JP5839129B2 - フィラーおよびガラス組成物、ならびに、六方晶リン酸塩の製造方法 - Google Patents

フィラーおよびガラス組成物、ならびに、六方晶リン酸塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、六方晶リン酸塩粒子からなるフィラーおよびこれを含むガラス組成物に関する。本発明のフィラーを含む組成物は熱膨張率が低いので、主にブラウン管、プラズマディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管、有機EL等の電子部品の封着材料に使用することができる。
また、本発明は、4価金属層状リン酸塩を原料とする六方晶リン酸塩の製造方法に関する。本製造方法で得られる六方晶リン酸塩は、ガラスや樹脂等の組成物のフィラーとして用いることにより、硬化物の熱膨張率を下げることができるので、主にブラウン管、プラズマディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管、有機EL等の電子部品の封着材料に応用できるものである。
リン酸塩には、非晶質のものと2次元層状構造や3次元網目状構造をとる結晶質のものがある。このなかでも3次元網目状構造をとる結晶質リン酸塩は、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性および低熱膨張性などに優れており、放射性廃棄物の固定化、固体電解質、ガス吸着・分離剤、触媒、抗菌剤原料および低熱膨張性フィラーなどに検討されている。
これまでに様々なリン酸塩からなる低熱膨張性フィラーが知られており、封着材料などに応用されている。例えば、特許文献1には、低融点ガラス粉末と、NaZr2(PO43、CaZr2(PO43、KZr2(PO43等の低熱膨張材粉末との混合物からなる封着材料が開示されており、特許文献2には、無鉛ガラス用のフィラー粉末としてNbZr2(PO43粉末が開示されており、特許文献3にはZr2(WO4)(PO42粉末が開示されている。
また、特許文献4には、式:M1a1M2a2M3a3ZrbHfc(PO43・nH2Oで表される低熱膨張性フィラーは少量の添加でガラス組成物の熱膨張係数を大きく低下させ、ガラス組成物は流動性に優れることが開示されている。
特開平02−267137号公報 特開2000−290007号公報 特開2005−035840号公報 特開2007−302532号公報
最近多用されるようになった無鉛低融点ガラスは、一般的に従来の鉛ガラスよりも熱膨張率が大きいために、特許文献1〜3に記載されているような従来の低熱膨張性フィラーでは効果が十分でなく、多量のフィラーを加えても、封着材料の熱膨張係数を十分に下げることができなかったり、封着材料組成物の流動性や封着材料の溶融流動性が損なわれたりする問題があった。
特許文献4には、M1はアルカリ金属、M2はアルカリ土類金属、M3は水素原子であり、a1〜a3は0または正数であるがa1〜a3が全て0であることはなく、bは正数であり、cは0または正数であり、nは0または2以下の正数であると定義されているが、詳細な説明にはa1>a2>a3であると低熱膨張制御性が十分発現するので好ましいことが記載され、実施例としてはa1が正の数でa2およびa3は0の場合しか記載されていなかった。すなわち、式:M1a1M2a2M3a3ZrbHfc(PO43・nH2Oで表される低熱膨張性フィラーは知られていたが、好ましいのはアルカリ金属塩であり、アルカリ金属を含まない組成のものの性状については知られていなかったということができる。また、アルカリ金属を含まない組成で、なおかつ低熱膨張性フィラーと好適な微粒子結晶の得られる製法については具体的には知られていなかった。
ところが、一方で、電子部品の微細化精密化が進むにつれて、基板や封止材料等に含まれるNaやK等のアルカリ金属が電子部品の信頼性に悪影響を与えるという理由から、封着ガラスや低熱膨張性フィラーについてもアルカリ金属を含まない材料が求められるようになってきた。このとき問題となったのが特許文献4で開示されている低熱膨張性フィラーの製造方法である。特許文献4には、水中または水を含有した状態で原料を混合後加圧加熱して合成する水熱法、および原料を水中で混合後、常圧下で加熱して合成する湿式法などの製造方法で得られた六方晶リン酸ジルコニウム塩が、原料を混合後、焼成炉などを用いて1000℃以上で焼成して得られた従来の低熱膨張性フィラーに比べて優れた効果を奏することが開示されていたが、上記の水熱法や湿式法では原料や中間体の水溶性が、塩の結晶性に大きく影響するため、アルカリ金属を含まない原料からフィラーに適した微粒子の結晶を得ることは難しかった。
すなわち、少量の添加で樹脂やガラス組成物の熱膨張係数を大きく低下させ、ガラス組成物は流動性に優れるような低熱膨張性フィラーであり、なおかつアルカリ金属を含まないものが求められるようになったが、従来知られた低熱膨張性フィラーのなかにはそのような効果を奏するものはなかった。
本発明の課題は、組成にアルカリ金属を含まず、少量の添加でガラス組成物の熱膨張係数を大きく低下させるようなフィラーおよびそれを用いたガラス組成物を提供することである。
また、本発明の他の課題は、組成にアルカリ金属を含まず、上記フィラーとして好適に用いることのできる六方晶リン酸塩を、簡便で工業的に有利な方法で製造できる製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リン酸塩の粒子を原料として使用し、焼成により六方晶リン酸塩に結晶化する製法により、組成にアルカリ金属を含まないでなおかつ微粒子の六方晶リン酸塩粒子を得ることができ、得られた六方晶リン酸塩粒子をフィラーとしてガラス組成物とすると流動性と低熱膨張性に優れるガラス組成物が実現できることを見出した。本発明は上記のフィラーであり、上記のフィラーを含有するガラス組成物でもある。
また、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、層状リン酸塩粒子を原料として使用し、原料調合後、焼成により六方晶リン酸塩に結晶化することにより、六方晶リン酸塩を得る新しい製造方法を見出して本発明を完成させた。
本発明のフィラーは、従来の六方晶リン酸塩に比較して、アルカリ金属を含まないなおかつ微粒子である点が特に優れており、ガラス組成物として用いるときには加工性および低熱膨張性に優れる。
また、本発明の六方晶リン酸塩の製造方法は、従来の六方晶リン酸塩に比較し、アルカリ金属を含まずに製造できる点が特に優れており、安価で簡便な方法で、アルカリ金属を含まないうえに、粒子径や純度などが制御された六方晶リン酸塩を得ることができる。
実施例1で作製した六方晶リン酸塩AのX線回折図 比較例1で作製した六方晶リン酸塩gのX線回折図
以下本発明について説明する。なお、「%」は特に明記しない限り「重量%」を意味し、「部」は「重量部」、「ppm」は「重量ppm」を意味する。また、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限および下限を含む数値範囲を表す。さらに、本発明においては、後述する好ましい態様の2以上の組み合わせもまた、好ましい態様である。
本発明のフィラーは、電子材料に悪影響を与える恐れのあるアルカリ金属を含んでいないところが最大の特徴であり、式〔1〕の組成と、0.05〜50μmのメジアン径とを有する低熱膨張性フィラーは従来実現されていなかったものである。このようなフィラーは、原料として用いる4価金属層状リン酸塩の粒子径を選択し、特定の2価金属化合物と特定のm価金属化合物とを加えて3成分系を調整後、加熱焼成する製法によってはじめて得られたものであり、本発明のフィラーを用いてガラス組成物としたものは、微細な形状に対応することができ、硬化物は優れた低熱膨張性能を示す。また、以下、本発明のフィラーを、「本発明の低熱膨張性フィラー」ともいう。
本発明のフィラーは下記式〔1〕で示される六方晶リン酸塩である。
xyz(PO43・nH2O 〔1〕
式〔1〕において、Aはアルカリ土類金属、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、BはZr、Ti、Hf、CeおよびSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の4価金属であり、Cはm価の金属である。
また、Aの添え字x、Bの添え字y、およびCの添え字zは、1.75<y+z<2.25で、2x+4y+mz=9を満たす数であり、x,yおよびzは正数であり、nは0または2以下の正数であり、mは3〜5の整数である。なお、本発明における式〔1〕に関する説明においてBがホウ素の元素記号を意味することはなく、Cが炭素の元素記号を意味することはない。
式〔1〕において、好ましいA、B、Cの種類は、後述する原料として用いる好ましい化合物に対応する。
Aとして好ましい2価金属は、Mg、Ca、BaおよびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはMg、CaおよびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくはCaおよびMgよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらのうちから2つ以上が併用されても差し支えない。Bとして好ましいのはTi、Zr、SnおよびHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種の4価金属であり、さらに好ましくはTi、ZrおよびHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種の4価金属であり、これらのうちから2つ以上が併用されても差し支えない。Cとして好ましいm価金属としてはZr、Ti、Hf、Ce、Sn、V、Nb、Al、Ga、Sc、YおよびLaよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはZr、Ti、Hf、Nb、AlおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくはZr、Ti、NbおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらのうちから2つ以上が併用されても差し支えなく、その場合はmの異なるCであってもよい。
式〔1〕においてxは、1未満の正数であることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.6であり、さらに好ましくは0.45〜0.55である。式〔1〕においては、1.75<y+z<2.25を満足する範囲の中で、yは、1.0を超えることが好ましく、より好ましくは1.25以上であり、さらに好ましくは1.50以上であり、また、yは2.25以下であることが好ましく、zは1.0以下が好ましく、0.75以下がより好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.6の範囲である。
式〔1〕においてnは、六方晶リン酸塩を組成物として用いるときの安定性の観点から1以下が好ましく、より好ましくは0≦n≦0.5であり、さらに好ましくは0≦n≦0.3であり、特に好ましくはn=0である。
本発明のフィラーとしては下記のものが例示できる。
Ca0.5Zr2(PO43
Mg0.5Zr2(PO43
Zn0.5Zr2(PO43
Ca0.45Zr1.9Nb0.1(PO43
Ca04Zr1.8Nb0.2(PO43
Ca035Zr1.7Nb0.3(PO43
Ca0.25Zr1.5Nb0.5(PO43
Ca0.5Ti2(PO43
Ca0.5Zr1.5Ti0.5(PO43
Ca0.5ZrTi(PO43
Ca0.55Zr1.9Al0.1(PO43
Ca0.6Zr1.8Al0.2(PO43
Ca0.75Zr1.5Al0.5(PO43
Ca0.3Zr1.4Nb0.5Al0.1(PO43
Ca0.55Zr1.4Ti0.5Al0.1(PO43
Ca0.6Zr1.6Ti0.2Al0.2(PO43
Ca0.6Zr1.3Ti0.5Al0.2(PO43
本発明のフィラーは、その製造方法には特に制限はないが、本発明の六方晶リン酸塩の製造方法により製造された六方晶リン酸塩であることが好ましい。
本発明の六方晶リン酸塩の製造方法は、4価金属層状リン酸塩と、アルカリ土類金属、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属の化合物と、m価金属化合物とを調合し混合物を得る工程、ならびに、前記混合物を焼成し式〔1〕で表される六方晶リン酸塩を得る工程を含むことを特徴とする。
xyz(PO43・nH2O 〔1〕
式〔1〕において、Aはアルカリ土類金属、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、BはZr、Ti、Hf、CeおよびSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の4価金属であり、Cはm価の金属であり、x,yおよびzは正数であり、かつ1.75<y+z<2.25および2x+4y+mz=9を満たし、nは0または2以下の正数であり、mは3〜5の整数である。
また、本発明の六方晶リン酸塩の製造方法によれば、原料として用いる4価金属層状リン酸塩の粒子径を選択することにより、得られる六方晶リン酸塩の1次粒子径を制御することができ、また、焼成の温度条件を選択することにより、低熱膨張性を発現する六方晶リン酸塩の生成は十分に進む一方で、焼結は起き難く、焼成後の1次粒子への解砕が容易であるため、優れた低熱膨張性能と、フィラーとして用いたときに流動性が良く微細な形状に対応することのできる、六方晶リン酸塩粒子の提供が可能である。
本発明のフィラーとして、六方晶リン酸塩を製造するために、主原料として使用することができるのは、4価金属リン酸塩である。4価金属層状リン酸塩は含水塩であってよい。4価金属層状リン酸塩を構成する4価金属としては、Ti、Ge、Zr、Sn、Hf、Ceなどが知られており、このうちで好ましいのは原料を入手しやすく安価なTi、Zr、Sn、Hfであり、さらに好ましくはTi、Zr、Hfである。2種以上の4価金属層状リン酸塩を併用したり、複塩を用いることも好ましく実施できる。4価金属リン酸塩は、湿式法や水熱法による合成で粒径を調整し易く、特定粒径の微粒子を得ることが容易である。また、アルカリ金属を含まない形で合成できるので、アルカリ金属を含まない六方晶リン酸塩の原料として用いるのに適している。
4価金属層状リン酸塩は、2次元の層状空間を有する層状結晶であり、構成するリン酸基と結晶水の種類によって、(HPO42・H2Oを含むα型結晶と、その無水物である(HPO42を含むβ結晶、(H2PO4)(PO4)・2H2Oで表されるγ型結晶などが知られており、イオン交換体として知られていた。これらの結晶系の違いについては、含まれる4価金属の種類および結晶系によって層間の距離が異なるため、イオン交換しやすい陽イオンの種類に選択性があることなどが研究されてきたが、これらの4価金属層状リン酸塩粒子を原料にして六方晶リン酸塩粒子を製造したときに低熱膨張性に特徴あるものが得られることは、今まで知られていなかった。
フィラーとして用いる六方晶リン酸塩粒子の原料として用いるのに好ましい4価金属層状リン酸塩としては、湿式法や水熱法によって微細粒子が得やすいという点でα型結晶およびγ型結晶であり、さらに好ましくはα型結晶である。具体的に、好ましいものとしては、
α層状リン酸ジルコニウム:Zr(HPO42・H2
γ層状リン酸ジルコニウム:Zr(H2PO4)(PO4)・2H2
α層状リン酸チタン:Ti(HPO42・H2
γ層状リン酸チタン:Ti(H2PO4)(PO4)・2H2
α層状リン酸ゲルマニウム:Ge(HPO42・H2
α層状リン酸スズ:Sn(HPO42・H2
α層状リン酸ハフニウム:Hf(HPO42・H2
γ層状リン酸ハフニウム:Hf(H2PO4)(PO4)・2H2
α層状リン酸鉛:Pb(HPO42・H2
α層状リン酸セリウム:Ce(HPO42・1.33H2
α層状リン酸セリウム:Ce(HPO42・2H2
等が知られている。なお、結晶水の数は必ずしも1または2である必要はなく、n個の結晶水を有する4価金属リン酸塩を用いても同様に本発明を実施できる(ただし0≦n<6)。
上記の4価金属リン酸塩の具体例のうち、さらに好ましいのはα層状リン酸ジルコニウム、γ層状リン酸ジルコニウム、α層状リン酸チタン、γ層状リン酸チタン:Ti、α層状リン酸ハフニウム、γ層状リン酸ハフニウムから選ばれる1つ以上であり、特に好ましくはα層状リン酸ジルコニウム、α層状リン酸チタン、α層状リン酸ハフニウムから選ばれる1つ以上である。2つ以上の4価金属リン酸塩を併用することも好ましく、特にα層状リン酸ジルコニウムとα層状リン酸ハフニウムを、Hf/Zrがモル比で3/7〜0.1/9.9の比率となるように併用するものは好ましい。
原料として用いる4価金属リン酸塩の粒子径は、得られる六方晶リン酸塩の粒子径に影響を与えるので、得たい粒子径に合わせて用いる4価金属リン酸塩の粒子径を選択することが好ましい。原料として用いる4価金属リン酸塩の粒子径は例えばレーザー回折式粒度分布計で測定することができ、脱イオン水中に分散させた状態で測定し、体積基準で解析したメジアン径を粒子径の代表値として用いることができる。本発明の製造方法で得られた六方晶リン酸塩をガラスや樹脂等の組成物のフィラー成分として用いるとき、組成物を、微細な形状や隙間に対応する充填や成形の用途に用いるためにはメジアン径は小さい方が良いが、小さすぎると比表面積が大きくなってかえって流動性が低下する場合もある。そこで、フィラーとしてはメジアン径で0.05〜50μmの間のものが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmであり、さらに好ましくは、0.5〜5μmである。本発明の製造方法において、このような粒子径の六方晶リン酸塩を得るためには、原料として用いる4価金属リン酸塩の好ましいメジアン径としては、0.05〜50μmの間のものが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.5〜5μmがさらに好ましい。
本発明の製造方法で得られた六方晶リン酸塩をガラスや樹脂等の組成物のフィラー成分として用いるとき、組成物を、微細な形状や隙間に対応する充填や成形の用途に用いるためには最大粒径が小さい方が好ましい。フィラー用途の六方晶リン酸塩の好ましい最大粒径は20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。また、0.05μm以上が好ましい。最大粒径をこの範囲に収めるため、原料として用いる4価金属リン酸塩の最大粒径を、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下に納めることであり、また、焼結によって大粒径の焼結粒子が生成することを防ぐために、1,300℃以下での焼成を行うことと、焼成後に解砕工程を実施することがいずれも有効である。また、4価金属リン酸塩の最大粒径は、0.05μm以上が好ましい。最大粒径は、例えばレーザー回折式粒度分布計で測定することができる。
六方晶リン酸塩の合成原料として、使用できるアルカリ土類金属化合物、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属化合物としては、酸化物、水酸化物、塩などが挙げられる。アルカリ土類金属化合物、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物のうち、好ましいのは、Mg、Ca、Ba、および/または、Znの化合物であり、より好ましくはMg、Ca、および/または、Znの化合物であり、さらに好ましくはCa、および/または、Mgの化合物であり、これらのうちから2つ以上を併用しても差し支えない。化合物としては安価で入手しやすく、焼成時に腐食性のガスが出ない点で水酸化物および酸化物が好ましい。水酸化物と酸化物を併用してもよいが、好ましいのは反応性の高い水酸化物である。具体的にはCa(OH)2、CaO、Mg(OH)2、MgO、Zn(OH)2、ZnOなどが例示され、この中でもさらに好ましいのはCa(OH)2、Mg(OH)2、Zn(OH)2から選択される1つ以上である。
六方晶リン酸塩を得るために、4価金属α層状リン酸塩にアルカリ土類金属だけを添加して焼成すると、一部がピロリン酸塩として析出してしまう傾向がある。それを防ぐための第3成分としてm価の金属の化合物が使用される。好ましくはZr、Ti、Hf、Ce、Sn、V、Nb、Al、Ga、Sc、Y、Laなどの元素から選ばれる少なくとも1種の金属あるいはその塩である。より好ましくは、その酸化物あるいは水酸化物、硫酸塩、塩化物などが挙げられ、さらに好ましくは、焼成時に腐食性のガスが出ない水酸化物、酸化物である。具体的にはZr(OH)2、ZrO2、Ti(OH)4、TiO2(非晶質、アナターゼ、ルチル)、Al(OH)3、Al23、Nb25・nH2Oなどが挙げられる。
また、本発明の六方晶リン酸塩の製造方法では、4価金属リン酸塩粒子とアルカリ土類金属化合物に加えて、m価の金属化合物との3成分を調合した後、焼成することを特徴とする。mは3〜5の整数であり、m価の金属化合物として好ましいのはZr、Ti、Hf、Ce、Sn、V、Nb、Al、Ga、Sc、YおよびLaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物であり、より好ましくはZr、Ti、Hf、Nb、AlおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物であり、さらに好ましくはZr、Ti、NbおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物であり、化合物としては、リン酸塩以外であって、酸化物、オキシ水酸化物、水酸化物、塩などが挙げられるが、好ましいのは、焼成時に腐食性のガスが出ない水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物であり、さらに好ましくは反応性の高い水酸化物またはオキシ水酸化物である。好ましいm価の金属化合物の具体例としては水酸化ジルコニウムZr(OH)4、オキシ水酸化ジルコニウムZrO(OH)2、水酸化チタンTi(OH)4、オキシ水酸化チタンTiO(OH)2、酸化チタンTiO2(非晶質、アナターゼ、ルチル)、水酸化アルミニウムAl(OH)3、酸化アルミニウムAl23、酸化ニオブNb25などが挙げられ、さらに好ましいのはZrO(OH)2、TiO2、Nb25、Al(OH)3、である。異なるm価の金属Cの化合物を併用することもでき、これらのm価の金属化合物はH2Oを含む含水化合物であってもよい。
本発明の製造方法で六方晶リン酸塩を合成するときの原料の配合比は、合成する六方晶リン酸塩の理論組成(組成式と一致する配合比)を基本とするが、必ずしも完全に一致している必要はない。例えばアルカリ土類金属化合物、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物については、合成する六方晶リン酸塩の式量よりも若干過剰に添加することで、焼成時に低温で結晶化が起こりやすくなり、また、m価金属化合物については合成する六方晶リン酸塩の式量よりも若干過剰に添加することで、副生成物として生成しやすいピロリン酸塩が析出し難くなるので好ましい。
原料の4価金属リン酸塩1モルに対するアルカリ土類金属化合物、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属化合物の好ましい配合量は、合成する六方晶リン酸塩の式量から算出される理論量の1倍〜2倍量モルであり、より好ましくは1倍〜1.5倍、さらに好ましくは1.01倍〜1.2倍量モルである。
同様に、原料の4価金属リン酸塩1モルに対するm価金属化合物の好ましい配合量については、合成する六方晶リン酸塩の式量から算出される理論量の1倍〜1.5倍量モルであり、より好ましくは1倍〜1.2倍量モル、さらに好ましくは1.01倍〜1.1倍量モルである。
本発明において、六方晶リン酸塩の原料は3成分を均一に混合してから焼成することが好ましい。混合方法は、均一に混合できれば特に指定はなく、乾式法、湿式法いずれの方法も選ぶことができる。混合方法に特に指定はないが、例えば乾式混合であれば、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、V型混合機、W型混合機、リボンミキサーによる混合などが挙げられる。また、湿式混合では混合物に純水を添加してニーダーによる混練、純水を多めに添加してスラリー状にし、ビーズミルによる混合、セメントミキサーによる混合、プラネタリミキサーによる混練、少量であれば3本ロールによる混練も可能である。なお、湿式混合の場合は、混合後の原料を乾燥してから焼成することが好ましい。
原料が微粉末であるので、乾式混合したものは嵩高く焼成スペースを余計に取られる。また、熱伝導性が悪くなるため、焼成反応が進み難い。そのため、混合した原料をプレス等で成型してペレット状にしてもよい。
本発明における原料混合物の焼成温度は、原料組成にもよるが、4価金属層状リン酸塩が六方晶リン酸塩に転移する温度以上である。結晶性をより高く組成を均一にするためには、焼成温度は650℃以上が好ましい。より好ましくは、700℃以上であり、さらに好ましくは750℃以上である。また、焼成温度が高すぎると、焼結や結晶の溶解再析出による大粒子化が起こり、粒度調製が難しくなるため、1400℃以下が好ましい。より好ましくは1350℃以下であり、さらに好ましくは1300℃以下である。焼成時間としては短い方が生産効率が上がるが、長くした方が製品品質が安定化する傾向があるので、好ましくは30分から24時間である。焼成方法は原料混合物を所定の温度に加熱できる方法なら限定はなく、原料混合物を匣箱に入れて電気炉やガス炉などで焼成する方法や、ロータリーキルンなどで流動させながら加熱する方法などいずれでも用いることができる。
焼成物を粉砕する場合の粉砕方法としては、焼成物を1次粒子に粉砕できる方法が好ましい。例えば乾式ジェットミル、湿式ジェットミル、ボールミル、ピンミルなどが挙げられる。
本発明における六方晶リン酸塩の粒子径は、例えばレーザー回折式粒度分布計で定義することができ、脱イオン水中に分散させた状態で測定し、体積基準で解析したメジアン径を粒子径の代表値として用いることができる。低熱膨張性フィラーとして用いる場合、あまり粒子径が小さいと、組成物の粘度が高くなり過ぎて扱いにくくなる恐れがあり、一方あまり粒子径が大きいと、半導体素子などの微細な隙間を埋める用途には適さなくなるため、メジアン径で0.05μm以上50μm以下の範囲内のものであることが必須であり、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下がより好ましい。なお、各種製品への加工性を考慮すればメジアン径のみでなく、最大粒径も重要であり、フィラーの最大粒径は50μm以下であることが好ましく、20μm以下にすることがより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。また、0.05μm以上であることが好ましい。
本発明のフィラーは高純度の六方晶リン酸塩である。化学的純度や結晶的純度が高く、均一に結晶化していることでガラスと加熱溶融した際にガラスの浸食による変質が少なく、効率よく熱膨張性制御が可能となる。フィラーとしての六方晶リン酸塩の結晶的純度は粉末X線回折により、標準X線回折図との主要ピークの強度比較や、六方晶リン酸塩以外の他の結晶成分に起因する不純物ピークの有無の確認によって可能である。化学的には、蛍光X線等の非破壊分析で組成分析をすることもできるし、酸化剤やフッ化水素酸を含む強酸によって結晶を溶解し、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法によって含まれる金属およびP成分等の含有量絶対値を測定することもでき、結晶水や付着水等の水分については示差熱・熱重量同時測定(Tg−DTA)等の熱分析で測定することができる。
好ましい純度の値として、結晶的純度としてはX線回折により検出された望みの六方晶リン酸塩の主要ピークが、標準物質の対応するピークの90%以上のピーク強度を示すことが好ましく、より好ましくは95%以上である(ピーク強度は重量%に比例する。)。また、化学純度においても同様に、望みの六方晶リン酸塩が固形分重量中の90重量%以上であることが好ましく、より好ましくは95重量%以上である。これらの両方の評価を併せた六方晶リン酸塩の純度として、結晶的純度と化学的純度との積が90重量%以上であることが好ましく、より好ましくは95重量%以上である。なお、純度の上限は、100重量%であることは言うまでもない。
本発明のフィラーの使用形態は特に制限がなく、用途に応じて適宜他の成分と混合させたり、他の材料と複合させることができる。例えば、粉末、粉末含有分散液、粉末含有粒子、粉末含有塗料、粉末含有繊維、粉末含有プラスチックおよび粉末含有フィルム等の種々の形態で用いることができ、熱膨張性の制御が必要な材料に適宜使用が可能である。さらに、本発明のフィラーには、加工性や熱膨張性を調整するため、必要に応じて他のフィラーを混合することもできる。具体例としては低熱膨張性フィラーであるコーディエライト、リンタングステン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、βスポジューメン、βユークリプトライト、チタン酸鉛、チタン酸アルミニウム、ムライト、ジルコン、シリカ、セルシアン、ウィレマイトおよびアルミナなどがあげられる。
本発明のフィラーの用途としては、ブラウン管、プラズマディスプレイパネル、蛍光表示管、有機EL、FEDや半導体集積回路、水晶振動子、SAWフィルタ等の素子を搭載した高信頼性パッケージ等の電子部品の封着材料である封着ガラスがあげられる。ブラウン管、プラズマディスプレイパネル、蛍光表示管等の電子部品を気密に封着するための封着ガラスは、封着物に対して悪影響を生じないようにできるだけ低温で封着を行うことができるものが望ましい。このため鉛を含有する低融点ガラスを構成成分とした封着材料がこれまでは広く用いられてきた。しかし、近年においては環境への配慮から鉛を含まない封着材料の開発が求められている。
一方、封着ガラスの主成分として用いられている低融点ガラスは、封着対象となるガラス等よりも熱膨張性が大きいことから、一般に低熱膨張性のフィラーを添加して熱膨張性を調整することが行われている。ところが、鉛を含まないリン酸塩系ガラスやビスマス系ガラス等の無鉛ガラスは、従来の鉛ガラスに比べて熱膨張性がさらに大きいため、従来の低熱膨張性フィラーを添加しても封着材料の熱膨張係数を所期の値に制御することができなかったり、流動性が損なわれる問題もあった。
本発明のガラス組成物は、本発明のフィラーを含有するガラス組成物であり、ガラス、より好ましくは封着用ガラスである低融点ガラスと本発明のフィラーとの配合物からなることが好ましい。低融点ガラス粉の主成分は、従来公知の組成が使用できる。例えばガラス組成としては、次のものが例示されるが、環境への影響を考慮すると無鉛のガラス組成が好ましい。
・Bi23(50〜85重量%)−ZnO(10〜25重量%)−Al23(0.1〜5重量%)−B23(2〜20重量%)−MO(0.2〜20重量%、Mはアルカリ土類金属)、
・SnO(30〜70重量%)−ZnO(0〜20重量%)−Al23(0〜10重量%)−B23(0〜30重量%)−P25(5〜45重量%)、
・PbO(70〜85重量%)−ZnO(7〜12重量%)−SiO2(0.5〜3重量%)−B23(7〜10重量%)−BaO(0〜3重量%)、
・V25(28〜56重量%)−ZnO(0〜40重量%)−P25(20〜40重量%)−BaO(7〜42重量%)。
ガラス組成物とするときのフィラーの配合割合は、フィラーが多い方が効果が表れやすいことから5体積%以上が好ましく、より好ましくは10体積%以上である。また、少ない方が組成物の流動性や封着するときの密着性が優れる傾向があるため、40体積%以下が好ましく、より好ましくは35体積%以下である。封着ガラスはビヒクルと混合することでペースト組成物として使用されることが多い。ビヒクルは、溶質としてニトロセルロース0.5〜2重量%と溶媒である酢酸イソアミルまたは酢酸ブチル98〜99.5重量%からなることが好ましい。
本発明のフィラーを封着ガラスへ配合する方法は、公知の方法がどれも採用できる。例えば、ガラス粉末と低熱膨張性フィラーをミキサーで直接混合する方法、塊状のガラスを粉砕する場合に低熱膨張性フィラーを一緒に入れて、粉砕と混合を同時に行う方法、およびビヒクルなどのペースト材料にガラス粉末と低熱膨張性フィラーを別々に添加混合する方法などがある。
本発明のフィラーは、無鉛低融点リン酸系ガラス(SnO−P23−ZnO−Al23−B23)粉末に全体の20体積%となるように混合し、これを直径15mm×高さ5mmの円柱状に成形し、成形体を作製し、この成形体を板ガラス上に置いて、電気炉にて500℃で10分間保持し、焼成し、焼成した成形体の表面を平滑化し、TA−Instuments社製熱機械分析装置TMA2940型を用いて、昇温速度10℃/分で30℃〜300℃の熱膨張係数を測定した場合、熱膨張係数が、130×10-7(/K)以下であることが好ましく、100×10-7〜130×10-7(/K)であることがより好ましく、110×10-7〜129×10-7(/K)であることがさらに好ましい。
また、上記無鉛低融点リン酸系ガラス(SnO−P23−ZnO−Al23−B23)粉末に代え、無鉛低融点リン酸系ガラス(K2O−P23−Al23−Na2O−CaO−F2)粉末を使用した場合、熱膨張係数が、128×10-7(/K)以下であることが好ましく、100×10-7〜128×10-7(/K)であることがより好ましく、110×10-7〜126×10-7(/K)であることがさらに好ましい。
○用途
本発明のフィラーは、ブラウン管、プラズマディスプレイパネル、蛍光表示管、有機EL、FEDや半導体集積回路、水晶振動子、SAWフィルタ等の素子を搭載した高信頼性パッケージ等の電子部品の封着材料として封着ガラスに有効に使用できる。封着ガラスとビヒクルとを混合することでペースト組成物として使用されることも多い。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。組成式は、合成した六方晶リン酸塩をフッ化水素酸および硝酸に溶解し、これについてICP発光分析法によって含まれる金属およびP成分の含有量を測定し、組成式を算出した。他の物についても同様に分析して算出し、結晶水を含むものについてはTg−DTA分析を行って含有水分量を測定して組成式を決定し、決定した組成式に関する化学的純度を算出した。粉末X線回折によって六方晶結晶相の生成を確認し、標準X線回折図を基に、結晶的純度を決定し、化学的純度と結晶的純度の積を純度とした。メジアン径および最大粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器を用いて測定し、体積基準で解析して算出した。
○粉末X線回折
本発明の製造方法によって得られる六方晶リン酸塩の結晶系は粉末X線回折分析によって確認することができる。粉末X線回折分析は、例えばJISK0131−1996の規定に従って行うことができる。JISの規定にはX線管球の印加電圧の定めはないが、今回はCuターゲットを用いたX線管球への印加電圧40kv、電流値150mAで、発生するCuKα線を用いてX線回折測定を行った。もし試料に結晶質の物質が含まれていた場合は、X線回折図に鋭角の形状を有する回折ピークが表れるので、得られた粉末X線回折図から、回折ピークの回折角2θを決定し、λ=2dsinθの関係に基づいて結晶の面間隔dを算出し、結晶系の同定をすることができる。なお、CuKα線のλは1.5418オングストロームである。
<実施例1>
○六方晶リン酸塩Aの合成
メジアン径2μmのα層状リン酸ジルコニウム(Zr(HPO42・H2O)である、東亞合成製NS−10TZの904gとオキシ水酸化ジルコニウム(ZrO(OH)2・H2O)147g、試薬の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)90gを20Lのヘンシェルミキサーで5分間混合した。これに、2Lの水を加えてスラリーにして、30cm四方、深さ10cmのホーロー製のバットに入れ、150℃で24時間乾燥した。
乾燥後の塊をアルミナ製の匣鉢に入れ、電気炉にて昇温時間6時間で1100℃まで昇温し、1100℃で6時間焼成した。焼成後の塊をボールミルで粉砕し、さらに乾式ジェットミルで1次粒子に解砕して、六方晶リン酸塩Aを得た。
六方晶リン酸塩AのCuKα線による粉末X線回折図を図1に示す。図1のX線回折図はASTM−pdfカードナンバー33−321の六方晶CaZr4(PO46のピーク(2θ値で23.4, 31.2, 20.2等)と完全に一致したため、六方晶以外の他の結晶性不純物が含まれないことがわかった。すなわち、結晶的な純度は100重量%であると言えるので、組成式を求めて、化学純度をそのまま六方晶リン酸塩の純度とし、また、メジアン径と最大粒径などを測定した結果を表1に示した。
<実施例2>
○六方晶リン酸塩Bの合成
メジアン径2μmのα層状リン酸ジルコニウム(Zr(HPO42・H2O)である、東亞合成製NS−10TZの904gとオキシ水酸化ジルコニウム(ZrO(OH)2・H2O)147g、試薬の水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)70gを20Lのヘンシェルミキサーで5分間混合した。これに、2Lの水を加えてスラリーにして、30cm四方、深さ10cmのホーロー製の容器に入れ、150℃で24時間乾燥した。
乾燥後の塊をアルミナ製の匣鉢に入れ、電気炉にて900℃(昇温時間6時間)で6時間焼成した。焼成後の塊をボールミルで粉砕し、さらにジェットミルで1次粒子に解砕して、六方晶リン酸塩Bを得た。実施例1と同様に粉末X線回折測定を行って、六方晶以外の他の結晶性不純物が含まれないことを確認し、組成式、純度およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。
<実施例3>
○六方晶リン酸塩Cの合成
メジアン径2μmのα層状リン酸ジルコニウム(Zr(HPO42・H2O)である、東亞合成製NS−10TZの904gとニオブ酸(Nb25:H2Oを含み、Nb25としての純度80重量%)165g、試薬の水酸化カルシウム90gを20L容量のヘンシェルミキサーで5分間混合した。これに、2Lの水を加えてスラリーにして、30cm四方、深さ10cmのホーロー製の容器に入れ、150℃で24時間乾燥した。
乾燥後の塊をアルミナ製の匣鉢に入れ、電気炉にて1200℃(昇温時間6時間)で6時間焼成した。焼成後の塊をボールミルで粉砕し、さらにジェットミルで1次粒子に解砕して、六方晶リン酸塩Cを得た。実施例1と同様に粉末X線回折測定を行って、六方晶以外の他の結晶性不純物が含まれないことを確認し、組成式、純度およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。
<実施例4>
○六方晶リン酸塩Dの合成
メジアン径2μmのα層状リン酸ジルコニウム(Zr(HPO42・H2O)である、東亞合成製NS−10TZの904gとオキシ水酸化ジルコニウム(ZrO(OH)2・H2O)118g、試薬の水酸化アルミニウム16g、試薬の水酸化カルシウム90gを20Lのヘンシェルミキサーで5分間混合した。これに、2Lの水を加えてスラリーにして、30cm四方、深さ10cmのホーロー製の容器に入れ、150℃で24時間乾燥した。
乾燥後の塊をアルミナ製の匣鉢に入れ、電気炉にて1200℃(昇温時間6時間)で6時間焼成した。焼成後の塊をボールミルで粉砕し、さらにジェットミルで1次粒子に解砕して、六方晶リン酸塩Dを得た。実施例1と同様に粉末X線回折測定を行って、六方晶以外の他の結晶性不純物が含まれないことを確認し、組成式、純度およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。
<実施例5>
○六方晶リン酸塩Eの合成
メジアン径2μmのα層状リン酸ジルコニウム(Zr(HPO42・H2O)である、東亞合成製NS−10TZの904gと試薬のアナターゼ型酸化チタン80g、試薬の水酸化カルシウム90gを20Lのヘンシェルミキサーで5分間混合した。これに、2Lの水を加えながら、30cm四方、深さ10cmのホーロー製の容器に入れ、150℃で24時間乾燥した。
乾燥後の塊をアルミナ製の匣鉢に入れ、電気炉にて1200℃(昇温時間6時間)で6時間焼成した。焼成後の塊をボールミルで粉砕し、さらにジェットミルで1次粒子に解砕して、六方晶リン酸塩Eを得た。実施例1と同様に粉末X線回折測定を行って、六方晶以外の他の結晶性不純物が含まれないことを確認し、組成式、純度およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。
<実施例6>
○六方晶リン酸塩Fの合成
メジアン径1μmのα層状リン酸チタンTi(HPO42・H2O774gと試薬のアナターゼ型酸化チタン80g、試薬の水酸化カルシウム90gを20Lのヘンシェルミキサーで5分間混合した。これに、2Lの水を加えながら、30cm四方、深さ10cmのホーロー製の容器に入れ、150℃で24時間乾燥した。
乾燥後の塊をアルミナ製の匣鉢に入れ、電気炉にて1150℃(昇温時間6時間)で6時間焼成した。焼成後の塊をボールミルで粉砕し、さらにジェットミルで1次粒子に解砕して、六方晶リン酸塩Fを得た。実施例1と同様に粉末X線回折測定を行って、六方晶以外の他の結晶性不純物が含まれないことを確認し、組成式、純度およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。
<比較例1>
水酸化カルシウム3.7g、ジルコニア24.6g、リン酸水素二アンモニウム34.5gを混合後、この配合物を1100℃で10時間焼成した。得られた塊状の六方晶リン酸塩をボールミルで粉砕し、さらに325メッシュの篩を通した。得られた六方晶リン酸塩gの組成式、純度、メジアン径などを測定した結果を表1に示した。この六方晶リン酸塩のCuKα線による粉末X線回折図を図2に示す。図2のX線回折図は同条件で測定した実施例1の六方晶リン酸塩Aに比べて、ASTM−pdfカード33−321に示される六方晶Ca0.5Zr2(PO43に由来する回折ピーク位置の強度が、Aの半分に満たず、一方、六方晶Ca0.5Zr2(PO43とは異なる回折ピークがあることから、六方晶リン酸塩が十分に生成していないことがわかった。
この様に、明らかに結晶系が異なる場合でも、化学組成値はCa0.5Zr2(PO43と同じであったので、ICP分析に基づく化学純度の数字に六方晶系の含有率(結晶的純度)を反映させて、得られた六方晶リン酸塩の純度とした。すなわち、組成式が同じで六方晶以外の他の結晶性不純物が含まれないと思われる実施例1のX線回折の最大ピークに対する対応ピークの大きさを六方晶リン酸塩の含有割合として化学純度に掛けた。比較例1の場合、化学純度が99.1重量%であり、実施例1の2θ=20.2におけるX線回折ピーク高さに対して比較例1の2θ=20.2におけるX線回折ピークの高さが28.5%であったので、99.1重量%に28.5%をかけて、比較例1の六方晶Ca0.5Zr2(PO43の純度を28.2重量%と決定した。
<比較例2>
水酸化カルシウム3.7g、ジルコニア24.6g、リン酸水素二アンモニウム34.5gを混合後、この配合物を1400℃で10時間焼成した。得られた塊状の六方晶リン酸塩をボールミルで粉砕し、さらに325メッシュの篩を通した。得られた六方晶リン酸塩hの組成式、純度、およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。また、比較例1と同様に粉末X線回折測定を行って、実施例1のX線回折図と比較し、さらに化学純度をかけて純度を94.6重量%と決定した。
<比較例3>
水酸化マグネシウム2.9g、ジルコニア24.6g、リン酸水素二アンモニウム34.5gを混合後、この配合物を900℃で10時間焼成した。得られた塊状の六方晶リン酸塩をボールミルで粉砕し、さらに325メッシュの篩を通した。得られた六方晶リン酸塩iの組成式、純度、およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。XRD測定による確認では目的の結晶相が半分に満たなかったので、比較例1と同様に、実施例2のX線回折図と比較し、さらに化学純度をかけて純度を26.0重量%と決定した。
<比較例4>
水酸化マグネシウム2.9g、ジルコニア24.6g、リン酸水素二アンモニウム34.5gを混合後、この配合物を1400℃で10時間焼成した。得られた塊状の六方晶リン酸塩をボールミルで粉砕し、さらに325メッシュの篩を通した。得られた六方晶リン酸塩jの組成式、純度、およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。また、実施例2と同様に粉末X線回折測定を行って、実施例1のX線回折図と強度を比較し、さらに化学純度をかけて純度を94.8重量%と決定した。
<比較例5>
炭酸カリウム13.8g、ジルコニア24.6g、リン酸水素2アンモニウム34.5gを混合後、さらに焼結助剤として酸化マグネシウムを1.5g配合し、この配合物を1450℃で15時間焼成した。得られた塊状の六方晶リン酸ジルコニウムをボールミルにて粉砕し、さらに325メッシュの篩を通した。得られた六方晶リン酸ジルコニウムkの組成式、およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。比較例5では、ASTM−pdfカードによる標準X線回折図形を基に結晶的純度を決定し、化学純度をかけて純度を決定した。
<比較例6>
炭酸ナトリウム12.7g、ハフニウム1.9重量%含有ジルコニア24.6g、リン酸水素2アンモニウム34.5gを混合後、この配合物を1450℃で12時間焼成した。得られた塊状の六方晶リン酸ジルコニウムをボールミルにて粉砕し、さらに325メッシュの篩を通した。得られた六方晶リン酸ジルコニウムpの組成式、およびメジアン径などを測定した結果を表1に示した。比較例6では、ASTM−pdfカードによる標準X線回折図形を基に結晶的純度を決定し、化学純度をかけて純度を決定した。
<比較例7>
市販の低熱膨張性フィラーに使用されているリンタングステン酸ジルコニウム粉末をqと呼び、メジアン径等を測定した結果を表1に示した。比較例7では、ASTM−pdfカードによる標準X線回折図形を基に結晶的純度を決定し、化学純度をかけて純度を決定した。
<比較例8>
市販の低熱膨張性フィラーに使用されているコーディライト(2MgO・2Al23・5SiO2)粉末をrと呼び、メジアン径等を測定した結果を表1に示した。比較例8では、強度を比較できるX線回折図形がなかったので純度を算出しなかった。
Figure 0005839129
実施例1と比較例1,2を比較すると、本発明のフィラーは従来知られた製法による比較例のものに比べて、純度が高く、メジアン径が小さく、最大粒径も小さい点で、半導体用途に用いるには優れたものであることがわかる。実施例2と比較例3,4の比較でも同様のことが言える。アルカリ金属を含む比較例6では、メジアン径が小さいものが知られていたが、この場合でも、最大粒径は本発明のフィラーおよび本発明の六方晶リン酸塩の製造方法により得られたフィラーの方が小さくて優れている。
<実施例7>
○無鉛低融点リン酸系ガラス1によるガラス組成物の評価
実施例1で得られたフィラーAを無鉛低融点リン酸系ガラス(SnO−P23−ZnO−Al23−B23:無鉛ガラス1と呼ぶ))粉末に全体の20体積%となるように混合し、これを直径15mm×高さ5mmの円柱状に成形し、成形体A1を作成した。この成形体A1を板ガラス上に置いて、電気炉にて500℃で10分間保持し、焼成した。焼成した成形体A1の表面を平滑化し、TA−Instuments社製熱機械分析装置TMA2940型を用いて、昇温速度10℃/分で30℃〜300℃の熱膨張係数を測定し、この結果を表2に示した。
同様に、実施例2〜6で作製した低熱膨張性フィラーB〜Fおよび比較例2、4〜8のフィラーh、j〜rを用いて、ガラス成形品B1〜F1、h1〜r1を作製した。また、フィラーを用いずに同様に成形した成形体s1も作製した。作製した各種成形体の熱膨張性係数を測定した結果を表2に示した。
○無鉛低融点リン酸系ガラス2によるガラス組成物の評価
実施例1で得られたフィラーAを無鉛低融点リン酸系ガラス(K2O−P23−Al23−Na2O−CaO−F2:無鉛ガラス2と呼ぶ)粉末に20体積%となるように混合し、これを直径15mm×高さ5mmの円柱状に成形し、成形体A2を作成した。この成形体A2を板ガラス上に置いて、電気炉にて600℃(昇温2時間半)で20分間保持し、焼成した。焼成した成形体A2の表面を平滑化し、TA−Instuments社製熱機械分析装置TMA2940を用いて、昇温速度10℃/分で30℃〜300℃の熱膨張係数を測定し、この結果を表2に示した。
同様に、実施例2〜6で作製した低熱膨張性フィラーB〜Fおよび比較例2,4〜8で作製した低熱膨張性フィラーh、j〜rを用いて、ガラス成形品B2〜F2、h2〜r2を作製した。また、フィラーを用いずに同様に成形した成形体s2も作製した。作製した各種成形体の熱膨張性係数を測定した結果を表2に示した。
Figure 0005839129
表2からも明らかな様に、本発明のフィラーを用いたガラス成形体は、熱膨張係数が小さく、低熱膨張性が良好で優れていることがわかる。
本発明の新規なフィラーは、生産性、加工性に優れており、しかも低融点ガラスなどに適用した際の熱膨張性制御に優れるため、主にブラウン管、PDP、蛍光表示管、有機EL等の電子部品用の封着ガラス等として使用できる。
本発明の六方晶リン酸塩の製造方法は、生産性、加工性に優れており、粒径の制御された六方晶リン酸塩が得られるので、本発明の製造方法による六方晶リン酸塩は、ブラウン管、PDP、蛍光表示管、有機EL等の電子部品用の封着ガラス等のフィラーとして使用できる。
図1〜2の縦軸は、X線回折強度(単位cps)を示す。
図1〜2の横軸は、回折角度2θ(単位°)を示す。

Claims (12)

  1. レーザー回折式粒度分布計による体積基準のメジアン径が0.05μm以上10μm以下の範囲内である、下記式〔1〕で表される六方晶リン酸塩粒子からなることを特徴とする
    フィラー。
    xyz(PO43・nH2O 〔1〕
    式〔1〕において、Aはアルカリ土類金属、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、BはZr、Ti、Hf、CeおよびSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の4価金属であり、CはZr、Ti、Hf、Ce、Sn、V、Nb、Al、Ga、Sc、YおよびLaよりなる群から選ばれる少なくとも1種のm価の金属であり、x、yおよびzは正数であり、かつ1.75<y+z<2.25および2x+4y+mz=9を満たし、nは0または2以下の正数であり、mは3〜5の整数である。
  2. レーザー回折式粒度分布計による最大粒径が0.05μm以上50μm以下である、請求項1に記載のフィラー。
  3. 式〔1〕においてAが、Mg、Ca、BaおよびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、BがTi、Zr、SnおよびHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種の4価金属であり、CがZr、Ti、Hf、Nb、AlおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種のm価金属である、請求項1または2に記載のフィラー。
  4. 六方晶リン酸塩の純度が95重量%以上100重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィラー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィラーを含有するガラス組成物。
  6. ガラスが無鉛ガラスである、請求項5に記載のガラス組成物。
  7. 4価金属層状リン酸塩と、
    アルカリ土類金属、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属の化合物と、
    m価金属化合物と
    を調合し混合物を得る工程、ならびに、
    前記混合物を焼成する工程を含むことを特徴とする
    式〔1〕で表される六方晶リン酸塩の製造方法。
    xyz(PO43・nH2O 〔1〕
    式〔1〕において、Aはアルカリ土類金属、Zn、Cu、NiおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、BはZr、Ti、Hf、CeおよびSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の4価金属であり、Cはm価の金属であり、x,yおよびzは正数であり、かつ1.75<y+z<2.25および2x+4y+mz=9を満たし、nは0または2以下の正数であり、mは3〜5の整数であり、mは3〜5の整数である。
  8. 4価金属が、Zr、Ti、Hf、CeおよびSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、2価金属が、Mg、Ca、BaおよびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、m価金属が、Zr、Ti、Hf、Ce、Sn、V、Nb、Al、Ga、Sc、YおよびLaよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の六方晶リン酸塩の製造方法。
  9. 4価金属層状リン酸塩がα型結晶である、請求項7または8に記載の六方晶リン酸塩の製造方法。
  10. 4価金属層状リン酸塩が、レーザー回折式粒度分布計による体積基準で0.05μm以上10μm以下の範囲のメジアン径を有する粒子である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の六方晶リン酸塩の製造方法。
  11. 焼成温度が650℃以上1400℃以下である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の六方晶リン酸塩の製造方法。
  12. 前記焼成工程の後に、さらに、得られたリン酸塩を1次粒子に解砕する解砕工程を行う、請求項7〜11のいずれか1項に記載の六方晶リン酸塩の製造方法。
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