JP5834692B2 - 個体識別装置、個体識別方法、及びプログラム - Google Patents
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図1(a)は物品1の上面図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
物品1は、その基材10上にタガント(taggant:追跡用添加物)分布層11を有する。タガント分布層11には、基材10とは異なる反射性を有するタガント12がランダムに複数配置されている。タガント分布層11のタガント12は、例えば、印刷インクに混入して基材10に印刷を施したり、粘着剤等に混入して塗布したりすることで、物品1の基材10上のランダムな位置に配置される。
しかし、光学的な読み取り易さ、隠匿性等の機能を高めるために、微細物質は、例えば、図2に示すように反射性金属層3を有するもの、図3に示すように誘電率が異なる薄膜を多層にコート(多層薄膜4)したもの、図4に示すように光回折構造体層5を有するもの、図5に示すように、所定の照射光に対して特定の反射特性を有する反射層6を有するもの等を採用することが好適である。
また、反射性金属層3を透明層とする場合は、屈折率が大きい薄膜とすればよく、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化シリコン、硫化アンチモン等を使用する。
反射性金属層3の厚みは目的に応じて設定する。例えば、0.005μm〜0.1μmの厚さとすればよい。
多層薄膜4の厚みは目的に応じて設定する。例えば、0.005μm〜0.1μmの厚さとすればよい。
また、光回折構造体層5を透明な被覆層(不図示)で覆い、保護するようにしてもよい。
光回折構造体層5の厚みは目的に応じて設定する。例えば、0.005μm〜0.1μmの厚さとすればよい。
また、反射層6を透明な被覆層で覆い、保護するようにしてもよい。
反射層6の厚みは目的に応じて設定する。例えば、0.005μm〜0.1μmの厚さとすればよい。
まず、図6に示すように、検査用の所定の照射光を照射する検知器等を用いて、物品1のタガント分布層11に付与されたタガント12の放射光を放射させ、ルーペ等を用いて拡大し、視認することでその特性を判断することにより、大まかに真偽が判定される(ステップS1)。ステップS1で真と判定された物品1について、更に、コンピュータ等の個体識別装置100を用いた微細物質分布解析処理(ステップS2)を施すことにより、真偽が判定される。
なお、例えば、タガント12を印刷インクに混入して付与した場合は、たとえ同じ機種の印刷装置であっても個々の印刷装置には固有の癖があり、厳密には同じ仕上がり状態を得られない。そのため、印刷装置や、用いるインク、インクの残存量、印刷の設定、更には、印刷時の気温や湿度等の諸条件によって、異なる印刷結果を得る。また、微細物質の混入の割合等によっても微細物質の分布は異なる。本発明は、予め真の物品のタガント12の分布位置を求め、基準特徴点データとして記憶しておき、比較対象とする物品のタガント12の分布と比較照合することにより個体の一致、不一致(真偽)を判別しようとするものである。
CPUは、記憶部102、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス109を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部101が後述する各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
なお、入力部103と表示部104が一体的に構成されたタッチパネル式の入出力部としてもよい。
通信I/F106は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワークとの通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を行う。
バス109は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
以下の式(1)により算出される閾値Scにより、読み取った画像データ(階調画像)を二値化する。
以下の式(2)により算出される閾値Saにより、読み取った画像データ(階調画像)を二値化する。
タガントの重心は、以下の式(3)により算出される。
本明細書において、特徴点とは、式(3)で得られた重心の座標で表される画素を言う。
その後、次の対象物品があれば、ステップS105からステップS111の照合処理を繰り返し行い、結果を出力して、タガント分布解析処理を終了する。
また、タガント12は印刷や塗布といった簡単な方法で付与できるため、容易に製造でき、本発明の個体識別処理を適用することで、高い精度で個体識別を行うことが可能となる。
図12は、タガント82の一例であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は図12(b)のA−A線断面図である。
図12では、タガント82の形状を六角柱とし、一部に「D」の文字(図案7)が付与されている。
すなわち、図12(c)に示すように、基材73の表面に図案形成層72を設け、更にその上面に反射材料層71を形成するようにしてもよい。タガント82の基材73には、金属や樹脂等を用いる。
このように、図案7を有するタガント82を用いる場合、図案7の輪郭から得られた画素数を第1画素数として用いる。
101・・・制御部
102・・・記憶部
108・・・画像読取装置
1・・・・・基準物品
11・・・・タガント分布層
12・・・・タガント
3・・・・・反射性金属層
4・・・・・被覆層
5・・・・・光回折構造体層
6・・・・・所定の照射光による反射層
82・・・・タガント
7・・・・・図案(文字、図形、記号、模様、もしくはこれらの組み合わせ)
72・・・・図案形成層
71・・・・反射材料層
Claims (5)
- タガントを基材上にランダムに配置した物品を個体識別する個体識別装置であって、
前記タガントが付与された基材面を撮影した画像から特徴点を抽出し、抽出された特徴点の一部又は全部からなる点群の重心を基準点とし、前記基準点に基づいて特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記特徴量算出手段によって算出された基準物品の前記特徴量である基準特徴量データと、前記特徴量算出手段によって算出された対象物品の前記特徴量である対象特徴量データと、を比較することによって、前記基準物品と前記対象物品とが同一個体であるか否かを判別する判別手段と、
を具備し、
前記特徴量算出手段は、抽出された複数の特徴点の中から特徴量算出点を1つずつ特定し、抽出された全ての特徴点と前記特徴量算出点との距離を算出し、算出された距離の最大値に基づいて前記点群を選択し、選択された前記点群の重心を、前記特徴量算出点ごとの前記基準点として算出し、前記特徴量算出点、前記基準点、及び前記特徴量算出点以外の特徴点の3つの点を用いて、前記特徴量算出点ごとに前記特徴量を算出することを特徴とする個体識別装置。 - 前記特徴量算出手段は、前記特徴量算出点及び前記基準点を結ぶ基準ベクトルと、前記特徴量算出点及び前記特徴量算出点以外の特徴点を結ぶベクトルとのなす角度を、前記特徴量として算出することを特徴とする請求項1に記載の個体識別装置。
- 前記特徴量算出手段は、前記特徴量算出点、前記基準点、及び前記特徴量算出点以外の特徴点によって構成される三角形の形状に基づく値を、前記特徴量として算出することを特徴とする請求項1に記載の個体識別装置。
- タガントを基材上にランダムに配置した物品を個体識別する個体識別方法であって、
前記タガントが付与された基材面を撮影した画像から特徴点を抽出し、抽出された特徴点の一部又は全部からなる点群の重心を基準点とし、前記基準点に基づいて特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
前記特徴量算出ステップによって算出された基準物品の前記特徴量である基準特徴量データと、前記特徴量算出ステップによって算出された対象物品の前記特徴量である対象特徴量データと、を比較することによって、前記基準物品と前記対象物品とが同一個体であるか否かを判別する判別ステップと、
を含み、
前記特徴量算出ステップは、抽出された複数の特徴点の中から特徴量算出点を1つずつ特定し、抽出された全ての特徴点と前記特徴量算出点との距離を算出し、算出された距離の最大値に基づいて前記点群を選択し、選択された前記点群の重心を、前記特徴量算出点ごとの前記基準点として算出し、前記特徴量算出点、前記基準点、及び前記特徴量算出点以外の特徴点の3つの点を用いて、前記特徴量算出点ごとに前記特徴量を算出することを特徴とする個体識別方法。 - タガントを基材上にランダムに配置した物品を個体識別するコンピュータにより読み取り可能な形式で記述されたプログラムであって、
前記タガントが付与された基材面を撮影した画像から特徴点を抽出し、抽出された特徴点の一部又は全部からなる点群の重心を基準点とし、前記基準点に基づいて特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
前記特徴量算出ステップによって算出された基準物品の前記特徴量である基準特徴量データと、前記特徴量算出ステップによって算出された対象物品の前記特徴量である対象特徴量データと、を比較することによって、前記基準物品と前記対象物品とが同一個体であるか否かを判別する判別ステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させ、
前記特徴量算出ステップは、抽出された複数の特徴点の中から特徴量算出点を1つずつ特定し、抽出された全ての特徴点と前記特徴量算出点との距離を算出し、算出された距離の最大値に基づいて前記点群を選択し、選択された前記点群の重心を、前記特徴量算出点ごとの前記基準点として算出し、前記特徴量算出点、前記基準点、及び前記特徴量算出点以外の特徴点の3つの点を用いて、前記特徴量算出点ごとに前記特徴量を算出することを特徴とするプログラム。
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