JP5840591B2 - 水素吸蔵放出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素吸蔵放出装置に関する。
近年、地球環境の改善につながる燃料電池用の燃料として、水素への期待が高まっている。水素は、天然ガス、ナフサ、灯油、メタノールなどの炭化水素含有燃料と水蒸気とを金属触媒の存在下で改質・変成し、精製して得るのが一般的である。変成後のガスには水素以外に一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水などが含まれており、固体高分子形燃料電池(以下、「PEFC」という)の原料として水素を用いる場合、特に電極触媒の被毒原因となる一酸化炭素を完全に除去した方が好ましい。例えば、自動車用PEFCにおいては、純水素を用いるタイプが一般的である。また、家庭用を代表とする定置式PEFCにおいては、一酸化炭素以外の不純物もそのまま用いているが、純水素を用いたほうが発電効率は向上する。
高純度水素を得る方法としては、例えば水素吸蔵合金法が挙げられる。この方法は、水素吸蔵合金に水素含有ガス中の水素のみを選択的に吸蔵させることで、水素を不純物ガスから分離し、水素を吸蔵させた後に水素吸蔵合金から水素のみを放出させることによって高純度水素を製造する方法である(特開平5−319802号公報参照)。
一方、水素吸蔵合金は水素吸蔵により膨張し、水素放出により収縮する性質を持ち、その膨張・収縮する体積の比率は15〜30%と非常に大きい。また、この性質により、水素吸蔵合金は徐々に微粉化し、伝熱性が悪化すると共に合金自体の重力や水素吸蔵時の加圧によって容器下部の水素吸蔵合金は圧密・固結化する。水素吸蔵合金を充填される容器は、水素貯蔵用途では一般的にバッチ式のため、水素吸蔵合金の充填層において水素吸蔵合金の膨張・収縮を原因とするショートパスやクラックが発生しても水素が水素吸蔵合金の充填層中を拡散するので、水素を貯蔵する用途では大きな問題とならない。しかしながら、水素を精製する用途、特に水素濃度が低い場合、水素吸蔵合金を充填される容器は水素が流通する流通式にする必要があり、水素吸蔵合金の充填層中にショートパスやクラックが発生すると水素含有ガスと水素吸蔵合金との接触が減少し、水素回収率が大きく低下するという不具合がある。
そこで、水素吸蔵合金の膨張に伴う応力の低減を目的として、無機物あるいは有機物を原料とする粒子を水素吸蔵合金に混合して容器に充填する方法(特開平7−330302号公報参照)や、水素吸蔵合金の粒子と固体潤滑剤の粒子を混合して容器に充填、もしくはペレットに成型して充填する方法(特開平9−255301号公報参照)が提案されている。
また、水素吸蔵合金への水素吸蔵反応、すなわち水素吸蔵合金の水素化反応は発熱反応であることから、水素吸蔵速度を維持するには、容器内からこの反応熱を除去する必要がある。一方、水素吸蔵合金からの水素放出反応、すなわち水素吸蔵合金の脱水素化反応は吸熱反応であることから、水素吸蔵合金から純水素を放出させるには、脱水素化反応の反応熱を外部より供給する必要がある。しかし、水素吸蔵合金は一般的に粉体であり、上記の通り、水素吸蔵・放出の繰り返しに伴い微粉化が進行する。このため、水素吸蔵合金の充填層の熱伝導度は高々1W/m/Kと非常に低く、水素吸蔵合金層の熱伝導により反応速度が律速される。このため、水素吸蔵合金に水素を効率的に吸蔵させるには、水素吸蔵合金の充填層での伝熱の促進が重要な課題である。この課題の解決策として、水素吸蔵合金容器内に伝熱フィンを設ける方法(特開2005−240983号公報参照)が提案されている。
しかしながら、特開平7−330302号公報や特開平9−255301号公報に記載された方法はいずれも水素を貯蔵する用途を想定しており、水素放出時の収縮に伴うショートパスやクラックの発生を十分に抑止しうるものではない。さらに、無機物あるいは有機物を原料とする粒子を水素吸蔵合金に混合する方法では、水素吸蔵・放出を繰り返すに従って比重の重い水素吸蔵合金が下方に移動し、水素吸蔵合金が無機物あるいは有機物を原料とする粒子と分離してしまうおそれがある。また、水素吸蔵合金の粒子と固体潤滑剤の粒子を混合してペレットに成型しても、ペレットの粉化を長期間に亘り抑止することは困難であり、ショートパスやクラックの発生を抑止するためには十分ではない。
また、特開2005−240983号公報に示された方法のように伝熱フィンを設けると、流動性の悪い水素吸蔵合金の容器への充填が著しく困難になり、例えば加振器で振動を加えながら水素吸蔵合金を充填せねばならず、作業性が著しく悪化する。また、この方法では水素吸蔵合金の沈降規制手段を設け、圧密化の抑制を行っているが、そのために水素吸蔵合金の充填層でのガス通過断面積が著しく小さくなる。水素吸蔵合金は粉体であって通気抵抗が大きいので、ガス通過断面積が小さいと、水素吸蔵合金の充填層全体での供給圧力の圧力損失が増大する。純水素の貯蔵用途では水素ガスの粘度が小さいので、供給圧力の圧力損失が増大しても大きな不具合にはならないが、水素の精製用途として水素吸蔵合金を用いる上では、圧力損失の増大はプロセス全体の効率を低下させてしまい不具合となる。
そこで、水素吸蔵合金の圧密・固結化を軽減すると共に、水素吸蔵合金の充填層での伝熱性を高くするために、熱交換用の温冷水を通す二重管と螺旋状フィンとを水素吸蔵合金の充填層に備えた構造の横置きの円筒形状の容器が提案されている(特開2002−295798号公報参照)。この構造では螺旋状フィンにより水素吸蔵合金の充填層の伝熱性が高くなり、また水素吸蔵合金の充填も容易である。また、円筒形状を横置きにしているので、水素吸蔵合金は圧密・固結化を軽減することができる。
しかしながら、水素の精製用途に用いるためには水素吸蔵合金の充填層でのショートパスの抑制が必須であるのに対し、容器を横置きで水素の精製用途に用いた場合、螺旋状フィンの上方ならびに下方に空間が存在するので螺旋状フィンの上方の空間のみを水素含有ガスが通過し、水素精製が十分に行えないという不具合がある。
このように、従来、水素吸蔵合金を充填するのに円筒容器が用いられているが、水素吸蔵合金の圧密・固結化を軽減するために容器を横置きにすると、水素吸蔵合金が充填されていない上方の空間のみを水素含有ガスが通過し、水素精製が十分に行えないという不具合がある。
特開平5−319802号公報 特開平7−330302号公報 特開平9−255301号公報 特開2005−240983号公報 特開2002−295798号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、水素吸蔵合金の膨張・収縮による圧密・固結化を低減すると同時に、水素含有ガスのショートパスを抑制しつつ水素吸蔵合金充填層中の水素含有ガスの流路を延長でき、かつ充填剤への熱伝導性が促進できる結果、水素の吸蔵・精製の効率を格段に向上することができる水素吸蔵放出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る水素吸蔵放出装置は、
一端側の水素含有ガス供給口と他端側のオフガス排出口とを有する円筒状のタンクと、
このタンク内に充填され、水素吸蔵合金を含む充填剤と、
この充填剤を加熱及び冷却する温度制御手段と
を備える水素吸蔵放出装置であって、
上記タンクの内面に突設され、ガスが軸心方向に沿ってジグザグ状又は螺旋状に流通するよう規制するフィンを備えていることを特徴とする。
当該水素吸蔵放出装置は、タンクの内面に突設され、ガスが軸心方向に沿ってジグザグ状又は螺旋状に流通するよう規制するフィンを備えていることから、タンク内を水素含有ガス供給口からオフガス排出口に流通する水素含有ガスの流路を長くでき、かつ水素含有ガスのショートパスが発生し難い構造となる。また、当該水素吸蔵放出装置は、上述のようにガスが軸心方向に沿ってジグザグ状又は螺旋状に流通するよう規制するフィンを有していることから、タンク内がフィンにより区画されたような状態になるため、充填剤の自重や水素吸蔵合金の吸蔵時の水素印圧による下部への圧密を分散でき、水素吸蔵合金の固着を低減することができる。さらに、当該水素吸蔵放出装置は、タンク内にガスの流路を規制するフィンを有することから、充填剤の充填部の中央部までフィンが当接することとなり、充填剤に対する熱伝導性が促進される。その結果、当該水素吸蔵放出装置は、水素含有ガスを充填剤層に均一かつ確実に流通させることができ、かつ充填剤の温度制御が容易かつ確実になるため、水素の吸蔵・精製効率を格段に向上することができる。
上記フィンが螺旋状であることが好ましい。フィンが螺旋状であることにより、ガスを軸心方向に沿って螺旋状に流通させることができる。また、ガスの直線的な流通を規制するフィンを螺旋状にすることで、ガス通過断面積が比較的大きくかつ均一になり、タンク内の圧力損失を比較的小さくでき、その結果プロセス全体の効率を向上することができる。
上記フィンとして、被規制部のタンク横断面への投影位置が異なる複数種のフィンを有し、これらの複数種のフィンを軸心方向に沿って交互に配設してもよい。このように、被規制部つまり開口部の位置が異なる複数種のフィンを交互に配設することで、比較的簡単な構造でガスを軸心方向に沿ってジグザグ状に流通させることが可能になる。
上記タンクは、略水平な横置き状態で使用するとよい。このように、タンクを横置き状態で使用することで、水素吸蔵により水素吸蔵合金が膨張した際に、タンク内の径方向の上方に水素吸蔵合金が容易に移動し、タンクに作用する外方向の応力を低減することができる。また、当該手段によれば、タンク内面に突設されるフィンによりタンク内の区画化が促進されるため、上述の水素吸蔵合金の圧密、固着をより効果的に低減することができる。なお、当該水素吸蔵放出装置は、上述のようにタンクの内面に突設されるフィンを有するため、横置き状態で使用しても、タンク内の上方での水素含有ガスのショートパスが低減され、充填剤をタンク内容積の半分以上充填することで、ショートパスを防止することができる。
上記充填剤の充填量としては、タンク内容積の75%以下が好ましい。充填量が75%を超えるとタンク内に十分な空隙が確保されず、充填剤が水素吸蔵により体積膨張した際に過大な応力が発生してタンクが破損するおそれがあり、タンクの肉厚を厚くしなければならず、コスト高になる。
上記温度制御手段としては、上記タンクの外周面を加熱及び冷却する構成を採用可能である。上述のようにフィンがタンク内面に突設されているので、タンクの外周面を加熱及び冷却することにより、タンクに連結したフィンを介して充填剤を効果的に加熱及び冷却できる。
上記温度制御手段としては、タンク内にフィンと接合するよう配設され、内部に熱媒体を流通するよう構成される管を有する構成も採用可能である。管中に熱媒体を流通させることにより、直接的にフィンを加熱及び冷却でき、その結果充填剤の加熱及び冷却の制御が容易かつ確実になる。
上記充填剤としては、上記水素吸蔵合金を主成分とする粒子と水素非吸蔵性粒子との混合物とするとよい。水素吸蔵合金に水素非吸蔵性粒子が混合されることにより、充填剤の膨張・収縮ならびに膨張に伴う応力を緩和し、充填剤の圧密化・固結化を低減することができる。
上記充填剤における上記水素非吸蔵性粒子の含有率としては5質量%以上50質量%以下が好ましい。水素非吸蔵性粒子の含有率が上記範囲未満であれば、充填剤でのショートパス・クラックの発生抑制が十分でなくなり、水素精製の効率が低下するおそれがある。逆に、水素非吸蔵性粒子の含有率が上記範囲を超えると、タンクの水素吸蔵量が低下し、単位体積当たりの精製能力が低下するおそれがある。
上記水素非吸蔵性粒子としては、Cu、Fe及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属粒子、又はCu、Fe及びZnからなる群から選ばれる2種以上の金属の合金粒子が好ましい。いずれも水素吸蔵合金と比較して水素雰囲気下での体積膨張、収縮が僅かであり、また水素吸蔵合金粒子に近い熱伝導度を有する。従って、これら粒子よりも熱伝導度が低いセラミックスやアルミナ、シリコンゴムといった充填物と混合した場合と比較して、熱伝導度が向上する。また、水素吸蔵合金粒子に近いかさ密度を有することから、かさ密度が低いセラミックスやアルミナ、シリコンゴムといった充填物と比較して、水素吸蔵合金と混合した際に均一に混合し易い。
以上説明したように、当該水素吸蔵放出装置によれば、水素吸蔵合金の膨張・収縮による圧密・固結化を低減すると同時に、水素含有ガスのショートパスを抑制しつつ水素吸蔵合金充填層中の水素含有ガスの流路を延長でき、かつ充填剤への熱伝導性が促進でき、その結果水素の吸蔵・精製の効率を格段に向上することができる。また、当該水素吸蔵放出装置は、タンクを横置き状態での使用、水素の精製に好適である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る水素吸蔵放出装置を示す概略構成図であり、(a)は充填剤を除いた状態、(b)は充填剤を充填した状態を示す。 図2(a)は水素吸蔵放出装置のタンクが縦置きの場合の概略説明図、図2(b)は水素吸蔵放出装置のタンクが横置きの場合の概略説明図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る水素吸蔵放出装置を示す概略構成図であり、充填剤を除いた状態を示す。 図4(a)は本発明の第3の実施形態に係る水素吸蔵放出装置を示す概略構成図であり、図4(b)は図4(a)の概略A−A断面図である。
以下、本発明に係る水素吸蔵放出装置の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[第1の実施形態]
<水素吸蔵放出装置>
図1の水素吸蔵放出装置1は、水素の精製を行うものであり、タンク2、フィン3、温度制御手段4及び充填剤5を主に備えている。以下、各部について説明する。
(タンク)
タンク2は、内部に充填剤5を充填する有端円筒状のものであり、圧力の局部集中を低減すべく両端が凸状に湾曲している。タンク2は、一端側に水素含有ガスの供給及び水素ガスの取り出しを行う水素含有ガス供給口6を有し、他端側にオフガスの排出を行うオフガス排出口7を有する。この水素含有ガス供給口6には、水素含有ガスをタンク2に供給する水素含有ガス供給管8と、精製された水素ガスをタンク2から取り出す精製水素ガス取り出し管9とが連結されている。また、オフガス排出口7には、オフガスを排出するオフガス排出管10が連結されている。それぞれの管にはバルブが取り付けられている。また、水素含有ガス供給口6が設けられた側のタンク2の端部には、充填剤をタンク2内に充填するための開閉自在な充填口(図示せず)が設けられている。
タンク2の材料としては、特に限定されるものではなく、必要な強度、耐熱性、熱伝導性等を有すれば金属材料、プラスチック材料等が採用される。この金属材料としては、例えば鉄、鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。プラスチック材料としては、エンジニアリングプラスチック等が挙げられる。金属材料とプラスチック材料等との複合材も使用可能である。
(フィン)
フィン3は、タンク2の内面に突設される板状体であり、タンク2の軸心方向を中心軸とする螺旋形状に形成されている。この螺旋状のフィン3により、水素含有ガス供給口6から供給された水素含有ガスが軸心方向に沿って螺旋状にオフガス排出口7へ流通する。このフィン3の材料としては、上記タンク2と同様である。
(温度制御手段)
温度制御手段4は、タンク2の外周面に付設され、タンク2ひいてはフィン3を加熱及び冷却するよう構成されている。温度制御手段4は、タンク2の周囲を覆う熱媒体流通部11を有し、熱媒体流通部11に熱媒体を流通させる。この熱媒体流通部11の一端側には、冷却用熱媒体を供給する冷却用熱媒体供給管12と、加熱用熱媒体を供給する加熱用熱媒体供給管13とが連結されている。一方、熱媒体流通部11の他端側には、冷却用熱媒体を排出する冷却用熱媒体排出管14と、加熱用熱媒体を排出する加熱用熱媒体排出管15とが連結されている。これらの管にはそれぞれバルブが設けられており、各バルブの開閉操作によって冷却用熱媒体及び加熱用熱媒体の供給開始及び供給停止が行われる。冷却用熱媒体には例えば冷水を、加熱用熱媒体には例えば温水を採用可能である。このように水を用いることで、温度制御が容易になる。
(充填剤)
充填剤5は、少なくとも水素吸蔵合金が含まれる。この水素吸蔵合金は、通常、粒子状のものが用いられる。また、充填剤5としては、水素吸蔵合金以外に、水素非吸蔵性粒子が挙げられる。水素吸蔵合金と水素非吸蔵性粒子の両者からなる場合、両者は十分に混合された状態で用いられる。水素吸蔵合金粒子の粒径としては、特に限定されないが、50メッシュアンダーが好ましく、75メッシュアンダーが特に好ましい。かかる粒径の小さい水素吸蔵合金を用いることで、水素吸蔵時に生じる容器に対する応力が抑えられる。水素吸蔵合金の粒径の下限としては、特に限定されないが、300メッシュアンダーが好ましい。300メッシュアンダーより小さい場合、オフガス排出口7から流出するおそれがある。
水素吸蔵合金としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。水素吸蔵合金としては、25℃における水素平衡圧が10MPa以下のものが好ましく、0.01MPa以上1MPa以下のものがより好ましい。具体的な、水素吸蔵合金としては、AB5系に属するMmNi系水素吸蔵合金、LaNi系水素吸蔵合金、CaNi系水素吸蔵合金など、また、AB2系、AB系、BCC系に属するFeTi系水素吸蔵合金、TiMn系水素吸蔵合金、TiZr系水素吸蔵合金、ZrMn系水素吸蔵合金等を挙げることができる。
充填剤5のタンク2への充填方法は、特に限定されないが、次のような手段で行うとよい。まず、タンク2を縦置きにして充填口を開け、充填剤を必要量充填し、充填口を閉じる。その後、タンク2を振動させながら、タンク2を回転させる。これにより、充填剤が振動によって流動性を得、フィン3の回転によってタンク2の軸心方向に移動する。従って、タンク2の回転方向や回転量を適当に調整することによって、充填剤5をタンク2の軸心方向に均一に充填することができる。
<水素ガス精製方法>
水素吸蔵放出装置1を用いた水素ガスの精製方法は、水素吸蔵工程、パージ工程及び水素放出工程を含む。
(水素吸蔵工程)
水素含有ガス供給管8より水素含有ガスをタンク2内に供給し、タンク2内の充填剤5内に流通させる。充填剤5内を流通させ、水素吸蔵合金に水素を吸蔵された後のオフガスはオフガス排出管10から排出する。水素吸蔵反応は発熱反応なので、除熱のためにタンク2の外側に設けられた熱媒体流通部11に冷却用熱媒体を流通させ、タンク2及びフィン3を介して充填剤5を冷却しながら吸蔵を行う。水素吸蔵合金の種類によっては、加圧状態で吸蔵を行う。オフガス中の水素濃度が許容範囲を超えた時点や、予め定めた時間が経過した時点で水素吸蔵工程を終了する。
(パージ工程)
水素吸蔵工程終了後、水素含有ガス供給管8からの水素含有ガスの供給を停止し、タンク2内の圧力が常圧程度になるまで待機し、タンク2に残存しているオフガスをオフガス排出管10から排出する。
(水素放出工程)
パージ工程終了後、熱媒体流通部11に加熱用熱媒体を流通させ、タンク2及びフィン3を介して充填剤5を加熱し、充填剤5が吸蔵した水素ガスを放出させる。水素吸蔵工程において、加圧状態で水素含有ガスを精製した場合には、タンク2の減圧した状態で充填剤5を加熱する。タンク2の減圧は、精製水素ガス取り出し管9に真空ポンプを取り付けて、タンク2内の水素ガスを吸引すればよい。また、水素ガスを放出させるには、加熱のみを行った上でタンク2の内圧を上昇させて水素ガスを放出させてもよい。
<利点>
当該水素吸蔵放出装置1は、フィン3がタンク2の内面に突設され、フィン3とタンク2の内面との間に間隙がない。従って、水素吸蔵放出装置1を横置きにする場合にも、水素含有ガスが水素含有ガス供給口6からオフガス排出口7に充填剤5を通らずに流通する空間、つまりショートパスがフィン3の上方に生じないように適切な量(例えば、タンク2の内容積の50%以上)の充填剤5を充填する。そうすることで、水素含有ガスがフィンに沿って充填剤5中を螺旋状に流通し、流路が長くなるため、水素精製の効率が良くなる。また、充填剤5中にフィン3が存在するため、タンク2及びフィン3を温度制御手段4によって加熱及び冷却することで、充填剤5が加熱及び冷却され、水素の吸蔵・放出反応が促進される。さらに、フィン3とタンク2の内面との間に間隙がないので、温度制御手段4がタンク2の外周面を加熱及び冷却することにより、フィン3を介して充填剤5の温度制御を容易に行うことができる。また、当該水素吸蔵放出装置1は、螺旋状のフィン3によりタンク2内が区画されたような状態になるため、充填剤5の自重や水素吸蔵合金の吸蔵時の水素印圧による下部への圧密を分散でき、水素吸蔵合金の固着を低減することができる。
<その他>
タンク2の設置状態としては、略水平な横置き状態でも略鉛直な縦置き状態でも使用可能であるが、横置き状態での使用が特に好ましい。図2(a)に示すようなタンク2が縦置きの場合、充填剤5が膨張したときに、応力Fがタンク2の内面に垂直に加わるので、タンク2が破損するおそれがある。しかし、図2(b)に示すような横置きの場合、応力Fがタンク2の内面に斜めに加わるので、応力Fが内面に垂直な方向の分力F1と内面の接線方向の分力F2に分散し、充填剤5が内面に沿って移動できる。従って、タンク2が横置き状態での使用の方が縦置き状態よりも内面に垂直な応力が減少し、タンク2が破損するおそれが少なくなる。当該水素吸蔵放出装置1は、フィン3によりタンク2内が螺旋状に区画されているため、縦置き状態でも充填剤5の自重が全て下方にかからず、上述の破損等の不都合が低減される。但し、当該水素吸蔵放出装置1を横置き状態での使用することで、上述の破損等の不都合が格段に低減される。
充填剤5の充填量(タンク2に充填される充填剤5の体積割合)としては、タンク2の内容積の75%以下が好ましい。充填剤5の充填量が75%を超えるとタンク内に十分な空隙が確保されず、充填剤5が水素吸蔵により体積膨張した際に過大な応力が発生してタンク2が破損するおそれがあり、タンク2の肉厚を厚くしなければならず、コスト高になる。
充填剤5としては、水素吸蔵合金粒子と水素非吸蔵性粒子との混合物が好ましい。水素非吸蔵性粒子が水素吸蔵合金の膨張・収縮ならびに膨張に伴う応力を緩和し、充填剤5の圧密化・固結化を低減することができる。そして、このことにより水素放出時における水素吸蔵合金の収縮により発生する充填剤5の充填部でのショートパスやクラックの発生を抑制することができ、水素精製の効率が良くなる。
充填剤5に対する水素非吸蔵性粒子の含有率としては、5質量%以上50質量%以下が好ましい。この水素非吸蔵性粒子の含有率が5質量%未満であれば充填剤5の充填部でのショートパスやクラックの発生の抑制が十分でなくなり、水素精製の効率が低下するおそれがある。逆に、水素非吸蔵性粒子の含有率が50質量%を超えるとタンク2の水素吸蔵量が低下し、単位体積当たりの精製能力が低下するおそれがある。
水素非吸蔵性粒子としては、例えば、Cu、Fe及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属粒子、又はCu、Fe及びZnからなる群から選ばれる2種以上の金属の合金粒子を用いることができる。いずれも水素吸蔵合金と比較して水素雰囲気下においての体積膨張、収縮が僅かなので、充填剤5の体積膨張、収縮を抑えることができる。また、これらの粒子は、水素吸蔵合金粒子と近い熱伝導度を有する。従って、これら粒子よりも熱伝導度が低いセラミックスやアルミナ、シリコンゴムといった充填物と混合した場合と比較して、熱伝導度が向上する。また、これらの粒子は安価なので、精製が低コストになる。また、水素吸蔵合金粒子に近いかさ密度を有することから、かさ密度が低いセラミックスやアルミナ、シリコンゴムといった充填物と比較して、水素吸蔵合金と混合した際に均一に混合し易い。
タンク2の内周面における軸心方向を基準とするフィン3間の距離(以下、「フィンピッチ」という)をL、タンク2の内径をDとしたとき、その比L/Dとしては0.5以上25以下が好ましい。L/Dが0.5未満だとガスが通過する断面積が小さくなり、ガスの圧力損失が大きくなる。L/Dが25を超えると、ガスが充填剤中を通過する距離が短くなり、水素精製の効率が小さくなるおそれがある。
[第2の実施形態]
図3の水素吸蔵放出装置21は、タンク22、フィン3、温度制御手段23及び充填剤5を主に備えている。このフィン3及び充填剤5は、図1の水素吸蔵放出装置1と同様であるので、同一番号を付して説明を省略し、相違点を特記する。タンク22は、上記タンク2と同様の外殻24と、この外殻24の内面に積層される断熱層25とを備えている。従って、フィン3は、断熱層25の内面に突設されている。
温度制御手段23は、タンク22内にその中心軸に沿い、かつフィン3の中心軸に貫通するよう配設される熱媒体流通管26を有している。従って、この熱媒体流通管26の外周面にはフィン3が突設されている。熱媒体流通管26は、上記温度制御手段4と同様に内部に熱媒体を流通させるものであり、冷却用熱媒体供給管12、加熱用熱媒体供給管13、冷却用熱媒体排出管14及び加熱用熱媒体排出管15が接続されている。
当該水素吸蔵放出装置21は、上記水素吸蔵放出装置1と同様の効果を奏することができる。加えて、当該水素吸蔵放出装置21は、温度制御手段23がダイレクトにフィン3を加熱及び冷却できるため、充填剤5の温度制御が容易かつ確実になる。また、タンク22の内面の断熱層25により、タンク22の外部との熱伝導が少なくなり、フィン3による充填剤5の加熱及び冷却がより容易になる。従って、当該水素吸蔵放出装置21は、水素の精製効率がより高められる。
[第3の実施形態]
図4の水素吸蔵放出装置31は、タンク2、フィン32、温度制御手段4及び充填剤5を備えている。このタンク2、温度制御手段4及び充填剤5は、図1の水素吸蔵放出装置1と同様であるため、同一番号を付して説明を省略し、相違点を特記する。このフィン32は、タンク2の内部の径方向の一方側に配設される複数の第1フィン32aと、この第1フィン32aと対向するよう上記径方向の他方側に配設される複数の第2フィン32bとを有している。これらの第1フィン32aと第2フィン32bとは、タンク2の軸心方向に沿って交互にかつ略等間隔で配設されている。第1フィン32a及び第2フィン32bは、半円形より大きい板状体であり、被規制部つまり開口部の位置がそれぞれ径方向の対向位置になる。タンク2を横置きにする場合、第1フィン32aと第2フィン32bの内のいずれか一方が上方に位置し、他方が下方に位置するようにする。
当該水素吸蔵放出装置31は、水素含有ガス供給口6から供給された水素含有ガスが、フィンによって軸心方向に沿ってジグザグ状に流通し、充填剤5中を長い距離に亘って流通する。従って、当該水素吸蔵放出装置31は、比較的簡単な構造で上記水素吸蔵放出装置1と同様の効果を奏することができる。なお、横置き状態での使用の場合、充填剤5を上方に位置する方のフィン(図4では第2フィン32b)の下側の端部の高さ、つまりフィンによる下側開口部の上端以上まで充填する必要がある。
[その他の実施形態]
本発明の水素吸蔵放出装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、当該水素吸蔵放出装置は、上記水素精製用途に限定されず、その他に水素の貯蔵等にも適用でき、同様の理由で貯蔵等の効率を向上することができる。また、フィンの形態としては、上記螺旋状等に限定されず、タンクの内面に突設され、ガスが軸心方向に沿ってジグザグ状又は螺旋状に流通するよう規制するいかなる形態でもよい。さらに、螺旋状のフィンに関し、中心軸部が開口した形態でもよく、横置き状態での使用の場合でもその中心開口より上方まで充填剤を充填することで、本発明の効果を奏する。一方、交互に遮蔽壁を形成し、ガスが軸心方向に沿ってジグザグ状に流通するよう規制するフィンにおいても、半円形状に限定されず、被規制部のタンク横断面への投影位置が異なればよく、3種類以上のフィンでも採用される。さらに、タンク内面の断熱層は、必ずしも必要でない。さらに、タンクの外周面を加熱及び冷却する構成として、外周面をファンによって冷却するような構成にしてもよいし、外周面をヒータによって加熱するような構成にしてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
第1の実施形態で示した水素吸蔵放出装置1を用い、タンク2を横置きにして、下記の条件で水素の精製を行った。
充填剤:下記の水素吸蔵合金と水素非吸蔵性粒子とを十分に混合して用いた。充填剤の充填に際しては、充填剤の充填後にタンク2を横置きにし、タンク2を振動させながら回転させて、タンク2の軸心方向に均一に充填した。
水素吸蔵合金:20℃における平衡圧が0.2MPaとなるように調整した粒子状のAB5系水素吸蔵合金(平均粒径10μm)
水素非吸蔵性粒子:アトマイズ鉄粉(平均粒径10μm)
水素非吸蔵性粒子の充填剤に対する割合:37.5%
水素含有ガスの組成:Hが80体積%、COが20体積%
充填剤の充填率:タンク2の容積の50%
タンク2の内径:46mm
タンク2の内部の軸心方向長さ:500mm
フィンピッチL:60mm
(精製方法)
(1)最初に活性化処理として、タンク2内を150℃に加熱し、加熱した状態で真空引きを2時間行った。
(2)(水素吸蔵工程)真空引きに続いて、熱媒体流通部11に20℃の冷水を流通させてタンク2を冷却しながら、水素含有ガスを、入り側で(圧力:0.9MPa、温度:20℃、流量:2.0NL/min)の条件でタンク2内に30分間流通させ、充填剤5に水素を吸蔵させながらオフガスを排出した。
(3)(パージ工程)水素吸蔵工程終了後、水素含有ガス供給管8からの水素含有ガスの供給を停止し、オフガスがオフガス排出管10から排出されてタンク2内の圧力が0.1MPaになるまで待機した。
(4)(水素放出工程)80℃の温水を熱媒体流通部11に流通させて加熱し、充填剤5から放出された水素ガスを精製水素ガス取り出し管9から取り出した。
(5)上記(水素吸蔵工程)(パージ工程)(水素放出工程)のサイクルを、10回繰り返した。
[実施例2]
第2の実施形態で示した水素吸蔵放出装置21を用いて、他の条件は実施例1と同一にして水素の精製を行った。ただし、充填剤5の充填量は実施例1と同量としたが、熱媒体流通管26と断熱層25のためにタンク2の内容積が実施例1よりも小さくなる。従って、充填剤の充填率はタンク2の容積の55%となった。
[比較例1]
第1の実施形態の水素吸蔵放出装置からフィン3を取り除いた構成の水素吸蔵放出装置を用い、タンク2を横置きにして、実施例1と同様の条件で水素精製を行った。
[比較例2]
比較例1と同一構成の水素吸蔵放出装置を用い、タンク2を縦置きにして、実施例1と同様の条件で水素精製を行った。
各実施例及び比較例での10回の試験における水素回収率(%)を表1に示し、水素含有ガス供給口6、オフガス排出口7間での圧力損失を表2に示す。
Figure 0005840591
Figure 0005840591
実施例1では、水素回収率が10回とも96%以上であり、高い水素回収率を示している。これは、タンク2の内面に接した螺旋状のフィン3によって、水素含有ガスが通過する充填剤5中の距離が長くなり、水素含有ガスが充填剤5と十分に接触できるためと考えられる。また、フィン3がタンク2の内面に接し、フィン3とタンク2の内面との間の熱伝動が良好なので、タンク2の外周面を加熱及び冷却することにより、フィン3を介して充填剤5を十分に加熱及び冷却できるためと考えられる。一方、圧力損失は最大28kPaであり、精製の条件を制約しない程度の十分に低い圧力損失となっている。
実施例2では、水素回収率が10回とも97%以上であり、高い水素回収率を示している。これは、タンク2の内面に接した螺旋状のフィン3によって、水素含有ガスが通過する充填剤5中の距離が長くなり、水素含有ガスが充填剤5と十分に接触できるためと考えられる。また、フィン3と接合する熱媒体流通管26を加熱及び冷却することにより、フィン3を介して充填剤5を十分に加熱及び冷却できるためと考えられる。一方、圧力損失は最大28kPaであり、精製の条件を制約しない程度の十分に低い圧力損失となっている。
比較例1では、水素回収率が92〜93%と、実施例1及び2に比べて低かった。これは、フィンを有さず、タンク2の内面からの熱伝動によって充填剤5の温度制御を行ったので、十分な温度制御ができなかったためと考えられる。また、圧力損失は60kPa以上と大きかった。これは、タンク2を縦置きとしたために、充填剤5が圧密化したためと考えられる。
比較例2では、水素回収率が74〜85%の間で推移し、安定した水素精製ができなかった。これは、横置きとしたために、充填剤5の充填層の上に空間が生じ、水素含有ガスがその空間を流通し、充填剤5と十分に接触しなかったためと考えられる。また、圧力損失は2〜3kPaと非常に低い値であったが、これは水素含有ガスが充填剤5中を十分に通過しなかったためと考えられる。
このように、本発明に第1の実施形態及び第2の実施形態の実施例では、横置きでも効率良く水素を精製することができた。
本発明の水素吸蔵放出装置は、水素の貯蔵、精製に好適に用いることができる。
1 水素吸蔵放出装置
2 タンク
3 フィン
4 温度制御手段
5 充填剤
6 水素含有ガス供給口
7 オフガス排出口
8 水素含有ガス供給管
9 精製水素ガス取り出し管
10 オフガス排出管
11 熱媒体流通部
12 冷却用熱媒体供給管
13 加熱用熱媒体供給管
14 冷却用熱媒体排出管
15 加熱用熱媒体排出管
21 水素吸蔵放出装置
22 タンク
23 温度制御手段
24 外殻
25 断熱層
26 熱媒体流通管
31 水素吸蔵放出装置
32 フィン
33a 第1フィン
33b 第2フィン

Claims (7)

  1. 一端側の水素含有ガス供給口と他端側のオフガス排出口とを有する円筒状のタンクと、
    このタンク内に充填され、水素吸蔵合金を含む充填剤と、
    この充填剤を加熱及び冷却する温度制御手段と
    を備える水素吸蔵放出装置であって、
    上記タンクの内面に突設され、ガスが軸心方向に沿ってジグザグ状又は螺旋状に流通するよう規制するフィンを備えており、
    上記温度制御手段が、上記タンク内にその中心軸に沿い、かつ上記フィンと接合するよう配設される熱媒体流通管と、この熱媒体流通管に接続される冷却用熱媒体供給管、加熱用熱媒体供給管、冷却用熱媒体排出管及び加熱用熱媒体排出管とを有し、
    上記充填剤の充填量が、タンク内容積の75%以下であることを特徴とする水素吸蔵放出装置。
  2. 上記フィンが螺旋状である請求項1に記載の水素吸蔵放出装置。
  3. 上記フィンとして、被規制部のタンク横断面への投影位置が異なる複数種のフィンを有し、
    これらの複数種のフィンが軸心方向に沿って交互に配設されている請求項1に記載の水素吸蔵放出装置。
  4. 上記タンクが、略水平な横置き状態で使用される請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水素吸蔵放出装置。
  5. 上記充填剤が、上記水素吸蔵合金を主成分とする粒子と水素非吸蔵性粒子との混合物である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水素吸蔵放出装置。
  6. 上記充填剤における上記水素非吸蔵性粒子の含有率が5質量%以上50質量%以下である請求項5に記載の水素吸蔵放出装置。
  7. 上記水素非吸蔵性粒子が、Cu、Fe及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属粒子、又はCu、Fe及びZnからなる群から選ばれる2種以上の金属の合金粒子である請求項5又は請求項6に記載の水素吸蔵放出装置。
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