に形成されている。出口部材15Aは、容器本体10の中心を基準にして入口部材13と点対称となるように配置されている。出口部材15Aは、出口側容器12の内側に突き出した突出部17を有する。本実施形態に係る突出部17は、縦方向Daのサイズが長いブロック状(略直方体状)である。
突出部17は、血液処理フィルター材9に接触する矩形状の端面(当接面)17aと、端面17aと出口側容器12の内表面とをつなぐ側面17b,17cとを有する。側面17b,17cは、突出部17の縦方向Daの両端に形成された一対の短側面17bと、突出部17の横方向Dbの両端に形成された一対の長側面17cとを有する。短側面17bは長側面17cに比べてサイズが小さい。なお、端面17aと側面17b,17cとは湾曲して接続している。
突出部17には、濾過領域に連通する複数の液流入口17fが形成されている。複数の液流入口17fは、血液処理フィルター材9との非接触位置である一対の短側面17bのそれぞれに設けられている。また、複数の液流入口17fは、突出部17によって突出部17によって容器本体10と血液処理フィルター材9との間の形成された隙間Saに開口されている。一方で、出口側容器12の外表面12aと面一に接続された出口部材15Aの外部19には、濾過後の血液が流出する出口6が形成されている。出口部材15Aには、複数の液流入口17fと出口6とを連通する出口流路21が形成されている。出口6には、濾過後の血液をバッグまで移送する血液チューブの連結穴20が形成されている。
出口流路21は、一対の液流入口17f同士を連通する集約流路(主流路)21aと、集約流路21aから分岐して出口6に接続された合流流路(分岐流路)21bとを有する。集約流路21aは、血液処理フィルター材9に沿って延在する流路であり、合流流路21bは、入口5側が上、出口6側が下となるように血液処理フィルター1Aを縦に配置した場合に、集約流路21aから降下勾配を形成するように傾斜している。
集約流路21aは血液処理フィルター材9に沿って延在するのでフィルター面に沿って流動する濾過後の血液を複数の液流入口17fから効率良く吸い込んで合流流路21bまで導く。また、合流流路21bは、集約流路21aから降下勾配を形成するように傾斜しているので、出口6から効率よく排出する。さらに降下勾配を形成することで血液濾過時に回路折れが少なくなり回路を効率良く使用できるという利点がある。
本実施形態に係る複数の液流入口17fは、出口部材15Aの一対の短側面17bにそれぞれ形成されている。一対の短側面17bのうち、一方の短側面17bは、入口部材13側(入口5側)の側面17bであり、他方の端側面は反対側の側面17bである。入口5から供給された血液は、血液処理フィルター材9を通過することで濾過され、その後、出口6から引き抜かれる。この場合、入口5側の液流入口17fのみならず、出口部材15Aの反対側の液流入口17fからも血液が吸い込まれるので、容器本体10内の血液の残留を低減でき、血液の処理効率の向上を図ることができる。
上述のように入口側容器11及び出口側容器12によって血液処理フィルター材9を収容する容器本体10が形成される。容器本体10は可撓性樹脂を用いて製造され、例えば、合成樹脂製のシート状部材を用いて形成されるのが好ましく、更に熱可塑性樹脂を用いて形成されることが好ましい。シート状部材を用いる理由は、外側シール部7bを周方向で均一な厚みとし、また、内側シール部7aを周方向で均一な厚みとする必要があるためである。つまり、外側シール部7bが均一の厚みとなり、また、内側シール部7aが均一の厚みとなるように形成される態様であれば、フィルム状部材を用いて形成する態様や射出成形品から容器本体10が作られた態様などであってもよい。
本実施形態に係る入口側容器11または出口側容器12に用いる可撓性樹脂は、シートまたはフィルムとして市販されている材料であれば使用することはできる。例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、スチレンーブタジエンースチレン共重合体の水添物、スチレンーイソプレンースチレン共重合体またはその水添物等の熱可塑性エラストマー、及び、熱可塑性エラストマーとポリオレフィン、エチレン−エチルアクリレート等の軟化剤との混合物等が好適な材料として挙げられる。血液との接触が考えられるため、好ましくは血液バック等の医療品の材料として用いられている、軟質塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン、及び、これらを主成分とする熱可塑性エラストマーであり、更に好ましくは軟質塩化ビニルである。
なお、入口側容器11は、すべてが硬質の樹脂からできていてもよいし、一部が可撓性樹脂となっていてもよい。入口側容器11の面積の10%以上の面積が可撓性容器となっていれば、オートクレーブ滅菌時の水蒸気透過性がよくなり、滅菌時間を短縮することができる。
本実施形態に係る血液処理フィルター材9は、不織布や織布などの繊維状多孔性媒体や、スポンジ状構造物などの三次元網目状連続細孔を有する多孔質体などの公知の濾過媒体を用いることができ、メッシュやスクリーンなどの溶着性に優れないものは該当しない。血液処理フィルター材9としての利用に適した素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレンーイソブチレンースチレン共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、等が挙げられる。血液処理フィルター材9が不織布である場合には、生産性の点から特に好ましい。
また、シート状の血液処理フィルター材9は、単一のフィルター要素でもよく、また複数のフィルター要素から形成されていてもよい。複数のフィルター要素から形成される場合、上流(入口5側)に配置された微小凝集物を除去する第一のフィルター要素と、第一のフィルター要素の下流に配置された白血球を除去するための第二のフィルター要素からなるのが好ましい。例えば、入口5側に繊維径が数〜数十μmの不織布からなるフィルター材を、凝集物除去のための第一のフィルター要素として配置し、次に繊維径が0.3〜3.0μmの不織布からなるフィルター材を、白血球を除去するための第二のフィルター要素として配置し、更に下流側に特定の空間を有するポストフィルターを積層して用いることができる。
第一、第二のフィルター材は、それぞれが更に複数種類のフィルター材から構成されていてもよく、片方のみが複数種類のフィルター材から構成されてもよい。例えば繊維径が30〜40μmの不織布および/または繊維径が10〜20μmの不織布からなる(繊維径が30〜40μmの不織布および繊維径が10〜20μmの不織布の少なくとも一方からなる)第一のフィルター材を上流側(入口5側)に配置し、第一のフィルター材の下流側に繊維径が1.5〜2.5μmの不織布および/または繊維径が0.5〜1.8μmの不織布からなる(繊維径が1.5〜2.5μmの不織布および繊維径が0.5〜1.8μmの不織布の少なくとも一方からなる)第二のフィルター材を配置して用いても良い。また太い繊維径の不織布と細い繊維径の不織布が交互に配置されていても良いが、太い繊維径の不織布が上流側(入口5側)に配置されている方が好ましい。
また、内側シール部7aを形成するために血液処理フィルター材9と入口側容器11及び出口側容器12との接着は、高周波溶着を用いて行いて行うことができ、入口側容器11及び出口側容器12と血液処理フィルター材9とを一括で溶着してもよいし、入口側容器11と血液処理フィルター材9とを溶着し、それから血液処理フィルター材9と出口側容器12とを溶着するようにしてもよい。つまり、入口側容器11、血液処理フィルター材9、出口側容器12の順番に配置され、血液を入れても、系外に漏れることはなく、また、入口側容器11に設けられた入口5から入れられた血液(血液製剤)の99%以上が血液処理フィルター材9を通過した後に、出口側容器12に設けられた出口6から出る構造となっていれば、容器本体10と血液処理フィルター材9との接着方法は、溶着に限らず、他の方法でもよい。
以上、本実施形態に係る血液処理フィルター1Aによれば、濾過時に入口5側の陽圧と出口6側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、容器本体10から突き出した出口部材15Aの突出部17によって血液処理フィルター材9と容器本体10との間に隙間Saを形成して血液の流れを確保できる。特に、出口部材15Aの突出部17には、複数の液流入口17fが形成されているので、例え、一部の液流入口17fで流れが阻害されたとしても他の液流入口17fで流路を確保できるので血液処理速度の低下を抑えて安定した処理が可能になる。
さらに、本実施形態に係る血液処理フィルター1Aによれば、複数の液流入口17fを形成することで、結果的に液流れ方向が集中せずに複数存在することになり、血液処理フィルター材9を有効利用でき、処理速度が速くなる。
さらに、本実施形態に係る血液処理フィルター1Aによれば、液流入口17fが出口部材15Aの突出部17の短側面17b(非接触位置)に形成されているので、液流入口17fが血液処理フィルター材9に貼り付かずに液流れを確保できる。
次に、第2実施形態に係る血液処理フィルターについて、図3を参照して説明する。なお、本実施形態に係る血液処理フィルター1Bについて第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aと同様の要素や部材については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。また、本実施形態に係る血液処理フィルター1Bや後述の他の実施形態に係る血液処理フィルター1C〜1Fは、基本的に第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aと同一の材料を用いて製造することができる。
図3に示されるように、第2実施形態に係る血液処理フィルター1Bは、出口部材15Bの突出部23の形状が第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aとは異なる。本実施形態に係る出口部材15Bでは、容器本体10から内側にブロック状に突き出し、更にブロック状の端面23aから突き出た中央部分24を有する突出部23が形成されている。中央部分24は、例えば、円柱状または角柱状であり、中央部分24の先端面24aは血液処理フィルター材9に当接する当接面となる。
本実施形態に係る血液処理フィルター1Bによれば、濾過時に入口5側の陽圧と出口6側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、容器本体10から突き出した突出部23によって血液処理フィルター材9と容器本体10との間に隙間Saを形成して血液の流れを確保できる。特に、突出部23の血液処理フィルター材9との非接触位置には、複数の液流入口17fが形成されており、複数の液流入口17fは、突出部17によって容器本体10と血液処理フィルター材9との間の形成された隙間Saに開口されているので、例え一部の液流入口17fで流れが阻害されたとしても他の液流入口17fで流路を確保でき、従って血液処理速度の低下を抑えて安定した処理が可能になる。
また、本実施形態に係る血液処理フィルター1Bによれば、突出部23の中央部分24が主体的に血液処理フィルター材9に当接する部分になり、さらに、接触面積も極めて狭くなる。本実施形態のように突出部23の中央部分24が突き出して血液処理フィルター材9との当接面が形成される態様によれば、血液処理フィルター材9との非接触位置の範囲が広がり、処理速度が速くなる。
次に、第3実施形態に係る血液処理フィルター1Cについて、図4を参照して説明する。なお、本実施形態に係る血液処理フィルター1Cについて第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aと同様の要素や部材については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図4に示されるように、第3実施形態に係る血液処理フィルター1Cは、出口部材15Cの突出部25の形状が第1及び第2実施形態に係る血液処理フィルター1A,1Bとは異なる。本実施形態に係る出口部材15Cは容器本体10から内側に断面三角形状に突き出した突出部25を有する。突出部25の先端の頂部25aは湾曲した曲面であり、この頂部25aは血液処理フィルター材9に当接する当接面となる。突出部25の斜面25bには、二個の液流入口25cが形成されている。液流入口25cと出口6とは、出口流路21を介して連通している。突出部25は、略多角錐状や略円錐状であったり、または三角柱を横方向Dbに配置した形状であったりしてもよい。
本実施形態に係る血液処理フィルター1Cによれば、濾過時に入口5側の陽圧と出口6側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、容器本体10から突き出した出口部材15Cの突出部25によって血液処理フィルター材9と容器本体10との間に隙間Saを形成して血液の流れを確保できる。特に、突出部25の血液処理フィルター材9との非接触位置には、複数の液流入口25cが形成されており、複数の液流入口25cは、突出部25によって容器本体10と血液処理フィルター材9との間の形成された隙間Saに開口されているので、例え一部の液流入口25cで流れが阻害されたとしても他の液流入口25cで流路を確保でき、従って血液処理速度の低下を抑えて安定した処理が可能になる。
また、本実施形態に係る血液処理フィルター1Cによれば、突出部25の頂部25aが主体的に血液処理フィルター材9に当接する部分になり、さらに、接触面積も極めて狭くできる。本実施形態のように突出部25の頂部25aが血液処理フィルター材9に接触する形態によれば、血液処理フィルター材9との非接触位置の範囲が広がり、処理速度が速くなる。
次に、第4実施形態に係る血液処理フィルター1Dについて、図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態に係る血液処理フィルター1Dについて第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aと同様の要素や部材については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図5及び図6に示されるように、第4実施形態に係る出口部材15Dの突出部27は、第1実施形態と同様に縦方向Daに長いブロック状(直方体状)であるが、出口部材15Dの突出部27に形成される液流入口27f、及び出口流路28が第1実施形態に係る出口部材15Aとは異なる。
出口部材15Dの突出部27は、血液処理フィルター材9に当接する端面(当接面)27aと、縦方向Daの両端に形成された一対の短側面27bと横方向Dbの両端に形成された一対の長側面27cとを有し、液流入口27fは、血液処理フィルター材9との非接触位置である一対の長側面27cに、それぞれ形成されている。また、複数の液流入口27fは、突出部27によって容器本体10と血液処理フィルター材9との間の形成された隙間Saに開口されている。
出口流路28はT字状に形成され、一対の液流入口27fを連通する集約流路(主流路)28aと、集約流路28aから分岐して出口6に連通する合流流路(分岐流路)28bとを有する。合流流路28bは、入口5側が上、出口6側が下となるように血液処理フィルター1Dを縦に配置した場合に、集約流路28aから降下勾配を形成するように傾斜している。出口6は、出口部材15Dの外部19に形成されており、出口6には、血液チューブの連結穴20が形成されている。
本実施形態に係る血液処理フィルター1Dによれば、濾過時に入口5側の陽圧と出口6側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、容器本体10から突き出した出口部材15Dの突出部27によって血液処理フィルター材9と容器本体10との間に隙間Saを形成して血液の流れを確保できる。特に、突出部17の血液処理フィルター材9との非接触位置には、複数の液流入口27fが形成されており、複数の液流入口27fは、突出部27によって容器本体10と血液処理フィルター材9との間の形成された隙間Saに開口されているので、例え一部の液流入口27fで流れが阻害されたとしても他の液流入口27fで流路を確保でき、従って血液処理速度の低下を抑えて安定した処理が可能になる。
集約流路28aは横方向Dbに沿って形成されているので、血液処理フィルター1Dを縦に配置した場合に、一対の液流入口27fから均等に血液を吸い込んで合流流路28bに導き易くなる。また、合流流路28bは、集約流路28aから降下勾配を形成するので、集約流路28aで集められた血液を出口6から効率よく排出する。さらに降下勾配を形成することで血液濾過時に回路折れが少なくなり回路を効率良く使用できるという利点がある。
次に、第5実施形態に係る血液処理フィルター1Eについて、図7及び図8を参照して説明する。なお、本実施形態に係る血液処理フィルター1Eについて第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aと同様の要素や部材については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図7及び図8に示されるように、第5実施形態に係る血液処理フィルター1Eの出口部材15Eは、第1実施形態と同様に縦方向Daに長いブロック状(直方体状)であるが、出口部材15Eの突出部29に形成される液流入口29f、及び出口流路31が第1実施形態に係る出口部材15Dとは異なる。
出口部材15Eの突出部29は、血液処理フィルター材9に当接する端面(当接面)29aと、縦方向Daの両端に形成された一対の短側面29bと横方向Dbの両端に形成された一対の長側面29cとを有し、液流入口29fは、一対の長側面29cと、下側の短側面29bとに、それぞれ形成されている。出口流路31は、三個の液流入口29fを連通する集約流路(主流路)31aと、集約流路31aから分岐して出口6に連通する合流流路(分岐流路)31bとを有する。
集約流路31aはY字状(図8参照)であり、集約流路31aの中央が合流流路31bに連通している。合流流路31bは、入口5側が上、出口6側が下となるように血液処理フィルター1Eを縦に配置した場合に、集約流路31aから降下勾配を形成するように傾斜している。出口6は、出口部材15Eの外部19に形成されており、出口6には、血液チューブの連結穴20が形成されている。
本実施形態に係る血液処理フィルター1Eによれば、濾過時に入口5側の陽圧と出口6側の陰圧とによって二重の力が作用したとしても、容器本体10から突き出した出口部材15Eの突出部29によって血液処理フィルター材9と容器本体10との間に隙間Saを形成して血液の流れを確保できる。特に、突出部29の血液処理フィルター材9との非接触位置には、複数の液流入口29fが形成されているので、例え一部の液流入口29fで流れが阻害されたとしても他の液流入口29fで流路を確保でき、従って血液処理速度の低下を抑えて安定した処理が可能になる。
次に、第6実施形態に係る血液処理フィルター1Fについて、図9を参照して説明する。なお、本実施形態に係る血液処理フィルター1Fについて第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aと同様の要素や部材については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図9に示されるように、第6実施形態に係る血液処理フィルター1Fは、出口部材15Fの突出部33の形状が第1実施形態に係る血液処理フィルター1Aとは異なる。本実施形態に係る出口部材15Fと出口側容器12とは一体成形されたものではなく、出口側容器12とは別に製造された出口部材15Fを出口側容器12の所定位置に溶着されて形成されている。
出口部材15Fは、円柱状の一方の端面が凸曲面状になっている部材からなる。出口部材15Fは、一部分が出口側容器12の外側に露出し、その他の部分は出口側容器12の内側に突き出しように配置されている。出口部材15Fのうち、出口側容器12の内側に突き出すように配置された部分は突出部33であり、出口側容器12の外側に露出した部分は外部34である。
突出部33の周面の一部33aは、血液処理フィルター材9に当接する当接面である。突出部33の両方の端面33b,33cは当接面から外れた側面に相当し、凸曲面状の一方の端面33bは入口5側の側面であり、他方の平坦な端面33cは反対側の側面である。液流入口33fは、突出部33の血液処理フィルター材9との非接触位置である両方の端面33b,33cにそれぞれ形成されており、一対の液流入口33f同士は血液処理フィルター材9に沿って延在する直線状の集約流路35aを介して連通している。
出口部材15Fの外部34には出口6が形成されており、集約流路35aから分岐した合流流路35bは出口6に接続されている。集約流路35aと合流流路35bとによって出口流路35が形成されている。
ている。
本実施形態に係る血液処理フィルター1Fによれば、濾過時に入口5側の陽圧と出口6側の陰圧との二重の力が作用したとしても、容器本体10から突き出した出口部材15Fの突出部33によって血液処理フィルター材9と容器本体10との間の隙間Saを確保でき、出口6側で血液の流れが阻害されることを抑制できる。特に、出口部材15Fの突出部33には、複数の液流入口33fが形成されており、複数の液流入口33fは、突出部33によって容器本体10と血液処理フィルター材9との間の形成された隙間Saに開口されているので、例え、一部の液流入口33fで流れが阻害されたとしても他の液流入口33fで流路を確保できるので血液処理速度の低下を抑えて安定した処理が可能になる。
さらに本実施形態に係る血液処理フィルター1Fでは、出口部材15Fの一部分が出口側容器12の外部にあるので、自動ラインでのフィルター製造工程において、血液処理フィルター1Fの位置の固定や出口部材15F自体の固定が容易である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
赤血球製剤320g(保存状態:4℃、2日保存)を室温にて、濾過落差(該製剤が入った血液バッグから下方にあるフィルターまでの距離)1mで重力落差によりフィルター濾過した。フィルター入口チューブ長を42cm、フィルター出口チューブ長を50cmとした。尚、濾過時間とは、液を流し始めて血液バッグ、フィルター入口チューブおよびフィルター入口側濾過面に血液がなくなるまでとした。残血量は、血液処理量から血液回収量を引いた値とした。これを試料数3で行い、平均値を求めた。
[実施例1]
実施例1は、上述の第1実施形態に係る血液処理フィルターの具体的な態様である。実施例1では、入口側を上、出口側が下となるように血液処理フィルターを縦に配置して濾過処理を実行しており、出口部材の突出部の端面が血液処理フィルター材に接触している。一方で、突出部の側面は血液処理フィルター材に接触しておらず、二個の液流入口が上下の短側面にそれぞれ形成されている。実施例1は、出口部材と血液処理フィルター材との接触面積が大きくなる。実施例1において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は44.8分であり、容器本体内の残血量は38.3mlであった。
[実施例2]
実施例2は、上述の第2実施形態に係る血液処理フィルターの具体的な態様である。実施例2では、入口側を上、出口側が下となるように血液処理フィルターを縦に配置して濾過処理を実行しており、出口部材の突出部の端面の中央部分が突き出して血液処理フィルター材に主体的に接触している。一方で、中央部分以外の端面、及び側面は血液処理フィルター材に接触しておらず、二個の液流入口が上下の短側面に形成されている。実施例2は、出口部材と血液処理フィルター材との接触面積が小さくなる。実施例2において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は41.6分であり、容器本体内の残血量は38.2mlであった。
[実施例3]
実施例3は、上述の第3実施形態に係る血液処理フィルターの具体的な態様である。実施例3では、入口側を上、出口側が下となるように血液処理フィルターを縦に配置して濾過処理を実行しており、出口部材の突出部の頂部がフィルター材に主体的に接触している。一方で、頂部以外の面は血液処理フィルター材に接触しておらず、二個の液流入口が頂部以外の面に形成されている。実施例3は、出口部材と血液処理フィルター材との接触面積が小さくなる。実施例3において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は40.3分であり、容器本体内の残血量は36.7mlであった。
[実施例4]
実施例4は、上述の第4実施形態に係る血液処理フィルターの具体的な態様である。実施例4では、入口側を上、出口側が下となるように血液処理フィルターを縦に配置して濾過処理を実行している。出口部材は、横方向に長いブロック状であり、出口部材の突出部の端面がフィルター材に接触している。一方で、突出部の側面は血液処理フィルター材に接触しておらず、二個の液流入口は、横方向の両端に形成された一対の側面に形成されている。実施例4は、出口部材と血液処理フィルター材との接触面積が大きくなる。実施例4において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は48.0分であり、容器本体内の残血量は39.2mlであった。
[実施例5]
実施例5は、上述の第5実施形態に係る血液処理フィルターの具体的な態様である。実施例5では、入口側を上、出口側が下となるように血液処理フィルターを縦に配置して濾過処理を実行しており、出口部材の突出部の端面が血液処理フィルター材に接触している。一方で、突出部の側面は血液処理フィルター材に接触しておらず、三個の液流入口が突出部の側面に形成されている。実施例5は、出口部材と血液処理フィルター材との接触面積が大きくなる。実施例5において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は44.2分であり、容器本体内の残血量は38.2mlであった。
[比較例1]
図10は、比較例1に係る血液処理フィルター100の縦断面図である。比較例1では、出口部材100bは容器本体100aの外側に突き出して設けられている。比較例1では、容器本体100aの内表面全域100cが血液処理フィルター材との接触が想定される当接面になっており、一個の液流入口100dが血液処理フィルター材との接触位置に形成されている。比較例1において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は64.0分であり、容器本体内の残血量は36.2mlであった。
[比較例2]
図11は、比較例2に係る血液処理フィルター101の出口部材101aを拡大して示す縦断面図である。比較例2に係る出口部材101bは、容器本体101bから内側に突き出して設けられたブロック状の突出部を有している。比較例2では、一個の液流入口101dしか形成されていない。また、液流入口101dは上側の短側面101eに形成されおり、下側の短側面101fに液流入口101dは形成されていない。比較例2において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は51.2分であり、容器本体内の残血量は39.3mlであった。
[比較例3]
図12は、比較例3に係る血液処理フィルター102の出口部材102bを拡大して示す縦断面図である。比較例3に係る出口部材102bは、容器本体102aから内側に突き出して設けられたブロック状の突出部を有している。突出部には二個の液流入口102dが形成されているが、二個の液流入口102dは血液処理フィルター材102fに接触する端面102gに形成されている。比較例3において、所定量の試料液体を濾過処理した際、濾過時間は57.6分であり、容器本体内の残血量は41.2mlであった。
[総合評価]
実施例1〜5に係る血液処理フィルターでは、比較例1〜3に係る血液処理フィルターに比べて濾過時間が極めて短くなっている。より詳細には出口部材と血液処理フィルター材との接触面積を小さくすると濾過時間が短い結果となった。また、出口側において、液流入口が血液処理フィルターの縦方向の下方側にあると残血量が少くなる、という結果となった。

Claims (8)

  1. 血液の入口と出口とを有する可撓性容器と該容器内部を入口側と出口側とに隔てるように配置したシート状の血液処理フィルター材を含む血液処理フィルターであって、
    前記可撓性容器は、前記血液処理フィルター材を収容する容器本体と、前記出口を形成する出口部材と、を備え、
    前記出口部材は、前記容器本体から前記容器本体の内側に突き出した突出部を有し、前記突出部には、前記血液処理フィルター材との非接触位置に複数の液流入口が形成されている血液処理フィルター。
  2. 前記液流入口は、前記突出部によって前記容器本体と前記血液処理フィルター材との間に形成された隙間に開口されている請求項1記載の血液処理フィルター。
  3. 前記突出部は、前記血液処理フィルター材に当接する当接面と、前記当接面から外れて前記血液処理フィルター材との非接触位置に形成された側面とを有し、前記複数の液流入口は前記側面に形成されている請求項1または2記載の血液処理フィルター。
  4. 前記出口部材は、前記容器本体の外側に形成された外部を有し、前記出口は、前記外部に形成されていることを特徴とする請求項3記載の血液処理フィルター。
  5. 前記出口部材には、前記複数の液流入口に連通し、且つ前記血液処理フィルター材に沿って延在する主流路と、前記主流路から分岐して前記出口に連通する分岐流路とが形成されている請求項4記載の血液処理フィルター。
  6. 前記複数の液流入口のうち、一部の前記液流入口は前記入口側の側面に形成され、他の前記液流入口は前記出口部材の反対側の側面に形成されている請求項5記載の血液処理フィルター。
  7. 前記突出部内には、前記突出部を貫通して前記液流入口と前記出口とを連通する出口流路が形成されている請求項1〜6のいずれか一項記載の血液処理フィルター。
  8. 前記突出部により前記容器本体と前記血液処理フィルター材との間に形成される空間は、前記突出部に近い側で広く、遠い側で狭くなっている請求項1〜7のいずれか一項記載の血液処理フィルター。
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