JP2011054451A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】再生式水処理装置を用いた燃料電池システムにおいて水自立を容易にする。
【解決手段】燃料電池システムに、改質器6に供給する純水を貯える純水タンク63と、電池本体2から排出されるガスを凝縮した凝縮水を貯える凝縮水タンク61と、凝縮水タンク61に貯えられた凝縮水のうち所定の水位を超えた量を排出するオーバーフロー管34とを備えたタンク60と、水から不純物を取り除いた純水と不純物が濃縮された濃縮水とに分離して純水を純水配管46を介して純水タンク63に排出する再生式水処理装置41と、凝縮水タンク61に貯えられた水を再生式水処理装置に送出する水処理循環ポンプと、濃縮水を再生式水処理装置41から凝縮水タンク61に排出する濃縮水配管45と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理装置を用いた燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜を挟んで燃料極であるアノード側電極と酸化剤極であるカソード側電極を向い合わせた電池セルをセパレータで挟持した構造物を複数枚積層して構成されている。アノード電極側に供給された水素は、イオン化して固体高分子電解質膜内を流れる。カソード電極側に到達した水素は、酸素と反応して水を生成する。この際、外部に対して電気エネルギが得られる。
車載用などでは機動性を重視するため、通常、燃料には純水素を使用し、酸化剤には空気を用いたシステムが多い。ところが、定置用や家庭用になると、インフラの問題から燃料にはメタン成分の多い都市ガスやプロパンガスを使用するシステムが求められる。この場合は、燃料を水素に改質するために、燃料に水蒸気を混合して水素を生成させる燃料処理器を用いる方法が一般的である。
固体高分子型燃料電池は、電気エネルギの発生とともに、約100℃以下の排熱を生じる。これは、電池効率が100%にならない限り、つまり電池本体温度が周囲温度のままで発電が可能にならない限り、温度の高い電池温度から周囲温度への放熱が生じるからである。燃料を水素に改質するための燃料処理器においても、通常、改質器などの改質反応の加熱に燃焼器を使うため、燃焼排ガスや燃料処理器外部からの排熱が生じる。
このような熱を利用すれば、電気エネルギとのハイブリッド運転、すなわちコジェネレーション運転が可能となるため、非常に経済的でエネルギ効率の高い、地球環境に優しい運転が実現できる。近年、このような燃料電池システムを家庭に導入しようという開発活動が日本を中心に非常に高まっており、実用化は間近に来ている。地球温暖化を防止する方法として、二酸化炭素の排出量が少ないこのエネルギが脚光を浴び、その省エネルギー性や経済性に注目が集まっているためである。
燃料電池発電システムは、一般的に水処理システムを備えている(たとえば特許文献1参照)。この水処理システムは、電池冷却水および改質水を供給する。電池冷却水は、化学反応で発熱した燃料電池を通常動作温度に維持するために用いられる。改質水は、炭化水素系燃料を水蒸気改質するために用いられる。また、水処理システムは、最終的に大気へ排出するガスを冷却することにより得られる凝縮水を回収して燃料電池発電システムの系外からの補給水を少なくする、あるいは無くすことにより、システム効率を向上させることが求められる重要な構成機器の1つとなっている。
この水処理システムは、発電中、水中に溶出してくるイオン成分などの不純物およびその発生速度などを勘案し、燃料電池発電システムが安定運転可能な水質を維持できる構成となっている。水処理装置としては、デミネライザー樹脂を定期的に交換する非再生式、あるいは電気的に水処理交換膜や樹脂を再生する再生式(たとえば特許文献2参照)が一般的である。
特開2008−198400号公報 特開2007−54256号公報
水中に溶出してくる不純物の中には、イオン成分以外の粒子固体成分などが含まれており、その除去には、非再生式水処理装置がフィルターの効果を果たす。しかし、非再生式水処理装置に用いられる樹脂は、運転時間とともに吸着能力が低下する。また、粒子成分の溶出が無くならない限り、運転時間とともに、圧力損失が増加してくる問題が発生する。このため、非再生式水処理装置を用いると、定期的に樹脂を交換する必要が生じ、保守コストが大きくなる場合がある。
そこで、再生式水処理装置を用いることにより、樹脂の交換などの保守の削減、あるいはその頻度を低減することができる。しかし、再生式水処理装置においては、純水化された水とは別にイオン成分で濃縮された濃縮水が発生する。この濃縮水をシステム外に排水すると、システムの運転に必要な水が確保できなくなり、いわゆる水自立が困難になる問題が発生する。
そこで、本発明は、再生式水処理装置を用いた燃料電池システムにおいて水自立を容易にすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、燃料電池システムにおいて、純水を貯える純水タンクと、前記燃料電池本体から排出されるガスを凝縮した凝縮水を貯える凝縮水タンクと、前記凝縮水タンクに貯えられた凝縮水のうち所定の水位を超えた量を排出するオーバーフロー管とを備えたタンクと、前記純水タンクから純水を供給されて炭化水素系燃料を原燃料として水蒸気改質反応によって水素リッチガスを生成する燃料改質装置と、前記燃料改質装置から水素リッチガスを供給されて発電する燃料電池本体と、水を供給されてその水から不純物を取り除いた純水と前記不純物が濃縮された濃縮水とに分離して前記純水を前記純水タンクに排出する再生式水処理装置と、前記凝縮水タンクに貯えられた水を前記再生式水処理装置に送出する水処理循環ポンプと、前記再生式水処理装置から前記凝縮水タンクおよび前記オーバーフロー管のいずれかに前記濃縮水を排出する濃縮水配管と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、燃料電池システムにおいて、水を貯えるタンクと、前記タンクから純水を供給されて炭化水素系燃料を原燃料として水蒸気改質反応によって水素リッチガスを生成する燃料改質装置と、前記燃料改質装置から水素リッチガスを供給されて発電する燃料電池本体と、水を供給されてその水から不純物を取り除いた純水を前記タンクに排出する非再生式水処理装置と、前記タンクに貯えられた水を前記非再生式水処理装置に送出する水処理循環ポンプと、前記タンクと前記水処理循環ポンプの吸込側とを接続し、前記水処理循環ポンプの吐出側と前記非再生式水処理装置とを接続する第1の流路と、前記タンクと前記水処理循環ポンプの吐出側とを接続し、前記水処理循環ポンプの吸込側と前記非再生式水処理装置とを接続する第2の流路と、を切り替える前記水処理循環ポンプと前記非再生式水処理装置との間に設けられた四方弁と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、燃料電池システムにおいて、水を貯えるタンクと、前記タンクから純水を供給されて炭化水素系燃料を原燃料として水蒸気改質反応によって水素リッチガスを生成する燃料改質装置と、前記燃料改質装置から水素リッチガスを供給されて発電する燃料電池本体と、水を供給されてその水から不純物を取り除いた純水を前記タンクに排出する非再生式水処理装置と、正逆両方向に水を駆動可能であって、正方向に駆動すると前記タンクに貯えられた水を前記非再生式水処理装置に送出する水処理循環ポンプと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、再生式水処理装置を用いた燃料電池システムにおいて水自立が容易になる。
本発明に係る燃料電池システムの第1の実施の形態のブロック図である。 本発明に係る燃料電池システムの第1の実施の形態における再生式水処理装置の模式的断面図である。 本発明に係る燃料電池システムの第2の実施の形態における再生式水処理装置近傍のブロック図である。 本発明に係る燃料電池システムの第3の実施の形態における再生式水処理装置近傍の通常の運転時のブロック図である。 本発明に係る燃料電池システムの第3の実施の形態における再生式水処理装置近傍の逆洗時のブロック図である。 本発明に係る燃料電池システムの第4の実施の形態における非再生式水処理装置近傍のブロック図である。
本発明に係る燃料電池システムの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る燃料電池システムの第1の実施の形態のブロック図である。
本実施の形態の燃料電池システムは、燃料処理系と、電池本体2と、熱利用系36とを有している。燃料処理系および電池本体2の大部分は、1つのパッケージ16内に収められている。電池本体2は、CSA(Cell Stack Assembly)とも呼ばれる。熱利用系36は、電池本体2などからの排熱を貯える、たとえば貯湯タンクなどを備えている。
FPS(Fuel Processing System)とも呼ばれる燃料処理系は、燃料供給源3、脱硫器4、水蒸気発生器5、改質器6、COシフト反応器7、CO選択酸化器8、水蒸気分離器9、改質用水ポンプ11、排熱凝縮熱交換器81、排熱熱交換器82、タンク60を備えている。改質器6には、改質用燃焼器10が設けられている。燃料供給源3は、たとえばパッケージ16の外部に設けられて、都市ガスやプロパンなどの炭化水素系燃料を供給する。
電池本体2は、アノード極13、カソード極14を備えている。アノード極13とカソード極14とは、固体高分子電解質膜を挟んで設けられる。電池本体2には、電池本体2を冷却するための冷却流路70が形成されている。
たとえば都市ガスを燃料として使用する場合、燃料処理系は、都市ガスから水素ガスへの改質を行う。都市ガスは、燃料供給源3から、ブロワ31によって、弁20、脱硫器4、弁22を通過して、改質器6に送られる。都市ガスなどの燃料は、脱硫器4の内部で、たとえば活性炭やゼオライト吸着などによって硫黄分が取り除かれる。また、タンク60から改質用水ポンプ11によって送られた水は、水蒸気発生器5で加熱されてガス化する。水蒸気発生器5から水蒸気分離器9に送られた気体から水蒸気のみが抽出され、弁27を通過して、脱硫済の燃料ガスに合流する。水蒸気分離器9で分離された液体の水は、弁83を介してタンク60に送られる。改質器6の排気は、水蒸気発生器5に送られて水を加熱した後、タンク60に併設された排熱凝縮熱交換器81に送られ、その後排気される。
改質用燃焼器10によって改質器6の内部は加熱されており、吸熱反応である水蒸気改質反応が維持されている。改質用燃焼器10には、弁21を介して燃料供給源3から燃料が供給されるとともに、ブロワ26によって、弁25を介して、あるいはこの弁25を介さずに、空気などの酸素が供給される。また、改質用燃焼器10には、電池反応に用いられなかった水素を含有する電池本体2のアノード極13から排出されるガスが、逆止弁24を介して供給される。
改質器6では触媒により都市ガスと水蒸気の反応から、水素が生成するが同時にCOが生成される。固体高分子型燃料電池では、電池本体2の固体高分子電解質膜および触媒層から構成されるMEA(Membrane Electrode Assembly)でのCO被毒が問題となるため、COはCOへ酸化させる必要がある。このため、COシフト反応器7ではHOによるシフト反応を進める必要がある。また、CO選択酸化用空気ブロア18の空気供給により、CO選択酸化器8では触媒のCO被毒が発生しない程度に酸化反応を進める必要がある。また、改質器6を含めたこれらの触媒反応温度はそれぞれ異なり、改質器6の数百度からCO選択酸化器8の百数十度と、改質ガスの上流と下流の温度差が大きいため、下流側温度を下げるための水熱交換器を設けてもよい。
次に、各触媒での主なプロセス反応を以下に示す。たとえば、メタン成分が主体の都市ガス改質の場合、水蒸気改質反応は(1)式、COシフト反応は(2)式、CO選択酸化反応は(3)式のようになる。
CH+2HO→CO+4H …(1)
CO+HO→CO+H …(2)
2CO+O→2CO …(3)
CO選択酸化器8を通過した改質ガスは、主に水素、炭酸ガスおよび余った水蒸気などを含有する。これらのガスは、アノード極13に送り込まれる。アノード極13に送り込まれた水素ガスは、MEAの触媒層を経てプロトンHが電解質膜を通過し、カソード極用空気ブロア15によってカソード極14を通過する空気中の酸素および電子と結びついて水が生成される。したがって、アノード極13は−極、カソード極14は+極となり、電位を持って直流電圧を発電する。この電位間に電気負荷が接続されれば、本システムは電源としての機能を持つことになる。
発電に使われずに残ったアノード極13の出口ガスは、水蒸気加熱器5および改質器6の加熱用燃料ガスとして使われる。また、カソード極14の出口中の水蒸気および燃焼排気ガス中の水蒸気は、排熱凝縮熱交換器81により、水分が回収され、システムでの水自立が図られる。一方、電池本体2の排熱は、冷却流路70を通過する電池冷却水ポンプ29の循環ラインに配置された排熱熱交換器82によって熱回収される。温水循環ポンプ33の運転により、排熱凝縮熱交換器81および排熱熱交換器82で熱交換して暖められた温水は、熱利用系36に蓄熱され、給湯やお風呂への温水として使われる。熱利用系36には、必要に応じて水道管84を介して水道水が供給される。
図2は、本実施の形態における再生式水処理装置の模式的断面図である。
再生式水処理装置41は、たとえば容器の内部をカチオン交換膜56およびアニオン交換膜57で脱塩室51および2つの濃縮室52,53に区切ったものである。脱塩室51は、カチオン交換膜56およびアニオン交換膜57に挟まれており、カチオン交換樹脂54およびアニオン交換樹脂55が充填されている。カチオン交換膜56に面する濃縮室52には、陰極58が設けられている。アニオン交換膜57に面する濃縮室53には、陽極59が設けられている。陰極58と陽極59との間には、電圧が印加される。濃縮室53には、たとえば脱塩室51から流れ出る純水の一部が供給される。
このような再生式水処理装置41に原水が流れ込むと、原水中の不純物を取り除かれて純水として純水配管46から排出される。また、これに伴い、不純物が濃縮された濃縮水が濃縮水配管45から排出される。
排熱凝縮熱交換器81の下部に設けられたタンク60の内部は、少なくとも再生式水処理装置41によって生成された純水が貯えられる部分と、濃縮水が貯えられる部分とに仕切られている。本実施の形態では、排熱凝縮熱交換器81の下部に設けられたタンク60の内部に、2枚の仕切り板37が設けられている。これらの仕切り板37で、タンク60の内部は、凝縮水タンク61、電池冷却水タンク62および純水タンク63に仕切られている。純水タンク63の容量を超えた水は、仕切り板37を超えて電池冷却水タンク62に流れ込むようになっている。また、電池冷却水タンク62の容量を超えた水は、仕切り板37を超えて凝縮水タンク61に流れ込むようになっている。
凝縮水タンク61の下面には、オーバーフロー管34が取り付けられている。オーバーフロー管34は、少なくとも一部が凝縮水タンク61の水面よりも高い位置になるように設けられている。オーバーフロー管34の凝縮水タンク61に対して反対側の端部は、開口している。また、オーバーフロー管34の最も高い位置は、凝縮水タンク61と電池冷却水タンク62との間の仕切り板37の上端よりも低く、凝縮水タンク61から電池冷却水タンク62に水が逆流しないようになっている。
ダムのように3段階のカスケード構造となったタンク60の最下段の水槽、すなわち凝縮水タンク61に回収された凝縮水は、水処理循環水ポンプ40の運転により、再生式水処理装置41を通過後、より純水化した状態で最上段の水槽、すなわち純水タンク63に戻る。最上段の純水タンク63に貯えられた水は、改質用水ポンプ11によって改質器6に供給される。純水タンク63から溢れ出た水は中段の電池冷却水タンク62に移り、その水は電池冷却水ポンプ29の運転により、電池本体2の冷却に使われる。中段の電池冷却水タンク62から溢れ出た水は、最下段の凝縮水タンク61に移動し、水自立で余った水がオーバーフロー管34を通して燃料電池システム外に排出される。
本実施の形態では、再生式水処理装置41が排出する濃縮水を燃料電池システム外に直接排出していない。このため、系外に排出する水の量を低減することができるため、水自立を確保しやすくなる。また、濃縮水の室外排出経路が不要になる。その結果、凝縮熱交換器性能を過度に大きくする必要が無くなり、小型化およびコストダウンの効果が非常に大きくなる。
再生式水処理装置41が排出する濃縮水が凝縮水タンク61に戻されるため、再生式水処理装置41の負荷が一時的に大きくなる。しかし、濃縮水の一部は、オーバーフロー管34より燃料電池システム外に排出されるため、負荷の増大はそれほど大きくない。
また、燃料電池システムは、夏場よりは外気や水道水温度が低い季節あるいは地域において熱利用量が増加する分だけシステムの運転率が高くなる。排熱熱交換器81の排ガス温度が低くなるほど水回収も容易であるから、凝縮水タンク61に流れ込むオーバーフロー水が増え、その分、濃縮水濃度は凝縮水により希釈される。その結果、年間のシステム運転で考えた場合にはそれほど大きな負荷にはならない。
再生式水処理装置41は、大部分の不純物は濃縮室53に移行するが、運転時間の経過に伴って、一部の不純物が脱塩室51に蓄積し、圧力損失が大きくなる場合がある。そこで、所定の時間が経過した後などに、純水を逆流させて逆洗してもよい。
本実施の形態では、凝縮水タンク61と水処理循環水ポンプ40との間に設けられた三方弁44を、水処理循環水ポンプ40と排出口48とが連通するように切り替えて、水処理循環水ポンプ40の吐出方向を反転させる。水処理循環水ポンプ40は、たとえばギア式あるいはチューブ式などモータの回転方向を逆にすることで流れを逆方向にできるポンプである。これにより、純水タンク63から純水が再生式水処理装置41に流れ込み、脱塩室51に充填されたカチオン交換樹脂54およびアニオン交換樹脂55に吸着されたイオンを洗い流して排出口48から排出できる。
このようにして再生式水処理装置41を逆洗浄することで、そこに蓄積されたコンタミ成分を燃料電池システム外に排出し、再生式水処理装置41のコンタミによる圧損を低減することができる。これにより、水処理循環量が所定の基準値以下に低減してしまう可能性を抑制し、安定した水質管理ができる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る燃料電池システムの第2の実施の形態における再生式水処理装置近傍のブロック図である。
本実施の形態では、再生式水処理装置41の濃縮室52,53(図2参照)から濃縮水を送出する濃縮水配管45は、オーバーフロー管34に接続されている。つまり、濃縮水配管45は、凝縮水タンク61に直接ではなく、オーバーフロー管34を介して接続されている。
このような燃料電池システムでは、再生式水処理装置41から排出された濃縮水が、優先的にオーバーフロー管34を介して系外に排出される水となる。つまり、比較的不純物が多く含まれた濃縮水が優先的に系外に排出されるため、系内の水中の不純物濃度が低くなり、再生式水処理装置41の負荷を小さくすることができる。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る燃料電池システムの第3の実施の形態における再生式水処理装置近傍の通常の運転時のブロック図である。図5は、本実施の形態における再生式水処理装置近傍の逆洗時のブロック図である。
本実施の形態では、水処理循環水ポンプ40と再生式水処理装置41との間に、四方弁43が設けられている。この四方弁43は、通常の運転時には、凝縮水タンク61と水処理循環水ポンプ40の吸込側とをつなぎ、水処理循環水ポンプ40の吐出側と再生式水処理装置41とをつなぐ。また、この四方弁43を切り替えると、凝縮水タンク61と水処理循環水ポンプ40の吐出側とが接続され、再生式水処理装置41と水処理循環水ポンプ40の吸込側とが接続される。
この燃料電池システムでは、四方弁43を通常運転時の状態から切り替えることにより、水処理循環水ポンプ40が通常運転時と同じ方向に水を流しても、純水タンク63から純水が再生式水処理装置41に流れ込む。これにより、再生式水処理装置41にたまった不純物を洗い流すことができる。再生式水処理装置41から洗い流された不純物は、凝縮水タンク61に送られて、オーバーフロー管34を介して系外に排出される。
このように四方弁43を用いることにより、流れを逆にすることが困難な遠心式などの水処理循環水ポンプ40を用いた場合であっても、再生式水処理装置41に流れる水の方向を逆転させることができる。このようにして再生式水処理装置41を逆洗浄することで、そこに蓄積されたコンタミ成分を燃料電池システム外に排出し、水処理装置41のコンタミによる圧損を低減することができる。
[第4の実施の形態]
図6は、本発明に係る燃料電池システムの第4の実施の形態における非再生式水処理装置近傍のブロック図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態における再生式水処理装置41(図1参照)の代わりに、非再生式水処理装置42を用いている。非再生式水処理装置42は、たとえば容器中にイオン交換樹脂を充填したものである。また、これに伴い、濃縮水配管45(図1参照)は設けられていない。さらに、凝縮水タンク61(図1参照)、電池冷却水タンク62(図1参照)および純水タンク63(図1参照)をまとめて一つのタンク60としている。
このような燃料電池システムにおいて、通常運転時には、タンク60に貯えられた水が、水処理循環水ポンプ40に送られ、非再生式水処理装置42で不純物が取り除かれて、タンク60に送られる。その結果、タンク60内の水からは不純物が減少する。
しかし、運転時間の経過に伴って、不純物が非再生式水処理装置42に蓄積し、圧力損失が大きくなる。そこで、所定の時間が経過した後などに、純水を逆流させて逆洗する。
本実施の形態では、タンク60と水処理循環水ポンプ40との間に設けられた三方弁44を、水処理循環水ポンプ40と排出口48とが連通するように切り替えて、水処理循環水ポンプ40の吐出方向を反転させる。水処理循環水ポンプ40は、たとえばギア式あるいはチューブ式などモータの回転方向を逆にすることで流れを逆方向にできるポンプである。これにより、タンク60から純水が非再生式水処理装置42に流れ込み、イオン交換樹脂に吸着された不純物を洗い流して排出口48から排出できる。
このようにして非再生式水処理装置42を逆洗浄することで、そこに蓄積されたコンタミ成分を燃料電池システム外に排出し、非再生式水処理装置42のコンタミによる圧損を低減することができる。これにより、水処理循環量が所定の基準値以下に低減してしまう可能性を抑制し、安定した水質管理ができる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
たとえば、第1ないし第3の実施の形態において、再生式水処理装置としては、カチオン側が非再生式でアニオン側が再生式あるいは逆の構成など、一部が再生式のものを用いてもよい。また、排熱凝縮熱交換器に形成されたタンクは、3槽式でなくても、純水と濃縮水とを分離して貯えておければ、2槽式あるいは4槽式以上であってもよい。非再生式水処理装置を用いた燃料電池システムにおいては、第1の実施の形態と同様の方法で、水処理装置の逆洗を行ってもよい。
2…電池本体、3…燃料供給源、4…脱硫器、5…水蒸気発生器、6…改質器、7…COシフト反応器、8…CO選択酸化器、9…水蒸気分離器、10…改質用燃焼器、11…改質用水ポンプ、13…アノード極、14…カソード極、15…カソード極用空気ブロア、16…パッケージ、18…CO選択酸化用空気ブロア、20…弁、21…弁、22…弁、24…逆止弁、25…弁、26…ブロワ、27…弁、29…電池冷却水ポンプ、31…ブロワ、34…オーバーフロー管、36…熱利用系、37…仕切り板、40…水処理循環水ポンプ、41…再生式水処理装置、42…非再生式水処理装置、43…四方弁、44…三方弁、45…濃縮水配管、46…純水配管、48…排出口、51…脱塩室、52…濃縮室、53…濃縮室、54…カチオン交換樹脂、55…アニオン交換樹脂、56…カチオン交換膜、57…アニオン交換膜、58…陰極、59…陽極、60…タンク、61…凝縮水タンク、62…電池冷却水タンク、63…純水タンク、70…冷却流路、81…排熱凝縮熱交換器、82…排熱熱交換器、83…弁、84…水道管

Claims (5)

  1. 純水を供給されて炭化水素系燃料を原燃料として水蒸気改質反応によって水素リッチガスを生成する燃料改質装置と、
    前記燃料改質装置から水素リッチガスを供給されて発電する燃料電池本体と、
    燃料改質装置に供給する純水を貯えた純水タンクと、前記燃料電池本体から排出されるガスを凝縮した凝縮水を貯える凝縮水タンクと、前記凝縮水タンクに貯えられた凝縮水のうち所定の水位を超えた量を排出するオーバーフロー管とを備えたタンクと、
    水を供給されてその水から不純物を取り除いた純水と前記不純物が濃縮された濃縮水とに分離して前記純水を前記純水タンクに排出する再生式水処理装置と、
    前記凝縮水タンクに貯えられた水を前記再生式水処理装置に送出する水処理循環ポンプと、
    前記再生式水処理装置から前記凝縮水タンクおよび前記オーバーフロー管のいずれかに前記濃縮水を排出する濃縮水配管と、
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記凝縮水タンクと前記水処理循環ポンプの吸込側とを接続し、前記水処理循環ポンプの吐出側と前記再生式水処理装置とを接続する第1の流路と、前記凝縮水タンクと前記水処理循環ポンプの吐出側とを接続し、前記水処理循環ポンプの吸込側と前記再生式水処理装置とを接続する第2の流路と、を切り替える前記水処理循環ポンプと前記再生式水処理装置との間に設けられた四方弁を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水処理循環ポンプは正逆両方向に水を駆動可能であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 水を貯えるタンクと、
    前記タンクから純水を供給されて炭化水素系燃料を原燃料として水蒸気改質反応によって水素リッチガスを生成する燃料改質装置と、
    前記燃料改質装置から水素リッチガスを供給されて発電する燃料電池本体と、
    水を供給されてその水から不純物を取り除いた純水を前記タンクに排出する非再生式水処理装置と、
    前記タンクに貯えられた水を前記非再生式水処理装置に送出する水処理循環ポンプと、
    前記タンクと前記水処理循環ポンプの吸込側とを接続し、前記水処理循環ポンプの吐出側と前記非再生式水処理装置とを接続する第1の流路と、前記タンクと前記水処理循環ポンプの吐出側とを接続し、前記水処理循環ポンプの吸込側と前記非再生式水処理装置とを接続する第2の流路と、を切り替える前記水処理循環ポンプと前記非再生式水処理装置との間に設けられた四方弁と、
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 水を貯えるタンクと、
    前記タンクから純水を供給されて炭化水素系燃料を原燃料として水蒸気改質反応によって水素リッチガスを生成する燃料改質装置と、
    前記燃料改質装置から水素リッチガスを供給されて発電する燃料電池本体と、
    水を供給されてその水から不純物を取り除いた純水を前記タンクに排出する非再生式水処理装置と、
    正逆両方向に水を駆動可能であって、正方向に駆動すると前記タンクに貯えられた水を前記非再生式水処理装置に送出する水処理循環ポンプと、
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014154283A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Toyota Industries Corp 燃料電池式産業車両

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