JP5840566B2 - ロック機構付きバックル - Google Patents
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Description
本発明者らは、特許第3982955号公報(特許文献1)において、製作が容易で、軽量な合成樹脂バックルとして、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり、内部が係合溝を有するバンドの挿通空間とされたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有し、他端部上面を押圧部とする操作板とから構成され、該操作板を前記係合爪と前記押圧部の中間点にて、対向する天井枠の二辺に各々連結することにより、該中間点を支点として揺動自在とした合成樹脂製バックルであって、前記バンドの外表面と前記天井枠に、前記バックル本体に該バンドを片手の指先で引き寄せることのできる一対の掛止突起を設けた合成樹脂製バックルを提案している。
また、掛止部が突起状に形成されるので、前記バックルとバンドとを片手の指先で引き寄せるという観点では操作上のメリットがあるが、掛止突起が身体やその他の物体に当たって誤作動や怪我を引き起こす虞があった。
前記ロックボタンが前記バックル本体に設けたガイドに沿って上下動自在とされ、前記解除ボタンがロックされた状態では前記ロックボタンが前記弾性片上に設けた凸部に係合することが好ましい。
前記解除ボタンがロックされた状態では前記ロックボタンまたは前記回動操作部の高さが前記バックルの高さと同じかこれよりも低い位置となることが好ましい。
従って、このバックルは運動靴等の比較的強い締結力を必要とする製品への適用が最適である。
図1はバックル10の斜視図であり、これらの図において、バックル10は、底板11、これに対向する天井枠12、および底板11と天井枠12とを接続する側板13、13とからなる偏平かつ筒状のバックル本体14により主体が構成される。バックル本体14はバンドのスライド方向が挿通口15、15として開口され、その内部は後述する係合溝31を有するバンド30の挿通空間16となる。
図2(1)はバックル10とバンド30の係合状態を示す平面図であり、図2(2)は長手方向縦断側面図である。
図2(2)には、前述した係合爪21が示されている。なお、先に説明した部材については同一の符号を付してその説明を省略する(以下の説明でも同じ。)。
符号35はバンドの外表面に設けた掛止突起であり、後記するようにロックボタン40との双方に指先を掛けることにより、バンド30をバックル10に片手で引き寄せることが可能になる。
この状態では、図2(2)に示すように、係合爪21が所定の係合溝31と噛み合って係止しているので、バンド30はバックル10に対して進出自在であるが、後退不能である。
前記弾性片20の端面を前記解除ボタン18、18の対向辺に傾斜面を持って対向し、該傾斜面の角度を前記底板11に近づくに従って前記解除ボタン18、18と前記弾性片20との隙間が拡がるように形成しても同様の効果が得られる。
前記の通り図2(2)はバンド30の係合溝31とバックル10の係合爪21との係止状態を示しているが、このときロックボタン40はバックル本体14より上方に突出した位置にあり、解除ボタン18、18のロックは解除された状態にある。
ここで、図1(3)に示すようにロックボタン40を押圧し凹部17A、17Bに嵌合させれば、ロックボタン40により弾性片20の弾発が規制されることになり、この状態では解除ボタン18、18は押されても動かない。図2(4)、図3(3)はこの解除ボタンのロック状態を示している。
ロック状態におけるロックボタン40と弾性片20との距離は、係合爪21が係合溝31から外れない程度に弾性片20の弾発が規制される長さとすれば良い。
つまり、バンド30とバックル10を分離する方向に強い力が作用すると、図1(4)に示すように弾性片20がその他端部20B方向(図1(4)において左側)に強く引っ張られる結果、弾性片20に設けた凹部17Aに嵌合しているロックボタン40も同方向に引っ張られるが、ロックボタン40はバックル本体14に設けた凹部17Bにも嵌合しているため、前記引っ張りに抵抗する力(図1(4)において右方向の力)が発生する。
このような位置決め機構を備えたロック機構の形態に格別の制限はなく、製作容易性と操作性の双方を考慮して適宜その機構を選択すれば良い。
図4(1)はバックル本体14とロックボタン40を分離して示す斜視図であり、バックル本体14にはガイドP、Pが設けられロックボタン40はガイドP、Pに沿って上下動自在とされる。また、弾性片20の一端部20A上には解除ボタン18、18のロック状態において、ロックボタン40と係合するための凸部Qが設けられる。
図4(2)は解除ボタン18、18のロックが解除された状態を示す図であり、このときロックボタン40はガイドPの上方に位置している。この状態から、図4(3)に示すようにロックボタン40をガイドPに沿って下方に移動すれば、ロックボタン40により弾性片20の上方への弾発が規制されることになり、この状態では解除ボタン18、18は押されても動かない。
図4(4)はこの解除ボタンのロック状態を示す平面図であり、この状態でバンド30とバックル10を分離する方向に強い力が作用すると、ロックボタン20は凸部Qに押されて弾性片20の他端部20B方向(図4(4)において左側)に引っ張られるが、ロックボタン40はバックル本体14に設けたガイドPに支えられているため、前記引っ張りに抵抗する力(図4(4)において右方向の力)が発生する。
本実施形態において前記ガイドPの形状を矩形とした上でバックル本体14に2つ設けたが、ガイドPの形状、数量に格別の制限はなく、ロックボタン20の上下動を確実にガイドすることができると共に前記引っ張りに抵抗する力を有する形状、数量とすれば良い。
図5(1)は、回動片50をバックル本体14から分離して図示した斜視図であり、回動片50はバンド30の挿通方向の長さがこれと直交する方向の長さよりも長い偏平片であり、回動軸45により弾性片20上に90度回動自在に設けられている。90度の回動が担保されれば回動片50の形状には特別の制限はないが、弾性片20と概略同じ形状とすることがバックル10を小型化する上で好ましい。また、回動片50の表面には、回動操作部52が上方に突出して設けられている。
回動片50の一対の対角線上の隅角部には、これと対応する位置の棚部60、60に突設したストッパー61、61に当接して回動片50を正確に90度回動させることのできる切欠き53、53が形成されている。
ここで、図5(4)に示すように回動片50を手動にて90度回動させれば、回動片50の長手方向の両端部55、55が棚部60、60と係合して、天井枠12側から支持されることになり、この状態では解除ボタン18、18は撮んでも動かない。この結果、弾性片20の弾発が規制されることになる。図5(5)はこのロック状態を示す要部縦断側面図である。
解除ボタン18、18のロック状態における回動操作部52の高さについては、誤作動や怪我を引き起こす可能性を低減することができる高さとすれば良い。
図6(1)と(2)は、ストッパー60が上下に動く様子を示した斜視図である。
図6(3)はバックル10とバンド30の係止状態、即ち、係合爪21と係合溝31の係止状態を示す要部縦断側面図である。本実施形態において、ストッパー70の下面にはバンドの係合溝31と係合可能な係合爪71が設けられている。
この状態から、図6(4)に示すようにストッパー70を底板11側に移動させて、係合爪71とバンドの係合溝31を係合させれば、バンド30とバックル10の係合を補強することができる。すなわち、ストッパー70はバックル本体14に設けられるので、バンド30をバックル10から分離する方向に強い力が作用したとしても、その力をバックル本体14が受けるため、バンド30とバックル10の係合をより強固なものとすることが可能となる。
例えば、弾性片20を水平状態に復元し易くするために弾性片20の一端部20Aと対向する天井枠12等とを連結した連結部材(図示せず。)を設けても良い。更に、挿通空間16にはバンド30の浮き上がりを防止するためのバンド押え(図示せず。)を設けることも可能である。
11 底板
12 天井枠
13 側板
14 バックル本体
16 挿通空間
17 凹部
18 解除ボタン
20 弾性片
20A 弾性片の一端部
20B 弾性片の他端部
21 係合爪
30 バンド
31 係合溝
40 ロックボタン
50 回動片
60 棚部
62 傾斜面
70 ストッパー
Claims (9)
- バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバックルであって、
該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する弾性片と、前記両側板に設置され該弾性片を両側部から押圧する解除ボタンとから構成し、該解除ボタンを片手の指先で撮むことにより前記弾性片を上方に弾発して前記係合溝と係合爪との係合を解除可能としたバックルにおいて、
前記弾性片の上部を上下方向に移動可能なロックボタンが前記バックル本体に設置され、該ロックボタンを押圧して下方に移動させると前記解除ボタンがロックされると共に、前記ロックボタンが前記バンドとバックルを分離する方向に作用する力に抵抗することを特徴とするバックル。 - 前記ロックボタンが前記弾性片およびバックル本体に設けた凹部に嵌合することにより、前記バンドとバックルを分離する方向に作用する力に抵抗する請求項1記載のバックル。
- 前記ロックボタンが前記バックル本体に設けたガイドに沿って上下動自在とされ、前記解除ボタンがロックされた状態では前記ロックボタンが前記弾性片上に設けた凸部に係合する請求項1記載のバックル。
- 前記ロックが解除された状態では前記ロックボタンが前記バンドとバックルを片手の指先で引き寄せることのできる掛止突起としての役割を果たす請求項1〜3のいずれかに記載のバックル。
- 前記解除ボタンがロックされた状態では前記ロックボタンの高さが前記バックルの高さと同じかこれよりも低い位置となることを特徴とする請求項4記載のバックル。
- バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバックルであって、
該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する弾性片と、前記両側板に設置され、該弾性片を両側部から押圧する解除ボタンとから構成し、該解除ボタンを片手の指先で撮むことにより前記弾性片を上方に弾発して前記係合溝と係合爪との係合を解除可能としたバックルにおいて、
一方向の長さがこれと直交する方向の長さよりも長い回動片が前記弾性片上に90度回動自在に設置されると共に前記回動片上に回動操作部が一体として形成され、かつ、該回動片の長手方向の少なくとも一端部を前記天井枠側から受ける棚部が前記天井枠または前記側板に形成されてなり、該棚部と前記回動片の一端部との係合状態において前記解除ボタンがロックされることを特徴とするバックル。 - 前記ロックが解除された状態では前記回動操作部が前記バンドとバックルを片手の指先で引き寄せることのできる掛止突起としての役割を果たす請求項6記載のバックル。
- 前記解除ボタンがロックされた状態では前記回動操作部の高さが前記バックルの高さと同じかこれよりも低い位置となることを特徴とする請求項7記載のバックル。
- バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバックルであって、
該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する弾性片と、前記両側板に設置され該弾性片を両側部から押圧する解除ボタンとから構成し、該解除ボタンを片手の指先で撮むことにより前記弾性片を上方に弾発して前記係合溝と係合爪との係合を解除可能としたバックルにおいて、
前記天井枠と前記底板の間を上下方向に移動可能なストッパーがバックル本体に設置され、該ストッパーが前記底板側に移動した状態において前記バンドとバックルの係合が補助されることを特徴とするバックル。
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