JP5840094B2 - 変速制御装置 - Google Patents

変速制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5840094B2
JP5840094B2 JP2012199718A JP2012199718A JP5840094B2 JP 5840094 B2 JP5840094 B2 JP 5840094B2 JP 2012199718 A JP2012199718 A JP 2012199718A JP 2012199718 A JP2012199718 A JP 2012199718A JP 5840094 B2 JP5840094 B2 JP 5840094B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
automatic transmission
input shaft
shift
gear
clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012199718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014055614A (ja
Inventor
徹 鴨志田
徹 鴨志田
廣行 九鬼
廣行 九鬼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012199718A priority Critical patent/JP5840094B2/ja
Publication of JP2014055614A publication Critical patent/JP2014055614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5840094B2 publication Critical patent/JP5840094B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、変速制御装置に関する。
シフトレバーによって選択されたシフト位置を電気信号に変換して自動変速機の変速段を切り換える制御手段を備える変速制御装置(オートマチック)は広く知られている。このような変速制御装置は、イグニッションスイッチがオン(ON)のときに駆動するアクチュエータで自動変速機の変速段が切り換わるように構成されるため、イグニッションスイッチがオフ(OFF)の状態では自動変速機の変速段が切り換わらない。
一方、イグニッションスイッチがオフの状態(例えば、駐車など)で自動変速機はパーキングの状態(パーキングロックなど)にあることが好ましいため、特許文献1には、イグニッションスイッチがオフに操作されたときにアクチュエータを制御して自動変速機のシフトポジションを所定のパーキングポジションに切り換える変速装置が開示されている。
また、特許文献2には、シフトバイワイヤの自動変速機において、イグニッションスイッチがオフのときにはシフトロック装置でシフト操作を規制し、シフトロック装置が解除されたときには、シフト操作が可能となる自動変速機(自動変速装置)が開示されている。
特開平4−69450号公報 特開2002−307965号公報
特許文献1に開示されている変速装置は、イグニッションスイッチがオフに操作されると自動変速機のシフトポジションがパーキングポジションに切り替わる。シフトポジションがパーキングポジションに切り替わると自動変速機がメカ的にロックされるため、牽引で車両を移動するときなどは、イグニッションスイッチをオンにしてシフトレバーを操作し、自動変速機のシフトポジションをパーキングポジション以外のポジションに切り換えるという煩雑な操作が必要になる。
このような問題を解決するため、特許文献2に開示されている自動変速装置はシフトロック解除ボタンの操作で解除されるシフトロック装置を備え、イグニッションスイッチがオフの状態であってもシフトロック解除ボタンの操作によって自動変速機のシフトロックを解除可能に構成されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている自動変速装置は、イグニッションスイッチがオフの状態で自動変速機に潤滑油を循環させるポンプが駆動しない。したがって、イグニッションスイッチがオフの状態で自動変速機におけるシフトロックが解除されて牽引で車両が移動するときには自動変速機に潤滑油が循環せず、自動変速機の構成部品が潤滑不足になってしまう虞がある。
例えば、イグニッションスイッチがオフの状態であっても駆動するポンプを別途備えて自動変速機に潤滑油を循環させる構成も可能であるが、重量の増加、生産コストのアップ、当該ポンプの配置場所の確保、などの問題が生じる。
そこで、本発明は、イグニッションスイッチがオフの状態であっても潤滑油を自動変速機に供給可能に構成される変速制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、シフト位置選択手段によって選択されるシフト位置を示す電気信号に基づいてアクチュエータを制御して自動変速機の変速段を切り替える制御手段と、前記制御手段からの指令で前記自動変速機をパーキングロックの状態に設定するロック手段と、前記自動変速機が所定の変速段に切り替えられた際に駆動輪の回転動力で駆動して当該自動変速機に潤滑油を供給するオイル供給手段と、イグニッションスイッチがオフの状態の場合に所定の操作がなされたときに前記自動変速機のパーキングロックを解除するロック解除手段と、を有する変速制御装置とする。そして、前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除する場合に、前記制御手段は、前記オイル供給手段が前記駆動輪の回転動力で駆動する変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする。
本発明によると、イグニッションスイッチがオフの状態で、ロック解除手段によって自動変速機のパーキングロックが解除されたときに、オイル供給手段が駆動輪の回転動力で駆動する変速段に自動変速機が切り替えられるため、駆動輪の回転動力でオイル供給手段を駆動できる。したがって、牽引等での車両の移動時に駆動輪が回転すると自動変速機に潤滑油を供給することができ、自動変速機の潤滑不足の発生を回避できる。
また、本発明の前記制御手段は、前記自動変速機がパーキングロックの状態に設定されていない場合に前記イグニッションスイッチがオフの状態に切り替えられたときに前記ロック手段に指令を与えて前記自動変速機をパーキングロックの状態に設定し、前記イグニッションスイッチがオフの状態の場合に前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除するときに、前記オイル供給手段が前記駆動輪の回転動力で駆動する変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする。
本発明によると、自動変速機がパーキングロックの状態に設定されていない場合にイグニッションスイッチがオフの状態に切り替えられたときに自動変速機を自動的にパーキングロックの状態に設定できる。そして、自動変速機が自動的にパーキングロックの状態に設定された場合であっても、所定の操作がなされたロック解除手段によってパーキングロックが解除されたときには、オイル供給手段が駆動輪の回転動力で駆動する変速段に自動変速機が切り替えられる。したがって、牽引等での車両の移動時に駆動輪が回転すると自動変速機に潤滑油を供給することができ、自動変速機の潤滑不足の発生を回避できる。
また、本発明の前記ロック解除手段には、前記所定の操作がなされることによって、前記イグニッションスイッチがオフの状態のときに前記アクチュエータを作動可能な状態にするスイッチ手段が備わることを特徴とする。
本発明によると、スイッチ手段に所定の操作がなされたとき、イグニッションスイッチがオフの状態であっても自動変速機を駆動するアクチュエータを作動可能な状態にすることができる。例えば、自動変速機以外に電力を供給しないように構成することも可能であり、過剰な電力消費を抑制できる。
また、本発明の前記自動変速機は、内燃機関の機関出力軸の回転動力を第1入力軸の回転動力として取り出し、前記第1入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第1変速機構と、前記機関出力軸の回転動力を第2入力軸の回転動力として取り出し、前記第2入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第2変速機構と、前記機関出力軸と前記第1入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第1クラッチと、前記機関出力軸と前記第2入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第2クラッチと、を有し、前記オイル供給手段は、前記第1入力軸と前記第2入力軸の少なくとも一方の回転動力で駆動するオイルポンプであって、前記制御手段は、前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除するときに、前記オイルポンプを駆動させる前記第1入力軸または前記第2入力軸に前記駆動輪の回転動力が伝達される変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする。
本発明によると、第1クラッチと第2クラッチの2つのクラッチを備えるデュアルクラッチトランスミッションの自動変速機を備える車両においては、所定の操作がなされたロック解除手段によってパーキングロックが解除されたときに、オイルポンプを駆動する第1入力軸または第2入力軸に駆動輪の回転動力が伝達されるように、自動変速機の変速段を設定することができる。
また、本発明の前記自動変速機は、内燃機関の機関出力軸の回転動力または電動機のロータに生じる回転動力を第1入力軸の回転動力として取り出し、前記第1入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第1変速機構と、前記機関出力軸の回転動力を第2入力軸の回転動力として取り出し、前記第2入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第2変速機構と、前記機関出力軸と前記第1入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第1クラッチと、前記機関出力軸と前記第2入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第2クラッチと、前記ロータと前記第1入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第3クラッチと、を有し、前記オイル供給手段は、前記第1入力軸の回転動力で駆動するオイルポンプであって、前記第3クラッチは、前記イグニッションスイッチがオフの状態のときに前記ロータと前記第1入力軸を切り離し、前記制御手段は、前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除するときに、前記第1入力軸に前記駆動輪の回転動力が伝達される変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする。
本発明によると、動力源として電動機を備える車両においては、イグニッションスイッチがオフの状態のときに、オイルポンプを駆動する第1入力軸と電動機のロータを、第3クラッチによって切り離すことができる。したがって、所定の操作がなされたロック解除手段によってパーキングロックが解除され、オイルポンプを駆動する第1入力軸に駆動輪の回転動力が伝達されるように自動変速機の変速段が設定されて牽引等で車両が前進(後退)するときに駆動輪の回転で第1入力軸が回転してもロータの回転は抑止される。
ロータの回転は第1入力軸(駆動輪)の回転に対する負荷となるため、第1入力軸とともにロータが回転すると車両の牽引に対する負荷が増えることになる。
つまり、本発明は、イグニッションスイッチがオフの状態のときに第3クラッチで第1入力軸と電動機のロータを切り離すことによって、駆動輪の回転にともなうロータの回転を抑止し、車両の牽引に必要な動力を軽減可能とすることができる。
本発明によると、イグニッションスイッチがオフの状態であっても潤滑油を自動変速機に供給可能に構成される変速制御装置を提供することができる。
第1実施形態に係るハイブリッド車両のシステム構成図である。 ハイブリッド車両の動力伝達系統の構成を示す図である。 運転者がロック解除スイッチを操作したときの動作を示すフローチャートであり、(a)はパーキングロックを解除するときの動作、(b)はパーキングロックするときの動作を示す。 自動変速機が5速段に設定された状態を示す図である。 第2実施形態に係るハイブリッド車両の動力伝達系統の構成を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態により限定されるものではない。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
《第1実施形態》
図1は本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両のシステム構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るハイブリッド車両Vは自動変速機1を備える車両であり、運転者がシフト位置を選択するシフト位置選択手段70が備わる。シフト位置選択手段70は運転者が操作するシフトレバー70aと、イグニッションスイッチ71(IGSW)がオフ(OFF)の状態のときに自動変速機1のパーキングロックを解除するロック解除スイッチ70dと、シフトレバー70aの操作で運転者が選択したシフト位置を検出するとともに検出したシフト位置を電気信号(シフト位置信号Sig1)に変換し、このシフト位置信号Sig1を制御手段であるトランスミッションコントロールユニット(TCU1b)に送信するシフトセンサ70cと、を含んで構成される。
つまり、第1実施形態において、シフトセンサ70cがTCU1bに送信するシフト位置信号Sig1は、シフト位置選択手段70によって選択されるシフト位置を示す電気信号になる。
なお、符号70d1は、イグニッションスイッチ71のON/OFF操作に用いられるキー(イグニッションキー)が差し込まれる差込口であり、符号Sig7は、差込口70d1にイグニッションキーが差し込まれていることをTCU1bに通知するための解除操作信号を示す。差込口70d1の機能および解除操作信号Sig7の機能は後記する。
シフト位置選択手段70に備わるシフトレバー70aは、所定のパターン(シフトパターン)に沿って移動し、そのシフトパターンに沿って複数のシフト位置が配置される。シフト位置選択手段70に配置されるシフト位置としては、例えば、Nポジション(ニュートラル位置)、Bポジション(ブレーキ位置)、Dポジション(ドライブ位置)、Rポジション(リバース位置)がある。さらに、第1実施形態のシフト位置選択手段70にはHポジション(ホーム位置)が設定され、シフトレバー70aが自動的にHポジションに復帰するように構成される。
また、シフト位置選択手段70には、ハイブリッド車両Vを駐車するときに運転者が自動変速機1を駐車時の状態に設定するPポジション(パーキング位置)を選択するためのスイッチ(パーキングスイッチ70b)が備わる。
シフト位置選択手段70は、運転者がシフトレバー70aを選択したいシフト位置まで移動したときシフトセンサ70cが当該シフト位置の位置でシフトレバー70aを検出し、さらに、シフトレバー70aを検出したシフト位置を示すシフト位置信号Sig1をTCU1bに送信するように構成される。そして、TCU1bはシフトセンサ70cから送信されるシフト位置信号Sig1で、運転者が選択したシフト位置を取得するように構成される。
また、シフトセンサ70cは、運転者によってパーキングスイッチ70bが操作されたことを検出して電気信号(PSW信号Sig6)に変換し、このPSW信号Sig6をTCU1bに送信するように構成される。そして、TCU1bはシフトセンサ70cから送信されるPSW信号Sig6でパーキングスイッチ70bが操作されたことを取得するように構成される。
また、第1実施形態のハイブリッド車両Vには、エレクトロニックパーキングブレーキ(EPB80)と自動変速機1に電力を供給するアクチュエータ(シフトアクチュエータ1a)が備わる。
シフトアクチュエータ1aは自動変速機1に供給する電力を発生する機能を有する。また、第1実施形態のEPB80は、例えば、TCU1bから所定の信号(Pロック信号Sig2)を受信したときに、自動変速機1内でのギヤの回転をメカ的にロックしてハイブリッド車両Vの進行を規制(具体的には、駆動輪DW(図2参照)の回転を規制)し、自動変速機1をパーキングロックの状態に設定する。
EPB80は、自動変速機1をパーキングロックさせるPロック信号Sig2をTCU1bから受信すると、自動変速機1を制御してパーキングロックの状態にし、一方、パーキングロックを解除する信号(Pロック解除信号Sig3)をTCU1bから受信すると、自動変速機1を制御してパーキングロックを解除するように構成される。
さらに、ハイブリッド車両Vには自動変速機1がパーキングロックの状態になったことを検出するセンサ(Pセンサ1c)が備わる。例えば、Pセンサ1cは、自動変速機1がパーキングロックの状態になったときに検出信号(ロック検知信号Sig8)を発生してTCU1bに送信するように構成される。TCU1bは、Pセンサ1cから送信されるロック検知信号Sig8で、自動変速機1がパーキングロックされたことを検知するように構成される。
そして、第1実施形態では、自動変速機1、シフトアクチュエータ1a、TCU1b、Pセンサ1c、およびEPB80を含んで変速制御装置10とし、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80にはTCU1bから電力が供給される。
さらに、TCU1bは、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80への電力の供給を停止する機能を有し、この機能によってTCU1bは変速制御装置10をスリープさせることができる。つまり、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80への電力の供給が停止された状態を変速制御装置10のスリープ状態とする。
以上のように構成される変速制御装置10を有するハイブリッド車両Vには、例えば、エンジンコントロールユニット(ECU2)などのコントローラが備わる。
ECU2は後記するエンジン3(図2参照)やモータ4(図2参照)の回転速度、およびハイブリッド車両Vの速度を検出する機能を有し、さらに、検出したエンジン3やモータ4の回転速度、およびハイブリッド車両Vの速度をデータ通信等によってTCU1bに通知する機能を有することが好ましい。
また、ECU2には、イグニッションスイッチ71のON/OFFを示す信号(IG信号Sig4)がイグニッションスイッチ71から送信され、ECU2はIG信号Sig4によって、イグニッションスイッチ71の状態(ON/OFF)を取得可能に構成される。そしてECU2は、イグニッションスイッチ71がONの状態に切り替わったときに変速制御装置10を起動するように構成されることが好ましい。具体的に、イグニッションスイッチ71がONの状態に切り替わったときにECU2がTCU1bに指令を与える構成とし、さらに、TCU1bは与えられた指令に基づいてシフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80に電力を供給する構成とすればよい。
一方、イグニッションスイッチ71がOFFの状態に切り替わったときにECU2が変速制御装置10をスリープ状態にするような構成が好ましい。具体的に、イグニッションスイッチ71がOFFの状態に切り替わったときにECU2がTCU1bに指令を与える構成とし、さらに、TCU1bは与えられた指令に基づいてシフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80への電力の供給を停止する構成とすればよい。
なお、ECU2はイグニッションスイッチ71の状態に応じて変速制御装置10のほか、モータ4(図2参照)やその他の電装品(図示せず)への電力の供給を制御する機能も有することが好ましい。
また、TCU1bは変速制御装置10が起動しているとき、運転者がシフト位置選択手段70で選択したシフト位置をシフトセンサ70cから送信されるシフト位置信号Sig1で取得し、運転者が選択するシフト位置に応じて自動変速機1を制御するように構成される。
例えば、TCU1bは、ECU2から通知されるハイブリッド車両Vの速度やエンジン3(図2参照)の回転速度、運転者がシフト位置選択手段70に備わるシフトレバー70aで選択したシフト位置に応じて自動変速機1に設定する変速比(変速段)を決定する。そしてTCU1bは、自動変速機1を決定した変速段に切り換えるための制御信号(変速信号Sig5)をシフトアクチュエータ1aに送信する。シフトアクチュエータ1aは受信した変速信号Sig5に基づいて自動変速機1に駆動電流を供給し、自動変速機1を駆動してTCU1bが決定した変速段に切り換える。
図2は、ハイブリッド車両の動力伝達系統の構成を示す図である。
図2に示すように、第1実施形態のハイブリッド車両Vは、一対の駆動輪DW(一方のみ図示)および一対の従動輪(図示せず)などから成る四輪車両であり、動力源としての内燃機関(以下「エンジン」という)3および発電可能な電動機(以下「モータ」という)4を備えている。エンジン3は、複数の気筒を有するガソリンエンジンであり、動力を出力する機関出力軸(クランク軸3a)を有している。
なお、図2に示すように、第1実施形態の自動変速機1は前進方向に5つの変速段(1速段〜5速段)を有するものとするが、自動変速機1が有する変速段の数は限定されない。また、1速段の減速比が最も大きく5速段の減速比が最も小さく設定される。
モータ4は、いわゆるモータジェネレータである、一般的な1ロータタイプのブラシレスDCモータであり、固定部であるステータ4aと、回転部であるロータ4bを有している。
このステータ4aは、回転磁界を発生させるためのものであり、鉄心や三相コイルで構成されている。また、ステータ4aは、ハイブリッド車両Vに固定されたケーシングCAに取り付けられるとともに、パワードライブユニット(以下「PDU」という)51を介して、充電および放電可能なバッテリ52に電気的に接続されている。このPDU51は、インバータなどの電気回路によって構成されており、ECU2に電気的に接続されている。前記したロータ4bは、磁石などで構成されており、ステータ4aに対向するように配置されている。
以上の構成のモータ4では、ECU2によるPDU51の制御によって、バッテリ52からPDU51を介してステータ4aに電力が供給されると回転磁界が発生し、それに伴い、この電力が動力に変換されてロータ4bが回転する。この場合、ステータ4aに供給される電力が制御されることによってロータ4bの動力が制御される。
また、ステータ4aへの電力供給を停止した状態で、動力の入力によりロータ4bが回転しているときに、ECU2によるPDU51の制御によって回転磁界が発生し、それに伴い、ロータ4bに入力された動力が電力に変換されて発電が行われ、発電した電力がバッテリ52に充電される。また、ステータ4aを適宜、制御することによってロータ4bに伝達される動力が制御される。以下、モータ4で発電するとともに、発電した電力をバッテリ52に充電することを適宜、「回生」という。
さらに、ハイブリッド車両Vは、エンジン3およびモータ4の動力をハイブリッド車両Vの駆動輪DWに伝達するための駆動力伝達装置(自動変速機1)を備えており、この自動変速機1は、第1変速機構11および第2変速機構31などから成るデュアルクラッチトランスミッションを有している。
第1変速機構11は、エンジン3やモータ4から入力された動力を、1速段、3速段、および5速段のうちの1つにより変速(減速)して駆動輪DWに伝達するものである。これらの1速段、3速段、および5速段の変速比は、その段数が大きいほど、より高速側に設定されている。具体的には、第1変速機構11は、エンジン3のクランク軸3aと同軸に配置された第1クラッチC1、遊星歯車装置12、第1入力軸13、3速ギヤ14、および5速ギヤ15を有している。
第1クラッチC1は、乾式多板クラッチであり、クランク軸3aに一体に取り付けられたアウターC1aと、第1入力軸13の一端部に一体に取り付けられたインナーC1bなどで構成されている。第1クラッチC1は、シフトアクチュエータ1aから供給される駆動電流で駆動し、締結状態では、クランク軸3aに第1入力軸13を係合させる一方、解放状態ではこの係合を解除し、クランク軸3aと第1入力軸13を切り離して第1入力軸13とクランク軸3aの間の動力の伝達を遮断する。
遊星歯車装置12は、シングルプラネタリ式のものであり、サンギヤ12aと、このサンギヤ12aの外周に回転自在に設けられた、サンギヤ12aよりも歯数の多いリングギヤ12bと、サンギヤ12aおよびリングギヤ12bに噛み合う複数(例えば3つ)のプラネタリギヤ12c(2つのみ図示)と、プラネタリギヤ12cを回転自在に支持する回転自在のキャリア12dとを有している。
サンギヤ12aは、第1入力軸13の他端部に一体に取り付けられている。第1入力軸13の他端部にはさらに、前記したモータ4のロータ4bが一体に取り付けられており、第1入力軸13は、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されている。以上の構成によって、第1入力軸13、サンギヤ12aおよびロータ4bは、互いに一体に回転する。
また、リングギヤ12bには、ロック機構BRが設けられている。このロック機構BRは電磁式のものであり、シフトアクチュエータ1aから供給される駆動電流によってON/OFFされ、ON状態のときに、リングギヤ12bを回転不能に保持するとともに、OFF状態のときに、リングギヤ12bの回転を許容する。なお、ロック機構BRとして、シンクロクラッチを用いてもよい。
キャリア12dは、中空の回転軸17に一体に取り付けられている。回転軸17は、第1入力軸13の外側に相対的に回転自在に配置されるとともに、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されている。
3速ギヤ14は、回転軸17に一体に取り付けられており、回転軸17およびキャリア12dと一体に回転自在である。また、5速ギヤ15は、第1入力軸13に回転自在に設けられている。さらに、3速ギヤ14および5速ギヤ15は、遊星歯車装置12と第1クラッチC1の間に、この順で並んでいる。
また、第1入力軸13には、第1シンクロクラッチS1が設けられている。第1シンクロクラッチS1は、スリーブS1a、シフトフォークおよびアクチュエータ(いずれも図示せず)を有している。第1シンクロクラッチS1は、シフトアクチュエータ1aから供給される駆動電流により、スリーブS1aを第1入力軸13の軸線方向に移動させることによって、3速ギヤ14(回転軸17)または5速ギヤ15を、第1入力軸13に選択的に係合させる。
また、3速ギヤ14、および5速ギヤ15には、第1受動ギヤ18、および第2受動ギヤ19がそれぞれ噛み合っており、これらの第1,2受動ギヤ18,19は、出力軸21に一体に取り付けられている。出力軸21は、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されており、第1入力軸13と平行に配置されている。また、出力軸21には、ギヤ21aが一体に取り付けられており、このギヤ21aは、差動装置を有するファイナルギヤFGのギヤに噛み合っている。出力軸21は、これらのギヤ21aやファイナルギヤFGを介して駆動輪DWに連結されている。
以上のように構成される第1変速機構11では、遊星歯車装置12、3速ギヤ14および第1受動ギヤ18によって1速段および3速段のギヤ段が構成され、5速ギヤ15および第2受動ギヤ19によって5速段のギヤ段が構成されている。また、第1入力軸13に入力された動力は、これらの1速段、3速段および5速段のうちの1つによって変速され、出力軸21、ギヤ21aおよびファイナルギヤFGを介して駆動輪DWに伝達される。
つまり、第1変速機構11では第1クラッチC1によってクランク軸3aと第1入力軸13が係合したとき、エンジン3のクランク軸3aの回転動力を第1入力軸13の回転動力として取り出し、減速比の異なる、1速段、3速段、および5速段のうちの1つで減速して駆動輪DWに伝達する。また、第1変速機構11はモータ4のロータ4bの回転動力を第1入力軸13の回転動力として取り出し、減速比の異なる、1速段、3速段、および5速段のうちの1つで減速して駆動輪DWに伝達する機能も有する。
前記した第2変速機構31は、入力された動力を、2速段および4速段のうちの1つにより変速(減速)して駆動輪DWに伝達するものである。これらの2速段,4速段の変速比は、その段数が大きいほど、より高速側に設定されている。具体的には、第2変速機構31は、第2クラッチC2、第2入力軸32、第2入力中間軸33、2速ギヤ34、および4速ギヤ35を有しており、第2クラッチC2および第2入力軸32は、クランク軸3aと同軸に配置されている。
第2クラッチC2は、第1クラッチC1と同様、乾式多板クラッチであり、クランク軸3aに一体に取り付けられたアウターC2aと、第2入力軸32の一端部に一体に取り付けられたインナーC2bで構成されている。第2クラッチC2は、シフトアクチュエータ1aから供給される駆動電流で駆動し、締結状態では、クランク軸3aに第2入力軸32を係合させる一方、解放状態ではこの係合を解除し、クランク軸3aと第2入力軸32を切り離して第2入力軸32とクランク軸3aの間の動力の伝達を遮断する。
第2入力軸32は、中空状に形成され、第1入力軸13の外側に相対的に回転自在に配置されるとともに、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されている。また、第2入力軸32の他端部にはギヤ32aが一体に取り付けられている。
第2入力中間軸33は、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されており、第2入力軸32および前記した出力軸21と平行に配置されている。第2入力中間軸33には、ギヤ33aが一体に取り付けられており、ギヤ33aには、アイドラギヤ37が噛み合っている。なお、図1では、図示の便宜上、アイドラギヤ37は、ギヤ32aから離れた位置に描かれているが、第2入力中間軸33は、これらのギヤ33a、アイドラギヤ37およびギヤ32aを介して、第2入力軸32に連結されている。つまり、アイドラギヤ37と第2入力軸32のギヤ32aが噛み合っている。
2速ギヤ34、および4速ギヤ35は、この順で並んで第2入力中間軸33に回転自在に設けられており、前記した第1受動ギヤ18および第2受動ギヤ19にそれぞれ噛み合っている。さらに、第2入力中間軸33には、第3シンクロクラッチS3が設けられている。第3シンクロクラッチS3は、第1シンクロクラッチS1と同様に構成されている。
第3シンクロクラッチS3は、シフトアクチュエータ1aから供給される駆動電流により、そのスリーブS3aを第2入力中間軸33の軸線方向に移動させることによって、2速ギヤ34または4速ギヤ35を、第2入力中間軸33に選択的に係合させる。
このように構成される第2変速機構31では、2速ギヤ34および第1受動ギヤ18によって2速段のギヤ段が構成され、4速ギヤ35および第2受動ギヤ19によって4速段のギヤ段が構成されている。また、第2入力軸32に入力された動力は、ギヤ32a、アイドラギヤ37およびギヤ33aを介して第2入力中間軸33に伝達され、第2入力中間軸33に伝達された動力は、これらの2速段および4速段のうちの1つによって変速され、出力軸21、ギヤ21aおよびファイナルギヤFGを介して駆動輪DWに伝達される。
つまり、第2変速機構31では第2クラッチC2によってクランク軸3aと第2入力軸32が係合したとき、エンジン3のクランク軸3aの回転動力を第2入力軸32の回転動力として取り出し、減速比の異なる、2速段、および4速段のうちの1つで減速して駆動輪DWに伝達する。
以上のように、第1および第2変速機構11、31では、変速された動力を駆動輪DWに伝達するための出力軸21が共用化されている。
また、自動変速機1には、リバース機構41が設けられている。リバース機構41は、リバース軸42と、リバースギヤ43と、リバース伝達ギヤ45と、スリーブS5aを有する第5シンクロクラッチS5を備えている。ハイブリッド車両Vを後進させる場合には、シフトアクチュエータ1aから供給される駆動電流により、スリーブS5aをリバース軸42の軸線方向に移動させることによって、リバースギヤ43をリバース軸42に係合させる。リバースギヤ43は、第1入力軸13に取り付けられている反転ギヤ44に噛み合って第1入力軸13と逆方向に回転し、リバースギヤ43とともにリバース軸42が回転する。また、リバース伝達ギヤ45はリバース軸42とともに回転し、出力軸21に取り付けれられている第3受動ギヤ20と噛み合うように構成される。
この構成によって、第1入力軸13と逆方向に回転するリバース軸42の回転動力がリバース伝達ギヤ45、第3受動ギヤ20を介して出力軸21に伝達される。
そしてリバースギヤ43には、オイルポンプ回転軸61に取り付けられているポンプ駆動ギヤ62が噛み合うように構成される。
ハイブリッド車両Vには、第1および第2変速機構11、31に潤滑油を循環させて自動変速機1に潤滑油を供給するオイル供給手段(オイルポンプ60)が備わる。そして、このオイルポンプ60はオイルポンプ回転軸61が回転することで駆動し、第1および第2変速機構11、31に潤滑油を循環するように構成される。
ハイブリッド車両Vの走行中は、エンジン3またはモータ4の回転動力が第1入力軸13によって取り出されて駆動輪DWに伝達される。例えば、モータ4が駆動してロータ4bが回転すると第1入力軸13が回転する。また、エンジン3が駆動しているとき、第1クラッチC1によってクランク軸3aと第1入力軸13が係合すると、第1入力軸13は回転する。そして、第1入力軸13とオイルポンプ回転軸61が反転ギヤ44、リバースギヤ43およびポンプ駆動ギヤ62を介して噛み合う構成とし、ハイブリッド車両Vの走行中に、オイルポンプ60で第1および第2変速機構11、31に潤滑油を循環させる構成とする。この構成によって、ハイブリッド車両Vの走行中はオイルポンプ60によって自動変速機1に潤滑油が供給される。
なお、エンジン3の回転動力が第2入力軸32によって取り出されて駆動輪DWに伝達される場合、例えば、第1シンクロクラッチS1で3速ギヤ14または5速ギヤ15を第1入力軸13に選択的に係合させることによって、駆動輪DWの回転で第1入力軸13を回転させることができる。
このようにオイルポンプ60は、第1入力軸13の回転動力で駆動するように構成される。したがって、例えば、駆動輪DWの回転動力が第1入力軸13に伝達されて駆動輪DWの回転で第1入力軸13が回転する場合にもオイルポンプ60が駆動して自動変速機1に潤滑油が供給される。
第1実施形態のハイブリッド車両V(図1参照)の動力伝達系統は図2に示すように構成され、自動変速機1はTCU1bによって制御される。具体的にTCU1bは、運転者がシフト位置選択手段70(図1参照)で選択したシフト位置に応じて自動変速機1を制御する。
運転者がNポジションを選択すると、TCU1bは自動変速機1をニュートラル状態に設定する変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信する。シフトアクチュエータ1aは、第1シンクロクラッチS1が3速ギヤ14および5速ギヤ15と第1入力軸13の係合をともに解除し、第3シンクロクラッチS3が2速ギヤ34および4速ギヤ35と第2入力中間軸33の係合をともに解除し、ロック機構BRをOFF状態とし、第5シンクロクラッチS5がリバースギヤ43とリバース軸42の係合を解除するように、自動変速機1に駆動電流を供給する。駆動輪DWが第1入力軸13から解放されて自動変速機1はニュートラル状態になる。
運転者がRポジションを選択すると、TCU1bは自動変速機1をリバース状態に設定する変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信する。シフトアクチュエータ1aは、第1シンクロクラッチS1が3速ギヤ14および5速ギヤ15と第1入力軸13の係合をともに解除し、ロック機構BRをOFF状態とし、第5シンクロクラッチS5がリバースギヤ43とリバース軸42を係合させるように、自動変速機1に駆動電流を供給する。また、シフトアクチュエータ1aは、第1クラッチC1がクランク軸3aと第1入力軸13を係合するように、自動変速機1に駆動電流を供給する。
ハイブリッド車両Vがエンジン3を動力源として走行する場合に運転者がDポジションを選択すると、TCU1bはハイブリッド車両Vの速度やエンジン3の回転速度等に応じた好適な変速段(1速段〜5速段)を決定し、さらに、自動変速機1を決定した変速段に設定する変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信する。
TCU1bが好適な変速段(1速段〜5速段)を決定する技術は公知の技術による。
以下、各変速段に設定されるときの自動変速機1の状態を説明する。なお、1速段〜5速段で、第5シンクロクラッチS5はリバースギヤ43とリバース軸42の係合を解除する状態に設定される。
なお、ハイブリッド車両Vがモータ4を動力源として走行する場合に運転者がDポジションを選択すると、TCU1bはハイブリッド車両Vの速度やモータ4の回転速度等に応じ、1速段、3速段、5速段のうちの1つを設定し、さらに、自動変速機1を決定した変速段に設定する変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信する。
《1速段》
ロック機構BRはON状態に設定され、第1シンクロクラッチS1は、3速ギヤ14および5速ギヤ15と第1入力軸13の係合を解除する。
さらに、第1クラッチC1が締結状態になって、クランク軸3aと第1入力軸13が係合し、第2クラッチC2が開放状態になって、クランク軸3aと第2入力軸32の係合が解除される。
《2速段》
ロック機構BRはOFF状態に設定され、第3シンクロクラッチS3は、2速ギヤ34と第2入力中間軸33を係合する。
さらに、第1クラッチC1が開放状態になって、クランク軸3aと第1入力軸13の係合が解除され、第2クラッチC2が締結状態になって、クランク軸3aと第2入力軸32が係合する。
《3速段》
ロック機構BRはOFF状態に設定され、第1シンクロクラッチS1は、3速ギヤ14と第1入力軸13を係合する。
さらに、第1クラッチC1が締結状態になって、クランク軸3aと第1入力軸13が係合し、第2クラッチC2が開放状態になって、クランク軸3aと第2入力軸32の係合が解除される。
《4速段》
ロック機構BRはOFF状態に設定され、第3シンクロクラッチS3は、4速ギヤ35と第2入力中間軸33を係合する。
さらに、第1クラッチC1が開放状態になって、クランク軸3aと第1入力軸13の係合が解除され、第2クラッチC2が締結状態になって、クランク軸3aと第2入力軸32が係合する。
《5速段》
ロック機構BRはOFF状態に設定され、第1シンクロクラッチS1は、5速ギヤ15と第1入力軸13を係合する。
さらに、第1クラッチC1が締結状態になって、クランク軸3aと第1入力軸13が係合し、第2クラッチC2が開放状態になって、クランク軸3aと第2入力軸32の係合が解除される。
また、運転者がBポジションを選択すると、TCU1bはエンジンブレーキを作動させる。具体的にTCU1bは、自動変速機1の変速段として減速比の大きな変速段を選択する。エンジンブレーキの技術も公知の技術による。
また、運転者がパーキングスイッチ70b(図1参照)を操作すると、TCU1bは自動変速機1をニュートラル状態に設定する変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信する。さらに、TCU1bは、自動変速機1をパーキングロックさせるPロック信号Sig2をEPB80(図1参照)に送信する。EPB80はPロック信号Sig2を受信するとシフトアクチュエータ1aを制御して第1および第2変速機構11、31を構成する各ギヤをメカ的にロックし、自動変速機1をパーキングロックの状態にする。第1および第2変速機構11、31を構成する各ギヤをメカ的にロックする構成は公知の技術による。
なお、ハイブリッド車両Vがモータ4を動力源として走行する場合、TCU1bは第1クラッチC1および第2クラッチC2がともに解放状態になるように自動変速機1を制御することが好ましい。この構成によって、モータ4の動力がエンジン3に無駄に伝達されることが回避される。
以上のように構成される自動変速機1を備えるハイブリッド車両Vでは、運転者がパーキングスイッチ70b(図1参照)を操作したとき、シフトセンサ70c(図1参照)はパーキングスイッチ70bが操作されたことを示すPSW信号Sig6をTCU1bに送信する。このPSW信号Sig6を受信したTCU1bは自動変速機1をニュートラル状態にする変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信し、さらに、Pロック信号Sig2をEPB80(図1参照)に送信する。シフトアクチュエータ1aは自動変速機1をニュートラル状態に設定し、EPB80は自動変速機1をパーキングロックの状態にする。
このように、第1実施形態のEPB80はTCU1bからの指令(Pロック信号Sig2)で自動変速機1をパーキングロックの状態に設定するロック手段として機能する。
また、運転者がイグニッションスイッチ71(図1参照)をOFFに切り換えたときにもTCU1bは自動変速機1をニュートラル状態とし、さらに、パーキングロックの状態にする。
具体的にTCU1bは、ECU2からイグニッションスイッチ71がOFFに切り換えられたことを示す信号が送信されると、自動変速機1をニュートラル状態にする変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信し、さらに、Pロック信号Sig2をEPB80に送信する。この構成によって、例えば、ハイブリッド車両Vが駐車するときには、運転者がパーキングスイッチ70b(図1参照)の操作を失念した場合であっても自動変速機1がパーキングロックの状態になる。
しかしながら、ハイブリッド車両Vには、牽引される場合など、イグニッションスイッチ71がOFFの状態での前進または後退(つまり、駆動輪DWの回転)が要求される場合がある。そして、この場合、自動変速機1のパーキングロックが解除されることが必要になる。そこで、図1に示すように、第1実施形態のシフト位置選択手段70には、イグニッションスイッチ71がOFFの状態のときに自動変速機1のパーキングロックを解除するロック解除スイッチ70dが備わる。
ロック解除スイッチ70dの構成は限定されるものではない。例えば、イグニッションスイッチ71のON/OFF操作に用いられるイグニッションキーの差込口70d1を有し、この差込口70d1にイグニッションキーが差し込まれていることを通知する信号(解除操作信号Sig7)がTCU1bに送信される構成とすればよい。
そして、TCU1bは、ロック解除スイッチ70dから解除操作信号Sig7を受信したときにイグニッションスイッチ71がOFFであってもシフト位置選択手段70、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、EPB80に電力を供給してハイブリッド車両Vの変速制御装置10(システム)を起動するように構成されることが好ましい。
なお、イグニッションキーの替わりに、マイナスドライバなどの工具が差込口70d1に差し込まれたときに、この差込口70d1に工具(マイナスドライバ等)が差し込まれていることを通知する解除操作信号Sig7がTCU1bに送信される構成のロック解除スイッチ70dであってもよい。
さらに、TCU1bは変速制御装置10(システム)が起動した後、シフトレバー70aでNポジションが選択されたとき、自動変速機1のパーキングロックを解除する構成とすればよい。
具体的に、ロック解除スイッチ70dにイグニッションキーが差し込まれている場合にシフトレバー70aでNポジションが選択されたとき、TCU1bはPロック解除信号Sig3をEPB80に送信する構成とすればよい。
そして第1実施形態では、ロック解除スイッチ70dと、ロック解除スイッチ70dにイグニッションキーが差し込まれていることを検知してEPB80にPロック解除信号Sig3を送信するTCU1bと、Pロック解除信号Sig3を受信したときに自動変速機1のパーキングロックを解除するEPB80と、を含んで、自動変速機1のパーキングロックを解除するロック解除手段が構成される。
また、ロック解除スイッチ70dの差込口70d1からイグニッションキーが抜かれたときに、TCU1bへの解除操作信号Sig7の送信が停止する構成とすればよい。
そして、TCU1bは、解除操作信号Sig7の受信が停止したときに変速制御装置10(システム)を起動する構成が好ましい。
さらに、TCU1bは、ロック解除スイッチ70dからイグニッションキーが抜かれた状態でパーキングスイッチ70bが操作されたとき、自動変速機1をパーキングロックする構成であることが好ましい。具体的にTCU1bは、解除操作信号Sig7によってロック解除スイッチ70dからイグニッションキーが抜かれたことを検知し、さらに、PSW信号Sig6によって、パーキングスイッチ70bが操作されたことを検知したときにPロック信号Sig2をEPB80(図1参照)に送信する構成とすればよい。
TCU1bは、Pセンサ1cから送信されるロック検知信号Sig8で自動変速機1がパーキングロックされたことを検知する構成とすれば、TCU1bは自動変速機1がパーキングロックされたことを検知できる。そして、TCU1bは自動変速機1がパーキングロックされたことを検知したときに、変速制御装置10(システム)をスリープ状態にする構成とすればよい。具体的に、TCU1bは、ロック検知信号Sig8で自動変速機1がパーキングロックされたことを検知したときに、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80への電力の供給を停止して変速制御装置10をスリープ状態にする。
しかしながら、イグニッションスイッチ71がOFFされるときは運転者によるパーキングスイッチ70bの操作によって自動変速機1がニュートラル状態に設定されることが一般的である。また、イグニッションスイッチ71がOFFされたときに自動変速機1がニュートラル状態に自動的に設定される構成のハイブリッド車両Vもある。よって、運転者等がイグニッションキーをロック解除スイッチ70dの差込口70d1に差し込んでシフトレバー70aを操作すると、自動変速機1はニュートラル状態のままでパーキングロックが解除される。
自動変速機1がニュートラル状態のとき、図2に示す駆動輪DWは第1入力軸13から解放された状態になって駆動輪DWと第1入力軸13との間で動力が伝達されない。したがって、ハイブリッド車両V(図1参照)が牽引されるなどして前進(または後退)する場合、駆動輪DWは回転しても第1入力軸13は回転しない。よって、第1入力軸13と反転ギヤ44、リバースギヤ43およびポンプ駆動ギヤ62を介して噛み合っているオイルポンプ回転軸61が回転せず、オイルポンプ60が駆動しない。つまり、自動変速機1の第1および第2変速機構11、31に潤滑油が循環せず、自動変速機1に潤滑油が供給されない。
オイルポンプ60が駆動せず自動変速機1に潤滑油が供給されない状態で長時間に亘ってハイブリッド車両Vが牽引されると、自動変速機1(第1変速機構11、第2変速機構31)が潤滑油不足の状態になる虞がある。
そこで、第1実施形態の変速制御装置10(図1参照)は、イグニッションキーがロック解除スイッチ70d(図1参照)に差し込まれて自動変速機1(図1参照)のパーキングロックを解除するとき、駆動輪DWと第1入力軸13との間で動力が伝達されるように自動変速機1が設定されるように構成される。
具体的に、TCU1bは、イグニッションキーがロック解除スイッチ70dの差込口70d1に差し込まれて自動変速機1のパーキングロックを解除するとき、自動変速機1を、例えば5速段に設定するように構成される。また、イグニッションキーがロック解除スイッチ70dの差込口70d1から抜かれて自動変速機1をパーキングロックするとき、自動変速機1をニュートラル状態に設定するように構成される。
図3は、運転者がロック解除スイッチを操作したときの動作を示すフローチャートであり、(a)はパーキングロックを解除するときの動作、(b)はパーキングロックするときの動作を示す。
また、図4は、自動変速機が5速段に設定された状態を示す図である。
なお、図3の(a)、(b)において、一点鎖線で囲んだ動作は運転者のオペレーションを示し、破線で囲んだ動作は変速制御装置10(システム)側のアクションを示す(以下、適宜図1,2参照)。
運転者がイグニッションスイッチ71をOFFすると(OP1)、TCU1bは自動変速機1をニュートラル状態に設定して(ACT1)、さらに、パーキングロックの状態にする(ACT2)。その後、ECU2はハイブリッド車両V(システム)をスリープさせる(ACT3)。具体的にECU2はTCU1bに指令を与えてシフト位置選択手段70および変速制御装置10への電力の供給を停止する。
そして、イグニッションキーがイグニッションスイッチ71から抜かれた状態のときに(OP2)、運転者等がロック解除スイッチ70dにイグニッションキーを差し込むと(OP3)、ロック解除スイッチ70dからTCU1bに解除操作信号Sig7が送信され、TCU1bはシフト位置選択手段70および変速制御装置10(システム)を起動する(ACT4)。そして、シフト位置選択手段70、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80に電力が供給され、シフト位置選択手段70およびシフトアクチュエータ1aは作動可能な状態になる。
この状態で、運転者等がシフトレバー70aを操作してNポジションを選択したとき(OP4)、TCU1bは、パーキングロックを解除するPロック解除信号Sig3をEPB80に送信する。Pロック解除信号Sig3を受信したEPB80はシフトアクチュエータ1aにパーキングロックを解除する制御信号を送信して自動変速機1のパーキングロックを解除する(ACT5)。
さらに、TCU1bは、自動変速機1を5速段に設定する(ACT6)。具体的にTCU1bは、自動変速機1を5速段に設定する変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信する。シフトアクチュエータ1aは、ロック機構BRをOFF状態に設定し、第1シンクロクラッチS1が5速ギヤ15と第1入力軸13を係合し、第1クラッチC1が解放状態になって、クランク軸3aと第1入力軸13の係合を解除し、第2クラッチC2が解放状態になって、クランク軸3aと第2入力軸32の係合を解除するように、自動変速機1に駆動電流を供給する。
また、TCU1bは図示しないインジケータを制御して、Nポジションが選択されたこと(例えば「N」)を表示する(ACT7)。そして、所定時間が経過したのち、TCU1bはシフト位置選択手段70および変速制御装置10(システム)をスリープさせる(ACT8)。シフト位置選択手段70、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、およびEPB80への電力の供給が停止される。
なお、TCU1bが変速制御装置10(システム)等をスリープさせるまでの所定時間は、例えば、運転者が図示しないインジケータの「N」表示を確認できるのに充分な時間とすればよい。
このように、第1実施形態のTCU1bは、イグニッションキーがロック解除スイッチ70dに差し込まれるという所定の操作がなされた場合にEPB80にPロック解除信号Sig3を送信して自動変速機1のパーキングロックを解除するとき、駆動輪DWの回転でオイルポンプ60が駆動する5速段に自動変速機1を切り換えるように構成される。
また、ロック解除スイッチ70dは、イグニッションキーが差し込まれるという所定の操作がなされることによって変速制御装置10を起動させて、シフトアクチュエータ1aを作動可能な状態にするスイッチ手段として機能する。
また、運転者等によってロック解除スイッチ70dからイグニッションキーが抜かれると、図3の(b)に示す手順で自動変速機1がパーキングロックされる。
運転者等がロック解除スイッチ70dからイグニッションキーを抜くと(OP10)、TCU1bはスリープ状態のシフト位置選択手段70と変速制御装置10(システム)を起動する(ACT10)。シフト位置選択手段70、シフトアクチュエータ1a、Pセンサ1c、EPB80に電力が供給される。
この状態で運転者等がパーキングスイッチ70bを操作すると(OP11)、シフトセンサ70cはパーキングスイッチ70bが操作されたことを検出してPSW信号Sig6をTCU1bに送信する。TCU1bはシフトセンサ70cから送信されるPSW信号Sig6でパーキングスイッチ70bが操作されたことを検知し、図示しないインジケータを制御して、パーキングスイッチ70bが操作されたこと(例えば「P」)を表示する(ACT11)。
また、TCU1bは、自動変速機1をニュートラル状態に設定する(ACT12)。具体的にTCU1bは、自動変速機1をニュートラル状態に設定する変速信号Sig5をシフトアクチュエータ1aに送信する。変速信号Sig5を受信したシフトアクチュエータ1aは、第1シンクロクラッチS1が3速ギヤ14および5速ギヤ15と第1入力軸13の係合をともに解除し、ロック機構BRをOFF状態とし、第5シンクロクラッチS5がリバースギヤ43とリバース軸42の係合を解除するように、自動変速機1に駆動電流を供給する。
さらに、TCU1bは、自動変速機1をパーキングロックさせるPロック信号Sig2をEPB80に送信する。Pロック信号Sig2を受信したEPB80は、自動変速機1を制御してパーキングロックの状態にする(ACT13)。そして、所定時間が経過したのち、TCU1bはシフト位置選択手段70および変速制御装置10(システム)をスリープ状態にする(ACT14)。バッテリ52からシフト位置選択手段70、シフトアクチュエータ1a等への電力の供給が停止される。
ハイブリッド車両Vは、自動変速機1がパーキングロックした状態で変速制御装置10がスリープ状態となる。
なお、TCU1bが変速制御装置10(システム)をスリープ状態にするまでの所定時間は、例えば、運転者が図示しないインジケータの「P」表示を確認できるのに充分な時間とすればよい。
第1実施形態のハイブリッド車両V(図2参照)は、ロック解除スイッチ70d(図1参照)にイグニッションキーが差し込まれてパーキングロックを解除するとき、図3の(a)に示すように自動変速機1を5速段に設定する動作(ACT6)を実行し、図4に示すように自動変速機1を5速段に設定する。自動変速機1が5速段に設定されると、第1シンクロクラッチS1によって5速ギヤ15と第1入力軸13が係合し、駆動輪DWの回転動力は太線で示すように、出力軸21および5速ギヤ15を介して第1入力軸13に伝達される。
したがって、牽引等でハイブリッド車両Vが前進(後退)して駆動輪DWが回転すると、その回転動力は出力軸21および5速ギヤ15を介して第1入力軸13に伝達され、第1入力軸13が回転する。
さらに、第1入力軸13の回転動力は、反転ギヤ44、リバースギヤ43およびポンプ駆動ギヤ62を介してオイルポンプ回転軸61に伝達され、オイルポンプ回転軸61が回転してオイルポンプ60が駆動する。
そして、オイルポンプ60の駆動によって自動変速機1の第1および第2変速機構11、31に潤滑油が循環する。したがって、ハイブリッド車両Vが牽引等で前進(後退)するときに、オイルポンプ60の駆動によって自動変速機1に潤滑油が供給され、自動変速機1の構成部品が潤滑不足になることが回避される。
なお、TCU1bは自動変速機1のパーキングロックを解除するときに(図3のACT6)、第1クラッチC1を解放状態に設定する構成が好ましい。
第1クラッチC1が解放状態に設定されることによって、第1入力軸13とエンジン3のクランク軸3aとの係合が解除される。
第1入力軸13とクランク軸3aが係合した状態であると、第1入力軸13の回転にともなってクランク軸3aが回転する。
クランク軸3aの回転は第1入力軸13に対する負荷となり、ひいては、ハイブリッド車両Vの牽引に対する負荷となる。したがって、クランク軸3aが第1入力軸13とともに回転することによって牽引に要する動力が増える。
第1クラッチC1でクランク軸3aと第1入力軸13との係合が解除されることによって、駆動輪DWの回転にともなうクランク軸3aの回転が抑止され、ハイブリッド車両Vの牽引に必要な動力の軽減が可能になる。
以上のように、図1,2に示す、第1実施形態のハイブリッド車両Vは、イグニッションスイッチ71がOFFのときにロック解除スイッチ70dが操作され、さらに、シフトレバー70aでNポジションが選択されると、TCU1bは、自動変速機1を5速段に設定し、さらに、パーキングロックを解除する。これによって、ハイブリッド車両Vが牽引等で前進(後退)するときにオイルポンプ60を駆動することができ、自動変速機1の構成部品が潤滑不足になることが回避される。
《第2実施形態》
図5は本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両の動力伝達系統の構成を示す図である。
図5に示すように、第2実施形態のハイブリッド車両V2には、図2に示す第1実施形態のハイブリッド車両Vと異なり、モータ4のロータ4bと第1入力軸13との係合を解除可能に構成される第3クラッチC3が備わる。その他、図2に示す第1実施形態のハイブリッド車両Vと同じ構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第3クラッチC3は、例えば、第1クラッチC1と同様に乾式多板クラッチであればよく、シフトアクチュエータ1aから供給される駆動電流で駆動し、締結状態では、ロータ4bに第1入力軸13を係合させ、解放状態ではこの係合を解除してロータ4bと第1入力軸13を切り離すように構成されることが好ましい。
また、第3クラッチC3はイグニッションスイッチ71(図1参照)がOFFのときに解放状態となってロータ4bと第1入力軸13を切り離すように構成され、イグニッションスイッチ71がONのときに締結状態となってロータ4bと第1入力軸13を係合させるように構成されることが好ましい。
第2実施形態のハイブリッド車両V2は、イグニッションスイッチ71(図1参照)がOFFに切り替えられたとき、TCU1bは、モータ4のロータ4bと第1入力軸13との係合を解除するための制御信号をシフトアクチュエータ1aに送信する。この制御信号を受信したシフトアクチュエータ1aは、ロータ4bと第1入力軸13との係合が解除されるように第3クラッチC3を駆動させる駆動電流を自動変速機1に供給する。第3クラッチC3によってロータ4bと第1入力軸13との係合が解除され、第1入力軸13の回転動力のロータ4bへの伝達が遮断される。これによって、第1入力軸13が回転した場合のロータ4bの回転が抑止される。
そして、TCU1bは、イグニッションスイッチ71(図1参照)がOFFのときにロック解除スイッチ70d(図1参照)にイグニッションキーが差し込まれ、さらに、シフトレバー70a(図1参照)でNポジションが選択されたとき、TCU1bは自動変速機1を5速段に設定してパーキングロックを解除する。
第2実施形態のハイブリッド車両V2は、イグニッションスイッチ71(図1参照)がOFFのときにロック解除スイッチ70d(図1参照)にイグニッションキーが差し込まれてパーキングロックが解除されると自動変速機1は5速段に設定される。したがって、牽引などでハイブリッド車両V2が前進(後退)して駆動輪DWが回転すると第1入力軸13も回転する。このとき、第1入力軸13とロータ4bが係合した状態であると第1入力軸13の回転にともなってロータ4bが回転する。
ロータ4bの回転は第1入力軸13に対する負荷となり、ひいては、ハイブリッド車両V2の牽引に対する負荷となる。したがって、ロータ4bが第1入力軸13とともに回転することによって牽引に要する動力が増える。
第3クラッチC3でロータ4bと第1入力軸13の係合が解除されることによって、駆動輪DWの回転にともなうロータ4bの回転が抑止され、ハイブリッド車両V2の牽引に必要な動力の軽減が可能になる。
例えば、TCU1bは、図3の(a)に示す「ACT1」で自動変速機1をニュートラル状態に設定した後で、ロータ4bと第1入力軸13との係合を解除するための制御信号をシフトアクチュエータ1aに送信する構成とすればよい。また、TCU1bは、イグニッションスイッチ71(図1参照)がONに切り替わったことをECU2から通知されたときにロータ4bと第1入力軸13を係合するための制御信号をシフトアクチュエータ1aに送信する構成とすればよい。
このような構成によって、イグニッションスイッチ71がOFFのときにロータ4bと第1入力軸13の係合が解除される。
また、イグニッションスイッチ71がONのときに自動変速機1がニュートラル状態に設定されるとともにロータ4bと第1入力軸13が係合される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、イグニッションキーがロック解除スイッチ70d(図1参照)に差し込まれて自動変速機1のパーキングロックが解除されるとき、自動変速機1が5速段に設定される構成としたが、これは限定されるものではない。
5速段は減速比が最も小さい変速段であり、駆動輪DWの回転動力を好適に第1入力軸13(図2参照)に伝達できることから5速段に設定される構成とした。例えば、自動変速機1が3速段に設定された場合であっても駆動輪DWの回転動力を好適に第1入力軸13に伝達できる構造であれば、3速段に設定される構成としてもよい。
また、第1,2実施形態では、オイルポンプ回転軸61(図2参照)が第1入力軸13(図2参照)とともに回転する構成としたが、この構成も限定されない。例えば、オイルポンプ回転軸61が第2入力軸32(図2参照)とともに回転する構成、つまり、第2入力軸32の回転動力でオイルポンプ60(図2参照)が駆動する構成であってもよい。この構成の場合、イグニッションキーがロック解除スイッチ70d(図1参照)に差し込まれて自動変速機1のパーキングロックが解除されるとき、自動変速機1は、駆動輪DW(図2参照)とともに第2入力軸32が回転する変速段(2速段、または4速段)に設定される構成とすればよい。
また、自動変速機1(図1参照)は前進方向に5つの変速段(1速段〜5速段)を有するものとしたが、これは限定されるものではない。6つ以上の変速段を有する自動変速機1であってもよいし、4つ以下の変速段を有する自動変速機1であってもよい。
例えば、6つの変速段(1速段〜6速段)を有する自動変速機1の場合、イグニッションキーがロック解除スイッチ70d(図1参照)に差し込まれて自動変速機1のパーキングロックが解除されるとき、自動変速機1が5速段や6速段に設定される構成とすればよい。
また、第1,第2実施形態では、図1に示すように、Hポジションに自動的に復帰するシフトレバー70aが備わるシフト位置選択手段70としたが、押しボタンスイッチの押下げ操作でシフト位置が選択される構成など、他の構成のシフト位置選択手段70であってもよい。
また、第2実施形態ではイグニッションスイッチ71(図1参照)がOFFのときに第3クラッチC3(図5参照)がロータ4bと第1入力軸13の係合を解除する構成としたがこれも限定されない。
例えば、イグニッションスイッチ71がOFFのときにロック解除スイッチ70d(図1参照)にイグニッションキーが差し込まれた時点で第3クラッチC3がロータ4bと第1入力軸13の係合を解除する構成であってもよい。
また、ロック解除スイッチ70d(図1参照)のイグニッションキーの差込口70d1(図1参照)を開閉するカバー部材(図示せず)が備わり、イグニッションキーの差込口70d1の開閉を示す信号がTCU1b(図1参照)に送信される構成であってもよい。この構成によると、TCU1bはイグニッションキーの差込口70d1の状態(開閉状態)を取得できる。そして、例えば、TCU1bは図3の(b)に示す「ACT11」で図示しないインジケータに「P」を表示したのち、イグニッションキーの差込口70d1がカバーで閉じられたときに「ACT14」を実行して変速制御装置10(図1参照)をスリープ状態にする構成であってもよい。
また、ロック解除スイッチ70dの構造も限定されない。例えば、イグニッションキー以外の部材が差し込まれる構成であってもよいし、プッシュスイッチやトグルスイッチを備えるロック解除スイッチ70dであってもよい。
ロック解除スイッチ70dがプッシュスイッチやトグルスイッチを備える場合、ロック解除スイッチ70dになされる所定の操作は、プッシュスイッチの押下げ操作やトグルスイッチの切り替え操作になる。
1 自動変速機
1a シフトアクチュエータ(アクチュエータ)
1b TCU(制御手段、ロック解除手段)
3 エンジン(内燃機関)
3a クランク軸(機関出力軸)
4 モータ(電動機)
4b ロータ
7 シフト位置選択手段
11 第1変速機構
13 第1入力軸
31 第2変速機構
32 第2入力軸
60 オイルポンプ(オイル供給手段)
70d ロック解除スイッチ(ロック解除手段、スイッチ手段)
71 イグニッションスイッチ
80 EPB(ロック手段、ロック解除手段)
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
C3 第3クラッチ
DW 駆動輪
V,V2 ハイブリッド車両

Claims (5)

  1. シフト位置選択手段によって選択されるシフト位置を示す電気信号に基づいてアクチュエータを制御して自動変速機の変速段を切り替える制御手段と、
    前記制御手段からの指令で前記自動変速機をパーキングロックの状態に設定するロック手段と、
    前記自動変速機が所定の変速段に切り替えられた際に駆動輪の回転動力で駆動して当該自動変速機に潤滑油を供給するオイル供給手段と、
    イグニッションスイッチがオフの状態の場合に所定の操作がなされたときに前記自動変速機のパーキングロックを解除するロック解除手段と、を有する変速制御装置において、
    前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除する場合に、前記制御手段は、前記オイル供給手段が前記駆動輪の回転動力で駆動する変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする変速制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記自動変速機がパーキングロックの状態に設定されていない場合に前記イグニッションスイッチがオフの状態に切り替えられたときに前記ロック手段に指令を与えて前記自動変速機をパーキングロックの状態に設定し、
    前記イグニッションスイッチがオフの状態の場合に前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除するときに、前記オイル供給手段が前記駆動輪の回転動力で駆動する変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。
  3. 前記ロック解除手段には、前記所定の操作がなされることによって、前記イグニッションスイッチがオフの状態のときに前記アクチュエータを作動可能な状態にするスイッチ手段が備わることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の変速制御装置。
  4. 前記自動変速機は、
    内燃機関の機関出力軸の回転動力を第1入力軸の回転動力として取り出し、前記第1入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第1変速機構と、
    前記機関出力軸の回転動力を第2入力軸の回転動力として取り出し、前記第2入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第2変速機構と、
    前記機関出力軸と前記第1入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第1クラッチと、
    前記機関出力軸と前記第2入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第2クラッチと、を有し、
    前記オイル供給手段は、前記第1入力軸と前記第2入力軸の少なくとも一方の回転動力で駆動するオイルポンプであって、
    前記制御手段は、前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除するときに、前記オイルポンプを駆動させる前記第1入力軸または前記第2入力軸に前記駆動輪の回転動力が伝達される変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の変速制御装置。
  5. 前記自動変速機は、内燃機関の機関出力軸の回転動力または電動機のロータに生じる回転動力を第1入力軸の回転動力として取り出し、前記第1入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第1変速機構と、
    前記機関出力軸の回転動力を第2入力軸の回転動力として取り出し、前記第2入力軸の回転を減速比の異なる複数の変速段の1つで減速して前記駆動輪に伝達する第2変速機構と、
    前記機関出力軸と前記第1入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第1クラッチと、
    前記機関出力軸と前記第2入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第2クラッチと、
    前記ロータと前記第1入力軸の係合および切り離しを選択的に切り替える第3クラッチと、を有し、
    前記オイル供給手段は、前記第1入力軸の回転動力で駆動するオイルポンプであって、
    前記第3クラッチは、前記イグニッションスイッチがオフの状態のときに前記ロータと前記第1入力軸を切り離し、
    前記制御手段は、前記所定の操作がなされた前記ロック解除手段が前記自動変速機のパーキングロックを解除するときに、前記第1入力軸に前記駆動輪の回転動力が伝達される変速段に前記自動変速機を切り替えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の変速制御装置。
JP2012199718A 2012-09-11 2012-09-11 変速制御装置 Expired - Fee Related JP5840094B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012199718A JP5840094B2 (ja) 2012-09-11 2012-09-11 変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012199718A JP5840094B2 (ja) 2012-09-11 2012-09-11 変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014055614A JP2014055614A (ja) 2014-03-27
JP5840094B2 true JP5840094B2 (ja) 2016-01-06

Family

ID=50613114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012199718A Expired - Fee Related JP5840094B2 (ja) 2012-09-11 2012-09-11 変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5840094B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016145631A (ja) * 2015-02-09 2016-08-12 本田技研工業株式会社 シフト制御装置
JP2017125455A (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 株式会社オートネットワーク技術研究所 シフトバイワイヤ制御装置、電源システム、シフトバイワイヤ制御方法
JP6393718B2 (ja) 2016-09-13 2018-09-19 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
CN114576346B (zh) * 2022-03-16 2023-06-20 江铃汽车股份有限公司 一种汽车用多稳态电子换挡器下电休眠方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5012172B1 (ja) * 1970-03-14 1975-05-09
JPH0428268U (ja) * 1990-06-30 1992-03-06
JPH0469450A (ja) * 1990-07-09 1992-03-04 Niles Parts Co Ltd 電子制御による変速装置
JP3832940B2 (ja) * 1997-08-29 2006-10-11 本田技研工業株式会社 車両用ベルト式無段変速機のプーリ圧供給装置
JP5100819B2 (ja) * 2010-11-17 2012-12-19 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014055614A (ja) 2014-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101978894B1 (ko) 하이브리드 파워트레인, 이러한 하이브리드 파워트레인을 제어하는 방법, 이러한 하이브리드 파워트레인을 포함하는 차량, 이러한 하이브리드 파워트레인을 제어하는 컴퓨터 프로그램 및 프로그램 코드를 포함하는 컴퓨터 프로그램 제품
KR101232002B1 (ko) 하이브리드 차량용 동력 전달 장치
CN102089173B (zh) 机动车辆的传动系统
JP5279908B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
EP2892750B1 (en) Hybrid vehicle comprising a torque distributor
CN102454753B (zh) 混合动力车用变速器
JP5786051B2 (ja) ハイブリッド車両
JP5703290B2 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
KR101829442B1 (ko) 하이브리드 드라이브 라인을 포함하는 차량을 기동하는 방법
JP2004353781A (ja) 車輌用駆動装置
JP5840094B2 (ja) 変速制御装置
KR20170058415A (ko) 하이브리드 파워트레인을 제어하는 방법, 이러한 하이브리드 파워트레인을 포함하는 차량, 이러한 하이브리드 파워트레인을 제어하는 컴퓨터 프로그램 및 프로그램 코드를 포함하는 컴퓨터 프로그램 제품
JP2013185613A (ja) 動力伝達装置のオイル供給装置
KR20160132487A (ko) 하이브리드 드라이브 라인을 제어하는 방법
KR101918218B1 (ko) 하이브리드 파워트레인을 제어하는 방법, 이러한 하이브리드 파워트레인을 포함하는 차량, 이러한 하이브리드 파워트레인을 제어하는 컴퓨터 프로그램 및 프로그램 코드를 포함하는 컴퓨터 프로그램 제품
JP5475154B2 (ja) ハイブリッド車両
KR101978895B1 (ko) 하이브리드 파워트레인을 제어하는 방법, 이러한 하이브리드 파워트레인을 포함하는 차량, 이러한 하이브리드 파워트레인을 제어하는 컴퓨터 프로그램 및 프로그램 코드를 포함하는 컴퓨터 프로그램 제품
CN107813693B (zh) 混合动力车辆的控制装置
JP2010202004A (ja) 動力出力装置
JP5478329B2 (ja) 車両用駆動装置
CN108688464A (zh) 混合分动箱
KR101829439B1 (ko) 하이브리드 드라이브 라인의 연소 엔진 시동 방법
CN114269584A (zh) 用于机动车的混合动力传动系
JP2011105141A (ja) ハイブリッド車両の駆動制御装置
JP2013237441A (ja) ハイブリッド車両の駆動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5840094

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees