JP5833914B2 - 懸架装置 - Google Patents

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Description

この発明は、懸架装置の改良に関し、筒状隙間の車輪側開口を塞ぐシール部材の内周面(摺接面)に作動液を供給して潤滑不足となることを抑制する。
一般的に、自動車や自動二輪車等の輸送機器においては、車体と車輪との間に懸架装置を介装し、この懸架装置で路面凹凸による衝撃が車体に伝達されることを抑制している。
例えば、特許文献1に開示の懸架装置は、自動二輪車の前輪を懸架するフロントフォークであり、図7に示すように、車体側に配置されるアウターチューブ1と、車輪側に配置されてアウターチューブ1内に出没可能に挿入されるインナーチューブ200とからなり伸縮可能な懸架装置本体を備えている。
さらに、上記フロントフォークは、懸架装置本体の円滑な伸縮を実現するため、アウターチューブ1とインナーチューブ200の重複部の間に形成される筒状隙間3内に潤滑用の作動液を収容している。
そして、上記筒状隙間3内には、インナーチューブ200の車体側外周に取り付けられてアウターチューブ1の内周面に摺接する車体側軸受4Aと、図示しないが、アウターチューブ1の車輪側内周に取り付けられてインナーチューブ200の外周面に摺接する車輪側軸受が設けられており、これら車体側軸受4Aと車輪側軸受でインナーチューブ200を軸支している。
また、図示しないが、上記筒状隙間3の車輪側開口は、アウターチューブ1の車輪側端部内周に保持されて上記インナーチューブ200の外周面に摺接する環状のシール部材で塞がれており、このシール部材の内周面(摺接面)を上記筒状隙間3内に貯留される作動液で潤滑している。
そして、上記筒状隙間3への作動液の供給は、フロントフォークに入力される振動等により跳ねてアウターチューブ1の内周面に付着した作動液がアウターチューブ1の内周面を伝い落ちるのを上記筒状隙間3の車体側端(図7中上端)から回収することによって行われる。
特開2010−164167号公報
しかしながら、上記従来のフロントフォークにおいて、上記筒状隙間3における車体側軸受4Aよりも車体側(図7中上側)の隙間3aは、アウターチューブ1の内周面における車体側軸受4Aの摺接面41aとインナーチューブ200の外周面における車輪側軸受の摺接面41bとの距離Xと等しく、非常に狭い。
また、上記インナーチューブ200の内周面は、車体側端(図7中上端)から車輪側に縮径されて傾斜しており、アウターチューブ1の内周面を伝い落ちる作動液をインナーチューブ200の内周側に掻き落とし易い。
したがって、アウターチューブ1の内周面を伝い落ちる作動液を筒状隙間3に供給し難く、潤滑隙間3内の作動液が不足して、シール部材の内周面(摺接面)で潤滑不足となる虞がある。
そこで、本発明の目的は、アウターチューブの内周面を伝い落ちる作動液を従来のフロントフォーク(懸架装置)よりも多く筒状隙間内に供給することができ、シール部材の内周面で潤滑不足となることを抑制することが可能な懸架装置を提供することである。
上記課題を解決するための第一の手段は、車体側に配置されるアウターチューブと、車輪側に配置されて上記アウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブと、上記アウターチューブと上記インナーチューブの重複部の間に形成される筒状隙間と、上記インナーチューブの外周に保持されて上記アウターチューブの内周面に摺接する車体側軸受と、上記アウターチューブの内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接する車輪側軸受と、上記アウターチューブの車輪側端部内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接し上記筒状隙間の車輪側開口を塞ぐ環状のシール部材とを備える懸架装置において、上記インナーチューブの車体側端部には、車体側に開口する液溜室を形成する作動液受けが取り付けられ、上記作動液受けと上記インナーチューブとの間の開口量は、上記アウターチューブの内周面における上記車体側軸受の摺接面と上記インナーチューブの外周面における上記車輪側軸受の摺接面との間の開口量よりも大きく形成されるとともに、上記車体側軸受は、軸方向に沿って形成される切欠きを有しており、上記液溜室が上記切欠きを介して上記筒状隙間と連通されることである。
上記課題を解決するための第二の手段は、車体側に配置されるアウターチューブと、車輪側に配置されて上記アウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブと、上記アウターチューブと上記インナーチューブの重複部の間に形成される筒状隙間と、上記インナーチューブの外周に保持されて上記アウターチューブの内周面に摺接する車体側軸受と、上記アウターチューブの内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接する車輪側軸受と、上記アウターチューブの車輪側端部内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接し上記筒状隙間の車輪側開口を塞ぐ環状のシール部材とを備える懸架装置において、上記インナーチューブは、上記車体側軸受よりも車輪側に設けられ、上記インナーチューブの内周側と外周側を連通する孔を備えるとともに、上記インナーチューブの上記孔よりも車輪側内周には、車体側に開口する液溜室を形成する作動液受けが取り付けられており、上記液溜室は、上記孔を介して上記筒状隙間と連通されることである。
本発明によれば、アウターチューブの内周面を伝い落ちる作動液を従来の懸架装置よりも多く筒状隙間内に供給することができ、シール部材の内周面で潤滑不足となることを抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る懸架装置たるフロントフォークを部分的に切り欠いて示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係る懸架装置たるフロントフォークを部分的に拡大して示す斜視図である。 図1の主要部を拡大して示す縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る懸架装置たるフロントフォークの第一の変形例を示し、主要部を拡大して示す縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る懸架装置たるフロントフォークの第二の変形例を示し、主要部を拡大して示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る懸架装置たるフロントフォークの第三の変形例を示し、主要部を拡大して示す縦断面図である。 従来の懸架装置たるフロントフォークの主要部を拡大して示す縦断面図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る懸架装置について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る懸架装置は、車体側に配置されるアウターチューブ1と、車輪側に配置されて上記アウターチューブ1内に出没可能に挿入されるインナーチューブ2と、上記アウターチューブ1と上記インナーチューブ2の重複部の間に形成される筒状隙間3と、上記インナーチューブ2の外周に保持されて上記アウターチューブ1の内周面に摺接する車体側軸受4Aと、上記アウターチューブ1の内周に保持されて上記インナーチューブ2の外周面に摺接する車輪側軸受4Bと、上記アウターチューブ1の車輪側端部1a内周に保持されて上記インナーチューブ2の外周面に摺接し上記筒状隙間3の車輪側開口を塞ぐ環状のシール部材5とを備える。
さらに、上記懸架装置は、上記インナーチューブ2に取り付けられて車体側に開口し液溜室30を形成する作動液受け6を備え、上記液溜室30が上記筒状隙間3と連通される。
以下、詳細に説明すると、本実施の形態に係る懸架装置は、自動二輪車において、その前輪を懸架するフロントフォークであり、図示しないが、アウターチューブ1が車体側ブラケットを介して車体側のステアリングシャフトに連結されるとともに、インナーチューブ2が車輪側ブラケット20を介して前輪の車軸に連結される。
また、上記アウターチューブ1と上記インナーチューブ2とからなる懸架装置本体Fは、その図1中上側の車体側開口をアウターチューブ1に取り付けられるキャップ部材10で塞がれており、図1中下側の車輪側開口をインナーチューブ2に取り付けられる上記車輪側ブラケット20で塞がれている。
さらに、上記懸架装置本体Fにおいて、アウターチューブ1とインナーチューブ2の重複部の間に形成される筒状隙間3は、上記したように、アウターチューブ1の車輪側端部1a内周に保持されてインナーチューブ2の外周面に摺接する環状のシール部材5で塞がれている。
したがって、上記懸架装置本体Fの内部は、外気と区画され、キャップ部材10、車輪側ブラケット20及びシール部材5で懸架装置本体F内に収容される作動液や気体が外気側に流出することを防止する。本実施の形態において、上記作動液は、水、水溶液、油等の液体であり、上記気体は窒素等の不活性ガスからなる。
また、本実施の形態において、上記懸架装置本体F内には、倒立型の緩衝器Dが収容されている。尚、この緩衝器Dの構成は周知であるため、詳細に図示しないが、緩衝器Dは、キャップ部材10に筒状のシリンダ保持部材11を介して垂設されるシリンダ12と、車輪側ブラケット20の底部20a上に起立して上記シリンダ12内に移動可能に挿入されるピストンロッド21と、このピストンロッド21の先端に保持されて上記シリンダ12の内周面に摺接するピストン22とを備えている。
そして、上記シリンダ12の車輪側(図1中下側)の開口は、上記ピストンロッド21を軸支する環状のロッドガイド13で塞がれている。また、上記シリンダ12の車体側(図1中上側)の軸心部には、キャップ部材10に垂設されるベースロッド14が起立しており、このベースロッド14の先端に保持されるベース部材15が上記シリンダ12の車体側開口を塞いでいる。
そして、上記シリンダ12内における上記ロッドガイド13と上記ベース部材15との間には、作動液が充填されるとともに上記ピストン22が配置されており、ロッドガイド13とピストン22との間に伸側室P1が形成され、ピストン22とベース部材15との間に圧側室P2が形成されている。
さらに、上記シリンダ12におけるベース部材15よりもキャップ部材側には、ベースロッド14に沿って移動可能な環状のフリーピストン16が摺接しており、このフリーピストン16とベース部材15との間に作動流体が充填される作動液室P3が形成され、フリーピストン16の車体側にシリンダ内気室Aが形成されている。
つづいて、上記ピストン22には、圧側室側に伸側減衰弁V1が積層されるとともに、伸側室側に圧側チェック弁C1が積層されている。そして、上記伸側減衰弁V1は、上記ピストン22に形成される伸側流路(図示せず)を通過して伸側室P1から圧側室P2に移動する作動液に抵抗を与える。他方、上記圧側チェック弁C1は、上記ピストン22に形成される圧側流路(図示せず)を通過して作動液が圧側室P2から伸側室P1に移動することのみを許容する。
また、上記ベース部材15には、圧側室側に伸側チェック弁C2が積層されるとともに、作動液室側に圧側減衰弁V2が積層されている。そして、上記圧側減衰弁V2は、上記ベース部材15に形成される圧側流路(図示せず)を通過して圧側室P2から作動液室P3に移動する作動液に抵抗を与える。他方、上記伸側チェック弁C2は、上記ベース部材15に形成される伸側流路(図示せず)を通過して作動液が作動液室P3から圧側室P2に移動することのみを許容する。
上記構成を備えることにより、ピストンロッド21がシリンダ12から退出するフロントフォークの伸長時には、ピストン22で加圧された伸側室P1の作動液が伸側減衰弁V1を開いてピストン22の図示しない伸側流路を通過し圧側室P2に移動する。
このとき、退出したピストンロッド体積分の作動液が伸側チェック弁C2を開いてベース部材15の図示しない伸側流路を通過し作動液室P3から圧側室P2に移動するため、作動液室P3内の作動液が減ってフリーピストン16がベース部材側に移動する。
他方、ピストンロッド21がシリンダ12内に進入するフロントフォークの圧縮時には、ピストン22で加圧された圧側室P2の作動液が圧側チェック弁C1を開いてピストン22の図示しない圧側流路を通過し伸側室P1に移動する。
このとき、進入したピストンロッド体積分の作動液が圧側減衰弁V2を開いてベース部材15の図示しない圧側流路を通過し圧側室P2から作動液室P3に移動するため、作動液室P3内の作動液が増えてフリーピストン16がキャップ部材側に移動する。
したがって、上記緩衝器Dは、フロントフォークの伸縮時にピストン22及びベース部材15に形成される図示しない伸側流路及び圧側流路を作動流体が通過する際の抵抗に起因する減衰力を発生することが可能となる。
尚、本実施の形態において、伸側チェック弁C2や圧側チェック弁C1は、伸側減衰弁V1や圧側減衰弁V2と比較して小さな抵抗しか生じないように設定されており、伸側減衰弁V1及び圧側減衰弁V2でメインの減衰力を発生するようになっている。しかし、ピストン22及びベース部材15のバルブ構造は、上記の限りではなく、適宜周知の構成を採用することが可能である。
つづいて、懸架装置本体F内において上記緩衝器Dの外側には、リザーバRが形成されており、このリザーバRは、作動液が貯留されるリザーバ内液室R1と、その液面Oを介して上側に形成されるリザーバ内気室R2とからなる。
そして、上記リザーバ内気室R2には、気体が圧縮されながら封入されており、懸架装置本体Fを常に伸張方向に附勢して懸架ばね(エアばね)として機能する。また、リザーバ内気室R2は、シリンダ12を保持するシリンダ保持部材11に形成される通孔11aを介してシリンダ内気室Aと連通するため、リザーバ内気室R2とシリンダ内気室Aは同圧となる。
したがって、シリンダ内気室Aは、フリーピストン16を介してシリンダ12内を加圧し、緩衝器Dにおける減衰力応答性を高めることができる。
また、上記フリーピストン16は、所定以上キャップ部材側に後退したとき、上記通孔11aを介して作動液室P3とリザーバRとを連通できる。このため、温度上昇等の影響によりシリンダ12内で作動液の体積が増すと、通孔11aを介して余剰となる作動液をリザーバRに排出することができる。
また、本実施の形態において、フロントフォークは、周知のオイルロック機構を備えており、このオイルロック機構は、上記緩衝器Dにおけるロッドガイド13の車輪側(図1中下側)外周に取り付けられたオイルロックピース7Aと、車輪側ブラケット20の底部20a上に起立するオイルロックケース7Bとからなる。そして、フロントフォークが圧縮されてオイルロックピース7Aがオイルロックケース7B内に嵌入されると、オイルロック効果を発揮し、フロントフォークの最圧縮時の衝撃を吸収することができる。
つづいて、懸架装置本体Fにおけるアウターチューブ1とインナーチューブ2の重複部の間に形成される筒状隙間3は、上記したように、その車輪側開口が環状のシール部材5で塞がれており、本実施の形態において、上記シール部材5は、アウターチューブ1の車輪側端(図1中下端)に嵌合するダストシール50と、このダストシール50の車体側(図1中上側)に直列に配置されるオイルシール51とからなる。
そして、ダストシール50は、インナーチューブ2の外周面に付着した異物を掻き落として異物の混入を防ぐとともに、オイルシール51の内周面(摺接面)が傷つくことを防ぐ。他方、オイルシール51は、インナーチューブ2の外周面に付着した作動液を掻き落として筒状隙間3の作動液の流出を防ぐとともに、懸架装置本体F内の気体の流出も防いでいる。
もどって、上記筒状隙間3内には、車体側軸受4Aと車輪側軸受4Bが直列に配置されており、これら車体側軸受4Aと車輪側軸受4Bとでインナーチューブ2を軸支している。そして、上記車体側軸受4Aは、インナーチューブ2の車体側外周に形成される断面コ字状の環状の溝2aに嵌合して位置決めされ、アウターチューブ2の内周面に摺接している。他方、上記車輪側軸受4Bは、アウターチューブ1の車輪側内周に圧入されるとともに、シール部材5の車体側(図1中下側)に積層される断面逆L字状のワッシャ8で下支えされて位置決めされ、インナーチューブ2の外周面に摺接している。
そして、上記インナーチューブ2における上記溝2aの車輪側(図1中下側)には、インナーチューブ2の内周側と外周側とを連通する孔2bが開穿されている。このため、筒状隙間3は、この孔2bを介してリザーバRと連通する。
もどって、上記車体側軸受4Aは、図2に示すように、C環状に形成されており、軸方向に沿って切欠き40が設けられている。そして、筒状隙間3の車体側(図2中上側)は、上記切欠き40を介して液溜室30に連通している。
また、本実施の形態において、上記液溜室30は、上記インナーチューブ2における溝2aよりも車体側の車体側端部2cから車体側に一体的に起立する筒状の作動液受け6と、アウターチューブ1との間に形成されている。
そして、上記作動液受け6の外周は、図3に示すように、インナーチューブ2の外周面における車輪側軸受4Bの摺接面41bの外周よりも小径に形成されている。このため、上記作動液受け6の車体側の開口量Yは、アウターチューブ1の内周面における車体側軸受4Aの摺接面41aと上記車輪側軸受4Bの摺接面41bとの距離Xよりも大きくなる。
次に、本実施の形態に係るフロントフォークにおける作用効果について説明する。
本実施の形態において、作動液受け6がインナーチューブ2に取り付けられて車体側に開口し、車体側の開口量Yが車体側軸受4Aの摺接面41aと車輪側軸受4Bの摺接面41bとの距離Xよりも大きく、上記作動液受け6で液溜室30形成しているため、アウターチューブ1の内周面を伝い落ちる作動液を従来よりも多く液溜室30に回収することができる。
また、上記液溜室30内に回収された作動液は、車体側軸受4Aの切欠き40を通過して車輪側軸受4Bの内周面(摺接面)を潤滑するとともに、車体側軸受4Bとインナーチューブ2との摺動隙間を通過してシール部材5の内周面(摺接面)を潤滑することができる。
つまり、本実施の形態においては、従来のフロントフォークよりも多くの作動液を筒状隙間3に供給することができ、シール部材5の内周面で潤滑不足となることを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態におけるフロントフォークは、フリーピストン16を備えた倒立型の緩衝器Dを収容しており、リザーバR内に収容される作動液の液面Oが低く、液面Oが筒状隙間3とリザーバRとを連通する孔2bに届かない。
このため、フロントフォークに入力される振動等で跳ねてアウターチューブ1の内周面に付着した作動液を回収して筒状隙間3内に作動液を供給する以外に、筒状隙間3内に作動液が供給されない。
また、リザーバR内の液面Oを高くした場合には、収容する作動液の量が増えてフロントフォークの重量増となる不具合があり、上記孔2bの位置を車輪側に下げる場合には、孔2bを開穿したときのバリ取り作業が不便になる他、ストローク量確保のためフロントフォークの全長が長くなる等の不具合がある。
したがって、本実施の形態のようなフロントフォークにおいて、アウターチューブ1の内周面に付着した作動液をより多く回収することが特に有効である。
また、本実施の形態において、車体側軸受4Aが軸方向に沿って形成される切欠き40を有してC環状に形成されているため、作動液受け6が車体側軸受4Aよりも車体側、即ち、インナーチューブ2の車体側端部2cに連設されていても、液溜室30に回収した作動液をシール部材5に速やかに供給することが可能となる。
また、本実施の形態において、作動液受け6が筒状に形成されてインナーチューブ2の車体側端部2cの車体側に一体的に起立するとともに、その外周がインナーチューブ2の外周面における車輪側軸受4Bの摺接面41bよりも小径に形成される。このため、例えば、インナーチューブ2の外周を車体側から一定量切削する方法等により、容易に作動液受け6を設けることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
例えば、上記実施の形態において、本発明に係る懸架装置が自動二輪車の前輪を懸架するフロントフォークであるとしたが、自動二輪車の後輪用のリアクッションユニットや、自動車等他の輸送機器用の懸架装置用に利用されるとしても良い。
また、上記実施の形態において、フロントフォークがフリーピストン16を備える倒立型の緩衝器Dを収容するとしたが、この限りではなく、如何なる形態の緩衝器を収容するとしても良い。
また、上記実施の形態において、相互に連通するリザーバ内気室R2とシリンダ内気室Aに気体を圧縮しながら封入して懸架ばねとして機能させるとともに、フリーピストン16を附勢する附勢ばねとして機能させているが、コイルスプリングからなる懸架ばねや附勢ばねを備えるとしても良い。
また、液溜室30を形成する作動液受け6の構成も、従来よりも多くの作動液を筒状隙間3内に供給することができる限りにおいて、適宜変更することが可能であり、図4〜図6に一実施の形態における作動液受け6の変形例を示す。
図4は、第一の変形例に係る作動液受け6Aを示し、この作動液受け6Aは、車体側にかけて外周が徐々に縮径されて円錐状に形成されており、インナーチューブ2の車体側端部2cから車体側に一体的に起立している。そして、この作動液受け6Aは、アウターチューブ2との間に液溜室30を形成している。
本変形例においては、作動液受け6Aが上記形状を備えているため、作動液受け6Aの車体側の開口量Yは、一実施の形態と同様に、車体側軸受4Aの摺接面41aと車輪側軸受4Bの摺接面41bとの距離Xよりも大きくなり、液溜室30を介して従来よりも多くの作動液を筒状隙間3に供給することができる。
また、本変形例においては、例えば、インナーチューブ2の車体側端を内周側に曲げ変形させる等の方法で作動液受け6Aを設けることが可能となり、容易に作動液受け6を設けることが可能となる。
つづいて、図5は、第二の変形例に係る作動液受け6Bを示し、この作動液受け6Bは、筒状に形成されてインナーチューブ2の車体側端部2cから車体側に一体的に起立するとともに、作動液受け6Bの外周の車体側端部から軸方向に沿って形成される複数の溝60備えている。そして、この作動液受け6Bは、上記溝60とアウターチューブ1との間に複数の液溜室30を形成している。
尚、本変形例において、上記各溝60の車体側の開口面積の総和は、車体側軸受4Aの摺接面41aと車輪側軸受の摺接面41bとの間に形成される隙間の断面積よりも大きく形成される。このため、本実施の形態においても、液溜室30を介して従来よりも多くの作動液を筒状隙間3に供給することが可能となる。
また、本変形例においては、作動液受け6Bの外径を大きくすることができるため、強度を高くすることができ、図示しないが、インナーチューブ2の車体側端部2cに上記溝60と連なる溝を形成しても良い。
つづいて、図6は、第三の変形例に係る作動液受け6Cを示し、この作動液受け6Cは、環状に形成されてインナーチューブ2における孔2bの車輪側(図6中下側)内周に連設されている。そして、この作動液受け6Cの車体側(図6中上側)に液溜室30が形成されている。
そして、本変形例において、孔2bが車体側軸受4Aと車輪側軸受4Bとの間に形成される場合には、液溜室30の作動液が孔2bを介して速やかにシール部材5の内周面(摺接面)に供給されるため、車体側軸受4Aに切欠き40(図2)を設けなくても良い。
また、この場合、上記作動液受け6Cを備えていれば、その開口量を問わず、液溜室30を介して従来よりも多くの作動液を筒状隙間3内に供給することができる。
また、上記各実施の形態において、液溜室30に作動液が貯留されていれば、作動液が車体側軸受4Aの摺動隙間を徐々に通過してシール部材5の内周面(摺接面)に供給されるため、車体側軸受4Aが切欠き40を有していなくても良い。
また、図示しないが、フロントフォークがインナーチューブ2の車体側端部2cに取り付けられる図3〜図5の何れかに記載の作動液受け6,6A,6Bと、図6に記載の作動液受け6Cの両方を備えていても良い。
また、上記各作動液受け6,6A,6B,6Cは、図3〜6において、インナーチューブ2と一体的に形成されているが、インナーチューブ2と別部材とされて、インナーチューブ2に螺合や接着等により結合されるとしても良い。
A シリンダ内気室
C1 圧側チェック弁
C2 伸側チェック弁
D 緩衝器
F 懸架装置本体
O 液面
P1 伸側室
P2 圧側室
P3 作動液室
R リザーバ
R1 リザーバ内液室
R2 リザーバ内気室
V1 伸側減衰弁
V2 圧側減衰弁
X 距離
Y 開口量
1 アウターチューブ
2 インナーチューブ
3 筒状隙間
4A 車体側軸受
4B 車輪側軸受
5 シール部材
6 作動液受け
7A オイルロックピース
7B オイルロックケース
8 ワッシャ
10 キャップ部材
11 シリンダ保持部材
12 シリンダ
13 ロッドガイド
14 ベースロッド
15 ベース部材
16 フリーピストン
20 車輪側ブラケット
21 ピストンロッド
22 ピストン
30 液溜室
40 切欠き
41a,41b 摺接面
50 ダストシール
51 オイルシール

Claims (3)

  1. 車体側に配置されるアウターチューブと、車輪側に配置されて上記アウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブと、上記アウターチューブと上記インナーチューブの重複部の間に形成される筒状隙間と、上記インナーチューブの外周に保持されて上記アウターチューブの内周面に摺接する車体側軸受と、上記アウターチューブの内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接する車輪側軸受と、上記アウターチューブの車輪側端部内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接し上記筒状隙間の車輪側開口を塞ぐ環状のシール部材とを備える懸架装置において、
    上記インナーチューブの車体側端部には、車体側に開口する液溜室を形成する作動液受けが取り付けられ、上記作動液受けと上記インナーチューブとの間の開口量は、上記アウターチューブの内周面における上記車体側軸受の摺接面と上記インナーチューブの外周面における上記車輪側軸受の摺接面との間の開口量よりも大きく形成されるとともに、
    上記車体側軸受は、軸方向に沿って形成される切欠きを有しており、
    上記液溜室が上記切欠きを介して上記筒状隙間と連通されることを特徴とする懸架装置。
  2. 上記作動液受けは、筒状に形成されて上記インナーチューブの車体側端部から車体側に起立しており、上記作動液受けの外周は、上記インナーチューブの外周面における上記車輪側軸受の摺接面よりも小径に形成されることを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  3. 車体側に配置されるアウターチューブと、車輪側に配置されて上記アウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブと、上記アウターチューブと上記インナーチューブの重複部の間に形成される筒状隙間と、上記インナーチューブの外周に保持されて上記アウターチューブの内周面に摺接する車体側軸受と、上記アウターチューブの内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接する車輪側軸受と、上記アウターチューブの車輪側端部内周に保持されて上記インナーチューブの外周面に摺接し上記筒状隙間の車輪側開口を塞ぐ環状のシール部材とを備える懸架装置において、
    上記インナーチューブは、上記車体側軸受よりも車輪側に設けられ、上記インナーチューブの内周側と外周側を連通する孔を備えるとともに、
    上記インナーチューブの上記孔よりも車輪側内周には、車体側に開口する液溜室を形成する作動液受けが取り付けられており、
    上記液溜室は、上記孔を介して上記筒状隙間と連通されることを特徴とする懸架装置。
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