JP5825610B2 - 架橋ゴムの表面に塗膜が形成された成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(EPDMシートの作製)
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(EPDM)100重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、カーボンブラック120重量部、プロセスオイル50重量部、加硫促進剤1.5重量部及び硫黄1.5重量部をミキサー及びロールで混練してから、シート形状に成形した後に、160℃で10分間加硫して、厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。これを70mm×100mmの寸法に切り出して長方形の架橋EPDMシートを得た。得られた架橋EPDMシートのA硬度は70度であった。
旭化成ケミカルズ株式会社製の無水マレイン酸で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックM1913』5gをトルエン100ccに溶解させた。さらに酸化チタン2g及びキナクリドン顔料2gを添加、攪拌し分散させ塗料A−1を作製した。ここで『タフテックM1913』において、スチレン含有量は30重量%であり、MFRは5.0g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は84度であり、無水マレイン酸の含有量を示す酸価[mgCH3ONa/g]は10であり、無水マレイン酸の含有量は1.8重量%である。
上記方法で作製した架橋EPDMシートの表面をアセトンで拭い表面を洗浄した。その後、塗料A−1に浸漬してから引き上げ、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料の塗膜は約30μmであった。得られた試料を以下の方法で評価した。
JIS K 5600−5−6(塗膜の機械的性質−付着性 クロスカット法)による。カッターナイフを用い、ゴムシート上の塗膜を貫通してゴム素地に達する切り傷を、1mm間隔で碁盤目状に(10×10)付けた。この碁盤目の上にセロハン粘着テープを気泡等が入らないように貼り、指先でこすって塗膜に密着させた後、塗装面に対して45度方向にテープを素早く引っ張って剥がした。その後、塗膜の剥離状況を観察した。結果は、「塗膜残り目数/100」で表した。このとき、各碁盤目で区切られた塗膜の面積の内、5%以上剥れている場合を剥れとみなした。結果を表1に示す。
[密着性碁盤目試験]と同様の方法により、セロハン粘着テープによる剥離試験を繰り返し行った。剥離を10回、30回、50回行った時の結果を、それぞれ「塗膜残り目数/100」で表した。このとき、各碁盤目で区切られた塗膜の面積の内、5%以上剥れている場合を剥れとみなした。結果を表2に示す。
(天然ゴムシートの作製)
天然ゴム(NR)100重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、カーボンブラック50重量部、加硫促進剤1重量部及び硫黄2.5重量部を混練し、実施例1aと同様の方法で長方形の架橋天然ゴムシートを得た。得られた架橋天然ゴムシートのA硬度は63度であった。
上記方法で作製した架橋天然ゴムシートの表面をアセトンで拭い表面を洗浄した。その後、実施例1aと同様に塗料A−1に浸漬してから引き上げ、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料の塗膜は約30μmであった。得られた試料の密着性碁盤目試験の結果を表1に示す。
(スチレンブタジエンゴムシートの作製)
スチレンブタジエンゴム(SBR)100重量部、酸化亜鉛3重量部、ステアリン酸1重量部、カーボンブラック50重量部、加硫促進剤1重量部及び硫黄1.75重量部を混練し、実施例1aと同様の方法で長方形の架橋スチレンブタジエンゴムシートを得た。得られた架橋スチレンブタジエンゴムシートのA硬度は64度であった。
上記方法で作製した架橋スチレンブタジエンゴムシートの表面をアセトンで拭い表面を洗浄した。その後、実施例1aと同様に塗料A−1に浸漬してから引き上げ、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料の塗膜は約30μmであった。得られた試料の密着性碁盤目試験の結果を表1に示す。
(塗料B−1の作製)
旭化成ケミカルズ株式会社製スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックH1062』5gをトルエン100ccに溶解させた。さらに酸化チタン2g及びキナクリドン顔料2gを添加、攪拌し分散させ塗料B−1を作製した。ここで『タフテックH1062』は、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物で変性されていない。『タフテックH1062』において、スチレン含有量は18重量%であり、MFRは4.5g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は67度である。
実施例1aで作製した架橋EPDMシートの表面をアセトンで拭い表面を洗浄した。その後、塗料B−1に浸漬してから引き上げ、室温にて静置、乾燥した。得られた試料の塗膜は約30μmであった。得られた試料の密着性碁盤目試験の結果を表1に、繰り返し密着試験の結果を表2に示す。
実施例2aで作製した架橋天然ゴムシートの表面をアセトンで拭い表面を洗浄した。その後、比較例1aと同様に塗料B−1に浸漬してから引き上げ、室温にて静置、乾燥した。得られた試料の塗膜は約30μmであった。得られた試料の密着性碁盤目試験の結果を表1に示す。
実施例3aで作製した架橋スチレンブタジエンゴムシートの表面をアセトンで拭い表面を洗浄した。その後、比較例1aと同様に塗料B−1に浸漬してから引き上げ、室温にて静置、乾燥した。得られた試料の塗膜は約30μmであった。得られた試料の密着性碁盤目試験の結果を表1に示す。
旭化成ケミカルズ株式会社製無水マレイン酸で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックM1913』(スチレン含有量は30重量%であり、MFRは5.0g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は84度であり、無水マレイン酸の含有量を示す酸価[mgCH3ONa/g]は10であり、無水マレイン酸の含有量は1.8重量%である)5gをトルエン100ccに溶解させた。さらに酸化チタン2gを添加、攪拌し分散させ、攪拌停止15時間後の状態を目視で確認した。攪拌停止15時間後も、顔料が分散された状態で、顔料の凝集は見られなかった。
コニカミノルタ製CR−300色彩色差計にて、室温、蛍光灯下で測定した。測定結果は、同一試料の5箇所の測定値の平均値を用いた。
旭化成ケミカルズ株式会社製無水マレイン酸で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックM1943』(スチレン含有量は20重量%であり、MFRは8.0g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は67であり、無水マレイン酸の含有量を示す酸価[mgCH3ONa/g]は10であり、無水マレイン酸の含有量は1.8重量%である)5gをトルエン100ccに溶解させた。さらに酸化チタン2gを添加、攪拌し分散させ、攪拌停止15時間後の状態を目視で確認した。攪拌停止15時間後も、顔料が分散された状態で、顔料の凝集は見られなかった。
旭化成ケミカルズ株式会社製スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックH1041』(スチレン含有量は30重量%であり、MFRは5.0g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は84である)5gをトルエン100ccに溶解させた。さらに酸化チタン2gを添加、攪拌し分散させ、攪拌停止15時間後の状態を目視で確認した。攪拌停止15時間後では、顔料が凝集し、沈殿がみられた。
旭化成ケミカルズ株式会社製スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックH1062』(スチレン含有量は18重量%であり、MFRは4.5g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度67である)5gをトルエン100ccに溶解させた。さらに酸化チタン2gを添加、攪拌し分散させ、攪拌停止15時間後の状態を目視で確認した。攪拌停止15時間後では、顔料が凝集し、沈殿がみられた。
旭化成ケミカルズ株式会社製無水マレイン酸で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックM1913』5gをトルエン100ccに溶解させた。さらにアルミニウムフレーク0.9g及び『Pigment Red 264』0.45gを添加、攪拌し分散させ塗料C−1を作製した。ここで『タフテックM1913』において、スチレン含有量は30重量%であり、MFRは5.0g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は84度であり、無水マレイン酸の含有量を示す酸価[mgCH3ONa/g]は10であり、無水マレイン酸の含有量は1.8重量%である。
実施例1aで作製した架橋EPDMシートの表面をアセトンで拭い表面を洗浄した。その後、塗料C−1に浸漬してから引き上げ、室温にて静置、乾燥した。得られた試料の塗膜は約20μmであった。
(EPDMシートの作製)
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(EPDM)100重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、カーボンブラック80重量部、プロセスオイル50重量部、加硫促進剤1.5重量部及び硫黄1.5重量部をミキサー及びロールで混練してから、シート形状に成形した後に、160℃で10分間加硫して、厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。これを25mm×220mmの寸法に切り出して長方形の架橋EPDMシートを得た。得られた架橋EPDMシートのA硬度は65度であった。後述する追従性試験では、同じくシートからダンベル状1号形片を採取した。
旭化成ケミカルズ株式会社製の無水マレイン酸で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックM1913』100gをトルエン1600gに溶解させた。さらにアルミニウムフレーク18g及び顔料『Pigment Red 264』9gを添加、攪拌し分散させ塗料A−2を作製した。ここで『タフテックM1913』において、スチレン含有量は30重量%であり、MFRは5.0g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は84度であり、無水マレイン酸の含有量を示す酸価[mgCH3ONa/g]は10であり、無水マレイン酸の含有量は1.8重量%である。
エムシー工業株式会社製の溶剤含有イソシアネート基末端ポリウレタン樹脂『タケネートF707N』100gをポリウレタン樹脂用シンナー100gに溶解させた。さらにエムシー工業株式会社製の硬化促進剤『フォーメート S-9』2gを添加、攪拌し上塗り塗料C−2を作製した。
上記方法で作製した架橋EPDMシートとダンベル片の表面をトルエンで拭い表面を洗浄した。その後、塗料A−2をエアースプレー塗布し、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料の塗膜の厚みは約20μmであった。さらに、上塗り塗料C−2をエアースプレー塗布し、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料におけるポリウレタン皮膜の厚みは約30μmであった。得られた試料を以下の方法で評価した。
摩擦堅牢度試験機にて白綿布はJIS L0803準拠の綿3−1号を用い、おもり重量1000g、摩擦速度は30回/min、試験環境温度は23℃で行った。塗膜が摩耗し、ゴムの素地が現れた時点で試験を終了した。耐摩耗性試験における試験上限回数を1万回とした。結果を表4に示す。
実施例1aと同様の方法により、密着性碁盤目試験と繰り返し密着試験を行った。得られた結果を表4に示す。
塗料を塗布したダンベル片(標線間40mm)を精密万能試験機にて10mm/minの速度で引張り、塗膜の状態を観察した。塗膜に破れが発生するまで行い、その時の伸度、塗膜の剥離状態の程度で評価した。結果を表4に示す。
上塗り塗料の塗布性を塗布後のつやの差異、つやむらの程度、厚さのむら、しわ、つぶ、くぼみ、流れ、はじき、泡、膨れ、割れ、はがれ、白化などの外観状態で評価した。結果を表4に示す。表4において、外観状態が良好であった場合を「a」、大きなはじきなどで外観状態が良好ではなかった場合を「b」と評価した。
(塗料B−2の作製)
旭化成ケミカルズ株式会社製スチレン−ジエンブロック共重合体水添物『タフテックH1041』100gをトルエン1600gに溶解させた。さらにアルミニウムフレーク18g及び顔料『Pigment Red 264』9gを添加、攪拌し分散させ塗料B−2を作製した。ここで『タフテックH1041』は、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物で変性されていない。『タフテックH1041』において、スチレン含有量は30重量%であり、MFRは5.0g/10min[230℃、2.16kgf]であり、A硬度は84度である。
実施例1bで作製した架橋EPDMシートとダンベル片の表面をトルエンで拭い表面を洗浄した。その後、塗料B−2をエアースプレー塗布し、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料の塗膜の厚みは約20μmであった。さらに、上塗り塗料C−2をエアースプレー塗布し、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料におけるポリウレタン皮膜の厚みは約30μmであった。得られた試料を実施例1bと同様の方法で評価した。
実施例1bで作製した架橋EPDMシートとダンベル片の表面をトルエンで拭い表面を洗浄した。そして、上塗り塗料C−2をエアースプレー塗布し、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料におけるポリウレタン皮膜の厚みは約30μmであった。得られた試料を実施例1bと同様の方法で評価した。
(上塗り塗料D−2の作製)
大橋化学工業株式会社製のアクリル塗料『ポリナールNo.500 11 クリヤー』100gを大橋化学工業株式会社製の合成樹脂塗料用シンナー『No.5600』100gに溶解させた。そして、攪拌し上塗り塗料D−2を作製した。
実施例1bで作製した架橋EPDMシートとダンベル片の表面をトルエンで拭い表面を洗浄した。その後、塗料A−2をエアースプレー塗布し、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料の塗膜の厚みは約20μmであった。さらに、上塗り塗料B−2をエアースプレー塗布し、フラッシュアウトで10min室温にて静置した後、60℃で20minの乾燥をした。得られた試料の塗膜は約30μmであった。得られた試料を実施例1bと同様の方法で評価した。
実施例1bで作製した架橋EPDMシートとダンベル片の表面をトルエンで拭い表面を洗浄した。そして、上塗り塗料D−2をエアースプレー塗布し、フラッシュアウトで10min室温にて静置した後、60℃で20minの乾燥をした。得られた試料におけるポリウレタン皮膜の厚みは約30μmであった。得られた試料を実施例1bと同様の方法で評価した。
実施例1bで作製した架橋EPDMシートとダンベル片の表面をトルエンで拭い表面を洗浄した。そして、塗料A−2をエアースプレー塗布し、室温にて静置して、乾燥した。得られた試料の塗膜の厚みは約20μmであった。得られた試料を実施例1bと同様の方法で評価した。
Claims (4)
- 架橋ゴムの表面に、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物及び顔料を含有する塗膜が形成され、前記塗膜の表面に、さらにポリウレタン皮膜が形成されてなる成形品。
- 前記塗膜において、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物100重量部に対して、顔料1〜200重量部を含有する請求項1記載の成形品。
- 前記架橋ゴムがオレフィン系ゴム又はジエン系ゴムである請求項1又は2記載の成形品。
- 不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物で変性された変性スチレン−ジエンブロック共重合体水添物100重量部、液状媒体50〜10000重量部及び顔料1〜200重量部を含有する塗料を架橋ゴムの表面に塗布し、液状媒体を除去して塗膜を形成した後に、該塗膜の表面にポリウレタン塗料を塗布してポリウレタン皮膜を形成することを特徴とする成形品の製造方法。
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