JP5826473B2 - 直打用高単位グルコサミン顆粒 - Google Patents
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Description
しかしながら、グルコサミンおよびその塩の結晶粉末は打錠性が悪いという問題があった。すなわち、一般に結晶粉末は、流動性が悪く、打錠機の臼への均一な充填が悪くなり、キャッピング、ラミネーション等の打錠障害の発生頻度が高まったり、錠剤の重量にバラツキが生じたり等の不具合が生じてしまう。また、グルコサミンまたはその塩の結晶粉末を一度造粒して打錠に用いる場合、グルコサミンの含有量が多くなると流動性が悪く、直打用に適した顆粒を造るのが困難であった。そのため高含有錠剤の製造も困難であった。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の造粒粉末又は顆粒、及びその製造方法を提供する。
項2. 滑沢剤がリン酸カルシウムである項1に記載の造粒粉末または顆粒。
項3. グルコサミンまたはその塩の含有量が、造粒粉末又は顆粒の全質量に対して、グルコサミンとして90〜99.9質量%である、項1又は2に記載の造粒粉末または顆粒。
項4. グルコサミンまたはその塩が、一次粒子の体積平均粒子径が3〜200μmのグルコサミンまたはその塩である、項1〜3のいずれかに記載の造粒粉末または顆粒。
項5. 滑沢剤の含有量が、造粒粉末又は顆粒の全質量に対して、0.1〜10質量%である、項1〜4のいずれかに記載の造粒粉末または顆粒。
項6. グルコサミンまたはその塩と、(b)リン酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の滑沢剤とを混合する工程、および得られた混合物を造粒する工程を含む、項1〜5のいずれかに記載の造粒粉末又は顆粒の製造方法。
(I)造粒粉末又は顆粒
本発明の造粒粉末または顆粒は、(a)グルコサミンまたはその塩と、(b)リン酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の滑沢剤とを含有する造粒粉末または顆粒である。
グルコサミンは、天然のアミノ酸であり、動物体内では、軟骨や結合組織などにムコ多糖の構成成分として広く分布している。また、カニやエビなどの甲殻類のキチンにも多く含まれている。
本発明においてグルコサミンは、グルコサミンそのものとして用いてもよいが、塩の形態を有するものを用いてもよい。グルコサミン塩は経口摂取した後、腸管から吸収され易い。グルコサミン塩としては、グルコサミン硫酸塩、グルコサミン塩酸塩のような無機酸塩;N−アセチルグルコサミンのような有機酸塩が挙げられる。また、グルコサミンとグルコサミン塩とでは、グルコサミン塩の方が、熱に安定で褐変し難いため好ましく、グルコサミン塩酸塩がより好ましい。
グルコサミンおよびその塩の純度は98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。また、グルコサミンの乾燥減量は0.3%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
グルコサミンおよびその塩は、植物を原料として微生物発酵により製造されたものが、例えば、協和発酵バイオ株式会社、株式会社協和ウェルネスから販売されているので、このような市販品を購入することができる。
また、グルコサミンおよびその塩は、例えば、エビやカニの殻を原料としてキチンを抽出し、これを加水分解後、精製して調製することができる。さらに、グルコサミン塩酸塩や硫酸塩は、キチンを原料として、特開2004−359908号公報や米国特許3683076号公報等に記載されている方法に従って製造することができる。また、N−アセチルグルコサミンは、キチンを原料として、特公平5−33037号公報や特開2000−281696号公報等に記載されている方法に従って製造することができる。エビやカニに由来するグルコサミン(グルコサミン塩を含む)は、例えば、扶桑化学工業株式会社、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社、株式会社中原から市販されているので、このような市販品を購入することができる。
グルコサミンは、一次粒子の体積平均粒子径が、約3〜200μmであることが好ましく、約5〜100μmであることがより好ましい。グルコサミンの一次粒子の体積平均粒子径が上記範囲であれば、流動層造粒乾燥機で乾燥する際の、粒子がバグフィルターから逃げることによる収率の低下が抑制され、かつ打錠障害が回避される。
本発明において、体積平均粒子径はレーザー回折散乱式粒度分布測定器 LMS−350(セイシン企業)を用いて測定した値である。
本発明におけるリン酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウムは、食品や医薬等に使用できるものであれば特に制限されない。リン酸カルシウムとしては、例えば、リン酸三カルシウム(別名第三リン酸カルシウム)、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等が挙げられ、中でも、好ましくはリン酸三カルシウムが挙げられる。微粒二酸化ケイ素としては、例えば食品添加物規格適合の微粒二酸化ケイ素、医薬添加物規格適合の含水二酸化ケイ素等が挙げられる。
(b)成分の滑沢剤の中でも、リン酸カルシウム、および微粒二酸化ケイ素が好ましく、リン酸カルシウムがより好ましい。
リン酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウムは、それぞれ市販品を購入することができる。
なお、(b)成分として、リン酸カルシウム、及び/又はステアリン酸カルシウムを使用する場合、造粒粉末又は顆粒中の(b)成分の含有量は、造粒粉末又は顆粒中のカルシウム含有量が、食品中のカルシウム含有基準である1質量%以下になる量とすることが好ましい。
本発明の造粒粉末または顆粒は、所望により、糖類、甘味剤、酸味料、結合剤、抗酸化剤、着色剤、香料、崩壊剤等のその他の添加剤を含有していてもよい。
単糖類としては、例えばグルコース、キシロース、ガラクトース、果糖、マンノース等が挙げられる。二糖類としては、例えばトレハロース、ショ糖、乳糖、パラチノース、セロビオース、マルトース等が挙げられる。糖アルコールとしては、例えばマルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。オリゴ糖としては、例えばラフィノース、イヌロオリゴ糖(チコリオリゴ糖)、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。中でも、二糖類、糖アルコールが好ましく、二糖類としてはトレハロースおよびショ糖がより好ましく、糖アルコールとしてはマルチトールおよびエリスリトールがより好ましい。
その他の添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の造粒粉末又は顆粒の製造方法は、前述した本発明の造粒粉末又は顆粒の製造方法であり、(a)グルコサミンと、(b)リン酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の滑沢剤とを混合する工程、および得られた混合物を造粒する工程を含む方法である。
また、造粒時に、例えば約0.01〜40質量%の濃度の糖類の水溶液を噴霧しながら造粒してもよく、糖類としては、前記例示した糖類の他に、プルラン、澱粉、デキストリンのような澱粉分解物、カラギーナン、寒天、アルギン酸、グアーガム、キトサン、キサンタンガム等の多糖類も使用できる。中でも、プルラン、澱粉、グアーガム好ましく、プルランがより好ましい。糖類の全噴霧量は、造粒に供される組成物の全質量に対して、約0.05〜3質量%が好ましく、約0.1〜2質量%がより好ましい。
発酵グルコサミンK(協和発酵バイオ社製)3980gを、流動層造粒機(FLO-5型、フロイント産業)を用いて、5質量%プルラン水溶液400g(プルラン(林原社製)として20g)を噴霧して造粒し、顆粒を得た。16号フルイ(1000μm)を通過する顆粒の収率は87.5%であった。
Claims (4)
- (a)グルコサミンまたはその塩、及び滑沢剤として(b)リン酸カルシウムを含有し、さらに(c)プルランを含有し、(a)グルコサミンまたはその塩の含有量が、造粒粉末又は顆粒の全質量に対して、グルコサミンとして90〜99.9質量%であることを特徴とする造粒粉末または顆粒。
- グルコサミンまたはその塩が、一次粒子の体積平均粒子径が3〜200μmのグルコサミン又はその塩である、請求項1に記載の造粒粉末又は顆粒。
- リン酸カルシウムの含有量が、造粒粉末又は顆粒の全質量に対して、0.1〜10質量%であり、プルランの含有量が0.05〜3質量%である、請求項1又は2に記載の造粒粉末または顆粒。
- (a)グルコサミンまたはその塩と、及び滑沢剤として(b)リン酸カルシウムを混合し、(c)プルラン水溶液を噴霧する工程、および得られた混合物を造粒する工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の造粒粉末又は顆粒の製造方法。
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