JP5836783B2 - 電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法及びシステム - Google Patents

電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法及びシステム Download PDF

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本発明は、電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法及び水添脱硫システムに関し、より詳しくは、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、電気脱イオン式水処理装置から排出される水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用する電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法、そのための水添脱硫システム及び、その水添脱硫システムを備える燃料電池システムに関する。
水素製造用水蒸気改質プロセスでは、通常、原料ガスの脱硫、水蒸気改質、CO変成の3つのプロセスで構成されている。固体高分子形燃料電池(PEFC)の燃料である水素ではCO濃度をさらに数ppmレベルにまで低減する必要があり、CO変成器に続きCO除去器(CO選択酸化器)が必要である。水蒸気改質には水蒸気改質用の触媒が必要であるが、その触媒である水蒸気改質触媒は硫黄分に弱く、硫黄化合物により被毒して性能劣化を来たしてしまう。
そのため、改質ガス製造用の原料ガス、すなわち都市ガスや天然ガスなどの改質用炭化水素系燃料中の硫黄化合物は改質部に導入する前に除去する必要があり、硫黄化合物を除去するために脱硫器にかけられる。水素製造装置を連結したPEFCシステムに脱硫器を配置した態様では、上流側から順次、脱硫器、改質器、CO変成器、CO除去器、PEFCが配置され、CO除去器を経た改質ガスがPEFCに供給される。
図1はPEFCシステムを実機として構成する場合の態様例を説明する図である。図1のとおり、脱硫器、改質器、CO変成器、CO除去器、PEFCスタックに加え、関連する各種配管、ポンプ類などの補機類が必要である。特に家庭用等に供される小型実用機では起動−停止を繰り返しながら数年、あるいは10年というように長期間にわたり運転される。また、実機用の脱硫器についても、長期間にわたり脱硫性能を維持し、再生や交換が必要でないか可及的に少ないことが望まれる。なお、PEFCは燃料極−電解質膜(固体高分子膜)−空気極の3層構造で構成されるが、図1では電解質膜の記載は省略している。電力は燃料極及び空気極の両極側から取り出される。
都市ガスや天然ガスなどの原料ガスから硫黄分を除去する脱硫方式には酸化亜鉛方式、水添脱硫方式、あるいは吸着方式などがある。そのうち水添脱硫方式においては、Co−Mo系やNi−Mo系の水添脱硫触媒を用いてCOSやメルカプタン類やDMS等のサルファイド類やチオフェン類などの硫黄化合物をすべて硫化水素に転化させる必要があり、さらに、硫化水素を酸化亜鉛(ZnO)や酸化鉄を用いて除去する必要がある。
一方、電気脱イオン式水処理装置は、電流により水中のイオンを連続的に処理する装置であるが、副生成物として水の電気分解による微量の水素および酸素が発生する。そのように発生する水素および酸素を処理する従来技術としては、特許文献1に記載のように、水素と酸素を触媒上で反応させて水に戻す方法がある。
しかし、これまで、その副生水素および/または酸素を、燃料電池システムにおいて利用する提案はなされていない。
特開平04−166215号公報 特開平11−253742号公報 特開2010−058995号公報
図2は、電気脱イオン式水処理装置の1例として特許文献1に記載の装置を説明する図で、縦断面図として示されている。なお、電気脱イオン式水処理装置が半導体製造工業、製薬工業、あるいは食品工業などで必要な脱イオン水を製造するのに使用される場合には「電気脱イオン式水製造装置」と呼ばれている。
図2のとおり、カチオン交換膜1およびアニオン交換膜2を離間して交互に配置し、カチオン交換膜1とアニオン交換膜2との間で形成される空間内に1つおきにアニオン交換樹脂3とカチオン交換樹脂4を積層させて脱塩室5とする。なお、当該脱塩室5のそれぞれの隣に位置するアニオン交換膜2で形成され、イオン交換樹脂を充填していない部分は後述するごとく濃縮水を流すべき濃縮室6とする。
また、両端に陰極7と陽極8を配置し、両端の濃縮室6に必要に応じカチオン交換膜、アニオン交換膜あるいは隔膜等の仕切膜9を配設し、当該仕切膜9で仕切られた両電極7および8が接触する部分をそれぞれ陰極室10および陽極室11とする。このような電気脱イオン式水処理装置によって脱イオン水を製造する場合、以下のように操作される。
すなわち、陰極7と陽極8間に直流電流を通じ、被処理水流入口Aから被処理水を流入させるとともに、濃縮水流入口Bから濃縮水を流入させ、かつ、電極水流入口CおよびDからそれぞれ電極水を流入させる。被処理水流入口Aから流入した被処理水は、実線で示した矢印のごとく各脱塩室5に流入、流下し、各イオン交換樹脂の充填層を通過する際に不純物イオンが除かれ、脱イオン水が脱イオン水流出口aから得られる。
また、濃縮水流入口Bから流入した濃縮水は点線矢印で示したごとく、各濃縮室6を流下し、両イオン交換膜を介して移動してくる不純物イオンを受け取り、不純物イオンを濃縮した濃縮水として濃縮水流出口bから流出する。さらに、電極水流入口CおよびDから流入した電極水は、それぞれ電極水流出口cおよびdから流出する。
そのように、電気脱イオン式水処理装置は、電気の力により水中のイオンを連続的に処理できる装置であるが、副生物として水の電解による微量の水素および酸素が、それぞれ、陰極および陽極の濃縮水中に発生する。このため、燃料電池システムにおいて電気脱イオン式水処理装置を用いるためには、副生物である水素が可燃範囲とならないようにする工夫や定期点検時に可燃ガスとして検出されないような工夫が必要である。
電気脱イオン式水処理装置の陰極で発生する微量水素を処理する従来技術としては、水素と酸素を触媒上で反応させて水に戻す方法(特許文献1)があるが、これまでのところ、水素自体の有効利用、処理方法に関する検討は行われていない。
そこで、本発明は、電気脱イオン式水処理装置の陰極で発生する微量水素を有効利用する電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法、水添脱硫システム及びその水添脱硫システムを有する燃料電池システムを提供することを目的とする。
より詳しくは、PEFCシステム等の燃料電池システムにおいて、電気脱イオン式水処理装置から排出される副生水素を水添脱硫に用いることで、水素の処理不要化によるシステムフローの簡素化や、低湿水素による脱硫剤選定候補の多様化を実現する電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法、そのための水添脱硫システム及びその水添脱硫システムを有する燃料電池システムを提供することを目的とするものである。
本発明(1)は、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、前記排出水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用することを特徴とする電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法である。
本発明(2)は、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、前記排出水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用するようにしてなることを特徴とする電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムである。
本発明(3)は、電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムを備える燃料電池システムであって、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、前記排出水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用するようにしてなることを特徴とする電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムを備える燃料電池システムである。
本発明(1)の電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法、本発明(2)の電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システム、本発明(3)の電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムを備える燃料電池システムによれば、電気脱イオン式水処理装置の副生水素の処理を不要化し、システムフローを簡素化することができる。
(1)水添脱硫剤は、一般的に、硫黄化合物を含む被処理ガス中の水分(湿分)が多いと吸着性能が落ちることが知られている(特許文献2:特開平11−253742号公報)。このため、硫黄化合物を含む被処理ガス中の湿分は少ない方がよいが、電気脱イオン式水処理装置で発生する副生水素は、従来燃料電池システムで水添脱硫用水素として使用することが考えられている改質ガス(特許文献3)と比較して湿分が少ないので、脱硫剤スルーの硫黄濃度すなわち、脱硫剤に吸着されずに通過する硫黄濃度を低減することができる。
(2)また、脱硫剤としては、亜鉛系酸化物、銅系酸化物および鉄系酸化物などが知られている。それらのうち、より安価である鉄系酸化物は、脱硫剤スルーの硫黄濃度が高く(すなわち脱硫剤に吸着されずに通過する硫黄濃度が高く)、燃料電池システムなど、高い脱硫性能が必要なところでは使用されにくい。しかし、本発明のように電気脱イオン式水処理装置からの湿分の低い副生水素を使用し利用することにより、脱硫剤の選定候補を多様化することができる。
(3)本発明のように、水処理方式として電気脱イオン式水処理装置を使用し、脱硫方式として水添脱硫を用いることにより、電気脱イオン式水処理装置及び水添脱硫装置の両者とも定期メンテナンスが不要となるため、メンテナンスコストの低減に寄与することができる。また、水素(H2)処理の不要化によるシステムフローの簡素化によるイニシャルコストを低減させ、脱硫剤をスルーするH2S濃度を低減させ、さらには、鉄系酸化物の使用による脱硫剤選定候補の多様化にも寄与することができる。
(4)ここで、上記脱硫剤との関係では、脱硫剤としては、亜鉛系酸化物、銅系酸化物および鉄系酸化物などが知られているが、そのうち安価な鉄系酸化物は脱硫剤スルー硫黄濃度が高く、燃料電池システムなど、高い脱硫性能が必要なところでは使用されにくい。しかし、本発明のように電気脱イオン式水処理装置からの湿分の低い副生水素を用いることにより適応できることから、脱硫剤の選定候補の多様化が期待できる。
(5)本発明によると、前述のとおり、PEFC等の燃料電池システムにおいて、電気脱イオン式水処理装置から排出される副生水素を水添脱硫に用いることで、水素の処理を不要化でき、システムフローを簡素化することができる。また、従来、燃料電池システムにおいて水添脱硫用水素ガスとして使用することが考えられている改質ガスと比較し、本発明によると、湿分の低い水素ガスを水添脱硫剤に供給できる。
図1はPEFCシステムを実機として構成する場合の態様例を説明する図である。 図2は電気脱イオン式水処理装置の例として特許文献1に記載の装置を説明する図である。 図3は図2に示す電気脱イオン式水処理装置からの電極水の水素を利用する態様を説明する図である。 図4は電気脱イオン式水処理装置の例として“電極水”と“濃縮水”を分けないか態様の燃料電池システムを使用する態様の装置を説明する図である。 図5は図4に示す電気脱イオン式水処理装置からの濃縮水の水素を利用する態様を説明する図である。
本発明(1)は、電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法である。そして、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、前記排出水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用することを特徴とする。
本発明(2)は、電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムである。そして、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、前記排出水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用するようにしてなることを特徴とする。
本発明(3)は、電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムを備える燃料電池システムである。そして、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、前記排出水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用するようにしてなることを特徴とする。
〈本発明の基本的態様〉
本発明は、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおける、(1)燃料電池の原料ガスの電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法、(2)燃料電池の原料ガスの電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システム、および、(3)燃料電池の原料ガスの電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムを備える燃料電池システムである。
そして、前記電気脱イオン式水処理装置からの水素含有濃縮水(または水素含有電極水)と酸素含有濃縮水(または酸素含有電極水)を別々に排出し、そのうち水素含有濃縮水(または水素含有電極水)の気液分離により、水素を分離し、分離水素を水添脱硫に用いることより水素の処理を不要化するとともに、水素を分離したドレン水を燃料電池システム内の他のドレン水とともにポンプで汲み上げ、電気脱イオン式水処理装置に供給することでシステムフローを簡素化するものである。
〈本発明の態様例1〉
図2〜3は本発明に係る電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムの態様例1を説明する図である。本態様で使用する電気脱イオン式水処理装置は、その例として図2に示す態様のもののほか、図4に示す態様など、各種態様の電気脱イオン式水処理装置を使用することができる。図2に示す態様は、濃縮水の流路のほかに、電極水の流路を備える態様である。
図2〜3において、電気脱イオン式水処理装置を作動すると、水素含有電極水と酸素含有電極水が生成する。水素含有電極水はドレンポットへ送り、気液分離する。ドレンポットで分離された気体である水素ガスは逆流防止対策としての逆流防止弁等を経て水添脱硫器へ送り、原料ガス(都市ガス、天然ガス、等)の水添脱硫用の水素として利用する。脱硫済み原料ガスは水蒸気改質器へ導入されて改質される。改質ガスはCO変成器、CO除去器(=CO選択酸化器)を経てPEFCへ送られ、PEFCでの発電用燃料として使用される。
〈本発明の態様例2〉
図4〜5は本発明に係る電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムの態様例2を説明する図である。本態様で使用する電気脱イオン式水処理装置は、図4に示すとおりである。
図2では“電極水”と“濃縮水”が別々の経路となっているが、図4では“電極水”と“濃縮水”を別々の経路とせず、これらの経路を分けないこと前提とし、“濃縮水”の出口と図2で云う“電極水”の入口をつなぐ。図2で示してある“電極水”を“濃縮水”と分けない、つまり流路を連結して分けないので、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムを簡素化することができる。
図4〜5において、電気脱イオン式水処理装置を作動すると、水素含有電極水と酸素含有電極水が生成する。水素含有電極水はドレンポットへ送り、気液分離する。ドレンポットで分離された気体である水素ガスは逆流防止対策としての逆流防止弁等を経て水添脱硫器へ送り、原料ガス(都市ガス、天然ガス、等)の水添脱硫用の水素として利用する。脱硫済み原料ガスは水蒸気改質器へ導入されて改質される。改質ガスはCO変成器、CO除去器(=CO選択酸化器)を経てPEFCへ送られ、PEFCでの発電用燃料として使用される。
ドレンポットで分離された液体であるドレン水はドレンタンクへ送り、また電気脱イオン式水処理装置からの酸素含有電極水はそのままドレンタンクへ送られる。本態様に係る電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、ドレンタンク中のドレン水をポンプで汲み上げ、電気脱イオン式水処理装置で処理し、処理水を燃料処理装置(水蒸気改質器)やPEFCスタック等の燃料電池スタックに供給する。
また、前述のとおり、図3に示す例では、陰極側の水素含有電極水はドレンタンクへ戻しているが、水自立が可能であれば(すなわち、電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システム内で生成した水で、当該燃料電池システム内で使用する水を賄えるのであれば)、システム外へ排出することもできる。
電気脱イオン式水処理装置でのイオン交換樹脂の配置態様としては、図2、図4に示す態様のほか、左右のイオン交換膜間に、(1)カチオン交換樹脂のみを配置してカチオンだけ除去する態様、(2)アニオン交換樹脂のみを配置してアニオンだけ除去する態様、(3)カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをブレンド状態で充填してカチオンとアニオンを除去する態様その他、各種態様で構成されるが、本発明はそれらいずれの態様の場合についても適用される。
図2において、濃縮水B、電極水C、電極水Dとしては通常脱イオン水aの一部が使用される。この点、図2に対応する図3中の電気脱イオン式水処理装置についても同様である。また、図4において、濃縮水Bとしては通常脱イオン水aの一部が使用される。この点、図4に対応する図5中の電気脱イオン式水処理装置についても同様である。
以下、実施例を基に本発明をさらに詳しく説明するが、本発明が実施例に限定されないことはもちろんである。
水添脱硫方式では、都市ガス中の硫黄成分が、下記式(1)の反応でH2Sになり、下記式(2)のように脱硫剤(ZnO、Fe34など)と反応することにより、化学吸着される。したがって、都ガス中に含まれる硫黄成分に対して、電気脱イオン式水処理装置から発生する副生水素が、十分な量を有することを示す。
Figure 0005836783
まず、電気脱イオン式水処理装置から副生される水素量を示す。この水素量は、印加電流によって、下記のように導かれて算出される。ここでは、印加電流の値を、NEDOの「家庭用燃料電池システム関連補機類の共通仕様リストp.28」で「目標消費電力が3[W]、電圧が24±10%[V]となっていることから、3[W]×24[V]=0.125[A]となり、0.125[A]と設定する。
電気脱イオン式水処理装置の印加電流が0.125[A]のとき、1分間で流れる電子は、0.125[A]×60[sec]=7.5[C]となる。(定義:1C=1A×1secであるから)
水分解反応では、陰極で(3)式、および、陽極で(4)式に示した電子の移動が起こる。
Figure 0005836783
(3)式より、電子1molの移動に伴い、1/2molのH2が発生する。よって、このとき発生する1分間当たりの水素量は、下記式のとなる(ファラデー定数=96500[C/mol])。すなわち、3.9×10-5[mol/min]の水素が発生する。
Figure 0005836783
一方、都市ガス中に含まれる硫黄成分を、一般的な値として5[mg/m3](=1.56×10-7)mol/L])と設定する。
また、都市ガス流量を、家庭用燃料電池システムの定格運転時(750W)を想定して3[L/min]とすると、脱硫装置に流入する1分間当たりの硫黄量は、
Figure 0005836783
となる。すなわち、4.7×10-7[mol/min]の硫黄が発生する。
したがって、都市ガス中に含まれる硫黄成分4.7×10-7[mol/min]に対し、約100倍の水素(3.9×10-5[mol/min])を供給できることになる。このように、式(1)の反応:H2+RS→H2S+RHは十分に進行するため、燃料電池システムにおいて脱硫方法及び脱硫システムとして適用できるものである。
前述のとおり、水添脱硫方式においては、都市ガス中の硫黄成分が(1)の反応でH2Sになり、(2)のように脱硫剤(ZnO、Fe34など)と反応することにより化学吸着される。上記のとおり、都ガス中に含まれる硫黄成分に対して、電気脱イオン式水処理装置から発生する副生水素が、十分な量を有することが明らかである。
1 カチオン交換膜
2 アニオン交換膜
3 アニオン交換樹脂
4 カチオン交換樹脂
5 脱塩室
6 濃縮室
7 陰極
8 陽極
9 仕切膜
10 陰極室
11 陽極室
A 被処理水入口
a 脱イオン水流出口
B 濃縮水流入口
b 濃縮水流出口
C 電極水流入口
c 電極水流出口
D 電極水流入口
d 電極水流出口

Claims (3)

  1. 電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、
    前記燃料電池システムは、水素を含む水素含有電極水を気液分離するドレンポットをさらに備え、前記ドレンポットにより、前記電気脱イオン式水処理装置から排出される前記水素含有電極水を気液分離し、分離した水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用することを特徴とする電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫方法。
  2. 電気脱イオン式水処理装置を備える燃料電池システムにおいて、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、
    前記燃料電池システムは、水素を含む水素含有電極水を気液分離するドレンポットをさらに備え、前記ドレンポットにより、前記電気脱イオン式水処理装置から排出される前記水素含有電極水を気液分離し、分離した水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用するようにしてなることを特徴とする電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システム。
  3. 電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムを備える燃料電池システムであって、前記電気脱イオン式水処理装置において副生成物として発生する水素および酸素を当該電気脱イオン式水処理装置から別々のラインから排出し、
    水素を含む水素含有電極水を気液分離するドレンポットをさらに備え、前記ドレンポットにより、前記電気脱イオン式水処理装置から排出される前記水素含有電極水を気液分離し、分離した水素を改質ガス生成用原料ガスの水添脱硫用の水素に利用するようにしてなることを特徴とする電気脱イオン式水処理装置の副生水素による水添脱硫システムを備える燃料電池システム。
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