JP2012235594A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012235594A
JP2012235594A JP2011101671A JP2011101671A JP2012235594A JP 2012235594 A JP2012235594 A JP 2012235594A JP 2011101671 A JP2011101671 A JP 2011101671A JP 2011101671 A JP2011101671 A JP 2011101671A JP 2012235594 A JP2012235594 A JP 2012235594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
unit
power
carrier
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011101671A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Kono
雅樹 河野
Nobuki Kitano
伸起 北野
Naoto Kobayashi
直人 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2011101671A priority Critical patent/JP2012235594A/ja
Publication of JP2012235594A publication Critical patent/JP2012235594A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】制御信号のキャリア周期と直流電圧検出値のサンプリングのタイミングが非同期であっても、波形出力タイミング時の直流電圧検出値を推定する。
【解決手段】電力変換装置(10)は、交流電源(19)から供給された交流電力を電力変換し、モータ(18)に供給する本体部(10a)を備えているものを対象とする。本体部(10a)を制御するスイッチング信号をキャリア周期毎に出力する制御回路(17)と、本体部(10a)の直流電圧をキャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期毎に検出する電圧検出部(36)と、今回のキャリア周期以前に電圧検出部(36)においてサンプリング周期毎に少なくとも3回検出された電圧の検出値に基づいて、次回のキャリア周期において制御回路(17)で使用される電圧を推定する電圧推定回路(40)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力された電力をスイッチングして所定の電力に変換するものに関し、特に、出力電圧を補正する手段に係るものである。
従来より、整流回路(コンバータ回路)とインバータ回路を有した電力変換装置には、直流リンク部に比較的大容量の電解コンデンサが用いられていた。
一方、直流リンク部に比較的小容量のコンデンサを設けて直流リンク部の電圧に脈動(リプル)を発生させつつ、電源電圧に同期させて負荷の電流を脈動させることで、入力電流の導通幅を広げて力率改善を実現したものがある(例えば特許文献1を参照)。この電力変換装置では、特許文献2に示すように、直流リンク部の直流電圧を検出し、これと制御演算の結果得られる指令電圧との比に基づいて信号波を算出し、算出した信号波に基づいてPWM制御を行うようにしている。
特開2002−51589号公報 特開昭59−169383号公報 特開2004−147433号公報
しかしながら、例えば単相交流電源の場合、上述した電力変換装置では、直流リンク部の直流電圧が電源の2倍の周波数で脈動する。このため、インバータ回路から出力される電流が直流電圧の脈動に応じて脈動する、いわゆるビート現象が発生していた。
このため、特許文献3に示すような電力変換装置では、前回の直流電圧検出値VDC1および今回の直流電圧検出値VDC2から演算して波形出力タイミング時の直流電圧検出値VDC3を推定するようにしている。
しかしながら、特許文献3に示す電力変換装置では、制御信号のキャリア周期毎に直流電圧検出値をサンプリングしている。このため、制御信号のキャリア周期と直流電圧検出値のサンプリング周期とが異なるような電力変換装置には適用できない。これにより、制御信号のキャリア周期と直流電圧検出部のサンプリング周期とを同期させるために高価なマイコンを使用するなどコストが上がるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、制御信号のキャリア周期と直流電圧検出値のサンプリングのタイミングが非同期であっても、波形出力タイミング時の直流電圧検出値を推定することを目的とする。
第1の発明は、交流電源(19)から供給された交流電力をスイッチングして所定の電圧および周波数の交流電力に電力変換し、負荷(18)に供給する変換部(10a)を備えた電力変換装置であって、上記変換部(10a)を制御するスイッチング信号をキャリア周期毎に出力する制御部(17)と、上記変換部(10a)の電圧を上記キャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期毎に検出する電圧検出部(36)と、今回のキャリア周期を含む以前に上記電圧検出部(36)において少なくとも3回検出された電圧の検出値に基づいて次回のキャリア周期において制御部(17)で使用される電圧を推定する電圧推定部(40)とを備えているものである。
上記第1の発明では、変換部(10a)は、交流電源(19)から供給された交流電力をスイッチング信号に基づいてスイッチングして所定電圧及び所定周波数の交流電力に変換して負荷(18)に供給している。
具体的には、制御部(17)は、変換部(10a)を制御するスイッチング信号をキャリア周期毎に出力する。電圧検出部(36)は、変換部(10a)の電圧をキャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期毎に検出する。電圧推定部(40)は、今回のキャリア周期を含む以前に電圧検出部(36)においてサンプリング周期毎に少なくとも3回検出された電圧の検出値に基づいて、次回のキャリア周期において制御部(17)で使用される電圧を推定する。
制御部(17)は、電圧推定部(40)で推定された電圧に基づいて変換部(10a)にスイッチング信号を出力する。変換部(10a)は、交流電源(19)から供給された交流電力をスイッチング信号に基づいてスイッチングして交流に変換し、負荷(18)に供給する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記変換部(10a)が上記交流電源(19)の交流電圧を全波整流する整流回路(11)と、該整流回路(11)の出力側に並列接続されてスイッチングによる電圧変動を吸収するコンデンサ(21)と、脈動する直流電圧を出力する直流リンク部(12)と、該直流リンク部(12)の直流をスイッチングして交流に変換し、負荷(18)に供給するインバータ回路(14)を備える一方、上記電圧検出部(36)は、上記直流リンク部(12)の出力電圧(Vdc)を上記キャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期毎に検出するよう構成され、上記電圧推定部(40)は、今回のキャリア周期以前に上記電圧検出部(36)においてサンプリング周期毎に少なくとも3回検出された検出値に基づいて、次回のキャリア周期において制御部(17)で使用される直流リンク部(12)の出力電圧(Vdc)を推定するよう構成されているものである。
上記第2の発明では、整流回路(11)は、出力された交流を全波整流する。コンデンサ(21)は、スイッチングに起因する電圧の脈動(リプル)を吸収する。直流リンク部(12)は、交流電圧の脈動(電圧変動)を含んだ直流をインバータ回路(14)に出力する。
電圧検出部(36)は、直流リンク部(12)の出力電圧(Vdc)をキャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期毎に検出する。電圧推定部(40)は、今回のキャリア周期以前に電圧検出部(36)においてサンプリング周期毎に少なくとも3回検出された出力電圧(Vdc)の検出値に基づいて、次回のキャリア周期において制御部(17)で使用される直流リンク部(12)の出力電圧(Vdc)を推定する。
制御部(17)は、電圧推定部(40)で推定された出力電圧(Vdc)に基づいてインバータ回路(14)にスイッチング信号を出力する。インバータ回路(14)は、直流リンク部(12)の直流をスイッチングして交流に変換し、負荷(18)に供給する。
尚、このときインバータ回路(14)では、スイッチングに起因する電圧の脈動(リプル)が発生する。コンデンサ(21)は、整流回路(11)の交流電圧の脈動(リプル)を吸収せず、インバータ回路(14)のスイッチングの脈動(リプル)を吸収する。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記変換部(10a)の脈動成分を検出する脈動検出部(35,36)を備える一方、上記電圧推定部(40)は、上記推定された電圧を上記脈動検出部(35,36)で検出された脈動成分を抑えるように補正する電圧補正部(50)を備えているものである。
上記第3の発明では、脈動検出部(35,36)は、変換部(10a)の脈動成分を検出する。電圧推定部(40)は、脈動検出部(35,36)で検出した変換部(10a)の脈動成分を抑えるように推定された電圧を補正する。制御部(17)は、電圧推定部(40)で補正された電圧に基づいて変換部(10a)にスイッチング信号を出力する。変換部(10a)は、交流電源(19)から供給された交流電力をスイッチング信号に基づいてスイッチングして交流に変換し、負荷(18)に供給する。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか1つにおいて、上記電圧検出部(36)が、上記変換部(10a)の電圧を上記キャリアの1周期以内に3回検出するよう構成されているものである。
上記第4の発明では、電圧検出部(36)は、上記変換部(10a)の電圧を上記キャリアの1周期以内に3回検出するよう構成されている。
上記第1の発明によれば、キャリア周期よりも短周期のサンプリング周期で検出された電圧の検出値に基づいて制御部(17)で使用する電圧を推定するようにしたため、キャリア周期とサンプリング周期とを同期させなくても制御部(17)で使用する電圧を推定することができる。これにより、安価なマイコンなどを使用することができるなど、電力変換装置の構成を簡素化することができるため、電力変換装置のコストを低減することができる。
上記第2の発明によれば、キャリア周期よりも短周期のサンプリング周期で検出された直流電圧(Vdc)の検出値に基づいて制御部(17)で使用する直流電圧(Vdc)を推定するようにしたため、キャリア周期とサンプリング周期とを同期させなくても制御部(17)で使用する直流電圧(Vdc)を推定することができる。これにより、、安価なマイコンなどを使用することができるなど、電力変換装置の構成を簡素化することができるため、電力変換装置のコストを低減することができる。
上記第3の発明によれば、変換部(10a)の脈動成分を検出し、脈動成分を抑えるように推定された電圧を補正するようにしたため、制御部(17)で使用される電圧の精度を高めることができる。
上記第4の発明によれば、1キャリア周期内で3回、変換部(10a)の電圧を検出するようにしたため、制御部(17)で使用される電圧の精度を高めることができる。
本実施形態に係る電力変換装置を示すブロック図である。 本実施形態に係る電力変換装置の一部を拡大したブロック図である。 本実施形態に係る制御回路を示す構成図である。 本実施形態に係る電圧推定回路を示す構成図である。 本実施形態に係るキャリア波と直流電圧検出値とスイッチング信号波形との関係を示す図である。 本実施形態に係る直流電圧の推定手段を示す動作原理図である。 モータの出力電流波形を示すグラフであって、(A)は本実施形態に係るものであり、(B)は従来例に係るものである。 モータ出力電流波形および直流電圧波形を示すグラフであって、(A)は本実施形態に係るものであり、(B)は従来例に係るものである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電力変換装置(10)は、コンバータ回路(11)と、直流リンク部(12)と、リアクタ(13)と、インバータ回路(14)と、電流検出部(35)と、電圧検出部(36)と、電圧推定回路(40)と、制御回路(17)とを有する本体部(10a)を備えている。本体部(10a)は、三相の交流電源(19)から供給された交流の電力を所定の周波数の電力に変換して、モータ(18)に供給するように構成されいる。この本体部(10a)は、本発明に係る変換部を構成し、三相交流電源(19)は、本発明に係る交流電源を構成している。尚、本実施形態のモータ(18)は、突極性を有した三相交流モータであり、空気調和装置の冷媒回路に設けられた圧縮機を駆動するためのものであって、本発明に係る負荷を構成している。
上記コンバータ回路(11)は、交流電源(19)に接続され、交流電源(19)が出力した交流を直流に全波整流するものであって、本発明に係る整流回路を構成している。本実施形態では、図2に示すように、6つのダイオード(20〜20)がブリッジ状に結線されたダイオードブリッジ回路である。これらのダイオードは、交流電源(19)の交流電圧を全波整流して、直流電圧に変換する。
尚、コンバータ回路(11)は、ダイオード整流回路に限られず、ブリッジ整流回路を用いる他励式整流回路やPWM(pulse width modulation:パルス幅変調)制御を行うコンバータを用いた自励式整流回路に構成してもよい。
上記直流リンク部(12)は、コンバータ回路(11)で整流された直流が出力されるものであって、リアクタ(13)とコンデンサ(21)を備えている。コンデンサ(21)は、コンバータ回路(11)の出力側に並列接続され、該コンデンサ(21)の両端に生じた直流電圧(直流リンク部(12)の出力電圧:Vdc)がインバータ回路(14)の入力ノードに接続されている。
上記コンデンサ(21)は、フィルムコンデンサによって構成されている。このコンデンサ(21)は、インバータ回路(14)のスイッチング素子(図示なし)がスイッチング動作する際に、スイッチング周波数に対応して生じる電圧変動(リプル)のみを平滑化可能な静電容量を有している。すなわち、コンデンサ(21)は、コンバータ回路(11)によって整流された電圧(電源電圧に起因する電圧変動)を平滑化するような静電容量を有さない小容量のコンデンサである。そのため、直流リンク部(12)が出力する直流電圧(Vdc)は脈動し、通常の負荷状態における脈動では、最大電圧が最小電圧の2倍以上となる。本実施形態では、交流電源(19)は、単相交流電源なので、直流電圧(Vdc)は、電源周波数(例えば50Hz)の2倍の周波数で脈動する。また、リアクタ(13)のインダクタンスとコンデンサ(21)とは、LCフィルタを構成している。
上記インバータ回路(14)は、入力ノードが直流リンク部(12)のコンデンサ(21)に並列に接続され、直流リンク部(12)の出力をスイッチングして三相交流に変換し、接続されたモータ(18)に供給するようになっている。本実施形態のインバータ回路(14)は、複数のスイッチング素子がブリッジ結線されて構成されている。このインバータ回路(14)は、三相交流をモータ(18)に出力するので、図示はしないが、6個のスイッチング素子を備えている。そして、インバータ回路(14)は、これらのスイッチング素子のオンオフ動作によって、直流リンク部(12)から入力された直流電圧(Vdc)をスイッチングして三相交流電圧に変換し、モータ(18)へ供給する。
上記制御回路(17)は、インバータ回路(14)のスイッチング素子にスイッチング信号を出力し、該インバータ回路(14)を駆動させるものである。制御回路(17)は、モータ(18)の各相(u相、v相、w相)の出力電圧指令値とキャリアとが交差する箇所でスイッチング信号を出力する。尚、本実施形態では、キャリアの1周期Tは、100μsecに設定されている。
制御回路(17)では、入力された推定値V(n+T+k)に応じて、パルス幅変調を行う変調率を補正し、この変調率によってインバータ回路(14)の出力電圧を補正して該出力電圧の脈動を低減させている。制御回路(17)は、図3に示すように、入力された推定値V(n+T+k)を相電圧に相当する値に変換する相電圧変換部(25)と、それを逆数に相当する値に変換する逆数変換部(26)と、周波数指令を設定する周波数指令設定部(27)と、電圧指令を求める値を設定する電圧指令部(28)と、電圧指令部(28)の値と逆数変換部(26)の値とを掛け合わせる乗算部(29a)と、乗算部(29b)と、積分器(30)と、三相電圧指令の正弦波を発生する正弦波発生器(31)と、三相電圧指令の正弦波と変調率を掛け合わせる乗算部(29c)と、PWM制御部(図示なし)とを備えている。
上記電流検出部(35)は、コンバータ回路(11)の出力側の電流である出力電流(idc)を検出するものである。検出される出力電流(idc)は、交流電源(19)の電源周波数の2倍の周波数で脈動する直流電流である。電流検出部(35)で検出された出力電流(idc)は、デジタルデータに変換され、検出値として電圧推定回路(40)に出力される。
上記電圧検出部(36)は、図1に示すように、直流リンク部(12)から出力された直流電圧(Vdc)を所定のサンプリング周期に検出する検出回路であって、本発明に係る電圧検出部を構成している。電圧検出部(36)は、50μsec毎に直流電圧(Vdc)を検出している。電圧検出部(36)で検出された直流電圧(Vdc)は、デジタルデータに変換され、検出値として電圧推定回路(40)に出力される。つまり、電圧検出部(36)は、その電圧検出のサンプリング周期が50μsecに設定されている。尚、電圧検出部(36)のサンプリング周期は、これに限定されず、キャリア周期(100μsec)以下であればよい。また、本実施形態では、電圧検出部(36)は、キャリア周期(100μsec)以内に直流電圧(Vdc)を3回検出するようにしている。上記直流電圧(Vdc)は、本発明に係る電圧を構成している。尚、電圧検出部(36)での検出回数は3回に限られるものではなく、3回以上検出するようにしてもよい。
上記電圧推定回路(40)は、図4に示すように、電圧検出部(36)で検出された直流電圧(Vdc)の検出値に基づいて次回のキャリア周期における直流電圧(Vdc)の値を推定するものであって、本発明に係る電圧推定部を構成している。電圧推定回路(40)は、第1記憶部(41)と、第2記憶部(42)と、ゲイン部(43〜45)と、加算部(46)と、電圧補正部(50)を備えている。電圧推定回路(40)は、直流電圧(Vdc)の検出値である3点を時系列のデータとし、直流電圧(Vdc)の波形を二次関数とおくことによって、次回のキャリア周期における直流電圧(Vdc)を推定するようにしている。これは、図5に示すように、電圧検出部(36)で検出された検出値V(n)は、今回のキャリア周期におけるスイッチング信号には反映されず、1キャリア周期Tだけ遅れて次回のキャリア周期におけるスイッチング信号に反映されるからである。
具体的に、電圧推定回路(40)は、図5および図6に示すように、電圧検出部(36)の今回のサンプリング周期である現在時刻t(n)の検出値をV(n)とし、前回のサンプリング周期である現在時刻t(n)よりもT/2(50μsec)前(tn−1)の検出値をV(n−1)とし、前々回のサンプリング周期である現在時刻t(n)よりもT(100μsec)前(tn−2)の検出値をV(n−2)としている。尚、前々回のサンプリング周期は、前回のキャリア周期と同じタイミングであり、今回のサンプリング周期は、今回のキャリア周期と同じタイミングと同じである。そして、電圧推定部(40)は、V(n)、V(n−1)およびV(n−2)に基づいて、次回のキャリア周期である現在時刻t(n)から1キャリア周期T(100μsec)後の直流電圧V(n+T)を推定している。
上記電圧補正部(50)は、電圧推定回路(40)で推定された直流電圧(Vdc)を脈動成分が抑制されるように補正するものであって、本発明に係る電圧補正部を構成している。電圧補正部(50)は、V(n)と直流電流(idc)から直流リンク部(12)における電力(P)を算出する乗算部(51a)と、所定の周波数以上の成分を除去するLPF(low-pass filter)部(52)と、脈動成分を除去する減算部(53)と、調整係数kを出力するPI制御部(54)と、ゲイン部(55a〜55d)と、定数設定部(56a,56b)と、加算部(57a〜57c)と、乗算部(51b,51c)とを備えて構成されている。
具体的に、電圧補正部(50)では、電圧検出部(36)での検出値V(n)と、電流検出部(35)での検出値idcとから、乗算部(51a)で直流リンク部(12)の電力(P)を算出する。LPF部(52)は、電力(P)から脈動成分のみを抽出する。減算部(53)は、零からLPF部(52)の出力信号を減算した値をPI制御部(54)に出力する。PI制御部(54)は、脈動成分が零になるような調整係数(k)を出力する。この調整係数(k)を用いてゲイン部(55a〜55d)、定数設定部(561,56b)、乗算部(51b,51c)および加算部(57a〜57c)によってV(n+T)を補正してV(n+T+k)を推定する。尚、調整係数(k)は、−T/2<k<T/2の範囲に設定される。本実施形態では、−50<k<50の範囲に設定されている。
上記電圧推定回路(40)における処理動作について説明する。図6に示すように、本実施形態では、上述された電圧推定回路(40)において、次回のキャリア周期である時刻(t+T+k)の直流電圧(Vdc)の推定値V(n+T+k)が推定される。次回のキャリア周期に該当する時刻(t+T)における直流電圧(Vdc)の検出値V(n)、V(n−1)、V(n−2)は以下の数式(1)で表すことができる。
上記数式(1)より、推定値V(n+T+k)は以下の数式(2)のようになる。
電圧推定回路(40)では、図6に示すように、電圧検出部(36)において前回のサンプリング周期に検出された検出値V(n−1)を第1記憶部(41)に記憶し、同じく前々回のサンプリング周期に検出された検出値V(n−2)を第2記憶部(42)に記憶させる。そして、検出値V(n−2)およびV(n−1)と、電圧検出部(36)における今回のサンプリング周期の検出値V(n)とにより、次回のキャリア周期における直流電圧V(n+T)を推定する。
また、電圧推定部(40)では、調整係数(k)によって直流リンク部(12)の電力(P)の脈動成分が零になるように直流電圧V(n+T+k)に補正される。
このようにして導出された直流電圧の推定値V(n+T+k)は、制御回路(17)に入力される。制御回路(17)では、入力された推定値V(n+T+k)に応じて、パルス幅変調を行う変調率を補正し、この変調率によってインバータ回路(14)の出力電圧を補正して該出力電圧の脈動を低減させている。
具体的には、図3に示すように、推定値V(n+T+k)を相電圧変換部(25)に入力し、相電圧変換部(25)は、入力された推定値V(n+T+k)を相電圧に相当する値に変換する。次に、逆数変換部(26)は、変換された相電圧に相当する値を逆数に相当する値に変換する。
一方、周波数指令設定部(27)は、周波数指令を設定する。電圧指令部(28)は、周波数指令設定部(27)で設定された周波数指令に応じて電圧指令を設定する。
そして、乗算部(29a)は、逆数変換部(26)の逆数に相当する値と、電圧指令部(28)の電圧指令を求めた値とを掛け合わせてパルス幅変調を行う変調率を算出する。
また、積分器(30)は、周波数指令設定部(27)で設定された周波数指令に応じて、乗算部(29b)で2πを掛けた値を積分して位相を求める。そして、正弦波発生器(31)は、積分器(30)で求めた位相に応じて三相電圧指令の正弦波を作成する。乗算部(29c)は、作成された三相電圧指令正弦波と算出した変調率を掛け合わせる。そして、三相電圧指令正弦波と変調率とを掛け合わせた値である出力電圧指令値をPWM制御部に出力する。このPWM制御部からインバータ回路(14)のスイッチング素子にスイッチング信号を出力し、該インバータ回路(14)を駆動させることによりインバータ回路(14)の出力電流のビート現象が抑制される。尚、本実施形態では、一例として上述した構成の制御回路(17)を示したが、ベクトル制御など高性能な他の方法による出力電圧制御手段を用いても同様の効果を得ることができる。
次に、本実施形態を適用した場合の試験について説明する。この試験では、6kWの同期機を負荷として用いている。
図7(A)は、本実施形態の直流電圧の推定値V(n+T+k)を適用したときの出力電流波形であり、図7(B)は、従来例に係る出力電流波形である。図7の(A)と(B)とを比較すると、本実施形態の出力電圧波形は、従来よりも脈動が低減されている。
また、図8(A)は、本実施形態の直流電圧の推定値V(n+T+k)を適用したときのモータ電流および直流電圧であり、図8(B)は、従来例に係るモータ電流および直流電圧である。図8の(A)と(B)とを比較すると、本実施形態の直流電圧は、従来よりも脈動が低減され、直流電圧のピークが小さくなっている。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、キャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期で検出された直流電圧(Vdc)の検出値に基づいて制御回路(17)で使用する直流電圧(Vdc)を推定するようにしたため、キャリア周期とサンプリング周期とを同期させなくても制御回路(17)で使用する直流電圧(Vdc)を推定することができる。これにより、安価なマイコンなどを使用することができるなど、電力変換装置(10)の構成を簡素化することができるため、電力変換装置(10)のコストを低減することができる。
また、本体部(10a)の脈動成分である直流リンク部(12)の電力を検出し、この電力脈動成分を抑えるように推定された電圧を補正するようにしたため、制御回路(17)で使用される電圧の精度を高めることができる。
また、1キャリア周期T内で3回、本体部(10a)の電圧を検出するようにしたため、制御回路(17)で使用される電圧の精度を高めることができる。
さらに、リアクタ(13)のインダクタンスとコンデンサ(21)とで構成されるLCフィルタにより、直流電圧の脈動を低減することができる。つまり、直流側にインダクタンスがないような従来の電力変換装置では、直流側のコンデンサとインダクタンスとの共振によって直流電圧の脈動を低減することができない。しかしながら、本実施形態では、LCフィルタにより直流電圧の脈動を低減することができるため、脈動成分を考慮する必要がない。これにより、コンデンサ(21)の静電容量を低下させることができる。また、制御の安定性を向上させることができる。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、負荷として三相交流モータであるモータ(18)を用いたが、本発明はこれに限られず、その他の交流回転機、誘導機や同期機が負荷を構成してもよい。
また、上記実施形態では、交流電源として三相交流電源(19)を用いたが、本発明はこれに限られず、単相交流電源を用いてもよい。
また、上記実施形態では、フィルムコンデンサを用いてコンデンサ(21)を構成したが、本発明はこれに限られず、比較的大容量の電解コンデンサを用いてもよい。
また、本実施形態では、調整係数(k)は、直流リンク部(12)の電力を脈動成分としたが、本発明はこれに限られず、交流側の電力、トルク、電流、電圧又は速度の何れか1つの脈動成分を使用すればよいし、これら以外の脈動成分を使用してもよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、電力変換装置について有用である。
10a 本体部
11 コンバータ回路
12 直流リンク部
14 インバータ回路
17 制御回路
18 モータ
19 三相交流電源
21 コンデンサ
35 電流検出部
36 電圧検出部
40 電圧推定回路
50 電圧補正部

Claims (4)

  1. 交流電源(19)から供給された交流電力をスイッチングして所定の電圧および周波数の交流電力に電力変換し、負荷(18)に供給する変換部(10a)を備えた電力変換装置であって、
    上記変換部(10a)を制御するスイッチング信号をキャリア周期毎に出力する制御部(17)と、
    上記変換部(10a)の電圧を上記キャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期毎に検出する電圧検出部(36)と、
    今回のキャリア周期を含む以前に上記電圧検出部(36)において少なくとも3回検出された電圧の検出値に基づいて、次回のキャリア周期において制御部(17)で使用される電圧を推定する電圧推定部(40)とを備えている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、
    上記変換部(10a)は、上記交流電源(19)の交流電圧を全波整流する整流回路(11)と、該整流回路(11)の出力側に並列接続されてスイッチングによる電圧変動を吸収するコンデンサ(21)と、脈動する直流電圧を出力する直流リンク部(12)と、該直流リンク部(12)の直流をスイッチングして交流に変換し、負荷(18)に供給するインバータ回路(14)を備える一方、
    上記電圧検出部(36)は、上記直流リンク部(12)の出力電圧(Vdc)を上記キャリア周期よりも短い周期のサンプリング周期毎に検出するよう構成され、
    上記電圧推定部(40)は、今回のキャリア周期以前に上記電圧検出部(36)においてサンプリング周期毎に少なくとも3回検出された検出値に基づいて、次回のキャリア周期において制御部(17)で使用される直流リンク部(12)の出力電圧(Vdc)を推定するよう構成されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記変換部(10a)の脈動成分を検出する脈動検出部(35,36)を備える一方、
    上記電圧推定部(40)は、上記推定された電圧を上記脈動検出部(35,36)で検出された脈動成分を抑えるように補正する電圧補正部(50)を備えている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1つにおいて、
    上記電圧検出部(36)は、上記変換部(10a)の電圧を上記キャリアの1周期以内に3回検出するよう構成されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
JP2011101671A 2011-04-28 2011-04-28 電力変換装置 Pending JP2012235594A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011101671A JP2012235594A (ja) 2011-04-28 2011-04-28 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011101671A JP2012235594A (ja) 2011-04-28 2011-04-28 電力変換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012235594A true JP2012235594A (ja) 2012-11-29

Family

ID=47435375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011101671A Pending JP2012235594A (ja) 2011-04-28 2011-04-28 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012235594A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020150693A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 富士電機株式会社 電力変換装置
CN113508520A (zh) * 2019-03-11 2021-10-15 三菱电机株式会社 转换器装置、马达驱动装置以及空气调节机
JP7366571B2 (ja) 2019-04-02 2023-10-23 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 寿命予測装置、空調システム、寿命予測方法及びプログラム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004147433A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Daikin Ind Ltd インバータ出力電圧補正方法およびその装置
WO2008047479A1 (fr) * 2006-10-19 2008-04-24 Mitsubishi Electric Corporation Dispositif de conversion de puissance

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004147433A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Daikin Ind Ltd インバータ出力電圧補正方法およびその装置
WO2008047479A1 (fr) * 2006-10-19 2008-04-24 Mitsubishi Electric Corporation Dispositif de conversion de puissance

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113508520A (zh) * 2019-03-11 2021-10-15 三菱电机株式会社 转换器装置、马达驱动装置以及空气调节机
JP2020150693A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 富士電機株式会社 電力変換装置
JP7293744B2 (ja) 2019-03-14 2023-06-20 富士電機株式会社 電力変換装置
JP7366571B2 (ja) 2019-04-02 2023-10-23 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 寿命予測装置、空調システム、寿命予測方法及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101995864B1 (ko) 인버터 제어장치 및 그 제어방법
JP5826440B1 (ja) 交流モータ駆動システム
JP5084737B2 (ja) 電力変換装置
JP5850117B2 (ja) 電力変換装置
JP4971750B2 (ja) 電源回路、及びこれに用いる制御回路
JP5212491B2 (ja) 電力変換装置
JP6503277B2 (ja) 制御器および交流電動機駆動装置
EP2667501B1 (en) Power conversion apparatus
CN109546913B (zh) 一种电容小型化电机驱动装置
EP3522363B1 (en) Control device for power converter
WO2015194493A1 (ja) 電力変換制御装置
JP2019176680A (ja) 電力変換装置
JP2012235594A (ja) 電力変換装置
JP5910055B2 (ja) 電力変換装置
CN109660183B (zh) 一种电容小型化电机驱动装置
JP2005304248A (ja) モータ駆動用インバータ制御装置および電気機器
JP2012151968A (ja) 電力変換装置
WO2022075424A1 (ja) 電力変換装置
KR101911267B1 (ko) 전력 변환 장치 및 이를 포함하는 공기 조화기
JPH10313576A (ja) 空気調和装置におけるインバータ装置
WO2023073870A1 (ja) 電力変換装置、モータ駆動装置および冷凍サイクル適用機器
JP5793005B2 (ja) 電力変換装置及びその制御装置
JP5664263B2 (ja) 電力変換装置
KR101878146B1 (ko) 전력 변환 장치 및 이를 포함하는 공기 조화기
JP2004248395A (ja) モータ駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140116

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20140226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141007

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150217