JP5827921B2 - 炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法 - Google Patents

炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5827921B2
JP5827921B2 JP2012090732A JP2012090732A JP5827921B2 JP 5827921 B2 JP5827921 B2 JP 5827921B2 JP 2012090732 A JP2012090732 A JP 2012090732A JP 2012090732 A JP2012090732 A JP 2012090732A JP 5827921 B2 JP5827921 B2 JP 5827921B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
substrate
epitaxial wafer
sic
single crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012090732A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013216554A (ja
Inventor
伊藤 渉
伊藤  渉
崇 藍郷
崇 藍郷
昭義 立川
昭義 立川
泰三 星野
泰三 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2012090732A priority Critical patent/JP5827921B2/ja
Publication of JP2013216554A publication Critical patent/JP2013216554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5827921B2 publication Critical patent/JP5827921B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置、及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法に関し、詳しくは、炭化珪素単結晶のエピタキシャル成長においてステップバンチングの発生を抑えることができるようにした炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置、及びこれを用いた炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法に関するものである。
炭化珪素(以下、SiCと表記する)は、耐熱性及び機械的強度に優れ、物理的、化学的に安定なことから、耐環境性半導体材料として注目されている。また、近年、高周波高耐圧電子デバイス等の基板としてSiCエピタキシャルウェハの需要が高まっている。
SiC単結晶基板(以下、SiC基板という)を用いて、電力デバイス、高周波デバイス等を作製する場合には、通常、SiC基板上に熱CVD法(熱化学蒸着法;以下、単にCVD法という)と呼ばれる方法を用いてエピタキシャル成長させSiC薄膜を得る。SiC基板上にエピタキシャル成長膜を形成する理由は、キャリア密度が制御された層を使ってデバイスを作り込むためである。
MOSFETに代表される電子デバイスでは、表面に金属酸化膜が形成され、その界面に沿って電流が流れるため、表面粗度によってキャリアの散乱等が原因となってデバイスの動作性能や信頼性能を低下させる。従って、エピタキシャルウェハの表面は極力平滑である必要がある。
一方、SiCのエピタキシャル成長では、4H−SiC以外に3H−SiCや6H−SiCなどのポリタイプが知られ、これらは同時に形成されやすい。そのため、異種ポリタイプの混入を防ぐために、結晶面に対して微傾斜させた表面を使ってステップフロー成長させることが一般に行われている。この時、テラスの上をSi源及びC源となる各原料ガスに由来の吸着粒子(その構造の詳細は不明だがSi-C結合の骨格を持つものと推定される)が移動(マイグレーション)する速度のばらつきが原因で、ステップ端が合体し、所謂、ステップバンチングが発生する。その高さは、数原子層を超えることもある。
ステップバンチングは、経験的に結晶インゴットからSiC基板を切り出す際の傾斜角度が深いほど出にくく、また、Si面よりC面の方がやはり出にくいことが知られている。すなわち、傾斜角度が深くなるとステップの密度が高まり、マイグレーション速度のばらつきの影響が出づらくなる。また、C面上へのエピタキシャル成長では、Si原子がまず吸着することになるが、Si原子のほうがC原子よりマイグレーション速度が高いために、やはりばらつきが出にくいとされている。
しかしながら、一つの結晶インゴットから切り出す時は傾斜角度が浅いほど多くのSiC基板が取れ、また、これまでに、Si面上の方がC面上よりエピタキシャル成長の検討が進んで作りやすいという背景から、別途ステップバンチングを抑制する手段を検討する重要性は以前にも増して高まっている。一方で、ステップバンチングが何故発生するのか(発生の起源)の詳細は未だよく分かっていないために、それを抑制するための手法も確立されておらず、経験則に頼っているのが現実である。
例えば、ステップバンチングを抑えるために、特許文献1ではエピタキシャル成長前にプロパン(C3H8)を予め流しておく方法を開示している。特許文献2では逆にシラン(SiH4)を予め流しておく方法を開示している。更に、特許文献3ではエピタキシャル成長前にプロパンとシランを同時供給する方法を開示している。
しかしながら、これらの手法はステップバンチングの詳細な発生原因の特定によってもたらされたものではないため、ステップバンチングを確実に抑制することができる方法について更に検討する必要がある。
ところで、プラズマCVD法によって絶縁基板表面にシリコン薄膜を形成する際に、基板に直流バイアス電位や交番電位を印加することが知られている(特許文献4、5参照)。これらは、プラズマ特有の強いイオン衝撃によるダメージを緩和するために、基板をプラズマ源から離して位置させておき、該基板に電位を印加して膜中の欠陥を抑制する技術に関する。すなわち、これらの場合では、いずれもガラス等のような熱的にも電気的にも絶縁性を有した絶縁基板に電圧を印加するため、基板内部で電位勾配が形成され、基板表面には印加した電圧に相当する電位が形成されることはない。
特許第4238357号公報 特開2005-277229号公報 特開2011-49496号公報 特開平10-81597号公報 特開2002-141292号公報
本発明は、SiC基板上へのSiCのエピタキシャル成長において、ステップバンチングの発生を効率よく抑えることができる炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置と、その装置を使ってステップバンチングを抑制しながら炭化珪素エピタキシャルウェハを製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、ステップバンチングについて、テラス上を移動(マイグレーション)する吸着粒子の速度がテラス表面の状態の違いで異なることが原因でもたらされると考えた。そして、極わずかな表面状態の違いがテラス上の移動速度に影響を与えるのは、そもそもステップ端に向かって吸着粒子がテラス上を移動する駆動力が低いことに起因することを突き止め、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(1)CVD法によって炭化珪素単結晶基板に炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させて炭化珪素エピタキシャルウェハを製造する装置において、炭化珪素単結晶基板を載置する載置台に電源が接続されて、載置した炭化珪素単結晶基板に電圧が印加されるようにしたことを特徴とする炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置。
(2)炭化珪素単結晶基板に印加される電圧が交番電圧であることを特徴とする(1)に記載の炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置。
(3)CVD法によって炭化珪素単結晶基板に炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させて炭化珪素エピタキシャルウェハを製造する方法において、炭化珪素単結晶基板に電圧を印加し、原料ガスに対して該基板が100V以下の電位差を有するようにしながら、炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させることを特徴とする炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法。
(4)炭化珪素単結晶基板に印加する電圧が100Hz以下の交番電圧であることを特徴とする(3)に記載の炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法。
(5)炭化珪素単結晶基板の電気抵抗率が0.001Ωcm以上100Ωcm以下である(3)又は(4)に記載の炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法。
本発明の炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置、及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法によれば、炭化珪素単結晶のエピタキシャル成長においてマイグレーションの駆動力が高まることから、テラス幅の狭い深い傾斜角度へのエピタキシャル成長の場合と同様の成長を実現でき、結果としてステップバンチングを効率よく抑制することができる。すなわち、本発明によれば、ステップバンチングが抑制された高い品質のエピタキシャル成長膜を備えた炭化珪素エピタキシャルウェハを提供することができる。その結果、デバイス化に当たってSiCエピタキシャル膜起因の不良を大幅に減らすことができ、歩留まりの向上によってデバイスを安価に製造することができる。しかも、高い信頼性を有するデバイスの作製を可能にするといった絶大な効果をもたらす。
図1は、本発明における炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置の内部構造を模式的に示す説明図である。 図2は、交播電界による成長粒子の引き込みの概念を模式的に示した説明図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
SiC基板に電圧を印加しない通常のCVD法によるエピタキシャル成長では、SiC基板自体が電位的に浮遊電位にあるため、例えば2,000KでSiC基板に到達する粒子のエネルギーは0.17eV程度である(絶対温度=e/k(eは電気素量、kはボルツマン定数)を使って計算)。すなわち、初期エネルギーが全てマイグレーションエネルギーに変わったとしても、その駆動力はあまり期待できない。
一方で、本発明のようにSiC基板を載置する載置台に電源を接続して、SiC基板に電圧が印加されるようにしてエピタキシャル成長させると、基板表面に到達する荷電粒子は電界から運動エネルギーを獲得することができる。基板表面において、そのエネルギーは反応エネルギー、熱エネルギーなどに分配され、残った部分がマイグレーションエネルギーとして利用されると考えられる。そして、このマイグレーションエネルギーによって、原料ガス由来の吸着粒子が効率よくステップ端に到達できるようになる。この効果によって、従来はステップバンチングを抑制することが困難であった低オフ角(テラス幅が広い)のSiC基板、具体的には4°以下のオフ角を有したSiC基板であっても、容易に平滑な表面を持ったエピタキシャル膜を形成できるようになるのである。
まず、本発明におけるSiCエピタキシャルウェハの製造装置の例としてその概略図を図1に示す。本例示では、複数のSiC基板が縦方向に並んで配置される縦型構造のCVD装置を形成しており、周りを誘導加熱ヒーター5によって取り囲まれた発熱体1内には、SiC基板を1枚ずつ載置することができる基板ホルダー(載置台)2と、各SiC基板に対して原料ガスやドーピング元素を含んだガス等を供給するためのノズル4とが配設されている。これらの誘導加熱ヒーター5及び発熱体1は容器(筐体)6に収容されており、また、エピタキシャル成長において成長炉内に供給された各種ガスは、真空ポンプ7を介して容器外に排出される。
そして、本発明においては、各基板ホルダー2に載置されたSiC基板に対してそれぞれ電圧が印加されるように、電源3が接続されている。また、容器6は接地され、かつ、基板ホルダー2とは電気的に隔離されている。そのため、発熱体1の空間内に導入されたガスは浮遊電位であって、電気的なポテンシャルはほぼゼロであるのに対し、各基板ホルダー2に載置されたSiC基板には電位差が与えられるようになっている。
基板ホルダー2に対して接続する電源3については、後述するような理由から、好ましくは交番電圧を印加できるものであるのがよい。また、スイッチを介して接続されるようにしてもよく、更には、DC−ACインバーターによって周波数を任意に可変できる機能を備えた電源を構成するようにしてもよい。エピタキシャル成長は、実際には1450℃以上の高温下で行われることから、図1に示したように、SiC基板を載置する個別の基板ホルダー2に配線を設けて電源を接続する代わりに、一体構造を有した基板ホルダーに複数のSiC基板を搭載するようにして、例えば、ホルダー下部の高温にさらされない領域に接点を設けて電源と接続し、電位差を与えられるようにしてもよい。また、図1のような例示のほかに、例えば、横型構造やプラネタリ構造をしたCVD装置を形成するようにしてもよい。すなわち、平板のサセプター(載置台)にSiC基板を搭載したような場合も本発明を適用することができ、サセプター自体に電源を接続して、搭載されたSiC基板に電圧が印加されるようにしてもよい。
図2は、本発明におけるエピタキシャル成長の過程を概念的に図示したものである。ここではシリコン源の原料ガスにSiCl4を用いた場合を例示しているが、この場合、SiCl4の一部で熱分解が起きるとSiはプラスを帯びるので、SiC基板(及び成長したSiCエピタキシャル膜)が負の電位にある時にステップ側に引き込まれることになる。シリコン源の原料ガスがSiH4の場合では、SiH4の一部で熱分解が起きるとSiはマイナスを帯びるので、SiC基板(及びSiCエピタキシャル膜)が正の電位にある時に引き込まれる。一方、カーボン源の原料ガスにプロパンを用いたときには、C38の一部で熱分解が起きるとCはマイナスを帯びるので、SiC基板(及びSiCエピタキシャル膜)が正の電位にある時に引き込まれる。
ここで、SiC自体は半導体であり、また、SiC基板を得るために通常採用される昇華再結晶法(改良レーリー法)では、一般にドーピング元素を添加してSiC単結晶インゴットを製造するため、SiC基板はガラス基板等に比べて抵抗の低い低抵抗基板であるといえる。そのため、このようなSiC基板に電圧を印加すると基板内部で電荷が移動して電位勾配がなくなり、SiC基板の表面に印加した分の電位が形成されると考えられる。すなわち、電位的に浮遊電位にある原料ガス(熱分解前の中性分子、熱分解後の荷電粒子などを含む複数種からなるガス群)に対して、SiC基板が所定の電位差を有するようになる。本発明では、好適には、電気抵抗率が0.001Ωcm以上100Ωcm以下、より好適には電気抵抗率が0.01Ωcm以上1Ωcm以下のSiC基板を用いるのがよい。また、SiC単結晶をエピタキシャル成長させる際には、窒素、Al、P等のドーピング元素を1×1015(/cm3)以上2×1018(/cm3)以下のドーピング密度で添加しながらSiCエピタキシャルウェハを製造するのが好ましい。
このように、例えば1450℃を超える高温では原料ガスの一部が熱分解を起こし、その結果荷電粒子が生成する。原料ガスの種類によって、Si源、C源は帯電の極性が異なるが、電圧が印加されるSiC基板側の電位を正負に交播電界をかけることで、ステップ側に引き込むことが可能となる。すなわち、運動エネルギーを電界から得て、ステップ側面に到達することになる。
従って、理想的にはSiC基板に交播電界(交番電圧)を印加するのが望ましいが、例えば、SiH4とC38などの組み合わせで、Si源、C源ともに同じ極性(この場合マイナス)を帯びるときには、必ずしも交播電界とする必要はない。
一方、交播電界の周期が短すぎる場合には、高周波プラズマとして一般に知られているように、軽い電子は交播電界に追随できるが重いイオンは追随できない作用で、エネルギーを得た高速電子が中性粒子を電離し、次第に荷電粒子の密度が高まり、最終的に電極側に負のイオンシースが形成される。こうなると本発明で利用しているような交播電界の効果が使えなくなる。従って、交播電界の周期は0〜100Hzの範囲であるのが好適である。
更には、SiC基板が有する電位差は、好ましくは0Vを超えて100V以下の範囲であるのがよく、特に30V以下がより好ましい。SiC基板が発熱体1の空間内に導入されたガスとの間に少しでも電位差を有していれば、原料ガス由来の荷電粒子が運動エネルギーを得てテラス上のマイグレーションエネルギーとして使えるため、効率的なエピタキシャル成長が促される。一方、例えば、1000Paといった減圧状態では平均自由工程が10μm程度と長くないために、エネルギーを十分に獲得する前に他の粒子と衝突を起こしてしまう。このため、30Vを超えると実質的に電位差を与える効果は小さくなり、100Vを超える電位差ではその効果は期待できなくなる。
また、本発明においては、SiC基板のエピタキシャル成長面を鉛直方向下向きにしてエピタキシャル成長させれば、デバイスへの悪影響が大きいといわれているダウンフォールを極めて少なくすることができる。この状態で、本発明の交播電界の効果を合わせることにより、ダウンフォールが極めて少なく、かつステップバンチングのない高品質のSiCエピタキシャルウェハを得ることができる。
エピタキシャル成長の条件については、成長温度が1450℃〜1700℃であるのがよく、また、原料ガス中に含まれる炭素と珪素の原子数比(C/Si比)が0.5〜1.5の範囲であるのがよい。成長温度の範囲は、これよりも低い温度ではSiCはエピタキシャル成長せず、高い場合にも成長速度を上回る昇華速度となるため、結果的にこの場合もエピタキシャル成長しないおそれがある。一方のC/Si比の範囲は、この範囲にあると成長速度が大きくとれ、生産性改善に繋がる上に、得られるエピタキシャル膜の膜質も高品位なものにすることができる。C/Si比が0.5より小さくなると未反応のSiが金属状態で膜に付着(ドロップレット)して欠陥発生の原因となる。逆に、1.5を超えると結晶欠陥が多く生成してしまうおそれがある。
また、C/Si比が0.5〜1.5の範囲を外れると、ドーピング密度にも影響が出る場合がある。例えば、0.5より小さくなるとドーピングが高い効率で起きるため、例えば、窒素を導入しなくても残留不純物としての窒素だけで狙いとするドーピング量を超えてしまうという問題が発生する。反対に1.5を超えると、高いドーピング密度を狙おうとした時に大量の窒素を導入することになるが、それでも狙いとするドーピング密度まで入らない可能性がある。また、大量の窒素を導入することで、膜質そのものへの影響(膜厚のばらつき、成長速度など)が出ることも考えられる。
エピタキシャル成長を開始する前に適度なエッチングを基板表面に施すことも可能である。エッチング量の制御は、圧力及び時間のバランスで行われる。温度も重要なパラメータであるが、エッチング終了後のエピタキシャル成長開始へのスムーズな移行がエピタキシャル成長には重要になるため、エッチング時の温度はエピタキシャル成長温度に揃えるのが望ましい。適度なエッチング条件としては、圧力の範囲として500Pa〜3000Pa、時間として1分以上10分以内の条件を例示することができる。
また、シリコン源の原料ガスはSiH4に限定されず、SiH3Cl、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4などを好適に用いることができる。一方、カーボン源の原料ガスは、プロパン(C3H8)に限定される理由はなく、炭素数が5以下の飽和炭化水素ガスや不飽和炭化水素ガスを好適に用いることができる。
以下、実際のエピタキシャル成長の手順について、一例を例示しながら説明する。
まず、成長炉内を真空排気した後、水素ガスを導入して圧力を6×103〜1×104Paに調整する。その後、圧力を一定に保ちながら成長炉の温度を上げ、1500〜1600℃に達した後、圧力をエピタキシャル成長条件、例えば1000Pa程度まで低くし、所定時間保持することで成長前のSiC基板の表面のエッチングを行う。この時の圧力はエッチング効率に大きな影響を持ち、低圧ほどエッチングが進行する。従って、昇温中は圧力が高いためエッチングはほとんど進まず、圧力を下げることでエッチングをスタートさせることができる。
エッチング処理を行った後は、原料ガス(シリコン源及びカーボン源)を導入することでエピタキシャル成長を開始させる。その成長条件は、上述した通りであり、好適には、成長温度1450℃〜1700℃、C/Si比0.5〜1.5の範囲として、エピタキシャル成長を行う。
エピタキシャル膜の膜厚は、その後に作り込むデバイスの種類、仕様によって適宜決められるが、一般的には5μm以上、100μm以下の範囲である。
(実施例1)
図1に示したように、容器6内に誘導加熱ヒーター5及び発熱体1が収容されたSiCエピタキシャルウェハの製造装置を用いて、以下のようにしてSiCエピタキシャルウェハを作製した。当該製造装置は、複数のSiC基板が縦方向に並んで配置できるようした縦型構造のCVD装置を構成しており、一体構造を有した基板ホルダー2の下部側に接点を設けて交流電源3に接続されて、載置したSiC基板に交番電圧が印加されるようにした。
4インチ(100mm)ウェハ用SiC単結晶インゴットから、約400μmの厚さでスライスし、粗削りとダイヤモンド砥粒による通常研磨を実施した4H型のポリタイプを有するSiC基板を上記製造装置の基板ホルダー2の1箇所に載置し、そのSiC基板のSi面に対してエピタキシャル成長を実施した。このSiC基板は、(0001)面からのオフ角が4°である。また、このSiC基板は厚さが約300μmであって、0.02Ωcmの電気抵抗率を有するものである。
成長の手順としては、まず、SiC基板を成長面(Si面)が下になるように基板ホルダー2にセットし、成長炉内を真空排気した後、ノズル4から水素ガスを毎分20リットルの割合で導入しながら圧力を8000Paに調整した。その後、圧力を一定に保ちながら発熱体1の温度を1550℃まで上げた。しかる後、水素ガスを毎分200リットルまで増量させながら真空排気を行い1000Paとし、3分間保持後、SiCl4流量を毎分300cm3、C38流量を毎分90cm3(C/Si比として0.9)、窒素を毎分5cm3としてそれぞれノズル4から供給し、成長を開始した。同時に、基板ホルダー2に接続した交流電源3によって電位差−15V〜15V、10Hzの交播電界をSiC基板に印加した。成長時間は2時間とし、SiC基板上におよそ10μmのSiCエピタキシャル膜を成長させた。成長後のドーピング密度は測定の結果、1×1016(/cm3)であることを確認した。なお、SiC基板の抵抗率やその厚み等を考慮すると、SiC基板の表面の電位は印加電圧とほぼ同じであると考えられる。
得られたSiCエピタキシャルウェハは、顕微鏡による500倍での観察でステップバンチングの存在は認められなかった。また、成長面を下向きにした効果で、ダウンフォールも一切認められなかった。
(実施例2〜13)
実施例1と同様にしてエピタキシャル成長を行った。但し、用いたSiC基板の(0001)面からのオフ角度、及び交播電界を表1に示した条件に変更した。得られたSiCエピタキシャル膜のステップバンチングの評価結果も合わせて表中にまとめた。
表1に示した結果から分かるように、本発明によれば、通常ステップバンチングが出やすい低オフ角の基板においても、本発明の範囲でエピタキシャル成長することで、ステップバンチングのない高品質なSiCエピタキシャルウェハとなっていることが分かった。
Figure 0005827921
(比較例1)
実施例1と同様にしてエピタキシャル成長を行った。但し、SiC基板の(0001)面からのオフ角度を3.5°とし、また、交播電界は印加せず成長を行った。
このようにして得られたSiCエピタキシャル膜は光学顕微鏡での観察の結果、ウェハ全面でステップバンチングが認められた。
本発明によれば、ステップバンチングのない高品質のSiCエピタキシャルウェハを製造することができ、これを用いることで高信頼性のデバイスを作製することが可能である。また、本発明によって得られたSiCエピタキシャルウェハを用いたデバイス作製では歩留まりが良くなるので、安価なデバイスを作製することができる。
1:発熱体、2:基板ホルダー(載置台)、3:電源、4:ノズル、5:誘導加熱ヒーター、6:容器、7:真空ポンプ。

Claims (4)

  1. CVD法によって炭化珪素単結晶基板に炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させて炭化珪素エピタキシャルウェハを製造する装置において、炭化珪素単結晶基板を載置する載置台に電源が接続されて、載置した炭化珪素単結晶基板に交番電圧が印加されるようにしたことを特徴とする炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置。
  2. CVD法によって炭化珪素単結晶基板に炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させて炭化珪素エピタキシャルウェハを製造する方法において、炭化珪素単結晶基板に交番電圧を印加し、原料ガスに対して該基板が100V以下の電位差を有するようにしながら、炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させることを特徴とする炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法。
  3. 炭化珪素単結晶基板に印加する電圧が100Hz以下の交番電圧であることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法。
  4. 炭化珪素単結晶基板の電気抵抗率が0.001Ωcm以上100Ωcm以下である請求項2又は3に記載の炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法。
JP2012090732A 2012-04-12 2012-04-12 炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法 Active JP5827921B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012090732A JP5827921B2 (ja) 2012-04-12 2012-04-12 炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012090732A JP5827921B2 (ja) 2012-04-12 2012-04-12 炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013216554A JP2013216554A (ja) 2013-10-24
JP5827921B2 true JP5827921B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=49589144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012090732A Active JP5827921B2 (ja) 2012-04-12 2012-04-12 炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5827921B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112017007406T8 (de) * 2017-04-06 2020-02-13 Mitsubishi Electric Corporation SiC-Epitaxiewafer, Verfahren zum Herstellen eines SiC-Epitaxiewafers, SiC-Vorrichtung und Leistungsumwandlungsgerät
CN112470255B (zh) * 2018-07-20 2024-03-19 住友电气工业株式会社 碳化硅外延衬底和碳化硅半导体器件的制造方法
WO2020095873A1 (ja) * 2018-11-05 2020-05-14 学校法人関西学院 SiC半導体基板及びその製造方法及びその製造装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3742877B2 (ja) * 2002-03-22 2006-02-08 独立行政法人産業技術総合研究所 SiC単結晶薄膜の作製法
JP4469396B2 (ja) * 2008-01-15 2010-05-26 新日本製鐵株式会社 炭化珪素単結晶インゴット、これから得られる基板及びエピタキシャルウェハ
JP5453899B2 (ja) * 2009-04-24 2014-03-26 新日鐵住金株式会社 炭化珪素単結晶基板の製造方法、及び炭化珪素単結晶基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013216554A (ja) 2013-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5598542B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャルウエハ及びその製造方法並びにエピタキシャル成長用炭化珪素バルク基板及びその製造方法
JP5865796B2 (ja) エピタキシャル成長装置および炭化珪素エピタキシャルウエハ製造方法
US20150267320A1 (en) Method for manufacturing silicon carbide semiconductor device
EP2700739A1 (en) Epitaxial silicon carbide single-crystal substrate and process for producing same
CN107002288B (zh) 碳化硅基板的表面处理方法
JP6304699B2 (ja) エピタキシャル炭化珪素ウエハの製造方法
CN104867818B (zh) 一种减少碳化硅外延材料缺陷的方法
KR20130114696A (ko) 실리콘 단결정 제조 방법, 실리콘 단결정, 및 웨이퍼
WO2016133089A1 (ja) エピタキシャル炭化珪素単結晶ウエハの製造方法及びエピタキシャル炭化珪素単結晶ウエハ
JP5827921B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャルウェハの製造装置及び炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法
US10370775B2 (en) Silicon carbide epitaxial wafer manufacturing method, silicon carbide semiconductor device manufacturing method and silicon carbide epitaxial wafer manufacturing apparatus
JP5996406B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャルウェハの製造方法
CN111799321A (zh) 碳化硅外延晶片、碳化硅外延晶片的制造方法、电力变换装置
JP2018022853A (ja) 炭化珪素半導体基板および炭化珪素半導体基板の製造方法
JP2020038916A (ja) Soiウェーハ及びその製造方法
JP7400389B2 (ja) 炭化珪素多結晶膜、炭化珪素多結晶膜の製造方法および炭化珪素多結晶膜の成膜装置
CN113964016A (zh) 碳化硅外延晶片的制造方法
KR102318313B1 (ko) 단결정질 실리콘의 반도체 웨이퍼 및 반도체 웨이퍼를 제조하는 방법
TW202129097A (zh) 碳化矽基板的製造方法
JP2017017084A (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法およびエピタキシャル成長装置
JP2021095584A (ja) 炭化ケイ素多結晶基板の製造方法
JP2021066624A (ja) 炭化ケイ素多結晶基板の製造方法
WO2022004181A1 (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板および炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法
JP2015032742A (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法および貼り合わせウェーハ
JP7367497B2 (ja) 炭化ケイ素多結晶膜の成膜方法、および、炭化ケイ素多結晶基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5827921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350