JP5827116B2 - ボイラの加熱脱気システムおよび供給水量制御方法 - Google Patents
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Description
(i)加熱脱気方法を用いた脱気機構を備えたボイラにおいては、ボイラへの供給水をボイラから排出される蒸気により加熱脱気が行われることが多い。このとき、加熱された供給水を、さらにボイラユニット内に設けられたブロー熱交換部で高温のブロー水と熱交換を行う場合は、供給水が加熱されているがゆえにブロー熱交換部での熱効率が低下し、ブロー水の出口温度が高くなり、排出される熱量(熱損失)が大きくなってしまうという課題があった。
(ii)一方、ブロー熱交換部は、給水ポンプにより加圧された供給水が保有さてされており、高温のブロー水と熱交換することで、条件によっては供給水が大気圧における沸点以上となり、高温高圧の液体を保有する圧力容器となる場合がある。そのため、熱交換に必要となる伝熱面積が十分に確保することが難しい場合や構造的に複雑化する場合があった。
前記供給水の流量調整機構が、供給水の原水を前記脱気機構に供給する第1給水手段と、該脱気機構からボイラに供給する第2給水手段を有し、前記第1給水手段によって圧送され、前記ブロー熱交換器において加熱された供給水流量Q1の供給水が、前記脱気機構に供給され、前記脱気機構において脱気処理された供給水流量Q2の供給水が、前記第2給水手段によって前記ボイラに供給されるとともに、
前記供給水流量Q1と前記供給水流量Q2を連動して調整・制御する演算・制御器を備え、
該演算・制御器において、前記ボイラのボイラ水の水位に対応した前記供給水流量Q2の制御を行い、前記供給水流量Q1が、前記供給水流量Q2の流量調整のために前記第2給水手段に送信される第1制御出力を基にスケーリング補正して演算された第2制御出力を用いて、前記第1給水手段によって流量調整されることを特徴とする。
上記のように、本発明は、通常ボイラ水位等に対応して脱気機構から供給される供給水の水量が第2給水手段によって制御されるとともに、第2給水手段からの制御出力に対応して脱気機構へ供給される原水の流量が第1給水手段によって制御される。このとき、ボイラが安定した運転状態であれば、第1給水手段と第2給水手段の供給水流量はほぼ同じとなり、脱気機構の貯留槽の水位は一定となるが、ボイラ圧力の変化や第1給水手段の一次側圧力の変化等の外乱により、第1給水手段または第2給水手段の流量特性が変化し、第1給水手段と第2給水手段の供給水流量のバランスが崩れ、貯留槽の水位が不安定な状態になり、この状態が継続すると、貯留槽のオーバーフローや渇水が多発する。そこで、貯留槽に上記のような上限値および下限値を設けて、貯留槽の水位が上限値または下限値に達すると第1給水手段の供給水流量を制限することによって、貯留槽のオーバーフローや渇水を防止しつつ、ブロー熱交換器へ連続して供給水を供給することができる。このように、ボイラの圧力等の稼動状態の変化に対しても、ブロー水の温熱の効率的な熱回収を図り、システム全体として高いエネルギー効率を確保することができる加熱脱気システムを構成することを可能とした。
高精度の脱気処理に対して、こうした物理的処理手段同士の膜分離処理と組合せた構成により、別途のエネルギーを付加することなく安定した脱気処理を確保し、エネルギー効率の高いボイラの加熱脱気システムを構成することを可能にした。
上記のように、高温のブロー水の温熱を効率的に熱回収し、その温熱を供給水の加熱脱気処理に利用することを特徴とする。しかしながら、ボイラの立ち上り時や間欠ブローにおけるブロー動作OFF時においては、ブロー水の温熱の発生量が低下し、供給水の加熱に必要な熱量が十分に得られない場合がある。本発明は、ボイラから供出される蒸気の一部を、こうした加熱脱気処理部の熱源として利用することによって、供給水の加熱に必要な熱量を確保し、安定した脱気処理を可能とした。このように安定した温度および流量の供給水を供給することによって、エネルギー効率の高いボイラの加熱脱気システムを構成することを可能にした。
(1a)ボイラのブローの実行時において、ボイラから排出される高温のブロー排出水と供給水の原水の熱交換を行う工程
(1b)前記熱交換を行う供給水の原水の供給水流量Q1を第1給水手段によって行う工程
(2a)ボイラ水の水位に係る実測情報を得る工程
(2b)前記水位の実測情報を基に演算された第1制御出力に基づいて第2給水手段を制動し、脱気機構において脱気処理された供給水をボイラへ供給する供給水流量Q2を調整し、ボイラ水の水位を予め設定された水位に制御する工程
(3)前記第1制御出力を基にスケーリング補正して演算された第2制御出力から、脱気機構への供給水流量Q1を、前記供給水流量Q2と連動して、前記第1給水手段によって調整・制御する工程
(4)前記脱気機構に貯留あるいは滞留する供給水の水量に係る実測情報を得る工程
(5)前記水量に係る実測情報に基づき、第1給水手段を制動し、供給水の原水を前記脱気機構へ供給する流量を調整し、前記脱気機構の水量を予め設定された水量に制御する工程
また、脱気処理前の供給水と熱交換を行い脱気機構に貯留あるいは滞留することによって、貯留あるいは滞留された供給水を第1給水手段の供給水流量の変動の影響を受けずにボイラに供給し、第2給水手段による安定した供給水流量の確保を可能とした。
(a)上限値H2を超えて水量が増加する場合には、上限値H1を超えないように第1給水手段を減量制動し、
(b)下限値L2を下回って水量が減少する場合には、下限値L1を下回らないように第1給水手段を増量制動し、
前記脱気機構の水量を予め設定された水量に制御することを特徴とする。
こうした予め設定された制御量の許容領域を上限値および下限値に設け、その中間領域での自由度のある制御を行うことによって、ボイラの圧力等の稼動状態の変化で第1給水手段と第2給水手段の供給水流量のアンバランスが生じてもブロー熱交換器への原水の供給が連続的に行われ、効率的なブロー水からの温熱回収を行うことを可能とした。
こうしたステップを構成することによって、供給水の加熱に必要な熱量を確保し、安定した脱気処理を可能とした。このように安定した温度および流量の供給水を供給することによって、エネルギー効率の高いボイラの加熱脱気システムを構成することを可能にした。
前記供給水の流量調整機構が、供給水の原水を前記脱気機構に供給する第1給水手段と、該脱気機構からボイラに供給する第2給水手段を有するとともに、前記第1給水手段によって圧送され、前記ブロー熱交換器において加熱された供給水が、前記脱気機構に供給され、前記脱気機構において脱気処理された供給水が、前記第2給水手段によって前記ボイラに供給されることを特徴とする。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本システムの1つの実施態様として、その基本構成の概略を図1に示す(第1構成例)。本システムは、ボイラ1への供給水の流量調整機構2(第1給水手段2aと第2給水手段2bから構成される),供給水とブロー排出水の熱交換を行うブロー熱交換器3,供給水の脱気機構4,ボイラ水位を測定する水位検出器5,および演算・制御器6が備えられる。
本システムにおける供給水の脱気機構4は、所定の容量を有し加熱脱気処理が行われる貯留槽4aと、さらに膜脱気処理が行われる膜脱気部4bから構成される。貯留槽4aには、図2(A)に例示するように、水量を検出可能な水量検出手段4cおよび槽内の温度を検出する温度検出手段4dが設けられる。また、水量検出手段4cは、予め設定された貯留槽4aの水量に対応した電極部4gを有する。具体的には、貯留槽4aの水量の上限値H1,該上限値H1から予め設定された許容量を減じた上限値H2,貯留槽4aの水量の下限値L1,該下限値L1から予め設定された許容量を加えた下限値L2が、予め設定される。供給水の水量を過不足なく適量に維持するとともに、脱気に適した温度条件を確保することができる。なお、ここでは、4つの水量を設定した場合について説明するが、上限値H2〜下限値L2をさらに細分化して5以上の水量を設定することも可能である。また、設定値が固定される電極部4gではなく、移動可能な電極部を有した構成や光学式の液面検知器等による連続的な水量検出手段4cを用いことも可能である。さらに、設定値を固定するのではなく、ボイラの負荷や水位等の異なる指標に対していくつかの組み合わされた設定値を基に管理することも可能である。
(i)図中破線領域のように、水量H2〜L2の場合には、通常制御として第1給水手段2aに対して比例制御あるいは多位置制御され、
(ii)図中(a1)のように、水量H2を超えた場合には、第1給水手段2aをボイラ最小負荷以下の供給量で強制的に固定し、
(iii)さらに水量H2を超えて増量した場合には、第1給水手段2aを停止し、図中(a2)のように、水量を減量させ、
(iv)逆に、図中(b1)のように、水量L2を超えて減量した場合には、第1給水手段2aをボイラ最大負荷以上の供給量で強制的に固定し、
(v)図中(b2)のように、水量L2に増量するまで、第1給水手段2aの供給量を固定する。
本システムにおける供給水の流量調整機構2は、供給水の原水が脱気機構4に供給される第1給水手段2aとボイラ1への供給水供給流路に配設された第2給水手段2bから構成される。第2給水手段2bは、脱気処理のために貯留槽4a内に貯留された供給水を、膜脱気部4bを介して脱気水として、ボイラ1の負荷変動や圧力変動によって生じるボイラ水位の変動等に対応した流量条件で、ボイラ1に供給することができる。一方、第1給水手段2aは、第2給水手段2bの制御信号に連動した制御出力により判断され、第1給水手段2aの供給水流量と第2給水手段2bの供給水流量が1:1となるように制御される。上記のように、第1給水手段2aと第2給水手段2bの供給水流量を連動させることにより、従前のような、ブロー熱交換器3を第2給水手段2bの二次側に設置するシステムと同等のブロー熱交換器3におけるブロー水流量と供給水流量の関係が得られ、さらに本システムでは、高温の脱気水ではなく、低温の原水とブロー水が熱交換されるため、エネルギー効率の高いシステムを構成することができる。
本システムでは、ブロー熱交換器3が、脱気機構4の上流側に設けられた構成を特徴とする。ブローの実行時において、ボイラ1から排出される高温のブロー排出水と、比較的低温の供給水の原水の熱交換を行うことによって、加熱脱気処理の熱源を確保するとともに、排出される熱エネルギーを低減することができ、本システムを含むボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。特に、本システムにおいては、ブロー熱交換器3において、従前システムと同様のブロー水流量と供給水流量の関係が得られる。従って、ブロー熱交換器3に導入され、供出されるブロー排出水と供給水の間で交換される熱量がバランスよく収支し、かつブロー水が低温の供給水と熱交換されるため、ブロー水の温熱を効率的に回収し、ブロー熱交換器3の熱交換機能を効果的に利用することができる。このように、第1給水手段2aと第2給水手段2bの供給水流量がリンクして調整されるという本システム固有の制御機能によって、ボイラ全体のエネルギー効率の向上を図ることができる。
本システムでは、水位検出器5は、水準器5aおよび水位センサ5bから構成される。水位検出器5からの出力が、ボイラ1の水位の実測情報として、演算・制御器6に送信され、ボイラ1への供給水流量を調整する指標として使用される。水位センサ5bとして、例えば差圧式センサ等が用いられる。なお、供給水流量の制御に用いる指標を、多段階に範囲設定された水位の実測情報を基に演算される場合には水位検出器5として、長さの異なる複数の電極が配設された電極式水位センサ(図示せず)を用いることが可能である
演算・制御器6には、脱気機構4に関する水量検出手段4cと温度検出手段4d、およびボイラ1に関する水位検出器5からの実測情報が入力される。入力されたこれらの実測情報は、予め設定された貯留槽4aに係る水量や温度、およびボイラ1に係る水位の設定情報と比較された後、所定の演算(補正)処理がされて、第1給水手段2aおよび第2給水手段2bに対する制御信号が作成される。具体的には、図3(A)に例示するように、ボイラ水位信号を基に演算された第1制御出力,および第1制御出力を基にスケーリング補正して演算された第2制御出力が作成され、第1制御出力について、脱気機構4からボイラ1に供給される供給水の流量調整機構2の第2給水手段2bに送信され、第2制御出力について、脱気機構4の水量検出手段4cの水量信号を基に演算された制御出力が第1給水手段2aに送信される。また、水量検出手段4cによって脱気機構4に貯留する水量を実測し、その水量が常用範囲を逸脱する場合には、第2制御出力に強制的な制動を加え、脱気機構4に貯留する水量の安定した状態を確保することができる。
ここで、「スケーリング補正」とは、通常、第1制御出力と第2制御出力の関係が、図3(B)の破線に例示するように、1:1(Y=X)であるのに対し、本システムでは、各々の給水手段の流量特性を考慮した上で、第2給水手段2bの供給水流量(Q2:第1制御出力)と第1給水手段2aの供給水流量(Q1:第2制御出力)の関係が最適となるように、図3(B)の実線に例示する直線方程式(Y=AX+B)に変えることをいう。第2給水手段2bの供給水流量(Q2)と第1給水手段2aの供給水流量(Q1)の関係は、Xmin(Q2min)とXmax(Q2max)間の任意の全ての点において、下式1となるように、スケーリング補正が行われる。
Q1=Q2 …式1
第1制御出力におけるXmin(Q2min)に対応する第2制御出力Yaは、下式2となり、
Ya(Q1a)=A×Q2min+B …式2
第1制御出力におけるXmax(Q2max)に対応する第2制御出力Ybは、下式3となる。
Yb(Q1b)=A×Q2max+B …式3
こうした設定によって、第2給水手段2bの供給水流量に対し第1給水手段2aの供給水流量が連動して増減し、ブロー熱交換器3において、ブロー水流量と供給水流量の最適な関係を確保することができる。
第1構成例に係る本システムを用いたボイラの供給水量制御方法は、以下のような制御プロセスによって構成される。
水位検出器5で検出されたボイラ水位に係る実測情報が演算・制御器6に入力される。
演算・制御器6において、入力されたボイラ水位の実測情報から、現在の水位と予め設定された水位との比較が行われ、第1制御出力が演算される。得られた第1制御出力は、第2給水手段2bに入力され、供給水流量が調整される。演算・制御器6は、この制御結果をボイラ水位の実測情報で確認し、再度比較・演算を行い、第1制御出力値の修正を行い、このサイクルを続けることで、ボイラ水位を目標水位に保つよう制御(フイードバック制御)が行われる。
演算・制御器6において、第1制御出力を基にスケーリング補正が行われた第2制御出力が演算される。得られた第2制御出力は、第1給水手段2aに入力され、脱気機構4への供給水流量が調整される。
水量検出手段4cで検出された貯留槽4a内の供給水の水量の実測情報、および温度検出手段4dで検出された貯留槽4a内の温度の実測情報が、演算・制御器6に入力される。
演算・制御器6において、貯留槽4a内の水量の実測情報から、現在の水量と予め設定された水量(H1〜L1)との比較が行われ、図2(B)に例示するように、水量が水量H1〜L1の範囲内となるように、第1給水手段2aに対し、補足的制動制御が行われる。
ブロー熱交換器3において回収したブロー水の温熱では、供給水の原水の加熱が不十分な場合、貯留槽4a内の温度に係る実測情報に基づき、蒸気供給手段4eを制動し、ボイラ1から脱気機構へ供給される蒸気量を調整し、貯留槽4a内の温度を、予め設定された加熱脱気処理に必要な温度(例えば50〜80℃)に制御される。
本システムの他の実施態様として、図4に示す構成例(第2構成例)に示すように、ボイラを複数台設置したシステムを構成することができる。1つの脱気機構4からの供給水(脱気水)は、1つの流路Csが分岐された各流路に配設された各第2給水手段21b〜23bによって、各ボイラ11〜13に供給水が給送されるとともに、各ボイラ11〜13からのブロー水は、各々流路C1〜C2によりブロー熱交換器3に給送される。複数台設置されたボイラ11〜13を、一体として1つのボイラ(第1構成例におけるボイラ1に相当)と見立てれば、第1構成例と同様の供給水およびブローの流れを形成するとみることができる。これによって、本システムの特徴である、脱気機構4からボイラ11〜13への供給水流量の制御を第2給水手段21b〜23bによって担い、供給水の加熱脱気処理に必要なる熱源として回収されるブロー水の温熱回収を供給水の原水を脱気機構4に供給する第1給水手段2aによって担うことができる。
本システムの実施態様における機能を、図6,7に例示するヒートバランスに基づいて説明する。
(i)図6は、従前の加熱脱気方式のように、ブロー熱交換器3が加熱脱気処理用の貯留槽4aの二次側に配置された構成を示す。このとき、高温のブロー水は比較的高温の供給水と熱交換されるため、ブロー熱交換器3のブロー水出口温度が高くなり、ブロー熱交換器3のブロー水出口温度損失が大きくなる。
(ii)図7は、本システムの第1構成例のように、ブロー熱交換器3が加熱脱気処理用の貯留槽4aの一次側に配置された構成を示す。このとき、低温の供給水の原水と高温のブロー水が効率よく熱交換されるため、ブロー熱交換器3のブロー水出口温度を低くでき、エネルギー損失を低減することができる。従って、従前の加熱脱気方式の構成に比較し、燃料消費量を低減することができる。
(i)ボイラの特性
本システムの第1構成例1では、従前の加熱脱気方式に比較して、燃焼効率の約0.4%上昇と約2Nm3/hの燃料消費量を低減できるとの検証結果を得ることができた。
また、さらにブロー熱交換器3の伝熱面積を大きくした本システムの第1構成例2において、約4Nm3/hの燃料消費量を低減できるとの検証結果を得ることができた。
(ii)貯留槽の特性
第1構成例1では、従前方式に比較して、蒸気の投入量を約1/2(約110kg/h)に低減できるとの検証結果を得ることができた。また、第1構成例2において、蒸気の投入量をさらに約24kg/h低減することができるとの検証結果を得ることができた。
(iii)ブロー熱交換器での特性
第1構成例1では、供給水の温度差約14℃の条件下において、供給水の温度差約11℃の従前方式に比較して、ブロー水の出口温度を約20℃低下させることができるとの検証結果を得ることができた。また、第1構成例2において、ブロー水の出口温度をさらに約24℃低下させることができるとの検証結果を得ることができた。
1a ボイラ本体
1b エコノマイザ
2 供給水の流量調整機構
2a 第1給水手段
2b 第2給水手段
3 ブロー熱交換器
4 脱気機構
4a 貯留槽
4b 膜脱気部
4c 水量検出手段
4d 温度検出手段
4e 蒸気供給手段
5 水位検出器
5a 水準器
5b 水位センサ
6 演算・制御器
Claims (7)
- ボイラへの供給水の流量調整機構,該供給水の脱気機構,前記脱気機構の上流側に配設され、前記供給水とブロー排出水の熱交換を行うブロー熱交換器を備え、
前記供給水の流量調整機構が、供給水の原水を前記脱気機構に供給する第1給水手段と、該脱気機構からボイラに供給する第2給水手段を有し、前記第1給水手段によって圧送され、前記ブロー熱交換器において加熱された供給水流量Q1の供給水が、前記脱気機構に供給され、前記脱気機構において脱気処理された供給水流量Q2の供給水が、前記第2給水手段によって前記ボイラに供給されるとともに、
前記供給水流量Q1と前記供給水流量Q2を連動して調整・制御する演算・制御器を備え、
該演算・制御器において、前記ボイラのボイラ水の水位に対応した前記供給水流量Q2の制御を行い、前記供給水流量Q1が、前記供給水流量Q2の流量調整のために前記第2給水手段に送信される第1制御出力を基にスケーリング補正して演算された第2制御出力を用いて、前記第1給水手段によって流量調整されることを特徴とするボイラの加熱脱気システム。 - 前記脱気機構が、所定の容量の貯留槽を有するとともに、該貯留槽の水量の予め設定された上限値H1,該上限値H1から予め設定された許容量を減じた上限値H2,予め設定された下限値L1,該下限値L1から予め設定された許容量を加えた下限値L2を検出可能な検出手段が設けられることを特徴とする請求項1記載のボイラの加熱脱気システム。
- 前記脱気機構が、常圧条件下での加熱による加熱脱気処理部と、その下流側に設けられた気液分離膜を有する膜分離処理部と、から構成されることを特徴とする請求項1または2記載のボイラの加熱脱気システム。
- 前記ボイラから供出される蒸気の一部が、前記加熱脱気処理部の熱源として供給されることを特徴とする請求項3記載のボイラの加熱脱気システム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のボイラの加熱脱気システムを用い、次の工程を有し、脱気機構への供給水流量を比例制御または多位置制御することを特徴とするボイラの供給水量制御方法。
(1a)ボイラのブローの実行時において、ボイラから排出される高温のブロー排出水と供給水の原水の熱交換を行う工程
(1b)前記熱交換を行う供給水の原水の供給水流量Q1を第1給水手段によって行う工程
(2a)ボイラ水の水位に係る実測情報を得る工程
(2b)前記水位の実測情報を基に演算された第1制御出力に基づいて第2給水手段を制動し、脱気機構において脱気処理された供給水をボイラへ供給する供給水流量Q2を調整し、ボイラ水の水位を予め設定された水位に制御する工程
(3)前記第1制御出力を基にスケーリング補正して演算された第2制御出力から、脱気機構への供給水流量Q1を、前記供給水流量Q2と連動して、前記第1給水手段によって調整・制御する工程
(4)前記脱気機構に貯留あるいは滞留する供給水の水量に係る実測情報を得る工程
(5)前記水量に係る実測情報に基づき、第1給水手段を制動し、供給水の原水を前記脱気機構へ供給する流量を調整し、前記脱気機構の水量を予め設定された水量に制御する工程 - 前記脱気機構に貯留あるいは滞留する供給水の水量に係る実測情報を得て、該水量の予め設定された上限値H1,該上限値H1から予め設定された許容量を減じた上限値H2,予め設定された下限値L1,該下限値L1から予め設定された許容量を加えた下限値L2と比較し、
(a)上限値H2を超えて水量が増加する場合には、上限値H1を超えないように第1給水手段を減量制動し、
(b)下限値L2を下回って水量が減少する場合には、上限値L1を超えないように第1給水手段を増量制動し、
前記脱気機構の水量を予め設定された水量に制御することを特徴とする請求項5記載のボイラの供給水量制御方法。 - 前記脱気機構に貯留あるいは滞留する供給水の水温に係る実測情報を得て、前記ボイラから供出される蒸気の一部が前記脱気機構の熱源として供給され、前記脱気機構の水温が予め設定された水温に制御されることを特徴とする請求項5または6記載のボイラの供給水量制御方法。
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