JP5834326B2 - カラーフィルタ用赤色着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、及びカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
カラーフィルタ基板の3原色(赤・緑・青;RGB)の一つである赤色フィルタセグメントには、一般的に2種類以上の顔料が併用され、赤色顔料についてはC.I.ピグメントレッド 254やC.I.ピグメントレッド 177が、また調色用として黄色顔料であるC.I.ピグメントイエロー 150、C.I.ピグメントイエロー 138、またはC.I.ピグメントイエロー 139等が用いられている。
ここでC.I.ピグメントレッド 254は、着色組成物としたときに特に輝度に優れる顔料である。また、着色力が高いため、カラーフィルタの色度調整、膜厚調整の際に有利となる。しかし、C.I.ピグメントレッド 254は、微細化して用いる場合に耐熱性に問題があり、微細化物を用いて着色塗膜とした場合はコントラスト比が低下するという欠点を有している。
また、コントラスト比の高いカラーフィルタを得る方法として、C.I.ピグメントレッド 254に、C.I.ピグメントレッド 177を加えて着色組成物を製造する手法が用いられている。しかしながら、C.I.ピグメントレッド 177自体は輝度、着色力が低いため、高含有率で使用することができず、結果としてC.I.ピグメントレッド 254にC.I.ピグメントレッド 177を含有すると、輝度、着色力、コントラストは相加平均的に低くなり、これら従来用いられている赤色顔料と黄色顔料との組み合わせを用いうる限り、高コントラスト比と高明度は限界となっているのが現状である。
特許文献1〜3には、赤色フィルタセグメントの更なる明度向上を図るべく、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド242、およびC.I.ピグメントオレンジ38などのアゾ顔料を主顔料として使用することが提案されているが、明度は十分ではなく、更なる改善が求められていた。
また、ナフトールアゾ顔料は、顔料自体の溶剤への親和性や、顔料表面の酸性度等がC.I.ピグメントレッド 254やC.I.ピグメントレッド 177などとは異なるため、分散性、流動性、保存安定性に優れ、かつ明度およびコントラスト比の高い着色組成物を得ることはできていないというのが現状であった。
特開2009−237462号公報 特開平11−14824号公報 特開平10−115709号公報
本発明は、明度、及びコントラスト比が高く、流動性に優れた安定なカラーフィルタ用着色組成物、並びに、該カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された、色特性が良く、耐熱性に優れたカラーフィルタを提供することである。
本発明者らは前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)を含む着色剤(a)と、酸性置換基を有する樹脂型分散剤物である樹脂型分散剤(c)とを含む着色組成物により、上記課題が解決することを見出したものである。
すなわち、本発明は、着色剤(a)と、樹脂(b)と、樹脂型分散剤(c)と、溶剤(d)とを含有する着色組成物において、該着色剤(a)が、一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)を含み、該樹脂型分散剤(c)が、酸性置換基を有する樹脂型分散剤であることを特徴とするカラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
[一般式(1)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。
1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7、または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、または−SO2NHR12を表す。R7〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、AおよびR2〜R6が水素原子、かつR1がハロゲン原子の場合は除く。]
また、本発明は、Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることを特徴とする上記ナフトールアゾ顔料に関する。
また、本発明は、酸性置換基を有する樹脂型分散剤(c)が、1分子中にカルボキシル基を2個以上有する樹脂型分散剤であることを特徴とする前記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、色素誘導体(e)を含み、該色素誘導体(e)が、塩基性置換基を有する顔料誘導体、塩基性置換基を有するβ−ナフトール誘導体及び塩基性置換基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の塩基性置換基を有する色素誘導体を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤(a)が、さらにC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー139及びC.I.ピグメントイエロー150からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の顔料を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体及び/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、基板上に前記カラーフィルタ用赤色着色組成物から形成されてなる赤色フィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明により、着色剤(a)として、一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)と、樹脂型分散剤(c)として酸性置換基を有する樹脂型分散剤を用いることで、明度、及びコントラスト比が高く、高流動性で安定性が良好なカラーフィルタ用着色組成物となり、これを使用することにより、色特性が良く、高明度かつ高コントラスト比であるカラーフィルタを形成することが可能となる。
本発明の一般式(1)で表されるアゾ顔料を使用することにより、明度に優れ、かつ耐熱性、および耐光性が良好なカラーフィルタを提供することができる。また、インクジェット用着色組成物、印刷インキ、樹脂着色剤、および塗料等に展開しても、同様の効果を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)を含む着色剤(a)と、樹脂(b)と、酸性置換基を有する樹脂型分散剤物である樹脂型分散剤(c)と、溶剤(d)とを含有する着色組成物である。
<着色剤(a)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物における着色剤(a)は、一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)を含むことを特徴とする。
[一般式(1)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。
1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7、または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、または−SO2NHR12を表す。R7〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、AおよびR2〜R6が水素原子、かつR1がハロゲン原子の場合は除く。]
一般式(1)中、Aにおいて、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、Aにおいて、置換基を有しても複素環基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。また、「複素環」とは、環系を構成する原子の中に、炭素原子以外のヘテロ原子が1個以上含まれるものを意味し、飽和環であっても不飽和環であっても良く、更に単環であっても縮合環であっても良い。したがって、複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、ベンゾフラン環、インドール環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環などが挙げられる。ゆえに、複素環基とは、これら複素環から水素原子を除いて誘導される一価の基を意味し、したがって、置換基を有してもよい複素環基の具体例としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピローリル基、3−ピローリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、ピペリジノ基、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2−モルホリニル基、N−インドリル基、2−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−キノリノ基、N−カルバゾリル基などが挙げられる。
また、R1〜R6におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、R1〜R12における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
本発明のナフトールアゾ顔料としては、明度の観点から、Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。さらに、明度および分散性の観点から、R1が炭素数1〜4のアルキル基または−OR7であることが好ましく、R1がメチル基またはメトキシ基であることがより好ましい。
本発明のナフトールアゾ顔料は、化学構造が一般式(1)、またはその互変異性体であっても良く、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
本発明のナフトールアゾ顔料の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
ナフトールアゾ顔料(a1)は溶媒に対して、そして光に対して優れた堅ろう性を有する水不溶性の顔料であり、この顔料を用いることで、輝度とコントラスト比のいずれも優れたカラーフィルタ用着色組成物を得ることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物における着色剤(a)は、ナフトールアゾ顔料を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
また、色調整が容易になるため、他の赤色顔料や黄色顔料などを併用して用いても良い。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物を赤色フィルタセグメント用に用いる場合に併用することができる赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、166、168、177、178、179、184、187、200、202、210、221、242、246、254、255、264、270、272、及び279等の赤色顔料を併用することができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、C.I.ピグメントレッド 254またはC.I.ピグメントレッド 177を用いることが好ましく、これらを共に用いても良い。
併用することができる黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、及び214等を挙げることができる。
これらの中でも、色度領域を広げることができる点でC.I.ピグメントイエロー 138、139、150が好ましく、C.I.ピグメントイエロー 139、150がより好ましい。
上記赤色顔料や黄色顔料と併用する場合、ナフトールアゾ顔料(a1)の含有量は、着色剤(a)の合計100重量%中、10〜100重量%、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜60重量%である。この含有量の範囲にあることにより色度領域を広げることができる。
本発明の着色組成物のナフトールアゾ顔料(a1)は、C.I.ピグメントレッド 254より青味で、C.I.ピグメントレッド 177より黄味で、透過スペクトルの立ち上がり波長が570〜590nmの範囲にあるため、液晶表示装置に一般的に用いられているバックライトの輝線に効果的に作用し、高い明度が得られる。またナフトールアゾ顔料と樹脂型分散剤(c)とを併せて用いることで、顔料が一次粒子の状態で安定に存在することが可能となり、高いコントラスト比を同時に得ることが出来る。
[顔料の微細化]
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることができる。ナフトールアゾ顔料(a1)についても、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。微細化を行うナフトールアゾ顔料(a1)は市販のいずれの製品を用いてもよいし、ナフトールアゾ顔料(a1)に対応するジアゾ化合物とカップラー化合物とのカップリング反応により製造したものを用いてもよい。
微細化した顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<樹脂(b)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に含まれる樹脂(b)は、着色剤(a)を分散するものであって、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂(b)は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性置換基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性置換基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性置換基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性置換基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
着色剤(a)を好ましく分散させるためには、樹脂(b)の重量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
また、着色剤(a)の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
樹脂(b)は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤(a)の全重量100重量部に対して、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。より好ましくは100〜400重量部。さらに好ましくは160〜320重量部である。このような顔料の構成比率により色度領域を広げることができる。
<樹脂型分散剤(c)>
本発明における樹脂型分散剤(c)は、酸性置換基を有する樹脂型分散剤である。本発明の樹脂型分散剤(c)は、ナフトールアゾ顔料(a1)に吸着する酸性置換基を含む顔料親和性のユニットと、顔料担体と相溶性のあるユニットとを有し、ベンズイミダゾロン顔料(a1)の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。
特に、ナフトールアゾ顔料(a1)と、酸性置換基を有する樹脂型分散剤(c)と、さらに、塩基性置換基を有する色素誘導体とを用いると、流動性と分散性の両立といった優れた効果を発揮するために好ましい。
樹脂型分散剤(c)の基本構造は、特に制限はなく、一般的な樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。
酸性置換基としては、例えば、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシル基が挙げられる。また、トリメリット酸、およびまたは、ピロメリット酸を一部エステル化したものが好ましく使用される。また、場合によって、酸性置換基を2以上有する芳香族環が、複数、直接結合および/または連結基によって一つの酸性置換基を有するユニットとなっていてもよい。なかでも、1分子中にカルボキシル基を2個以上有することが好ましい。1分子中にカルボキシル基を2個以上有する分散剤は、1分子中のカルボキシル基が0個、もしくは1個である樹脂型分散剤に比べて、着色剤への吸着基が多いために着色剤担体への分散を安定化する働きが強く、分散剤の極性も上がり、より高い分散安定性を確保することができるために好ましいものである。
樹脂型分散剤としては、直鎖状樹脂の主鎖または末端、櫛状樹脂の主鎖または側鎖に、ブロックまたはランダムに、酸性置換基、芳香族基等を有するものが好ましい。具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などが用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、燐酸エステル等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の樹脂型分散剤(c)の、分散媒に親和性の高い部位としては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のポリマーユニットが好ましい。
例えば、ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等のアルコール類の1種以上と、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンヒカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸、または、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等のカルボン酸類の1種類以上との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類等が挙げられる。
例えば、ポリエーテルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等のアルコール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルまたはアリルグリシジルエーテルの如き各種の(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類等が挙げられる。
例えば、ポリ(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、およびN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等のホモポリマー及び共重合体が挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよいし、混合して用いてもよいし、ブロックポリマーやグラフトポリマーやランダムポリマーの形態であってもよい。
市販されている酸性官能基を有する樹脂型顔料分散剤としては、例えば、ソルスパース3000、ソルスパース21000、ソルスパース26000、ソルスパース36600、ソルスパース41000、ソルスパース44000、ソルスパース46000、ソルスパース55000、(アビシア社製); ディスパービック108、ディスパービック110、ディスパービック111、ディスパービック112、ディスパービック116、ディスパービック142 、ディスパービック180 、ディスパービック2001 、( ビックケミー社製) ; ディスパロン3600N、ディスパロン1850(楠本化成社製);PA111( 味の素ファインテクノ社製);EFKA4401、EFKA4550(エフカ アディティブズ社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤(c)としては、特に、芳香族カルボキシル基を有する酸性樹脂型分散剤が好ましく、片末端に水酸基を有する重合体と、芳香族トリカルボン酸無水物及び/又は芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させてなる分散剤であることが最も好ましい。このような樹脂型分散剤としては、例えば、特許第4020150号明細書、特開2007−140487号公報、国際公開2008/007776号パンフレット、特開2010−163500号公報や特開2010−223988号公報等に開示されており、流動性と分散性の両立といった優れた効果を発揮する。
これらの中でも好ましい樹脂型分散剤としては、WO2008/007776号パンフレット等に記載の分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合して生成され、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル共重合体中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物中の酸無水物基と、を反応させてなるポリエステル分散剤が好ましい。更に好ましくは、前記テトラカルボン酸二無水物が、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含有してなることを特徴とするポリエステル分散剤である。これらのポリエステル分散剤を使用したカラーフィルタ用着色組成物は、顔料の分散安定性に優れるために好ましいものであり、合成方法としては、WO2008/007776号パンフレット等に記載の方法を用いて合成することができる。
さらに好ましい樹脂型分散剤としては、特開2007−140487号公報等に記載の下記式で示される樹脂型分散剤が挙げられる。
(HOOC−)m−R4−(−COO−[−R6−COO−]q−R5t
[式中、R4は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R5はモノアルコール残基、R6はラクトン残基、mは2または3、qは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。]
これらの芳香族カルボキシル基を有する酸性樹脂型分散剤を使用したカラーフィルタ用着色組成物は、顔料の分散安定性に非常に優れたものである。
また、樹脂型分散剤(c)の酸価は分散安定性の観点から、好ましくは200mgKOH/g以下、より好ましくは40〜200mgKOH/g、最も好ましくは40〜150mgKOH/gである。樹脂型分散剤(c)の重量平均分子量(Mw)は1000〜50000の範囲が好ましく、より好ましくは1000〜30000の範囲である。
樹脂型分散剤(c)の含有量は、ナフトールアゾ顔料(a1)100重量部に対し、10〜70重量部が好ましく、さらに好ましいのは20〜55重量部である。樹脂型分散剤(c)の配合量が10重量部未満の場合は、顔料分散性の効果が得られ難い。また、70重量部を超えると、該顔料分散組成物を含有する顔料分散レジストを使用し、フォトリソグラフィー法によってカラーフィルタの画素パターンを作成する際に、アルカリ現像性が低下することがある。
<溶剤(d)>
溶剤(d)は、着色剤を十分に樹脂中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に本発明の着色組成物を乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。
溶剤(d)としては、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、P−クロロトルエン、P−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、及び二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、本発明の着色剤(a)の分散性が良好なことから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
溶剤(e)は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤(a)100重量部に対し、800〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<色素誘導体(e)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、好ましくは、色素誘導体(e)を用いることができる。色素誘導体は、ナフトールアゾ顔料の分散に優れ、分散後のナフトールアゾ顔料の再凝集を防止する効果が大きいものである。
色素誘導体(e)としては、有機顔料、β−ナフトール系化合物、アクリドン系化合物またはトリアジン系化合物に、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物等があげられる。
すなわち、本発明で用いることができる色素誘導体(e)の構造は、下記一般式(2)で示される化合物である。
P−Ln 一般式(2)
[一般式(2)中、
P:有機顔料残基、β−ナフトール残基、アクリドン残基またはトリアジン残基
L:塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基
n:1〜4の整数である。]
Pの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チアインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;キノフタロン系顔料;スレン系顔料;金属錯体系顔料等が挙げられる。
Pのβ−ナフトール残基を構成するβ−ナフトールは、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)、およびフェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよいβ−ナフトールである。
なかでも、一般式(2)におけるLが塩基性置換基である、塩基性置換基を有する色素誘導体が好ましく使用できる。
塩基性置換基を有する色素誘導体を含むことにより、塩基性置換基を有する色素誘導体なしでは分散の難しい顔料の場合も、分散性、流動性、保存安定性に優れた顔料組成物とすることができ好ましい。酸性樹脂型分散剤と塩基性置換基を有する色素誘導体との相乗効果で顔料を効果的に分散し、流動性、保存安定性に優れた顔料組成物とせしめることができる。
塩基性置換基のなかでも、好ましくは、Lが、一般式(3)、(4)、及び(5)で示される群から選ばれる置換基である。

[一般式(3)〜(5)中、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHSO2CH2−、又は直接結合であり、
Yは、−NH−、−O−、又は直接結合であり、
nは、1〜10の整数であり、
1は、−NH−、−NR58−Z−NR59−、又は直接結合であり、
58、及びR59は、それぞれ独立に、水素結合、置換基を有しても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜36のアルケニル基、又は置換基を有しても良いフェニル基であり、
Zは、置換基を有しても良いアルキレン基、又は置換基を有しても良いアリーレン基であり、
50、R51は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜30のアルケニル基、又はR50とR51とが一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む、置換基を有しても良い複素環であり、
52、R53、R54、及びR55は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有しても良い炭素数6〜20のアリーレン基であり、
56は、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基であり、
57は、上記一般式(3)で示される置換基、又は上記一般式(4)で示される置換基であり、
Qは、水酸基、アルコキシル基、上記一般式(3)で示される置換基、又は上記一般式(4)で示される置換基である。]
一般式(3)〜(5)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニペコチン酸メチル、イソニペコチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
本発明の塩基性置換基を有する色素誘導体、β−ナフトール誘導体、及びアクリドン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素、β−ナフトール若しくはアクリドンに式(6)〜(9)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して式(3)〜(5)で示される置換基を形成する上記アミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミン、又は4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
式(6): −SO2Cl
式(7): −COCl
式(8): −CH2NHCOCH2Cl
式(9): −CH2Cl
式(6)〜(9)の置換基と上記アミン成分との反応時、式(6)〜(9)の置換基の一部が加水分解して、塩素が水酸基に置換したものが混在していてもよい。その場合、式(6)、及び式(7)は、それぞれ、スルホン酸基、及びカルボン酸基となるが、何れも遊離酸のままでもよく、又、1〜3価の金属又は上記のモノアミンとの塩であってもよい。
又、有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(3)〜(5)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
本発明の塩基性置換基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(3)〜(5)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
また、母体骨格は、一般式(2)におけるPが、有機顔料残基、β−ナフトール残基、またはトリアジン残基である色素誘導体が好ましく、なかでも、チアインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料もしくはアントラキノン系顔料である有機顔料残基、β−ナフトール残基、またはトリアジン残基が好ましい。
すなわち、本発明の着色組成物には、一般式(2)におけるPが、有機顔料残基、β−ナフトール残基、またはトリアジン残基であり、一般式(2)におけるLが、塩基性置換基である、塩基性置換基を有する色素誘導体、塩基性置換基を有するβ−ナフトール誘導体、および塩基性置換基を有するトリアジン誘導体が分散安定性の面で好ましい。なかでも、塩基性置換基を有するナフトールアゾ誘導体は、ナフトールアゾ顔料の分散に優れ、分散後のナフトールアゾ顔料の再凝集を防止する効果が最も大きいものである。
本発明において、色素誘導体(e)の配合量は、分散性向上の点から、ナフトールアゾ顔料(a1)100重量部に対し、好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上、最も好ましくは10重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、ナフトールアゾ顔料100重量部に対し、好ましくは25重量部以下、最も好ましくは20重量部以下である。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに光重合性単量体及び/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として使用することが出来る。
<光重合性単量体>
本発明に用いる光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体としては、例えば、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、β−カルボキシエチルメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンのメタアクリル酸エステル、エポキシメタアクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、メタアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
光重合性単量体の含有量は、着色剤(a)100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤(a)100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂の全重量を基準(100重量部)として、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤(a)の全重量100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色剤(a)の全重量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、ナフトールアゾ顔料(a1)を含む着色剤(a)と、樹脂型分散剤(c)と、必要に応じて樹脂(b)、溶剤(e)、色素誘導体(e)を一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、トリミックス、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(顔料分散体)。また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、ナフトールアゾ顔料(a1)と、併用する赤色顔料や黄色顔料等のその他の着色剤を一緒に分散してもよく、別々に分散したものを混合して製造することもできる
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記顔料分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<粗大粒子の除去>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このようにカラーフィルタ用着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタである。
カラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントと、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントと、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントとを具備し、前記少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物を用いて形成されることが好ましい。
緑色フィルタセグメントは、通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色着色組成物は、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いて得られる組成物である。緑色着色組成物には、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を併用することができる。
また、青色フィルタセグメントは、通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色着色組成物は、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いて得られる組成物である。青色着色組成物には、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
[印刷法]
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
[フォトリソグラフィー法]
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して活性エネルギー線である紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色組成物の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
本発明の着色組成物は上記記載のいずれの方法にも用いることが出来るが、フォトリソグラフィー法に最も適している。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜等が形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」とは「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。
また、アゾ顔料の同定方法と、樹脂および樹脂型分散剤の酸価と、樹脂の重量平均分子量(Mw)と、樹脂型分散剤のアミン価と、樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価と、顔料の平均一次粒子径と、顔料の比表面積と、塗膜のコントラスト比との測定方法は以下の通りである。
<アゾ顔料の同定方法>
本発明のアゾ顔料の同定は、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIII(以下、TOF−MSと称す)を用い、得られたマススペクトラムの
分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって同定した。
<樹脂および樹脂型分散剤の酸価>
樹脂および樹脂型分散剤の酸価は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。樹脂および樹脂型分散剤の酸価は、固形分の酸価を示す。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
<樹脂型分散剤のアミン価>
樹脂型分散剤のアミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。樹脂型分散剤のアミン価は、固形分のアミン価を示す。
<樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価>
樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。下記樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価は、固形分の4級アンモニウム塩価を示す。
<顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
<顔料の比表面積>
顔料の比表面積の測定は、窒素吸着のBET法による自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)により行なった。
<塗膜のコントラスト比の測定方法>
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏光板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。
まず、使用した色素誘導体について説明する。
<色素誘導体の構造式>
表1に、使用した塩基性置換基を有する誘導体の基本骨格と置換基をまとめ、誘導体構造式を付記した。
続いて、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液、樹脂型分散剤溶液、微細化顔料、顔料分散体、緑色感光性着色組成物、および青色感光性着色組成物の製造方法について説明する。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調整)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
(アクリル樹脂溶液2の調整)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させ、重量平均分子量(Mw)19000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して活性エネルギー線硬化性樹脂であるアクリル樹脂溶液2を調製した。
<樹脂型分散剤の製造方法>
(樹脂型分散剤A溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、触媒としてモノブチルスズ(IV)
オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認した後、ここに無水ピロメリット酸36.6部を加え、120℃で2時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。このようにして固形分当たりの酸価49mgKOH/g、不揮発分が40重量%のポリカプロラクトン骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤A溶液を得た。
(樹脂型分散剤B溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート100部、n−ブチルアクリレート100部、メトキシプロピルアセテート40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部を添加した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を20回に分けて30分ごとに加え、80℃のまま12時間反応し、固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物30部、メトキシプロピルアセテート190部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを滴定で確認し反応を終了した。このようにして、固形分当たりの酸価63mgKOH/g、不揮発分が40重量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤B溶液を得た。
(樹脂型分散剤E溶液)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン62.4部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、滴下ロートへメチルメタクリレート19.5部、n−ブチルメタクリレート11.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート11.7部、ジエチレングリコールモノメタクリレート(日油製、商品名:ブレンマーPE90」)を7.8部、ジメチルアミノエチルメタクリレート27.3部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を4.7部、及びメチルエチルケトン15.6部を仕込み、均一にした後、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7130である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化ベンジル22.0部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。その後、ジエチレングリコールを150部加え、100℃で減圧しながら、エタノール及びメチルエチルケトンを留去し、溶媒をジエチレングリコールに置換した。このようにして固形分当たりのアミン価3mgKOH/g、4級アンモニウム塩価97mgKOH/g、不揮発分が40重量%の樹脂型分散剤溶液Eを得た。
<微細化顔料の製造方法>
(微細化顔料1(PC−1)の作製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部のジケトピロロピロール系の微細化顔料1(PC−1)を得た。微細化顔料1の比表面積は70m2/gであった。
(微細化顔料2(PC−2)の作製)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(チバ・ジャパン社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部のアントラキノン系の微細化顔料2(PC−2)を得た。微細化顔料2の比表面積は80m2/gであった。
(微細化顔料3(PC−3)の作製)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 139((チバガイギー社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」))200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化顔料3(PC−3)を得た。微細化顔料3の比表面積は75m2/gであった。
(微細化顔料4(PC−4)の作製)
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の黄色微細化顔料4(PC−4)を得た。微細化顔料4の比表面積は90m2/gであった。
(微細化顔料5(PC−5)の製造)
ナフトールAS系赤色顔料C.I.ピグメント オレンジ 38(Clariant社製「NOVOPERM RED HFG」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化顔料5(PC−5)を得た。平均一次粒子径は70nmであった。
(微細化顔料6(P−1)の製造)
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド63.4部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−1)で表されるアゾ顔料141部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−1)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(1−1)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化顔料6(P−1)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
(微細化顔料7(P−2)の製造)
3−アミノ−4−メトキシベンズアミド43.5部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.2であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−3)で表されるアゾ顔料123部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−3)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(1−3)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化顔料7(P−2)を得た。平均一次粒子径は36nmであった。
(微細化顔料8(P−3)の製造)
3−アミノ−4−メチルベンズアミド39.3部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−4)で表されるアゾ顔料118部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−4)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(1−4)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化顔料8(P−3)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(微細化顔料9(P−4)の製造)
下記式(2−a)のアミン化合物78.0部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.3であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−6)で表されるアゾ顔料138部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−6)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(1−6)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化顔料9(P−4)を得た。平均一次粒子径は34nmであった。
(微細化顔料10(P−5)の製造)
下記式(2−b)のアミン化合物74.6部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−8)で表されるアゾ顔料145部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−8)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(1−8)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化顔料10(P−5)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(微細化顔料11(P−6)の製造)
下記式(2−c)のアミン化合物78.3部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−15)で表されるアゾ顔料146部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−15)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(1−15)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、96部の微細化顔料11(P−6)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
(微細化顔料12(P−7)の製造)
下記式(2−d)のアミン化合物63.2部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.7であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−17)で表されるアゾ顔料137部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−17)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(1−17)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化顔料12(P−7)を得た。平均一次粒子径は40nmであった。
(緑色微細化顔料1の作製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(大日本インキ化学工業株式会社製「FASTOGEN GREEN A110)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の緑色微細化顔料1を得た。緑色微細化顔料1の比表面積は75m2/gであった。
(青色微細化顔料1の作製)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細化顔料1を得た。青色微細化顔料1の比表面積は80m2/gであった。
(紫色微細化顔料1の作製)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫色微細化顔料1を得た。紫色微細化顔料1の比表面積は95m2/gであった。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(DC−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(DC−1)を作製した。
微細化顔料1(PC−1) :11.0部
(C.I.ピグメントレッド 254)
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液(分散剤A) : 5.0部
(顔料分散体(DC−2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(DC−2)を作製した。
微細化顔料2(PC−2) :11.0部
(C.I.ピグメントレッド 177)
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液(分散剤A) : 5.0部
(顔料分散体(DC−3))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(DC−3)を作製した。
微細化顔料3(PC−3) :11.0部
(C.I.ピグメント イエロー 139)
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液(分散剤A) : 5.0部
(顔料分散体(DC−4))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(DC−4)を作製した。
微細化顔料4(PC−4) :11.0部
(C.I.ピグメント イエロー150)
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液 (チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) : 5.0部
<緑色感光性着色組成物、青色感光性着色組成物の製造方法>
(緑色感光性着色組成物1)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発分が20重量%の緑色顔料分散体1を作製した。
緑色微細化顔料1 (C.I.ピグメント グリーン 58) :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液 (チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) : 5.0部
続いて、下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物1を作製した。
緑色顔料分散体 :32.0部
顔料分散体(DC−4) :18.0部
アクリル樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体 (東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
(青色感光性着色組成物1)
緑色微細化顔料1 (C.I.ピグメント グリーン 58)を青色微細化顔料1(C.I.ピグメント ブルー 15:6)に変えた以外は、緑色顔料分散体と同様にして、不揮発分が20重量%の青色顔料分散体を得た。
緑色微細化顔料1 (C.I.ピグメント グリーン 58)を紫色微細化顔料1(C.I.ピグメント バイオレット 23)に変えた以外は、緑色顔料分散体と同様にして、不揮発分が20重量%の紫色顔料分散体を得た。
続いて、緑色顔料分散体32.0部、顔料分散体(DC−4)18.0部の合計50.0部を青色分散体46.0部、紫色分散体4.0部の合計50.0部に置き換えた以外は緑色感光性着色組成物1と同様にして青色感光性着色組成物1を得た。
[実施例1]
(顔料分散体(D−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(D−1)を作製した。
微細化顔料5(P−1) :10.0部
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液(分散剤A) : 5.0部
誘導体(誘導体A) : 1.0部
[実施例2〜19、22]
(顔料分散体(D−2〜19、22))
以下、顔料、樹脂型分散剤、誘導体を表2に示す組成に変更した以外は顔料分散体(D−1)と同様にして、顔料分散体(D−2〜19、22)を調整した。
[実施例21]
(顔料分散体(D−21))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(D−21)を作製した。
微細化顔料5(P−1) :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液(分散剤A) : 5.0部
[比較例1]
(顔料分散体(D−23))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(D−23)を作製した。
微細化顔料5(P−1) :10.0部
アクリル樹脂溶液1 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
誘導体(誘導体A) : 1.0部
[比較例2、3]
(顔料分散体(D−24、25))
以下、顔料、樹脂型分散剤、誘導体を表2に示す組成に変更した以外は顔料分散体(D−1)と同様にして、顔料分散液(D−24、25)を調整した。
樹脂型分散剤C:SP55000(ルーブリゾール社製) 不揮発分40重量%メトキシプロピルアセテート溶液
[カラーフィルタ用着色組成物(顔料分散体)の評価]
実施例および比較例で得られた顔料分散体(D−1〜19、21〜25)の粘度特性、色特性、およびコントラスト比の評価を下記の方法で行った。表3に評価結果を示す。
<粘度特性>
顔料分散体の粘度は、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃における初期粘度を測定した。別途、当該顔料分散体25gを、ガラス容器中密閉状態で、40℃、24時間静置した後、上記と同様の方法で粘度を測定し、経時粘度とした。
<色特性評価>
ガラス基板上に、得られた感光性着色組成物を塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.640、y=0.322になるような塗布基板を得た。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
<コントラスト比(CR)>
得られた顔料分散体をスピンコーターを用いて、回転数を変えて乾燥膜厚が約1μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。塗布後80℃で30分、熱風オーブンで乾燥したのち、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1μmにおけるコントラスト比(CR)を一次相関法で求めた。
一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)を含む着色剤(a)と、酸性置換基を有する樹脂型分散剤物である樹脂型分散剤(c)とを含む本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、比較例の着色組成物に対して粘度が低く、明度・CRが高いという結果を得た。特に本発明の着色組成物のナフトールアゾ顔料(a1)は、既存の顔料であるC.I.ピグメントオレンジ38と比較して、C.I.ピグメントレッド 254より青味で、C.I.ピグメントレッド 177より黄味で、透過スペクトルの立ち上がり波長が570〜590nmの範囲にあるため、液晶表示装置に一般的に用いられているバックライトの輝線に効果的に作用し、高い明度が得られた。またナフトールアゾ顔料と樹脂型分散剤(c)とを併せて用いることで、顔料が一次粒子の状態で安定に存在することが可能となり、高いコントラスト比を同時に得ることが出来た。
特にポリエステル骨格であり、酸性置換基として芳香族カルボン酸基を有する酸性樹脂型分散剤と塩基性置換基を有する色素誘導体とを含んでいる場合、より粘度が低く、CRが高い結果であった。
また、特にAが、置換基を有してもよいフェニル基である場合、明度とCRに優位性が見られた。
[実施例23]
(感光性着色組成物(R−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(R−1)を得た。
(顔料分散体) (計50部)
顔料分散体(D−1) :25.0部
顔料分散体(DC−2) :13.0部
顔料分散体(DC−3) :12.0部
アクリル樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体 (東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
[実施例24〜41、43〜48、比較例5〜9]
(感光性着色組成物(R−2〜19、21〜31))
顔料分散体を表4に示す顔料分散体の種類および配合量に変えた以外は感光性着色組成物(R−1)と同様にして感光性着色組成物(R−2〜19、21〜31)を得た。各感光性着色組成物調整においては、顔料分散体の合計が50部となるように添加し、感光性着色組成物100部を調整した。
[カラーフィルタ用着色組成物(感光性着色組成物)の評価]
実施例および比較例で得られた感光性着色組成物(R−1〜19、21〜31)の色特性、コントラスト比、および塗膜の耐熱性評価を下記の方法で行った。表5に評価結果を示す。
<色特性評価>
ガラス基板上に、得られた感光性着色組成物を塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.658、y=0.325になるような塗布基板を得た。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
<コントラスト比(CR)>
得られた感光性着色組成物をスピンコーターを用いて、回転数を変えて乾燥膜厚が約1μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。塗布後80℃で30分、熱風オーブンで乾燥したのち、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1μmにおけるコントラスト比(CR)を一次相関法で求めた。
<塗膜耐熱性評価>
透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように感光性着色組成物を塗布し、70℃で20分乾燥。所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行った後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成した。その後、オーブンで230℃1時間加熱、放冷後、得られた塗膜を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)によりC光源を用いてL*a*b*表色系にて色測定(L*(1),a*(1),b*(1))を行った。さらにその後、耐熱試験としてオーブンで250℃1時間加熱し、同様に色測定(L*(2),a*(2),b*(2))を行い、下記計算式により、色差ΔEab*を算出し、塗膜の耐熱性を下記の4段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上3.0未満
△:ΔEab*が3.0以上5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)を含む着色剤(a)と、酸性置換基を有する樹脂型分散剤物である樹脂型分散剤(c)とを含む本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、いずれも明度およびCRが高く、かつ耐熱性が良好であった。
また、さらに塩基性置換基を有する色素誘導体を含む感光性着色組成物は、色素誘導体を含まない感光性着色組成物もよりCRが良好であった。
これに対し、ナフトールアゾ顔料(a1)を含まない感光性着色組成物は、耐熱性が悪く、明度も低い結果であった。
[カラーフィルタの製造例]
本発明の赤色感光性着色組成物1と、緑色感光性着色組成物1および青色感光性着色組成物1とを用いて、基板上にスピンコートにより、乾燥膜厚が1.7μmとなるように塗布し、乾燥し、塗膜と非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行い、その後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成したのち230℃にて1時間加熱した。同様の操作を、緑色、青色についても繰り返して行い、カラーフィルタを製造することにより、明度が高く、耐熱性に優れた、RGB3色カラーフィルタを作成することができた。

Claims (7)

  1. 着色剤(a)と、樹脂(b)(ただし、樹脂型分散剤を除く)と、樹脂型分散剤(c)と、溶剤(d)とを含有する着色組成物において、該着色剤(a)が、下記一般式(1)で示されるナフトールアゾ顔料(a1)を含み、該樹脂型分散剤(c)が、芳香族カルボキシル基を有する酸性樹脂型分散剤であることを特徴とするカラーフィルタ用赤色着色組成物。
    一般式(1):



    [一般式(1)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。
    1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7、または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、または−SO2NHR12を表す。R7〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    ただし、AおよびR2〜R6が水素原子、かつR1がハロゲン原子の場合は除く。]
  2. Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  3. 樹脂型分散剤(c)が、1分子中にカルボキシル基を2個以上有する樹脂型分散剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  4. さらに、色素誘導体(e)を含み、該色素誘導体(e)が、塩基性置換基を有する顔料誘導体、塩基性置換基を有するβ−ナフトール誘導体及び塩基性置換基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の塩基性置換基を有する色素誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  5. 着色剤(a)が、さらにC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー139及びC.I.ピグメントイエロー150からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の顔料を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  6. さらに光重合性単量体及び/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  7. 基板上に、請求項1〜6いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物から形成されてなる赤色フィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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