JP5826440B1 - 交流モータ駆動システム - Google Patents

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Abstract

コンバータ11が系統電源10に電力を確実に回生する交流モータ駆動モータシステムを得るため、コンバータ11の出力側の直流電圧値と、直流電力を直流母線12から充電して直流母線12へ放電する蓄電デバイス17の充放電電流値とに基づいて充放電回路15を制御する充放電制御部2を備え、充放電制御部2は、交流モータ16からの回生電力のインバータ14を介した回生電力が電力しきい値を超える場合には、直流電圧値が電力しきい値に応じた電圧しきい値になるように蓄電デバイス17を充電させ、回生電力が電力しきい値以下である場合には、コンバータ11は、直流電圧値が回生開始電圧しきい値以上に達すると回生動作を行い、回生終了電圧しきい値以下に達すると回生動作を終了し、回生動作中の直流電圧値の時間平均値は、コンバータ11が電力の供給と回生を実行していない無負荷時よりも低くする。

Description

本発明は、交流モータ駆動システムに関する。
従来、交流モータ駆動システムの一構成例として、系統電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータの出力側である直流母線に対して、平滑コンデンサを介して、交流モータを駆動するために直流電力を系統電源とは別の電圧値と周波数の交流電力に変換するインバータと、直流電力を蓄えて放出する蓄電デバイスに充放電するための充放電回路と、を並列に接続した交流モータ駆動システムが挙げられる。
例えば、特許文献1には、交流モータからの回生電力により上昇する直流母線の電圧値に基づいて、回生電力の一部を蓄電デバイスに充電してコンバータを介して系統電源に回生する電力のピークを抑制する技術と、交流モータの力行時には交流モータの消費電力により下降する直流母線電圧値に基づいて、蓄電デバイスに蓄えられた電力を放電して系統電源からコンバータを介して供給される電力のピークを抑制する技術と、が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、交流モータが力行動作も回生動作もいずれも行っていない無負荷時における直流母線電圧値と比較して、交流モータの回生時には直流母線電圧値は上昇し、且つ交流モータの力行時には直流母線電圧値が下降するという明確な状態の相違が存在する。この相違に基づいて、系統電源から交流モータへのコンバータを通過する力行電力や交流モータから系統電源へのコンバータを通過する回生電力のピークを、蓄電デバイスを充放電させることにより抑制している。平滑コンデンサ、コンバータ及びインバータの直流母線に接続される部品の耐電圧仕様の緩和による価格の低廉化及び使用期間の長寿命化のためには、交流モータ回生時の直流母線電圧値の上昇は小さくし、または上昇しないことが好ましく、無負荷時よりも直流母線電圧値が下降することが更に好ましい。
特許第5389302号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、交流モータ回生時の直流母線電圧値が無負荷時より下降する場合、コンバータが系統電源へ電力を回生する状態であるのか、または、系統電源から電力を供給される状態であるのかを決定することができない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、交流モータ回生時に直流母線電圧値が交流モータ無負荷時の直流母線電圧値より下降する場合であっても、確実にコンバータが系統電源に電力を回生する交流モータ駆動システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、直流電力を供給するコンバータと、前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、前記交流電力により駆動される交流モータと、前記コンバータの出力側における直流電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、前記直流電力を前記直流母線から充電し、且つ充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、前記蓄電デバイスの充放電電流値を検出する充放電電流値検出手段と、前記直流電圧値と前記充放電電流値とに基づいて前記充放電回路を制御するための制御信号を出力する充放電制御手段と、を備え、前記交流モータからの前記インバータを介した回生電力が予め定められた電力しきい値を超える場合には、前記充放電制御手段は、前記直流電圧値を前記電力しきい値に応じた電圧しきい値になるように前記蓄電デバイスを充電させ、前記回生電力が前記電力しきい値以下である場合には、前記コンバータは、前記直流電圧値が上昇して予め定められた回生開始電圧しきい値に達すると回生動作を行い、前記直流電圧値が下降して予め定められた回生終了電圧しきい値に達すると回生動作を終了し、前記コンバータにおける回生動作中の前記直流電圧値の時間平均値が、前記コンバータが電力の供給と回生を実行していない無負荷時の前記直流電圧値より低く、前記充放電制御手段は、前記コンバータが回生動作を開始する直流母線電圧値に基づいた電圧しきい値に前記直流母線電圧値が達する周期に基づいた期間だけ、前記蓄電デバイスに充電する電流を一定に保つことを特徴とする。
本発明にかかる交流モータ駆動システムは、交流モータ回生時に直流母線電圧値が交流モータ無負荷時の直流母線電圧値より下降する場合であっても、確実にコンバータが電力を回生する交流モータ駆動システムを得ることができる、という効果を有する。
図1は、実施の形態1にかかる交流モータ駆動システムの全体の構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1にかかるコンバータが電源回生型コンバータである場合の常回生モードの動作について、直流母線電圧値Vdc(t)の変化を示す模式図である。 図3は、実施の形態1にかかるコンバータが電源回生型コンバータである場合の間欠回生モードの動作について、直流母線電圧値Vdc(t)の変化を示す模式図である。 図4は、実施の形態1にかかるコンバータを通過する電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係を示す模式図である。 図5は、実施の形態1にかかる同一直流母線電圧値に制御した場合にコンバータが力行動作状態と回生動作状態との双方の状態を取り得ることを示す電力分配図である。 図6は、実施の形態1にかかる交流モータ駆動システム内の充放電制御部を示すブロック図である。 図7は、実施の形態1にかかるPID制御を行う場合の充電電流指令値生成部を示すブロック図である。 図8は、実施の形態1にかかるコンバータ回生時の直流母線電圧値Vdc(t)と直流母線側充電電流指令値I1*との関係を示す模式図である。 図9は、実施の形態1にかかるコンバータが回生動作から力行動作へ移行する場合の直流母線電圧値Vdc(t)と直流母線側充電電流指令値I1*との関係の一例を示す模式図である。 図10は、実施の形態1にかかるコンバータが回生動作から力行動作へ移行する場合の直流母線電圧値Vdc(t)と直流母線側充電電流指令値I1*との関係の一例を示す模式図である。 図11は、実施の形態1にかかる回生時充電電流指令値抑制部を示すブロック図である。 図12は、実施の形態1にかかる回生時充電電流指令値抑制部がコンバータの回生動作から力行動作へ移行することを防ぐ動作の一例を示すタイムダイヤグラムである。 図13は、実施の形態1にかかる回生時充電電流指令値抑制部がコンバータの回生動作から力行動作へ移行することを防ぐ動作の他の例を示すタイムダイヤグラムである。 図14は、実施の形態2にかかる交流モータ駆動システムの全体の構成を示すブロック図である。 図15は、実施の形態2にかかる回生時充電電流指令値抑制部を示すブロック図である。 図16は、実施の形態3にかかる交流モータ駆動システムの全体の構成を示すブロック図である。 図17は、実施の形態3にかかる充放電制御部を示すブロック図である。 図18は、実施の形態3にかかる回生時充電電流指令値抑制部を示すブロック図である。 図19は、実施の形態4にかかる交流モータ駆動システムの全体の構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかる交流モータ駆動システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の説明においては物理量の単位を明示しているが、本発明はこの単位に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる交流モータ駆動システムの実施の形態1の全体の構成を示すブロック図である。図1に示す交流モータ駆動システム1は、充放電制御部2と、コンバータ11と、直流母線12と、平滑コンデンサ13と、インバータ14と、充放電回路15と、交流モータ16と、蓄電デバイス17と、直流電圧値検出部18と、充放電電流値検出部19と、を含む。図1に示す交流モータ駆動システム1には、発電所や工場内の変電設備等の系統電源10から、配線R,S,Tを介して交流電力が供給される。コンバータ11は、系統電源10からの交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、コンバータ11から直流母線12に出力される。なお、直流母線12は、高電位側直流母線12aと、低電位側直流母線12bとを備える。平滑コンデンサ13は、コンバータ11の出力部分の直流母線12中であって、後述するインバータ14の入力部分、後述する充放電回路15の直流母線12側のいずれか1箇所または複数箇所に配される。平滑コンデンサ13は、高電位側直流母線12aと低電位側直流母線12bの間で、直流電力を平滑にする。ここで、平滑コンデンサ13の静電容量をC[F]とする。平滑コンデンサ13で平滑にされた直流電力は、直流母線12を介して、インバータ14と充放電回路15に出力される。インバータ14と充放電回路15は、直流母線12に対して並列に接続されている。インバータ14は、直流電力を交流電力に変換して交流モータ16を駆動する。インバータ14が出力する交流電力の電圧値及び周波数は、系統電源10から供給される交流電力の電圧値及び周波数とは異なる。充放電回路15は、直流母線12を流れる直流電力を蓄電デバイス17に蓄え(充電)、蓄電デバイス17に蓄えている電力を直流母線12へ放出する(放電)回路である。充放電回路15としては、電流可逆チョッパ回路を例示することができる。充放電回路15が電流可逆チョッパ回路である場合には、直流母線12を流れる電力は、蓄電デバイス17への充電電流により蓄えられ、逆に、蓄電デバイス17に蓄えられた電力は、直流母線12への放電電流により放出される。なお、以下の説明において、充電電流と放電電流を区別せずに蓄電デバイス17に流れる電流を表す場合には、充放電電流と記載する。充放電回路15では、充放電制御部2からの制御信号により電流可逆チョッパ回路が制御され、充放電電流の電流量を制御する。充放電制御部2には、直流電圧値検出部18で検出する直流母線12の直流母線電圧値Vdc(t)、及び、充放電電流値検出部19で検出する充放電電流値Icが観測値として入力され、充放電回路15に制御信号を出力する。コンバータ11としては、三相全波整流回路に抵抗回生回路が付加された抵抗回生型コンバータ、または三相全波整流回路を構成するダイオードそれぞれに逆並列にスイッチング素子が接続されて且つ入力側に交流リアクトルを直列に挿入した電源回生型コンバータを例示することができる。なお、本実施の形態では、電源回生型コンバータを例示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。電源回生型コンバータにおける系統電源10から直流母線12へ電力が供給される場合には、コンバータ11内の三相全波整流回路のダイオードと平滑コンデンサ13との働きにより、系統電源10の周波数の6倍の脈動は有するものの直流電力が直流母線12に供給される。なお、本明細書では、系統電源10からコンバータ11を介して直流母線12へ電力が供給される場合を、コンバータ11の力行時と呼ぶことにする。
次に、電源回生型コンバータにおける直流母線12から系統電源10へ電力が回生される場合について説明する。本明細書では、この場合をコンバータ11の回生時と呼ぶことにする。電源回生型コンバータには、直流電圧値検出部18で検出する直流母線12の直流母線電圧値Vdc(t)に対する、2種類の予め定められたしきい値が設定される。一方のしきい値を回生開始電圧しきい値と呼び、他方のしきい値を回生終了電圧しきい値と呼ぶこととする。回生開始電圧しきい値の方が回生終了電圧しきい値より大きな値である。電源回生型コンバータは、直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値以上になった時点から、直流母線電圧値Vdc(t)が回生終了電圧しきい値以下になる時点までを、直流母線12から系統電源10への電力の「回生可能期間」と設定する。電源回生型コンバータは、この回生可能期間中であって、且つ系統電源10の波形の位相に応じて予め定められた位相状態の期間だけ、電源回生型コンバータ内のスイッチング素子を導通状態にし、直流母線電圧値Vdc(t)と系統電源10の電圧値との差に基づいて、電源回生型コンバータ内の交流リアクトルを介して、直流母線12から系統電源10へ電力を回生する。
電源回生型コンバータの回生時の動作には、時間的に切れ目なく連続して直流母線12から系統電源10へ電力を回生する常回生モードと、時間にして間欠的に直流母線12から系統電源10へ電力を回生する間欠回生モードとが存在する。直流母線12から系統電源10へ回生する電力が大きい場合には、常回生モードとなる。直流母線12から系統電源10へ回生する電力が小さい場合には、間欠回生モードとなる。
図2は、電源回生型コンバータである場合の常回生モードの動作について、直流母線電圧値Vdc(t)の変化を示す模式図である。交流モータ16からの回生電力はインバータ14を介して平滑コンデンサ13に充電されて、直流母線電圧値Vdc(t)が上昇する。直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値以上に達すると、コンバータ11は回生動作を開始する。コンバータ11が回生動作を行うと、平滑コンデンサ13に蓄えられた電力が系統電源10に放出されるため、直流母線電圧値Vdc(t)が下降する。直流母線電圧値Vdc(t)と系統電源10との電圧値の差によるコンバータ11の回生電力が、交流モータ16からの回生電力と等しくなると、直流母線電圧値Vdc(t)の下降が停止する。下降が停止した直流母線電圧値Vdc(t)は、回生終了電圧しきい値以下にならず、コンバータ11は回生可能期間を継続する。常回生モードの終了は、交流モータ16からの回生電力が小さくなることにより、後述する間欠回生モードの動作を経由して終了する。常回生モードにおいては、コンバータ11の回生電力能力が系統電源10の電圧値に依存することにより、直流母線電圧値Vdc(t)は系統電源10の周波数の6倍のリプルを有する。このリプルを平均化した場合の直流母線電圧値を平均化直流母線電圧値Vdcとすると、これまでの説明から、コンバータ11の回生電力が大きいほど平均化直流母線電圧値Vdcは高電位となり、逆に、常回生モードの範囲でコンバータ11の回生電力が小さくなるほど平均化直流母線電圧値Vdcは低電位へ移動する。
図3は、電源回生型コンバータである場合の間欠回生モードの動作について、直流母線電圧値Vdc(t)の変化を示す模式図である。まず、交流モータ16からの回生電力がインバータ14を介して平滑コンデンサ13に充電されることにより、直流母線電圧値Vdc(t)が上昇する。直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値以上に達することにより、コンバータ11は回生動作を開始する。コンバータ11が回生動作を行うと、平滑コンデンサ13に蓄えられた電力が系統電源10に放出されるため、直流母線電圧値Vdc(t)が下降する。間欠回生モードにおける交流モータ16からの回生電力は常回生モードの場合に比べて小さいため、直流母線電圧値Vdc(t)は回生終了電圧しきい値以下に達するまで下降する。コンバータ11は、直流母線電圧値Vdc(t)が回生終了電圧しきい値以下に達した時点で回生動作をいったん終了する。交流モータ16からの回生電力が引き続きインバータ14を介して平滑コンデンサ13に供給される場合には、直流母線電圧値Vdc(t)が上昇する。直流母線電圧値Vdc(t)が再び回生開始電圧しきい値以上に達する場合には、コンバータ11は、再度回生動作を開始する。間欠回生モードは、このような動作の繰り返しである。直流母線電圧値Vdc(t)は回生開始電圧しきい値と回生終了電圧しきい値との間を往復する波形となる。間欠回生モードの終了では、交流モータ16からの回生電力が少なくなり、最終的には回生電力が0になり、直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値に達することなく、上昇を停止することとなる。直流母線電圧値Vdc(t)が上昇を停止した時点では、コンバータ11は回生可能期間外の状態である。
間欠回生モードにおいて、コンバータ11が回生する電力が比較的大きい場合には、図3(a)に示すように、コンバータ11が回生動作を実行していない期間における直流母線電圧値Vdc(t)の上昇が素早く、早期に回生可能期間に復帰する。
一方、コンバータ11が回生する電力が比較的小さい場合には、図3(b)に示すように、コンバータ11が回生動作を実行していない期間における直流母線電圧値Vdc(t)の上昇が遅く、回生可能期間に復帰するまでに時間を要する。間欠回生モードの場合においては、回生開始電圧しきい値と回生終了電圧しきい値との間を往復する直流母線電圧値Vdc(t)を平均化した場合の直流母線電圧値を平均化直流母線電圧値Vdcとする。これまでの説明から、間欠回生モードにおいても、コンバータ11の回生電力が大きいほど平均化直流母線電圧値Vdcは高電位となり、逆に、コンバータ11の回生電力が小さくなるほど平均化直流母線電圧値Vdcは低電位へ移動する。
ここで、系統電源10と直流母線12との間で電力のやりとりが無い場合の直流母線電圧値Vdc(t)を、無負荷時直流母線電圧値Vdc0と表すこととする。系統電源10の相電圧が400[V]の場合には、無負荷時直流母線電圧値Vdc0は約566[V]となる。回生開始電圧しきい値が無負荷時直流母線電圧値Vdc0[V]より小さい値(例えば10[V])だけ上昇した電圧値に設定され、一方で、回生終了電圧しきい値が無負荷時直流母線電圧値Vdc0[V]より大きい値(例えば40[V])だけ下降した電圧値に設定された場合には、図2及び図3に示すように、コンバータ11の平均化直流母線電圧値Vdcは、無負荷時直流母線電圧値Vdc0より下降した状態となる。図4は、コンバータを通過する電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係を示す模式図であり、回生開始電圧しきい値がVdc0+10[V]且つ回生終了電圧しきい値がVdc0−40[V]の場合における、コンバータ11の力行時電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係、及び、コンバータ11の回生時電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係の一例を示す。本明細書及び図4においては、コンバータ11の力行時電力を正値とし、コンバータ11の回生時電力を負値として、コンバータ11の力行時と回生時とを明示する。また、蓄電デバイス17への充電電流を正値とし、蓄電デバイス17からの放電電流を負値とする。
なお、コンバータ11の力行時における平均化直流母線電圧値Vdcは、系統電源10からコンバータ11を介して直流母線12へ電力が供給された場合の直流母線電圧値Vdc(t)のリプルを平均した値である。図4から判るように、回生開始電圧しきい値が無負荷時直流母線電圧値Vdc0よりも小さい値だけ上昇した電圧値に設定され、一方で、回生終了電圧しきい値が無負荷時直流母線電圧値Vdc0よりも大きい値だけ下降した電圧値の設定されたコンバータ11においては、力行時も回生時も平均化直流母線電圧値VdcはVdc0より下降した状態となる。さらに、図4において、例えば、平均化直流母線電圧値Vdcが540[V]となる状態は、コンバータ11が17[kW]分だけ系統電源10から直流母線12に力行する場合と、コンバータ11が−50[kW]分だけ直流母線12から系統電源10へ回生する場合とが存在する。同様に、平均化直流母線電圧値Vdcが544[V]となる状態は、コンバータ11が15[kW]分だけ系統電源10から直流母線12に力行する場合と、コンバータ11が−100[kW]分だけ直流母線12から系統電源10へ回生する場合とが存在する。
図5は、同一直流母線電圧値に制御した場合にコンバータが力行動作状態と回生動作状態との双方の状態を取り得ることを示す電力分配図であり、交流モータ駆動システム1を同一平均化直流母線電圧値Vdc[V]に制御した場合で、交流モータ16からの回生電力も同一の条件で、コンバータ11の力行時と回生時とにおける、コンバータ11と交流モータ16と蓄電デバイス17とのそれぞれの電力の授受を説明する図である。図5(a)は、Vdc=540[V]に制御し交流モータ16からの回生電力が−150[kW]時のコンバータ11が回生時である場合を示す図であり、図5(b)は、Vdc=540[V]に制御し交流モータ16からの回生電力が−150[kW]時のコンバータ11が力行時である場合を示す図である。なお、コンバータ11の回生時の平均化直流母線電圧値Vdc及びコンバータ11の力行時の平均化直流母線電圧値Vdcは、それぞれ図4に従うものとする。
図5(a)においては、矩形全体が交流モータ16からの回生電力−150[kW]に相当し、無地の長方形部分−100[kW]が蓄電デバイス17に充電される電力を表し、ハッチを施した長方形部分の−50[kW]がコンバータ11によって直流母線12から系統電源10へ回生される電力を表す。一方、図5(b)においては、無地の長方形部分が交流モータ16からの回生電力−150[kW]に相当し、ハッチを施した長方形部分の+17[kW]がコンバータ11によって系統電源10から直流母線12へ供給される電力を表し、両電力の和である167[kW]が蓄電デバイス17に充電される電力である。
図5(a)の場合には、直流母線12から充放電回路15へ流れる充電電流値は、下記の式(1)に示すように、約185[A]となる。
Figure 0005826440
一方、図5(b)の場合には、直流母線12から充放電回路15へ流れる充電電流値は、下記の式(2)に示すように、約309[A]と大きくなる。
Figure 0005826440
また、交流モータ16からの回生電力を全て蓄電デバイス17に充電する場合、即ち、コンバータ11が力行動作も回生動作も行わない場合には、下記の式(3)に示すように、充電電流値は約278[A]となる。なお、式(1)から式(3)に記載の|Z|は、Zの絶対値である。
Figure 0005826440
本実施の形態においては、図4及び図5(a)より、コンバータ11が直流母線12から系統電源10への回生電力を−50[kW]に抑制する場合における直流母線12の電圧指令値は540[V]である。同様に、図4から、コンバータ11が直流母線12から系統電源10への回生電力を−100[kW]に抑制する場合の直流母線12の電圧指令値は544[V]である。以後、コンバータ11が直流母線12から系統電源10への回生電力を回生時の電力しきい値−PthA[kW]に抑制する場合の回生時直流母線電圧指令値をVthA[V]と表記することにする。
直流母線12を流れる電流の電流量は、上記の式(1)から式(3)からも判るように、大きな値となる場合がある。また、直流母線12を流れる電流の波形は、コンバータ11の力行時のリプルの存在、コンバータ11の常回生モードにおけるリプルの存在、コンバータ11の間欠回生モードにおける直流母線電圧値Vdc(t)の上昇と下降の繰り返しの存在、またはコンバータ11内のスイッチング素子若しくはインバータ14内のスイッチング素子のスイッチングによるノイズの存在により、大きな高周波成分を含んでいる。したがって、直流母線電流値を検出する場合には、大電流による磁気飽和の回避や電流波形の高調波成分による発熱(放熱)対策手段の具備のため、使用する直流母線電流値を検出する手段は、高価で体積が大きく、質量も大きくならざるを得ない。
本発明における各実施の形態では、直流母線電流値を検出する手段を用いず、直流母線12に対しては直流電圧値検出部18のみを用いて、充放電回路15が蓄電デバイス17に充電中にも拘らずコンバータ11が力行動作へ移行しない、充放電制御部2及びこの制御方法を得ることを共通の目的とする。本発明によれば、直流母線電流値を検出する手段を用いないため、充放電回路15が蓄電デバイス17に充電中にも拘らずコンバータ11が力行動作へ移行しない、安価で、小型で、軽量な、交流モータ駆動システム1を得ることが可能となる。
図6は、交流モータ駆動システム1内の充放電制御部2を示すブロック図である。図6に示す充放電制御部2は、力行時制御部21と、回生時制御部3と、電流指令値統合部22と、制御信号生成部23と、を備える。力行時制御部21は、直流電圧値検出部18により検出される直流母線12の直流母線電圧値Vdc(t)を入力とする。力行時制御部21は、蓄電デバイス17から放電させるための放電電流を制御する指令値である蓄電デバイス側放電電流指令値Ib*と、蓄電デバイス17から放電させる期間を決定する力行時電力補償動作フラグFbとを出力する。力行時制御部21は、図4の右半分(力行時)に示す特性を利用して、コンバータ11の力行時にコンバータ11が系統電源10から直流母線12へ供給する電力を抑制しようとする電力PthB[kW]に対応する電圧値VthB[V]を力行時直流母線電圧指令値として直流母線電圧値Vdc(t)との差異を小さくして最終的には差異をなくすように、充放電回路15からインバータ14へ放電する直流母線側放電電流指令値をまず生成する。そして、力行時制御部21は、この直流母線側放電電流指令値を、直流母線電圧値Vdc(t)と、蓄電デバイス17の両端電圧値またはその両端電圧値に代わる代表的な擬似両端電圧値との比に基づいて換算した、蓄電デバイス側放電電流指令値Ib*を生成する。また、力行時制御部21は、力行時直流母線電圧指令値VthBと、直流母線電圧値Vdc(t)とに基づいて、蓄電デバイス側放電電流指令値Ib*が放電を指令する期間を有意とする力行時電力補償動作フラグFbを生成する。
回生時制御部3は、直流電圧値検出部18により検出される直流母線12の直流母線電圧値Vdc(t)を入力とする。回生時制御部3は、蓄電デバイス17に充電するための充電電流を制御する指令値である蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*と、蓄電デバイス17に充電させる期間を決定する回生時電力補償動作フラグFaとを出力する。回生時制御部3の詳細に関しては、後述する。
電流指令値統合部22は、回生時制御部3からの蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*と、力行時制御部21からの蓄電デバイス側放電電流指令値Ib*とを用いて、蓄電デバイス17の充放電電流の指令値である統合充放電電流指令値Ic*を生成する。制御信号生成部23は、電流指令値統合部22からの統合充放電電流指令値Ic*と、充放電電流値検出部19からの蓄電デバイス17の充放電電流値Icと、により、統合充放電電流指令値Ic*と充放電電流値Icとの差異を最終的には差異がなくなるように小さくし、回生時制御部3からの回生時電力補償動作フラグFaが有意な期間または力行時制御部21からの力行時電力補償動作フラグFbが有意な期間のみ、充放電回路15を制御する制御信号を充放電回路15へ出力する。
ここから、本実施の形態における充放電制御部2内の回生時制御部3が、直流母線電流値を検出する手段を用いずに、直流母線12に対しては直流電圧値検出部18の出力である直流母線電圧値Vdc(t)のみを使用して、充放電回路15が蓄電デバイス17に充電中にコンバータ11が力行動作へ移行しない制御手段と制御方法について説明する。
回生時制御部3は、図6に示すように、充電電流指令値生成部4と、回生時電力補償動作制御部5と、回生時電力/電圧換算部6と、充電電流指令値換算部7とを備える。直流電圧値検出部18から回生時制御部3への入力である直流母線電圧値Vdc(t)は、充電電流指令値生成部4と回生時電力補償動作制御部5とに入力される。回生時制御部3の出力の1つである蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*は、充電電流指令値換算部7から電流指令値統合部22へ出力される。回生時制御部3のもう1つの出力である回生時電力補償動作フラグFaは、回生時電力補償動作制御部5から制御信号生成部23へ出力される。また、回生時電力補償動作フラグFaは、充電電流指令値生成部4にも出力される。
回生時電力/電圧換算部6は、回生時電圧しきい値生成変換部61と、平滑コンデンサ静電容量値格納部62と、回生時電力しきい値格納部63とを備える。回生時電力しきい値格納部63は、コンバータ11に回生させようとする電力の上限値である回生時の電力しきい値−PthA[kW]を格納する。平滑コンデンサ静電容量値格納部62は、平滑コンデンサ13の静電容量値C[F]を格納する。回生時電圧しきい値生成変換部61は、回生時電力しきい値格納部63からの回生時の電力しきい値−PthA[kW]と平滑コンデンサ静電容量値格納部62からの静電容量値C[F]に基づいて、図4の左半分(回生時)に記載の関係を利用して、回生時の回生時直流母線電圧指令値VthA[V]を生成する。回生時電圧しきい値生成変換部61が生成した回生時直流母線電圧指令値VthA[V]は、回生時電力/電圧換算部6の出力として、充電電流指令値生成部4、回生時電力補償動作制御部5、及び充電電流指令値換算部7に出力される。なお、回生時の電力しきい値−PthA[V]と静電容量値C[F]は、交流モータ駆動システム1の作業負荷やインバータ14の構成に応じて、適宜設定すればよく、ユーザーにより回生時電力しきい値格納部63及び平滑コンデンサ静電容量値格納部62にそれぞれの値を入力可能な構成を備えていればよい。
回生時電力補償動作制御部5は、直流電圧値検出部18からの直流母線電圧値Vdc(t)に基づいて、蓄電デバイス17に充電を開始するタイミングを示す回生時電力補償動作開始信号Saを生成する。また、回生時電力補償動作制御部5は、直流母線電圧値Vdc(t)と、回生時電力/電圧換算部6からの回生時直流母線電圧指令値VthAと、充電電流指令値生成部4からの直流母線側充電電流指令値I1*とを用いて、蓄電デバイス17に充電する期間を示す回生時電力補償動作フラグFaを生成する。回生時電力補償動作制御部5にて生成される回生時電力補償動作開始信号Saは、充電電流指令値生成部4に出力される。回生時電力補償動作フラグFaは、充電電流指令値生成部4と制御信号生成部23とに出力される。回生時電力補償動作開始信号Saは、例えば、直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値に達した時刻を示す信号、または、無負荷時直流母線電圧値Vdc0[V]以上になった時刻を示す信号である。回生時電力補償動作フラグFaは、例えば、回生時電力補償動作開始信号Saが示す時刻から、直流母線側充電電流指令値I1*が零若しくは負値になるまで、または零に充分に近い値の正値になるまでの時刻を示す信号である。ここで、零に充分に近い値としては、例えば、直流母線側充電電流指令値I1*が取りうる最大値の百分の一未満の予め定められた値を採用する。また、回生時電力補償動作開始信号Saが有意になる条件や、回生時電力補償動作フラグFaの有意となる開始条件や終了条件に関しては、直流母線電圧値Vdc(t)や直流母線側充電電流指令値I1*に重畳する雑音の揺らぎの影響を排除するために、チャタリング防止や不感帯の設定等を行う場合もある。
充電電流指令値換算部7は、直流母線12から充放電回路15への充電電流指令値である直流母線側充電電流指令値I1*を、充放電回路15から蓄電デバイス17への充電電流指令値である蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*へ変換する。充電電流指令値換算部7は、充電電流指令値生成部4の出力である直流母線側充電電流指令値I1*と、回生時電力/電圧換算部6の出力である回生時直流母線電圧指令値VthAと、を入力とする。充電電流指令値換算部7は、出力である蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*を電流指令値統合部22へ出力する。今、蓄電デバイス17の両端電圧を両端電圧値Vcap[V]とし、直流母線12の電圧値が回生時直流母線電圧指令値VthAに制御されていることを考慮すると、蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*は、下記の式(4)で表すことができる。
Figure 0005826440
上記の式(4)を実現するには、蓄電デバイス17の両端電圧値Vcapを観測し、且つ除算を実行する必要がある。蓄電デバイス17の両端電圧値Vcapの検出手段を省き、且つ計算が煩雑な除算を省略するために、蓄電デバイス17の両端電圧値Vcapを予め定められた定数である代用両端電圧値Vcfix[V]で代用する。代用両端電圧値Vcfixには特に制限は無いが、例えば、蓄電デバイス17の両端電圧値Vcapの最低値や、蓄電デバイス17の両端電圧値Vcapの最頻出値等を用いる。充電電流指令値換算部7は、代用両端電圧値Vcfixの逆数である定数Kc(Kc=1/Vcfix)を格納し、下記の式(5)により、直流母線側充電電流指令値I1*を蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*に換算する。
Figure 0005826440
充電電流指令値生成部4は、直流電圧値検出部18からの直流母線電圧値Vdc(t)と、回生時電力/電圧換算部6からの回生時直流母線電圧指令値VthAと、回生時電力補償動作制御部5からの回生時電力補償動作開始信号Saと、回生時電力補償動作制御部5からの回生時電力補償動作フラグFaと、を入力として、直流母線側充電電流指令値I1*を生成する。充電電流指令値生成部4は、生成した直流母線側充電電流指令値I1*を回生時電力補償動作制御部5と充電電流指令値換算部7へ出力する。
充電電流指令値生成部4がPID制御(比例積分微分制御)を行う場合を例示して説明する。図7は、PID制御を行う場合の充電電流指令値生成部4を示すブロック図である。図7に示すように、充電電流指令値生成部4は、第1の減算器411と、第1の乗算器412と、第1の切換器413と、第1のリミッタ414と、第2の切換器415と、第2の乗算器421と、第3の切換器422と、第1の加算器423と、第2のリミッタ424と、第4の切換器425と、第1の遅延器426と、回生時電流指令値積分成分初期値生成部427と、第2の遅延器431と、第2の減算器432と、第3の乗算器433と、第3のリミッタ434と、第5の切換器435と、第2の加算器441と、第4のリミッタ442と、第6の切換器443と、回生時充電電流指令値抑制部45と、を備える。直流母線電圧値Vdc(t)は、第1の減算器411の被減数端と、回生時電流指令値積分成分初期値生成部427と、回生時充電電流指令値抑制部45とに入力される。回生時直流母線電圧指令値VthAは、第1の減算器411の減数端と、回生時充電電流指令値抑制部45とに入力される。回生時電力補償動作フラグFaは、第1の切換器413と、第6の切換器443と、回生時充電電流指令値抑制部45とに入力される。第1の減算器411は、直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値である回生時電圧差分値Evを生成し、第1の乗算器412に出力する。第1の乗算器412は、回生時電圧差分値Evに比例ゲインである予め定められた定数Kpを乗じた第1の乗算値Kp・Evを生成し、第1の切換器413と、第2の遅延器431と、第2の減算器432の被減数端とに出力する。第1の切換器413は、第1の乗算値Kp・Evと回生時電力補償動作フラグFaとを入力とする。第1の切換器413は、回生時電力補償動作フラグFaが有意(蓄電デバイス17に充電すべき期間)である場合には第1の乗算値Kp・Evをそのまま出力値(値Ip)として出力し、回生時電力補償動作フラグFaが有意でない場合には値Ipは零を出力する。第1の切換器413が出力する値Ipは、第1のリミッタ414と第2の乗算器421とに出力される。ここで、交流モータ駆動システム1における充電電流の制限値を、充電電流制限値Imax(>0)[A]とする。充電電流制限値Imaxとしては、例えば、充放電回路15の充電電流の最大値若しくは蓄電デバイス17の充電電流の最大値、または、これらの最大値に近い値で交流モータ駆動システム1に予め定められている値を採用する。
第1のリミッタ414は、入力された値Ipが負値である場合には出力値L・Ipとして零を出力し、入力された値Ipが充電電流制限値Imaxを超える場合には出力値L・Ipとして充電電流制限値Imaxの値を出力し、入力された値Ipが正値且つ充電電流制限値Imax以下の場合には出力値L・Ipとして入力された値Ipを出力する。第1のリミッタ414の出力値L・Ipは、第2の切換器415に入力される。第2の切換器415は、第1のリミッタ414の出力値L・Ipと、後述する回生時充電電流指令値抑制部45の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSとを入力として、回生時充電電流指令値比例成分値Ip*を第2の加算器441へ出力する。第2の切換器415は、これも後述する回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意でない場合には第2の切換器415に入力された値L・Ipをそのまま回生時充電電流指令値比例成分値Ip*として出力し、回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意である場合には零を回生時充電電流指令値比例成分値Ip*として出力する。第2の乗算器421は、第1の切換器413が出力した値Ipに積分ゲインである予め定められた定数Kiを乗じた第2の乗算値Ki・Ipを生成し、第3の切換器422に出力する。第3の切換器422は、第2の乗算値Ki・Ipと回生時充電電流指令値抑制フラグSとを入力として、値Iiを第1の加算器423の一方の入力端へ出力する。第3の切換器422は、回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意でない場合には第3の切換器422に入力された第2の乗算値Ki・Ipをそのまま出力値(値Ii)として出力し、回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意である場合には零を出力値(値Ii)として出力する。第1の加算器423は、第3の切換器422の出力値である値Iiと、後述する第1の遅延器426が出力する値Z・Iiとの和を計算して、第1の和ΣIiを第2のリミッタ424へ出力する。第2のリミッタ424は、第1の和ΣIiが負値の場合には出力値(値L・Ii)として零を出力し、第1の和ΣIiが充電電流制限値Imaxを超える場合には出力値(値L・Ii)として充電電流制限値Imaxを出力し、第1の和ΣIiが正値且つ充電電流制限値Imax以下の場合には出力値(値L・Ii)として第1の和ΣIiを出力する。第2のリミッタ424の出力値(値L・Ii)は、第4の切換器425に入力される。第4の切換器425は、回生時電力補償動作開始信号Saに基づいて、第2のリミッタ424の出力値L・Iiと、回生時電流指令値積分成分初期値生成部427の出力である回生時電流指令値積分成分初期値Iinitとを切り換えて、出力である回生時充電電流指令値積分成分値Ii*を出力する。具体的には、回生時電力補償動作開始信号Saが有意(回生動作の開始時点)である場合には回生時充電電流指令値積分成分値Ii*として回生時電流指令値積分成分初期値Iinitを出力し、回生時電力補償動作開始信号Saが有意でない場合には回生時充電電流指令値積分成分値Ii*として値L・Iiを出力する。回生時充電電流指令値積分成分値Ii*は、第1の遅延器426及び第2の加算器441に入力される。第1の遅延器426は、入力である回生時充電電流指令値積分成分値Ii*を制御時間間隔1単位分だけ遅延させて、第1の遅延値Z・Iiとして、第1の加算器423の値Iiの入力端とは異なる入力端に出力する。回生時電流指令値積分成分初期値生成部427は、入力された直流母線電圧値Vdc(t)の予め定められた時間間隔における電圧値変位分(時間変位分)を計算し、この時間変位分から推定した充電電流指令値を回生時電流指令値積分成分初期値Iinitとして第4の切換器425へ出力する。回生時電流指令値積分成分初期値Iinitは、第4の切換器425で回生時電力補償動作開始信号Saが有意な期間だけ選択されて回生時充電電流指令値積分成分値Ii*として出力される。このようにすることで、回生時電流指令値積分成分初期値Iinitは、回生時充電電流指令値積分成分値Ii*の初期値となる。回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意でない場合、第1の加算器423と、第2のリミッタ424と、第4の切換器425と、第1の遅延器426と、回生時電流指令値積分成分初期値生成部427とにより、初期値を回生時電流指令値積分成分初期値Iinitとして第2の乗算値Ki・Ipを順次積分する。第2の遅延器431は、入力である第1の乗算値Kp・Evを制御時間間隔1単位分だけ遅延させて、第2の遅延値Z・Kp・Evとして、第2の減算器432の減数端に出力する。第2の減算器432は、第1の乗算値Kp・Evから第2の遅延値Z・Kp・Evを減じた値を差分Idとして、第3の乗算器433へ出力する。第3の乗算器433は、差分Idの微分ゲインである予め定められた定数Kdを乗じた第3の乗算値Kd・Idを生成し、第3のリミッタ434へ出力する。第3のリミッタ434は、第3の乗算値Kd・Idが負値の場合には値L・Idとして零を出力し、第3の乗算値Kd・Idが充電電流制限値Imaxを超える値である場合には値L・Idとして充電電流制限値Imaxを出力し、第3の乗算値Kd・Idが正値且つ充電電流制限値Imax以下である場合には、値L・Idとして第3の乗算値Kd・Idを出力する。第3のリミッタ434が出力した値L・Idは、第5の切換器435に入力される。第5の切換器435は、第3のリミッタ434が出力した値L・Idと、後述する回生時充電電流指令値抑制部45の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSとを入力として、回生時充電電流指令値微分成分値Id*を第2の加算器441へ出力する。第5の切換器435は、回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意でない場合には第5の切換器435に入力された値L・Idをそのまま回生時充電電流指令値微分成分値Id*として出力し、回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意である場合には零を回生時充電電流指令値微分成分値Id*として出力する。第2の加算器441は、回生時充電電流指令値比例成分値Ip*と回生時充電電流指令値積分成分値Ii*と回生時充電電流指令値微分成分値Id*との和を第2の和Ipidとして、第4のリミッタ442へ出力する。第4のリミッタ442は、第2の和Ipidが負値の場合には出力する値L・I1として零を出力し、第2の和Ipidが充電電流制限値Imaxを超える場合には出力する値L・I1として充電電流制限値Imaxを出力し、第2の和Ipidが正値且つ充電電流制限値Imax以下である場合には出力する値L・I1として第2の和Ipidの値を出力する。第4のリミッタ442の出力値L・I1は、第6の切換器443へ出力される。第6の切換器443は、第4のリミッタ442が出力する値L・I1と回生時電力補償動作フラグFaとを入力とする。第6の切換器443は、回生時電力補償動作フラグFaが有意(蓄電デバイス17に充電すべき期間)である場合には入力された値L・I1をそのまま直流母線側充電電流指令値I1*として出力し、回生時電力補償動作フラグFaが有意でない場合には零を直流母線側充電電流指令値I1*として出力する。第6の切換器443の出力である直流母線側充電電流指令値I1*は、回生時電力補償動作制御部5と充電電流指令値換算部7とに入力される。
回生時直流母線電圧指令値VthA[V]を制御の終着点とする時、コンバータ11は回生時と力行時との2つの場合が存在することを、図4と図5とを用いて既に説明した。なお、常回生モードのコンバータ11が回生動作から力行動作へ移行することはない。回生時のコンバータ11が力行動作へ移行する場合には、コンバータ11の間欠回生モードにおける回生可能期間以外の期間である。
図8は、コンバータ回生時の直流母線電圧値Vdc(t)と直流母線側充電電流指令値I1*との関係を示す模式図であり、コンバータ11の間欠回生モード時にコンバータ11の回生動作が継続する場合における、直流母線電圧値Vdc(t)と、回生可能期間を示す波形Fcと、回生時電力補償動作フラグFaと、直流母線側充電電流指令値I1*と、の波形を模式的に示す。交流モータ16が回生電力をインバータ14を介して直流母線12へ回生させると、直流母線電圧値Vdc(t)がVdc0から上昇し、回生時電力補償動作フラグFaが有意を示し、直流母線側充電電流指令値I1*が回生時電流指令値積分成分初期値Iinitに設定される。直流母線電圧値Vdc(t)は上昇を続け、直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値が大きくなり、直流母線側充電電流指令値I1*は充電量を増加させるようにその値を上昇させる。直流母線側充電電流指令値I1*の上昇の途中、直流母線電圧値Vdc(t)は回生開始電圧しきい値に達し、コンバータ11は回生動作を開始する。コンバータ11が回生動作を開始しても、直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値が正値の期間は直流母線側充電電流指令値I1*は上昇を続ける。直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値が負値になると、直流母線側充電電流指令値I1*は下降を開始する。直流母線電圧値Vdc(t)が回生終了電圧しきい値まで下降すると、コンバータ11は回生動作を終了する。コンバータ11の回生動作の終了に伴い、直流母線電圧値Vdc(t)は上昇を開始する。しかし、直流母線側充電電流指令値I1*は、直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値が負値の期間中下降を継続する。そして、直流母線側充電電流指令値I1*は、直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値が正値に転じると上昇を開始する。以後、直流母線電圧値Vdc(t)は、回生開始電圧しきい値と回生終了電圧しきい値の間を往復する。直流母線電圧値Vdc(t)が回生終了電圧しきい値に達してから回生開始電圧しきい値に達するまでの時間間隔T0は、コンバータ11のリプル分による誤差を除外すれば、回生時直流母線電圧指令値VthA[V]と、平滑コンデンサ13の静電容量C[F]とに依存する一定値となる。
続いて、回生時充電電流指令値抑制部45が存在しない場合、即ち、回生時充電電流指令値抑制部45の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意にならない場合について説明する。図9は、コンバータが回生動作から力行動作へ移行する場合の直流母線電圧値Vdc(t)と直流母線側充電電流指令値I1*との関係の一例を示す模式図であり、直流母線電圧値Vdc(t)にノイズが混入し、または直流母線電圧値Vdc(t)が一時的に変動した場合についての一例を説明する図である。コンバータ11が間欠回生モードの状態で、回生可能期間を示す波形Fcが有意でない図9に示す時刻Tpに、直流母線電圧値Vdc(t)が電圧値上昇方向に一時的な変動が生じたとする。図7に示す充電電流指令値生成部4内の第1の減算器411により、直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値である回生時電圧差分値Evが大きくなることで、直流母線側充電電流指令値I1*が大きくなる。直流母線側充電電流指令値I1*が大きくなることにより、蓄電デバイス17への充電電流が増加し、直流母線電圧値Vdc(t)の上昇は鈍化する。上昇が鈍化した直流母線電圧値Vdc(t)は、時間をかけて回生開始電圧しきい値に達する。時刻Tp直前の直流母線電圧値Vdc(t)が回生終了電圧しきい値に達する時刻(図9内の時刻Ta)から、上昇が鈍化した直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値に達する時刻(図9内の時刻Tb)までの時間間隔T1は、上記の時間間隔T0よりも長くなる。時刻Tb以後、コンバータ11は回生動作に移行して、直流母線電圧値Vdc(t)は回生終了電圧しきい値まで下降する。時間間隔T0より長くなった時間間隔T1の期間中に、充電電流指令値生成部4は、その内部に包含する積分機能により、直流母線側充電電流指令値I1*を通常の直流母線側充電電流指令値I1*の最上昇値(図9内のI1top)よりも更に上昇させた値(図9内の値I1x)を経て、下降へ転じさせる。直流母線電圧値Vdc(t)が回生時直流母線電圧指令値VthA[V]より低い期間の時間間隔は通常時と変わらないので、直流母線側充電電流指令値I1*は通常の最下降値(図9内のI1bottom)までより高い値(図9内の値I1y)までしか下降させられず、再び上昇を開始する。値I1yから上昇する直流母線側充電電流指令値I1*が、交流モータ16からの回生電力全てを蓄電デバイス17へ充電するだけの量の直流母線側充電電流指令値I1*の値(図9内の値I1z)を超えた時刻(図9内の時刻Tq)以降、コンバータ11は、充電電流を賄うため、力行動作へ移行する。回生時直流母線電圧指令値VthAが540[V]で交流モータ16からの回生電力が−150[kW]の場合の値I1zは、上記の式(3)により278[A]となる。
更に、直流母線電圧値Vdc(t)にノイズが混入し、または直流母線電圧値Vdc(t)が一時的に変動した場合についての他の一例を説明する。図10は、コンバータが回生動作から力行動作へ移行する場合の直流母線電圧値Vdc(t)と直流母線側充電電流指令値I1*との関係の一例を示す模式図である。コンバータ11が間欠回生モードの状態で、回生可能期間を示す波形Fcが有意でない図10に示す時刻Tpに、直流母線電圧値Vdc(t)が電圧値上昇方向に一時的な変動が生じたとする。図7に示す充電電流指令値生成部4内の第1の減算器411により、直流母線電圧値Vdc(t)から回生時直流母線電圧指令値VthAを減じた値である回生時電圧差分値Evが大きくなることで、直流母線側充電電流指令値I1*が大きくなる。直流母線側充電電流指令値I1*が大きくなることにより、蓄電デバイス17への充電電流が増加し、直流母線電圧値Vdc(t)の上昇は鈍化する。上昇が鈍化した直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値に達する以前に、直流母線側充電電流指令値I1*が交流モータ16からの回生電力全てを蓄電デバイス17へ充電するだけの量の直流母線側充電電流指令値I1*の値(図9内の値I1z)を超えた時刻(図10内の時刻Tq)以降、コンバータ11は充電電流を賄うために力行動作へ移行する。コンバータ11が力行動作を開始すると、直流母線電圧値Vdc(t)は回生時直流母線電圧指令値VthA[V]と同じ値になるように直流母線側充電電流指令値I1*を制御し、直流母線電圧値Vdc(t)は再び回生開始電圧しきい値を超えることはなくなる。よって、時刻Tp直前の直流母線電圧値Vdc(t)が回生終了電圧しきい値に達する時刻以降、回生可能期間を示す波形Fcは有意になることもなくなる。即ち、図10内の時間間隔T1はいつまでも決定されない状態で放置されることになる。回生時直流母線電圧指令値VthAが540[V]で交流モータ16からの回生電力が−150[kW]の場合の値I1zは、上記の式(3)により278[A]となる。
ここまで、充電電流指令値生成部4が、回生時充電電流指令値抑制部45の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意でない場合に、直流母線電圧値Vdc(t)から、回生時直流母線電圧指令値VthAに基づいた電力(即ち、回生時の電力しきい値−PthA)を超える電力を蓄電デバイス17に充電するための直流母線12側の充電電流指令値である直流母線側充電電流指令値I1*を得る手段を説明してきた。ここからは、充電電流指令値生成部4内の回生時充電電流指令値抑制部45の機能について説明し、回生時充電電流指令値抑制部45の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意である場合における、充電電流指令値生成部4の動作、即ち、直流母線側充電電流指令値I1*の振る舞いについて説明する。
本実施の形態における充電電流指令値生成部4内の回生時充電電流指令値抑制部45は、図9及び図10を用いて説明した直流母線電圧値Vdc(t)のじょう乱により直流母線側充電電流指令値I1*が上昇することでコンバータ11が回生動作から力行動作へ移行する現象を防止するため、直流母線電圧値Vdc(t)と、回生時直流母線電圧指令値VthAと、回生時電力補償動作フラグFaとを入力とし、回生時充電電流指令値抑制フラグSを生成し、生成した回生時充電電流指令値抑制フラグSを充電電流指令値生成部4内の第2の切換器415と、第3の切換器422と、第5の切換器435とに出力する。回生時充電電流指令値抑制フラグSは、第2の切換器415がその出力である回生時充電電流指令値比例成分値Ip*として零を出力し、且つ第3の切換器422がその出力である値Iiとして零を出力し、且つ第5の切換器435がその出力である回生時充電電流指令値微分成分値Id*として零を出力する時を有意とする。
図11は、回生時充電電流指令値抑制部45を示すブロック図である。回生時充電電流指令値抑制部45は、回生終了電圧しきい値格納部451と、回生開始電圧しきい値格納部452と、平滑コンデンサ静電容量値格納部453と、第1の比較器454と、第2の比較器455と、第3の比較器456と、第1の信号発生器457と、計数器458と、発信器(発振器)459と、T0算出部460と、第4の比較器461と、第2の信号発生器462と、を備える。回生終了電圧しきい値格納部451は、図8、図9及び図10に示すコンバータ11が回生動作を終了する電圧値である回生終了電圧しきい値を格納し、この回生終了電圧しきい値より少し高い電圧値Vspを生成し、この電圧値Vspを第1の比較器454へ出力する。ここで、出力される電圧値Vspが回生終了電圧しきい値より少し高い電圧値である理由は、回生時充電電流指令値抑制部45に入力する直流母線電圧値Vdc(t)のノイズの影響を除去するためである。また、ここで、回生終了電圧しきい値より少し高い電圧値Vspと回生終了電圧しきい値の差分は、直流母線電圧値Vdc(t)のノイズの大きさにより決定する予め定められた定数とし、例えば、回生終了電圧しきい値の5%以下とすればよい。回生開始電圧しきい値格納部452は、図8、図9及び図10に示すコンバータ11が回生動作を開始する電圧値である回生開始電圧しきい値を格納し、この回生開始電圧しきい値より少し低い電圧値Vstを生成し、この電圧値Vstを第2の比較器455へ出力する。ここで、出力される電圧値Vstが回生開始電圧しきい値より少し低い電圧値である理由は、回生時充電電流指令値抑制部45に入力する直流母線電圧値Vdc(t)のノイズの影響を除去するためである。また、ここで、回生終了電圧しきい値より少し低い電圧値Vstと回生終了電圧しきい値の差分は、直流母線電圧値Vdc(t)のノイズの大きさにより決定する予め定められた定数とし、例えば、回生開始電圧しきい値の5%以下とすればよい。平滑コンデンサ静電容量値格納部453は、平滑コンデンサ13の静電容量値であるC[F]の値を格納し、T0算出部460へ出力する。第1の比較器454は、直流母線電圧値Vdc(t)と回生終了電圧しきい値格納部451の出力である電圧値Vspとを入力とし、直流母線電圧値Vdc(t)がしきい値である電圧値Vsp以下になった場合に有意となる回生終了信号Pspを生成し、回生終了信号Pspを第1の信号発生器457へ出力する。第2の比較器455は、直流母線電圧値Vdc(t)と回生開始電圧しきい値格納部452の出力である電圧値Vstとを入力とし、直流母線電圧値Vdc(t)がしきい値である電圧値Vst以上になった場合に有意となる回生開始信号Pstを生成し、回生開始信号Pstを第1の信号発生器457へ出力する。第3の比較器456は、直流母線電圧値Vdc(t)と回生時直流母線電圧指令値VthAとを入力とし、直流母線電圧値Vdc(t)が回生時直流母線電圧指令値VthA以下になった場合に有意となる抑制終了信号Pendを生成し、抑制終了信号Pendを第2の信号発生器462へ出力する。第1の信号発生器457は、回生終了信号Pspと回生開始信号Pstとを入力とし、回生終了信号Pspが有意になった時刻から回生開始信号Pstが有意になるまでの時刻の間を有意とするイネーブル信号ENを生成し、イネーブル信号ENを計数器458へ出力する。発信器459は、計数器458が計数の単位とするクロックTを発生する。クロックTの周波数は、計数器458がコンバータ11の間欠回生モードにおいて回生動作をしない期間の時間の伸長や短縮を充分把握することが可能な大きさとする。クロックTの周波数は、例えば、系統電源10の周波数(50Hzまたは60Hz)の50倍から400倍程度の周波数を採用するとよい。計数器458は、イネーブル信号ENが有意な期間中だけ、発信器459の出力であるクロックTの立ち上がりを計数し、計数結果を計数値DCNとして第4の比較器461へ出力する。計数器458は、イネーブル信号ENが有意でない期間中には計数結果をリセット(零に)して次のイネーブル信号ENが有意になる期間まで待機する。T0算出部460は、回生時直流母線電圧指令値VthAと平滑コンデンサ静電容量値格納部453の出力である平滑コンデンサ13の静電容量値Cとを入力とし、計算式やルックアップテーブル(Look Up Table)等によって、図8、図9及び図10に示すコンバータ11の間欠回生モードにおける回生可能期間を示す波形Fcの有意でない期間の時間間隔T0をクロックTに換算した値を生成する。T0算出部460は、T0算出部460内で生成された時間間隔T0のクロックTに基づく換算値に対して、直流母線電圧値Vdc(t)を考慮して時間間隔T0より少し大きい値である換算値DT0(即ち、DT0−T0>0)を計算して、第4の比較器461へ出力する。ここで、換算値DT0より少し大きい値と時間間隔T0の差分は、直流母線電圧値Vdc(t)のノイズの大きさにより決定する予め定められた定数とし、例えば、時間間隔T0の1%以下とすればよい。第4の比較器461は、計数器458の出力である計数値DCNとT0算出部460の出力である換算値DT0とを入力とし、計数値DCNが換算値DT0以上になった場合に有意となる抑制開始信号Poverを生成し、抑制開始信号Poverを第2の信号発生器462へ出力する。第2の信号発生器462は、抑制開始信号Poverと抑制終了信号Pendとを入力とし、抑制開始信号Poverが有意になった時刻から抑制終了信号Pendが有意になるまでの時刻の間を有意とする回生時充電電流指令値抑制フラグSを生成し、充電電流指令値生成部4内の第2の切換器415と、第3の切換器422と、第5の切換器435とに出力する。なお、回生時電力補償動作フラグFaは、有意でない時、第1の比較器454と、第2の比較器455と、第3の比較器456と、第1の信号発生器457と、第4の比較器461と、第2の信号発生器462とを有意でない状態に保ち、且つ計数器458をリセットにする。即ち、回生時充電電流指令値抑制部45は、回生時電力補償動作フラグFaが有意な場合のみ機能し、回生時電力補償動作フラグFaが有意でない場合には回生時充電電流指令値抑制フラグSは有意でない状態を保持する。回生終了電圧しきい値格納部451若しくは回生開始電圧しきい値格納部452に格納する値、平滑コンデンサ静電容量値格納部453に格納する静電容量値C[F]、またはT0算出部460内に格納する計算式若しくはルックアップテーブルの値は、交流モータ駆動システム1の構成に応じて、適宜設定すればよく、回生終了電圧しきい値格納部451、回生開始電圧しきい値格納部452、平滑コンデンサ静電容量値格納部453及びT0算出部460は、ユーザーによりそれぞれの値や計算式を入力可能な構成を備える。また、本実施の形態では、平滑コンデンサ13の静電容量値C[F]を格納する手段を、回生時電力/電圧換算部6内の平滑コンデンサ静電容量値格納部62と、充電電流指令値生成部4内の回生時充電電流指令値抑制部45内の平滑コンデンサ静電容量値格納部453との双方に備えているが、いずれか一方に集約して、平滑コンデンサ13の静電容量値C[F]を他方へ出力しても良い。
図12は、回生時充電電流指令値抑制部がコンバータの回生動作から力行動作へ移行することを防ぐ動作の一例を示すタイムダイヤグラムであり、図9に示す状況において、回生時充電電流指令値抑制部45の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意な場合の動作を説明する図である。図13は、回生時充電電流指令値抑制部がコンバータの回生動作から力行動作へ移行することを防ぐ動作の他の例を示すタイムダイヤグラムであり、図10に示す状況において、回生時充電電流指令値抑制部45の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSが有意な場合の動作を説明する図である。
図12においては、図9と同様に、時刻Tpに直流母線電圧値Vdc(t)が電圧値上昇方向に一時的な変動が生じたとする。図12において、直流母線側充電電流指令値I1*が大きくなり、直流母線電圧値Vdc(t)の上昇は鈍化する。直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値に達する以前に、回生時充電電流指令値抑制部45内の計数器458の計数値DCNはT0算出部460の出力である換算値DT0の値を超える(図12の時刻Ts)。時刻Tsに回生時充電電流指令値抑制フラグSは有意になり、充電電流指令値生成部4内の第2の切換器415と、第3の切換器422と、第5の切換器435とにより、直流母線側充電電流指令値I1*は時刻Ts時の値を保持する。直流母線側充電電流指令値I1*が一定値を保つことにより、蓄電デバイス17への充電電流は増加しない。コンバータ11が間欠回生モード中の回生動作を実行しない期間であることから、図12に示すように、直流母線電圧値Vdc(t)は急速に増加し、回生開始電圧しきい値に達する。直流母線電圧値Vdc(t)が回生開始電圧しきい値に達すれば、コンバータ11は回生動作を行い、直流母線電圧値Vdc(t)は下降し始める。時間間隔である換算値DT0が時間間隔T0と大きな差がないことから、直流母線側充電電流指令値I1*が保っている一定値は、通常の直流母線側充電電流指令値I1*の最上昇値であるI1topより僅かに大きい値に止まる。直流母線電圧値Vdc(t)が下降を続け回生時直流母線電圧指令値VthA以下になる時刻Trで、回生時充電電流指令値抑制部45内の第3の比較器456の出力である抑制終了信号Pendが有意になり、回生時充電電流指令値抑制フラグSは有意でなくなる。回生時充電電流指令値抑制フラグSは有意でなくなることから、充電電流指令値生成部4内の第2の切換器415と、第3の切換器422と、第5の切換器435と、により、充電電流指令値生成部4はPID機能を復帰させる。時刻Tr以降、直流母線電圧値Vdc(t)は、回生時直流母線電圧指令値VthAより小さい値であるため、直流母線側充電電流指令値I1*は下降する。以上のような充電電流指令値生成部4の動作により、直流母線側充電電流指令値I1*は交流モータ16からの回生電力全てを蓄電デバイス17へ充電するだけの量の直流母線側充電電流指令値I1*の値I1zを超えることはなく、コンバータ11の間欠回生モードが継続する。
図13に示すように、時刻Tp後の直流母線側充電電流指令値I1*の上昇が急激であり、直流母線電圧値Vdc(t)の上昇が大きく鈍化した場合であっても、時刻Taからの時間間隔である換算値DT0は、図12に示す場合と同じく到来するため、時刻Tsで、直流母線側充電電流指令値I1*は一定値を保つ。直流母線側充電電流指令値I1*が一定値を保持した後の充電電流指令値生成部4の動作は図12で説明した動作と同様である。よって、図13に示す場合においても、直流母線側充電電流指令値I1*は、交流モータ16からの回生電力全てを蓄電デバイス17へ充電するだけの量の直流母線側充電電流指令値I1*の値I1zを超えることなく、コンバータ11の間欠回生モードが継続する。
上記の説明において、計数器458は、回生終了信号Pspからの時間間隔を計数するものとしたが、回生開始信号Pstからの時間間隔を計数してもよい。ただし、回生開始信号Pstを計数の基準とする場合には、回生終了電圧しきい値格納部451、第1の比較器454及び第1の信号発生器457は省略され、回生開始信号Pstが、直接、計数器458のリセット信号となる。また、この場合の計数器458のイネーブル機能は常に計数状態とする。
以上、充電電流指令値生成部4がPID制御である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、充電電流指令値生成部4がPI制御であってもよいし、I制御であってもよい。また、充電電流指令値生成部4をハードウエアで実現する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、充電電流指令値生成部4の一部または全部がソフトウエアにより実現されていてもよい。
なお、力行時制御部21、電流指令値統合部22、制御信号生成部23、並びに回生時制御部3内の回生時電力補償動作制御部5、回生時電力/電圧換算部6及び充電電流指令値換算部7はハードウエアで実現されていてもよいし、ソフトウエアにより実現されていてもよい。
なお、本実施の形態においては、コンバータ11として電源回生型コンバータを例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、コンバータ11は抵抗回生型コンバータであってもよい。コンバータ11が抵抗回生型コンバータである場合には、直流母線12から系統電源10への電力回生を、抵抗回生型コンバータ内の回生抵抗器における電力消費と読み換えることにより、回生動作中のコンバータ11が力行動作に移行することを防止することが可能である。
以上説明した本実施の形態の交流モータ駆動システムは、直流電力を供給するコンバータと、前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、前記交流電力により駆動される交流モータと、前記コンバータの出力側における直流電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、前記直流電力を前記直流母線から充電し、且つ充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、前記蓄電デバイスの充放電電流値を検出する充放電電流値検出手段と、前記直流電圧値と前記充放電電流値とに基づいて前記充放電回路を制御するための制御信号を出力する充放電制御手段と、を備え、前記交流モータからの前記インバータを介した回生電力が予め定められた電力しきい値を超える場合には、前記充放電制御手段は、前記直流電圧値を前記電力しきい値に応じた電圧しきい値になるように前記蓄電デバイスを充電させ、前記回生電力が前記電力しきい値以下である場合には、前記コンバータは、前記直流電圧値が上昇して予め定められた回生開始電圧しきい値に達すると回生動作を行い、前記直流電圧値が下降して予め定められた回生終了電圧しきい値に達すると回生動作を終了し、前記コンバータにおける回生動作中の前記直流電圧値の時間平均値が、前記コンバータが電力の供給と回生を実行していない無負荷時の前記直流電圧値より低いことを特徴とする。また、前記充放電制御手段は、前記コンバータが回生動作を開始する直流母線電圧値に基づいた電圧しきい値に前記直流母線電圧値が達する周期に基づいた期間だけ、前記蓄電デバイスに充電する電流を一定に保つように制御すればよい。そして、前記コンバータが回生動作を開始する直流母線電圧値に基づいた電圧しきい値に前記直流母線電圧値が達する周期に基づいた前記期間は、前記直流母線電圧値が前記回生終了電圧しきい値に達してからの時間が前記電力しきい値に応じた前記電圧しきい値に基づいて予め設定された時間を超えた時刻に開始し、次に前記直流母線電圧値が前記電力しきい値に応じた前記電圧しきい値に達する時刻に終了すればよい。
以上説明した本実施の形態の交流モータ駆動システムによれば、コンバータ回生時における直流母線の平均的電圧値が無負荷時の直流母線電圧値よりも低電圧値になる場合でも、直流母線電流の向き(電流値の正負)を判断すること無く、交流モータ回生初期の直流母線電圧値上昇に基づき、コンバータが系統電源に回生する電力のピークを抑制することができる。また、コンバータ回生時における直流母線の平均的電圧値が無負荷時の直流母線電圧値よりも低電圧値になる場合でも、直流母線の電流値(電流の向きも含める)によることなく、直流母線電圧値が予め定められた電圧値から他の予め定められた値になるまでの時間の長さに基づいて、直流母線側充電電流指令値を一定に保つことにより、交流モータが電力を回生中であるにも拘らずコンバータが系統電源から直流母線へ電力を供給することを防ぐことができる。また、コンバータ回生時における直流母線の平均的電圧値が無負荷時の直流母線電圧値よりも低電圧値になるため、平滑コンデンサやインバータや充放電回路等に高い耐圧の素子を使用する必要がないので、交流モータ駆動システムを安価に構成することができる。コンバータ回生時における直流母線の平均的電圧値が無負荷時の直流母線電圧値よりも低電圧値になるため、平滑コンデンサ、インバータ及び充放電回路等の素子の寿命を長くすることができる。
実施の形態2.
図14は、本発明にかかる交流モータ駆動システムの実施の形態2の全体の構成を示すブロック図である。図14に示す交流モータ駆動システム1aは、充放電制御部2aと、コンバータ11aと、直流母線12と、平滑コンデンサ13と、インバータ14と、充放電回路15と、交流モータ16と、蓄電デバイス17と、直流電圧値検出部18と、充放電電流値検出部19と、を含む。コンバータ11aは、回生期間フラグFdを充放電制御部2aへ出力する。回生期間フラグFdは、コンバータ11aが直流母線12から系統電源10へ電力を回生する期間だけ有意を示す信号である。無負荷時またはコンバータ11aが系統電源10から直流母線12へ電力を供給する場合には、回生期間フラグFdは有意ではない。図14に示す本実施の形態の交流モータ駆動システム1aは、図1に示す実施の形態1の交流モータ駆動システム1とは異なり、回生期間フラグFdを出力するコンバータ11aと、回生期間フラグFdが入力される充放電制御部2aとを備える。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一または同等の構成には、同一の名称と符号を付してその説明を省略する。
コンバータ11aが電源回生型コンバータである場合には、実施の形態1で説明したように、回生開始電圧しきい値から回生終了電圧しきい値までの期間中、コンバータ11a内のスイッチング素子をオンとオフとを繰り返す制御により、直流母線12から系統電源10へ電力を回生する。したがって、電源回生型コンバータには、回生開始電圧しきい値から回生終了電圧しきい値までの期間中であることを示す信号が存在し、それを回生期間フラグFdとして出力する。一方、コンバータ11aが抵抗回生型コンバータである場合には、回生開始電圧しきい値から回生終了電圧しきい値までの期間中、コンバータ11a内の回生抵抗器を介して高電位側直流母線12aと低電位側直流母線12bとが導通するように制御することにより、交流モータ16からの回生電力の一部を消費する。したがって、抵抗回生型コンバータには、回生開始電圧しきい値から回生終了電圧しきい値までの期間中であることを示す信号が存在し、それを回生期間フラグFdとして充放電制御部2aへ出力する。
本実施の形態における充放電制御部2aは、実施の形態1における充放電制御部2内の充電電流指令値生成部4の回生時充電電流指令値抑制部45に代えて回生時充電電流指令値抑制部45aを備える。本実施の形態における回生時充電電流指令値抑制部45aは、回生時充電電流指令値抑制部45の入力に加えて回生期間フラグFdが入力されている点が異なる。すなわち、本実施の形態における充放電制御部2aに入力される回生期間フラグFdは、回生時充電電流指令値抑制部45aにのみ入力される。
図15は、回生時充電電流指令値抑制部45aを示すブロック図である。回生時充電電流指令値抑制部45aは、平滑コンデンサ静電容量値格納部453と、第3の比較器456と、計数器458と、発信器459と、T0算出部460と、第4の比較器461と、第2の信号発生器462と、反転器463と、を備える。コンバータ11aからの出力である回生期間フラグFdは、反転器463に入力される。反転器463には、回生時電力補償動作フラグFaも入力される。反転器463は、回生時電力補償動作フラグFaが有意であり、且つ回生期間フラグFdが有意でない期間中だけ、後段の計数器458が動作する信号であるイネーブル信号ENを出力する。一方、反転器463の出力であるイネーブル信号ENは、回生時電力補償動作フラグFaが有意でない場合、または、回生期間フラグFdが有意である期間では有意ではない状態を示す。反転器463は、イネーブル信号ENを計数器458へ出力する。発信器459は、実施の形態1と同一の機能を果たし、発信器459の出力であるクロックTを計数器458へ出力する。計数器458は、クロックTと反転器463の出力であるイネーブル信号ENとに対して、実施の形態1の計数器458と同様に、計数器458の出力である計数値DCNを第4の比較器461へ出力する。平滑コンデンサ静電容量値格納部453は、実施の形態1と同様に、平滑コンデンサ静電容量値格納部453の出力である静電容量値CをT0算出部460へ出力する。T0算出部460は、回生時電力/電圧換算部6の出力である回生時直流母線電圧指令値VthAと平滑コンデンサ静電容量値格納部453の出力である静電容量値Cとを入力とする。T0算出部460は、実施の形態1と同様に、T0算出部460の出力である換算値DT0を第4の比較器461へ出力する。第3の比較器456は、直流電圧値検出部18の出力である直流母線電圧値Vdc(t)と、回生時電力/電圧換算部6の出力である回生時直流母線電圧指令値VthAとを入力とする。第3の比較器456は、実施の形態1と同様に、第3の比較器456の出力である抑制終了信号Pendを第2の信号発生器462へ出力する。第4の比較器461は、計数器458の出力である計数値DCNとT0算出部460の出力である換算値DT0とを入力し、計数値DCNが換算値DT0以上になった場合に有意となる抑制開始信号Poverを生成し、抑制開始信号Poverを第2の信号発生器462へ出力する。第2の信号発生器462は、抑制開始信号Poverと抑制終了信号Pendとを入力とし、抑制開始信号Poverが有意になった時刻から抑制終了信号Pendが有意になる時刻までの期間を有意とする回生時充電電流指令値抑制フラグSを生成し、充電電流指令値生成部4内の第2の切換器415と、第3の切換器422と、第5の切換器435とに出力する。なお、回生時電力補償動作フラグFaは、有意でない時、第3の比較器456と、第4の比較器461と、第2の信号発生器462と、反転器463とを有意でない状態に保ち、且つ計数器458をリセットにする。すなわち、回生時充電電流指令値抑制部45aは、回生時電力補償動作フラグFaが有意な場合にのみ機能し、回生時電力補償動作フラグFaが有意でない場合には回生時充電電流指令値抑制フラグSは有意でない状態を保持する。
なお、本実施の形態においては、回生時充電電流指令値抑制部45aをハードウエアで実現する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、回生時充電電流指令値抑制部45aの一部または全部がソフトウエアにより実現されていてもよい。なお、力行時制御部21、電流指令値統合部22、制御信号生成部23及び回生時制御部3は、ハードウエアで実現されていてもよいし、ソフトウエアにより実現されていてもよい。
なお、本実施の形態では、充放電制御部2aは、コンバータ11aから出力される回生期間フラグFdの有意になる周期、または有意でない期間の周期に基づいて、蓄電デバイス17に充電する電流を一定に保つように充放電回路15を制御する。すなわち、充放電制御部2aは、回生期間フラグFdに基づいた期間だけ、蓄電デバイス17に充電する電流を一定に保つ。そして、回生フラグに基づいた期間Fdは、回生期間フラグFdが有意でない(電力を回生する期間でないことを示す)時間が電力しきい値に応じた電圧しきい値に基づいて予め設定された時間を超えた時刻に開始し、次に直流母線電圧値が電力しきい値に応じた電圧しきい値に達する時刻に終了すればよい。
以上説明した本実施の形態の交流モータ駆動システムによれば、実施の形態1に示す交流モータ駆動システムの効果に加えて、コンバータの回生時を直流母線電圧値から推測することなく、コンバータ自身が制御している回生期間に係る情報を直接に把握することが可能となり、直流母線電圧値に重畳するノイズを原因とするコンバータ動作の誤認識や直流母線の時定数を要因とする直流母線電圧値の上昇及び下降の時間遅れを解消することができるため、実施の形態1の場合よりも更に安定であり、且つ確実に、交流モータが電力を回生中であるにも拘らずコンバータが系統電源から直流母線へ電力を供給することを防止することができる。
実施の形態3.
図16は、本発明にかかる交流モータ駆動システムの実施の形態3の全体の構成を示すブロック図である。図16に示す交流モータ駆動システム1bは、充放電制御部2bと、交流電圧値検出部8と、コンバータ11と、直流母線12と、平滑コンデンサ13と、インバータ14と、充放電回路15と、交流モータ16と、蓄電デバイス17と、直流電圧値検出部18と、充放電電流値検出部19と、を含む。図16に示す本実施の形態の交流モータ駆動システム1bは、図1に示す実施の形態1の交流モータ駆動システム1とは異なり、交流電圧値検出部8の存在と、交流電圧値検出部8の出力である交流電圧値Vacを入力する充放電制御部2bと、である。交流電圧値検出部8は、コンバータ11の系統電源10側に接続され、系統電源10からの配線間における電圧値である交流電圧値Vacを検出し、充放電制御部2bへ出力する。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一または同等の構成には、同一の名称と符号を用いて説明を省略する。
コンバータ11に入力される系統電源10における交流電圧値Vacは、系統電源10からコンバータ11までの配線の長さにより異なる。また、同じ系統電源に複数の交流モータ駆動システムが接続される場合には、一の交流モータ駆動システムのコンバータ11に入力される交流電圧値Vacは、他の交流モータ駆動システムの稼動状態(繁閑)により変動する。そして、コンバータ11における交流電圧値Vacが変動すると、コンバータ11の出力である、直流母線12の直流母線電圧値Vdc(t)も、無負荷時直流母線電圧値Vdc0も変動する。本実施の形態の交流モータ駆動システム1bは、交流電圧値検出部8の出力である交流電圧値Vacの変動に対応した、コンバータ回生時における平均化直流母線電圧値Vdcが無負荷時直流母線電圧値Vdc0よりも低くなる場合でも、交流モータ16が電力を回生中であるにも拘らずコンバータ11が系統電源10から直流母線12へ電力を供給してしまうことを防ぐことを目的とする。
本実施の形態における充放電制御部2bは、実施の形態1における充放電制御部2内の力行時制御部21に代えて力行時制御部21bを備え、回生時制御部3に代えて回生時制御部3bを備える。本実施の形態における力行時制御部21bは、直流母線電圧値Vdc(t)に加えて交流電圧値Vacが入力されている点が異なる。本実施の形態における回生時制御部3bは、直流母線電圧値Vdc(t)に加えて交流電圧値Vacが入力され、充電電流指令値生成部4に代えて充電電流指令値生成部4bを備え、回生時電力/電圧換算部6に代えて回生時電力/電圧換算部6bを備える点が異なる。本実施の形態における充電電流指令値生成部4b及び回生時電力/電圧換算部6bには、交流電圧値Vacが入力される。本実施の形態における充電電流指令値生成部4bは、回生時充電電流指令値抑制部45に代えて回生時充電電流指令値抑制部45bを備える点が異なる。本実施の形態における回生時充電電流指令値抑制部45bは、直流母線電圧値Vdc(t)と、回生時直流母線電圧指令値VthAと、回生時電力補償動作フラグFaとに加えて、交流電圧値Vacが入力されている点が異なる。このように、交流電圧値Vacは、力行時制御部21bと、回生時充電電流指令値抑制部45bと、回生時電力/電圧換算部6bと、にのみ入力される。
図4に示すコンバータを通過する電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係は、交流電圧値Vacの変化により、直流母線電圧値方向(図4の縦軸方向)に略平行移動した状態となる。交流電圧値Vacの変動量が、基準となる交流電圧値Vac0の±20%程度であれば、コンバータを通過する電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係の平行移動量は、交流電圧値Vacと基準となる交流電圧値Vac0との比、即ち、(Vac/Vac0)の値に比例する。したがって、回生時電力/電圧換算部6b内の回生時電圧しきい値生成変換部61には、基準となる交流電圧値Vac0の場合のコンバータ11を通過する電力及び該電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係を格納しておく。図17は、充放電制御部2bを示すブロック図である。図17に示す回生時電力/電圧換算部6bは、回生時電圧しきい値生成変換部61と、平滑コンデンサ静電容量値格納部62と、回生時電力しきい値格納部63と、に加えて、比例係数格納部64と、基準交流電圧値格納部65と、を備える。比例係数格納部64は、コンバータ11を通過する電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係の平行移動量の(Vac/Vac0)に対する比例係数Kaを格納する。基準交流電圧値格納部65は、値Vac0を格納する。そして、回生時電力/電圧換算部6bに入力される交流電圧値Vacを回生時電圧しきい値生成変換部61の出力値に乗じ、比例係数格納部64の出力値である比例係数Kaを乗じた後、基準交流電圧値格納部65の出力値である値Vac0で除することにより、回生時電力/電圧換算部6bの出力値である回生時直流母線電圧指令値VthAは、交流電圧値Vacの変動に対応した電圧しきい値となる。なお、回生時電圧しきい値生成変換部61には、近似式またはルックアップテーブル等を用いて、基準となる交流電圧値Vac0の場合のコンバータ11を通過する電力及び該電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係を格納する。
また、計算が煩雑な除算を省略するために、回生時電圧しきい値生成変換部61には、基準となる交流電圧値Vac0の場合のコンバータ11を通過する電力に対応する平均化直流母線電圧値Vdcの値を基準となる交流電圧値Vac0で除した値を予め近似式またはルックアップテーブル等を用いて格納し、回生時電圧しきい値生成変換部61の出力に、交流電圧値Vacと比例係数Kaとを乗じて回生時直流母線電圧指令値VthAを得ることで、除算手段を省略する方法もある。なお、このときには、基準交流電圧値格納部65は不要である。
図18は、回生時充電電流指令値抑制部45bを示すブロック図である。図18に示す回生時充電電流指令値抑制部45bは、回生終了電圧しきい値格納部451と、回生開始電圧しきい値格納部452と、平滑コンデンサ静電容量値格納部453と、第1の比較器454と、第2の比較器455と、第3の比較器456と、第1の信号発生器457と、計数器458と、発信器459と、T0算出部460と、第4の比較器461と、第2の信号発生器462と、比例係数格納部471と、基準交流電圧値格納部472と、乗算器473,474,475,476と、除算器477,478と、を備える。本実施の形態の回生時充電電流指令値抑制部45bは、新たに設けられた比例係数格納部471及び基準交流電圧値格納部472と、回生終了電圧しきい値格納部451と第1の比較器454との間に挿入された、乗算器473,475及び除算器477と、回生開始電圧しきい値格納部452と第2の比較器455との間に挿入された、乗算器474,476及び除算器478と、を備える点が実施の形態1の回生時充電電流指令値抑制部45と異なる。なお、乗算器473及び乗算器474には、交流電圧値Vacが入力される。
比例係数格納部471は、コンバータ11を通過する電力と平均化直流母線電圧値Vdcとの関係の平行移動量の(Vac/Vac0)に対する比例係数Kaを格納する。比例係数格納部471の出力である比例係数Kaは、乗算器475,476に出力される。基準交流電圧値格納部472は、基準となる交流電圧値Vac0を格納する。基準交流電圧値格納部472の出力である基準となる交流電圧値Vac0は、除算器477,478の除数端に出力される。乗算器473は、回生終了電圧しきい値格納部451の出力である回生終了電圧しきい値より少し高い電圧値Vspと、交流電圧値検出部8の出力である交流電圧値Vacとの積Vsp・Vacを計算し、乗算器475へ出力する。乗算器474は、回生開始電圧しきい値格納部452の出力である回生開始電圧しきい値より少し低い電圧値Vstと、交流電圧値検出部8の出力である交流電圧値Vacとの積Vst・Vacを計算し、乗算器476へ出力する。乗算器475は、積Vsp・Vacと、比例係数格納部471の出力である比例係数Kaとの積Ka・Vsp・Vacを計算し、除算器477の被除数端へ出力する。乗算器476は、積Vst・Vacと、比例係数格納部471の出力である比例係数Kaとの積Ka・Vst・Vacを計算し、除算器478の被除数端へ出力する。除算器477は、積Ka・Vsp・Vacを被除数とし、基準交流電圧値格納部472の出力値である基準交流電圧値Vac0を除数として除算を実行し、商Ka・(Vac/Vac0)・Vspを第1の比較器454へ出力する。除算器478は、積Ka・Vst・Vacを被除数とし、基準交流電圧値格納部472の出力値である基準交流電圧値Vac0を除数として除算を実行し、商Ka・(Vac/Vac0)Vstを第2の比較器455へ出力する。
第1の比較器454は、商Ka・(Vac/Vac0)・Vspと、直流母線電圧値Vdc(t)とを入力とし、直流母線電圧値Vdc(t)が商Ka・(Vac/Vac0)・Vsp以下になった場合に有意となる回生終了信号Pspを生成する。第1の比較器454は、回生終了信号Pspを第1の信号発生器457へ出力する。第2の比較器455は、商Ka・(Vac/Vac0)・Vstと、直流母線電圧値Vdc(t)とを入力とし、直流母線電圧値Vdc(t)が商Ka・(Vac/Vac0)・Vst以上になった場合に有意となる回生開始信号Pstを生成する。第2の比較器455は、回生開始信号Pstを第1の信号発生器457へ出力する。
第1の比較器454には、交流電圧値Vacの変動を有する直流母線電圧値Vdc(t)が入力されると共に、直流母線電圧値Vdc(t)の比較対象には電圧値Vspの交流電圧値Vacの変動分を考慮した商Ka・(Vac/Vac0)・Vspが入力されることにより、第1の比較器454の出力である回生終了信号Pspは、正しく、コンバータ11の回生終了時刻を推定することが可能となる。
第2の比較器455には、交流電圧値Vacの変動を有する直流母線電圧値Vdc(t)が入力されると共に、直流母線電圧値Vdc(t)の比較対象には電圧値Vstに交流電圧値Vacの変動分を考慮した商Ka・(Vac/Vac0)・Vstが入力されることにより、第2の比較器455の出力である回生開始信号Pstは、正しく、コンバータ11の回生開始時刻を推定することが可能となる。第1の信号発生器457の2つの入力である回生終了信号Pspと回生開始信号Pstとから第2の信号発生器462の出力である回生時充電電流指令値抑制フラグSまで、平滑コンデンサ静電容量値格納部453、第3の比較器456、発信器459及びT0算出部460は、実施の形態1と同様に動作する。
なお、回生時電力/電圧換算部6b内の比例係数格納部64及び回生時充電電流指令値抑制部45b内の比例係数格納部471は、いずれか一方に集約されていてもよい。また、回生時電力/電圧換算部6b内の基準交流電圧値格納部65及び回生時充電電流指令値抑制部45b内の基準交流電圧値格納部472は、いずれか一方に集約されていてもよい。回生時電力/電圧換算部6b内の平滑コンデンサ静電容量値格納部62と回生時充電電流指令値抑制部45b内の平滑コンデンサ静電容量値格納部453とは、いずれか一方に集約されていてもよい。
本実施の形態において、力行時制御部21b、電流指令値統合部22、制御信号生成部23または回生時制御部3bは、ハードウエアで実現されていてもよいし、ソフトウエアにより実現されていてもよい。
本実施の形態にかかる交流モータ駆動システム1bは、上記の様に構成されているので、実施の形態1の効果に加えて、系統電源10の電圧が変動した場合においても、交流モータ16が電力を回生中であるにも拘らずコンバータ11が系統電源10から直流母線12へ電力を供給してしまうことを防止することができる。
ここまで、本実施の形態を実施の形態1と比較して説明してきた。しかし、本実施の形態の技術は、コンバータ11aを用いる実施の形態2に対しても、導入可能なことは明らかである。
本実施の形態では実施の形態1と比較して説明したが、実施の形態2の交流モータ駆動システムに対して本実施の形態を適用してもよい。本実施の形態にて説明した構成は、実施の形態1,2と組み合わせることが可能である。
実施の形態4.
実施の形態1においては、蓄電デバイス17の両端電圧値Vcapの代用として、代用両端電圧値Vcfixを採用する場合について説明した。しかしながら、交流モータ駆動システムには、蓄電デバイス17の両端電圧値Vcapを(蓄電デバイス両端電圧値検出部で)検出して、蓄電デバイス17に対する充放電を制限するものも存在する。図19は、本発明にかかる交流モータ駆動システムの実施の形態4の全体の構成を示すブロック図である。蓄電デバイス両端電圧値検出部の設置に伴うコストの増加がない場合には、図19に示すように、蓄電デバイス両端電圧値検出部9を設置して、蓄電デバイス両端電圧値検出部9で検出した両端電圧値Vcapを充放電制御部2cへ出力してもよい。この場合、両端電圧値Vcapは、充放電制御部2c内の力行時制御部と、回生時制御部とに入力される。回生時制御部に入力された両端電圧値Vcapは、充放電電流指令値換算部に入力され、実施の形態1にて説明した式(4)を用いる。または、充放電電流指令値換算部に両端電圧値Vcapを入力し、充放電電流指令値換算部内に両端電圧値Vcapの逆数を出力するルックアップテ−ブル等の換算手段を備え、実施の形態1にて説明した式(5)に相当する方法で、除算を省き、蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*を得る方法もある。
本実施の形態の交流モータ駆動システム1cは、実施の形態1の交流モータ駆動システムに比べて正確な蓄電デバイス側充電電流指令値Ia*を得ることができる。そのため、回生時制御部内の充電電流指令値生成部4のPID制御のゲインを増加させることができ、応答性の良い交流モータ駆動システムを得ることができる。
本実施の形態では実施の形態1と比較して説明したが、実施の形態2の交流モータ駆動システムに対して本実施の形態を適用してもよい。実施の形態3の交流モータ駆動システムに対して本実施の形態を適用してもよい。すなわち、本実施の形態にて説明した構成は、実施の形態1〜3と組み合わせることが可能である。
以上のように、本発明にかかる交流モータ駆動システムは、系統電源に接続されて動作する交流モータを含む交流モータ駆動システムに有用である。
1,1a,1b,1c 交流モータ駆動システム、2,2a,2b,2c 充放電制御部、3,3b 回生時制御部、4,4b 充電電流指令値生成部、5 回生時電力補償動作制御部、6,6b 回生時電力/電圧換算部、7 充電電流指令値換算部、8 交流電圧値検出部、9 蓄電デバイス両端電圧値検出部、10 系統電源、11,11a コンバータ、12 直流母線、12a 高電位側直流母線、12b 低電位側直流母線、13 平滑コンデンサ、14 インバータ、15 充放電回路、16 交流モータ、17 蓄電デバイス、18 直流電圧値検出部、19 充放電電流値検出部、21,21b 力行時制御部、22 電流指令値統合部、23 制御信号生成部、45,45a,45b 回生時充電電流指令値抑制部、61 回生時電圧しきい値生成変換部、62 平滑コンデンサ静電容量値格納部、63 回生時電力しきい値格納部、64 比例係数格納部、65 基準交流電圧値格納部、411 第1の減算器、412 第1の乗算器、413 第1の切換器、414 第1のリミッタ、415 第2の切換器、421 第2の乗算器、422 第3の切換器、423 第1の加算器、424 第2のリミッタ、425 第4の切換器、426 第1の遅延器、427 回生時電流指令値積分成分初期値生成部、431 第2の遅延器、432 第2の減算器、433 第3の乗算器、434 第3のリミッタ、435 第5の切換器、441 第2の加算器、442 第4のリミッタ、443 第6の切換器、451 回生終了電圧しきい値格納部、452 回生開始電圧しきい値格納部、453 平滑コンデンサ静電容量値格納部、454 第1の比較器、455 第2の比較器、456 第3の比較器、457 第1の信号発生器、458 計数器、459 発信器、460 T0算出部、461 第4の比較器、462 第2の信号発生器、463 反転器、471 比例係数格納部、472 基準交流電圧値格納部、473,474,475,476 乗算器、477,478 除算器。

Claims (6)

  1. 直流電力を供給するコンバータと、
    前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、
    前記交流電力により駆動される交流モータと、
    前記コンバータの出力側における直流電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、
    前記直流電力を前記直流母線から充電し、且つ充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、
    前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、
    前記蓄電デバイスの充放電電流値を検出する充放電電流値検出手段と、
    前記直流電圧値と前記充放電電流値とに基づいて前記充放電回路を制御するための制御信号を出力する充放電制御手段と、を備え、
    前記交流モータからの前記インバータを介した回生電力が予め定められた電力しきい値を超える場合には、前記充放電制御手段は、前記直流電圧値を前記電力しきい値に応じた電圧しきい値になるように前記蓄電デバイスを充電させ、
    前記回生電力が前記電力しきい値以下である場合には、前記コンバータは、前記直流電圧値が上昇して予め定められた回生開始電圧しきい値に達すると回生動作を行い、前記直流電圧値が下降して予め定められた回生終了電圧しきい値に達すると回生動作を終了し、
    前記コンバータにおける回生動作中の前記直流電圧値の時間平均値が、前記コンバータが電力の供給と回生を実行していない無負荷時の前記直流電圧値より低く、
    前記充放電制御手段は、前記コンバータが回生動作を開始する直流母線電圧値に基づいた電圧しきい値に前記直流母線電圧値が達する周期に基づいた期間だけ、前記蓄電デバイスに充電する電流を一定に保つことを特徴とする交流モータ駆動システム。
  2. 直流電力を供給するコンバータと、
    前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、
    前記交流電力により駆動される交流モータと、
    前記コンバータの出力側における直流電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、
    前記直流電力を前記直流母線から充電し、且つ充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、
    前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、
    前記蓄電デバイスの充放電電流値を検出する充放電電流値検出手段と、
    前記直流電圧値と前記充放電電流値とに基づいて前記充放電回路を制御するための制御信号を出力する充放電制御手段と、を備え、
    前記交流モータからの前記インバータを介した回生電力が予め定められた電力しきい値を超える場合には、前記充放電制御手段は、前記直流電圧値を前記電力しきい値に応じた電圧しきい値になるように前記蓄電デバイスを充電させ、
    前記回生電力が前記電力しきい値以下である場合には、前記コンバータは、前記直流電圧値が上昇して予め定められた回生開始電圧しきい値に達すると回生動作を行い、前記直流電圧値が下降して予め定められた回生終了電圧しきい値に達すると回生動作を終了し、
    前記コンバータにおける回生動作中の前記直流電圧値の時間平均値が、前記コンバータが電力の供給と回生を実行していない無負荷時の前記直流電圧値より低く、
    前記コンバータは、前記直流母線に蓄えられている電力を前記コンバータが実際に回生している期間を示す信号である回生期間フラグを出力し、
    前記回生期間フラグは前記充放電制御手段に入力され、
    前記充放電制御手段は、前記回生期間フラグに基づいた期間だけ、前記蓄電デバイスに充電する電流を一定に保つことを特徴とする交流モータ駆動システム。
  3. 前記コンバータが回生動作を開始する直流母線電圧値に基づいた電圧しきい値に前記直流母線電圧値が達する周期に基づいた前記期間は、
    前記直流母線電圧値が前記回生終了電圧しきい値に達してからの時間が前記電力しきい値に応じた前記電圧しきい値に基づいて予め設定された時間を超えた時刻に開始し、次に前記直流母線電圧値が前記電力しきい値に応じた前記電圧しきい値に達する時刻に終了することを特徴とする請求項に記載の交流モータ駆動システム。
  4. 前記回生フラグに基づいた期間は、
    前記回生期間フラグが電力を回生する期間でないことを示す時間が前記電力しきい値に応じた前記電圧しきい値に基づいて予め設定された時間を超えた時刻に開始し、次に直流母線電圧値が前記電力しきい値に応じた前記電圧しきい値に達する時刻に終了することを特徴とする請求項に記載の交流モータ駆動システム。
  5. 前記コンバータの電源側に接続され、該電源と前記コンバータとの間の電源における線間電圧値を検出する交流電圧値検出手段を有し、
    前記交流電圧値検出手段は、検出した前記電源線間における線間電圧値を前記充放電制御手段へ出力することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の交流モータ駆動システム。
  6. 前記蓄電デバイスの電極両端に接続され、前記蓄電デバイスの両端電圧値を検出する蓄電デバイス両端電圧値検出手段を有し、
    前記蓄電デバイス両端電圧値検出手段は、検出した前記蓄電デバイスの前記両端電圧値を前記充放電制御手段へ出力することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の交流モータ駆動システム。
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