JP5835482B2 - 精度を高めた毛髪移植用の植毛器 - Google Patents

Description

本発明は、脱毛部位に毛髪を移植するための毛髪移植用の植毛器に係り、特に、毛髪移植時に、個人別に、頭皮内の皮膚組織層の厚さによって、毛根が挿入される植毛針の長さを精度よく調節できる植毛器に関する。

毛髪移植用の植毛器は、疾病又は事故などによって人体の皮膚に毛髪又は毛が損失した場合に、毛髪又は毛の損失した部位に自然毛又は人工毛を移植するのに用いられる装置である。通常、植毛器は眉毛、ひげ、陰毛及び髪の毛を植毛する場合に用いられている。主に利用されている単一毛植毛術は、毛根を１本ずつ分離して植毛針の針にて移植するもので、出血と傷跡がない他、毛髪の方向、角度及び密度などを任意に調節できるため、手術後に自然な毛髪の形態が維持されることから、頭の他、眉毛、ひげ、まつげ、陰毛などにも広く利用されている。従来の毛髪移植用植毛器は、植毛移植の時に、毛髪に連結された根の部分である毛根を植毛器の植毛針の内部前面に位置させた後、頭皮内に植毛針を刺すと、植毛針が穴を形成しながら毛根が植毛針に沿って頭皮内に安着するようになっている。このとき、頭皮内の皮膚組織中に毛根を押し込むために植毛針の内部でスライド可能に動く心軸棒を使用する方法、又はスライディング部材の前面に心軸棒と同様の役割を担う案内板を突出形成し、植毛針が後退しながら案内板によりそれ以上外部に突出しないようにする方法が用いられる。

従来の植毛器は、作製に当たって植毛針の長さが固定されるのが一般的である。そのため、頭皮内に毛根を植毛するとき、個人別に異なる頭皮内の皮膚組織の厚さを考慮し、手術者は経験によって、頭皮内に挿入される植毛針の長さを任意に調整しなければならない。しかし、この場合では、頭皮内の皮膚組織に損傷が発生し、出血過多や炎症が発生することがあった。そこで、最近では、植毛針の長さを調節して使用できる植毛器が登場したが、これは構造が複雑で、価格が高いため、広く使用されていない。

しかも、既存の毛髪移植用の植毛器は、個人別に頭皮層の厚さが異なり、特に、頭上の位置によって手術者が手術しながら微細調節を必要とする時、植毛針の長さの微調節が難しく、いちいち調節をしなければならず、セッティング時間が長くかかるという不具合があった。

したがって、本発明は上記の諸般問題点を解決するために案出されたもので、毛髪の移植時に、個人別の頭皮内の皮膚組織層の厚さによって、毛根が挿入される植毛針の長さを便利に調節できる毛髪移植用の植毛器を提供することによって、頭皮内の皮膚組織の損傷を未然に防止し、毛根が頭皮内に安定して安着できるようにし、毛根を頭皮内の所望の厚さに押し込むことによって毛髪移植手術時間を短縮可能にすることに目的がある。

本発明の他の目的は、毛髪移植時に必要に応じて植毛針と心軸棒の長さを微調節及びロックできる、精度を高めた毛髪移植用の植毛器を提供することにある。

上記課題を達成するための、本発明の好適な実施例に係る毛髪移植用の植毛器は、円筒状をしており、両側が貫通して内部に中空部１１０が長さ方向に形成されており、中空部１１０の内部に、中心棒１２０、バネ部材２２０、心軸棒２５０及び植毛針２１０が順次挿入される中心筐体１００；円柱状のボディー１３０の上部に円柱状の上部突起１４０が突設されており、下部に円錘状の下部突起１５０が設けられている中心棒１２０；前記中心筐体１００の下端部内側に結合され、内側中央の長さ方向に挿入溝３３０が形成された円錘状のアングルカバー１７０；ニードル１８０がニードルガイド２００の内周面に圧入して結合されており、下端が結合されて円錘状のアングルカバー１７０の挿入溝３３０に突出するように挿入されている植毛針２１０；前記中心筐体１００の上部に結合され、中心筐体の長さ方向に沿って長さ調節が可能なチューニングカバー２７０；前記チューニングカバー２７０の前方に、チューニングカバーを固定するように装着された固定カバー２６０；前記中心棒の下部に挿入され、植毛針の上端に挿入されて所定長さ出没動作をする心軸棒２５０；前記中心筐体の内部に挿入され、外部の力により前方へ移動可能であり、外部から印加される力により前方へ移動した植毛針２１０を元の位置に復元させるように中心棒と心軸棒との間に挿入されたバネ部材２２０；前記中心筐体のチューニングカバーの上部に締め付けられ、微調節をするための押下ボタン部３００と、で構成されることを特徴とする。

本発明に係る毛髪移植用の植毛器は、毛髪移植中に、個人別に、頭皮内の皮膚組織層の厚さによって、毛根が挿入される植毛針の長さを便利に微調節及びロックでき、簡便に毛髪移植ができる極めて有用な効果がある。

本発明に係る精度を高めた毛髪移植用の植毛器を示す斜視図である。 本発明に係る精度を高めた毛髪移植用の植毛器を示す分解斜視図である。 本発明に係る精度を高めた毛髪移植用の植毛器の断面図である。 本発明に係る精度を高めた毛髪移植用の植毛器の作動状態を示す断面図である。 本発明に係る精度を高めた毛髪移植用の植毛器の他の実施例を示す断面図である。

以下、本発明の好適な実施例に係る精度を高めた毛髪移植用の植毛器を、添付の図面を参照して詳しく説明する。

図１乃至図５に示す本発明の精度を高めた毛髪移植用の植毛器において、植毛針２１０は、内部に挿通口１９０が形成されており、側面に毛髪固定溝が形成された管状のニードル１８０と、該ニードル１８０の上端に装着されており、心軸棒２５０の下端が容易に挿入された状態で固定されるように上端から内部方向へテーパーした貫通口が形成されている。

中心棒１２０は、中心筐体１００の中空部１１０に挿入されるように所定長さで延びた円柱状の延長部を有し、案内孔１６０の空間部内で前、後の長さ方向に移動できるように案内孔１６０の幅と同一に形成される。

中心筐体１００の内部に順次、植毛針２１０、心軸棒２５０、バネ部材２２０及び中心棒１２０が挿入される。本発明の毛髪移植用の植毛器において、円錘状のアングルカバー１７０は、中心筐体１００の結合溝に結合される。そのために、アングルカバー１７０の上部外周縁に円形の結合突部が形成され、中心筐体１００の内部に結合されるようになっており、よって、中心筐体１００からアングルカバー１７０を円滑に分離することが可能である。

本発明の毛髪移植用の植毛器において、アングルカバー１７０は、中心筐体１００とは別体として結合され、中心筐体の内部に挿入された中心棒１２０、及び該中心棒１２０に挿入される植毛針２１０を簡便に交換できるようになっている。

上記の本発明の植毛器は、図２の分解斜視図のように結合される。

両側が貫通して内部に中空部１１０が長さ方向に形成されており、中空部１１０の内部に、バネ部材２２０、心軸棒２５０及び植毛針２１０が結合された中心棒１２０が装着される中心筐体１００；上部に円柱状の上部突起１４０が突出しており、下部に円錘状の下部突起１５０が設けられている中心棒１２０；中心筐体１００の下端部内側に結合され、内側中央の長さ方向に挿入溝３３０が形成された円錘状のアングルカバー１７０；ニードル１８０がニードルガイド２００に結合されており、下端が尖って円錘状のアングルカバー１７０に突出するように挿入されている植毛針２１０；中心筐体１００の上部に結合され、中心筐体１００の長さ方向に沿って長さ調節可能なチューニングカバー２７０；チューニングカバー２７０の前方に、チューニングカバーを固定するように装着された固定カバー２６０；中心棒１２０の内部に挿入され、植毛針２１０の上端に挿入されて所定長さだけ出没動作をする心軸棒２５０；中心筐体１００の内部に挿入され、外部の力により前方へ移動可能であり、外部から印加される力により前方へ移動した植毛針を元の位置に復元させるように中心棒１２０と心軸棒２５０との間に挿入されたバネ部材２２０；中心棒１２０の上部突起１４０に締め付けられる押下ボタン部３００が構成されている。

ここでは、押下ボタン部３００の長さを調節するように固定カバー２６０とチューニングカバー２７０を構成し、植毛針２１０の内部に挿入された心軸棒２５０の長さの微調節が可能なように心軸棒のヘッド２４０を着座している微調節レバー２９０と、該微調節レバー２９０の上部にロックナット２８０を構成したことに特徴がある。

また、微調節レバー２９０の上部に微調節された状態で固定されるように、ロックナット２８０は、微調節レバー２９０に比べて大径になっている。同一径にすると、微調節レバー２９０から切り離して回し難いから、ロックナットの径を相対的に大きくすることが好ましい。

頭皮の厚さは個人によって、且つ頭上の位置によって異なるが、その厚さの差は微小であり、心軸棒２５０の微調節が必要である。したがって、心軸棒２５０の長さを微調節するべく、押下ボタン部３００を微調節可能にするとともに、調節後にはそのまま固定されるようにロックナット２８０及び微調節レバー２９０を構成している。

そのため、手術者は手術を要する部位において微調節レバー２９０を回して移動させた後、その位置をセッティングするためにロックナット２８０を回し、これで、微調節レバーが回転せずに固定される。

また、心軸棒２５０の位置を変えるには、ロックナット２８０をはずし、微調節レバー２９０を所望の位置に移動させた後、再び固定するようにロックナットを移動させて固定すればよい。

上記のように微調整可能にすることによって、手術者が便利に心軸棒２５０の長さを調節でき、且つその位置を固定してセッティングできるという特長がある。

図５に示す本発明の他の実施例に係る、精度を高めた毛髪移植用の植毛器は、毛髪を移植時に、毛髪が頭皮に固定される長さを調節するために、チューニングカバーを調節した後に固定カバーで固定することで下部突起の移動距離を調節している。この時、頭皮については頭上の部位によって手術者が微調節をするとともに、手術時にセッティングされた心軸棒の作動距離が変わらないようにしなければならず、押下ボタン部３００の側面に貫通口を形成し、また、ねじ山が形成され、先端には傾斜面３１０−１が設けられたウェッジ３１０を有しているウェッジ調節レバー３２０と、傾斜面３１０−１が形成されたウェッジにより上下方向に移動するように傾斜面を有する心軸棒のヘッド２４０を結合させている。

本発明の他の実施例の構成は、押下ボタン部３００の側面に装着されたウェッジ調節レバー３２０と、該ウェッジ調節レバー３２０に連結された傾斜面３１０−１が形成されたウェッジ３１０と、を有し、心軸棒のヘッド２４０に傾斜面２４０−１を形成してウェッジの傾斜面３１０−１に当接させ、傾斜面に沿って移動するようにすることで、心軸棒の作動長さを微調節できるようにしたことに特徴がある。

ウェッジ調節レバー３２０を時計回り方向に回すとウェッジ３１０は前進し、該ウェッジ３１０により、傾斜面２４０−１を有するヘッド２４０は前方に前進し、反時計回り方向に回転時には、ウェッジ３１０が後進することで、微調節が可能となる。

また、本発明の他の実施例は、植毛針２１０と心軸棒２５０に目盛りを刻み、手術時に、目で確認しながら、個人別に頭皮内の皮膚組織層に一定の厚さで挿入できるようにしてもよい。

以上、本発明は図面に基づく一実施例を取り上げて説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術の分野における通常の知識を有する者にとっては、上記の説明から様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることが理解される。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付した特許請求の範囲の技術的思想に基づいて定められるべきである。

１００ 中心筐体
１１０ 中空部
１２０ 中心棒
１３０ ボディー
１４０ 上部突起
１５０ 下部突起
１６０ 案内孔
１７０ アングルカバー
１８０ ニードル
１９０ 挿通口
２００ ニードルガイド
２１０ 植毛針
２２０ バネ部材
２５０ 心軸棒
２６０ 固定カバー
２７０ チューニングカバー
２８０ ロックナット
２９０ 微調節レバー
３００ 押下ボタン部
３１０ ウェッジ
３１０−１ 傾斜面
３２０ ウェッジ調節レバー

Claims (2)

1. 上部突起（１４０）、及び下部に円錘状の下部突起（１５０）が設けられている中心棒（１２０）と、
   前記中心棒の内部に植毛針（２１０）と心軸棒（２５０）が順次挿入されて装着されるように下端に設けられた円錘状のアングルカバー（１７０）、上部面に結合され、長さ方向に沿って長さ調節可能に設けられたチューニングカバー（２７０）、及び該チューニングカバー（２７０）を固定するように設けられた固定カバー（２６０）を有する中心筐体（１００）と、
   中心筐体（１００）の内部に挿入され、外部の力により前方へ移動可能であり、外部から印加される力により元の位置に復元させるように心軸棒との間に挟まれたバネ部材（２２０）が設けられた中心棒（１２０）の上部突起（１４０）に締め付けられる押下ボタン部（３００）と、
   を備え、
   前記押下ボタン部（３００）は、押下ボタン部（３００）の側面に装着されたウェッジ調節レバー（３２０）と、該ウェッジ調節レバー（３２０）に連結された傾斜面（３１０−１）が形成されたウェッジ（３１０）と、を有し、
   心軸棒（２５０）のヘッド（２４０）に傾斜面（２４０−１）を形成してウェッジの傾斜面（３１０−１）に当接させ、傾斜面（３１０−１）に沿って移動するようにし、心軸棒（２５０）の長さを微調節できるようにしたことを特徴とする、精度を高めた毛髪移植用の植毛器。
2. 前記植毛針（２１０）及び心軸棒（２５０）に目盛りが形成されたことを特徴とする、請求項１に記載の精度を高めた毛髪移植用の植毛器。

Images