JP5832730B2 - エレベータ意匠品の塗装に用いる山型乾燥炉 - Google Patents
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Description
このとき、これらの意匠品に塗装を施す塗装ラインにおいては、図9に示したように、前工程のプレス加工ライン(図示せず)から搬送されてきた意匠品1を、無端状に延びて塗装ラインを循環するコンベヤチェーン2の最初の部分2aに吊り下げる。
すると、吊り下げられた意匠品1は、コンベヤチェーン2の矢印方向への移動に伴い、前処理ブース3においてシャワー洗浄、酸洗、リン酸亜鉛被膜処理等の前処理が施された後、乾燥炉4の第1の部分4A内でUターンする間に加熱されて乾燥し、防錆能力が向上するとともに、次の塗装工程において吹き付けられる塗料の密着性が向上する。
次いで、乾燥炉4から出た意匠品1は、塗装ブース5A,5Bで下塗りおよび上塗りが施された後、乾燥炉4の第2の部分4B内でUターンする間に加熱されて乾燥し、硬い塗膜が形成される。
そして、塗装が完了した意匠品1は、コンベヤチェーン2の最終部分2bにおいて取り外され、梱包されて、エレベータを設置する工事現場へと発送される。
また、燃焼装置6で発生した熱気Aが配管7aを通って水平部分4bに供給され、水平部分4bの内部で移動する意匠品1を高温雰囲気に保持して加熱し乾燥させるようになっている。
そして、意匠品1の加熱、乾燥に用いられた熱気Aは、その大半が配管7bを通って燃焼装置6に戻るが、その一部は配管7cを通って取り出され、塗料から揮発した成分を除去する工程に送られる。
これにより、水平部分4bの内部に滞留している熱気Aは、傾斜部分4aを下って出入口から炉外に漏出することがない。
すると、乾燥炉4の水平部分4bの床面4cが、傾斜部分4aの出入口の上端部分4dに対し、上下方向寸法H3だけ下方に位置することになる。
そのため、乾燥炉4の出入口にエアカーテンを設けて熱気Aが炉外に出ないようにしているが、熱気Aの炉外への漏出を完全に防止することは困難である。
エレベータ意匠品の塗装に用いる山型乾燥炉であって、
出入口から斜め上方に延びる傾斜部分と、
この傾斜部分の上端に接続されて水平に延びる水平部分と、
この水平部分の内部に熱気を供給する熱気供給手段と、
前記水平部分の内部に滞留している熱気が前記傾斜部分を通って前記出入口から炉外に漏出することを防止する、前記傾斜部分と前記水平部分との接続部分に設けられた熱気漏出防止手段と、
を備え、
前記熱気供給手段は前記水平部分に接続された供給配管を介して水平部分に熱気を供給し、前記熱気漏出防止手段が、
前記山型乾燥炉の上方に設けられている天井梁の隙間を通って上方に突出する、前記水平部分および前記傾斜部分の天井に連設された突出天井部分と、
前記水平部分および前記傾斜部分の床面から前記突出天井部分に向かって上方に突出する突出床面部分と、
を有し、前記突出天井部分は熱気が供給される前記水平部分の天井部分より上方に位置し、前記突出床面部分は熱気が供給される前記水平部分の床面部分より上方に位置し、前記突出天井部分と前記突出床面部分との間で熱気の漏出を防止することを特徴とする山型乾燥炉である。
本発明の実施の形態は、
エレベータ意匠品の塗装に用いる山型乾燥炉であって、
出入口から斜め上方に延びる傾斜部分と、
この傾斜部分の上端に接続されて水平に延びる水平部分と、
この水平部分の内部に熱気を供給する熱気供給手段と、
前記水平部分の内部に滞留している熱気が前記傾斜部分を通って前記出入口から炉外に漏出することを防止する、前記傾斜部分と前記水平部分との接続部分に設けられた熱気漏出防止手段と、
を備え、
前記熱気供給手段は前記水平部分に接続された供給配管を介して水平部分に熱気を供給し、前記熱気漏出防止手段が、
前記水平部分あるいは前記傾斜部分の内側に前記意匠品の移動方向に間隔を開けて配置された前後一対の回転軸と、
前記前後一対の回転軸に無端状に巻装されて前記前後一対の回転軸の回りを循環する支持手段と、
前記水平部分あるいは前記傾斜部分における前記意匠品の移動経路の下側部分を閉鎖する、前記支持手段にそれぞれその基端が固着された複数の閉鎖体と、
前記前後一対の回転軸を回転駆動することより、前記意匠品の移動に連動させて前記複数の閉鎖体を前後方向に循環移動させる循環駆動手段と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載した山型乾燥炉である。
なお、以下の説明においては、エレベータの意匠品がコンベアチェーンに吊り下げられて移動する方向を前後方向、鉛直方向を上下方向と言い、かつ同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略する。
まず最初に図1を参照し、第1実施形態の山型乾燥炉について説明する。
そして、傾斜部分11と水平部分12との間には、水平部分2の内部に滞留している熱気が傾斜部分11を通って出入口10から炉外に漏出することを防止する熱気漏出防止部分13が設けられている。
具体的には、突出天井部分13aは、天井梁9の左右一対の縦梁9a,9a、および前後一対の横梁9b,9bによって囲まれる隙間を通って上方に延びている。
そして、この突出床面部分13bの上端部分13cは、出入口10の上端部分10aに対し、上下方向寸法H4の分だけ上方に位置している。
なお、コンベアチェーン2のうち熱気漏出防止部分13の内部で水平に延びる部分は、吊り下げた意匠品1の下端が突出床面部分13bの上端部分13cに接触することがないように、その上下方向位置が定められている。
したがって、熱気Aが有している熱エネルギーが失われ、燃焼装置6で消費される燃料が増加してランニングコストがかさむことを、確実に防止することができる。
次に図2を参照し、第2実施形態の山型乾燥炉について説明する。
また、この固定壁14は、コンベアチェーン2に吊り下げられて移動する意匠品1の下端にその上端部分14aが接触しないように、その上下方向の寸法が定められている。
そして、この固定壁14の上端部分14aは、出入口10の上端部分10aに対し、上下方向寸法H5の分だけ上方に位置している。
したがって、熱気Aが有している熱エネルギーが失われ、燃焼装置6で消費される燃料が増加してランニングコストがかさむことを、確実に防止することができる。
また、水平部分12の床面12bに固定壁14を立設するという簡単な構造であるから、既存の山型乾燥炉をも容易に改修することかできる。
次に図3および図4を参照し、第3実施形態の山型乾燥炉について説明する。
これにより、意匠品1を吊り下げた状態で前後方向に移動するコンベアチェーン2は、出入口10から傾斜部分11に沿って斜め上方に延びた後、ただちに水平部分12の内部で水平に延びざるを得ず、吊り下げられている意匠品1の下端と水平部分12の床面12bとの間の上下方向の隙間を大きく取ることができない。
そして、この可動壁15を昇降させるために、水平部分12の下方にはエアシリンダ16が設けられている。
これにより、燃焼装置6から供給されて水平部分12の内部に滞留している熱気Aは、可動壁15の上端部分15aより下方にある出入口10の上端部分10aへと、傾斜部分11に沿って降下することがないから、炉外に漏出することがない。
したがって、熱気Aが有している熱エネルギーが失われ、燃焼装置6で消費される燃料が増加してランニングコストがかさむことを、確実に防止することができる。
なお、エアシリンダ16が短縮するときのストロークは、可動壁15の上端15aが意匠品1の下端に接触しないような最小限の値に設定することが好ましい。
これにより、水平部分12の内部に滞留している熱気Aが傾斜部分11に向かって移動することを最小限に抑制することができる。
次に図5および図6を参照し、第3実施形態の山型乾燥炉について説明する。
このとき、回動壁20の上端は、出入口10の上端部分10aに対し、上下方向寸法H7の分だけ上方に位置している。
これにより、燃焼装置6から供給されて水平部分12の内部に滞留している熱気Aは、回動壁20の上端より下方にある出入口10の上端部分10aへと、傾斜部分11に沿って降下することがないから、炉外に漏出することがない。
したがって、熱気Aが有している熱エネルギーが失われ、燃焼装置6で消費される燃料が増加してランニングコストがかさむことを、確実に防止することができる。
すると、左右一対の回動部分23a,23bは、図6(b)に示したように左右に開放するから、意匠品1の前後方向の移動を妨げることがない。
次に図7を参照し、第5実施形態の山型乾燥炉について説明する。
また、これらの回転軸31a,31bには、無端ベルト状の支持体32が巻装されて、前後一対の回転軸31a,31bの回りを図示時計方向に循環するようになっている。
さらに、この支持体32には、複数の閉鎖体33A,33B,33Cの基端がそれぞれ固着されて、水平部分12における意匠品1の移動経路の下側部分を閉鎖するようになっている。
加えて、水平部分12の下方には、前後一対の回転軸31a,31bを意匠品1の移動に連動させて回転駆動する循環駆動手段(図示せず)が設けられている。
これに対して、次の時点では、図7(b)に示したように、1つの意匠品1を2つの閉鎖体33C,33Bが前後方向に挟むとともに、その反対側には1つの閉鎖体33Aが位置しており、水平部分12における意匠品1の移動経路の下側部分を閉鎖するようになっている。
これにより、燃焼装置6から供給されて水平部分12の内部に滞留している熱気Aは、閉鎖体33A,33B,33Cの上端部より下方にある出入口10の上端部分10aへと、傾斜部分11に沿って降下することがないから、炉外に漏出することがない。
したがって、熱気Aが有している熱エネルギーが失われ、燃焼装置6で消費される燃料が増加してランニングコストがかさむことを、確実に防止することができる。
次に図8を参照し、第6実施形態の山型乾燥炉について説明する。
また、これらの回転軸41a,41bには、無端ベルト状の支持体42が巻装されて、前後一対の回転軸41a,41bの回りを図示反時計方向に循環するようになっている。
さらに、この支持体42には、複数の閉鎖体43A,43B,43C,43Dの基端がそれぞれ固着されて、水平部分12における意匠品1の移動経路の下側部分を閉鎖できるようになっている。
加えて、水平部分12の右側の側壁12cには、前後一対の回転軸41a,41bを意匠品1の移動に連動させて回転駆動する循環駆動手段44が設けられている。
これにより、燃焼装置6から供給されて水平部分12の内部に滞留している熱気Aは、閉鎖体33A,33B,33Cの上端部より下方にある出入口10の上端部分10aへと、傾斜部分11に沿って降下することがないから、炉外に漏出することがない。
したがって、熱気Aが有している熱エネルギーが失われ、燃焼装置6で消費される燃料が増加してランニングコストがかさむことを、確実に防止することができる。
2 コンベアチェーン
3 前処理ブース
4 乾燥炉
5 塗装ブース
6 燃焼装置
10 出入口
11 傾斜部分
12 水平部分
13 熱気漏出防止部分
14 固定壁
15 可動壁
16 エアシリンダ(昇降手段)
20 回動壁
21 固定壁
22 回動軸
23 回動部分
24 回動手段
31 回転軸
32 支持体
33 閉鎖体
41 回転軸
42 支持体
43 閉鎖体
44 循環駆動手段
100 第1実施形態の山型乾燥炉
110 第2実施形態の山型乾燥炉
120 第3実施形態の山型乾燥炉
130 第4実施形態の山型乾燥炉
140 第5実施形態の山型乾燥炉
150 第6実施形態の山型乾燥炉
Claims (4)
- エレベータ意匠品の塗装に用いる山型乾燥炉であって、
出入口から斜め上方に延びる傾斜部分と、
この傾斜部分の上端に接続されて水平に延びる水平部分と、
この水平部分の内部に熱気を供給する熱気供給手段と、
前記水平部分の内部に滞留している熱気が前記傾斜部分を通って前記出入口から炉外に漏出することを防止する、前記傾斜部分と前記水平部分との接続部分に設けられた熱気漏出防止手段と、
を備え、
前記熱気供給手段は前記水平部分に接続された供給配管を介して水平部分に熱気を供給し、前記熱気漏出防止手段が、
前記山型乾燥炉の上方に設けられている天井梁の隙間を通って上方に突出する、前記水平部分および前記傾斜部分の天井に連設された突出天井部分と、
前記水平部分および前記傾斜部分の床面から前記突出天井部分に向かって上方に突出する突出床面部分と、
を有し、前記突出天井部分は熱気が供給される前記水平部分の天井部分より上方に位置し、前記突出床面部分は熱気が供給される前記水平部分の床面部分より上方に位置し、前記突出天井部分と前記突出床面部分との間で熱気の漏出を防止することを特徴とする山型乾燥炉。 - エレベータ意匠品の塗装に用いる山型乾燥炉であって、
出入口から斜め上方に延びる傾斜部分と、
この傾斜部分の上端に接続されて水平に延びる水平部分と、
この水平部分の内部に熱気を供給する熱気供給手段と、
前記水平部分の内部に滞留している熱気が前記傾斜部分を通って前記出入口から炉外に漏出することを防止する、前記傾斜部分と前記水平部分との接続部分に設けられた熱気漏出防止手段と、
を備え、
前記熱気供給手段は前記水平部分に接続された供給配管を介して水平部分に熱気を供給し、前記熱気漏出防止手段が、
前記水平部分あるいは前記傾斜部分の内側に前記意匠品の移動方向に間隔を開けて配置された前後一対の回転軸と、
前記前後一対の回転軸に無端状に巻装されて前記前後一対の回転軸の回りを循環する支持手段と、
前記水平部分あるいは前記傾斜部分における前記意匠品の移動経路の下側部分を閉鎖する、前記支持手段にそれぞれその基端が固着された複数の閉鎖体と、
前記前後一対の回転軸を回転駆動することより、前記意匠品の移動に連動させて前記複数の閉鎖体を前後方向に循環移動させる循環駆動手段と、
を有していることを特徴とする山型乾燥炉。 - 前記前後一対の回転軸が、上下方向に延びていることを特徴とする請求項2に記載した山型乾燥炉。
- 前記前後一対の回転軸が、水平方向に延びていることを特徴とする請求項2に記載した山型乾燥炉。
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