JP5830410B2 - 溶湯供給管および連続鋳造装置 - Google Patents
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連続鋳造装置において、保持炉に貯溜された溶湯をタンディッシュに供給するために用いられる溶湯供給管には種々の構成のものがあり、例えば、特許文献1には、ダイカストマシンに溶湯を供給する以下の構成の溶湯供給管が記載されている。
本発明に係る溶湯供給管について、図面を参照して説明する。
図1、図2に示すように、溶湯供給管1は、保持炉31に貯溜された溶湯Mを加圧装置41の加圧によってタンディッシュ51に供給する連続鋳造装置21で使用される。ここで、溶湯Mは、溶解炉(図示せず)で溶融され保持炉31に供給される溶融金属であり、マグネシウム合金からなる。
そして、溶湯供給管1は、給湯管部2と、係合部8(鍔部9)とを備える。以下、各構成について説明する。なお、連続鋳造装置21の構成である保持炉31、加圧装置41、タンディッシュ51等については、後記する。
給湯管部2は、保持炉31とタンディッシュ51との間に配置されて、保持炉31に貯溜された溶湯Mをタンディッシュ51に供給する金属管で、耐食性、耐熱性に優れたステンレス鋼管あるいは鋼管等が使用でき、また、マグネシウム合金の場合には、これらの耐食性を低下させるNiを含まない素材からなることが好ましく、内径は例えば80mmである。そして、図2に示すように、給湯管部2は、基端部3と、第1折曲部4と、傾斜部5と、第2折曲部6と、先端部7とを備え、後記する係合部8によって保持炉31に係合されている。また、給湯管部2は、基端部3、第1折曲部4、傾斜部5、第2折曲部6および先端部7の各部の間が連続して形成された1本の管で構成されていることが好ましいが、複数の管の間を接着あるいは溶着等によって連続するように結合して1本の管としてもよい。
係合部8は、給湯管部2に設けられ、給湯管部2を保持炉31に係合させるものである。そして、係合部8は、給湯管部2の基端部3に設けられ、保持炉31の開口部32を覆う蓋板33に設けられた係合機構35(図3参照)に着脱自在となる鍔部9を有する。これにより、溶湯供給終了後に、溶湯供給管1(給湯管部2)を保持炉31から短時間で取り外すことができるようになる。なお、係合部8の構成は、蓋板33に設けられた係合機構35に着脱自在となれば、鍔部9に限定されない。
図3に示すように、給湯管部2の基端部3を、加圧装置41の1つであるポンプ42(図2参照)の支持板37に穿設された取付穴(図示せず)に挿入する。そして、支持板37の4隅に設けられたトグルクランプ36を用いて、給湯管部2の係合部8(鍔部9)を支持板37に固定する。図3では、2つのトグルクランプ36を記載し、接合後の係合部8(鍔部9)および支持板37の状態を記載している。次いで、支持板37に固定された給湯管部2を、保持炉31の蓋板33に穿設された取付穴34に挿入する。そして、取付穴34の周囲に設けられたトグルクランプ36を用いて、支持板37を蓋板33に固定することによって、溶湯供給管1(給湯管部2)が保持炉31(蓋板33)に固定される。図3では、2つのトグルクランプ36を記載し、接合前の支持板37および蓋板33の状態を記載している。
なお、加圧装置41として後記する気体加圧方式の加圧装置(図示せず)を採用する場合には、給湯管部2の係合部8(鍔部9)を保持炉31の蓋板33にトグルクランプ36で直接固定することも可能である。
図2、図4に示すように、前記した溶湯供給管1は、加圧装置41として溶湯流路44を備えたメカニカルポンプ(ポンプ42)を使用する場合には、給湯管部2の基端部3の端部に、溶湯流路44の送出口44bに着脱自在に差し込まれる差込部10を備えることが好ましい。
次に、前記した溶湯供給管1の好ましい実施形態(変形例)について説明する。
図2に示すように、溶湯供給管1は、給湯管部2の長さ方向の少なくとも一部の周囲をヒータ11で覆ったものであることが好ましい。そして、ヒータ11は、図示しない電源部からの電流供給によって発熱する電熱ワイヤからなり、従来公知の電熱ワイヤを使用できる。なお、溶湯供給管1は、グラスウール等の保温材料からなる保温層12で、ヒータ11の長さ方向の少なくとも一部の周囲をさらに覆ったものでもよい。
次に、本発明に係る前記溶湯供給管を使用した連続鋳造装置について説明する。
図1に示すように、連続鋳造装置21は、金属の溶湯Mを連続鋳造用鋳型61で凝固させて鋳造物Wを連続鋳造するものである。連続鋳造装置21は、保持炉31と、加圧装置41と、溶湯供給管1と、タンディッシュ51と、連続鋳造用鋳型61と、引抜装置71と、を備えている。なお、連続鋳造装置21は、いわゆる横型(水平型)であっても、縦型(垂直型)であってもよく、図1には横型(水平型)の場合を記載した。
以下、各構成について説明する。なお、溶湯供給管1については前記のとおりであるので、説明を省略する。
保持炉31は、溶解炉(図示せず)から供給された溶湯Mを所定の温度に保温した状態で一時的に貯溜するものである。保持炉31は、略密閉容器状に形成され、溶湯Mを貯溜する有底円筒状の容器であり、例えば内径が1m、深さが1.5mで容量が350kg程度のものからなる。この保持炉31の側壁上部には、不活性ガスの供給口が設けられている(図示せず)。また、保持炉31には、溶湯Mを加圧する加圧装置41が取り付けられている。
図1、図2に示すように、加圧装置41は、溶湯Mを加圧によって保持炉31から給湯管部2の基端部3に送出させる装置である。加圧装置41の加圧方式は、特に限定されないが、気体加圧方式、ポンプ加圧方式、または、両者を併用した方式等が挙げられ、ポンプ加圧方式が好ましい。また、ポンプ加圧方式の加圧装置41としてのポンプ42には、メカニカルポンプ、電磁ポンプ等があり、メカニカルポンプが好ましい。なお、加圧装置41の加圧は、1〜100kPaであることが好ましい。
タンディッシュ51は、保持炉31から溶湯供給管1を介して供給された溶湯Mを保温した状態で一時的に貯溜するものである。タンディッシュ51は、略容器状に形成されている。また、タンディッシュ51の内部には、当該タンディッシュ51内の溶湯Mを濾過して不要な介在物を分離するフィルタが取り付けられている(図示せず)。また、タンディッシュ51には、連続鋳造用鋳型61側の側壁の下部に、溶湯Mを連続鋳造用鋳型61に供給する溶湯供給口が形成されている。なお、このタンディッシュ51内の溶湯Mは、当該タンディッシュ51が溶湯供給管1を介して保持炉31に連通していることにより、加圧装置41によって溶湯Mが加圧された状態になっている。
連続鋳造用鋳型(モールド)61は、タンディッシュ51の溶湯供給口から型内に供給された溶湯Mを冷却しながら送り出すことによって、所定の形状に成型する冷却鋳型である。連続鋳造用鋳型61は、例えば、棒状の鋳造物Wを連続鋳造する略筒状の型面を有している。また、連続鋳造用鋳型61は、例えば、熱伝導率の高い銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼、あるいは、黒鉛製のものからなる。なお、連続鋳造用鋳型61は、例えば、当該連続鋳造用鋳型61とタンディッシュ51の溶湯供給口との間に介在された鋳型取付盤52によって、タンディッシュ51に接続されている。
引抜装置71は、連続鋳造用鋳型61を介してタンディッシュ51から送り出される鋳造物Wを引き抜くものである。引抜装置71は、従来公知の引抜装置を使用でき、例えば、一対の送りローラ72で鋳造物Wを引き抜くものである。
次に、溶湯供給管の使用手順について、連続鋳造装置を例にとって説明する。
(1)図1〜図4に示すように、溶湯供給管1(基端部3)の差込部10を加圧装置41(溶湯流路44の送出口44b)に着脱自在に差し込む。そして、溶湯供給管1(基端部3)の係合部8(鍔部9)と、加圧装置41の支持板37とを係合機構35(トグルクランプ36)を用いて接合する。これによって、溶湯供給管1(基端部3)が加圧装置41に着脱自在に固定される。
2 給湯管部
3 基端部
4 第1折曲部
5 傾斜部
6 第2折曲部
7 先端部
8 係合部
9 鍔部
10 差込部
21 連続鋳造装置
31 保持炉
41 加圧装置
51 タンディッシュ
61 連続鋳造用鋳型
71 引抜装置
Claims (6)
- 保持炉に貯溜された溶湯を加圧装置の加圧によってタンディッシュに供給する連続鋳造装置に使用される溶湯供給管であって、
前記保持炉と前記タンディッシュとの間に配置されて前記溶湯を前記タンディッシュに供給する給湯管部と、
前記給湯管部に設けた当該給湯管部を前記保持炉に係合させる係合部と、を備え、
前記給湯管部は、前記保持炉内に垂下して前記加圧装置によって送出された前記溶湯を受ける基端部と、前記基端部に第1折曲部を介して連続して前記溶湯を移湯する傾斜部と、前記傾斜部に第2折曲部を介して連続して前記タンディッシュ内に垂下して前記溶湯を吐出する先端部と、を有し、
前記傾斜部は、前記第1折曲部側から前記第2折曲部側に向かって立ち上がる傾斜を有し、その傾斜角度が水平面に対して1〜10度であり、
前記係合部は、前記基端部に設けられ、前記保持炉の開口部を覆う蓋板に設けられた係合機構に着脱自在となる鍔部を有することを特徴とする溶湯供給管。 - 前記加圧装置が溶湯流路を備えたポンプであって、前記基端部の端部に、前記溶湯流路の送出口に着脱自在に差し込まれる差込部を備えることを特徴とする請求項1に記載の溶湯供給管。
- 前記給湯管部は、その長さ方向の少なくとも一部の周囲をヒータで覆ったものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶湯供給管。
- 前記給湯管部は、前記基端部、前記第1折曲部、前記傾斜部、前記第2折曲部および前記先端部の各部の間が連続して形成された1本の管で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の溶湯供給管。
- 前記給湯管部は、前記第1折曲部および前記第2折曲部の少なくとも一方が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の溶湯供給管。
- 溶湯を貯溜する保持炉と、
前記保持炉に貯溜された前記溶湯が供給されるタンディッシュと、
前記保持炉に貯溜された前記溶湯を加圧する加圧装置と、
前記保持炉と前記タンディッシュとの間に配置され、前記加圧装置の加圧によって前記溶湯を前記保持炉から前記タンディッシュに供給する溶湯供給管と、
前記タンディッシュに接続され、当該タンディッシュに供給された前記溶湯を冷却して鋳造物を成型する連続鋳造用鋳型と、
前記連続鋳造用鋳型を介して前記タンディッシュから送り出される前記鋳造物を引き抜く引抜装置と、を備え、
前記溶湯供給管として請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載されたものを使用することを特徴とする連続鋳造装置。
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