JP5836943B2 - 光学フィルム用粘着剤組成物 - Google Patents
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Description
これまで、アクリル系トリブロック共重合体を含むホットメルト型粘着剤が知られている(特許文献1および2を参照)。しかし、これらの文献には、ホットメルト型粘着剤を光学フィルムに用いることは具体的に検討されておらず、これら文献に開示のアクリル系トリブロック共重合体を含む溶液型粘着剤の特性については一切明らかにされていない。
(1)(α)要件(E1)、(E2)、(E3)および(E4)を備える下記アクリル系トリブロック共重合体(I)と、要件(F1)、(F2)、(F3)および(F4)を備える下記アクリル系ジブロック共重合体(II)とを含有し、
(β)アクリル系トリブロック共重合体(I)とアクリル系ジブロック共重合体(II)との質量比(I)/(II)が75/25〜30/70であり、且つ、
(γ)アクリル系トリブロック共重合体(I)に含まれる重合体ブロックA1および重合体ブロックA2とアクリル系ジブロック共重合体(II)に含まれる重合体ブロックCとの合計質量(X)と、アクリル系トリブロック共重合体(I)に含まれる重合体ブロックBとアクリル系ジブロック共重合体(II)に含まれる重合体ブロックDとの合計質量(Y)との比(X)/(Y)が30/70〜50/50である光学フィルム用粘着剤組成物である。
(E1)下記の一般式(1)
A1−B−A2 (1)
(式(1)中、A1およびA2は、それぞれ独立して、ガラス転移温度が100℃以上のメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示し、Bはガラス転移温度が−20℃以下のアクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示す。)
で表されるアクリル系トリブロック共重合体である;
(E2)重合体ブロックBの含有量が5〜45質量%である;
(E3)重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000である;および
(E4)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である。
(F1)下記の一般式(2)
C−D (2)
(式(2)中、Cはメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示し、Dはアクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示す。)で表されるアクリル系ジブロック共重合体である;
(F2)重合体ブロックDの含有量が60〜85質量%である;
(F3)重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000である;および
(F4)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である。
(2)アクリル系トリブロック共重合体(I)の重合体ブロックA1とA2およびアクリル系ジブロック共重合体(II)の重合体ブロックCを主体として形成される硬質重合体相と、アクリル系トリブロック共重合体(I)の重合体ブロックBおよびアクリル系ジブロック共重合体(II)の重合体ブロックDを主体として形成される軟質重合体相とからなるミクロ相分離構造を有し、硬質重合体相と軟質重合体相とが、共に連続した構造を形成していることを特徴とする前記(1)の光学フィルム用粘着剤組成物である。
(3)アクリル系トリブロック共重合体(I)とアクリル系ジブロック共重合体(II)との質量比(I)/(II)が59/41〜30/70である前記(1)または(2)の光学フィルム用粘着剤組成物である。
(4)粘着剤組成物中に含まれる重合体ブロックA1、重合体ブロックA2および重合体ブロックCの合計の質量(X)と、粘着剤組成物に含まれる重合体ブロックBおよび重合体ブロックDの合計の質量(Y)の比(X)/(Y)が33/67〜45/55である前記(1)〜(3)のいずれかの光学フィルム用粘着剤組成物である。
(5)粘着剤組成物中に含まれる重合体ブロックA1、重合体ブロックA2および重合体ブロックCの合計の質量(X)と、粘着剤組成物に含まれる重合体ブロックBおよび重合体ブロックDの合計の質量(Y)との比(X)/(Y)が39/61〜43/57である前記(1)〜(4)のいずれかの光学フィルム用粘着剤組成物である。
(6)アクリル系トリブロック共重合体(I)に含まれる重合体ブロックA1および重合体ブロックA2のうち、重量平均分子量が小さい重合体ブロックの重量平均分子量(Mw(Alow))と、重量平均分子量が大きい重合体ブロックの重量平均分子量(Mw(Ahigh))とが、アクリル系ジブロック共重合体(II)に含まれる重合体ブロックCの重量平均分子量(Mw(C))に対して、
Mw(Alow)×0.5≦Mw(C)≦Mw(Ahigh)×2
の関係を満たすことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかの光学フィルム用粘着剤組成物である。
(7)アクリル系ジブロック共重合体(II)の重合体ブロックCの重量平均分子量(Mw(C))が、9,000〜30,000であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかの光学フィルム用粘着剤組成物である。
(8) 前記(1)〜(7)のいずれかの光学フィルム用粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着型光学フィルム;
(9) 前記(1)〜(7)のいずれかの光学フィルム用粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する光学フィルム用保護フィルム;および
(10) 前記(8)の粘着型光学フィルムおよび/または前記(9)の光学フィルム用保護フィルムを備えた画像表示装置;
である。
本発明の光学フィルム用粘着剤組成物とは、光学フィルムの片面または両面の一部または全部に粘着剤層を形成して光学フィルムを他の被着体に貼着させるのに用いられる粘着剤組成物、および該光学フィルムの表面保護のために保護フィルムを光学フィルムの表面に貼着するのに用いられる粘着剤組成物の総称である。
本発明の光学フィルム用粘着剤組成物に含まれるアクリル系トリブロック共重合体(I)は下記(E1)〜(E4)の要件を備える。
A1−B−A2 (1)
(式(1)中、A1およびA2は、それぞれ独立して、ガラス転移温度が100℃以上のメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示し、Bはガラス転移温度が−20℃以下のアクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示す。)
で表されるアクリル系トリブロック共重合体である。
(E2)重合体ブロックBの含有量が5〜45質量%である。
(E3)重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000である。
(E4)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である。
経済的な価格で容易に入手できる点、得られる重合体ブロックA1およびA2が優れた耐久性と耐候性を有する点などから、上記メタクリル酸アルキルエステルの中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。
重合体ブロックBのガラス転移温度が−20℃以下であると、粘着剤組成物の通常の使用温度では、粘着剤組成物中に形成される重合体ブロックBをその一成分とするミクロ相分離構造において粘着剤組成物に柔軟性と濡れ性を付与し、さらにリワーク性が発現する。重合体ブロックA1およびA2は、重合体ブロックBと非相容であることが好ましい。
上記重合体ブロックBはアクリル酸アルキルエステルを重合することにより得られる。かかるアクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシルおよびアクリル酸ステアリルなどが挙げられる。
アクリル系トリブロック共重合体(I)を構成する重合体ブロックA1、A2およびBには、本発明の効果を損なわない範囲(例えば、重合体ブロック中10質量%以下)であれば、他のモノマー単位が含まれてもよい。上記他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン;エチレン、プロピレンなどのオレフィンなどが挙げられる。
重合体ブロックBの含有量が5〜45質量%であると、初期にはリワークできる適度な接着力を有しつつ、長期には接着力の上昇に伴って耐久性が高まる特性を本発明の粘着剤組成物に付与できる。重合体ブロックBの含有量が5質量%未満であると、粘着剤組成物の接着力やタックが低下する。一方、45質量%を超えると耐久性が低下する。
(F1)下記の一般式(2)
C−D (2)
(式(2)中、Cはメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示し、Dはアクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示す。)
で表されるアクリル系ジブロック共重合体である。
(F3)重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000である。
(F4)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である。
経済的な価格で容易に入手できる点、得られる重合体ブロックA1およびA2が優れた耐久性と耐候性を有する点などから、上記メタクリル酸アルキルエステルの中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。
アクリル系ジブロック共重合体(II)において、重合体ブロックDは、アクリル酸アルキルエステル重合体よりなる重合体ブロックである。上記重合体ブロックDのガラス転移温度は−20℃以下が好ましい。
アクリル系ジブロック共重合体(II)を構成する重合体ブロックCおよびDには、本発明の効果を損なわない範囲(例えば、重合体ブロック中10質量%以下)であれば、他のモノマー単位が含まれてもよい。上記他のモノマーとしては、前記した重合体ブロックA1、A2およびBに含まれていてもよいモノマーと同様のものなどが挙げられる。
[(90℃、24時間後の180°剥離接着力)−(23℃、24時間後の180°剥離接着力)]÷(23℃、24時間後の180°剥離接着力)×100[%] (i)
Mw2=Mw1×W2×重合体ブロック2の形成のために仕込んだモノマーの転化率/(W1×重合体ブロック1の形成のために仕込んだモノマーの転化率)
Mw3=Mw1×W3×重合体ブロック3の形成のために仕込んだモノマーの転化率/(W1×重合体ブロック1の形成のために仕込んだモノマーの転化率)
なお、本発明では、共連続構造とは、マトリックス相中に球状の相が存在する球構造、マトリックス相中に棒状の相が存在するシリンダー構造、2以上の相が互いに重なりあったラメラ構造以外の構造を指し、典型的にはジャイロド構造、PL(多孔ラメラ)構造などが挙げられる。
AlR1R2R3 (3)
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表すか、或いはR1が前記したいずれかの基であり、R2およびR3が一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を形成している。)
で表される有機アルミニウム化合物の存在下に、必要に応じて、反応系内に、ジメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、12−クラウン−4などのエーテル化合物;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ピリジン、2,2’−ジピリジルなどの含窒素化合物をさらに添加して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合させる方法を採用できる。
上記粘着付与樹脂としては、粘着剤において従来から用いられている粘着付与樹脂をいずれも使用でき、例えばロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの天然樹脂;石油樹脂、クマロン−インデン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂などの合成樹脂等が挙げられる。中でも、粘着剤組成物との相容性が高く、透明な粘着剤組成物となる点で、水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノールなどのテルペン系樹脂;水添ロジンエステル、不均化ロジンエステル、重合ロジンなどのロジン系樹脂;C5/C9系石油樹脂、芳香族系石油樹脂などの石油樹脂;α−メチルスチレン重合体、スチレン/α−メチルスチレン共重合体などのスチレン系樹脂などが好ましい。粘着付与樹脂は単独で使用してもよいし、または2種以上を併用してもよい。
本発明の粘着剤組成物に粘着付与樹脂を含有させる場合、その含有量は被着体の種類などに応じて適宜選択できるが、粘着剤組成物に含まれる全固形分の合計質量に基づいて25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。粘着付与樹脂の含有量が25質量%を超えると粘着剤組成物の凝集力が低下し、リワーク時に糊残りが起こり易くなる。
CNCO(質量%)=[{Wiso×n(42/Miso)}/Ws]×100 〈1〉
[式中、CNCOは粘着剤組成物の固形分の質量に基づくイソシアネート化合物中のイソシアネート基含量(質量%)、Wisoは粘着剤組成物中のイソシアネート化合物の量(質量)、Misoはイソシアネート化合物の分子量、nはイソシアネート化合物におけるイソシアネート基の数、Wsは粘着剤組成物中の固形分の含有量(質量)を示す。]
まず、実施例および比較例で用いたアクリル系トリブロック共重合体(I)[アクリル系トリブロック共重合体(I−1)〜(I−2)]、およびアクリル系トリブロック共重合体(I−3)〜(I−4)、ならびにアクリル系ジブロック共重合体(II)[アクリル系ジブロック共重合体(II−1)〜(II−2)]およびアクリル系ジブロック共重合体(II−3)〜(II−5)の合成例を記載する。
以下の合成例で合成したブロック共重合体の分子量、分子量分布、組成、各重合体ブロックのガラス転移温度、重合転化率の測定は、以下の方法によって行った。
・装置:東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフ(HLC−8020)
・カラム:東ソー社製「TSKgel GMHXL、G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
・検量線:標準ポリスチレンを用いて作成
・装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置(JNM−LA400)
・溶媒:重クロロホルム
・1H−NMRスペクトルにおいて、3.6ppmおよび4.0ppm付近のシグナルは、それぞれ、メタクリル酸メチル単位のエステル基(−O−CH3)およびアクリル酸n−ブチル単位のエステル基−O−CH2−CH2−CH2−CH3)に帰属され、その積分値の比によって共重合成分の含有量を求めた。
示差走査熱量測定(DSC測定)で得られた曲線において、外挿開始温度(Tgi)をガラス転移温度(Tg)とした。
・装置:メトラー社製DSC−822
・条件:昇温速度10℃/分
・機器:島津製作所製ガスクロマトグラフ GC−14A
・カラム:GL Sciences Inc.製「INERT CAP 1」(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)
・分析条件:injection300℃、detecter300℃、60℃(0分保持)→5℃/分で昇温→100℃(0分保持)→15℃/分で昇温→300℃(2分保持)
(1) 2Lの三口フラスコ内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム26.7mmolを含有するトルエン溶液39.8gを加え、さらにsec−ブチルリチウム3.81mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.20gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル36.2gを加えた。反応液は当初、黄色に呈色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル120.1gを2時間かけて滴下し、滴下終了後、−30℃にて5分間攪拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。さらに、これにメタクリル酸メチル123.0gを加え、一晩室温にて攪拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系トリブロック共重合体(I−1)」と称する]279gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム25.5mmolを含有するトルエン溶液38.1gを加え、さらにsec−ブチルリチウム1.70mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液0.98gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル28.9gを加えた。反応液は当初、黄色に呈色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル87.6gを2時間かけて滴下し、滴下終了後、−30℃にて5分間攪拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。さらに、これにメタクリル酸メチル78.1gを加え、一晩室温にて攪拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系トリブロック共重合体(I−2)」と称する]194gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム29.2mmolを含有するトルエン溶液43.5gを加え、さらにsec−ブチルリチウム4.62mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.67gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル36.2gを加えた。反応液は当初、黄色に呈色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル229.1gを2時間かけて滴下し、滴下終了後、−30℃にて5分間攪拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。さらに、これにメタクリル酸メチル36.2gを加え、一晩室温にて攪拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系トリブロック共重合体(I−3)」と称する]301gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらにsec−ブチルリチウム3.33mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液1.92gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル49.9gを加えた。反応液は当初、黄色に呈色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル177.4gを2時間かけて滴下し、滴下終了後、−30℃にて5分間攪拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。さらに、これにメタクリル酸メチル49.9gを加え、一晩室温にて攪拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系トリブロック共重合体(I−4)」と称する]277gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム17.6mmolを含有するトルエン溶液26.3gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム2.52mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液1.46gを加えた。続いて、これにメタクリル酸メチル49.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル187.7gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した後、メタノール3.5gを添加して重合反応を停止した。このとき、アクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。続いて、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ジブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ジブロック共重合体(II−1)」と称する]237gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム36.8mmolを含有するトルエン溶液54.9gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム5.25mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液3.03gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル49.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル167.1gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した後、メタノール3.5gを添加して重合反応を停止した。このとき、アクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。続いて、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ジブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ジブロック共重合体(II−2)」と称する]216gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム20.7mmolを含有するトルエン溶液30.9gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム5.17mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.99gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル21.7gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル288.4gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した後、メタノール3.5gを添加して重合反応を停止した。このとき、アクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。続いて、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、油状沈澱物を析出させた。デカンテーションにより油状沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ジブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ジブロック共重合体(II−3)」と称する]310gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム55.2mmolを含有するトルエン溶液82.4gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム13.8mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液8.03gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル122.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル192.2gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した後、メタノール3.5gを添加して重合反応を停止した。このとき、アクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。続いて、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。デカンテーションにより白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ジブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ジブロック共重合体(II−4)」と称する]313gを得た。
(1) 2Lの三口フラスコの内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム24.1mmolを含有するトルエン溶液36.0gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム6.02mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液3.50gを加えた。続いて、この反応液にメタクリル酸メチル53.6gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル281.5gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した後、メタノール3.5gを添加して重合反応を停止した。このとき、アクリル酸n−ブチルの転化率は99.9%以上であった。続いて、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。その後、デカンテーションにより白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ジブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ジブロック共重合体(II−5)」と称する]330gを得た。
・ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:東洋紡エステルフィルム E5000 (厚さ50μm)、東洋紡績株式会社製
[接着力]
下記の実施例または比較例で作製した粘着型光学フィルムを、幅25mmおよび長さ200mmのサイズにカットして試験片とし、当該試験片を被着体であるガラス板に2kgゴムローラーを用い2往復してエアー面に貼り付けた。23℃、50%RHの条件下にて24時間、または90℃、ドライの条件下にて24時間保管した後、30mm/分または300mm/分の剥離速度で180°剥離接着力を測定した。上記の条件以外はJIS Z0237に準拠して測定した。
なお、ガラス板としては、アルカリ分を含む市販のソーダ石灰ガラス板をアルカリ洗浄したガラス板を使用した。
下記の実施例または比較例で作製した粘着型光学フィルムを、25mm(横方向:荷重の向きに対して垂直方向)×10mm(縦方向:荷重の向きと同方向)のサイズにカットして試験片とし、当該試験片を被着体であるガラス板に2kgゴムローラーを用い2往復してエアー面に貼り付け、当該試験片に1kgの重りを取り付けて、温度90℃の条件下にて、JIS Z0237に準拠してクリープ試験を行った。試験結果は、落下時間が1000分未満である場合は、その落下時間を、また、1000分以上である場合は、1000分後の試験片の位置ズレを測定した。
下記の実施例または比較例で作成した粘着型光学フィルムを、粘着剤層の面を上にして装置のステージに置き、粘着剤層の面をSPM観察した。
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製走査型プローブ顕微鏡(SPM)と環境制御ユニット(E−sweep)を使用した。
測定モード:DFM
使用カンチレバー:SI−DF20(背面Al)(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)
測定エリア:1μm×1μm
走査周波数:1.0Hz
スキャン分割数:X=データ数=512,Y=データ数=256
(1) 上記の合成例1および合成例5で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−1)を、以下の表2に示すようにそれぞれ44質量部および56質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(1) 上記の合成例1および合成例5で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−1)を、以下の表2に示すようにそれぞれ56質量部および44質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
Mw(C)は、Mw(Alow)×0.5(=4900)≦Mw(C)(=21800)≦Mw(Ahigh)×2(=66600)を満たしていた。
(1) 上記の合成例1および合成例5で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−1)を、以下の表2に示すようにそれぞれ72質量部および28質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(1) 上記の合成例1および合成例6で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−2)を、以下の表2に示すようにそれぞれ40質量部および60質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(1) 上記の合成例2および合成例5で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−2)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−1)を、以下の表2に示すようにそれぞれ40質量部および60質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(1) 上記の合成例3で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−3)を、以下の表2に示すように100質量部とする粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。
(1) 上記の合成例4で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−4)を、以下の表2に示すように100質量部とする粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。
(1) 上記の合成例1および合成例5で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−1)を、以下の表2に示すようにそれぞれ23質量部および77質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(1) 上記の合成例1および合成例5で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−1)を、以下の表2に示すようにそれぞれ77質量部および23質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(4) また、上記(2)で得られた粘着型光学フィルムについてクリープ試験を上記した方法で行おうとしたが、ガラスへの接着力が低すぎて、クリープ試験ができなかった。Mw(C)は、Mw(Alow)×0.5(=4900)≦Mw(C)(=21800)≦Mw(Ahigh)×2(=66600)を満たしていた。
(1) 上記の合成例1および合成例7で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−3)を、以下の表2に示すようにそれぞれ55質量部および45質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は濁っており、静置すると二層に分離した。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
Mw(Alow)×0.5=4900、Mw(C)=4400であり、Mw(C)は、
Mw(Alow)×0.5≦Mw(C)≦Mw(Ahigh)×2を満たさなかった。
(1) 上記の合成例1および合成例8で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−4)を、以下の表2に示すようにそれぞれ72質量部および28質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(4) また、上記(2)で得られた粘着型光学フィルムについてクリープ試験を上記した方法で行おうとしたが、ガラスへの接着力が低すぎて、クリープ試験ができなかった。
Mw(C)は、Mw(Alow)×0.5(=4900)≦Mw(C)(=9800)≦Mw(Ahigh)×2(=66600)を満たしていた。
(1) 上記の合成例1および合成例9で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−5)を、以下の表2に示すようにそれぞれ31質量部および69質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
(1) 上記の合成例1および合成例5で製造したアクリル系トリブロック共重合体(I−4)およびアクリル系ジブロック共重合体(II−1)を、以下の表2に示すようにそれぞれ72質量部および28質量部の割合で量りとり、粘着剤組成物を調製した後、トルエンで全体の固形分含量が35質量%になるように希釈し、振とうして、溶液型粘着剤を調製した。得られた溶液型粘着剤の外観は透明であり、濁ったり、二層に分離したりすることはなかった。また、上記溶液型粘着剤から溶剤を除去して、粘着剤組成物を得た。
Claims (10)
- (α)要件(E1)、(E2)、(E3)および(E4)を備える下記アクリル系トリブロック共重合体(I)と、要件(F1)、(F2)、(F3)および(F4)を備える下記アクリル系ジブロック共重合体(II)とを含有し、
(β)アクリル系トリブロック共重合体(I)とアクリル系ジブロック共重合体(II)との質量比(I)/(II)が75/25〜30/70であり、且つ、
(γ)アクリル系トリブロック共重合体(I)に含まれる重合体ブロックA1および重合体ブロックA2とアクリル系ジブロック共重合体(II)に含まれる重合体ブロックCとの合計質量(X)と、アクリル系トリブロック共重合体(I)に含まれる重合体ブロックBとアクリル系ジブロック共重合体(II)に含まれる重合体ブロックDの合計質量(Y)との比(X)/(Y)が30/70〜50/50であり、
(δ)アクリル系トリブロック共重合体(I)の重合体ブロックA1とA2およびアクリル系ジブロック共重合体(II)の重合体ブロックCを主体として形成される硬質重合体相と、アクリル系トリブロック共重合体(I)の重合体ブロックBおよびアクリル系ジブロック共重合体(II)の重合体ブロックDを主体として形成される軟質重合体相とからなるミクロ相分離構造を有する光学フィルム用粘着剤組成物。
アクリル系トリブロック共重合体(I):
(E1)下記一般式(1)
A1−B−A2 (1)
(式(1)中、A1およびA2は、それぞれ独立して、ガラス転移温度が100℃以上のメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示し、Bはガラス転移温度が−20℃以下のアクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示す。)
で表されるアクリル系トリブロック共重合体である;
(E2)重合体ブロックBの含有量が5〜45質量%である;
(E3)重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000である;および
(E4)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である。
アクリル系ジブロック共重合体(II):
(F1)下記の一般式(2)
C−D (2)
(式(2)中、Cはガラス転移温度が50℃以上のメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示し、Dはガラス転移温度が−20℃以下のアクリル酸アルキルエステル重合体ブロックを示す。)
で表されるアクリル系ジブロック共重合体である;
(F2)重合体ブロックDの含有量が60〜85質量%である;
(F3)重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000である;および
(F4)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である。 - 硬質重合体相と軟質重合体相とが、共に連続した構造を形成していることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム用粘着剤組成物。
- アクリル系トリブロック共重合体(I)とアクリル系ジブロック共重合体(II)との質量比(I)/(II)が59/41〜30/70である請求項1または2に記載の光学フィルム用粘着剤組成物。
- 重合体ブロックA1、重合体ブロックA2および重合体ブロックCの合計質量(X)と、重合体ブロックBおよび重合体ブロックDの合計の質量(Y)との比(X)/(Y)が33/67〜45/55である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤組成物。
- 重合体ブロックA1、重合体ブロックA2および重合体ブロックCの合計質量(X)と、重合体ブロックBおよび重合体ブロックDの合計の質量(Y)との比(X)/(Y)が39/61〜43/57である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤組成物。
- アクリル系トリブロック共重合体(I)に含まれる重合体ブロックA1および重合体ブロックA2のうち、重量平均分子量が小さい重合体ブロックの重量平均分子量(Mw(Alow))と、重量平均分子量が大きい重合体ブロックの重量平均分子量(Mw(Ahigh))とが、アクリル系ジブロック共重合体(II)に含まれる重合体ブロックCの重量平均分子量(Mw(C))に対して、
Mw(Alow)×0.5≦Mw(C)≦Mw(Ahigh)×2
の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤組成物。 - アクリル系ジブロック共重合体(II)の重合体ブロックCの重量平均分子量(Mw(C))が、9,000〜30,000であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着型光学フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム用粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する光学フィルム用保護フィルム。
- 請求項8に記載の粘着型光学フィルムおよび/または請求項9に記載の光学フィルム用保護フィルムを備えた画像表示装置。
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