JP5840166B2 - N型熱電対用正極、n型熱電対正極用合金、及びこれらを用いたn型熱電対 - Google Patents

N型熱電対用正極、n型熱電対正極用合金、及びこれらを用いたn型熱電対 Download PDF

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Description

本発明は、N型熱電対用正極、N型熱電対正極用合金、及びこれらを用いたN型熱電対に関するものである。
熱電対は、2種の異なる金属をつなげた構造を有する。その両端に温度差を与えると、金属間に電圧が発生し電流が流れる。これはゼーベック効果と呼ばれ、この熱起電力から温度を計測するものとして広く用いられている。その仕様は、ASTM E230やIEC60584において細かく区分されている。中でも、ロジウムや白金などの高価な貴金属を用いずに、1000℃あるいはこれを超す領域まで耐えられるものとして、K型とN型が位置づけられている。これまで、技術的な困難性を考慮し、N型熱電対は敬遠され、規格で規定される測定温度範囲がより低いK型熱電対が提供されてきた。このような事情から、N型の熱電対の検討例は多くはない。過去に、電極(脚)ではなく、特定の合金を外皮(ケーシング)として構成したものを提案した例がある(特許文献1)。
特開S60−262377号公報
一方、K型熱電対と比較しN型熱電対は、使用可能な常用限度、すなわち連続して使用可能な温度限度が高い。具体的に、K型熱電対の場合、素線径φ3.20mmにおいて1000℃であるのに対し、N型熱電対の場合は同線径において1200℃と、より高温で使用が可能である。このため近年、自動車部品や航空宇宙関連部品などの精密な熱処理が必要な炉の計測に、K型熱電対ではなく、N型熱電対が要望されるようになってきている。特に、航空宇宙関連製品を扱う企業においては、Nadcap(航空宇宙産業における特殊工程作業における認証制度)を取得にする機運にあり、熱処理炉の温度計測に対して、精度の高い温度管理の実現が強く求められている。こうした技術分野で安価かつ高精度な温度計測を実現するために、汎用性のある材料で形成され、しかも熱電対の高精度な熱起電力初期特性と、これを長期維持した熱起電力特性を兼ね備えるものとすることが求められている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、温度計測において、高温下で高精度な熱起電力初期特性を長期維持するだけでなく、高温下・長期間使用時の耐久性をも備えるN型熱電対用正極、N型熱電対正極用合金、及びこれらを用いたN型熱電対の提供を目的とする。
本発明者らの検討により、N型熱電対の正極合金は、合金中のCr、Si組成と熱起電力特性に強い相関があることが分かってきた。具体的には、これにより、溶製の際、合金中のCr,Siがわずかに変動しただけで熱起電力特性に大きな変動を生じ、所望特性を得にくいだけでなく、ASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力値基準値より大きく逸脱してしまう場合がある。さらに、従来のN型正極合金は、熱電対として用いられる使用環境において、熱電対を急冷あるいは炉冷(徐冷)などの熱履歴を与えると、熱起電力初期特性が変動することがあることがわかってきた。本発明はこうした技術知見に基づきなされたものであり、以下の手段を有する。
〔1〕Ni−Cr−Si合金で形成されたN型熱電対用正極であって、該合金が、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、及びマグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対用正極。
〔2〕Ni−Cr−Si合金で形成されたN型熱電対用正極であって、該合金が、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、マグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%、及びカルシウム(Ca)0.005〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対用正極。
〔3〕熱電対としたときに、ASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力値基準値からの熱起電力偏差(200〜1000℃)が±100μV以内となる〔1〕または〔2〕に記載のN型熱電対用正極。
〔4〕製造中の熱間鍛造、溝ロール加工、または伸線加工において割れが発生しないことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のN型熱電対用正極。
〔5〕下記熱起電力耐久性試験において800時間後の熱起電力変化量が2℃以内に抑えられたことを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のN型熱電対用正極。
(N型熱電対用正極を900℃の大気中で800時間保持した後、1000℃における熱起電力値の経時変化を測定する。1000℃での初期特性値からの熱起電力の変化を熱起電力変化量(℃)とする。)
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のN型熱電対用正極とN型熱電対用負極とを組み合わせてなるN型熱電対。
〔7〕N型熱電対正極用Ni−Cr−Si系合金であって、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、及びマグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対正極用合金。
〔8〕N型熱電対正極用Ni−Cr−Si系合金であって、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、マグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%及びカルシウム(Ca)0.005〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対正極用合金。
〔9〕〔7〕または〔8〕に記載されたN型熱電対用正極用合金を用いた補償導線。
本発明の熱電対用正極、熱電対正極用合金、及びこれらを用いた熱電対は、合金溶製時に不回避的におこるCr、Si成分変動においても、安定して所望の熱起電力特性を得ることができる。加えて、使用環境下において急冷あるいは徐冷などの熱履歴を生じても、初期特性からの変動低減し、かつ高温下・長期間使用時の高い耐久性を実現する。
本発明の好ましい実施形態に係る熱電対の一部を模式的に示す断面図である。 図2に示した熱電対のA−A線断面を示す拡大断面図である。 本発明の別の好ましい実施形態に係る熱電対の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のまた別の好ましい実施形態に係る熱電対の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のさらに別の好ましい実施形態に係る熱電対の一部を模式的に示す断面図である。 ASTM E220 の試験装置を示す装置図である。 実施例において作成したNi−Cr−Si熱電対合金からなる熱電対用正極の熱起電力の耐久性を示すグラフである。
本発明のN型熱電対用正極は、Ni−Cr−Si合金で形成され、各々特定量のクロム(Cr)、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、必要によりさらにカルシウム(Ca)を含み、残部がニッケル(Ni)からなる。各成分の添加目的(作用)を含めて言うと、必須の成分元素であるNiにCr、Si成分と熱起電力特性の相関緩和のために一定割合のFeを加えている。さらに熱起電力の耐久性向上のため、Alを含有させる。Mgは、高温下での使用中に結晶粒粗大化による折損を抑制することに寄与していると解される。そこに、必要により、溶製時におけるCr、Si、Feの成分変動の低減と高温使用下での熱起電力変動防止のために、Caを添加する。さらに本発明の特徴について触れると、上記の作用を効果的に引き出すために、各合金成分の添加率(組成)をきわめて狭い範囲に限定して特定している。これにより、それぞれの作用が顕著になるとともに、特に、高いレベルでの熱起電力特性の変動を低減するものである。以下、上記合金の各成分および組成を中心に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
・クロム(Cr)
前記Ni−Cr−Si合金には、クロム(Cr)が14〜15質量%で含まれる。ここで、Crの含有量が前記規定量未満では、ASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がマイナス方向に逸脱する。また前記規定量を超えると前記単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がプラス方向に逸脱する。これらのことから、Cr含有量は、14〜15質量%という狭い範囲で規定される。さらに、Crは上記含有量の範囲では急冷あるいは徐冷などの熱履歴を生じた場合において初期特性の変動を低減する作用が期待できる。なお、本明細書を通じて成分の作用に関する説明は推定を含んでおり、この記載により本発明が限定して解釈されるものではない。このことは、以下で述べる各成分について同様である。
・ケイ素(Si)
ケイ素(Si)は1.2〜1.7質量%で含まれ、これもきわめて狭い範囲に限定されている。この含有量が規定量未満では前記単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がプラス方向に逸脱する。また、前記規定量を超えると前記単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がマイナス方向に逸脱する。
・鉄(Fe)
鉄(Fe)は0.05〜0.2質量%で含まれる。Fe含有量が前記規定量未満では、構成元素であるCr、Si成分の変動により、熱起電力特性が大きく変動する。また前記規定量を超えると前記単線熱起電力値基準値より熱起電力特性がプラス方向に逸脱する。Feの含有量が、前記規定の範囲では、構成元素のCr、Si成分と熱起電力値の相関を緩和する効果を有する。こうした作用を高める観点から、Feの含有量はさらに0.07質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。上限としては、0.17質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以下であることがより好ましい。
・アルミニウム(Al)
Alは0.01〜0.1質量%の範囲で含まれる。この含有量未満では、ASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力基準値よりプラス方向に逸脱する。また前記規定量を超えると前記単線熱起電力基準値よりマイナス方向に逸脱する。さらに、Alを含有させることにより、耐酸化性が向上して、高温環境下での高寿命化に寄与する。なかでも、その好ましい範囲の下限は0.02である。上限は、0.08質量%以下であることが好ましく、0.06質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。
・マグネシウム(Mg)
マグネシウム(Mg)は0.01〜0.05質量%で含まれる。Mg含有量がこの範囲ではASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力基準値より逸脱せず好ましい。Mgは、Ni−Cr−Si合金の結晶粒を微細化する効果を有する。また、Mgは、合金中に不純物として含有し熱間加工性を低下させる硫黄(S)と化合物を作り、熱間加工性を向上させる。しかし過度に添加されると粒界にNiMgを形成し粒界が脆弱となり熱間加工性が低下する問題があることから、前記の範囲とすることが望ましい。なかでも、その好ましい範囲は0.02〜0.04質量%である。
・カルシウム(Ca)
カルシウム(Ca)は任意元素であり、必要により、0.005〜0.05質量%で含まれる。この含有量が前記の範囲ではASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力値基準値に一層好適に合致する。Caは、Ni−Cr−Si熱電対合金の必須成分であるNi、Cr、Si、Feよりも,酸化反応を受けやすい元素であることから、溶製時に溶湯中の酸素と優先的に酸化反応を受けて、他の元素の酸化反応が防止され、その結果組成の変動が低減される効果を有している。このため、製造毎の熱起電力特性の変動を低減することができる。こうした作用を高める観点から、Caの含有量はさらに0.007質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。上限としては、0.04質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明において上記で規定される以外の成分は不可避的不純物として位置づけられる。例えば、Co、S 、O、Cなどが挙げられ、100ppm以下で含まれることがある。
以下に本発明のNi−Cr−Si合金熱電対合金の製造例を記載する。
Ni、Cr、Si、及びFeを所定の割合に配合して溶解させ、更にメルトダウン後に所定量のCaを添加して、その後、Al、Mgを添加し鋳造、冷却しNi−Cr−Si熱電対合金である鋳塊を作製する。さらに前記鋳塊を旋盤等で削出して、熱間鍛造で丸棒とし,更に溝ロールで線材に延伸する。該線材を中間焼鈍、冷間伸線加工して最終焼鈍を施して熱電対の正極合金として使用できる線材を得ることができる。
図1は本発明の好ましい実施形態に係るN型熱電対を模式的に示した断面図である。図1Aは図1熱電対のA−A線断面図である。本実施形態において正極(+脚)11は、負極(−脚)12と接合点(熱接点)13で接合されている。この正極11と負極12との組合せにより熱電対1が形成されている。熱電対1は、マグネシア(MgO)あるいはアルミナAlなどで構成された絶縁材(耐熱材)3で被覆され、ケーシング(外皮)2の内部に封入され、熱電対製品10を形成している。ケーシング2にはどのような材料を用いても良いが、熱耐久性の観点から、熱電対と同じを素材、あるいはそれよりも耐久性のある素材を用いることが好ましい。ただし、ケーシング2には、電気特性は求められないため、熱耐久性や加工性などの観点から適宜その材料が選ばれればよく、熱電対の素材と同一である必要はない。なお、説明の便宜から、正極と負極との組合せを熱電対と呼び、最終製品を熱電対製品として区別して称したが、広義には両者ともに熱電対と呼ぶ。
さらに図示していないが、熱電対1の前記接合点(熱接点)13の反対側には計測器が設置され、その内部で正極と負極とが補償導線(図示せず)を介して接合された冷接点(図示せず)が形成されている。このような機構により、測定対象部位に前記接合点(熱接点)を配置することで、その温度を計測することができる。
負極(−脚)12にはどのような材料のものを適用してもよい。例えば、市販されているN型熱電対用負極を用いることができる。市販品の測定精度等はそれほど高くないことが考慮されるが、そのような場合にも、本発明に係る正極(+脚)を用いることで、熱電対としたときの特性の良化効果が発現される。中でも、本発明者らが提案する同時係属中の出願に係るN型熱電対用負極と組み合わせて用いることが好ましい。この負極は本発明と同様に高い耐久性と高い精度とを有し、熱起電力初期特性を長期間維持することができる。したがって、本発明に係る正極と対応する発明に係る負極とを組み合わせることで、熱電対としたときに、耐久性を始めとした各性能について大きな改善効果を得ることができる。以下に、対応する発明に係る負極の合金組成の一例を記載する。
(質量%)
Si Fe Co Al Ni
4.5 0.12 0.13 0.05 残部
図2〜図4は本発明に係る熱電対用電極を用いた熱電対製品の変形例である。熱電対製品20(図2)は接合点(熱接点)13が露出した形態を有する。熱電対製品30(図3)は接合点(熱接点)13がケーシング2に連結される形態で構成された例である。熱電対製品40(図4)はがいし31を絶縁材(耐熱材)として用い、そこに設けられた穴に正極11と負極12とを通す形で構成したものである。用途や要求特性等に合わせて各形態の熱電対製品を使い分けることができる。
熱電対を構成する正極(+脚)および負極(−脚)の形状は特に限定されないが、線材や条材が典型的である。線材とするときの線径は、使用用途により異なるが、例えば、100μm〜6mmであることが好ましく、2〜4mmであることがより好ましい。条材とするときの厚さは、例えば、50μm〜2mmであることが好ましく、0.2〜1.0mmであることがより好ましい。条材の幅は、例えば、2〜10mmであることが好ましい。
本発明のN型熱電対用正極は、ASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力値基準値からの熱起電力偏差(200〜1000℃)が±100μV以内となることが好ましく、±80μV以内となることがより好ましく、±60μV以内となることがさらに好ましく、±40μV以内となることがさらに好ましく、±30μV以内となることが特に好ましい。
本発明に係るN型熱電対用負極およびこれを適用した熱電対は、高温、高精度、高耐久性が要求される各分野で好適に使用することができる。例えば、上述したような、航空宇宙産業が挙げられる。その他、排気ガス温度やエンジン温度の測定などの自動車産業用や鉄鋼産業用の高温用途の測定に用いることができる。また、熱電対と同等の熱起電力特性が要求される熱電対の補償導線に用いることができる。
[実施例1]
Ni−Cr−Si合金熱電対材料合金を作製して、熱電対の正極合金としての評価を行った。
(Ni−Cr−Si熱電対合金料の作製)
表1のように組成を変化させたNi−Cr−Si熱電対合金を作成した。具体的には、Fe以外の原料成分を所定量配合した後、溶解させ、さらにメルトダウン後にAl、Mgを添加した。次いで鋳造、冷却し鋳塊とし、該鋳塊を旋盤で外削後、熱間鍛造により直径φ15mmの丸棒とし,さらに溝ロールで7mmの線材とした。該線材に対し、適宜中間焼鈍(850℃×2時間)を行い、直径3.2mmまで冷間伸線加工して最終焼鈍(950℃×4.5m/min)を施した。
(Ni−Cr−Si熱電対合金のFe影響評価)
最終焼鈍を施した線材を白金線と接続し、下記の比較校正法により200〜1000℃の範囲で熱起電力の測定を行った。このとき、評価基準はASTM E230−96 Table36における、200〜1000℃の単線熱起電力値基準値からの偏差が、全温度域において76μV未満をGood、76μV以上をBadとして判定した。
[比較校正法]
ASTM E220 に規定された条件および手順に準拠して行った。概略は以下のとおりである。測定装置は、図5に記載されたものを採用した(ASTM E220 の図1を引用)。検流計(Galvanometer)には市販のデジタルマルチメーターを用い電位(起電力)を測定した。具体的には、基準熱電対(Reference Thermocouple)と試験熱電対(Test Thermocouple)の熱起電力を温度に換算し、それぞれの温度差より試験熱電対の誤差を測定した。基準熱電対には、R型のものを適用した。図示した2つの熱電対は1つの電気炉(図示せず)に挿入され、200℃から1000℃まで昇温させることにより試験を行った。
Figure 0005840166
試料番号がCから始まる試料は比較例。太字下線部分が規定値を外れる。以下の表についても同様。
試験C15として、特開2010−37636号公報に開示されたK型熱電対用合金(Fe 0.30質量%、Si 0.40質量%、Cr 9.50質量%、Al 0.06質量%、Mg 0.06質量%、Ca 0.012質量%含有する。)を用いて同様の評価試験を行った。その結果、熱起電力の偏差はBadを大きく下回る結果であった。
上記の結果より、Fe含有量が0.05質量%未満では、合金中のCr、Si成分の変動により、熱起電力特性が大きく変動する。またFe含有量が0.20質量%を超えると前記単線熱起電力値基準値より熱起電力特性がマイナスに逸脱する。Fe含有量が0.05〜0.20質量%の範囲では、構成元素のCr、Si成分と熱起電力値の相関を緩和する効果を有する。このため、Fe含有量は、0.05〜0.20質量%に規定される。
[実施例2]
Crの含有量の異なるNi−Cr−Si合金熱電対材料合金を作製して、熱電対の正極合金としての評価を行った。
(Ni−Cr−Si熱電対合金料の作製)
Si:1.40%質量%、Fe:0.12質量%、Al:0.02質量%、Mg:0.02質量%、残部がNi以外は、実施例1に記載した同様な方法で、Crの添加量を表2の変化させたNi−Cr−Si熱電対合金を作成した。
(Ni−Cr−Si熱電対合金のCr影響評価)
実施例1と同様に行った。
Figure 0005840166
Cr含有量が14.0質量%未満では、ASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がマイナス方向に逸脱するという問題があり、また前記15.0質量%を超えると前記単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がプラス方向に逸脱するという問題が生じることから、Cr含有量は、14.0〜15.0質量%の範囲とする。
[実施例3]
(Ni−Cr−Si熱電対合金の作製)
上記と同様な方法で、Si:1.40%質量%、Fe:0.12質量%、Al:0.02質量%、Mg:0.02質量%を含有し、Crの添加量を表3のように変化させた試料のNi−Cr−Si合金を作製した。
(Ni−Cr−Si熱電対合金の熱履歴による影響評価)
表3に示す試料を1000℃の大気中で2hr暴露した後に、加熱炉より直ちに取り出し(急冷)、あるいは炉内で冷却(炉冷)し、線材を白金線と接続し、前記比較校正法により1000℃の測定温度で熱起電力の測定を行った。評価は、急冷、炉冷を施す前の熱起電力基準からの偏差と、急冷、炉冷の行った後の熱起電力基準値からの偏差より、特性の変化が38μV未満をGood、38μV以上をBadとして判定した。
Figure 0005840166
この結果から、Crは含有量が14.0〜15.0の範囲では急冷あるいは徐冷などの熱履歴を生じた場合において初期特性からの変動が小さくなることが分かる。
[実施例4]
Siの含有量を変えてNi−Cr−Si合金熱電対材料合金を作製し、熱電対の正極合金としての評価を行った。
(Ni−Cr−Si熱電対合金料の作製)
Cr:14.5%質量%、Fe:0.12質量%、Al:0.02質量%、Mg:0.02質量%、残部がNi以外は、実施例1に記載した同様な方法で、Siの添加量を表4のように変化させたNi−Cr−Si熱電対合金を作成した。
(Ni−Cr−Si熱電対合金のSi影響評価)
実施例1と同じ方法で評価した。
Figure 0005840166
Siは、含有量が1.2質量%未満では前記単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がプラス方向に逸脱する。また前記1.7質量%を超えると前記単線熱起電力値基準値より、熱起電力特性がマイナス方向に逸脱する。この結果から、Si含有量は、1.2〜1.7質量%に規定される。
[実施例5]
Caの含有量を変えてNi−Cr−Si合金熱電対材料合金を作製し、熱電対の正極合金としての評価を行った。
(Ni−Cr−Si熱電対合金料の作製)
Cr:14.5質量%、Si:1.40質量%、Fe:0.12質量%、Al:0.02質量%、Mg:0.02質量%、残部がNiとする以外は実施例1に記載した同様な方法で、Caの添加量を表5のように変化させた試料をそれぞれ8試料ずつ作成した。
(Ni−Cr−Si熱電対合金のCa効果評価)
最終焼鈍を施した線材を白金線と接続し、前記比較校正法により200〜1000℃の範囲で熱起電力の測定を行った。製作した8試料について熱起電力を測定し、各測定温度の熱起電力値を下記の標準偏差σで評価した結果を表5に示す。
評価基準は、200〜1000℃範囲のσが20μV未満をA1、20μV以上30μV未満をA2、30μV以上をA3として判定した。
(Ni−Si熱電対合金のCa効果評価)
最終焼鈍を施した線材を白金線と接続し、前記比較校正法により200〜1000℃の範囲で熱起電力の測定を行った。製作した8試料について熱起電力を測定し、各測定温度の熱起電力基準からの偏差を求めた。それぞれの熱起電力基準からの各測定温度における熱起電力の測定値の偏差データを用いて、これら8個のデータが正規分布を有する母集団のデータと見なして標準偏差σから3σを求め、各温度における測定データのばらつきを評価した。
評価基準は、200〜1000℃の温度範囲における3σの最大値が20μV未満であるものをA1、20μV以上30μV未満であるものをA2、30μV以上であるものをA3として判定した。
Figure 0005840166
この結果から、Ca含有量が、0.005〜0.03質量%の範囲(好ましくは0.005〜0.05質量%の範囲)では、製作毎の熱起電力の変動を低減する効果を有することが分かる。この結果から、Caを所定の範囲で添加することで、熱起電力のばらつきを防止できる。
[実施例6]
Mgの含有量を変えてNi−Cr−Si合金熱電対材料合金を作製し、熱電対の正極合金としての評価を行った。
(Ni−Cr−Si熱電対合金料の作製)
Cr:14.5質量%、Si:1.40質量%、Fe:0.12質量%、Al:0.02質量%、残部がNiする以外は実施例1に記載した同様な方法で、Mgの添加量を表6のように変化させたNi−Cr−Si熱電対合金試料を作成した。
(Ni−Cr−Si熱電対合金の結晶粒度評価)
最終焼鈍を施した線材の結晶粒度を確認するため、JIS G 0551(鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法)記述の粒度No.により、製作試料の結晶粒度の判定を行った。
粒度番号が大きいものほど、金属組織は微細なものを呈する。
(Ni−Cr−Si熱電対合金の加工性評価)
試料製作での熱間、溝ロール加工、伸線加工中において、作製中の割れ発生を目視により確認し、割れの発生がない場合をGood、割れの長さが2mm未満をFair、割れの長さが2mm以上をBadで評価した。
Figure 0005840166
Mgの添加量が、0.01質量%未満では、熱間加工中に微小割れを生じる。0.01質量%以上では、Ni−Cr−Si合金の結晶粒を微細化する。しかし、0.05質量%以上では、熱間工程で割れを生じ、加工が困難であった。よってMgの含有量は、0.01〜0.05質量%の範囲に規定される。
[実施例7]
Alの含有量を変えてNi−Cr−Si合金熱電対材料合金を作製し、熱電対の正極合金としての評価を行った。
(Ni−Cr−Si熱電対合金料の作製)
Cr:14.5%質量%、Fe:0.12質量%、Si:1.4質量%、Mg:0.02質量%、残部がNi以外は、実施例1に記載した同様な方法で、Alの添加量を表7の変化させたNi−Cr−Si熱電対合金を作成した。
(Ni−Cr−Si熱電対合金のAl影響評価)
実施例1と同じ方法で評価した。
Figure 0005840166
Al含有量が0.01未満ではASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力基準値よりプラス方向に逸脱するという問題があり、また前記0.1質量%を超えると前記単線熱起電力基準値よりマイナス方向に逸脱する問題を生じる。よってAlの含有量は、0.01〜0.1質量%の範囲に規定される。
[実施例8]
(熱起電力の耐久性評価)
上記と同様な方法で表8に示すNi−Cr−Si熱電対合金を作製した。評価試料はφ3.2mmとした。また、耐久性評価のために同線径のN型熱電対負極合金と、表8に示す試料とを接続したN型熱電対を作製した。熱起電力耐久性試験は、合金試料を900℃の大気中で所定時間保持した後、1000℃における熱起電力値の経時変化を測定することにより、1000℃での初期特性値からの特性変化を評価したものである。なお、表8中の、Bal.は残余を示す。
Figure 0005840166
熱起電力耐久性試験結果を図6に示す。図6より、本発明合金は、従来の合金と比較し高温の環境下において、熱起電力特性の経時変化が従来よりも抑制されており、熱起電力耐久性に優れていることが分かる。
上記実施例では、いずれも線材形状のものを用いて評価したが、任意の形状で使用することが出来る。例えば、板・条・棒等にも用いることが出来る。また、上記実施例は、いずれも熱電対用途として評価をしたが、例えばJIS C 1610規定(熱電対用補償導線)の補償導線にも適用可能である。
本発明のNi−Cr−Si熱電対合金は、精度の高い所望の熱起電力特性を再現よく得ることが出来る。加えて加熱、急冷時の初期特性の変化を低減でき、高温長時間においても高精度に温度を測定でき、かつ合金耐久性も有することが可能となる。
1 N型熱電対
11 正極(+脚)
12 負極(−脚)
13 接合点(熱接点)
2 外皮(ケーシング)
3 絶縁材(耐熱材)
10、20、30、40 N型熱電対製品

Claims (9)

  1. Ni−Cr−Si合金で形成されたN型熱電対用正極であって、該合金が、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、及びマグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対用正極。
  2. Ni−Cr−Si合金で形成されたN型熱電対用正極であって、該合金が、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、マグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%、及びカルシウム(Ca)0.005〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対用正極。
  3. 熱電対としたときに、ASTM E230−96に記載のTable36の単線熱起電力値基準値からの熱起電力偏差(200〜1000℃)が±100μV以内となる請求項1または2に記載のN型熱電対用正極。
  4. 製造中の熱間鍛造、溝ロール加工、または伸線加工において割れが発生しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のN型熱電対用正極。
  5. 下記熱起電力耐久性試験において800時間後の熱起電力変化量が2℃以内に抑えられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のN型熱電対用正極。
    (N型熱電対用正極を900℃の大気中で800時間保持した後、1000℃における熱起電力値の経時変化を測定する。1000℃での初期特性値からの熱起電力の変化を熱起電力変化量(℃)とする。)
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のN型熱電対用正極とN型熱電対用負極とを組み合わせてなるN型熱電対。
  7. N型熱電対正極用Ni−Cr−Si系合金であって、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、及びマグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対正極用合金。
  8. N型熱電対正極用Ni−Cr−Si系合金であって、クロム(Cr)14〜15質量%、ケイ素(Si)1.2〜1.7質量%、鉄(Fe)0.05〜0.2質量%、アルミニウム(Al)0.01〜0.1質量%、マグネシウム(Mg)0.01〜0.05質量%及びカルシウム(Ca)0.005〜0.05質量%を含み、残部がニッケル(Ni)からなることを特徴とするN型熱電対正極用合金。
  9. 請求項7または請求項8に記載されたN型熱電対用正極用合金を用いた補償導線。
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