JP5831549B2 - 切削インサート - Google Patents

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Description

本発明は、刃先交換式切削工具に用いられる切削インサートに関し、特に刃先交換式ドリルに主として用いられる切削インサートに関する。
従来の切削インサートには、長手方向(切り屑の排出方向に沿った方向)ではなく幅方向(長手方向に直交する方向)に湾曲した切りくずを生成することを目的とした切れ刃形状を有する切削インサートがある。このような切削インサートの使用により生成し得る、幅方向に湾曲した切りくずは、折断し易かったり、過度に長く螺旋状に延びることが抑制されたりする。
このような効果を狙った切削インサートとしては、例えば特許文献1に示すような切削インサートがある。特許文献1の切削インサートは、穴加工を行うドリル用のものであり、このドリルでは、工具本体の先端部に互いの切れ刃の回転軌跡が交差するように外周側のインサートとして、かつ、中心側のインサートとして、2つの当該切削インサートが異なる配置で着脱自在に装着される。この切削インサートは、外周側の切削インサートとして用いられるときの凹部付き切れ刃部分と、中心側の切削インサートとして用いられるときの凹部無し切れ刃部分とを有し、これら切れ刃部分はそれぞれ切りくずの伸び易さおよび折れ易さを考慮して設計されている。この切削インサートは、外周側の切削インサートとして用いられるとき、凹部の存在により切れ刃部分は略波形を有するので、幅方向に湾曲した切りくずの生成に寄与し得る。
特許第3652045号公報
特許文献1の切削インサートの使用により生成される切りくずに代表されるような、湾曲横断面形状を有する切りくずは、確かに幅方向の力には弱く、相対的に小さな力が加わっただけで折れる。しかし、この切りくずは、長手方向に延びる谷部および山部を有するので、長手方向の曲げには逆に強くなる傾向がある。なお、そのような傾向は、幅方向に湾曲した部分のある切りくずでは、幅方向に湾曲した部分が無い切りくずに比べて、一般に高まる。
切りくずの長手方向の曲げ強度が増大すると、延出した切りくずが実質的に変形せずにそのまま真直ぐに延びて、切削インサートのチップブレーカの壁面と勢い良く衝突する頻度が高まる。切りくずが勢い良くチップブレーカの壁面と衝突することが繰り返し生じると、チップブレーカの壁面の摩耗がそれだけ早く進行する。チップブレーカが摩耗する箇所は切りくずの延びる軌道上の部位である。したがって、そこが摩滅するとチップブレーカは切りくずに対して十分な力を加えられなくなったり、適切な方向に向かって力を加えられなくなったりするので、切りくずの折断等が円滑に行われず、例えば切りくずが詰まり易くなる。
本発明は上記の課題を鑑み、開発されたものである。すなわち、本発明は、長手方向に延びた切りくずがチップブレーカに与える衝撃力を緩和させ、チップブレーカの摩耗を抑制する構造を備える切削インサートを提供することを目的とする。
本発明の一態様の切削インサートは、対向する2つの端面と、2つの端面間に延在する側面と、2つの端面のうちの一方の端面と側面との交差稜線部に形成された切れ刃とを有する切削インサートに関する。この切削インサートは、切れ刃の一部を構成する凹状湾曲刃部分であって、2つの端面をつなぐ方向に湾曲した凹状湾曲刃部分と、凹状湾曲刃部分に延在するようにその一方の端面に形成された凹状湾曲面であって、凹状湾曲刃部分から離れる方向に順に配置された、該凹状湾曲刃部分に隣接するすくい面部、第1の立ち上がり壁面部、および、該第1の立ち上がり壁面部よりも2つの端面のうちの他方の端面から離れた位置に形成された第2の立ち上がり壁面部を含む、凹状湾曲面とを備える。
このような構成を有する切削インサートによれば、切削インサートの一方の端面に沿って延びる切りくずを、先ず切れ刃側に形成された第1の立ち上がり壁面部によって下方から持ち上げて、その切りくずの進路を変えることができる。その後、第1の立ち上がり壁面部よりも切れ刃から遠い位置に形成され且つ他方の端面から離れた位置に形成された第2の立ち上がり壁面部に切りくずが衝突することで、第2の立ち上がり壁面部が切りくずに力を加え、これにより切りくずの折断を促すことができる。このように、本発明の一態様に係る切削インサートによれば、切れ刃側に配置された第1の立ち上がり壁面部でまず切りくずの進路を逸らせて、切りくずが2つめの第2の立ち上がり壁面部へ直撃することを防ぐことができ、これにより2つめの第2の立ち上がり壁面部の摩耗が抑制される。
また、好ましくは、凹状湾曲面の第2の立ち上がり壁面部は、凹状湾曲刃部分側から離れる方向に向かって窪んだ湾曲面を形成するように、延在する。この構造と、上記の構成と、の組み合わせの作用により、切りくずの折断能力がさらに高まる。すなわち、第2の立ち上がり壁面部が窪んだ湾曲面つまり凹曲面であると、第2の立ち上がり壁面部が切りくずに対して折断力を加える向きが1方向ではなく多方向になる。よって、切りくずがより折断されやすくなる。
本発明の実施形態の上述のおよび/またはその他の態様および利点は、添付図面と併せた、以下の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
図1は本発明の一実施形態に係る切削インサートの斜視図である。 図2は図1の切削インサートの平面図である。 図3は図1の切削インサートの正面図である。 図4は図1の切削インサートの右側面図である。 図5は図2の切削インサートのV−V線断面図である。 図6は図5の切削インサートの円VIで囲まれた部分の部分拡大図である。 図7は図2の切削インサートのVII−VII線断面図である。 図8は図7の切削インサートの円VIIIで囲まれた部分の部分拡大図である。 図9は本発明の一実施形態に係る切削工具である、刃先交換式ドリルの側面図である。 図10は図9のドリルに図1の切削インサートを装着したときの側面配置図である。 図11は図9のドリルに図1の切削インサートを装着したときの底面配置図である。 図12は図1の切削インサートを備えた刃先交換式ドリルの拡大組立て図であって、図1の切削インサートが外周側の切削インサートとして使用されるときの図である。 図13は図1の切削インサートを備えた刃先交換式ドリルの拡大組立て図であって、図1の切削インサートが中心側の切削インサートとして使用されるときの図である。 図14Aは、本発明の別の実施形態の切削インサートの基本形状を表す模式図である。 図14Bは、本発明のさらに別の実施形態の切削インサートの基本形状を表す模式図である。 図14Cは、本発明のさらに別の実施形態の切削インサートの基本形状を表す模式図である。 図14Dは、本発明のさらに別の実施形態の切削インサートの基本形状を表す模式図である。 図15Aは、本発明のさらに別の実施形態に係る切削インサートの切れ刃の形状を表す模式図である。 図15Bは、本発明のさらに別の実施形態に係る切削インサートの切れ刃の形状を表す模式図である。 図16は、本発明のさらに別の実施形態に係る切削インサートの切れ刃の形状を表す模式図である。 図17は、本発明のさらに別の実施形態に係る切削インサートの切れ刃の形状を表す模式図である。 図18は、本発明のさらに別の実施形態に係る切削インサートの切れ刃の形状を表す模式図である。 図19は、本発明のさらに別の実施形態に係る切削インサートの切れ刃の形状を表す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を適宜参照しながら説明する。ただし、以下の説明および図では、複数の実施形態を通じて、同じまたは同様の構成要素に同じ符号を用い、それらの重複説明を省略する。
まず、本発明の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。これらの図では、本発明の一実施形態に係る切削インサートおよび切削工具の構造および/または特徴の理解を容易にするべく、面の境界、湾曲形状などを表す線が積極的に表されている。
本発明の一実施形態に係る切削インサート1は図1〜図8に表されている。切削インサート1は、対向するつまり互いに対して反対側にある2つの端面2、3と、これら端面2、3間に延在する周側面4とを有する。2つの端面2、3間を貫通する貫通孔5が切削インサート1に形成されていて、貫通孔5には2つの端面2、3を通過するように延びる中心軸線Aが定められる。貫通孔5は、両端面2、3のそれぞれの実質的な中央に位置づけられている。貫通孔5にねじ等の締結具が挿通されて、切削インサート1は後述するように工具本体のインサート取付座に固定されて、刃先交換式切削工具の刃部として機能することができる。なお、切削インサート1では、2つの端面2、3は全体として略平行に形成され、それぞれ中心軸線Aに対して直交するように定められる平面に沿って延在する。
図2に示すように本実施形態の切削インサート1を平面視したとき(一方の端面12に対向する側から切削インサート1を見たとき)、端面の外郭は平行四辺形の仮想線Jによって囲まれる。すなわち、切削インサート1は基本形状が平行四辺形の板状体であり、且つ中心軸線Aに関して180°回転対称な形状になっている。なお本実施形態および本発明において「切削インサートの基本形状」とは、本実施形態および本発明の切削インサートを平面視したときの外郭形状を最小限の本数の直線で大まかに囲んだときに形成される単純な多角形形状をいう。別の表現を用いれば、その基本形状とは一方の端面を平面視したとき、この一方の端面の縁部の細かい曲線形状、特に切れ刃の細かい曲線形状を無視した、より直感的な単純な形状をいう。
以下の説明では、便宜的に、図2に描かれている一方の端面2を「上面」といい、上面2とは反対側の他方の端面3を「下面」という。しかし、これは、本発明を限定することを意図するものではない。また、以下の説明において「上方」とは例えば上面2を基準にして切削インサート1から軸線Aの方向に離れる方向を指し、「下方」とは例えば下面3を基準にして切削インサート1から軸線Aの方向に離れる方向を指す。なお、以下の説明において「高さ」とは、一方の端面若しくはその端面に平行な平面、特に好ましくは軸線Aに直交するように定められる平面を基準にして、好ましくは軸線Aの方向において、規定される長さである。
切削インサート1では、上面2と周側面4との交差稜線部に切れ刃6が形成されている。ここでは、この切削インサート1は、ポジティブ型のインサートである。つまり、図3および図4に示されるように、上面2と周側面4とは実質的に90度未満の角度をなしている。したがって、切削インサート1は、正の逃げ角を形成するのに適する。下面3はインサート取付座への着座面として機能するように構成されていて、本実施形態では略平坦面として形成されている。しかし、着座面としての下面3は、平坦とされることに限定されず、インサート取付座の対応する面に対応した種々の形状を有するように形成されることができる。
ただし、切削インサート1がネガティブ型のインサートにされる場合は、2つの端面2、3のいずれも上面になり得、それらのいずれも下面になり得、両端面の各々の縁部に切れ刃が形成され得る。したがって、切削インサート1がこのようなネガティブ型の切削インサートとされる場合、以下説明される上面側の構成が、両端面に適用され得る。なお、この場合、2つの端面はそれぞれインサート取付座への着座面としても機能するように形成される。
さて、切削インサート1における、基本形状が平行四辺形である上面2と周側面4との交差稜線部には、切れ刃6として、2種類の切れ刃7、8が形成されている。切削インサート1では、2種類の切れ刃7、8は交互に連続するが、連続しなくてもよい。
上面2は基本形状を平行四辺形とするものであるので、周側面4は実質的に4つの側面群(以下、単に「側面」という)を有する。4つの側面は、2つの対向するつまり互いに対して反対側にある第1側面9と、2つの対向するつまり互いに対して反対側にある第2側面10とである。第1側面9と第2側面10とは交互に連続する。
第1側面9と上面2との交差稜線部には第1切れ刃7が形成される。第2側面10と上面2との交差稜線部には第2切れ刃8が形成される。第1切れ刃7と第2切れ刃8とは異なる目的のために形成されている。したがって、図1および図2から明らかなように、第1切れ刃7と第2切れ刃8とはそれぞれ独特の湾曲形状を有するように形成され、それに対応するように上面2および周側面4つまり側面9、10は形づくられている。切削インサート1では、第1および第2切れ刃7、8はそれぞれ先端部分7L、8Lを有するように形づくられている。
切削インサート1は、図9〜図11に表すように、工具本体の先端部に相互の切れ刃の回転軌跡が交差するように外周側の切削インサート1´および中心側の切削インサート1´´が着脱自在に装着される刃先交換式切削工具において、それら使用目的の異なる切削インサート1´、1´´のいずれでも用いられることができるように形成されている。第1切れ刃7は、切削インサート1が外周側の切削インサート1´として用いられるとき外周刃として機能するように構成されている。これに対して、第2切れ刃8は、切削インサート1が中心側の切削インサート1´´として用いられるとき中心刃として機能するように構成されている。このように、切削インサート1は、1つの切削インサートで外周刃用の切削インサートとしての使用も、中心刃用の切削インサートとしての使用も可能に構成されている。なお、切削インサート1では、図2から理解できるように、切削インサート1の平面視において、第1切れ刃7および第1側面9は、第2切れ刃8および第2側面10よりも短くみえるようにそれらと関係付けられている。ただし、本発明は、これらの長さ関係が逆である切削インサートを許容する。
切削インサート1は中心軸線Aに関して180°回転対称な形状に形成されていて、割り出し可能な切削インサートである。1対の第1切れ刃7は互いに同じ構成を有するように形成され、1対の第2切れ刃8は互いに同じ構成を有するように形成されている。そして、それら同じ構成を有するように形成された切れ刃同士は、上面2および周側面4に関して同じまたは実質的に同じ構成を有する。そこで、以下では、1対の第1切れ刃の任意の一方の切れ刃および1対の第2切れ刃の任意の一方の切れ刃に関して切削インサート1が説明される。
第1切れ刃7に関して、上面2には、凹状湾曲面(以下、「第1凹曲面」という)11が形成されている。具体的には、外周刃としての第1切れ刃側に3つの第1凹曲面11が互いに対して間隔を空けて形成されている。ただし、中心刃としての第2切れ刃8側にも2つの凹状湾曲面(以下、「第2凹曲面」という)12が互いに対して間隔をあけて形成されている。
図3および図4に示すように、各凹曲面11、12は、第1および第2切れ刃7、8をあたかも抉るように上面2の縁部にまで延在するように形成されている。これに対応して、第1および第2切れ刃7、8には2つの端面2、3をつなぐ方向においてつまり軸線Aの方向において下面3側に向かって凹むように湾曲する凹状湾曲刃部分(以下、「凹湾曲刃」という)7a、8aが形成されている。
また第1切れ刃7側に関しては、上面2には、図1から図3に示すように、第1凹曲面11に隣接して凸状湾曲面つまり第1凸曲面(または第1隆起部)13が形成されている。より詳しく述べると、第1凸曲面13は第1凹曲面11間に配置され、その端縁部と第1凹曲面13の端縁部とが滑らかに且つ連続的に接続されるように形成されている。
第1凸曲面13も第1凹曲面と同様に上面2の縁部にまでつまり切れ刃7にまで延在するように形成されている。この第1凸曲面13が形成されることに対応して、第1切れ刃7には上方に盛り上がる、つまり2つの端面をつなぐ方向において凸形状に湾曲する凸状湾曲刃部分(以下、「凸湾曲刃」という)7bが形成されている。
切削インサート1では、互いに逆向きに湾曲する第1凹曲面11と第1凸曲面13とが滑らかに且つ連続的に接続されているため、第1切れ刃7における凹湾曲刃7aと凸湾曲刃7bも滑らかに且つ連続的に接続される。したがって、図3に示すように、切削インサート1を第1側面9に対向する側から見ると、特に第1切れ刃7に関して切削インサート1を側面視すると、第1切れ刃7、特にその主要部はほぼ波形の形状を呈する。
また第2切れ刃8側に関しても、第1凸曲面13に対応する凸状湾曲面つまり第2凸曲面(または第2隆起部)14が設けられている。第2凸曲面14は2つの第2凹曲面12間に配置され、その端縁部と第2凹曲面12の端縁部とが滑らかに且つ連続的に接続されるように形成されている。そして、第2凸曲面14も第2凹曲面12と同様に上面2の縁部にまで延在するように形成されている。第2切れ刃8側に関しても第2凸曲面14が形成されることに対応して、凸湾曲刃7bと同様の凸状湾曲刃部分つまり凸湾曲刃8bが第2切れ刃8にも形成されている。よって、図4に示すように、切削インサート1を第2側面10に対向する側から見ると、特に第2切れ刃8に関して切削インサート1を側面視すると、第2切れ刃8、特にその主要部はほぼ波形の形状を呈する。
切削インサート1の外周刃として機能するように構成された第1切れ刃7側に関して、それら第1凹曲面11および第1凸曲面13は、それぞれ、第1切れ刃7の凹湾曲刃7aおよび凸湾曲刃7bに延在し、1つの連続した湾曲面15を形成する。図5および図6は第1切れ刃7側の1つの第1凹曲面11の最深部を通り且つ下面3に直角に延びるように定められる面での断面図である。また、図7および図8は第1切れ刃7側の1つの第1凸曲面13の頂部を通り下面3に直角に延びるように定められる面での断面図である。なお、図5から図8は、それぞれ、図2の平面視において、切れ刃7に対して略直角に、かつ、軸線Aに平行に延びるように定められる面での断面図である。
図5から8に示すように、湾曲面15は、第1切れ刃7に隣接して形成されるすくい面(以下、「第1すくい面」という)16と、第1すくい面16に隣接して形成され、第1すくい面側から順に配置された第2すくい面(または窪み面)17および第1の立ち上がり壁面18を有する窪み部15cと、第1の立ち上がり壁面18の頂部に接続し、下面3側に向かって緩やかに傾斜する連絡面19と、連絡面19に接続する第2の立ち上がり壁面20とを備える。
このような湾曲面15は、第1凹曲面11および第1凸曲面13の各々を通じて形成されている。したがって、第1凹曲面11は、第1切れ刃7から離れる方向に順に互いに隣接して配置された、第1切れ刃7に隣接して形成される第1すくい面部11aと、窪み面部としての第2すくい面部11bと、第1の立ち上がり壁面部11cと、連絡面部11dと、第2の立ち上がり壁面部11eとを備える(図6参照)。第1凸曲面13は、第1切れ刃7から離れる方向に順に互いに隣接して配置された、第1切れ刃7に隣接して形成される第1すくい面部13aと、窪み面部としての第2すくい面部13bと、第1の立ち上がり壁面部13cと、連絡面部13dと、第2の立ち上がり壁面部13eとを備える(図8参照)。よって、湾曲面15の第1すくい面16には第1凹曲面11の第1すくい面部11aと第1凸曲面13の第1すくい面部13aとが含まれる。湾曲面15の第2すくい面17には、第1凹曲面11の第2すくい面部11bと第1凸曲面13の第2すくい面部13bとが含まれる。湾曲面15の第1の立ち上がり壁面18には、第1凹曲面11の第1の立ち上がり壁面部11cと、第1凸曲面13の第1の立ち上がり壁面部13cとが含まれる。湾曲面15の連絡面19には、第1凹曲面11の連絡面部11dと、第1凸曲面13の連絡面部13dとが含まれる。湾曲面15の第2の立ち上がり壁面20には、第1凹曲面11の第2の立ち上がり壁面部11eと、第1凸曲面13の第2の立ち上がり壁面部13eとが含まれる。なお、第1すくい面16および第2すくい面17は、特に、第1すくい面は、切削インサート1が工具本体に取り付けられて切削工具の刃部として用いられるときに、第1切れ刃7に関してすくい面として機能することが意図される表面を意味する。
本実施形態の切削インサート10において、第1すくい面16および第2すくい面17は、下面3側に向かってつまり下方に傾斜する、すなわち正のすくい角を有するすくい面を形成するように構成されている。図6からは、第1すくい面16は下面3に略平行に形成されているように見られ得るが、図8からは、第1すくい面16は下面3側に向かって傾斜することが理解できる。このように、第1すくい面16は全体としてみたとき下面3側に向かって傾斜するように形成されている。また、窪み面である第2すくい面17の軸線Aに直交するように定められる平面に対する傾斜角は、第1すくい面16の同傾斜角よりも大きく、第2すくい面におけるすくい角は第1すくい面におけるすくい角よりも大きくなるように、第1および第2すくい面は形成されている(図6および図8参照)。
湾曲面15のうちの、第1すくい面16に隣接する部分、特に第1の立ち上がり壁面18および第2の立ち上がり壁面20(図2のCB部参照)はチップブレーカとして機能するように構成されている。
第1の立ち上がり壁面18および第2立ち上がり壁面20は、それぞれ、切れ刃7から離れるにしたがい、下面3から離れるように、つまり切れ刃7側に向く壁面が立ち上がるように、延在する。したがって、第1の立ち上がり壁面18および第2立ち上がり壁面20は、それぞれ、軸線Aに直交するように定められる平面に対して、第1すくい面16および第2すくい面17とは逆の傾きを有する。第1の立ち上がり壁面18は、切りくずの延出方向つまり流れ方向を変えるように定められた第1立ち上がり傾きを有する。これに対して、第2の立ち上がり壁面20は、切りくずの切断または折れを促すように定められた第2立ち上がり傾きを有する。第1立ち上がり傾きと第2立ち上がり傾きとは同じであってもよいが、ここでは互いに異なる。切削インサート1では、軸線Aに直交するように定められる平面Pを基準にして、第2の立ち上がり壁面の傾き角θ2は第1の立ち上がり壁面の傾き角θ1よりも大きい(図6および図8参照)。この角度関係は、好ましくは、図2の平面視において切れ刃7に対して略直角に、かつ、軸線Aに平行に延びるように定められる面上において、定められるとよい。
第1の立ち上がり壁面18の立ち上がり高さhは、第1の立ち上がり壁面18の軸線A方向における下面3から最も離れた部分18aつまり頂部が第1すくい面16の延長面Eと交差する箇所よりも高い位置(軸線A方向において下面3からより離れた位置)にくるように設計されている(図6参照)。すなわち、第1の立ち上がり壁面18の高さhは第1の立ち上がり壁面18の頂部18aが第1すくい面16の延長面との交差箇所にならない程度に高く設計されている。これは、第1の立ち上がり壁面部11c、13cのいずれにおいても成立する。つまり、図6および図8に示すように、第1凹曲面11の第1すくい面部11aを延長するように定められる延長面E1が第1の立ち上がり壁面部11cの縁部を除く部分と交差するように、第1凹曲面11の第1および第2すくい面部11a、b、第1の立ち上がり壁面部11cは形成され、第1凸曲面13の第1すくい面部13aを延長するように定められる延長面E2が第1の立ち上がり壁面部13cの縁部を除く部分と交差するように、第2凸曲面13の第1および第2すくい面部13a、b、第1の立ち上がり壁面部13cは形成されている。なお、図6を参照して、立ち上がり高さhとは、窪み部15cの最低部15u(第1の立ち上がり面の切れ刃側縁部に相当)から第1の立ち上がり壁面18の頂部18aまでの垂直距離(軸線A方向における距離)を指すと、定義可能である。ただし、立ち上がり高さhは、好ましくは、図2の平面視において切れ刃7に対して略直角に、かつ、軸線Aに平行に延びるように定められる面上において、定められるとよい。そして、立ち上がり高さhは、湾曲面15の異なる場所で異なってよい。
第2の立ち上がり壁面20は、第2の立ち上がり壁面20の軸線A方向において下面3から最も離れた部分つまりその頂部20aが少なくとも第1の立ち上がり壁面18の上記頂部18aおよび第1切れ刃7に比べて、軸線Aの方向において下面3から離れた位置に位置するように、設計されている。この構成は、図5から図8の、切削インサート1の平面視において切れ刃7に対して略直角にかつ軸線Aに平行に延びるように定められる面での断面図で、明瞭に示されている。
なお、第1凹曲面11の断面形状は最深部における断面のみが上記のような形状であるわけではなく、第1凹曲面11の任意の位置における断面であっても、その形状は図5および図6に示したような形状的特徴を有している。換言すると、第1凹曲面11はどの位置で断面視しても、各箇所で多少の寸法的な差異はあれど、それぞれの位置で第1すくい面部、第2すくい面部、連絡面部、および第2の立ち上がり壁面部を備えている。これは、第1凸曲面13においても同様である。
図1および図2、特に図1に示すように、第1凹曲面11における第2の立ち上がり壁面部11eは、対応する第1切れ刃7の凹湾曲刃7aから離れる方向に向かって窪んだ湾曲面を形成するように、延在している。別の言い方で説明すると、図2に示すように、第1凹曲面11に対応する第2の立ち上がり壁面部11eを平面視すると、その第2の立ち上がり壁面部の切れ刃側の縁部とは異なる側の縁部の輪郭11fは、切削インサート1の上面2の中央に向かって湾曲する凹曲線形状を有する。
第1凹曲面11の第2の立ち上がり壁面部11eについて、図2に示された線m−mが通る第1凹曲面11´に着目してより詳細なその形状を説明する。第1凹曲面11´の第2の立ち上がり壁面部11eは、該第1凹曲面11´の最深部を通る線m−m上に位置する箇所が対応する凹湾曲刃7aから最も遠い位置になり、線m−mから離れるに従い対応する凹湾曲刃7aに近づくようなV字形状に屈曲した凹曲面を形成する。言い換えると、図2の平面視おいて、第2の立ち上がり壁面部11eは上面2の中央に向かうに従い先すぼまりになる形状となっている。
一方、第1凸曲面13の第2の立ち上がり壁面部13eは、図1に示すように、対応する第1切れ刃7の凸湾曲刃7bに向かって湾曲する凸曲面を形成するように、延在している。別の言い方で説明すると、図2に示すように、第1凸曲面13の第2の立ち上がり壁面部13eを平面視すると、その第2の立ち上がり壁面部の切れ刃側の縁部とは異なる側の縁部の輪郭13fは、切削インサート1の外方に向かって湾曲する凸曲線形状を有する。
第1凸曲面13の第2の立ち上がり壁面13eについて、図2の線n−nが通る第1凸曲面13´に着目してより詳細なその形状を説明する。第1凸曲面13´の第2の立ち上がり壁面部13eは、該第1凸曲面13´の最も下面3側から遠い部分つまり頂部を通る線n−n上に位置する箇所が対応する凸湾曲刃7bから最も近い位置になり、線n−nから離れるに従い対応する凸湾曲刃7bから遠くに離れるようなV字形状に屈曲した凸曲面を形成する。つまり、図2の平面視において、第1凸曲面13の第2の立ち上がり壁面部13eは、第1凹曲面11の第2の立ち上がり壁面部11eと逆のV字形状を有する。
各第2の立ち上がり壁面部11e、13eが上記のように設計されているため、第2の立ち上がり壁面部の輪郭線11f、13fは平面視でジグザグな形状となっている。したがって、第2の立ち上がり壁面20は、第1切れ刃7側に向けて、のこぎりの歯状に延在する壁面を構成する。
第2切れ刃8側に関しても、第1切れ刃7側と同様に、第2凹曲面12および第2凸曲面14は、それぞれ第2切れ刃8に延在し、1つの連続した湾曲面22を形成する。しかし、第2切れ刃8側の第2凹曲面12および第2凸曲面14のそれぞれの湾曲の度合いは、第1切れ刃7側の第1凹曲面11および第1凸曲面13のそれぞれの湾曲の度合いよりも小さく、第2切れ刃8の湾曲の度合いは第1切れ刃7の湾曲の度合いよりも小さい。そして、図1および図2から特に理解できるように、第2凹曲面12は部分的に第1凹曲面11と同じような構成を有するが、特に(第2立ち上がり壁面部11eに相当する)第2の立ち上がり壁面部を有するように形成されてはいない。第2凸曲面14も部分的に第1凸曲面13と同じような構成を有するが、特に(第2立ち上がり壁面部13eに相当する)第2の立ち上がり壁面部を有するように形成されてはいない。これらは、第2切れ刃側の湾曲面22がチップブレーカとして機能するように特に構成されておらず、第2切れ刃が中心刃として機能するように形成されているからである。
ただし、本発明は、第2切れ刃側の湾曲面22が第1切れ刃側の湾曲面15と同じように特徴付けられて形成されることを許容する。また、代わりに、第2切れ刃は湾曲形状に形成されず、略直線形状に形成されてもよく、この場合、第2切れ刃側の湾曲面22は平坦な面とされてもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係る刃先交換式切削工具としての刃先交換式のドリル30の側面図である。ドリル30は、上記切削インサート1が着脱自在に装着される工具本体32を有する。図9のドリル30では、上記切削インサート1が外周側の切削インサート1´として、また、上記切削インサート1が中心側の切削インサート1´´として、工具本体32に着脱自在に装着されている。
工具本体32の長手方向に延びるように中心軸線Oが定められ、ドリル30は、一般に、該軸線O周りに回転させられて用いられる。図10は、工具本体32の側面側からみた切削インサート1の透視配置図である。図10中、点線で示す外周側のインサートとしての切削インサート1´は、外周側のインサート1´と中心側のインサート1´´の軌跡の関係を示すためのものであり、実線で表す外周側の切削インサート1´が軸線Oに関して180°回転した位置で表されている。
図9、10に示すように、2つの切削インサート1は、外周側のインサート1´および中心側のインサート1´´として、一本の工具本体32に、同一回転方向Rに上面2を向けて装着される。すなわち、図11のように外周側の切削インサート1´の上面2と中心側の切削インサート1´´の上面2は略180°反対方向に向いた状態となっている。そして、図10、11に示すように、外周側の第1切れ刃7と中心側の第2切れ刃8の回転軌跡が交差するように、2つの切削インサート1は工具本体32に設置される。なお、図11では、2つの切削インサート1が工具本体32に装着されたドリル30を用いて加工される加工穴Hが点線で表されている。
工具本体32は、らせん状の溝34を有し、切削インサート1を外周側の切削インサート1´として取り付けるための第1インサート取付座36、および、切削インサート1を中心側の切削インサート1´´として取り付けるための第2インサート取付座38とを備える。第1インサート取付座36および第2インサート取付座38は工具本体32の回転軸線Oに対して非対称に形成されている。一方の第1インサート取付座36はもう一方の第2インサート取付座38よりも回転軸線Oから遠い位置に形成されている。図12に示すように、第1インサート取付座36に切削インサート1は第1切れ刃7を先端側に向けた状態で機械的取付手段であるねじ40を用いて固定される。図13に示すように、もう1つの第2インサート取付座38には、切削インサート1は第2切れ刃8を先端側に向けた状態で機械的取付手段であるねじ42を用いて固定される。図10に示すように、工具本体32に取り付けられた切削インサートでは、使用される切れ刃7、8の先端部分7L、8Lが工具本体32の最も先端側に位置する。
第1インサート取付座36は、切削インサート1の下面3が当接可能に構成されると共にねじ穴36aを有する底壁面36bと、底壁面36bから立ち上がるように延びて切削インサート1の側面と当接可能に構成された2つの側壁面36c、36dとを有する。同様に、第2インサート取付座38は、切削インサート1の下面3が当接可能に構成されると共にねじ穴38aを有する底壁面38bと、底壁面38bから立ち上がるように延びて切削インサート1の側面と当接可能に構成された3つの側壁面38c、38d、38eとを有する。
以上説明した切削インサート1およびドリル30における作用および効果に関して以下に説明する。
本実施形態の切削インサート1においては、外周刃としての第1切れ刃7に関して第1凹曲面11および第1凸曲面13が形成されているため、第1切れ刃7は波形形状を呈する曲線形状を有する。そのような切れ刃形状のため、第1切れ刃7による切削により生成される切りくずには、第1切れ刃7の形状が転写され、切りくずは波形形状となり得る。
切れ刃として切削インサート1の第1切れ刃7を用いた切削加工により生成された切りくずは、まずすくい面、特に第1すくい面16に沿ってほぼ真直ぐに延び、第1の立ち上がり壁面18に向けて進む。その後、好ましくは、切りくずは第1の立ち上がり壁面18に衝突する。
第1の立ち上がり壁面18に衝突した切りくずは、流れ方向を変えられ、一旦第1の立ち上がり壁面18に沿って上方に延び、その後は第1の立ち上がり壁面18および連絡面19の形状にしたがって、好ましくは緩やかな曲線を描きながら切削インサート1の上面2の中心側に向かって進む(延びる)。そして切りくずは第2の立ち上がり壁面20に衝突する。これにより、第2の立ち上がり壁面20が第1切れ刃7側に向けて上記の如くのこぎりの歯状に湾曲して立ち上がっているので、第2の立ち上がり壁面20から切りくずに切りくずの幅方向の力が加えられ、切りくずは折断される。第2の立ち上がり壁面20に接触する際の切りくずは、弧を描きながら切削インサート1の上方に向かって延びている状態なので、切りくずの速度のうち第2の立ち上がり壁面20に平行な成分が増し、その分、第2の立ち上がり壁面20の法線方向の成分が減少している。このことにより、切りくずが第2の立ち上がり壁面に直撃する場合に比べて、第2の立ち上がり壁面20が切りくずから受ける衝撃力が弱まり、第2の立ち上がり壁面20の摩耗が抑制される。
なお、上記したように、切りくずは、第2の立ち上がり壁面20に衝突する前に、第1の立ち上がり壁面に衝突し得る。第1の立ち上がり壁面は切りくずの流れ方向を変えるように設計されているので、第1の立ち上がり壁面18も、従来のチップブレーカに比べて、切りくずから大きな衝撃を受け難い。
以上のことをまとめると、切りくずの流れ方向を変えることを主な目的とする第1の立ち上がり壁面18が、第1切れ刃7と第2の立ち上がり壁面20との間に配置されることで、第2の立ち上がり壁面に切りくずが衝突して折断する前に、第1の立ち上がり壁面18が切りくずを下側から持ち上げ、その延出方向を上方へ逸らすことができる。切りくずの延出方向が上方へ逸れることにより、切りくずが第2の立ち上がり壁面20に接触した際の衝撃が弱まり、第2の立ち上がり壁面20の摩耗が抑制される。
さらに、第1凹曲面11の第2の立ち上がり壁面部11eと、第1凸曲面13の第2の立ち上がり壁面13eとが上記したように曲面となっているため、それぞれの第2の立ち上がり壁面11e、13eは切りくずに対して多方向から折断力を加えることができる。したがって、切削インサート1によれば、切りくずの折断力が向上し、切断性能が高まる。
また、すくい面16のすくい角が正で且つその延長面が第1立ち上がり壁面18と交差するように切削インサート1が形成されているので、第1切れ刃7の使用により生じた切りくずは確実に第1立ち上がり壁面18に衝突できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態のみに限定されるものではない。特に、第1切れ刃に少なくとも1つの凹湾曲刃が形成されるように、該切れ刃が縁部に形成された一方の端面に少なくとも1つの凹曲面が形成され、これにより凹湾曲刃に関してすくい面部(上記第1すくい面に相当)と、第1の立ち上がり壁面部と、第2の立ち上がり壁面部とが備えられ、且つ第2の立ち上がり壁面部が、対応する凹湾曲刃から離れる方向に向かって窪んだ曲面を形成するように延在している、ことで特徴付けられる切削インサートは、本発明の技術思想の範囲内にある。
例えば切削インサートの外郭形状の基本形状は平行四辺形だけではなく、他の形状にされてもよい。図14A、14B、14C、14Dに本発明の別の実施形態に係る切削インサートの外郭形状の基本形状が示される。図14A〜Dに示されるように、切削インサートの外郭の基本形状は、三角形、長方形、正方形、変形六角形等が可能である。
チップブレーカの窪み部についても必須の構成要素ではない。上記第1すくい面に相当するすくい面に直接的に連続して第1立ち上がり壁面が形成されても良い。ただし、窪み部が形成されて第2すくい面が形成されるとよい。この場合、第1および第2すくい面を含むすくい面と切りくずとの接触面積が減少するので、すくい面摩耗の速さが低下する。
すくい面の角度については、上記実施形態では正のすくい角を持つすくい面であったが、負のすくい角を持つすくい面であってもよい。ただし、ポジすくい面は該すくい面により切りくずの延出方向を一旦下面側に向かって制御することができるので、切りくずを確実に第1の立ち上がり壁面に衝突させることができる。また、この場合、切りくずのカールの曲率も大きくなる。切りくずのカールの曲率が大きいほど、切りくずと第2の立ち上がり壁面との接触力が減少する傾向がある。
チップブレーカは、上記第1の立ち上がり壁面および上記第2の立ち上がり壁面を含んで構成され、上記実施形態では外周刃に相当する第1切れ刃にしか積極的に形成されていない。しかし、全ての切れ刃に関してチップブレーカが形成されることも可能である。また、切削インサートにおける全ての切れ刃は、外周刃として機能することができるように形成されてもよく、例えば上記第1切れ刃の如く形成されることができる。
さらに、図15Aから図19にそれぞれ一部のみを概念的に示す実施形態に基づいて、上記実施形態の第1切れ刃と異なる形状の第1切れ刃の切れ刃形状例を説明する。図15Aは本発明の別の実施形態の切削インサートを側面視したときの第1切れ刃7の形状を示す模式図である。図15Aに示すように第1切れ刃7全体が1つの凹状湾曲刃部分7aと直線状切れ刃部分7cとで構成されることも可能である。凹状湾曲刃部分7aの形状は、図15Aに示すように曲線形状でなく、図15Bに示すようにV字形状でもよい。
図16はさらに別の実施形態の切削インサートを側面視したときの第1切れ刃7の形状を示す模式図である。図16に示すように、1つの第1切れ刃7において、凹状湾曲刃部分7aどうしが隣接して形成されても良い。
図15および図16に示す実施形態のように、1つの第1切れ刃に関して、凸湾曲刃が形成されずに、1つまたは複数の凹湾曲刃が形成されることができる。この場合、それら凹湾曲刃に対応した数の凹湾曲面が第1切れ刃が縁部に形成された一方の端面に形成される。そして、複数の凹湾曲刃が1つの第1切れ刃に関して形成されるとき、図16の実施形態のように複数の凹状湾曲刃部分は連続してもよいが、互いに対して離れてもよい。このように1つの第1切れ刃に関して少なくとも1つの凹湾曲刃およびそれに対応した数の凹湾曲面のみが形成された切削インサートでも、上記実施形態において説明された作用および効果が同様に奏される。つまり、このような略波形の第1切れ刃を有する切削インサートを用いた切削でも、切りくずの進路は、第1の立ち上がり壁面を構成する少なくとも1つの第1の立ち上がり壁面部でまず逸らされ得る。そして、進路が変えられた切りくずは、第2の立ち上がり壁面を構成する少なくとも1つの第2の立ち上がり壁面部へ衝突することができる。したがって、第2の立ち上がり壁面部を含むチップブレーカの摩耗を抑制しつつ、切りくずの折断を促すことができる。
図17はさらに別の実施形態の切削インサートを側面視したときの第1切れ刃の形状を示す模式図である。図17に示す実施形態では、1つの第1切れ刃7に関して凹曲面および凹湾曲刃7aが複数個形成され、各凹曲面の深さは異なる。なお、「凹曲面の深さ」とは、側面視したときにおける、軸線Aの方向における、直線状切れ刃7cから凹曲面つまり凹湾曲刃7aの最深部までの長さを指す。また、直線状切れ刃が存在しない場合における「凹曲面の深さ」とは、上面のうちの平坦な面(例えばボス面)から凹曲面の最深部までの長さを指す。
図18はさらに別の実施形態の切削インサートの側面視したときの第1切れ刃の形状を示す模式図である。図17に示した実施形態と同様に、図18の実施形態の第1切れ刃では、凸曲面および凸湾曲刃7bが複数個形成され、各凸曲面の高さは異なる。なお、「凸曲面の高さ」とは、側面視したときにおける、軸線Aの方向における、直線状切れ刃7cから隆起部つまり凸湾曲刃7bの頂部までの長さを指す。
このように、1つの切れ刃における、複数の凹曲面の深さは異なってもよい。また、1つの切れ刃における、複数の凸曲面の高さは異なってもよい。1つの切れ刃に関して凹湾曲刃と凸湾曲刃、つまり凹曲面と凸曲面とがそれぞれ複数個形成された場合も、各凹曲面の深さは全てが同じ大きさである必要が無く、各凸曲面の高さも全てが同じ大きさである必要が無い。
図19はさらに別の実施形態の切削インサートを側面視したときの第1切れ刃の形状を示す拡大模式図である。図19に示す実施形態では、1つの第1切れ刃7における凹曲面と凸曲面とは連続していない。このように、1つの第1切れ刃における凹曲面と凸曲面とは、つまり、凹湾曲刃7aと凸湾曲刃7bとは連続していなくても構わない。
一般に、図16から図19に示したように、1つの切れ刃における凹湾曲刃や凸湾曲刃の数が増えるほど、つまり、凹曲面や凸曲面の数が増えるほど、切りくずは折断され易くなる。また凹湾曲刃と凸湾曲刃とは連続している方がそうではない場合に比べて切りくずは折断され易くなる。
以上のように本発明の技術思想の範囲内の切れ刃形状は様々である。その中でも、切りくずによる立ち上がり壁面の摩耗速度の低減量および切りくずの折断性に関して最も効果が高いのは、第一に説明した実施形態のように、複数個の凹曲面と凸曲面とが交互に滑らか且つ連続してつながり、側面視した際の切れ刃の形状が滑らかな波形形状になる形態である。
前述した実施形態およびその変形例等では本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明については、請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。すなわち、本発明には、請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。

Claims (13)

  1. 対向する2つの端面(2、3)と、該2つの端面間に延在する側面(9)と、該2つの端面のうちの一方の端面と前記側面との交差稜線部に形成された切れ刃(7)とを有する、刃先交換式ドリル用の切削インサート(1)であって、
    該切れ刃の一部を構成する凹状湾曲刃部分であって、前記2つの端面をつなぐ方向に湾曲した凹状湾曲刃部分(7a)と、
    該凹状湾曲刃部分に延在するように前記一方の端面に形成された凹状湾曲面(11)であって、該凹状湾曲刃部分から離れる方向に順に配置された、該凹状湾曲刃部分に隣接するすくい面部(11a)、第1の立ち上がり壁面部(11c)、および、該第1の立ち上がり壁面部よりも前記2つの端面のうちの他方の端面から離れた位置に形成された第2の立ち上がり壁面部(11e)を含む、凹状湾曲面(11)と
    を備え
    前記凹状湾曲面(11)の前記第2の立ち上がり壁面部(11e)は、前記凹状湾曲刃部分側から離れる方向に向かって窪んだ湾曲面を形成するように、延在している、
    切削インサート(1)。
  2. 前記切れ刃(7)は複数の前記凹状湾曲刃部分を有し、各凹状湾曲刃部分に関して前記凹状湾曲面が形成されている、請求項に記載の切削インサート(1)。
  3. 前記複数の凹状湾曲刃部分は互いに対して離れて配置されている、請求項に記載の切削インサート(1)。
  4. 前記凹状湾曲面(11)において、前記すくい面部(11a)と前記第1の立ち上がり壁面部(11c)とをつなぐ窪み面部(11b)がさらに形成され、前記すくい面部を延長するように定められる延長面が前記第1の立ち上がり壁面部と交差するように該すくい面部、該窪み面部および該第1の立ち上がり壁面部は形成されている、請求項1からのいずれかに記載の切削インサート(1)。
  5. 前記切れ刃の一部を構成する凸状湾曲刃部分(7b)であって、前記2つの端面をつなぐ前記方向に湾曲した凸状湾曲刃部分(7b)と、
    該凸状湾曲刃部分に延在するように前記一方の端面に形成された凸状湾曲面(13)であって、該凸状湾曲刃部分から離れる方向に順に配置された、該凸状湾曲刃部分に隣接するすくい面部(13a)、第1の立ち上がり壁面部(13c)、および、該第1の立ち上がり壁面部よりも前記他方の端面から離れた位置に形成された第2の立ち上がり壁面部(13e)を含む、凸状湾曲面(13)と
    をさらに備えた、請求項1からのいずれかに記載の切削インサート(1)。
  6. 前記凸状湾曲面(13)の前記第2の立ち上がり壁面部(13e)は、前記凸状湾曲刃部分側に向かって湾曲する凸曲面を形成するように、延在している、請求項に記載の切削インサート(1)。
  7. 前記切れ刃は複数の前記凸状湾曲刃部分を有し、各凸状湾曲刃部分に関して前記凸状湾曲面が形成されている、請求項またはに記載の切削インサート(1)。
  8. 前記凸状湾曲面において、前記すくい面部と前記第1の立ち上がり壁面部とをつなぐ窪み面部(13b)が形成され、前記すくい面部を延長するように定められる延長面が前記第1の立ち上がり壁面部と交差するように該すくい面部、該窪み面部および該第1の立ち上がり壁面部は形成されている、請求項からのいずれかに記載の切削インサート(1)。
  9. 前記凹状湾曲刃部分(7a)と前記凸状湾曲刃部分(7b)とは連続してつながり、前記凹状湾曲面(11)と前記凸状湾曲面(13)とは連続してつながっている、請求項からのいずれかに記載の切削インサート(1)。
  10. 前記凹状湾曲刃部分と前記凸状湾曲刃部分とは交互に連続且つ滑らかにつながっている、請求項に記載の切削インサート(1)。
  11. 前記切削インサートは、工具本体(32)の先端部に相互の回転軌跡が交差するように外周側の切削インサートおよび中心側の切削インサートが着脱自在に装着される刃先交換式ドリル(30)で、該外周側の切削インサートとして使用可能であり、
    前記切れ刃(7)は、前記外周側の切削インサートにおける切れ刃として形成されている、
    請求項1から10のいずれかに記載の切削インサート(1)。
  12. 前記切削インサートは、該切削インサートが前記中心側の切削インサートとして用いられるとき機能する第2切れ刃(8)をさらに備える、請求項11に記載の切削インサート(1)。
  13. 前記2つの端面のうちの前記一方の端面に関して、前記切れ刃(7)と、前記第2切れ刃(8)とは、交互に形成されている、請求項12に記載の切削インサート(1)。
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