JP2019094401A - 積層体および該積層体を有する粘接着製品 - Google Patents

積層体および該積層体を有する粘接着製品 Download PDF

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加那予 中田
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Abstract

【課題】塩化ビニル樹脂層の移行性成分が粘接着層に与える悪影響を抑制し、曲面への追従性、積層体の柔軟性に優れ、製造時の加工性にも優れ得る、塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間に中間層を設けた積層体、および該積層体を有する粘接着製品を提供する。【解決手段】塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間にアクリル系ブロック共重合体(I)を含有する中間層を有し、該アクリル系ブロック共重合体(I)が、メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)とを有し、重量平均分子量が30,000〜300,000であるアクリル系ブロック共重合体(I)であって、アクリル系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)の含有量が35質量%以上である、積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間に中間層を有する積層体、該積層体を有する粘接着製品に関する。
粘接着シート、粘接着フィルム、粘接着テープ等の粘接着製品に代表される粘接着層と樹脂層を有する積層体は種々の用途に使用されている。この積層体の粘接着層に用いられる粘接着剤として、その優れた特性から、従来からアクリル系重合体を含む粘接着剤が検討されている。
また、かかる積層体の樹脂層を形成する樹脂として、優れた加工性、機械特性などを有し、建築用資材、自動車用材料、電気・電子材料などの幅広い用途での実績があることから、塩化ビニル樹脂、特に軟質塩化ビニル樹脂が検討されている。塩化ビニル樹脂、特に軟質塩化ビニル樹脂には、移行性の成分、例えば可塑剤が含まれていることが一般的であり、可塑剤が含まれているために、その加工性等が優れている側面があり、塩化ビニル樹脂、特に軟質塩化ビニル樹脂に可塑剤を使用することは避けがたい。
このような移行性の成分を含む塩化ビニル樹脂からなる樹脂層上に直接粘接着層を設けた場合、塩化ビニル樹脂層の移行性の成分が粘接着層に移行することにより、凝集力が低下し剥離が起きてしまう等の悪影響が起こる場合がある。
このような悪影響を低減するために、塩化ビニル樹脂層と、粘接着層の間に中間層を設ける方法が考えられる。例えば、塩化ビニル樹脂層と粘接着層の間に、ポリエチレンテレフタレートなどのバリア層を設ける方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−31791号公報
しかし、バリア層の樹脂としてポリエチレンテレフタレートなどを用いた場合には、積層体の曲面への追従性などの点、また加工性などの点でも問題がある場合があった。
本発明の目的は、塩化ビニル樹脂層の移行性成分が粘接着層に与える悪影響を抑制し、曲面への追従性、積層体の柔軟性に優れ、製造時の加工性にも優れ得る、塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間に中間層を設けた積層体、および該積層体を有する粘接着製品を提供することである。
本発明によれば、上記目的は、
[1]塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間にアクリル系ブロック共重合体(I)を含有する中間層を有し、
該アクリル系ブロック共重合体(I)が、
メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)とを有し、重量平均分子量が30,000〜300,000であるアクリル系ブロック共重合体(I)であって、アクリル系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)の含有量が35質量%以上である、積層体、
[2]上記粘接着層が、アクリル系ブロック共重合体(II)を含有し、該アクリル系ブロック共重合体(II)が、
メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(C)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(D)とを有し、重量平均分子量が30,000〜300,000であるアクリル系ブロック共重合体(II)であって、アクリル系ブロック共重合体(II)における重合体ブロック(C)の含有量が35質量%未満である、[1]に記載の積層体、
[3]上記アクリル系ブロック共重合体(I)からなる1mm厚、直径13mmの試験片をトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)に浸漬し、65℃で24時間保管前後の質量変化率が、80%以下である、[1]または[2]に記載の積層体、
[4]上記粘接着層が粘着付与樹脂および/または可塑剤を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体、
[5]上記重合体ブロック(B)がアクリル酸n−ブチルからなる、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体、
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の積層体を有する粘接着製品、
などにより達成される。
本発明によれば、塩化ビニル樹脂層の移行性成分が粘接着層に与える悪影響を抑制し、曲面への追従性、積層体の柔軟性に優れ、製造時の加工性にも優れ得る、塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間に中間層を設けた積層体、および該積層体を有する粘接着製品が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル」は「メタクリル酸エステル」と「アクリル酸エステル」との総称であり、また「(メタ)アクリル」は「メタクリル」と「アクリル」との総称である。
本発明の積層体は、塩化ビニル樹脂層を有する。本発明において塩化ビニル樹脂とは、塩化ビニル単独重合体、および塩化ビニルを主単量体(単量体成分のうち最もその質量%が多い単量体、単量体成分中好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上の割合を占める単量体)とする単量体成分を共重合して得られる塩化ビニル共重合体、ならびに該単独重合体または共重合体を後塩素化して得られる塩素化塩化ビニル系重合体をいう。
塩化ビニルと共重合する他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニリデン;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有単量体およびその酸無水物(例えば無水マレイン酸等);(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸シクロアルキル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等の官能基を有さない(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなどの官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン(好ましくは炭素数2〜4のオレフィン);スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエン等のビニル芳香族単量体;アクリロニトリルなどが挙げられる。
上記塩化ビニル樹脂の平均重合度は、通常約600〜3500であり、好ましくは約800〜2000、より好ましくは約1000〜1300である。
これら塩化ビニル樹脂は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記塩化ビニル樹脂にさらに可塑剤が添加された軟質塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル樹脂層を形成する樹脂として好適である。軟質塩化ビニル樹脂に含まれる可塑剤としては、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ(n−ブチル)、フタル酸ジ(n−ヘプチル)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ(n−オクチル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸n−ブチルベンジル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジ(n−ブチル)、イソフタル酸ジ(n−ヘプチル)、イソフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、イソフタル酸ジ(n−オクチル)、イソフタル酸ジイソノニル、イソフタル酸ジイソデシル、イソフタル酸ジトリデシル、イソフタル酸n−ブチルベンジル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジ(n−ブチル)、テレフタル酸ジ(n−ヘプチル)、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸ジ(n−オクチル)、テレフタル酸ジイソノニル、テレフタル酸ジイソデシル、テレフタル酸ジトリデシル、テレフタル酸n−ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤;トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリ(n−オクチル)、トリメリット酸トリイソデシル等のトリメリット酸エステル系可塑剤;ピロメリット酸テトラキス(2−エチルヘキシル)等のピロメリット酸エステル系可塑剤;アセチルクエン酸トリ(n−ブチル)等のクエン酸誘導体系可塑剤;マレイン酸ジ(n−ブチル)、マレイン酸ビス(2−エチルヘキシル)等のマレイン酸エステル系可塑剤;安息香酸エステル系可塑剤;アジピン酸エステル系可塑剤(例えば、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ(n−オクチル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル)、アゼライン酸エステル系可塑剤(例えば、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル))、セバシン酸エステル系可塑剤(例えば、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル))等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;二塩基酸(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、およびフタル酸)および二価アルコール(例えば、グリコール)などから合成される低分子量ポリエステルを主として含むポリエステル系可塑剤;リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリキシリル等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ステアリン酸n−ブチル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸n−ブチルエステル等のエポキシ系可塑剤;ポリエーテルエステル系可塑剤等が挙げられる。
これら可塑剤の中でも、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤が好ましく、フタル酸エステル系可塑剤がより好ましい。
上記塩化ビニル樹脂または軟質塩化ビニル樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候安定剤、フィラー、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、染色剤、屈折率調整剤、軟化剤などの添加剤が含まれていてもよい。これら添加剤は、1種が含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
添加剤を含む上記塩化ビニル樹脂および軟質ビニル樹脂の製造方法は特に制限されないが、例えば、各成分を、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合または混練装置を使用して、50〜250℃の範囲内の温度で混合することにより製造できる。
上記塩化ビニル樹脂層は、例えば射出成形、押出成形などの既知の成形方法により製造できる。
本発明の積層体は上記塩化ビニル樹脂層と後述する粘接着層との間に中間層を有する。かかる中間層は、アクリル系ブロック共重合体(I)を含有する。かかるアクリル系ブロック共重合体(I)は、メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)とを有し、重量平均分子量が30,000〜300,000であって、アクリル系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)の含有量が35質量%以上である。
上記重合体ブロック(A)の構成単位となるメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジルなどの官能基を有さないメタクリル酸エステル;メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等の官能基を有するメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、積層体の中間層の耐熱性、耐久性を向上させる観点から、官能基を有さないメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルがより好ましく、重合体ブロック(A)が熱溶融成形に適したガラス転移温度(一般に、50〜150℃、好ましくは70〜140℃、より好ましくは80〜130℃)を有し、また、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とがより明瞭に相分離して中間層の耐久性が高くなる点から、メタクリル酸メチルがさらに好ましい。重合体ブロック(A)は、これらメタクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。また、上記アクリル系ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)を2つ以上有することが、熱可塑性エラストマーの性質が発現し、耐久性がさらに高くなる点から好ましい。その場合、それら重合体ブロック(A)は、同一であっても異なっていてもよい。
重合体ブロック(A)の重量平均分子量は特に限定されないが、1,000〜80,000の範囲にあることが好ましく、4,000〜40,000の範囲にあることがより好ましく、7,000〜30,000の範囲にあることがさらに好ましい。重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)重量平均分子量がこの範囲より小さい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(I)の凝集力が不足する場合がある。また、重合体ブロック(A)の重量平均分子量がこの範囲より大きい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(I)の溶融粘度が高くなり、アクリル系ブロック共重合体(I)の生産性や中間層を製造する際の成形性(典型的には熱溶融成形性)に劣る場合がある。なお本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記する)測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。重合体ブロック(A)中に含まれるメタクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(A)中60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
上記重合体ブロック(A)のガラス転移温度は50〜150℃であることが好ましく、70〜140℃であることがより好ましく、80〜130℃であることがさらに好ましい。また、場合によっては、上記重合体ブロック(A)のガラス転移温度は80〜140℃であることが好ましく、100〜140℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、積層体の通常の使用温度において、重合体ブロック(A)は物理的な疑似架橋点として作用し、上記中間層の凝集力が発現することになり、耐久性、耐熱性に優れ、また、加熱溶融成形性に優れる。なお、ガラス転移温度は、DSC測定で得られた曲線の外挿開始温度である。
アクリル系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)の含有量は、35質量%以上である。中間層に含まれるアクリル系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)の含有量が35質量%以上であると、塩化ビニル樹脂層の移行性成分が粘接着層に悪影響を与える効果を低減できる。塩化ビニル樹脂層の移行性成分の移行をより抑制する観点からは、重合体ブロック(A)の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましい。また、重合体ブロック(A)の含有量は90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。
上記重合体ブロック(B)の構成単位となるアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの、官能基を有さないアクリル酸エステル;アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、アクリル酸2−フェノキシエチルなどの、官能基を有するアクリル酸エステルなどが挙げられる。
中でも、中間層として用いた場合の透明性および柔軟性の観点から、一般式CH2=CH−COOR1(式中、R1は炭素数1〜10の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステルがより好ましく、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との相分離が明瞭となり中間層に含まれるアクリル系ブロック共重合体(I)が高い凝集力を発現する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの、官能基を有さないアクリル酸エステルがさらに好ましい。さらに、中間層が塩化ビニル樹脂層および粘接着層に対して適度な接着力を有する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチルおよびアクリル酸イソオクチルから選ばれる少なくとも一種がより好ましく、特にアクリル酸n−ブチルが好ましい。
重合体ブロック(B)は、これらアクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロック(B)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましい。また、重合体ブロック(B)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は100質量%であってもよい。
上記重合体ブロック(B)のガラス転移温度は−100〜30℃であることが好ましく、−80〜20℃であることがより好ましく、−70〜15℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、得られる積層体に優れた柔軟性、曲面追従性を付与することができる。
アクリル系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(B)の含有量は、通常65質量%以下であり、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましい。また、重合体ブロック(B)の含有量は10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。重合体ブロック(B)の含有量が上記範囲内であると、アクリル系ブロック共重合体(I)を中間層に用いた際に、得られる積層体の柔軟性、曲面追従性に優れる。
上記重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で、お互いの成分が含有されていてもよい。また、必要に応じて他の単量体を含有してもよい。かかる他の単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリルアミド等のカルボキシル基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の官能基を有するビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブテン、オクテン等のオレフィン系単量体;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系単量体等が挙げられる。これら単量体を用いる場合は、各重合体ブロックに使用する単量体の全質量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下で使用される。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)は、上記重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)の他に、必要に応じて他の重合体ブロックを有していてもよい。かかる他の重合体ブロックとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、オクテン、酢酸ビニル、無水マレイン酸、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどからなる重合体ブロックまたは共重合体ブロック;ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサンからなる重合体ブロックなどが挙げられる。また、上記重合体ブロックには、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物を含む重合体ブロックの水素添加物も含まれる。
上記アクリル系ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)を「A」;重合体ブロック(B)を「B」;としたときに、一般式:
(A−B)n
(A−B)n−A
B−(A−B)n
(A−B)n−Z
(B−A)n−Z
(式中、nは1〜30の整数、Zはカップリング部位(カップリング剤がポリマー末端と反応して化学結合を形成した後のカップリング部位)を表す)で表されるものであることが好ましい。また上記nの値は、1〜15であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましい。上記の構造の中でも、(A−B)n、(A−B)n−A、B−(A−B)nで表される直鎖状のブロック共重合体が好ましく、A−Bで表されるジブロック共重合体およびA−B−Aで表されるトリブロック共重合体がより好ましい。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量は、30,000〜300,000である。アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量がかかる範囲であることにより、塩化ビニル樹脂層に由来する移行性成分の粘接着層への悪影響を低減できる。中でも、押出成形法、射出成形法、ホットメルト塗工法、Tダイ法、インフレーション法、カレンダーラミネート法、押出ラミネート法などにより、本発明の積層体を作製する場合には、表面平滑性などの成形性の点から、上記重量平均分子量は30,000〜200,000がより好ましく、35,000〜180,000がさらに好ましく、40,000〜150,000が特に好ましい。
また、塩化ビニル樹脂層の移行性成分に対する耐性をより優れたものにする点からは、上記重量平均分子量は35,000〜300,000がより好ましく、40,000〜300,000がさらに好ましく、50,000〜300,000が特に好ましい。
熱溶融成形性と可塑剤に対する耐性を両立する点からは、上記重量平均分子量は30,000〜200,000が好ましく、40,000〜180,000がより好ましく、50,000〜150,000が特に好ましい。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.0〜1.5であることが好ましい。本発明の中間層の凝集力が高い点、可塑剤に対する耐性が高い点から、1.0〜1.4であることがより好ましく、1.0〜1.3であることがさらに好ましい。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)からなる1mm厚、直径13mmの試験片をトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)に浸漬し、65℃で24時間保管前後の質量変化率が、80%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。このような範囲の質量変化率であることにより塩化ビニル樹脂層に含まれる移行性の成分が粘接着層に移行することにより凝集力が低下し剥離が起きるという不具合をより効果的に防ぐことができる。このような特性を満たすアクリル系ブロック共重合体(I)としては、例えば、後述する実施例の合成例1〜3などが挙げられる。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)の製造方法は、本発明の条件を満足する重合体が得られる限りにおいて特に限定されることなく、公知の手法に準じた方法を採用することができる。一般に、分子量分布の狭いブロック共重合体を得る方法としては、構成単位である単量体をリビング重合する方法が取られる。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてリビング重合する方法(特開平06−093060号公報参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(特表平05−507737号公報参照)、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法(特開平11−335432号公報参照)、原子移動ラジカル重合法(ATRP)(Macromolecular Chemistry and Physics、2000年、201巻、p.1108〜1114参照)などが挙げられる。
上記製造方法のうち、有機アルミニウム化合物の存在下で有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングアニオン重合する方法は、得られるブロック共重合体の透明性が高いものとなり、残存単量体が少なく臭気が抑えられるため好ましい。また、メタクリル酸エステル重合体ブロックの立体規則性が高シンジオタクチックとなってガラス転移温度が高まるため、本発明の積層体(中間層)の耐熱性を高める効果がある点からも好ましい。また、中間層を他の層と積層した後の気泡の発生を抑制できるため好ましい。
上記有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(1)
AlR234 (1)
(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表すか、或いはR2が上記したいずれかの基であり、R3およびR4が一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を形成している。)
で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
上記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物としては、重合のリビング性の高さや取り扱いの容易さなどの点から、イソブチルビス(2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジtert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウムなどが好ましく挙げられる。
上記有機アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、テトラメチレンジリチウム等のアルキルリチウムおよびアルキルジリチウム;フェニルリチウム、p−トリルリチウム、リチウムナフタレン等のアリールリチウムおよびアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウム等のアラルキルリチウムおよびアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド等のリチウムアミド;メトキシリチウム、エトキシリチウム等のリチウムアルコキシドなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも重合開始効率が高いことから、アルキルリチウムが好ましく、中でもtert−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがより好ましく、sec−ブチルリチウムがさらに好ましい。
上記リビングアニオン重合は、通常、重合反応に不活性な溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられる。
アクリル系ブロック共重合体(I)は、例えば、単量体を重合して得た所望のリビングポリマー末端に、所望の重合体ブロック(重合体ブロック(A)、重合体ブロック(B)など)を形成する工程を所望の回数繰り返した後、重合反応を停止させることにより製造できる。具体的には、例えば有機アルミニウム化合物の存在下、有機アルカリ金属化合物からなる重合開始剤により、第1の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第1工程、第2の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第2工程および必要に応じて第3の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第3工程を含む複数段階の重合工程を経て、得られた重合体の活性末端をアルコールなどと反応させ、重合反応を停止させることにより、アクリル系ブロック共重合体(I)を製造できる。上記のような方法によれば、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)からなる二元ブロック(ジブロック)共重合体や、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)からなる三元ブロック(トリブロック)共重合体、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)からなる四元ブロック共重合体などを製造できる。
重合温度としては、重合体ブロック(A)を形成する際は0〜100℃、重合体ブロック(B)を形成する際は−50〜50℃が好ましい。上記範囲より重合温度が低い場合には、反応の進行が遅くなり、反応を完結させるのに長時間必要となる。一方、上記範囲より重合温度が高い場合には、リビングポリマー末端の失活が増え、分子量分布が広くなったり、所望のブロック共重合体が得られなくなったりする。また、重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)はそれぞれ1秒〜20時間の範囲で重合できる。
本発明の積層体の中間層となる成分には、上記アクリル系ブロック共重合体(I)が含まれる。本発明の効果を奏する限り、その中間層となる成分に含まれるアクリル系ブロック共重合体(I)の含有量は特に制限はないが、上記アクリル系ブロック共重合体(I)は、中間層となる成分の総量に対して40質量%以上含むことが好ましく、50質量%以上含むことがより好ましく、60質量%以上含むことがさらに好ましく、80質量%以上含むことが特に好ましく、100質量%であってもよい。中間層に40質量%以上のアクリル系ブロック共重合体(I)が含まれることにより、中間層の特性がより発揮されやすくなる。
本発明の積層体の中間層となる成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の重合体、粘着付与樹脂、軟化剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、染色剤、屈折率調整剤、フィラー、硬化剤、滑剤、膠着防止剤、防蟻剤、防鼠剤などの添加剤が含まれていてもよい。これら他の重合体および添加剤は、1種が含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
上記他の重合体としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エステル重合体または共重合体などのアクリル系樹脂;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリノルボルネン等のオレフィン系樹脂;エチレン系アイオノマー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体;スチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドエラストマー等のポリアミド;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリビニルアルコール;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリアセタール;ポリフッ化ビニリデン;ポリウレタン;変性ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;シリコーンゴム変性樹脂;アクリル系ゴム;シリコーン系ゴム;SEPS、SEBS、SIS等のスチレン系熱可塑性エラストマー;IR、EPR、EPDM等のオレフィン系ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、積層体の中間層となる成分に含まれるアクリル系ブロック共重合体(I)との相溶性の観点から、ポリメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エステル重合体または共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、AS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデンが好ましく、ポリメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体がより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル重合体または共重合体としては、例えば、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルのランダム共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルのランダム共重合体などが挙げられる。
本発明の中間層となるアクリル系ブロック共重合体(I)を含む成分の製造方法は特に制限されず、例えば、各成分を、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合または混練装置を使用して、100〜250℃の範囲内の温度で混合することにより製造できる。また、各成分を有機溶媒に溶解して混合した後、該有機溶媒を留去することによって製造してもよい。得られたアクリル系ブロック共重合体(I)を含む成分は、例えば、加熱溶融して前述した塩化ビニル樹脂層と後述する粘接着層との間に積層することが可能である。
上記中間層を、塩化ビニル樹脂層上に形成するには、アクリル系ブロック共重合体(I)を加熱溶融して用いる場合、例えば、ホットメルト塗工法、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー成形法、ラミネーション法等を用いてシート状やフィルム状等の形状に形成できる。中間層に用いるアクリル系ブロック共重合体(I)の溶融粘度が高い場合、例えば180℃での溶融粘度が20,000mPa・sを超える溶融粘度の場合には、より高い温度で加熱溶融させるため、Tダイから加熱溶融物を非接触で支持体上に塗布するホットメルト塗工方法が、中間層の厚み制御、均質性、および支持体に必要な耐熱性の観点から好ましい。また、本発明のアクリル系ブロック共重合体(I)を溶媒に溶解して用いる場合、例えば、支持体としてポリエチレンテレフタレート等の耐熱材料やスチールベルト等の平板またはロールを用い、これらの上に、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いてアクリル系ブロック共重合体(I)と溶媒などを含む溶液を塗工し、乾燥により溶媒を除去する方法(溶液キャスト法)を用いて中間層を形成することができる。
乾燥により溶媒を除去する方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができるが、複数の段階に分けて乾燥を行うことが好ましい。複数の段階に分けて乾燥を行う場合には、1段階目の乾燥は、溶媒の急激な揮発による発泡を抑制するために、比較的低い温度で行い、2段階目以降の乾燥は、十分に溶媒を除去するために、高温で乾燥を行う方法がより好ましい。
本発明の中間層となる各成分を有機溶媒に溶解して混合した溶液を作製した後、該有機溶媒を留去することにより該中間層を製造する場合には、前述した塩化ビニル樹脂層にその溶液を塗布した後、その有機溶媒を留去して、中間層を塩化ビニル樹脂層に積層することが可能である。なお、上記中間層となるアクリル系ブロック共重合体(I)を含有する成分を加熱溶融して使用する場合、加工性・取扱性の観点から、溶融粘度が低いことが好ましく、例えば、加熱溶融塗工する場合には、200℃前後での溶融粘度が50,000mPa・s以下であることが好ましく、30,000mPa・s以下であることがより好ましい。
本発明の積層体は上記中間層を介して塩化ビニル樹脂層と接合した粘接着層を有する。粘接着層となる粘接着剤としては、その用途等に応じて適切なものを選択でき、例えば、ゴム系粘接着剤、シリコーン系粘接着剤、アクリル系粘接着剤などを用いることができる。耐候性、透明性、低汚染性、および共押出加工が可能である点からは、これら粘接着剤の中でもアクリル系粘接着剤が好ましく、メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(C)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(D)とを有し、重量平均分子量が30,000〜300,000であり、重合体ブロック(C)の含有量が35質量%未満であるアクリル系ブロック共重合体(II)を含むアクリル系粘接着剤がより好ましい。
上記重合体ブロック(C)の構成単位となるメタクリル酸エステルの具体例は、アクリル系ブロック共重合体(I)の重合体ブロック(A)の構成単位となるメタクリル酸エステルと同様である。
これらの中でも、積層体の粘接着層の耐熱性、耐久性を向上させる観点から、官能基を有さないメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルがより好ましく、重合体ブロック(C)が熱溶融成形に適したガラス転移温度(一般に、50〜150℃、好ましくは70〜140℃、より好ましくは80〜130℃)を有し、また、重合体ブロック(C)と重合体ブロック(D)とが、より明瞭に相分離して粘接着層の耐久性が高くなる点から、メタクリル酸メチルがさらに好ましい。重合体ブロック(C)は、これらメタクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。また、上記アクリル系ブロック共重合体(II)は、重合体ブロック(C)を2つ以上有することが、熱可塑性エラストマーの性質が発現し、耐久性がさらに高くなる点から好ましい。その場合、それら重合体ブロック(C)は、同一であっても異なっていてもよい。
重合体ブロック(C)の重量平均分子量は特に限定されないが、1,000〜80,000の範囲にあることが好ましく、4,000〜40,000の範囲にあることがより好ましく、7,000〜20,000の範囲にあることがさらに好ましい。重合体ブロック(C)の重量平均分子量がこの範囲より小さい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(II)の凝集力が不足する場合がある。また、重合体ブロック(C)の重量平均分子量がこの範囲より大きい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(II)の溶融粘度が高くなり、アクリル系ブロック共重合体(II)の生産性や粘接着層を製造する際の成形性(典型的には熱溶融成形性)に劣る場合がある。重合体ブロック(C)中に含まれるメタクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(C)中60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
上記重合体ブロック(C)のガラス転移温度は50〜150℃であることが好ましく、70〜140℃であることがより好ましく、80〜130℃であることがさらに好ましい。また、場合によっては、上記重合体ブロック(C)のガラス転移温度は80〜140℃であることが好ましく、100〜140℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、積層体の通常の使用温度において、重合体ブロック(C)は物理的な疑似架橋点として作用し、上記粘接着層の凝集力が発現することになり、接着力、耐久性、耐熱性に優れ、また、熱溶融成形性に優れる。
アクリル系ブロック共重合体(II)における重合体ブロック(C)の含有量は、35質量%未満である。粘接着層に含まれるアクリル系ブロック共重合体(II)における重合体ブロック(C)の含有量が35質量%未満であると、粘接着性に優れる粘接着層が得られる。接着力およびタックの観点からは、重合体ブロック(C)の含有量は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。また、重合体ブロック(C)の含有量は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
上記重合体ブロック(D)の構成単位となるアクリル酸エステルの具体例は、アクリル系ブロック共重合体(I)の重合体ブロック(B)の構成単位となるアクリル酸エステルと同様である。
中でも、粘接着層として用いた場合の透明性および柔軟性の観点から、一般式CH2=CH−COOR5(式中、R5は炭素数1〜10の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステルがより好ましく、重合体ブロック(C)と重合体ブロック(D)との相分離が明瞭となり粘接着層となる粘接着剤が高い凝集力を発現する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの、官能基を有さないアクリル酸エステルがさらに好ましい。さらに、適度な接着力を有する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチルおよびアクリル酸イソオクチルから選ばれる少なくとも一種がより好ましく、特にアクリル酸n−ブチルが好ましい。
重合体ブロック(D)は、これらアクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロック(D)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましい。また、重合体ブロック(D)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は100質量%であってもよい。
上記重合体ブロック(D)のガラス転移温度は−100〜30℃であることが好ましく、−80〜20℃であることがより好ましく、−70〜15℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、得られる粘接着層に優れた粘接着性、柔軟性を付与することができる。
アクリル系ブロック共重合体(II)における重合体ブロック(D)の含有量は、通常65質量%超であり、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。また、重合体ブロック(D)の含有量は95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。重合体ブロック(D)の含有量が上記範囲内であると、アクリル系ブロック共重合体(II)を粘接着層に用いた場合に、粘接着性に優れる粘接着層が得られる。
上記重合体ブロック(C)および重合体ブロック(D)には、本発明の効果を損なわない範囲で、お互いの成分が含有されていてもよい。また、必要に応じて他の単量体を含有してもよい。かかる他の単量体の具体例は、アクリル系ブロック共重合体(I)の重合体ブロック(A)または重合体ブロック(B)に含まれ得る他の単量体と同様である。これら単量体を用いる場合は、各重合体ブロックに使用する単量体の全質量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下で使用される。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(II)は、上記重合体ブロック(C)および重合体ブロック(D)の他に、必要に応じて他の重合体ブロックを有していてもよい。かかる他の重合体ブロックの具体例は、アクリル系ブロック共重合体(I)中に重合体ブロック(A)および(B)以外に含まれ得る他の重合体ブロックと同様である。
上記アクリル系ブロック共重合体(II)は、重合体ブロック(C)を「C」;重合体ブロック(D)を「D」;としたときに、一般式:
(C−D)n
(C−D)n−C
D−(C−D)n
(C−D)n−Z
(D−C)n−Z
(式中、nは1〜30の整数、Zはカップリング部位(カップリング剤がポリマー末端と反応して化学結合を形成した後のカップリング部位)を表す)で表されるものであることが好ましい。また上記nの値は、1〜15であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましい。上記の構造の中でも、(C−D)n、(C−D)n−C、D−(C−D)nで表される直鎖状のブロック共重合体が好ましく、C−Dで表されるジブロック共重合体およびC−D−Cで表されるトリブロック共重合体がより好ましい。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(II)の重量平均分子量は、30,000〜300,000であることが好ましい。アクリル系ブロック共重合体(II)の重量平均分子量がかかる範囲であることにより、粘接着層が粘接着性に優れる。中でも、押出成形法、射出成形法、ホットメルト塗工法、Tダイ法、インフレーション法、カレンダーラミネート法、押出ラミネート法などにより、本発明の積層体を作製する場合には、表面平滑性などの成形性の点から、上記重量平均分子量は30,000〜200,000がより好ましく、35,000〜180,000がさらに好ましく、40,000〜150,000が特に好ましい。
本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(II)の全体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.0〜1.5であることが好ましい。本発明の粘接着層の凝集力が高い点から、1.0〜1.4であることがより好ましく、1.0〜1.3であることがさらに好ましい。
上記アクリル系ブロック共重合体(II)はアクリル系ブロック共重合体(I)と同様の方法により製造できる。
本発明の積層体の粘接着層となる粘接着剤には、上記アクリル系ブロック共重合体(II)が含まれることが好ましい。本発明の効果を奏する限り、その粘接着層となる粘接着剤に含まれるアクリル系ブロック共重合体(II)の含有量は特に制限はないが、上記アクリル系ブロック共重合体(II)は、粘接着層となる粘接着剤の総量に対して40質量%以上含むことが好ましく、50質量%以上含むことがより好ましく、60質量%以上含むことがさらに好ましく、80質量%以上含むことが特に好ましく、100質量%であってもよい。粘接着層に40質量%以上のアクリル系ブロック共重合体(II)が含まれることにより、粘接着層の特性がより発揮されやすくなる。
本発明の積層体の粘接着層となる粘接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、粘着付与樹脂を含んでいてもよい。粘接着層に粘着付与樹脂が含まれることにより、接着力、タック、相溶性が向上する。なお、本発明の積層体の粘接着層となる粘接着剤では、後述する可塑剤が含まれていないことが好ましい一態様である。
上記粘着付与樹脂としては、従来から粘接着剤において用いられている粘着付与樹脂のいずれもが使用でき、特に限定されないが、例えば、ロジン系樹脂(ロジン、ロジン誘導体、およびこれらをさらに水素添加(以下、水添とも称する)等変性した水添ロジン誘導体など)、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、(水添)石油系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、水添芳香族コポリマー、フェノール系樹脂、クマロン−インデン系樹脂などを挙げることができる。
本発明においてロジン系樹脂とは、松から得られる琥珀色、無定形の天然樹脂のことであり、その主成分はアビエチン酸とその異性体の混合物である。また、このアビエチン酸またはその異性体の持つ反応性を利用して、エステル化、重合、水添等の変性をしたものも前記ロジン系樹脂に含まれる。例えば、未変性ロジン(例えば、トールロジン、ガムロジン、およびウッドロジンなど)、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、並びにこれらのエステル(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、およびエチレングリコールエステルなど)およびこれらをさらに水添等の変性をしたものが挙げられ、特に耐熱性、耐着色性の観点から水添ロジンエステルが好適に用いられる。
本発明においてテルペン系樹脂とは、テルペン系単量体を含む原料を重合して得られるオリゴマーである。また、このようにして得られたオリゴマーを水添等の変性をしたオリゴマーも前記テルペン系樹脂に含まれる。テルペンとは一般的に、イソプレン(C58)の重合体を意味し、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)等に分類される。テルペン系単量体とは、これらを基本骨格として有する単量体であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピンネオール、γ−テルピンネオール、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類等が挙げられる。また、テルペン系単量体を含む原料には、テルペン系単量体と共重合可能な他の単量体、例えばベンゾフラン(C86O)等のクマロン系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン、2−フェニル−2−ブテン等のビニル芳香族化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノリルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール系単量体などが含まれていてもよい。上記テルペン系単量体と共重合可能な他の単量体を含む原料を重合して得られるオリゴマーとしては、テルペンフェノール系樹脂等が挙げられる。また、このようにして得られたオリゴマーを水添等の変性をしたものもテルペン系樹脂に含まれる。
本発明において(水添)石油系樹脂とは、C5留分、C9留分、C5留分の精製成分、C9留分の精製成分、またはこれら留分若しくは精製成分の混合物からなる原料を重合することにより得られるオリゴマーである。また、このようにして得られたオリゴマーを水添等の変性をしたものも上記(水添)石油系樹脂に含まれる。なお、C5留分には、通常、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテンおよびシクロペンテン等が含まれ、C9留分には、通常、スチレン、アリルベンゼン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、β−メチルスチレンおよびインデン等が含まれる。また、C9留分には少量のC8留分およびC10留分が含まれる場合がある。
上記(水添)石油系樹脂は、C5留分またはその精製成分を原料にしたC5樹脂、C9留分またはその精製成分を原料にしたC9樹脂、C5留分またはその精製成分とC9留分またはその精製成分との混合物を原料にした、C5−C9共重合樹脂に大別される。これらの中でも、特に耐熱性、耐着色性の観点から水添石油系樹脂が好適に用いられる。
本発明において、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、水添芳香族コポリマー、フェノール系樹脂等の芳香族炭化水素系樹脂とは、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、β−メチルスチレン、ジビニルトルエン、2−フェニル−2−ブテン、メトキシスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、インデン、メチルインデン、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノリルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF若しくはこれらの混合物からなる原料を重合することにより得られるオリゴマーである。また、このようにして得られたオリゴマーを水添等の変性をしたものも含まれる。その他、クマロン−インデン系樹脂なども挙げられる。これらの中でも、特に相溶性、耐熱性、耐着色性の観点からスチレン系樹脂が好適に用いられる。
これら粘着付与樹脂は1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。これら粘着付与樹脂が2種以上含まれている場合には、接着力やタックのバランスに優れる点で望ましい。また、上記粘着付与樹脂の軟化点については、高い接着力および保持力を発現する点から、50〜160℃のものが好ましい。
粘着付与樹脂の含有量は、アクリル系ブロック共重合体(II)100質量部に対し、1〜300質量部であることが好ましい。粘着付与樹脂がロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、水添芳香族コポリマー、フェノール系樹脂、クマロン−インデン系樹脂などの場合、粘着付与樹脂の含有量が上記範囲にあると、粘接着層の接着力、タックおよび凝集力のバランスに優れる。より高い接着力、タックおよび凝集力を両立させる観点から、粘着付与樹脂の含有量は、アクリル系ブロック共重合体(II)100質量部に対し、10〜250質量部であることがより好ましく、15〜200質量部であることがさらに好ましい。
一方、粘着付与樹脂が、(水添)石油系樹脂、テルペン系単量体のみから構成されるテルペン系樹脂の場合は、アクリル系ブロック共重合体との相溶性の観点から含有量を高めにくい傾向にある。接着力、タックおよび凝集力、および相溶性の観点から、粘着付与樹脂の含有量は、アクリル系ブロック共重合体(II)100質量部に対し、2〜80質量部であることがより好ましく、2〜60質量部であることがさらに好ましい。
本発明の積層体の粘接着層となる粘接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤を含んでいてもよい。粘接着層に可塑剤が含有されることにより、接着力、タックおよび加工性のバランスに優れる粘接着層が得られ、さらに、一般的に粘接着層となる粘接着剤全体としてのコストを下げることができる。
かかる可塑剤の例としては、例えば、フタル酸ジ(n−ブチル)、フタル酸ジ(n−オクチル)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ(n−デシル)、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ(n−オクチル)等のアジピン酸エステル類;セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジ(n−ブチル)等のセバシン酸エステル類;アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)等のアゼライン酸エステル類;アセチルクエン酸トリ(n−ブチル)等のクエン酸エステル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類;ポリプロピレングリコール等のグリコール類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ変性植物油類;リン酸トリ(n−オクチル)、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類;亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステル類;アジピン酸と1,3−ブチレングリコールとのエステル化物、安息香酸とジプロピレングリコールのエステル化物等エステルオリゴマー類;低分子量ポリブテン、低分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソプレンなどの低分子量重合体;ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリルオリゴマー;ダイアナプロセスオイルPWシリーズ(出光興産株式会社製)、SUNPURE LW70およびPシリーズ(日本サン石油株式会社製)等のパラフィン系オイル;SUNPURE N90およびNX90、SUNTHENEシリーズ(日本サン石油株式会社製)等のナフテン系オイル;JSO AROMA790(日本サン石油株式会社製)、Vivatec500(H&R社製)等のアロマ系オイル等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上混合して用いられる。
可塑剤の含有量は、アクリル系ブロック共重合体(II)100質量部に対し、100質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることがさらに好ましい。可塑剤の含有量が上記範囲にあることにより、ブリードがなく、接着力に優れる粘接着層となる粘接着剤が得られる。なお、粘接着層となる粘接着剤に可塑剤が含まれることによる効果を求めるためには、アクリル系ブロック共重合体(II)100質量部に対し、通常5質量部以上含まれることが望ましい。
本発明の積層体の粘接着層となる粘接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の重合体;軟化剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、染色剤、屈折率調整剤、フィラー、硬化剤、膠着防止剤等の添加剤が含まれていても良い。これら他の重合体および添加剤は、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
他の重合体としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリノルボルネン等のオレフィン系樹脂;エチレン系アイオノマー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドエラストマー等のポリアミド;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリビニルアルコール;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリアセタール;ポリフッ化ビニリデン;ポリウレタン;変性ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;シリコーンゴム変性樹脂;アクリル系ゴム;シリコーン系ゴム;SEPS、SEBS、SIS等のスチレン系熱可塑性エラストマー;IR、EPR、EPDM等のオレフィン系ゴム等が挙げられる。これらの中でも、上記粘接着剤に含まれるアクリル系ブロック共重合体(II)との相溶性の観点から、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、AS樹脂、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデンおよびスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
上記フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、および有機繊維;炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の無機充填剤;カーボンブラック等が挙げられる。これらのフィラーが含まれていると、得られる粘接着剤に耐久性、耐熱性、耐候性が付与される。
本発明の粘接着層となる粘接着剤に硬化剤を含ませると、硬化型粘接着剤として好適に使用できる。上記硬化剤としては、UV硬化剤等の光硬化剤、熱硬化剤等が挙げられ、例えば、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類等が挙げられる。具体的には、ベンゾイン、α−メチロールベンゾイン、α−t−ブチルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾフェノン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、ベンジル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、ジアセチル等が挙げられる。硬化剤は、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
上記硬化剤の効果を高める観点から、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、および、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸エステル等のエステル;アクリルアミド;メタクリルアミド;N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエチル)アクリルアミド等のアクリルアミド誘導体;N−メチロールメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエチル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体;ビニルエステル;ビニルエーテル;モノ−N−ビニル誘導体;スチレン誘導体等の単量体;前記単量体を構成成分として含むオリゴマー等がさらに粘接着層に用いる粘接着剤に含まれていてもよい。耐久性を高める観点からは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸エステル等のエステル;ビニルエーテル;スチレン誘導体;および前記単量体を構成成分として含むオリゴマーが好ましい。また、これらの単量体の他に、さらに2官能以上の単量体またはオリゴマーからなる架橋剤が含まれていてもよい。
本発明の粘接着層に用いる粘接着剤に膠着防止剤を含ませると、取り扱い性の向上が期待できる。上記膠着防止剤としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸金属塩;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックス等のワックス類;低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィン;アクリル系樹脂粉末;ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン;オクタデシルアミン、リン酸アルキル、脂肪酸エステル、エチレンビスステアリルアミド等のアミド系樹脂粉末、四フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン粉末、シリコーン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、シリカ等が挙げられる。
本発明の粘接着層に用いる粘接着剤の製造方法は特に制限されず、例えば、各成分を、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合または混練装置を使用して、通常100〜250℃の範囲内の温度で混合することにより製造できる。また、各成分を有機溶媒に溶解して混合した後、該有機溶媒を留去することによって製造してもよい。得られた粘接着剤は、加熱溶融して使用可能であり、あるいは溶媒に溶解させて溶液型粘接着剤として使用してもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、エチルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、トルエン−エタノール混合溶媒等が挙げられる。なかでもトルエン、エチルベンゼン、酢酸エチル、メチルエチルケトンが好ましい。
なお、本発明の粘接着層に用いる粘接着剤を加熱溶融して使用する場合、加工性・取扱性の観点から、溶融粘度が低いことが好ましい。一方、粘接着剤の接着力と高保持力(耐クリープ性)を両立する観点からは、溶融粘度は高いことが好ましい。
上記粘接着層を、塩化ビニル樹脂層上に形成された中間層の上に形成するには、粘接着剤を加熱溶融して用いる場合、例えば、ホットメルト塗工法、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー成形法、ラミネーション法等を用いてシート状やフィルム状等の形状に形成できる。粘接着層に用いる粘接着剤の溶融粘度が高い場合、例えば180℃での溶融粘度が20,000mPa・sを超える溶融粘度の場合には、より高い温度で加熱溶融させるため、Tダイから加熱溶融物を非接触で支持体上に塗布するホットメルト塗工方法が、粘接着層の厚み制御、均質性、および支持体に必要な耐熱性の観点から好ましい。また、本発明の粘接着剤を溶媒に溶解して用いる場合、例えば、支持体としてポリエチレンテレフタレート等の耐熱材料やスチールベルト等の平板またはロールを用い、これらの上に、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いてアクリル系ブロック共重合体(II)などを含む粘接着剤を溶媒に溶解させた溶液を塗工し、乾燥により溶媒を除去する方法(溶液キャスト法)を用いて粘接着層を形成することができる。
乾燥により溶媒を除去する方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができるが、複数の段階に分けて乾燥を行うことが好ましい。複数の段階に分けて乾燥を行う場合には、1段階目の乾燥は、溶媒の急激な揮発による発泡を抑制するために、比較的低い温度で行い、2段階目以降の乾燥は、十分に溶媒を除去するために、高温で乾燥を行う方法がより好ましい。
上記溶液中のアクリル系ブロック共重合体(II)および粘着付与樹脂などを含む粘接着剤の濃度は、該粘接着剤の溶媒に対する溶解度、得られる溶液の粘度等を考慮して適宜決定されるが、好ましい下限値が5質量%、好ましい上限値が70質量%である。
本発明の積層体は、塩化ビニル樹脂層の上に中間層を設け該中間層の上に上記粘接着層を設けることにより得られる。
上記積層体の構成としては、塩化ビニル樹脂層/中間層/粘接着層の3層構成を有していれば特に制限はなく、例えば、塩化ビニル樹脂層/中間層/粘接着層の3層構成、これら層とは異なる他の層を設けた4層構成(他の層/塩化ビニル樹脂層/中間層/粘接着層)、塩化ビニル樹脂層の両面に、中間層と粘接着層を有している5層構成(粘接着層/中間層/塩化ビニル樹脂層/中間層/粘接着層)等が挙げられる。
上記積層体の各層の厚み比としては特に制限されないが、得られる積層体の耐久性、取り扱い性および柔軟性から、塩化ビニル樹脂層/粘接着層=1/1000〜1000/1の範囲であることが好ましく、1/200〜200/1の範囲であることがより好ましい。また、塩化ビニル樹脂層/中間層=1/1000〜1000/1の範囲であることが好ましく、1/1〜100/1の範囲であることがより好ましい。
上記積層体を製造する際は、例えば、塩化ビニル樹脂層、中間層、および粘接着層をそれぞれ形成したのちラミネーション法等によりそれらを貼り合わせてもよいし、塩化ビニル樹脂層の上に、順に、中間層、粘接着層を形成してもよい。また、塩化ビニル樹脂層、中間層、および粘接着層を共押出することにより層構造を一度に形成して、例えば共押出フィルムまたは共押出シート等として積層体を製造してもよい。
本発明の積層体においては、塩化ビニル樹脂層と中間層、および中間層と塩化ビニル樹脂層との密着力をそれぞれ高めるために、塩化ビニル樹脂層または中間層の表面にコロナ放電処理やプラズマ放電処理等の表面処理を予め施してもよい。また、上記塩化ビニル樹脂層または中間層の少なくとも一方の表面に、粘接着性を有する樹脂等を用いてアンカー層を形成してもよい。
かかるアンカー層に用いる樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ブロック共重合体(例えば、SIS、SBS等のスチレン系トリブロック共重合体、およびジブロック共重合体等)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。上記アンカー層は一層であってもよく、二層以上であってもよい。
アンカー層を形成させる場合、その方法は特に制限されず、例えば、上記塩化ビニル樹脂層に上記樹脂を含む溶液を塗工してアンカー層を形成させる方法、アンカー層となる上記樹脂等を含む組成物を加熱溶融してTダイ等により上記塩化ビニル樹脂層表面にアンカー層を形成させる方法等が挙げられる。
また、アンカー層を形成させる場合、塩化ビニル樹脂層、アンカー層となる上記樹脂、中間層、および粘接着層とを共押出して塩化ビニル樹脂層表面にアンカー層、中間層および粘接着層とを一体積層してもよく、塩化ビニル樹脂層表面にアンカー層となる樹脂、中間層となる成分、粘接着剤とを順次積層してもよい。
本発明の積層体は種々の用途に粘接着製品として適用できる。例えば、表面保護等の保護用、マスキング用、結束用、包装用、事務用、ラベル用、装飾・表示用、接合用、ダイシングテープ用、シーリング用、防食・防水用、医療・衛生用、ガラス飛散防止用、電気絶縁用、電子機器保持固定用、半導体製造用、光学表示フィルム用、粘接着型光学フィルム用、電磁波シールド用、または電気・電子部品の封止材用の粘接着テープ、フィルムまたはシート等が挙げられる。以下、具体例を挙げる。
表面保護用の粘接着テープまたは粘接着フィルム等は、金属、プラスチック、ゴム、木材等種々の材料に使用でき、具体的には塗料面、金属の塑性加工や深絞り加工時、自動車部材、光学部材の表面保護のために使用できる。該自動車部材としては、塗装外板、ホイール、ミラー、ウィンドウ、ライト、ライトカバー等が挙げられる。該光学部材としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の各種画像表示装置;偏光フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板、DVD等の光ディスク構成フィルム;電子・光学用途向け精密ファインコート面板等が挙げられる。
マスキング用の粘接着テープや粘接着フィルム等の用途としては、プリント基板やフレキシブルプリント基板の製造時のマスキング;電子機器でのメッキやハンダ処理時のマスキング;自動車等車両の製造、車両・建築物の塗装、捺染、土木工事見切り時のマスキング等が挙げられる。
結束用途としては、ワイヤーハーネス、電線、ケーブル、ファイバー、パイプ、コイル、巻線、鋼材、ダクト、ポリ袋、食品、野菜、花卉等が挙げられる。
包装用途としては、重量物梱包、輸出梱包、段ボール箱の封緘、缶シール等が挙げられる。
事務用途としては、事務汎用、封緘、書籍の補修、製図、メモ用等が挙げられる。
ラベル用途としては、価格、商品表示、荷札、POP、ステッカー、ストライプ、ネームプレート、装飾、広告用等が挙げられる。
上記ラベルとしては、経時的な変色が少ないため、サーマルラベルに好適に用いることができる。
上記ラベルの被着体としては、プラスチックボトル、発泡プラスチック製ケース等のプラスチック製品;ダンボール箱等の紙製・ダンボール製品;ガラス瓶等のガラス製品;金属製品;セラミックス等その他の無機材料製品等が挙げられる。
本発明の積層体からなるラベルは、製造後の凝集力の低下が少なく、使用後に糊残りなく剥がすことができる。
装飾・表示用途としては、危険表示シール、ラインテープ、配線マーキング、蓄光テープ、反射シート等が挙げられる。
粘接着型光学フィルム用途としては、例えば偏光フィルム、偏光板、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、アンチグレアフィルム、カラーフィルター、導光板、拡散フィルム、プリズムシート、電磁波シールドフィルム、近赤外線吸収フィルム、機能性複合光学フィルム、ITO貼合用フィルム、耐衝撃性付与フィルム、輝度向上フィルム、視認性向上フィルム等の片面若しくは両面の少なくとも一部または全部に粘接着層を形成した光学フィルム等が挙げられる。かかる粘接着型光学フィルムは、上記光学フィルムの表面保護のために用いられる保護フィルムに本発明の積層体を有するフィルムを含む。粘接着型光学フィルムは、液晶表示装置、PDP、有機EL表示装置、電子ペーパー、ゲーム機、モバイル端末等の各種画像表示装置に好適に用いられる。
電気絶縁用途としては、コイルの保護被覆または絶縁、モータ・トランス等の層間絶縁等が挙げられる。
電子機器保持固定用途としては、キャリアテープ、パッケージング、ブラウン管の固定、スプライシング、リブ補強等が挙げられる。
半導体製造用としては、シリコーンウエハーの保護用等が挙げられる。
接合用途としては、各種接着分野、自動車、電車、電気機器、印刷版固定、建築、銘板固定、一般家庭用、粗面、凹凸面、曲面への接着用等が挙げられる。
シーリング用途としては、断熱、防振、防水、防湿、防音または防塵用のシーリング等が挙げられる。
防食・防水用途としては、ガス、水道管の防食、大口径管の防食、土木建築物の防食等が挙げられる。
医療・衛生用途としては、鎮痛消炎剤(プラスター、パップ)、虚血性心疾患治療剤、女性ホルモン補充剤、気管支拡張剤、癌性疼痛緩和剤、禁煙補助剤、感冒用貼付剤、鎮痒パッチ、角質軟化剤等の経皮吸収薬用途;救急絆創膏(殺菌剤入り)、サージカルドレッシング・サージカルテープ、絆創膏、止血絆、ヒト排泄物処理装着具用テープ(人工肛門固定テープ)、縫合用テープ、抗菌テープ、固定テーピング、自着性包帯、口腔粘膜貼付テープ、スポーツ用テープ、脱毛用テープ等種々のテープ用途;フェイスパック、目元潤いシート、角質剥離パック等の美容用途;冷却シート、温熱カイロ、防塵、防水、害虫捕獲用等が挙げられる。
電子・電気部品の封止材用途としては、液晶モニター、太陽電池等が挙げられる。
以下に本発明を実施例などに基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例の各種物性は以下の方法によって測定または評価した。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)の測定
GPCにより標準ポリスチレン換算の分子量として求めた。
・ 装置:東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8020」
・ 分離カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
・ 溶離剤:テトラヒドロフラン
・ 溶離剤流量:1.0ml/分
・ カラム温度:40℃
・ 検出方法:示差屈折率(RI)
(2)各重合体ブロックの含有量の測定
プロトン核磁気共鳴分光法(1H−NMR)によって求めた。
・装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「JNM−ECX400」
・溶媒:重水素化クロロホルム
1H−NMRスペクトルにおいて、3.6ppm、3.7ppmおよび4.0ppm付近のシグナルは、それぞれ、メタクリル酸メチル単位のエステル基(−O−C 3 )、アクリル酸メチル単位のエステル基(−O−C 3 )およびアクリル酸n−ブチル単位のエステル基(−O−C 2 −CH2−CH2−CH3)に帰属され、これらの積分値の比から各モノマー単位のモル比を求め、これをモノマー単位の分子量をもとに質量比に換算することによって各重合体ブロックの含有量を求めた。
(3)可塑剤耐性
後述の合成例で製造したアクリル系ブロック共重合体およびメタクリル系樹脂を200℃にて熱プレス成形し、200mm×200mm×厚さ1mmのプレスシートを作成した。得られたプレスシートおよび、ポリエチレンテレフタレートフィルム(株式会社三菱ケミカルホールディングス製ダイアホイルS100、厚さ0.3mm)を、直径13mmの円盤状に打ち抜き、それを試験片とした。まず、前記試験片の質量を測定し、これを浸漬試験前の質量(W1)とした。次に、その試験片を65℃に保った可塑剤に24時間浸漬した後、その試験片を取り出して表面に付着している可塑剤を拭き取った。この試験片の質量を測定し、これを浸漬試験後の質量(W2)とした。そして、前記W1およびW2から、浸漬試験による質量変化率(W2−W1)/W1を百分率として求めた。前記可塑剤としては、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)およびトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)を使用した。
(4)弾性率(貯蔵引張弾性率)
後述の合成例で製造したアクリル系ブロック共重合体およびメタクリル系樹脂をトルエンに溶解して30質量%濃度のトルエン溶液を作製し、溶液キャスト法により0.3mm厚のシートを得た。得られたキャストシートおよび、ポリエチレンテレフタレートフィルム(株式会社三菱ケミカルホールディングス製ダイアホイルS100、厚さ0.3mm)を、長さ20mm×幅5mmの短冊形状に打ち抜いて試験片を作成し、以下の条件にて引張り振動での動的粘弾性を測定し、20℃における弾性率(貯蔵引張弾性率)の値を得た。
・ 装置:広域動的粘弾性測定装置(強制振動 非共振法)
株式会社レオロジ製「PVE−V4 FTレオスペクトラー」
・ 振動数:11Hz
・ 振動モード:引張り振動
・ 測定温度範囲:−50℃〜200℃
・ 昇温速度:3℃/分
・ 歪:0.3%
(5)接着力の経時変化
後述の合成例で製造したアクリル系ブロック共重合体および粘着付与樹脂を表3「粘接着層」の配合比によりトルエンに溶解し、40質量%のトルエン溶液を作製した。これをコーターによって離型フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスA43、厚さ50μm)上に乾燥後の厚さが25μmになるようにコーティングを行った後、該フィルムを60℃、30分で乾燥・熱処理した(i)。また、後述の合成例で製造したアクリル系ブロック共重合体およびメタクリル系樹脂を表3「中間層」の配合比によりトルエンに溶解し、40質量%のトルエン溶液を作製した。これをコーターによって塩化ビニル系重合体シート(アズワン製ビニールフィルムシート、0.8mm厚、可塑剤としてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)を使用)上に乾燥後の厚さが15μmになるようにコーティングを行った後、該フィルムを60℃、30分で乾燥・熱処理した(ii)。また、ポリエチレンテレフタレートフィルム(株式会社三菱ケミカルホールディングス製ダイアホイルS100、厚さ25μm)と上記塩化ビニル系重合体シートをハンドローラーで2往復することで貼り合わせた(iii)。(i)と、(ii)または(iii)をハンドローラーで2往復することで貼り合わせた後、幅25mm、長さ100mmに切り出し、離型フィルムを剥がし、ステンレス(SUS304)板(ブライトアニール処理品)に2kgのローラーを10mm/秒の速度で2往復させて貼り付けた。これを室温にて1日および7日間保管後、23℃において300mm/分の速度で180°の方向に剥離して測定し、その変化率:(7日後の接着力)/(1日後の接着力)を百分率として求めた。
実施例および比較例で使用したアクリル系トリブロック共重合体(I−1)〜(I−3)および(II−1)〜(II−2)、ならびにメタクリル系樹脂(III−1)は、以下の合成例1〜6の方法で合成した。
《合成例1》[アクリル系トリブロック共重合体(I−1)の合成]
(1)2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン937gと1,2−ジメトキシエタン49.7gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム16.0mmolを含有するトルエン溶液31.8gを加え、さらにsec−ブチルリチウム6.40mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液3.76gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル51.2gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル161gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル113gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノール13.2gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。その後、液状沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−1)300gを得た。
《合成例2》[アクリル系トリブロック共重合体(I−2)の合成]
(1)2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン938gと1,2−ジメトキシエタン48.9gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム15.8mmolを含有するトルエン溶液31.3gを加え、さらにsec−ブチルリチウム6.30mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液3.70gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル50.4gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル199gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル75.6gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノール13.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。その後、液状沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−2)300gを得た。
《合成例3》[アクリル系トリブロック共重合体(I−3)の合成]
(1)2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン945gと1,2−ジメトキシエタン39.0gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム12.6mmolを含有するトルエン溶液25.0gを加え、さらにsec−ブチルリチウム5.02mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液2.95gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル90.4gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル120gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル114gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノール10.4gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。その後、液状沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−3)300gを得た。
《合成例4》[アクリル系トリブロック共重合体(II−1)の合成]
(1)2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン936gと1,2−ジメトキシエタン51.4gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム16.5mmolを含有するトルエン溶液32.9gを加え、さらにsec−ブチルリチウム6.62mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液3.88gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル52.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル226gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル46.2gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノール13.7gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。その後、液状沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(II−1)300gを得た。
《合成例5》[アクリル系トリブロック共重合体(II−2)の合成]
(1)2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン939gと1,2−ジメトキシエタン21.8gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム16.3mmolを含有するトルエン溶液32.4gを加え、さらにsec−ブチルリチウム2.90mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液1.70gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル29.0gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル240gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル41.0gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノール10.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。その後、液状沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(II−2)280gを得た。
《合成例6》[メタクリル系樹脂(III−1)の合成]
(1)2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン936gと1,2−ジメトキシエタン51.4gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム16.5mmolを含有するトルエン溶液32.9gを加え、さらにsec−ブチルリチウム6.62mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液3.88gを加えた。
(2)続いて、重合液の内部温度を20℃に保ちつつメタクリル酸メチル325gを滴下した。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて一晩攪拌後には無色となった。
(3)メタノール13.7gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。その後、液状沈殿物を回収し、乾燥させることにより、メタクリル系樹脂(III−1)300gを得た。
(4)得られたメタクリル系樹脂についてGPC測定を行った結果、重量平均分子量は60,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.2であった。
上記合成例1〜5で得たアクリル系トリブロック共重合体(I−1)〜(I−3)および(II−1)〜(II−2)のブロック構造、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)、各重合体ブロックの含有量、重合体ブロック(B)および(D)の構成を表1に示す。
また、上記合成例1〜6で得たアクリル系トリブロック共重合体(I−1)〜(I−3)および(II−1)〜(II−2)、ならびにメタクリル系樹脂(III−1)とポリエチレンテレフタレートフィルム(株式会社三菱ケミカルホールディングス製ダイアホイルS100)について、上記した方法にて評価した可塑剤耐性(質量変化率)および室温での弾性率を表2に示す。
Figure 2019094401
Figure 2019094401
《実施例1〜5および比較例1〜4》
得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−1)〜(I−3)および(II−1)〜(II−2)、ならびにメタクリル系樹脂(III−1)とポリエチレンテレフタレートフィルム(株式会社三菱ケミカルホールディングス製ダイアホイルS100、厚さ25μm)を用い、上記した方法にて接着力の経時変化を評価した。
実施例では、粘着付与樹脂として、以下のものを使用した。
・商品名「YS resin SX100」ヤスハラケミカル株式会社製、芳香族炭化水素系樹脂
Figure 2019094401
表3の結果より、本発明の規定を満たすアクリル系トリブロック共重合体(I−1)〜(I−3)からなる中間層を有する実施例1〜5では、接着力の経時変化が小さく、塩化ビニル樹脂層中の可塑剤成分の移行が中間層により抑制されていることが伺える。一方、本発明の規定を満たさないアクリル系トリブロック共重合体(II−1)〜(II−2)からなる中間層を有する比較例1〜2では、接着力の低下が大きく塩化ビニル樹脂層中の可塑剤成分の移行による凝集力の低下が見られる。本発明の規定を満たさないメタクリル系樹脂(III−1)およびポリエチレンテレフタレートからなる中間層を有する比較例3および4では、塩化ビニル樹脂層と中間層との接着力が弱いために層間で剥離が起き被着体側への転写が発生し、中間層として適さないことが分かる。また、メタクリル系樹脂(III−1)およびポリエチレンテレフタレートは表2の結果より室温での弾性率が高いため、得られる積層体の柔軟性・曲面への追従性に劣ることが伺われる。
本発明の塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間に中間層を有する積層体は、塩化ビニル樹脂層の移行性の成分が粘接着層に移行しないため、凝集力が低下し剥離が起きるといった不具合が発生しない。また、曲面への追従性、積層体の柔軟性に優れ、製造時の加工性にも優れる。また、本発明により、これらの物性に優れた粘接着製品を提供することができる。

Claims (6)

  1. 塩化ビニル樹脂層と粘接着層との間にアクリル系ブロック共重合体(I)を含有する中間層を有し、
    該アクリル系ブロック共重合体(I)が、
    メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)とを有し、重量平均分子量が30,000〜300,000であるアクリル系ブロック共重合体(I)であって、アクリル系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)の含有量が35質量%以上である、積層体。
  2. 上記粘接着層が、アクリル系ブロック共重合体(II)を含有し、該アクリル系ブロック共重合体(II)が、
    メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(C)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(D)とを有し、重量平均分子量が30,000〜300,000であるアクリル系ブロック共重合体(II)であって、アクリル系ブロック共重合体(II)における重合体ブロック(C)の含有量が35質量%未満である、請求項1に記載の積層体。
  3. 上記アクリル系ブロック共重合体(I)からなる1mm厚、直径13mmの試験片をトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)に浸漬し、65℃で24時間保管前後の質量変化率が、80%以下である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 上記粘接着層が粘着付与樹脂および/または可塑剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 上記重合体ブロック(B)がアクリル酸n−ブチルからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を有する粘接着製品。
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