JP2014054429A - ロック機構付きバックル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、軽量かつ製作が容易であることに加えて、操作板に直接作用する押圧力に対しても係合解除を防止することのできるロック機構付きバックルを提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明のバックルは、操作板の上部を水平方向に移動可能なスライド片がバックル本体に設置され、該スライド片が前記操作板の中間点にあるときはバンドの係合溝にバックルの係合爪が係合し、該係止状態において前記スライド片が前記操作板の揺動を制御するばねの機能を有し、バンドはバックルに接近自在であるが後退不能とされ、前記スライド片を前記操作板の上部を水平方向に移動して前記係合をロックすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、係合溝を有するバンドまたはベルトを係止するためのバックルに関し、特に、運動靴、競技用靴、スノーボード靴、プロテクター係止ベルトなど、比較的強い締結力を必要とする製品のためのバックルに関するものである。
従来、バンド(またはベルト)に係合溝を設け、この溝にバックルのフックを弾性的に係合し、随時、この係止状態を解放可能とするバックルが知られている。
本発明者らは、特許第3982955号公報(特許文献1)において、製作が容易で、軽量な合成樹脂バックルとして、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり、内部が係合溝を有するバンドの挿通空間とされたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有し、他端部上面を押圧部とする操作板とから構成され、該操作板を前記係合爪と前記押圧部の中間点にて、対向する天井枠の二辺に各々連結することにより、該中間点を支点として揺動自在とした合成樹脂製バックルであって、前記バンドの外表面と前記天井枠に、前記バックル本体に該バンドを片手の指先で引き寄せることのできる一対の掛止突起を設けた合成樹脂製バックルを提案している。
前記合成樹脂製バックルは機能的に非常に優れ、ヘルメットのヘッドバンド用バックルとしては最適であるが、前記操作板の係合・解除における操作性を良くする為に操作板を支承する連結軸を細くすると、これを運動靴等の比較的強い締結力を必要とする製品に適用した場合、バンドとバックルの係止時においてバンドにバックルから引き離す方向に強い力が作用して、合成樹脂製の連結軸が破損する虞があった。一方、バックルのフックをバンドの係合溝に弾性的に係合する必要から、弾性を有しない金属製の連結軸を用いて強度を上げる場合にはコイルバネ等の別部品を設ける必要あるが、このような別部品を設けるとバックルの構造が複雑となり、軽量かつ製作容易なバックルを製作することは困難であった。
また、本発明者らは、特許第4005109号(特許文献2)において、特に服飾品等の用途として好適なバンドとバックルのスライドアジャスタとして、軽量でシンプルな構成であって、バックル部の目立たない外観を有するスライドアジャスタとして、バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバンドとバックルのスライドアジャスタにおいて、前記バックルを、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有し、他端部を前記係合を解除するための押圧部とする操作板とから構成すると共に、該操作板を前記係合爪と前記押圧部の中間点にて前記両側板を結ぶ連結軸で支承することにより該中間点を支点として揺動自在とし、前記バンドの外表面と前記押圧部に、前記バックルとバンドとを片手の指先で引き寄せることのできる一対の掛止突起を設けてなり、かつ、前記連結軸から掛止突起に至る操作板に対して、該掛止突起以外の部分に垂直方向の押圧力が直接作用するのを規制する部材がバックル本体に設けられたものを提案している。
このスライドアジャスタには規制部材が設けられているので、不用意なまたは突発的なロック解除の虞はないものの、前記押圧部または掛止突起に直接作用する押圧力に対しては、ロック解除を防止することはできない。
さらに、実公昭64−000087号公報(特許文献3)には、タングプレートが確実にバックル装置へ係合状態となることができ、この係合状態では乗員がタングプレートの係合を解除する操作をしない限りタングプレートがバックル装置から抜けだされることがなくかつウェビング装置解除時のバックル解離力が低いバックル装置が開示されている。このバックル装置は、ロックバーの作用により確実な係合ができるが係合状態におけるサイズの微調整をすることはできない。
特許第3982955号公報 特許第4005109号公報 実公昭64−000087号公報
本発明は、軽量かつ製作が容易であることに加えて、前記操作板に直接作用する押圧力に対しても係合解除を防止することのできるロック機構付きバックルを提供することを目的とするものである。
また、本発明は、スライド片の操作のみで容易に係合ロックを可能とし、連結軸を金属で形成しつつサイズの微調整が可能なバックルを提供することを目的とするものである。
本発明のバックルは、バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合可能としたバックルであって、該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する操作板とから構成され、該操作板を中間点にて前記両側板を結ぶ金属製の連結軸で支承することにより該中間点を支点として揺動自在としたバックルにおいて、前記操作板の上部を水平方向に移動可能なスライド片が前記バックル本体に設置され、該スライド片が前記操作板の中間点にあるときは前記バンドの係合溝に前記係合爪が係合し、該係止状態において前記スライド片が前記操作板の揺動を制御するばねの機能を有し、バンドはバックルに接近自在であるが後退不能とされ、前記スライド片を前記操作板の上部を水平方向に移動して前記係合をロックすることを特徴とする。
前記スライド片のばねの機能は前記操作板が揺動して前記スライド片に接触したときの反動を利用したものであることが好ましい。
前記スライド片が前記操作板の一端部側に移動した状態では前記係合がロックされ、前記スライド片が前記操作板の他端部側に移動した状態では前記係合が解除されることが好ましい。
前記スライド片が前記操作板の他端部側に移動した状態では前記係合がロックされ、前記スライド片が前記操作板の一端部側に移動した状態では前記係合が解除されることが好ましい。
前記スライド片上にスライド操作部が設けられ、該スライド操作部がバンドとバックルを片手で引き寄せることのできる掛止部としての役割を備えたことが好ましい。
前記バックル本体にバンドとバックルを片手で引き寄せることのできる掛止部を設けたことが好ましい。
本発明のバックルは、前記操作板に直接作用する押圧力に対しても係合解除を防止することができる。また、本発明は、前記スライド片の操作のみで容易に係合ロックが可能である。さらに、バンドとバックルの係止状態において前記スライド片が前記操作板の揺動を制御するばねの機能を有するため、コイルバネ等の別部品を設けることなく連結軸を金属製として強度の高いバックルを提供することができる。従って、このバックルは運動靴等の比較的強い締結力を必要とする製品への適用が最適である。
本発明のバックル10の斜視図である。 バックル10とバンド30の係合状態を示す要部縦断側面図である。 バックル10の他の実施形態を示す要部縦断側面図である。 バックル10の別の実施形態を示す斜視図である。
以下、本発明に係るロック機構付きバックルの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はバックル10の斜視図であり、これらの図において、バックル10は、底板11、これに対向する天井枠12、および底板11と天井枠12とを接続する側板13、13とからなる偏平かつ筒状のバックル本体14により主体が構成される。バックル本体14はバンドのスライド方向が挿通口15、15として開口され、その内部は後述する係合溝を有するバンド30の挿通空間16となる。
本実施形態では、底板11の長手方向(バンドのスライド方向)の長さを天井枠12の長手方向の長さよりも長くすることにより、バックル10の被接続体(即ち、運動靴用バンド等)への取付を容易にすると共に、バンドの挿通がスムーズに行われるようにしている。また、天井枠12を偏平な板で構成すると共に、操作板20の一端部20Aに対向する天井枠12を操作板20と反対方向水平に延伸することによっても同様の効果を得ることができる。
天井枠12の内側には、その内に納まる大きさの操作板20が水平に設置される。操作板20の一端部20Aの下面には、バンド30の係合溝に係合可能な係合爪21を突設している。操作板20は天井枠12より若干低位置とすることにより、操作板20の一端部20Aまたは他端部20Bが不用意に押し下げられることを防止することができる。
操作板20の長手方向の中間部には、金属製の連結軸25が形成され、この連結軸25は各側板13、13の上部内壁に支承されている。
この実施形態では連結軸25の断面を円形としたが、楕円形、その他種々の断面形状とすることができる。連結軸25は操作板20を揺動自在に軸支すると共に、滑らかな操作性を確保する為に可及的に細くすることが望まれるが、反復的な揺動により破損しない形状、大きさとすれば良い。なお、連結軸25は側板13、13に限らず、対向する天井枠12の二辺に各々連結されていても、後述する作用と同じ作用を発揮することができる。
バックル本体14には、操作板20の上部を水平方向に移動可能なスライド片40が設置される。本実施形態においてスライド片40は矩形の形状としたが、必ずしも矩形でなくともよい。
スライド片40の表面には、スライド操作部42が上方に突出して設けられている。スライド操作部42の形状に格別の制限はなく、片手の指先を引っ掛けることのできる形状であれば良い。スライド操作部42はスライド片40に必ずしも設ける必要はないが、これを設けることによりスライド片40のスライド操作を容易とすることができると共に、後記するようにバンド30とバックル10を片手で引き寄せるための掛止部としての役割も果たすことができる。
また、バックル10の両側板13、13には、スライド片40の移動をガイドするためのスライドガイド17、17が設けられている。図1(2)および(3)は、スライド片40がスライドガイド17、17に沿って動く状態を示した斜視図である。本実施形態において、スライドガイド17、17をバックル10の側板13、13に溝部として形成したが、スライド片40のスムーズな移動をガイドできるものであればスライドガイド17の位置や形状に格別の制限はない。
続いて、上記バックル10の作用について図2を参照しながら説明する。図2(1)はバックル10とバンド30の係合状態を示す要部縦断側面図である。
図2(1)において、バックル10の挿通空間16内にバンド30が挿入され、バンド30の外表面に形成された係合溝31に、バックル10の係合爪21が係合している。係合溝31はスライド方向の断面形状が鋸歯状、即ち、バンド30の進行方向に向けて漸次深くなるテーパ面と、この最深位置より略垂直に立上る壁面とからなっている。
スライド片40が操作板20の中間点にあるときは、バンド30を操作板20の他端部20B側(図2において左側)の挿通口15から挿通空間16内に進入させていくと、バンド30の上面が操作板20の係合爪21に接触して、操作板20の一端部20Aを押し上げながら前進し(図2(2)参照。)、操作板20はスライド片40に接触することによる反動で元の水平位置に戻り、バックル10に対するバンド30の接近・離隔位置が調節される。つまり、スライド片40が操作板20をバンド30の係合溝31側に付勢する手段として機能するので、連結軸25が金属製であっても、この状態では、図2(1)に示すように、係合爪21が所定の係合溝31と噛み合って係止し、バンド30はバックル10に対して進出自在であるが、後退不能である。
本発明は、連結軸25が金属製のため、バンド30とバックル10の係合強度が強く、バンド30をバックル10から引き離す方向に強い力が作用しても連結軸25が破損する虞はない。また、スライド片40がばねの機能を有するのでコイルバネ等を別部品として設ける必要はなく、部品点数を最小限に抑えることができることに加えて、バックル10の構造をより簡易なものとすることができる。
また、スライド片40上のスライド操作部42は、バックル10および外表面上に掛止部を設けたバンド30を片手の指先で引き寄せるための掛止部としての役割も果たすことができる。
次に、本発明のスライド片によるロック機構について説明する。
前記の通り図2(1)はバンド30の係合溝31とバックル10の係合爪21との係止状態を示しているが、このときスライド片40は操作板20の中間に位置しており、操作板20の他端部20Bに垂直方向の押圧力が作用すると前記係合が解除される。
ここで、図1(2)に示すようにスライド片40を操作板20の一端部20A側にスライドガイド17、17に沿ってスライドさせれば、スライド片40により操作板20の回転が規制されることになり、この状態では他端部20Bは押されても動かない。図2(3)はこの他端部22Bのロック状態を示している。
本実施形態において、スライド片40の下面が操作板20の一端部20Aの上面に当接するように設定したが、スライド片40の下面は操作板20の一端部20Aの上面に必ずしも当接しなくても良く、ロック状態におけるスライド片40の下面と操作板20の一端部20Aの上面との距離は、係合爪21が係合溝31から外れない程度に操作板20の回転が規制される長さとすれば良い。
次に、バックル10からバンド30を後退させたり、引き抜いたりするには、図1(3)に示すようにスライド片40を操作板20の他端部20B側にスライドガイド17、17に沿ってスライドさせれば、図2(4)に示すように、連結軸25を中心として操作板20が回転する結果、反対側に位置するする係合爪21が持ち上がり、係合爪21が係合溝31から外れるので、バンド30を自由にスライドさせることができる。スライド片40をスライドガイド17、17に沿って操作板20の中間点にスライドさせれば、操作板20は元の水平状態に復帰する。
続いて、バックル10の他の実施形態について、図3を参照しながら説明する。但し、これまで説明した実施形態と同じ部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態では、スライド片40のロック操作および解除操作の方向がこれまで説明した実施形態と相違する。
つまり、図3(1)に示す状態からスライド片40を操作板の他端部20B側に移動するとスライド片40により操作板20の他端部20B側が持ち上がり、連結軸25を中心として操作板20が回転する結果、反対側に位置するする係合爪21が係合溝31とより一層強く噛み合い、その結果として前記バンド30とバックル10の係合がロックされる(図3(2)参照。)。
一方、図3(1)に示す状態からスライド片40を操作板の一端部20A側に移動するとスライド片40により操作板20の一端部20A側が持ち上がり、その結果として前記バンド30とバックル10の係合が解除される(図3(3)参照。)。
バックルの別の実施形態について図4を参照しながら説明する。本実施形態では、バックル本体14にバンド30とバックル10を片手で引き寄せることのできる掛止部18が設けられている。本実施形態によれば、スライド操作部42とは別個に掛止部18を設けるためバンド30とバックル10の接近・離隔位置の調整の際に、スライド片40が移動することによる操作板20の誤作動を防ぐことができる。
本発明において天井枠12は、必ずしも四辺を備えたものに限られない。操作板20の一端部20Aと対向する一辺ついては、バックルを軽量化、小型化する場合には、これを省略することができる。
本発明のバックル10には、前記した特許文献1および特許文献2に開示した要素を取り入れることができる。例えば、操作板20を水平状態に復元し易くするために操作板20の一端部20Aと対向する天井枠12等とを連結した連結部材を設けても良い。更に、挿通空間16にはバンド30の浮き上がりを防止するためのバンド押え(図示せず。)を設けることも可能である。
10 バックル
11 底板
12 天井枠
13 側板
14 バックル本体
16 挿通空間
20 操作板
20A 操作板の一端部
20B 操作板の他端部
21 係合爪
25 連結軸
30 バンド
31 係合溝
40 スライド片

Claims (6)

  1. バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合可能としたバックルであって、
    該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する操作板とから構成され、該操作板を中間点にて前記両側板を結ぶ金属製の連結軸で支承することにより該中間点を支点として揺動自在としたバックルにおいて、
    前記操作板の上部を水平方向に移動可能なスライド片が前記バックル本体に設置され、該スライド片が前記操作板の中間点にあるときは前記バンドの係合溝に前記係合爪が係合し、該係止状態において前記スライド片が前記操作板の揺動を制御するばねの機能を有し、バンドはバックルに接近自在であるが後退不能とされ、前記スライド片を前記操作板の上部を水平方向に移動して前記係合をロックすることを特徴とするバックル。
  2. 前記スライド片のばねの機能は前記操作板が揺動して前記スライド片に接触したときの反動を利用したものである請求項1記載のバックル。
  3. 前記スライド片が前記操作板の一端部側に移動した状態では前記係合がロックされ、前記スライド片が前記操作板の他端部側に移動した状態では前記係合が解除される請求項1または2記載のバックル。
  4. 前記スライド片が前記操作板の他端部側に移動した状態では前記係合がロックされ、前記スライド片が前記操作板の一端部側に移動した状態では前記係合が解除される請求項1または2記載のバックル。
  5. 前記スライド片上にスライド操作部が設けられ、該スライド操作部がバンドとバックルを片手で引き寄せることのできる掛止部としての役割を備えた請求項1〜4のいずれかに記載のバックル。
  6. 前記バックル本体にバンドとバックルを片手で引き寄せることのできる掛止部を設けた請求項1〜4のいずれかに記載のバックル。
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