JP5826539B2 - ボイラのブロー制御装置およびブロー制御方法 - Google Patents
ボイラのブロー制御装置およびブロー制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5826539B2 JP5826539B2 JP2011151084A JP2011151084A JP5826539B2 JP 5826539 B2 JP5826539 B2 JP 5826539B2 JP 2011151084 A JP2011151084 A JP 2011151084A JP 2011151084 A JP2011151084 A JP 2011151084A JP 5826539 B2 JP5826539 B2 JP 5826539B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blow
- water
- flow rate
- boiler
- control output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 30
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 282
- 239000008400 supply water Substances 0.000 claims description 75
- 238000012937 correction Methods 0.000 claims description 38
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 38
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 13
- 230000005856 abnormality Effects 0.000 description 7
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 3
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 3
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 2
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 2
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 2
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 2
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 description 2
- 238000007664 blowing Methods 0.000 description 1
- 244000145845 chattering Species 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 239000012141 concentrate Substances 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 230000005611 electricity Effects 0.000 description 1
- 239000003673 groundwater Substances 0.000 description 1
- 238000013021 overheating Methods 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
- 238000011084 recovery Methods 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
- 239000008234 soft water Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)
Description
(i)比例給水の場合、部分負荷(100%以下の負荷条件)においては100%負荷より瞬時の供給水の流量が少なくなる。このような場合では、ボイラへの供給水とブロー排出水の熱交換を行うブロー熱交換器での熱交換が効率的に行われず、熱交換器出口のブロー排出水温度が高くなってしまうという課題があった。特に、供給水の流量が少ない領域では、さらにブロー排出水が十分冷却されず、フラッシュ(フラッシュ蒸発)してしまうという課題があった。
(ii)また、従前、供給水の流量とブロー量とは、個別に制御されていたため、ボイラの負荷変動や給水温度変化等で燃焼量と供給水の流量のアンバランスが生じたときに、ブロー量が適正な水準にないことがあった。さらに、ボイラへの供給水とブロー排出水の熱交換を行うブロー熱交換器が設けられた場合において、ブロー熱交換部での有効な熱交換ができないという課題があった。
(a)前記水位検出器の出力を基に演算された第1制御出力を指標として前記供給水の流量を比例制御するとともに、
(b)前記電気伝導度検出器の出力を指標としてブローの実行・停止を制御し、
(c)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力を指標として前記ブローの流量の比例制御を行い、前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整されることを特徴とする。
(a)ボイラ水の水位を基に演算された第1制御出力を指標としてボイラへの供給水の流量を比例制御し、
(b)缶水の電気伝導度を指標としてブローの実行・停止を制御するとともに、
(c)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整され、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力を指標としてブローの流量の比例制御を行うことを特徴とする。
また、電気伝導度という缶水の質的要素に関する指標によってブローの制御を行い、第1制御出力という供給水の流量が把握できる信号を基に、供給水の流量に対応したブローの流量になるようにスケーリング補正して演算された第2制御出力を指標としてブローの流量制御を行うことを特徴とする。こうした異なる視点からの複数の指標に基づき、ブロー流量を比例制御することによって、缶水の異常の防止をより効果的に行うことが可能となった。
さらに、こうしたボイラの運転状態およびブロー処理の機能や効率を直接的に管理・制御することによって、ボイラの負荷,あるいは供給水やブロー排出水の状態等に関する広い範囲の変動に対しても、それに対応した高温のブロー水と給水との熱交換を有効に行うことができ、エネルギー効率の高いボイラのブロー制御装置あるいはブロー制御方法を提供することが可能となった。
また、ブローの実行時において、ボイラから排出される高温のブロー排出水と、比較的低温の供給水の熱交換を行うことによって、排出される熱エネルギーを低減することができ、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。特に、ブロー流量を供給水流量とリンクした条件で調整することから、供給水流量の上昇とともにブロー流量も上昇し、供給水流量の低下とともにブロー流量も低下する。従って、ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、ブロー熱交換器の熱交換機能を効果的に利用することができる。このように、ブロー流量と供給水流量がリンクして調整されるという固有の制御機能によって、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。
ブロー流量は、ボイラの負荷変動により必要となる供給水の流量の増減に対応して、増量あるいは減量させる制御が好ましい。本発明は、自動ブローの比例弁を用いたこうした構成によって、ブロー処理の機能を供給水一元的に管理・制御し、ボイラの負荷,あるいは供給水やブロー排出水の状態等に関する広い範囲の変動に対しても、缶水の異常の防止をより効果的に行い、ボイラ缶水の安定した状態を確保することを可能にした。
また、前記スケーリング補正に用いる演算式が、前記供給水の流量制御に係る前記第1制御出力Xと前記ブローの流量制御に係る第2制御出力Yを基に、直線方程式(Y=AX+B)によって設定されることを特徴とする。供給水の流量とブローの流量の関係を直線方程式によって設定・演算(スケーリング補正)することによって、いかなる供給水流量であっても、ボイラ缶水の安定した状態を確保することができる。
こうした構成により、ブロー制御装置実動時の最適条件となる複数の領域のブロー流量を設定し、その領域に対応した自動ブロー弁と絞り弁の開閉を制御することによって、ボイラにおける変動要素や変動幅を吸収し、ボイラ缶水の安定した状態を確保することを可能にした。
上記のように、本発明に係る間欠ブローを用いたボイラにおいては、電気伝導度を指標としてブローを制御し、第1制御出力を基にスケーリング補正して演算された第2制御出力を指標としてブロー流量を比例制御する。しかしながら、ボイラの蒸気圧力条件によっては、供給水の流量特性およびブローの流量特性が変化することから、同一条件では、供給水の流量(第1制御出力)とブローの流量(第2制御出力)の関係が最適とならず、ブロー熱効交換器における熱交換効率が低下するばかりでなく、ボイラ缶水を安定な状態に保つことができない場合がある。本発明は、こうした変動要素であるボイラの蒸気圧力の実測情報を得て、第2制御出力の圧力補正を行うことによって、よりボイラ缶水の安定した状態の確保が可能となった。
(1)ボイラ水の水位および缶水の電気伝導度に係る実測情報を得る工程、
(2)前記電気伝導度の実測情報を、予め設定された電気伝導度と比較する工程、
(3)前記水位の実測情報を基に演算された第1制御出力から、ボイラへの供給水の流量を調整し、予め設定された水位に制御する工程、
(4)前記電気伝導度の実測情報から、ブローの実行・停止を制御する工程、
(5)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整され、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力から、予め設定されたブローの流量に調整・制御する工程、
ブローの流量を比例制御することを特徴とする。
こうしたステップを構成することによって、ボイラの負荷,あるいは供給水やブロー排出水の状態等に関する広い範囲の変動に対しても、それに対応したブロー制御を行い、ボイラ缶水の安定した状態の確保が可能となった。
また、ブローの実行時において、ボイラから排出される高温のブロー排出水と、比較的低温の供給水の熱交換を行うことによって、排出される熱エネルギーを低減することができ、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。特に、ブロー流量を供給水流量とリンクした条件で調整することから、供給水流量の上昇とともにブロー流量も上昇し、供給水流量の低下とともにブロー流量も低下する。従って、ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、ブロー熱交換器の熱交換機能を効果的に利用することができる。このように、ブロー流量と供給水流量がリンクして調整されるという固有の制御機能によって、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。
(1)ボイラ水の水位,缶水の電気伝導度,およびボイラの蒸気圧力に係る実測情報を得る工程、
(2)前記電気伝導度の実測情報を、予め設定された電気伝導度と比較する工程、
(3)前記水位の実測情報を基に演算された第1制御出力から、ボイラへの供給水の流量を調整し、予め設定された水位に制御する工程、
(4)前記電気伝導度の実測情報から、ブローの実行・停止を制御する工程、
(5)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整され、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力を求め、前記ボイラの蒸気圧力の実測情報から、前記第2制御出力に対して圧力補正を行い、第2a制御出力を得る工程、
(6)前記第2a制御出力から、予め設定されたブローの流量に調整・制御する工程、
ブローの流量を比例制御することを特徴とする。
こうしたステップを構成し、変動要素であるボイラの蒸気圧力の実測情報を得て、ブロー流量の圧力補正を行うことによって、特にボイラの負荷変動等による蒸気圧力の変動の影響を低減し、よりボイラ缶水の安定した状態の確保が可能となった。
また、ブローの実行時において、ボイラから排出される高温のブロー排出水と、比較的低温の供給水の熱交換を行うことによって、排出される熱エネルギーを低減することができ、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。特に、ブロー流量を供給水流量とリンクした条件で調整することから、供給水流量の上昇とともにブロー流量も上昇し、供給水流量の低下とともにブロー流量も低下する。従って、ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、ブロー熱交換器の熱交換機能を効果的に利用することができる。このように、ブロー流量と供給水流量がリンクして調整されるという固有の制御機能によって、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。
本装置の1つの実施態様として、その基本構成の概略を図1に示す(第1構成例)。本装置は、ボイラ1への供給水の流量調整機構2,ブローの流量調整機構3,供給水とブロー排出水の熱交換を行うブロー熱交換器4,缶水の電気伝導度を測定する電気伝導度検出器5,およびボイラ水位を測定する水位検出器6,および演算・制御器7が備えられる。
本装置における供給水の流量調整機構2は、ボイラ1への供給水供給流路に配設された給水ポンプ2aから構成される。本装置では、水位検出器6の出力(水位)を基に演算・制御器7において演算された第1制御出力を指標として、予め設定された供給水流量が調整される。このとき、この缶水が予め設定された低レベル水位まで下がると、給水ポンプ2aを作動させ、高レベル水位に達するまで給水して水を補給するON−OFF制御ではなく、予め設定された水位を維持するように、水位変動に対応した供給水流量が供給可能な給水ポンプ2aの負荷が調整される比例制御を用いることが好ましい。ボイラ1の負荷変動あるいは蒸気圧力の変動等、缶水の状態に影響する広い範囲の変動に対しても、缶水の異常を防止し、ボイラ缶水の安定した状態を確保することができる。演算・制御器7には、給水ポンプ2aの負荷を変動させて供給水流量を調整するインバータ(図示せず)を設けられる。また、給水ポンプ2aの負荷を変動させる構成に代え、給水ポンプ2aの下流に比例弁(図示せず)を設け、比例弁の開度を制御して供給水流量を調整する構成も可能である。
本装置におけるブローの流量調整機構3は、自動ブローの比例弁3aから構成される。本装置では、予め設定された缶水の電気伝導度に基づき、電気伝導度検出器5からの信号を指標として、比例弁3aの作動/停止が調整される。このとき、缶水が予め設定された高レベルの電気伝導度まで上がると、比例弁3aを作動させ、低レベルの電気伝導度に達すると比例弁3aを停止させるON−OFF制御を行うとともに、第1制御出力(供給水流量)に対応したブロー流量が供給できる比例弁3aの開度が調整される比例制御を用いることが好ましい。水位検出器6の出力(水位)を基に演算・制御器7において演算された第1制御出力に対しスケーリング補正して演算された第2制御出力を指標として比例弁3aの開度が調整されることによって、供給水流量とリンクした制御を可能とし、ボイラ1の負荷変動あるいは供給水流量の変動等、缶水の状態に影響する広い範囲の変動に対しても、缶水の異常を防止し、ボイラ缶水の安定した状態を確保することができる。なお、比例弁3aだけでは、精度よく流量調整ができない場合には、比例弁3aの上流あるいは下流に、絞り弁やオリフィス(図示せず)を設けることによって、ブロー流量の調整機能を向上させることができる。
本装置では、ブロー熱交換器4が、ブロー流路に設けられた構成を示す。ブローの実行時において、ボイラ1から排出される高温のブロー排出水と、比較的低温の供給水の熱交換を行うことによって、排出される熱エネルギーを低減することができ、本装置を含むボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。特に、本装置においては、ブロー流量を供給水流量とリンクした条件で調整することから、供給水流量の上昇とともにブロー流量も上昇し、供給水流量の低下とともにブロー流量も低下する。従って、ブロー熱交換器4に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、ブロー熱交換器4の熱交換機能を効果的に利用することができる。このように、ブロー流量と供給水流量がリンクして調整されるという本装置固有の制御機能によって、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。
本装置では、電気伝導度検出器5からの信号を指標として、ブローの作動・停止が制御される。電気伝導度検出器5として、例えば高温の缶水に使用可能な電極式電気伝導度センサ等が用いられる。
本装置では、水位検出器6は、水準器6aおよび水位センサ6bから構成される。水位検出器6からの出力が、ボイラ1の水位の実測情報として、演算・制御器7に送信され、ボイラ1への供給水流量を調整する指標として使用される。水位センサ6bとして、例えば差圧式センサ等が用いられる。なお、供給水流量およびブロー流量の制御に用いる指標を、多段階に範囲設定された水位の実測情報を基に演算される場合には水位検出器6として、長さの異なる複数の電極が配設された電極式水位センサ(図示せず)を用いることが可能である
演算・制御器7には、電気伝導度検出器5、水位検出器6および後述する蒸気圧力検出器8からの実測情報が入力される。入力されたこれらの実測情報は、予め設定された電気伝導度、水位および蒸気圧力の設定情報と比較された後、所定の演算(補正)処理がされて、供給水の流量調整機構2およびブローの流量調整機構3に対する制御信号が作製される。具体的には、電気伝導を指標としたブローの作動/停止信号,ボイラ水位を基に演算された第1制御出力,および第1制御出力を基にスケーリング補正して演算された第2制御出力が作製され、供給水の流量調整機構2およびブローの流量調整機構3に送信される。
ここで、「スケーリング補正」とは、通常、第1制御出力と第2制御出力の関係が、図2破線に例示するように、1:1(Y=X)であるのに対し、本装置では、供給水流量(Qw:第1制御出力)とブロー流量(Qb:第2制御出力)の関係が最適となるように、図2実線に例示する直線方程式(Y=AX+B)に変えることをいう。供給水流量(Qw)とブロー流量(Qb)の関係は、Xmin(Qwmin)とXmax(Qwmax)間の任意の全ての点において、下式1となるように、スケーリング補正が行われる。
Qb≧Qw×(計画ブロー率)×(裕度) …式1
第1制御出力におけるXmin(Qwmin)に対応する第2制御出力Y1は、下式2となり、
Y1(Qb1)=A×Xmin(Qwmin)+B …式2
第1制御出力におけるXmax(Qwmax)に対応する第2制御出力Y2は、下式3となる。
Y2(Qb2)=A×Xmax(Qwmax)+B …式3
こうした設定によって、いかなる供給水流量であっても、ブロー熱交換器4の熱交換効率を維持しつつ、ボイラ缶水の安定した状態を確保することができる。
第1構成例に係る本装置を用いたボイラのブロー制御方法は、以下のような制御プロセスによって構成される。
水位検出器6で検出されたボイラ水位の実測情報、および電気伝導度検出器5で検出された缶水の電気伝導度に係る実測情報が演算・制御器7に入力される。
演算・制御器7には、缶水を適正な濃縮状態に維持するため、缶水の濃縮状態が増したときにブローを作動させる上限電気伝導度と、缶水の濃縮状態が低下したときに停止させる下限電気伝導度が、予め設定されており、缶水の電気伝導度の実測情報と上限電気伝導度の設定値および下限電気伝導度とが比較される。
演算・制御器7において、入力されたボイラ水位の実測情報から、現在の水位と予め設定された水位との比較が行われ、第1制御出力が演算される。得られた第1制御出力は、供給水の流量調整機構2に入力され、供給水流量が調整される。演算・制御器7は、この制御結果をボイラ水位の実測情報で確認し、再度比較・演算を行い、第1制御出力値の修正を行い、このサイクルを続けることで、ボイラ水位を目標水位に保つよう制御(フイードバック制御)が行われる。
電気伝導度センサ5の出力が、予め設定された上限電気伝導度以上の場合に、比例弁3aを作動させ、下限電気伝導度以下の場合に、比例弁3aを停止させる。
演算・制御器7において、第1制御出力を基にスケーリング補正が行われた第2制御出力が演算される。得られた第2制御出力は、ブローの流量調整機構3に入力され、ブロー流量が調整される。
ここで、上記供給水流量の比例制御に対するブロー流量の比例制御について、比例弁3aを多段階に制御する場合、ブロー流量の比例制御が、供給水流量の比例制御に対して所定の動作隙間および/または強制動作タイマおよび/または応答遅れを設けて行なわれることが好ましい場合がある。ボイラ水位の急激な変動があった場合において、ボイラ1の過熱が発生しないようにボイラ水位を正常に維持するためには、供給水は迅速にその変動に対応して補充あるいは減量を行なうことが好ましい。また、供給水の流量調整機構2へ出力される第1制御出力は、蒸気の負荷が安定している状態においても頻繁に微量の増減が生じており、これに連動する第2制御出力が短い周期で増減を繰り返した場合には、ブローの流量制御機構3が動作のチャタリングを起こし、機器の短命化を引き起こすことがある。こうした問題を解決するため、ブローの流量制御機構3の動作タイミングに動作隙間および/または強制動作タイマおよび/または応答遅れを設ける。
(i)第2制御出力に対し、動作点と停止点の間に動作隙間を設ける。
(ii)第2制御出力が動作点に達しても、すぐにブローの流量制御機構3を動作させないよう一定の遅れタイマ(オンディレイ)を設け、第2制御出力が確実に動作点以上になるようにする。
(iii)第2制御出力が上記2項の条件を満足した後、すぐに停止点に低下しても、しばらくはブローの流量制御機構3を強制動作させる。
本装置の他の実施態様として、図3に示す構成例(第2構成例)について説明する。本装置は、ボイラ蒸気の圧力を測定する蒸気圧力検出器8を備え、ブローの流量調整機構3において、蒸気圧力検出器8の出力を指標としてブロー流量を補正することを特徴とする。蒸気負荷側の操業状況によっては、ボイラの蒸気圧力が変動する場合があり、ボイラの蒸気圧力が変化すると、第1制御出力に対する供給水の流量特性および第2制御出力に対するブロー水の流量特性が変化するため、供給水流量とブロー流量の関係が適正範囲から外れてしまう。このために、第2制御出力にはスケーリング補正とともに、ボイラの蒸気圧力の実測情報を得て圧力補正を行い、供給水流量とブロー流量の関係が常に適正範囲内になるように調整することによって、よりボイラ缶水の安定した状態が確保された。
本装置では、蒸気圧力検出器8からの信号を指標として、ブロー流量の圧力補正が行われる。蒸気圧力検出器7として、例えば半導体式センサ等が用いられる。
第2構成例に係る本装置を用いたボイラのブロー制御方法、以下のような制御プロセスによって構成される。なお、上記「第1構成例におけるブロー制御方法」と共通する工程については省略することがある。
第1構成例において用いられる実測情報に加え、ボイラの蒸気圧力に係る実測情報が演算・制御器7に、入力される。
演算・制御器7には、缶水を適正な濃縮状態に維持するため、缶水の濃縮状態が増したときにブローを作動させる上限電気伝導度と、缶水の濃縮状態が低下したときに停止させる下限電気伝導度が、予め設定されており、缶水の電気伝導度の実測情報と上限電気伝導度の設定値および下限電気伝導度とが比較される。
演算・制御器7において、入力されたボイラ水位の実測情報から、現在の水位と予め設定された水位との比較が行われ、第1制御出力が演算される。得られた第1制御出力は、供給水の流量調整機構2に入力され、供給水流量が調整される。演算・制御器7は、この制御結果をボイラ水位の実測情報で確認し、再度比較・演算を行い、第1制御出力値の修正を行い、このサイクルを続けることで、ボイラ水位を目標水位に保つよう制御(フイードバック制御)が行われる。
電気伝導度検出器5の出力が、予め設定された上限電気伝導度以上の場合に、比例弁3aを作動させ、下限電気伝導度以下の場合に、比例弁3aを停止させる。
演算・制御器7において、第1制御出力を基に、スケーリング補正が行われた第2制御出力が演算され、さらに第2制御出力に対し、入力されたボイラの蒸気圧力の実測情報基に、圧力補正を行われた第2a制御出力が演算される。
得られた第2a制御出力は、ブローの流量調整機構3に入力され、ブロー流量が調整される。第1構成例において行われる第2制御出力のスケーリング補正に加え、蒸気圧力に対するブローの流量特性を考慮した補正を行うことによって、供給水流量に対する適正なブロー流量を常に維持することができるようになる。
本装置の他の実施態様として、図4に示す構成例(第3構成例)について説明する。ブローの流量調整機構3が、多段階に設定されたブロー流量に対応した複数の自動ブロー弁から構成される。ボイラのような変動要素が多く変動幅の大きな対象を、複数の指標に基づき制御する場合に、本装置では、複数の指標の出力の組合せから、ブロー制御装置実動時の最適条件となる複数の領域のブロー流量を設定し、その領域に対応した自動ブロー弁と絞り弁の開閉を制御することによって、ボイラにおける変動要素や変動幅を吸収し、ボイラ缶水の安定した状態を確保した。
2 供給水の流量調整機構
2a 給水ポンプ
3 ブローの流量調整機構
3a 比例弁
3b,31b,32b,33b 自動ブロー弁
3c,31c,32c,33c 絞り弁
4 ブロー熱交換器
5 電気伝導度検出器
6 水位検出器
6a 水準器
6b 水位センサ
7 演算・制御器
8 蒸気圧力検出器
Claims (7)
- ボイラへの供給水の流量調整機構,ブローの流量調整機構,前記供給水とブロー排出水の熱交換を行うブロー熱交換器,缶水の電気伝導度を測定する電気伝導度検出器,ボイラ水の水位を測定する水位検出器,および演算・制御器を備え、
(a)前記水位検出器の出力を基に演算された第1制御出力を指標として前記供給水の流量を比例制御するとともに、
(b)前記電気伝導度検出器の出力を指標としてブローの実行・停止を制御し、
(c)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力を指標として前記ブローの流量の比例制御を行い、前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整されることを特徴とするボイラのブロー制御装置。 - 前記スケーリング補正に用いる演算式が、前記供給水の流量制御に係る前記第1制御出力Xと前記ブローの流量制御に係る第2制御出力Yを基に、直線方程式(Y=AX+B)によって設定されることを特徴とする請求項1記載のボイラのブロー制御装置。
- 前記ブローの流量調整機構が、多段階に設定されたブローの流量に対応した複数の自動ブロー弁あるいは自動ブロー弁と絞り弁からなり、前記第2制御出力を指標として、前記自動ブロー弁のいくつかを選択し、ブローの流量を比例制御することを特徴とする請求項1または2記載のボイラのブロー制御装置。
- ボイラ蒸気の圧力を測定する蒸気圧力検出器を備え、前記蒸気圧力検出器の出力を用いて、前記第2制御出力を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のボイラのブロー制御装置。
- 比例給水方式における間欠ブローを用いたボイラにおいて、
(a)ボイラ水の水位を基に演算された第1制御出力を指標としてボイラへの供給水の流量を比例制御し、
(b)缶水の電気伝導度を指標としてブローの実行・停止を制御するとともに、
(c)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整され、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力を指標としてブローの流量の比例制御を行うことを特徴とするボイラのブロー制御方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のボイラのブロー制御装置を用い、次の工程を有し、
(1)ボイラ水の水位および缶水の電気伝導度に係る実測情報を得る工程、
(2)前記電気伝導度の実測情報を、予め設定された電気伝導度と比較する工程、
(3)前記水位の実測情報を基に演算された第1制御出力から、ボイラへの供給水の流量を調整し、予め設定された水位に制御する工程、
(4)前記電気伝導度の実測情報から、ブローの実行・停止を制御する工程、
(5)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整され、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力から、予め設定されたブローの流量に調整・制御する工程、
ブローの流量を比例制御することを特徴とするボイラのブロー制御方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のボイラのブロー制御装置を用い、次の工程を有し、
(1)ボイラ水の水位,缶水の電気伝導度,およびボイラの蒸気圧力に係る実測情報を得る工程、
(2)前記電気伝導度の実測情報を、予め設定された電気伝導度と比較する工程、
(3)前記水位の実測情報を基に演算された第1制御出力から、ボイラへの供給水の流量を調整し、予め設定された水位に制御する工程、
(4)前記電気伝導度の実測情報から、ブローの実行・停止を制御する工程、
(5)ブローの実行時において、前記ブロー熱交換器に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、前記供給水の流量と前記ブローの流量の関係が最適となるように前記供給水の流量と前記ブローの流量がリンクして調整され、前記第1制御出力を基に設定されるスケーリング補正を行い、演算された第2制御出力を求め、前記ボイラの蒸気圧力の実測情報から、前記第2制御出力に対して圧力補正を行い、第2a制御出力を得る工程、
(6)前記第2a制御出力から、予め設定されたブローの流量に調整・制御する工程、
ブローの流量を比例制御することを特徴とするボイラのブロー制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011151084A JP5826539B2 (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | ボイラのブロー制御装置およびブロー制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011151084A JP5826539B2 (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | ボイラのブロー制御装置およびブロー制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013019561A JP2013019561A (ja) | 2013-01-31 |
JP5826539B2 true JP5826539B2 (ja) | 2015-12-02 |
Family
ID=47691172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011151084A Active JP5826539B2 (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | ボイラのブロー制御装置およびブロー制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5826539B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5749834B1 (ja) * | 2014-05-12 | 2015-07-15 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | ボイラ制御装置及び制御方法 |
JP2017161105A (ja) * | 2016-03-07 | 2017-09-14 | 富士電機株式会社 | ヒートポンプ式蒸気生成装置 |
JP6958382B2 (ja) * | 2018-01-23 | 2021-11-02 | 三浦工業株式会社 | ボイラ |
JP7334573B2 (ja) * | 2019-10-16 | 2023-08-29 | 三浦工業株式会社 | ボイラの制御装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5064602A (ja) * | 1973-10-12 | 1975-05-31 | ||
JP5348477B2 (ja) * | 2009-03-05 | 2013-11-20 | 三浦工業株式会社 | ボイラおよび濃縮ブロー方法 |
JP5360560B2 (ja) * | 2009-05-15 | 2013-12-04 | 三浦工業株式会社 | ボイラ |
-
2011
- 2011-07-07 JP JP2011151084A patent/JP5826539B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013019561A (ja) | 2013-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5826539B2 (ja) | ボイラのブロー制御装置およびブロー制御方法 | |
JP4584337B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2014047980A (ja) | 潜熱回収型給湯装置 | |
JP2010156478A (ja) | 熱負荷処理システム、及び、熱源システム | |
US20200271312A1 (en) | Boiler combustor side blockage detection system and method | |
JP6398325B2 (ja) | 給湯装置 | |
JP2012072991A (ja) | エコノマイザ制御装置、エコノマイザ及びボイラ | |
JP2016205678A (ja) | ボイラシステム | |
JP2009192202A (ja) | 舶用ボイラの回転蓄熱式空気予熱器 | |
JP5987866B2 (ja) | エコノマイザ制御装置、エコノマイザ及びボイラ | |
JP5261153B2 (ja) | 熱源システム | |
JP2005327494A (ja) | 集合住宅用燃料電池発電システム及びこれの運転方法 | |
JP5105926B2 (ja) | 燃料電池装置 | |
JP2008138988A (ja) | コージェネレーションシステム | |
JP4959322B2 (ja) | 液体供給装置及びその運転方法、燃料電池装置及びその運転方法 | |
JP5811610B2 (ja) | ボイラ装置 | |
JP5827116B2 (ja) | ボイラの加熱脱気システムおよび供給水量制御方法 | |
JP6323269B2 (ja) | ボイラ装置 | |
JP2014219117A (ja) | ボイラ | |
JP4788097B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2007278610A (ja) | ガス給湯器の制御方法及びこの制御方法を実施するためのガス給湯器 | |
JP2012047383A (ja) | ボイラ | |
JP5895498B2 (ja) | タービンバイパス装置およびタービンバイパス制御方法 | |
JP2012072992A (ja) | 給水制御装置及びボイラ | |
JP5752944B2 (ja) | 一缶二水路型風呂給湯器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141014 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141204 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150602 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150709 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150803 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151007 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151014 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5826539 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |