JP5825245B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムの技術に関する。
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。燃料電池システムは、例えば自動車の動力源として利用される。燃料電池システムは、常圧(大気圧)よりも高い圧力で燃料ガスを貯蔵するタンクを備える。従来、燃料ガスのタンク内の残量を検出するために、圧力脈動の状態を利用する技術が知られている(例えば、特許文献1)。圧力脈動の状態は、流量調整弁よりも下流側に配置された圧力センサで検出される。
特開2006−156110号公報 特開2009−123592号公報 特開2007−051675号公報
しかしながら、圧力脈動の状態に基づいてタンク内の燃料ガス残量を検出する場合、圧力脈動を抑制するための対策が取りにくい。このため、圧力脈動によって燃料電池の発電性能や耐久性が低下する場合がある。さらに、比較的大きな圧力脈動を許容せざるを得ないため、燃料電池を構成する部材(例えば、電解質膜)が圧力脈動に耐え得る性能を有する必要がある。また、圧力脈動を検出する機構の下流側に圧力脈動を減衰させる機構を設けることも考えられるが、減衰させる機構を設けることで燃料電池システムのコストが上昇するという問題が生じる。
また、流量調整弁とタンクとの間に位置する流路に高圧センサを配置し、高圧センサの検出圧力値によってタンク内の燃料ガス残量を検出する方法も考えられる。しかしながら、高圧センサの検出範囲は広範囲にわたる。よって、広範囲にわたって検出精度を高めるためには高価な高圧センサが必要となり、燃料電池システムのコストが上昇する問題が生じる。
上記のように、燃料電池システムにおいて、コストを抑えつつ燃料ガス残量を精度良く検出する技術が望まれている。また、燃料電池システムにおいて、発電性能の向上や、耐久性の向上、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]
常圧よりも高い圧力で燃料ガスが貯留されたタンクから供給される前記燃料ガスを減圧弁によって所定範囲の圧力に調整して燃料電池に供給する燃料電池システムであって、
前記減圧弁が配置され、前記タンク内の前記燃料ガスを前記燃料電池に流通させるガス流路と、
前記ガス流路のうち前記減圧弁よりも下流側に配置された第1の圧力センサと、
前記燃料電池の発電電流値を検出するための電流センサと、
前記燃料電池システムを制御するための制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1の圧力センサによって出力される信号を第1の検出圧力値として検出し、
検出した前記第1の検出圧力値の圧力勾配を算出し、
前記算出した圧力勾配が上昇勾配である場合に、前記上昇勾配を利用して前記タンク内の前記燃料ガスの残量を検出し、
前記圧力勾配が下降勾配である場合に、前記下降勾配を利用して前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量を算出し、
前記電流センサによって出力される信号を発電電流値として検出し、
前記発電電流値を利用して前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量を算出し、
前記下降勾配を利用して算出した前記燃料ガスの消費量と、前記発電電流値を利用して算出した前記燃料ガスの消費量との差分値を、前記燃料電池の発電に用いられなかった漏洩ガス量として算出し、
所定の時間間隔ごとに、前記漏洩ガス量を算出し、
前記所定の時間間隔ごとに算出した前記漏洩ガス量に基づいて、補正後漏洩ガス量を算出し、
N回目(Nは2以上の整数)の前記補正後漏洩ガス量は、N回目ごとに算出した前記漏洩ガス量の移動平均値であり、
前記移動平均値で用いる重み係数は、前記発電電流値が第1の値の場合と、前記発電電流値が前記第1の値よりも大きい第2の値の場合とでは、前記第1の値の場合の方が大きい、燃料電池システム。
この形態によれば、重み係数を用いると共に、発電電流値が第2の値の場合に比べ、第2の値の場合よりも小さい第1の値の場合の重み係数を大きくすることで漏洩ガス量を精度良く算出できる。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、常圧よりも高い圧力で燃料ガスが貯留されたタンクから供給される前記燃料ガスを減圧弁によって所定範囲の圧力に調整して燃料電池に供給する。また、この燃料電池システムは、前記減圧弁が配置され、前記タンク内の前記燃料ガスを前記燃料電池に流通させるガス流路と、前記ガス流路のうち前記減圧弁よりも下流側に配置された第1の圧力センサと、前記燃料電池システムを制御するための制御部と、を備える。前記制御部は、前記第1の圧力センサによって出力される信号を第1の検出圧力値として検出し、検出した前記第1の検出圧力値の圧力勾配を算出し、前記算出した圧力勾配が上昇勾配である場合に、前記上昇勾配を利用して前記タンク内の前記燃料ガスの残量を検出する。この形態の燃料電池システムによれば、減圧弁よりも下流側に配置された第1の圧力センサを用いて算出した上昇勾配を利用して燃料ガスの残量を検出できる。すなわち、タンク内の圧力を検出する圧力センサ(以下、「第2の圧力センサ」とも呼ぶ。)よりも相対的に低圧の測定レンジを有する第1の圧力センサを利用してタンク内の燃料ガス残量を検出できる。
(2)上記形態の燃料電池システムであって、前記制御部は、前記上昇勾配が大きい程、前記タンク内の燃料ガスの残量が大きくなる関係に基づいて、前記タンク内の前記燃料ガスの残量を検出する、燃料電池システム。
タンク内の燃料ガス残量が大きくタンク内の圧力が高くなる程、減圧弁が開状態のときの減圧弁よりも下流側の圧力の上昇勾配が大きくなる。例えば、燃料ガスが水素である場合、ガス流路うち、減圧弁の上流側に位置する上流側部分(高圧側)の圧力が、減圧弁の下流側に位置する下流側部分(低圧側)の圧力の2倍よりも大きくなると、高圧側の圧力と低圧側の上昇勾配とは比例関係になることが知られている。
すなわち、この形態の燃料電池システムによれば、上昇勾配が大きい程、燃料ガスの残量が大きくなる関係(以下、「第1の関係」とも呼ぶ。)を用いて、制御部が第1の圧力センサによって検出した第1の検出圧力値をもとに燃料ガスの残量を容易に算出できる。
ここで、流体である反応ガスがガス流路を流通する際には、圧力損失を伴うことになる。よって、燃料ガスの残量をより精度良く算出するために以下の形態を採用することがより好ましい。すなわち、実機に基づく実験をもとに作製した第1の関係を表すマップや演算式などのプログラムを燃料電池システムに記憶させておき、このプログラムを用いて制御部が燃料ガスの残量を算出する。
(3)上記形態の燃料電池システムであって、前記制御部は、前記圧力勾配が下降勾配である場合に、前記下降勾配を利用して前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量を算出する、燃料電池システム。
下流側部分に滞留する燃料ガスの容積と圧力とは一定の関係がある。すなわち、下流側部分に滞留する燃料ガスの容積が減少すれば、下流側部分の圧力も低下する。この形態の燃料電池システムによれば、下流側部分に配置された第1の圧力センサを用いて算出した下降勾配を利用して燃料電池による燃料ガスの消費量を算出できる。
(4)上記形態の燃料電池システムであって、前記制御部は、前記下降勾配が大きい程、前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量が大きくなる関係に基づいて、前記燃料ガスの消費量を算出する、燃料電池システム。この形態の燃料電池システムによれば、上記形態(3)に記載の一定の関係を表すマップや演算式などのプログラムを燃料電池システムに記憶させておくことで、このプログラムを用いて制御部が燃料ガスの消費量を容易に算出できる。
(5)上記形態の燃料電池システムであって、前記燃料電池の発電電流値を検出するための電流センサを有し、前記制御部は、前記電流センサによって出力される信号を発電電流値として検出し、前記発電電流値を利用して前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量を算出し、前記下降勾配を利用して算出した前記燃料ガスの消費量と、前記発電電流値を利用して算出した前記燃料ガスの消費量との差分値を、前記燃料電池の発電に用いられなかった漏洩ガス量として算出する、燃料電池システム。この形態の燃料電池システムによれば、差分値を算出することで漏洩ガス量を算出できる。漏洩ガス量を算出することで、例えば、異常発生の有無を報知できたり等の燃料電池システムをより適切に運転制御できる。ここで、発電に用いられなかった漏洩ガスの発生原因としては、例えば燃料ガスがアノードで反応することなく電解質膜を通過するいわゆるクロスオーバー現象や、例えばガス流路に亀裂が生じた場合に亀裂から外部に漏れ出す現象や、燃料電池システム5を停止する際に、燃料ガス供給配管70等を燃料ガスでパージする制御が挙げられる。
(6)上記形態の燃料電池システムであって、前記制御部は、所定の時間間隔ごとに、前記漏洩ガス量を算出し、前記所定の時間間隔ごとに算出した前記漏洩ガス量に基づいて、補正後漏洩ガス量を算出し、N回目(Nは2以上の整数)の前記補正後漏洩ガス量は、N回目ごとに算出した前記漏洩ガス量の移動平均値であり、前記移動平均値で用いる重み係数は、前記発電電流値が第1の値の場合と、前記発電電流値が前記第1の値よりも大きい第2の値の場合とでは、前記第1の値の場合の方が大きい、燃料電池システム。この形態の燃料電池システムによれば、重み係数を用いると共に、発電電流値が第2の値の場合に比べ、第2の値の場合よりも小さい第1の値の場合の重み係数を大きくすることで漏洩ガス量を精度良く算出できる。
(7)上記形態の燃料電池システムであって、前記制御部は、前記発電電流値を利用して算出した前記燃料ガスの消費量を、前記補正後漏洩ガス量を用いて補正することで補正後燃料ガス消費量を算出する、燃料電池システム。この形態の燃料電池システムによれば、漏洩ガス量も考慮に入れることでタンク内の燃料ガスの消費量をより精度良く検出できる。
(8)上記形態の燃料電池システムであって、さらに、前記ガス流路のうち前記減圧弁よりも上流側に配置され、前記第1の圧力センサよりも高い圧力を検出できる第2の圧力センサを有し、前記制御部は、前記第2の圧力センサによって出力される信号を第2の検出圧力値として検出し、前記第2の検出圧力値を、前記第1の圧力センサによって検出した第1の検出圧力値を用いて補正処理する、燃料電池システム。
高圧側に配置される第2の圧力センサは、燃料ガスの圧力の影響を受けて出力特性にドリフトが発生することで検出精度が低下する場合がある。この形態の燃料電池システムによれば、第2の圧力センサによる第2の検出圧力値を第1の圧力センサによる圧力値を用いて補正処理することで、高圧側に位置するタンク内の圧力を精度良く検出することができる。
(9)上記形態の燃料電池システムであって、前記制御部は、前記上昇勾配が予め定めた所定値よりも小さいと判定した場合に、前記補正処理を実行する、燃料電池システム。
上昇勾配が所定値よりも小さくなった状態では、ドリフトによる変動が大きく第2の圧力センサの出力信号に影響を与えることで第2の圧力センサの検出精度がより顕著に低下する。この形態の燃料電池システムによれば、上昇勾配が所定値よりも小さくなった場合に、補正処理を行うことから、高圧側に位置するタンク内の圧力を精度良く検出できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムの制御方法、制御方法を実行するためのプログラム等の態様で実現することができる。
燃料電池システムを説明するための図である。 下流側供給配管内の圧力推移を表す概念図である。 制御部に記憶されたデータについて説明するための図である。 制御部に記憶されたデータについて説明するための図である。 制御部に記憶されたデータについて説明するための図である。 制御部が行う制御ルーチンを説明するための図である。 制御部が行う制御ルーチンを説明するための図である。 制御部が行う制御ルーチンを説明するための図である。 制御部が行う制御ルーチンを説明するための図である。 制御部が行う制御ルーチンを説明するための図である。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.変形例:
A.第1実施形態:
A−1:燃料電池システムの構成:
図1は、燃料電池システム5を説明するための図である。燃料電池システム5は、燃料電池自動車の車載発電システムや、船舶、航空機、電車、歩行ロボットなどの移動体用の発電システムに用いることができる。また、燃料電池システム5は、移動体用に限らず、建物(住宅、ビルなど)用の発電システムとして用いられる定置用発電システムにも用いることができる。以下では、燃料電池システム5が自動車に搭載される例を用いて実施形態を説明する。
燃料電池システム5は、燃料電池10と、燃料ガス給排系32と、酸化剤ガス給排系85と、制御部90と、電流センサ20と、を備える。
燃料電池10は、反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)の供給を受けて発電する単電池を複数積層したスタック構造を有している。燃料電池10により発生した電力は、自動車の動力として使用される。本実施形態では、燃料電池10は固体高分子型燃料電池である。燃料電池10の発電電流値は、電流センサ20によって検出される。
燃料ガス給排系32は、燃料ガスとしての水素を燃料電池10に供給すると共に、燃料電池10内から排出される燃料ガスをアノードオフガスとして外部に排出する。燃料ガス給排系32は、タンク30と、ガス流路としての燃料ガス供給配管70と、燃料ガス排出配管75と、を主に備える。タンク30は、燃料ガスとしての水素を貯蔵する。タンク30から燃料電池10に水素の供給が開始される前の初期状態では、タンク30には常圧よりも高い圧力(例えば、50〜100MPa_abs)の水素が貯蔵されている。燃料ガス供給配管70は、タンク30と燃料電池10とを連通させる。燃料ガス供給配管70を介してタンク30内の水素が燃料電池10に供給される。
燃料ガス供給配管70には、第1の圧力センサ40と、第2の圧力センサ50と、圧力制御弁としての減圧弁60とが配置されている。減圧弁60は、タンク30が配置されている上流側圧力(一次圧)を、予め定めた所定範囲の圧力に調整する。ここで、燃料ガス供給配管70のうち、減圧弁60よりも下流側である燃料電池10側に位置する部分を下流側供給配管72と呼び、減圧弁60よりも上流側であるタンク30側に位置する部分を上流側供給配管71と呼ぶ。
第1の圧力センサ40は、下流側供給配管72に配置されている。第2の圧力センサ50は、上流側供給配管71に配置されている。第1の圧力センサ40は、第2の圧力センサ50よりも相対的に低圧の測定レンジを有する。すなわち、第2の圧力センサ50は、第1の圧力センサ40よりも高い圧力を測定できる。第1の圧力センサ40の測定レンジは、例えば0.1MPa〜3MPaである。第2の圧力センサ50の測定レンジは、例えば1〜100MPaである。ここで、第1の圧力センサ40によって制御部90が検出した値を「第1の検出圧力値」と呼び、第2の圧力センサ50によって制御部90が検出した値を「第2の検出圧力値」と呼ぶ。
燃料ガス排出配管75は、燃料電池10に供給された水素のうち発電に利用されなかった水素を外部にアノードオフガスとして排出する。なお、燃料ガス排出配管75を燃料ガス供給配管70と連通させてアノードオフガスを再び燃料電池10に供給しても良い。
酸化剤ガス給排系85は、酸化剤ガスとしての空気を燃料電池10に供給すると共に、燃料電池10から排出される空気をカソードオフガスとして外部に排出する。酸化剤ガス給排系85は、酸化剤ガス供給配管80と、酸化剤ガス排出配管82とを備える。酸化剤ガス供給配管80にはエアコンプレッサ84が配置されている。エアコンプレッサ84を動作させることで酸化剤ガス供給配管80を介して空気が燃料電池10に供給される。酸化剤ガス排出配管82は、燃料電池10に供給された空気のうち反応に利用されなかった空気を外部にカソードオフガスとして排出する。
ここで、燃料電池システム5は、燃料電池10の温度調節を行うための冷媒給排系を備えても良い。冷媒給排系は、冷媒としての冷却水を燃料電池10に供給すると共に、燃料電池10から排出される冷却水をラジエータによって冷却して再び燃料電池10に供給する。
制御部90は、燃料電池システム5の運転を制御する。制御部90には、第1の圧力センサ40、第2の圧力センサ50、減圧弁60、電流センサ20、エアコンプレッサ84などの各種機器が電気的に接続されている。制御部90は、記憶部92を備える。記憶部92には、燃料電池システム5の運転を制御するために用いられる各種データが記憶されている。
図2は、下流側供給配管72内の圧力推移を表す概念図である。図2の縦軸は、第1の検出圧力値PLを示し、横軸は時間を示している。概念図に記載の折れ線は、減圧弁60の開閉による第1の検出圧力値PLの変化を示している。制御部90は、減圧弁60を制御することで下流側供給配管72内を圧力P1〜P2の範囲となるよう制御する。具体的には、制御部90は、第1の検出圧力値PLが圧力P1に到達した場合、減圧弁60を開くことで下流側供給配管72および燃料電池10にタンク30内の水素を供給する。一方、第1の検出圧力値PLが圧力P2に到達した場合、減圧弁60を閉じることでタンク30から下流側供給配管72および燃料電池10への水素の供給を停止する。
図2に示すように、減圧弁60が開状態では、下流側供給配管72の圧力が上昇し、減圧弁60が閉状態では下流側供給配管72の圧力が下降する。時間t1〜t2、および、時間t3〜t4において減圧弁60が開状態であり、時間t2〜t3において減圧弁60が閉状態である。ここで、タンク30内の水素が消費されタンク30内の圧力が低下すると、下流側供給配管72へ供給される単位時間当たりの水素量も低下する。よって、減圧弁60が開状態における第1の検出圧力値PLの変化量である圧力勾配Gu(「圧力上昇勾配Gu」とも呼ぶ。)とタンク30内の圧力とは関数によって表すことができる。すなわち、タンク30内の圧力が低下すると、圧力上昇勾配Guも低下する。圧力上昇勾配Guとタンク30内の圧力との関係を予め求めることで、求めた関係を用いて実機において算出した圧力上昇勾配Guを利用してタンク30内の圧力を算出することができる。
また図2に示すように、減圧弁60が閉状態では、下流側供給配管72内の水素が燃料電池10によって消費されるため下流側供給配管72の圧力が除々に低下する。よって、減圧弁60が閉状態における第1の検出圧力値PLの変化量である圧力勾配Gd(「圧力下降勾配Gd」とも呼ぶ。)と燃料電池10による単位時間当たりの水素の消費量(mol/s)とは関数によって表すことができる。すなわち、単位時間当たりの水素の消費量が大きくなると、圧力下降勾配Gdは大きくなる。圧力下降勾配Gdと単位時間当たりの水素の消費量との関係を予め求めることで、求めた関数を用いて実機において算出した圧力下降勾配Gdを利用して単位時間当たりの水素の消費量を算出することができる。
また、燃料電池10の発電に用いられた水素の量(「反応消費量」とも呼ぶ。)は、電流センサ20によって検出した発電電流値に基づき公知の手法を用いて算出できる。反応消費量と、圧力下降勾配Gdから算出した水素の消費量との差分を算出することで、燃料電池10の発電に用いられなかった水素の量(「漏洩ガス量」とも呼ぶ。)を取得することができる。
図3は、制御部90に記憶されたデータ(プログラム)について説明するための図である。図3は、圧力上昇勾配Guと、タンク30内の圧力との関係を定めたグラフである。図3の横軸は、第1の検出圧力値PLに基づき算出した微分値DPL1(圧力上昇勾配Gu)を示し、図3の縦軸はタンク30内の推定圧力値PHIを示している。記憶部92は、予め求めた圧力上昇勾配Guとタンク30内の圧力との関係を表すマップを記憶する。
図4は、制御部90に記憶されたデータ(プログラム)について説明するための図である。図4は、圧力下降勾配Gdと、圧力下降勾配Gdから推定される水素の消費量(「推定燃料消費量FCP」とも呼ぶ。)との関係を定めたグラフである。図4の横軸は、第1の検出圧力値PLに基づき算出した微分値DPL2(圧力下降勾配Gd)を示し、図4の縦軸は、推定燃料消費量FCPを示している。記憶部92は、予め求めた圧力下降勾配Gdと推定燃料消費量FCPとの関係(第2の関係)を表すマップを記憶する。
図5は、制御部90に記憶されたデータ(プログラム)について説明するための図である。図5は、発電電流値と、係数Jとの関係である。この係数は、移動平均を用いて補正後漏洩ガス量を算出する際に用いる重み係数の逆数である。すなわち、発電電流値が小さい程、重み係数が大きい関係になる。言い換えれば、発電電流値が第1の値の場合と、発電電流値が第1の値よりも小さい第2の値とでは、第2の値の場合よりも第1の値の場合の方が重み係数は大きい。この関係は、以下の知見に基づく。燃料電池10に供給された反応ガス(水素、および、空気)は各極で反応することなく電解質膜を移動し、移動先で燃焼することが知られている。これにより、燃料電池10に供給される反応ガスの量にかかわらず、燃料電池10の反応に用いられなかった反応ガスの量は概ね一定となる。例えば係数Jの下限値は128であり、上限値は1024に設定できる。
A−2.制御ルーチン:
図6および図7は、制御部90が行う制御ルーチンを説明するための図である。図6および図7に説明する制御ルーチンは、後述する第1の検出圧力値PLに基づき算出する微分値の精度を担保するための周期で実行される。例えば、制御部90は10msごとに制御ルーチンを実行する。
制御部90は、第2の圧力センサ50によって出力される信号(圧力値)を第2の検出圧力値PHとして検出し記憶する(ステップS102)。また、制御部90は、第1の圧力センサ40によって出力される信号(圧力値)を第1の検出圧力値PLとして検出し記憶する(ステップS104)。次に、第2の検出圧力値PHが所定値より小さいか否かを判定する(ステップS106)。これは、タンク30内の圧力が高く、下流側供給配管72の圧力上昇勾配Guが大きい場合、圧力上昇勾配Guである微分値DPL1の精度が低下するために設けたステップである。すなわち、第2の検出圧力値PHが所定値よりも小さい場合に、以降に記載するステップS110〜S120の処理を行う。例えば、所定値としては、タンク30内の初期状態における圧力の1/2〜1/30の範囲に設定しても良い。本実施形態では、所定値は10MPa_absである。ここでステップS106における所定値を「採取可否判定圧力値」と呼ぶ。
制御部90は、第2の検出圧力値PHが採取可否判定圧力値よりも小さいと判定した場合は(ステップS106:YES)、減圧弁60が今回のルーチンにおいて開状態、かつ、前回のルーチンにおいて開状態である条件を満たすか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108において、実際に減圧弁60が開状態であることを検出することで減圧弁60の開状態を判定しても良いし、制御部90が減圧弁60に対し開状態にするための駆動指令値を出力していることで減圧弁60が開状態であると判定しても良い。ステップS108において定められた条件を満たす場合は(ステップS108:YES)、制御部90は検出した第1の検出圧力値PLに基づき圧力上昇勾配Guを表す微分値DPL1を算出する(ステップS110)。詳細には、制御部90は、今回のルーチンで検出した第1の検出圧力値PLから前回のルーチンで検出した第1の検出圧力値PLを差し引くことで微分値DPL1を算出する。
次に、制御部90は、微分値DPL1が所定値DPLsよりも小さいか否かを判定する(ステップS112)。この所定値DPLsを昇圧微分値の下限値DPLsとも呼ぶ。昇圧微分値の下限値DPLsは、例えば燃料電池システム5が搭載された燃料電池自動車の最大出力に対し必要な水素量の2〜10倍の範囲において定めることができる。本実施形態では、下限値DPLsは0.5Mpa/sである。
微分値DPLが下限値DPLsよりも小さい場合は(ステップS112:YES)、ステップS112をn回連続して満たすか否かを判定する(ステップS114)。ここで、nは2以上の整数である。本実施形態では、nは100に設定されている。ステップS114を行うことによってステップS112における誤判定の発生を抑制できる。n回連続してステップS112を満たす場合は(ステップS114:YES)、制御部90はタンク30内の燃料ガス残量が残り僅かであると判定する(ステップS116)。この場合、制御部90は、燃料電池10の出力を制限したり、利用者に燃料ガス残量が少ないことを報知させる警報を表示したりすることが好ましい。燃料電池10の出力の制限は、例えば、ステップS116において判定した時点における燃料電池10の出力電流値の1/2を最大出力値として制限することで実行しても良い。
次に、制御部90は、微分値DPL1を利用してタンク30内の推定圧力値PHIを算出する(ステップS118)。詳細には、制御部90は、記憶部92に記憶されている圧力上昇勾配Guとタンク30内の圧力との関係を表すマップ(図3)に基づき推定圧力値PHIを算出する。タンク30内の推定圧力値PHIはタンク30内の水素残量を表す。次に、制御部90は推定圧力値PHIを記憶部92に記憶し、ルーチンを終了する(ステップS120)。
一方で、微分値DPL1が下限値DPLs以上である場合や(ステップS112:NO)、n回連続してステップS112を満たさない場合は(ステップS114:NO)、制御部90は推定圧力値PHIを算出して、算出した推定圧力値PHIを記憶部92に記憶する(ステップS118,S120)。
一方で、制御部90は、第2の検出圧力値PHが採取可否判定圧力値以上であると判定した場合は(ステップS106:NO)、減圧弁60が今回のルーチンにおいて閉状態、かつ、前回のルーチンにおいて閉状態である条件を満たすか否か判定する(ステップS122)。ステップS122はステップS108と同様に、実際に減圧弁60が閉状態であることを検出することで減圧弁60の閉状態を判定しても良いし、制御部90が減圧弁60に対し閉状態にするための駆動指令値を出力していることで減圧弁60が閉状態であると判定しても良い。制御部90は、ステップS122の条件を満たさないと判定した場合は(ステップS122:NO)、ルーチンを終了する。一方で、ステップS122の条件を満たすと判定した場合は(ステップS122:YES)、制御部90は検出した第1の検出圧力値PLに基づき圧力下降勾配Gdを表す微分値DPL2を算出する(ステップS124)。詳細には、制御部90は、前回のルーチンで検出した第1の検出圧力値PLから今回のルーチンで検出した第1の検出圧力値PLを差し引くことで微分値DPL2を算出する。
微分値DPL2を算出した後、制御部90は微分値DPL2を利用して燃料電池10が消費した水素の量を推定燃料消費量FCPとして算出する(ステップS126)。詳細には、制御部90は、記憶部92に記憶されている圧力下降勾配Gdと推定燃料消費量FCPとの関係を表すマップ(図4)に基づき推定燃料消費量FCPを算出する。制御部90は、算出した推定燃料消費量FCPを記憶部92に記憶しルーチンを終了する(ステップS120)。
また、ステップS108において定められた条件を満たさない場合は(ステップS108:NO)、制御部90は上記に記載したステップS122〜ステップS128を実行してルーチンを終了する。
図8は、制御部90が行う制御ルーチンを説明するための図である。制御部90は、図8に示す制御ルーチンを例えば100msごとに実行する。なお、制御ルーチンの実行周期は、信号雑音比(S/N)が小さくならない程度の範囲で適宜設定しても良い。
制御部90は、電流センサ20によって出力される信号(電圧値)を燃料電池10の発電電流値として検出し記憶する(ステップS200)。ステップS200の後、発電電流値に基づき単位時間当たりの燃料消費量FCIを算出し、記憶する(ステップS202,S204)。単位時間当たりの燃料消費量FCIは、記憶部92に記憶されたマップに基づき算出しても良い。燃料消費量FCIは課題を解決するための手段に記載の「燃料ガスの消費量」に相当する。
図9は、制御部90が行う制御ルーチンを説明するための図である。制御部90は、図9に示す制御ルーチンを例えば100msごとに実行する。なお、制御ルーチンの実行周期は、信号雑音比(S/N)が小さくならない程度の範囲で適宜設定しても良い。
制御部90は、第2の検出圧力値PHが校正判定圧力値よりも小さいか否かを判定する(ステップS302)。ステップS302における第2の検出圧力値PHは、図6のルーチンにおいて取得した第2の検出圧力値PH(ステップS102)を用いる。ステップS302の校正判定圧力値は、本実施形態では5MPa_absである。制御部90は、検出圧力値PHが校正判定圧力値以上であると判定した場合は(ステップS302:NO)、ルーチンを終了する。
一方で、制御部90は、検出圧力値PHが校正判定圧力値よりも小さいと判定した場合は(ステップS302:YES)、第1の圧力センサ40によって検出した第1の検出圧力値PLを利用して算出したタンク30内の推定圧力値PHI(図7のステップS118)と、第2の圧力センサ50によって検出した第2の検出圧力値PH(ステップS102)との差分値SBの移動平均値MAを算出する(ステップS304)。移動平均値MAを算出することで、後述する第2の検出圧力値PHの校正の精度を向上させるためである。
次に、制御部90は、第2の検出圧力値PHに移動平均値MAを加えることで、第2の検出圧力値PHを補正処理することで校正し、校正後の検出圧力値PHC1を算出する(ステップS308)。また、制御部90は、算出した検出圧力値PHC1を記憶部92に記憶させる(ステップS310)。なお、ステップS304において差分値SBを算出し、第2の検出圧力値PHに差分値SBを加えることで、第2の検出圧力値PHを補正処理し、検出圧力値PHC1を算出しても良い。
図10は、制御部90が行う制御ルーチンを説明するための図である。制御部90は、図10に示す制御ルーチンを例えば500msごとに実行する。制御部90は、燃料電池10に供給された水素のうち、発電に寄与しない単位時間当たりの水素量である漏洩ガス量QH1を算出する(ステップS402)。具体的には、本ルーチン実行周期の間に蓄積した、推定燃料消費量FCP(ステップS128)の移動平均値から燃料消費量FCI(ステップ204)の移動平均値を差し引くことで漏洩ガス量QH1を算出する。次に、制御部90は、電流センサ20によって検出した発電電流値に基づき、後述の工程において用いる係数Jを決定する(ステップS404)。係数Jは、記憶部92に記憶されている発電電流値と係数Jとの関係を表すマップを用いて決定される(図5)。
次に、制御部90は、今回のルーチンにおけるステップS402において算出した漏洩ガス量QH1(「第1漏洩ガス量QH1a」とも呼ぶ。)と、前回のルーチンにおけるステップS402において算出した漏洩ガス量QH1(「第2漏洩ガス量QH1b」とも呼ぶ。)との移動平均値Vaを算出する(ステップS406)。移動平均値Vaの算出は、以下の式(1)を用いる。
Va=(1/J)×QH1a+{(J−1)/J}×QH1b (1)
ここで、Vaは移動平均値(mol/s)、QH1aは第1漏洩ガス量(mol/s)、QH1bは第2漏洩ガス量(mol/s)、Jは係数。
上記式(1)において、係数Jは、発電電流値が大きくなるほど大きくなる関係にあることから(図5)、重み係数1/Jは発電電流値が小さいほど大きくなる。算出した移動平均値Vaは、記憶部92に記憶される(ステップS408)。
次に、制御部90は、補正後漏洩ガス量である移動平均値Vaが所定の閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS410)。移動平均値Vaが所定の閾値よりも大きい場合は(ステップS410:YES)、ステップS410をm回連続して満たすか否かを判定する(ステップS412)。ここで、mは2以上の整数である。本実施形態はmを12に設定している。ステップS412を行うことによってステップS410における誤判定の発生を抑制できる。
m回連続してステップS410を満たす場合は(ステップS412:YES)、制御部90は水素が漏洩していることを利用者に知らせるための警報を表示する(ステップS414)。警報の表示は、モニターへの表示や、警告音を発することで行うことができる。
次に、制御部90は、発電電流値に基づき算出した燃料消費量FCI(ステップS202)を補正後漏洩ガス量としての移動平均値Vaを用いて補正することで補正後燃料ガス消費量QHCを算出する(ステップS416)。具体的には、燃料消費量FCIに補正後漏洩ガス量としての移動平均値Vaを加えることで、補正後燃料ガス消費量QHCが算出される。算出した補正後燃料ガス消費量QHCは、記憶部92に記憶される。一方で、ステップNo.410やステップS412において、判定が「NO」である場合は警報表示を行うことなく、ステップS416,S418を実行する。
A−3.効果:
上記の実施形態によれば、燃料電池システム5は、減圧弁60を開状態に設定し、第1の圧力センサ40によって検出した第1の検出圧力値PLに基づいて算出した圧力勾配が上昇勾配(圧力上昇勾配Gu)である場合に、上昇勾配を利用してタンク30内の燃料ガスの残量(タンク30の内圧)を算出している(図7のステップS118)。これにより、圧力上昇勾配Guを利用してタンク30内の燃料ガスの残量を算出できる。高圧側に配置される第2の圧力センサ50は、燃料ガスの圧力の影響を受けて出力特性にドリフトが発生する場合がある。ドリフトの発生によって検出精度は低下する。一方、低圧側に配置される第1の圧力センサ40は燃料ガスの圧力の影響を受けにくい。これにより、第1の圧力センサ40においてはドリフトが発生する可能性は低い。よって、タンク30内の圧力を検出するための第2の圧力センサ50よりも相対的に低圧の測定レンジを有する第1の圧力センサ40を利用してタンク30内の燃料ガスの残量を精度良く検出できる。具体的には、本実施形態では、第2の検出圧力値PHに移動平均値MAを加えることで、第2の検出圧力値PHを補正処理している(図9のステップS308)。
また、第2の圧力センサ50において、一般に、時間の経過とともにドリフトによる出力変動幅が大きくなり、ある時間経過すると、以降はドリフトによる出力変動幅が略一定となる。すなわち、第2の圧力センサ50において、ドリフトの影響を受けにくい高圧側(例えば、5MPa_abs以上の圧力)の検出値の精度のみを担保し、低圧側(例えば、5MPa_abs未満)の検出精度は第1の圧力センサ40によって第2の圧力センサ50の検出値を補正することで担保できる(図9のステップS302)。これにより、広範な圧力範囲を高精度で担保するセンサを第2の圧力センサ50として用いる必要がないため、第2の圧力センサ50のコストを低減できる。よって、燃料電池システム5全体のコストも低減できる。
また、第1の圧力センサ40の第1の検出圧力値PLの変化を表す圧力上昇勾配Guが大きい程、タンク30内の燃料ガスの残量が大きくなる関係(第1の関係)に基づいて、燃料電池システム5は、タンク30内の燃料ガスの残量を検出している(図3)。よって、第1の関係に基づいてタンク30内の燃料ガスの残量を容易に検出できる。
また、燃料電池システム5は、第2の圧力センサ50によって検出した第2の検出圧力値PHに基づいて算出した圧力勾配が下降勾配(圧力下降勾配Gd)である場合に、圧力下降勾配Gdである微分値DPL2を利用して燃料電池10の燃料ガス消費量を推定燃料消費量FCPとして算出している(図6のステップS126)。これにより、圧力下降勾配Gdを利用して燃料電池10による燃料ガスの消費量を算出できる。
また、第2の圧力センサ50の検出圧力値PHの変化を表す圧力下降勾配Gdが大きい程、燃料電池10による燃料ガスの消費量が大きくなる関係(第2の関係)に基づいて、燃料電池システム5は、燃料電池10による燃料ガスの消費量(推定燃料消費量FCP)を算出している(図4)。よって、第2の関係に基づいて燃料ガスの消費量を容易に算出できる。
また、燃料電池システム5は、推定燃料消費量FCPと、発電電流値を利用して算出した燃料消費量FCIとの差分値を漏洩ガス量QH1として算出している(図10のステップS402〜ステップS406)。これにより、差分値を用いることで漏洩ガス量QH1を容易に算出できる。また、漏洩ガス量QH1を算出することで、燃料電池システム5の異常発生の有無を報知できたり等の燃料電池システム5をより適切に運転制御できる。
また、補正後漏洩ガス量は、移動平均値として算出される(図10のステップS408)。そして、発電電流値が小さい程、重み係数が大きくなるように設定している。ここで、燃料電池10に供給される燃料ガスの量にかかわらず、漏洩ガス量QH1は概ね一定となる。よって、燃料電池10に供給される燃料ガスの量に占める漏洩ガス量QH1の割合は、発電電流値が小さいほど大きくなる。よって、発電電流値が小さい程、移動平均値を算出する際に用いる重み係数Jを大きくすることで、漏洩ガス量QH1を精度良く算出できる。
また、燃料電池システム5は、補正後漏洩ガス量を表す移動平均値Vaを用いて、発電電流値に基づき算出した燃料消費量FCIを補正することで補正後燃料ガス消費量QHCを算出している(図10のステップS416)。これにより、燃料電池システム5は、漏洩ガス量QHI(詳細には補正後漏洩ガス量)も考慮に入れてタンク30内の燃料ガスの消費量をより精度良く検出できる。
B.変形例:
なお、上記実施形態における構成要素の中の、特許請求の範囲の独立項に記載した要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明の上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B−1.第1変形例:
上記実施形態では、制御部90が記憶部92を有し、記憶部92に図3〜図5に示す関係を表すマップを記憶していたが、例えば、制御部90と通信可能な外部のサーバに記憶しても良い。
5…燃料電池システム
10…燃料電池
20…電流センサ
30…タンク
32…燃料ガス給排系
40…第1の圧力センサ
50…第2の圧力センサ
60…減圧弁
70…燃料ガス供給配管
71…上流側供給配管
72…下流側供給配管
75…燃料ガス排出配管
80…酸化剤ガス供給配管
82…酸化剤ガス排出配管
84…エアコンプレッサ
85…酸化剤ガス給排系
90…制御部
92…記憶部

Claims (6)

  1. 常圧よりも高い圧力で燃料ガスが貯留されたタンクから供給される前記燃料ガスを減圧弁によって所定範囲の圧力に調整して燃料電池に供給する燃料電池システムであって、
    前記減圧弁が配置され、前記タンク内の前記燃料ガスを前記燃料電池に流通させるガス流路と、
    前記ガス流路のうち前記減圧弁よりも下流側に配置された第1の圧力センサと、
    前記燃料電池の発電電流値を検出するための電流センサと、
    前記燃料電池システムを制御するための制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1の圧力センサによって出力される信号を第1の検出圧力値として検出し、
    検出した前記第1の検出圧力値の圧力勾配を算出し、
    前記算出した圧力勾配が上昇勾配である場合に、前記上昇勾配を利用して前記タンク内の前記燃料ガスの残量を検出し、
    前記圧力勾配が下降勾配である場合に、前記下降勾配を利用して前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量を算出し、
    前記電流センサによって出力される信号を発電電流値として検出し、
    前記発電電流値を利用して前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量を算出し、
    前記下降勾配を利用して算出した前記燃料ガスの消費量と、前記発電電流値を利用して算出した前記燃料ガスの消費量との差分値を、前記燃料電池の発電に用いられなかった漏洩ガス量として算出し、
    所定の時間間隔ごとに、前記漏洩ガス量を算出し、
    前記所定の時間間隔ごとに算出した前記漏洩ガス量に基づいて、補正後漏洩ガス量を算出し、
    N回目(Nは2以上の整数)の前記補正後漏洩ガス量は、N回目ごとに算出した前記漏洩ガス量の移動平均値であり、
    前記移動平均値で用いる重み係数は、前記発電電流値が第1の値の場合と、前記発電電流値が前記第1の値よりも大きい第2の値の場合とでは、前記第1の値の場合の方が大きい、燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記上昇勾配が大きい程、前記タンク内の燃料ガスの残量が大きくなる関係に基づいて、前記タンク内の前記燃料ガスの残量を検出する、燃料電池システム。
  3. 請求項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記下降勾配が大きい程、前記燃料電池による前記燃料ガスの消費量が大きくなる関係に基づいて、前記燃料ガスの消費量を算出する、燃料電池システム。
  4. 請求項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記発電電流値を利用して算出した前記燃料ガスの消費量を、前記補正後漏洩ガス量を用いて補正することで補正後燃料ガス消費量を算出する、燃料電池システム。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記ガス流路のうち前記減圧弁よりも上流側に配置され、前記第1の圧力センサよりも高い圧力を検出できる第2の圧力センサを有し、
    前記制御部は、
    前記第2の圧力センサによって出力される信号を第2の検出圧力値として検出し、
    前記第2の検出圧力値を、前記第1の圧力センサによって検出した第1の検出圧力値を用いて補正処理する、燃料電池システム。
  6. 請求項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記第2の検出圧力値が予め定めた所定値よりも小さいと判定した場合に、前記補正処理を実行する、燃料電池システム。
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