JP5839040B2 - 可動部を有する電気機器とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施例は、MEMS(micro electromechanical system)構造の可動部を有する電気機器とその製造方法に関する。mmオーダより短い寸法の構成部分を有する電気機械的部材をMEMSと呼ぶ。
携帯電話等の高周波(RF)部品に対する小型化、高性能化の要求に応えるため、MEMS技術を用いた電気機器の研究、開発が盛んに行われている。高周波用途を目的としたMEMSデバイスにおいて、RFスイッチや可変容量等に、低抵抗の金属材料構造体で形成した、片持ち梁(カンチレバー)構造や両持ち梁(ブリッジ形状)構造、の可動部が用いられている。可動部は、圧電駆動、静電駆動等により、変位させられる。所望の機能を果たすためには、可動部の位置は安定に制御されることが必要である。
MEMSスイッチは静止電極と可動電極とを対向させ、可動電極を駆動して静止電極に接触、離隔させるオン/オフ動作を行わせる機械的なスイッチであって、寄生容量を小さくでき、半導体素子を用いたスイッチに比べ、損失が少なく、絶縁性が高く、信号に対する歪み特性がよい。
高周波回路において、MEMS容量は、線路に直列に接続されたり、線路に装荷され、線路の周波数特性を画定したり、分布定数を調整したりする。可変容量を利用することにより、共振周波数を変化させたり、分布定数を変化させたりすることができる。可変容量素子は、固定電極と可動電極を対向配置し、可動電極を変位させることにより電極間容量を変化させる構成が一般的である。
これらの可動電極は、メッキ工程を用いて作成される可撓性の金属構造で形成される場合が多い。電解メッキは、給電層を必要とする。下地に対する密着性を確保する密着層とメッキ層と同一材料のシード層との積層をスパッタリング等で形成することが多い。密着層は、例えばTi,Cr,Mo等の金属層で形成される。メッキ層は、例えば、銅(Cu)、金(Au)等の良導電体金属で形成される。金属構造の下に自由空間を形成するためには、自由空間部分に犠牲膜を形成し、その上に金属構造を形成し、その後犠牲膜を除去する方法が用いられる。犠牲膜としては、例えば銅、アルミニウム等の金属膜、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の無機誘電体膜、感光性樹脂等の有機誘電体膜等を用いることができる。
例えばセラミック基板の上に片持ち梁型可動電極を形成するためには、スパッタリング等による密着層/シード層の形成、レジストパターン等によるメッキ領域を画定する構造体の形成、電解メッキ工程による台座金属層の形成、レジストパターン等の構造体の除去、不要な密着層/シード層の除去等により、まず台座部を形成し、スパッタリング等による密着層/シード層の形成、レジストパターン等によるメッキ領域を画定する構造体の形成、電解メッキ工程による犠牲金属層の形成、レジストパターン等の構造体の除去、等により、自由空間を充填する犠牲膜を形成し、さらにスパッタリング等による密着層/シード層の形成、レジストパターン等によるメッキ領域を画定する構造体の形成、電解メッキ工程による可動梁部金属層の形成、レジストパターン等の構造体の除去、等により、片持ち梁構造を形成し、犠牲膜、不要な密着層/シード層を除去して片持ち梁型可動電極を形成する。
片持ち梁構造は主として金等の良導電体で形成されるが、下地として密着層、シード層を含む。同じ金属の層であっても、スパッタリングで形成された層とメッキで形成された層とは、純度などが異なり、異なる物性を示す。異なる物性を有する金属層の積層は、熱膨張率の異なる金属層の積層となる。
電気機器は、260℃程度のリフロー工程や、−20℃〜+80℃での温度衝撃試験を受ける。熱膨張率の差により、金属積層間に応力が発生し、反りや歪みが生じる。例えば、片持ち梁構造の先端が反って上方に変位する。片持ち梁構造の先端が10μm以上も上方に変位することもある。所定の動作電圧では機能しなくなる。このような反りの原因として、構造体が異なる金属材料層の積層構造で構成されることが考えられる。例えば密着層と、メッキ層とは異なる金属層であることが多い。
密着層は、メッキ層より抵抗率が高い場合が多い。スイッチのコンタクト面が密着層で覆われていると、抵抗が高くなる。抵抗を低くするため、スイッチのコンタクト面から密着層を除去する提案がされている(例えば、特開2007−196303号、特開2009−252672号)。
特開2007−196303号公報 特開2009−252672号公報
本発明の1つの目的は、新規な構成の可動部を有する電気機器、及びその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、反りを抑制した可動部を有する電気機器、及びその製造方法を提供することである。
本発明の1観点によれば、基板と、前記基板上方に形成された第1金属材料のシード層と、前記シード層上に形成された、少なくとも1つの第2金属材料の台座部と、前記第2金属材料と同等の組成、熱膨張係数を有する金属材料で形成され、前記台座部上面に支持された可動構造体とを有し、前記台座部が1つであり、前記可動構造体は、前記台座部上面に一端が支持された片持ち梁構造であり、第3金属材料で形成され、前記台座部上面から上方に所定距離離れた底面と一定の厚さを有する可撓面部材と、第4金属材料で形成され、前記台座部上面と前記可撓面部材の一部の側面、及び連続する上面の一部を接続する接続部材とを含む、電気機器が提供される。
本発明の他の観点によれば、
基板上方に第1金属材料の第1シード層を形成し、
前記第1シード層上方、第1空間領域に隣接して、第2金属材料のすくなくとも1つの台座部をメッキで形成し、
第1空間領域に第2金属材料とエッチング特性の異なる第1犠牲層を形成し、
前記第1犠牲層上から前記台座部表面の一部に延在する金属材料の第2犠牲層を形成し、
前記第2犠牲層上方に前記第2金属材料と同等の組成、熱膨張係数を有する第3金属材料の下部構造体をメッキで形成し、
前記第2犠牲層を形成しなかった台座部表面を露出し、前記台座部、前記下部構造体の上に前記第2金属材料、前記第3金属材料と同等の組成、熱膨張係数を有する第4金属材料の上部構造体をメッキで形成し、
前記第1犠牲層、第2犠牲層を除去する、
を含む電気機器の製造方法
が提供される。
と、 図1A−1Mは、第1の実施例による、可変容量を有する電気機器の製造工程を概略的に示す基板の断面図である。 図2A,2B,2Cは、第1の実施例の主要工程における平面構造を示す平面図である。 図3A〜3Dは、カンチレバー構造の支持方式を概略的に示す平面図である。 図4A〜4Fは、第2の実施例による、可変容量を有する電気機器の製造工程を概略的に示す基板の断面図である。 図5A,5B、5Cは、スイッチを有する電気機器を示す断面図及び等価回路図、及び両持ち梁構造の電気機器の断面図である。 図6A、6Bは、可変容量を含む可変フィルタの構成を示す等価回路図である。 図7A,7B,7Cは、可変容量の構成例を示す等価回路図である。
図1A〜1Mを参照して、第1の実施例による片持ち梁構造の可変容量を有する電気機器の製造プロセスを説明する。
図1Aに示すように、LTCC(low temperature co-fired ceramics 低温共焼結セラミクス)基板11上に、例えば厚さ50nmのTi膜からなる密着層12と厚さ500nmのAu層からなるシード層13をスパッタリングで成膜する。密着層としては、Ti膜の他、Cr膜、Mo膜を用いてもよい。以下、簡単化のため、密着層12、シード層13をまとめて下地層ないしシード層14と呼ぶことがある。
図1Bに示すように、下地層14の上に、メッキ領域を画定する開口を有するレジストパターンRP1を形成し、下地層14の上にAuの第1メッキ層15を電解メッキにより形成する。第1メッキ層上に第2メッキ層を形成し、異なる形状とすることにより、第1メッキ層に上部より張り出す張り出し部を形成する。その後、レジストパターンRP1は除去する。
図1Cに示すように、上部構造を画定する開口を有する新たなレジストパターンRP2を形成し、Auの第2メッキ層16を電解メッキにより形成する。第1メッキ層15と第2メッキ層16との積層により、段差部を有する立体構造が形成される。図中左側には矩形断面の台座部17、右側には対向部の下側が張り出した対向電極18が形成される。台座部17、対向電極18の高さは1μm〜5μm程度である。なお、対向電極18は、肉薄部が電極を構成し、肉厚部が高周波線路を構成する。第1メッキ層と第2メッキ層とは同じメッキ液を用いて、同等組成、同等熱膨張係数の金属層で形成する。その後、レジストパターンRP2は除去する。
第1メッキ層及び第2メッキ層は、例えば、Agを1重量%〜2重量%含むAu合金、Cuを0.1重量%〜25重量%含むAu合金、Co、Ni、Inからなる群から選択した少なくとも1種類の元素を0.1重量%〜25重量%含むAu合金で構成される。第1メッキ層と第2メッキ層が同等組成であるとは、同一の組成、又は実質的に同一の組成であることを意味する。例えば、第1メッキ層の組成の内5重量%以下が第2メッキ層の組成と異なっていてもよい。第2メッキ層の組成との相違は、2重量%以下が好ましい。第1メッキ層と第2メッキ層が同等熱膨張係数であるとは、同一の熱膨張係数又は実質的に同一の熱膨張係数であることを意味する。例えば、第1メッキ層の熱膨張係数と第2メッキ層の熱膨張係数との差が1%以下であってもよい。熱膨張係数の差は、0.1%以下であることが好ましい。
図1Dに示すように、台座部17と対向電極18の間に制御電極の形状でレジストパターンRP3を形成し、Arガスを用いたイオンミリングで、下地層14をパターニングする。レジストパターンRP3の下に、制御電極が残される。
図1Eに示すように、レジストパターンRP3を除去すると、LTCC基板11上に、台座部17、制御電極19、対向電極18が並んで配置される。
図1Fに示すように、対向電極18の対向面を覆うように、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル等の誘電体膜20を形成する。誘電体膜のパターニングは、リフトオフ、エッチング等で行なう。
図1Gに示すように、対向電極18、制御電極19を覆い、台座部の表面を一部覆い、一部露出する様に、基板11上にシード層21を形成する。シード層21は、その上にCu層をメッキするためのものであり、Ti/Cu,Cr/Cu,Mo/Cu(下層密着層/上層シード層)のいずれかの積層とする。
図2Aは、図1Gの状態の平面図である。ハッチングで示すシード層21が対向電極18、制御電極19を覆い、台座部17の右側部分を覆い、残り表面は露出している。
図1Hに示すように、メッキ領域を画定する開口を有し、台座部17、対向電極18の肉厚部上を覆うレジストパターンRP4を形成し、Cuの電解メッキを行う。Cuの第1犠牲層22によって凹部が埋め戻される。その後レジストパターンRP4は除去する。対向電極18、第1犠牲層22、台座部17が平坦化された面を構成する。
図1Iに示すように、可動電極を画定する新たなレジストパターンRP5を形成する。レジストパターンRP5によって、対向電極18は肉厚部から肉薄部の一部までが覆われ、台座部17はシード層21が形成されていない領域が覆われる。レジストパターンRP5の開口には、Cuの第1犠牲層22か、Cuメッキ用シード層21が露出する。レジストパターンRP5の開口内に、電解メッキにより、Cuの第2犠牲層23を例えば厚さ0.5μm〜1μm形成し、その上に連続メッキにより、Auの可動電極24を例えば厚さ2μm〜5μm形成する。Cuの第2犠牲層23が、Auメッキ層24成長のシード層として機能する。Cuの第2犠牲層を除去すれば、単一Auメッキ層のみが残ることになる。その後レジストパターンRP5は除去する。
図2Bは、図1Iの状態の平面図である。可動電極24は、矩形の主要部と左辺から左側に張り出す2本のビームとを含む。可動電極の変位を容易にするため、根元部に可撓性ビームを有する形状である。可動電極の可動部の長さは例えば200μm以上である。2本のビームは台座部17と例えば10μm以上の十分なオーバーラップ長を有する。台座部は例えば1辺百数十μmの矩形形状である。カンチレバー構造の場合、その根元部が、長さ10μm〜100μm程度、台座部17上に重なるようにするのが好ましい。
図1Jに示すように、Auの可動電極24とCuの第2犠牲層23との界面はレジストパターンRP5によってその端部が画定され、所望の形状が得られる。なお、第2の犠牲層23をメッキすることなく、レジストパターンRP5の開口に直接Auの可動電極24をメッキすることも試みた。この場合、目的とする形状の外側にAuメッキ層のバリが形成されてしまうことが判った。銅層の表面は酸化されやすく、銅のメッキ工程の前処理は、酸化膜の除去を含む。第1犠牲層22の表面にも銅の酸化膜が存在すると考えられる。レジストパターンRP5とCuの第1犠牲膜22との界面でCuの酸化膜が除去されると、隙間が形成され、Auメッキ液の侵入を許すと考えられる。これがバリの原因となると考え、Cuメッキによりメッキ表面をレジストパターンとCuの第1犠牲層22との界面より上に引き上げた後、Auのメッキを行うようにした。
CuとAuを連続メッキすることにより、例えば図1Jに示すようにレジストパターンRP5とCuの第1犠牲層22との界面にCuメッキ液が侵入しても、Cuの第1犠牲層22の表面に薄いCuメッキ層が追加されるだけであり、犠牲層を除去する際に、同時に除去される。この連続メッキにより、バリの問題は解決できた。
図1Kに示すように、台座部17上方に開口を有するレジストパターンRP6を形成する。開口内には台座部17のAu表面、可動電極24のAu表面が露出する。この状態で、Auの電解メッキを行い、可動電極24の厚さ以上の厚さを有するAuの固定層26を形成する。
図1Lは、レジストパターンRP6を除去した状態を示す。図2Cはこの状態の平面図を示す。固定層26が可動電極24の根元のビームを確実に押さえ込んでいる。可動電極24の下にはCuの第1犠牲層22、第2犠牲層23が存在し、さらにCuメッキ用のシード層21が存在する。これらを例えばウェットエッチングで除去する。Cuのエッチングには、アンモニア銅錯塩を含んだエッチング液を用いると、エッチング速度が1μm/min以上と速く、粘性が低いため数百nmの狭いギャップでもエッチング可能であり、他の材料への腐食も少ない。メッキしたCu層と共に、スパッタリングしたCu層、密着層も同時に一括除去できる。
図1Mは、第1犠牲層22、第2犠牲層23、シード層21を除去した状態を示す。台座部17はシード層14を介して基板11に固定されている。シード層14の上では、台座部17、可動電極24、固定層26は全てAuのメッキ層で形成され、同等の組成、同等の熱膨張係数を有する。従って温度変化を受けても、熱膨張係数の差による応力は抑制され、反りは抑制される。可動電極24の下面と台座部17の上面との間に、一定高さのスリットが存在する。シード層21、第2犠牲層23が存在していたことに起因する、特徴的な構造であろう。
なお、可動電極の形状は種々変更可能である。
図3Aは、上述の第1の実施例の形状である。可動電極24は、矩形主要部の根元に複数のビームを備え、これらのビームが台座部17の上で、固定層26により固定される。
図3Bは、可動電極全体が矩形形状であり、その端部が台座部17の上で、固定層26により固定される。
図3Cは、可動電極が回転軸を有する場合である。可動電極24は、矩形主要部の左辺から2本のビームが延び、左辺と平行な回転軸部で結合されている。固定層26は回転軸部を台座部17に固定するが、回転軸部は幅が制限されており、ある程度の回転が許容される。
図3Dは、可動電極24から2本のビームが延び、台座部17上で固定層26により固定される点は図1Aと同様であるが、可動電極24内にスリット状の開口が形成され、可撓ビーム構造が追加形成されている。
図4A〜4Fは、第2の実施例による可変容量を有する電気機器の製造工程を示す。本実施例においては誘電体犠牲層を用いる。第1の実施例の図1A〜1Fの工程と同様の工程を行い、図4Aの構成を得る。基板11上に、台座部17、制御電極19、絶縁膜20を備えた対向電極18が形成されている。
図4Bに示すように、誘電体犠牲層31によって凹部を埋め込む。例えば感光性有機樹脂をスピン塗布する。フィルムレジストをラミネータで貼り付けてもよい。必要に応じてフォトリソプロセスを行い所望のパターンにする。有機樹脂に代え、無機絶縁材料液をスピン塗布することもできる。
図4Cに示すように、台座部17の所望領域以外を覆うように、シード層32を形成する。シード層32は、Ti/Cu,Cr/Cu,Mo/Cuのいずれかの積層構造である。
図4Dに示すように、シード層32、台座部17の上に、メッキ領域を画定するレジストパターンRP5を形成する。レジストパターンRP5を用いて、Cuの第2犠牲層23、Auの可動電極層24の連続電解メッキを行う。Cu層23が第2犠牲層を構成することは第1の実施例同様であり、第1の犠牲層が誘電体で形成され、その上にCuメッキ用のシード層32が形成される点が、第1の実施例と異なる。Cuの第2犠牲層23とAuの可動電極層24の界面は、レジストパターンRP5底面より上方に引き上げられ、レジストパターンRP5で端部を画定される。その後レジストパターンRP5は除去する。
図4Eに示すように、固定層26用のレジストパターンRP6を形成し、Auの固定層26を電解メッキして、Auの可動電極24を固定する。その後レジストパターンRP6は除去する。
図4Fに示すようにCuの第2の犠牲層23、シード層32、誘電体の第1の犠牲層31を除去する。誘電体の犠牲層は、エッチングによって除去する他、有機樹脂であればアッシングで除去することもできる。製造プロセスの一部が異なるが、実施例2によっても、実施例1同様の構成が得られる。
以上可変容量を作成する場合を説明したが、スイッチも同様に作成することができる。
図5Aはスイッチの構成を示す断面図である。基板11上に台座部17、対向電極18、制御電極19が形成される。ここで対向電極は一様な厚さを有する部材で構成されている。台座部17の上表面から上方に離れて可動電極24が配置され、台座部17上面から可動電極24上面に延在する固定層26が可動電極24を支持する。可動電極24が制御電極19に印加する電圧によって引き下げられ、対向電極18に当接するとスイッチはオンになる。電圧を解除され、弾性力によって可動電極24が対向電極18から上方に離れるとスイッチはオフになる。シード層14より上の部分は、全て同等の組成、同等の熱膨張係数を有する同一金属層で形成されるので、温度変化に対しても反りを抑制することができる。
図5Bはスイッチの等価回路である。線路部分は抵抗とインダクタンスの直列接続で近似でき、接点部は抵抗と容量の並列接続で近似できる。
図5Cは、両持ち梁構造の例を示す。可動電極24の両側に台座部17−1,17−2が配置され、固定層26−1,26−2が可動電極24の両端を台座部17−1,17−2に固定する。可動電極24の中央部下方に対向電極18が配置され、その両側に制御電極19−1,19−2が配置されている。対向電極と可動電極がエアギャップを介して対向すればスイッチが構成される。対向電極18表面に絶縁層20を形成すれば、可変容量が構成される。
図6A,6Bは、このようにして形成される可変容量を用いた可変フィルタ回路の例を示す。C1,C2,Cmは可変容量であり、矩形で示される要素は可変容量を含む可変分布定数線路である。
図7A,7B,7Cは可変キャパシタ回路の例を示す。図示の可変キャパシタとして上述の可変容量を用いることができる。
以上実施例に沿って説明したが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。例えば、セラミックス基板に換え、ガラスエポキシ基板を用いることも可能である。Auのメッキ層として説明した層を、Cu,Pd等を数%添加し、硬度を高くしたAu合金層としてもよい。第2犠牲膜の厚さを厚くして、平坦化機能を持たせることも可能である。その他、種々の変更、置換、改良、組み合わせ等が可能なことは、当業者に自明であろう。
11 LTCC基板、
12 密着層、
13 シード層、
14 下地層、
15 第1メッキ層、
16 第2メッキ層、
17 台座部、
18 高周波線路(対向電極)、
19 制御電極、
20 絶縁膜、
21 シード層、
22 第1犠牲層、
23 第2犠牲層、
24 可動電極、
26 固定層、
RP レジストパターン、

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上方に形成された第1金属材料のシード層と、
    前記シード層上に形成された、少なくとも1つの第2金属材料の台座部と、
    前記第2金属材料と同等の組成、熱膨張係数を有する金属材料で形成され、前記台座部上面に支持された可動構造体と
    を有し、
    前記台座部が1つであり、前記可動構造体は、前記台座部上面に一端が支持された片持ち梁構造であり、第3金属材料で形成され、前記台座部上面から上方に所定距離離れた底面と一定の厚さを有する可撓面部材と、第4金属材料で形成され、前記台座部上面と前記可撓面部材の一部の側面、及び連続する上面の一部を接続する接続部材とを含む、電気機器。
  2. 基板と、
    前記基板上方に形成された第1金属材料のシード層と、
    前記シード層上に形成された、少なくとも1つの第2金属材料の台座部と、
    前記第2金属材料と同等の組成、熱膨張係数を有する金属材料で形成され、前記台座部上面に支持された可動構造体と
    を有し、
    前記台座部が1対の台座部であり、前記可動構造体は、前記1対の台座部の上面に両端が支持された両持ち梁構造であり、第3金属材料で形成され、前記1対の台座部の上面から上方に所定距離離れた底面と一定の厚さを有する可撓面部材と、第4金属材料で形成され、前記1対の台座部の上面と前記可撓面部材の一部の側面、及び連続する上面の一部を接続する1対の接続部材とを含む、電気機器。
  3. 前記可撓面部材は、前記台座部上面とオーバーラップする複数の延在領域を有する請求項1または2に記載の電気機器。
  4. 基板上方に第1金属材料の第1シード層を形成し、
    前記第1シード層上方、第1空間領域に隣接して、第2金属材料のすくなくとも1つの台座部をメッキで形成し、
    第1空間領域に第2金属材料とエッチング特性の異なる第1犠牲層を形成し、
    前記第1犠牲層上から前記台座部表面の一部に延在する金属材料の第2犠牲層を形成し、
    前記第2犠牲層上方に前記第2金属材料と同等の組成、熱膨張係数を有する第3金属材料の下部構造体をメッキで形成し、
    前記第2犠牲層を形成しなかった台座部表面を露出し、前記台座部、前記下部構造体の上に前記第2金属材料、前記第3金属材料と同等の組成、熱膨張係数を有する第4金属材料の上部構造体をメッキで形成し、
    前記第1犠牲層、第2犠牲層を除去する、
    を含む電気機器の製造方法。
  5. 前記第1犠牲層の形成前に、前記第1空間領域に露出する表面及び隣接する台座部上面の一部を覆う第2シード層を形成し、
    前記第1犠牲層が金属材料であり、メッキで形成され、
    前記第1犠牲及び前記台座部上面の第2シード層上に第2犠牲層をメッキで形成する、
    請求項に記載の電気機器の製造方法。
  6. 前記第1犠牲層は誘電体材料であり、前記第1空間領域を埋めるように形成され、
    前記第2犠牲層の形成の際、
    前記第1犠牲層上から前記台座部の一部表面に延在する第2シード層を形成し、
    前記第2シード層上に第2犠牲層をメッキで形成する、
    請求項記載の電気機器の製造方法。
  7. 第1犠牲層、第2犠牲層と共に、前記第2シード層を除去する、請求項5又は6に記載の電気機器の製造方法。
  8. 前記第2犠牲層の形成前に、
    メッキ領域を画定するレジストパターンを形成し、
    前記第2犠牲層、下部構造体を、同一レジストパターンを用いた連続メッキ工程で形成する、
    請求項4〜7のいずれか1項に記載の電気機器の製造方法。
  9. 前記台座部をメッキで形成する際、
    前記台座部と所定距離離れた領域に対向電極構造をメッキで形成し、
    その後、前記第1シード層の不要部を除去する、
    請求項に記載の電気機器の製造方法。
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