以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシート収納装置を備えた画像形成装置の構成を示す図である。100は画像形成装置、100Aは画像形成装置本体(以下、装置本体という)、100Bはシートに画像を形成する画像形成部、300は装置本体100Aの上面(上方)に配置されたシート収納装置である。
ここで、画像形成部100Bは、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー画像を形成する感光体ドラムa〜dと、画像情報に基づいてレーザビームを照射して感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光装置106等を備えている。なお、この感光体ドラムa〜dは不図示のモータにより駆動されると共に、周囲には、それぞれ不図示の一次帯電器、現像器、転写帯電器が配置されており、これらはプロセスカートリッジ101a〜101dとしてユニット化されている。
102は、矢印方向に回転駆動される中間転写ベルトであり、この中間転写ベルト102に転写帯電器102a〜102dによって転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム上の各色トナー像が順次中間転写ベルト102に多重転写される。これにより、中間転写ベルト上にはフルカラー画像が形成される。
103は順次中間転写ベルト102に形成されたフルカラー画像をシートPに転写する2次転写部である。この2次転写部103は、中間転写ベルト102を支持する2次転写対向ローラ103b及び中間転写ベルト102を介して2次転写対向ローラ103bと当接する2次転写ローラ103aとから構成される。109はレジストローラ、104は給紙カセット、108は給紙カセット104に収容されたシートPを給送するピックアップローラである。630は装置本体100A及びシート収納装置300の制御を司る制御部であるCPU回路部である。
次に、このように構成された画像形成装置100の画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、まず不図示のパソコン等からの画像情報に基づき露光装置106はレーザ光を照射し、表面が所定の極性・電位に一様に帯電されている感光体ドラムa〜dの表面を順次露光して感光体ドラムa〜dに静電潜像を形成する。この後、この静電潜像をトナーにより現像し、可視化する。
例えば、まず感光体ドラムaに、原稿のイエロー成分色の画像信号によるレーザ光を露光装置106のポリゴンミラー等を介して照射し、感光体ドラムa上にイエローの静電潜像を形成する。そして、このイエローの静電潜像を、現像器からのイエロートナーにより現像し、イエロートナー像として可視化する。この後、このトナー像が感光体ドラムaの回転に伴って感光体ドラムaと中間転写ベルト102とが当接する1次転写部に到来する。ここで、このようにトナー像が1次転写部に到来すると、転写帯電器102aに印加した1次転写バイアスにより、感光体ドラムa上のイエロートナー像が中間転写ベルト102に転写される(1次転写)。
次に、中間転写ベルト102のイエロートナー像を担持した部位が移動すると、このときまでに上記と同様な方法で感光体ドラムb上に形成されたマゼンタトナー像がイエロートナー像上から中間転写ベルト102に転写される。同様に、中間転写ベルト102が移動するにつれて、それぞれ1次転写部においてシアントナー像、ブラックトナー像が、イエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト102上にフルカラートナー画像が形成される。
また、このトナー画像形成動作に並行して給紙カセット104に収容されたシートPは、ピックアップローラ108により1枚ずつ送り出される。そして、シートPは、レジストローラ109に達し、レジストローラ109によりタイミングを合わされた後、2次転写部103に搬送される。この後、この2次転写部103において、転写手段である2次転写ローラ103aに印加される2次転写バイアスによって中間転写ベルト102上の4色のトナー像がシートP上に一括して転写される(2次転写)。
次に、トナー像が転写されたシートPは、2次転写部103から定着部105に搬送される。そして、この定着部105に設けられた加熱ローラ105a及び加圧ローラ105bにより、熱及び圧力を受けて各色のトナーが溶融混色し、シートPにフルカラーの画像として定着される。この後、このように画像が定着されたシートPは、定着部105の下流に設けられた排出ローラ対110によって排出され、搬送ガイド313を通って装置本体100Aの上面に配置されたシート収納装置300に搬送される。
ここで、このシート収納装置300は、装置本体100Aから順次搬送されるシートを下方から受け入れて立てた状態で収納するものである。そして、このシート収納装置300は、図2に示すように、シート搬送方向に沿って並べて配置され、シートを立てた状態で収納する複数、本実施の形態においては、5つのシート収納部であるトレイ330を備えている。なお、このように装置本体100Aの上部に5つのトレイ330を複数並列配置することにより、設置スペースを広くすることなく、収納量を増加することができる。また、シートを立てた状態で収納するようにすることにより、ラージサイズのシートを収納した場合においても、装置の設置スペースを広くすることがない。
また、このシート収納装置300は、図1に示すように、装置本体100Aから排出されたシートを5つのトレイ330のうちの一つのトレイ330に選択的に搬送するシート搬送部500を備えている。そして、このシート搬送部500は、装置本体1Aから搬送されるシートPをトレイ330に案内する湾曲形状を有するシート搬送路Rを構成する搬送ガイド313を備えている。
この搬送ガイド313(シート搬送路R)のシート搬送方向下流部には、正逆転可能な搬送ローラ301及び搬送ローラ301に圧接する搬送従動コロ302が設けられている。そして、この搬送ローラ301及び搬送従動コロ302によってシートPを5つのトレイ330の一つに選択的に搬送する。また、シート収納装置300は、搬送ガイド313の入口部に設けられた入口センサS1を備えており、この入口センサS1により、装置本体100AからのシートPの搬送タイミングをモニターしている。
なお、搬送ローラ301は、正逆転可能な搬送モータM1により駆動される搬送ローラ駆動ギア307と搬送ローラ駆動ベルト306によって回転駆動が付与される。そして、シートをトレイ330に搬送する際は、搬送ローラ301を正回転させ、後述するようにシートを重ね合わせてトレイ330に搬送する際は、一旦搬送ローラ301を逆回転させるようにしている。
トレイ330は、図2に示すように連結軸308により連結されると共に、保持板309によって保持されている。ここで、保持板309には、移動モータM2の同軸上に設けた移動プーリ311bと対向側に設けられた移動プーリ311aに掛けられているタイミングベルト312に固定された移動連結部材310が固定されている。
これにより、タイミングベルト312が回転すると、移動連結部材310と共に保持板309が移動し、これに伴いトレイ330も一体的に矢印X方向(左右方向)へと移動する。そして、このようにトレイ330が左右方向に移動することにより、搬送ローラ301に臨むトレイ330を変更することができ、これにより5つのトレイ330の各々に搬送ローラ301から搬送されるシートPを仕分けながら収納することができる。
なお、このシート収納装置300には、移動連結部材310のホームポジションを検知する不図示の移動検知センサが設けられている。そして、この移動検知センサにより、トレイ330の図2に示すX方向(左右方向)中央のホームポジションと、ホームポジションからの移動モータM2の駆動パルス数によって、トレイ330の受け渡し位置を決定している。
また、トレイ330には、それぞれシート有無検出センサS2が設けられている。そして、このシート有無検出センサS2により、トレイ330の各々にシートが収納されているか否かを検知し、未収納のトレイに次の排出シートPを入れるように、後述する図6に示すシート収納装置制御部636のCPU60はトレイ330の位置を制御する。
図3は、トレイ330のシートを下方から受け入れて立てた状態で収納保持する収納保持部200の構成を示す図である。収納保持部200は、略垂直な収納ガイド304と、収納ガイド304に対向して設けられた搬送ガイド303と、収納ガイド304及び搬送ガイド303の間に収納され、収納ガイド304と共にシートを挟持保持する円柱形状の保持部材305とを備えている。ここで、本実施の形態では、保持部材305として円柱形状のものを使用しているが、球体形状、円筒形状、紡錘形状のものを用いても良い。
第1ガイド部材である収納ガイド304は、収納保持部200の側壁を形成し、下方から搬送されるシートを上方にガイドするものである。また、第2ガイド部材である搬送ガイド303は、上部に設けられた対向壁部303aと、下部に設けられ、収納ガイド304と共にシートを上方にガイドする下部ガイド部303cを備えている。さらに、搬送ガイド303は、下部ガイド部303cの上方、すなわち対向壁部303a及び下部ガイド部303cの間に設けられ、収納ガイド304から離れる方向に傾斜した傾斜部303bを有している。
保持部材305は、収納ガイド304と、搬送ガイド303の対向壁部303a及び傾斜部303bとの間で移動自在に設けられている。この保持部材305は、シートが収納保持部200に搬送されるまでは、自重により収納ガイド304と、搬送ガイド303の傾斜部303bに当接した状態となっている。
これにより、保持部材305はガイド間距離が大きくなる方向、すなわち上方向には自由に移動できるが、ガイド間距離が小さくなる方向、すなわち下方向には移動できない。また、搬送ガイド303又は収納ガイド304には、保持部材305がシート搬送方向と直交する前奥方向に移動して脱落することがないように、シートPの搬入を阻害しない範囲で不図示の係止部が設けられている。
一方、搬送ローラ301よりシートPが収納保持部200に搬送されると、保持部材305は、図3の(b)に示すように、収納ガイド304とのニップ部を通過するシートPにより押圧される。これにより、保持部材305は、シートPにより押し上げられながら、シートPに沿って矢印B方向にシートPの厚さ分移動する。なお、本実施の形態において、保持部材305は、シートPが収納ガイド304と保持部材305とのニップ部を通過する際、搬送されるシートPにより、矢印B方向へ移動自在となるような軽い材質で形成されている。これにより、シートPを弱い力で保持部材305を矢印B方向へ上昇させながら収納保持部200に収納することができる。
そして、シートPの後端が搬送ローラ301から抜けると、図3の(c)に示すように、傾斜部303bに位置している保持部材305に作用する重力Mにより、シートPには、収納ガイド304の方向への当接力F(=M/tanθ)が加わる。つまり、シートPの後端が搬送ローラ301から抜けると、保持部材305はシートPに対して楔効果を発生する。そして、この楔効果として作用する当接力FによりシートPは、収納保持部200に保持される。
ところで、本実施の形態において、保持部材305は磁性材料により形成されている。また、本実施の形態において、収納ガイド304の外側に、図4に示すように不図示の磁力発生部材である電磁石を備えた磁力発生部501が配設されている。そして、この磁力発生部501は、電磁石に所定の電流が流れることで磁力を発生し、電流が遮断されると磁力を発生させない構成のものである。なお、この磁力発生部501に対する通電制御は、後述する図6に示すCPU60により行われる。
ここで、図4の(a)は、電流がOFFされた状態であり、このとき、磁力発生部501は磁力を発生しないので、シートPが矢印A方向に搬送されてきた場合、磁性体である保持部材305は矢印B方向に移動する。また、図4の(b)は、シートが収納された後、電流がONされた状態であり、このとき磁力発生部501は磁力を発生するので、磁性体である保持部材305はシートを保持した状態で磁力発生部501により着磁力Fmgを受ける。これにより、シートPは、保持部材305により、既述した図3の(c)に示す当接力Fと着磁力Fmgとの和で得られる力で保持される。
そして、このように当接力Fと着磁力Fmgにより保持された場合、シートPは、当接力Fにより下方向への移動が規制される他、着磁力Fmgにより下方向だけでなく、上方及び側方への移動が規制されるので、取り出し作業が制限される。なお、磁力発生部501を、保持部材305よりも下方に配置するようにすれば、保持部材305によるくさび効果を発生させることができ、弱い着磁力で高い保持力を発生させることができる。
図5は画像形成装置本体100A及びシート収納装置300を制御する制御ブロック図である。図5に示すように、CPU回路部630は、CPU629、ROM631、RAM650を有している。CPU回路部630は、画像信号制御部634、プリンタ制御部635、シート収納装置制御部636、外部のPC(パソコン)620とのインターフェイスである外部インターフェイス637を制御している。なお、CPU回路部630は、ROM631に格納されているプログラム及び図1に示すようにシート収納装置300の上面に設けられた操作部601の設定に従ってシート収納装置制御部636等を制御する。
ここで、画像信号制御部634は外部のPC620から外部インターフェイス637を介して入力される画像データをプリンタ制御部635に入力し、プリンタ制御部635は、この画像データに基づき画像形成装置本体100Aを制御する。また、シート収納装置制御部636はシート収納装置300に搭載され、CPU回路部630と情報のやり取りを行うことによってシート収納装置全体の駆動制御を行う。なお、本実施の形態において、シート収納装置制御部636をシート収納装置300に搭載しているが、本発明はこれに限定されるものではない。シート収納装置制御部636を、CPU回路部630と一体的に画像形成装置本体100Aに設け、画像形成装置本体側からシート収納装置300を制御するようにしてもよい。
また、シート収納装置制御部636は、図6に示すように、CPU60、RAM61、ROM59とで構成されている。このシート収納装置制御部636は、不図示の通信インターフェイスを介して画像形成装置本体側に設けられたCPU回路部630と通信してデータ交換を行う。そして、このシート収納装置制御部636は、CPU回路部630からの指示に基づきROM59に格納されている各種プログラムを実行し、シート収納装置300の制御を行う。
ここで、シート収納処理制御を行う際には、CPU60に、入力インターフェイス57を介してシート収納装置300を制御するための各種センサからの検知信号が取り込まれる。なお、このような各種センサとしては、既述した入口センサS1、シート有無検出センサS2、シート位置検出センサS3がある。また、制御部であるCPU60は、出力インターフェイス58を介して既述した搬送モータM1及び移動モータM2の駆動を制御すると共に磁力発生部501に対する通電を制御する。
ところで、本実施の形態において、ユーザは、トレイ330に収納された印刷後のシートの取り出しを制限するか否かを、例えば排出シート束単位ごとのコピージョブに対して設定することができる。なお、以下、例えば機密性の高い文書を印刷したシートを誤って他のユーザに取り出されることのないように、磁力発生部501の着磁力により、より大きな保持力でシートを保持する制御モードをセキュアプリントJOBという。
そして、このセキュアプリントJOBが設定された際、選択的に磁力を発生してシートを保持した状態の保持部材305を収納ガイド側(第1ガイド部材側)に引き付けることにより、既述した当接力Fと着磁力Fmgとによりシートを保持するようにしている。
次に、このような本実施の形態に係るシート収納装置300のセキュアプリントJOBが設定された場合の制御について図7に示すフローチャートを用いて説明する。
セキュアプリントJOBが開始されると(ステップ1)、搬送モータM1が回転し(ステップ2)、これに伴って図8の(a)に示すように搬送ローラ301が回転する。これにより、画像形成され、排出ローラ対110から排出されたシートP1が、搬送ガイド313内に搬入される(ステップ3)。この後、シートP1はシート位置検出センサS3に達し、シートP1を検知したシート位置検出センサS3はONする(ステップ4)。
次に、シートP1は搬送ローラ301及び搬送従動コロ302により、図8の(b)に示すように、トレイ330に搬送される(ステップ5)。ここで、セキュアプリントJOBにおいて出力指定された出力枚数が複数枚の場合は、最終シートが搬送されるまでは(ステップ6のN)、順次シートをトレイ330に搬送する。そして、最終シートが搬送され(ステップ6のY)、この後、シート位置検出センサS3がOFFすると、所定時間後に搬送モータM1を停止させる(ステップ7)。これにより、機密性の高い文書を印刷したシートのトレイ330への収納動作が完了する(ステップ8)。
次に、このようにシートのトレイ330への収納動作が完了すると、磁力発生部501をONする(ステップ9)。これにより、既述した図4の(b)に示すように保持部材305は磁力発生部501により着磁力Fmgを受ける。この結果、トレイ330へ搬入されたシートは、保持部材305の自重により略垂直に保持されると共に、保持部材305に作用する磁力発生部501の方向への着磁力Fmgにより、取り出し作業が制限される。
ここで、出力指定されたJOBの出力枚数が、トレイ330の許容量を超える場合がある。この場合は、許容量分に達したところで収納動作を完了させ、磁力発生部501をONさせる。そして、この後、トレイ330を左右に動かし、シート有無検出センサS2によりシートが収納されていないと判断されたトレイ330をシート収納位置に移動させ、残りのシートを同じく収納させる。
次に、装置本体100Aの傍にきたユーザによってユーザ認証のための入力操作が行われるのを待つ。なお、ユーザ認証は、パスワードによって行う他、無線タグICカードなどを用いたユーザ認証でもよい。そして、ユーザ認証のための入力操作が行われ、この際、ユーザからの排出要求があると(ステップ10のY)、指定されたシートが収納されているトレイ330に配設された磁力発生部501をOFFする(ステップ11)。なお、ユーザからの排出要求が無い場合には(ステップ10のN)、そのまま待機する。これにより、保持部材305に作用する着磁力Fmgが解除されるので、保持力が弱くなり、ユーザは、収納されたシートを取り出すことができ、JOBが終了する(ステップ12)。
なお、排出命令が無い状態で別のJOBが実行される場合がある。この場合、トレイ330を左右に動かしシート有無検出センサS2によりシートが収納されていないと判断されたトレイをシート収納位置に移動させた後、このトレイにシートを収納する。これにより、機密性の高い文書のため画像形成装置の傍をユーザが離れることができないような場合も、ユーザは一時的に画像形成システムから離れて別の作業を行うことが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態においては、シートが収納された後、磁力発生部501により選択的に磁力を発生し、シートを保持した状態の保持部材305を収納ガイド側に引き付けるようにしている。これにより、セキュアプリントJOBが指定されたシートの取り出し制限を専用のトレイ等の積載部や排出部を設けることなく、簡易な構造でかつ省スペースで達成できる。又、例えば個人認証後、専用トレイからユーザが取り出し可能な排紙トレイまでシートを搬送する工程がないので、ユーザが機器の傍らで待つことなくシートを取り出せることができる。
ところで、これまでは、トレイ330に収納された印刷後のシートの取り出しを制限するか否かの設定に対して磁力発生部501を選択的にONもしくはOFFする場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、収納するシートの種類に応じて磁力発生部501の着磁力を変化させてシートの保持力を変えることにより、シートの取り出しを制限するようにすることもできる。
次に、このような、磁力発生部501の着磁力を変化させてシートの保持力を変えることにより、シートの取り出しを制限するようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は、磁力発生部501の電流値と着磁力の関係を示す図であり、図9に示すように電流値がIaのとき発生する着磁力はFa、電流値がIbのとき発生する着磁力はFbとなる。
なお、本実施の形態において、例えば機密レベルが高くシートの取り出しを完全に制限するための着磁力をF1以上、機密レベルが中程度で完全には制限させないレベルの着磁力をF1〜F2の間としている。ここで、機密レベルが高いシートの取り出しを完全に制限する着磁力とは、シートを引っ張ってもシートの保持状態は変わらず、無理にシートの取り出しを行おうとすると、シートが破損してしまうレベルである。また、機密レベルが中程度でシートの取り出しを完全には制限させない程度の着磁力とは、既述したユーザ認証による着磁力を解除しなくてもシートを取り出すことはできるが、ユーザに取り出し制限がかかっていることを気付かせることができるレベルである。なお、着磁力FaはF1以上の範囲の中にあり、着磁力FbはF1〜F2間の範囲の中にある。
そして、機密レベルが高くシートの取り出しを完全に制限したい場合は、ユーザにより機密レベル高が選択される。これにより、トレイ330へのシート収納動作が完了すると、磁力発生部501に設けられた不図示の電磁石に電流値Iaの電流が流れ、シートの取り出しを完全に制限する着磁力Faが発生する。
又、機密レベルが中程度で完全には制限させない場合は、ユーザにより機密レベル中が選択される。これにより、トレイ330へのシート収納動作が完了すると、電磁石に電流値Ibの電流が流れ、取り出し制限がかかっていることを気付かせることができる力でシートを保持する着磁力Fbが発生する。
以上説明したように、本実施の形態においては、シートの種類に応じて磁力発生部501に通電する電流値(電流量)を制御して磁力発生部501の着磁力を変更することにより、シートの保持力を変えることができる。これにより、例えば、機密レベルが高いJOBが設定された場合には、磁力発生部501に通電する電流値を大きくしてシートの保持力を大きくすることができ、この結果、他のユーザがシートを誤って持ち去ることを完全に防止できる。
また、機密レベルが中程度のJOBが設定された場合は、磁力発生部501に通電する電流値を、取り出し制限がかかっていることを他のユーザに気付かせることができる大きさとしている。これにより、他のユーザがシートを誤って持ち去ることをある程度防止できると共に、ユーザ認証による着磁力を解除する手間をかけずにシートを取り出すことができるので利便性が向上する。なお、本実施の形態においては、シートの種類に応じてシートの保持力を変えることができるので、保持部材に作用する重力によって保持力を発生させるための傾斜部を設ける必要はない。