以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(画像形成システム)
図1は、本発明の実施の形態に従う後処理装置(シート処理装置)FSおよび画像形成装置Aを備える画像形成システムの概略断面図である。
(画像形成装置A)
画像形成装置Aは、画像読取部1と、画像処理部2と、画像書込部3と、画像形成部4と、給紙カセット5と、給紙ローラー6と、定着装置7と、排紙ローラー8と、自動両面コピー給紙部9とを備えている。
画像形成装置Aの上部には、自動原稿搬送装置10が搭載されている。また、画像形成装置Aの図示左側面の排紙ローラー8側には、後処理装置FSが連結されている。自動原稿搬送装置10の原稿台上に載置された原稿は、搬送路に沿って搬送され画像読取部1の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査され、CCDイメージセンサー1Aに読み込まれる。
CCDイメージセンサー1Aにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部2において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を施された後、画像書込部3に送られる。画像書込部3に送られた画像データに基づき半導体レーザが発光駆動され、画像形成部4の感光体ドラム4Aに照射されて潜像が形成される。画像形成部4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行なわれ、感光体ドラム4A上にトナー像が形成される。
給紙カセット5から給紙ローラー6により給送された記録用紙Sは、感光体ドラム4Aに到達し、転写手段4Bによりトナー像が記録用紙Sに転写される。トナー像を担持した記録用紙Sは、定着装置7により定着処理され、排紙ローラー8から後処理装置FSに送り込まれる。両面コピーの場合には、片面画像処理済みの記録用紙Sは搬送路切り替え板8Aにより自動両面コピー給紙部9に送り込まれ、画像形成部4において裏面にトナー像が転写され、定着された後、排紙ローラー8から後処理装置FSに送り込まれる。
(後処理装置FS)
後処理装置FSは、用紙搬入部20と、複数の後処理部とを有する。後処理部としては、孔あけ処理部40と、折り部50、端綴じ(平綴じ)処理部71、中綴じ処理部72、および排紙部80を有する。
画像形成装置Aの排紙ローラー8から後処理装置FSに送り込まれた画像形成後の記録用紙S(シートとも称する)は、用紙搬入部20により後処理装置FS内部に搬送される。
孔あけ処理部40は、用紙搬入部20の左手下流側に配置され、シートSにパンチ孔を開ける。具体的には、後処理装置FSの入り口付近に入口センサー28が設けられ、後処理装置FSにシートSが搬入されると、当該入口センサー28がシートSの搬入を検知する。そして、シートSの搬入を検知してから所定時間後にシートSの搬送を停止し、孔あけ処理部40は、シートSにパンチ孔を開ける(パンチ処理)。
孔あけ処理部40の下流から2つの搬送路H0,H1に分岐される。当該搬送路H0,H1の切り替えは、搬送路切替部材30により行われる。下方に分岐した搬送路H1は、搬送ローラー23を経てサドル100に繋がる。サドル100は、後述するが、中綴じ処理部72、折り部50とが配置されており、詳しくは後述する。
もう一方の搬送路H0は、搬送ローラー24を経て排紙部80に繋がる。
後処理装置FSにおいて、後処理部により処理なしで大量の画像形成を行なう際には、シートSは用紙搬入部20から搬送路H0を経て排紙部80の排出パドル22から後処理装置FSの出口に設けられたエレベートトレイ81に排出される。
エレベートトレイ81は、排紙されるシートSの最上面が常に一定した高さになるように図の鎖線で示すように下方に移動する。したがって、エレベートトレイ81上には、数千枚のシートを集積することが可能である。また、搬送路H0には、用紙検出センサー26が設けられ、搬送路H0のシートSの通過を検知して、搬送ローラー24、排出パドル22等の駆動のタイミング制御等が実行される。
また、排出パドル22は、圧接した状態と離間した状態とに可動可能に構成されている。排出パドル22が圧接した状態である場合には、上述したようにエレベートトレイ81にシートSを排出する。一方、排出パドル22が離間した状態の場合には、エレベートトレイ81には直ぐに排出されず、シートSが排出パドル22に到達した後、シートSの後端が収容ベルト70上に落下する。そして、収容ベルト70および収容パドル74は、回転して端綴じ処理部71が設けられた方向にシートを搬送する。そして、複数のシートSについて当該処理が複数回実行されて、処理トレイセンサー77で所定枚数が端綴じ処理部71に収容されたことを検知し、端綴じ処理を実行する。そして、その後、収容ベルト70および収容パドル74は、排出パドル22の方向に端綴じしたシート束を搬送し、排出パドル22からエレベートトレイ81にシート束が排出される。
サドル100は、搬送ローラー23の下流で水平方向に対して斜めに配置されており、シートSをガイドする複数のガイド部材および先端ストッパーと、中綴じ処理部72と、折り部50、用紙幅整合部とを有し、1枚以上のシートSに対して、中折り(二つ折り)モード、中折り・中綴じモード、三つ折りモードの各モードで用紙を処理し、シートトレイ800に排出する。なお、本例においては、サドル100において、1枚以上のシートSに対して二つ折りあるいは三つ折りの処理が施されるため、シートトレイ800に排出されるシートを折りシートとも称することとする。
図2は、本発明の実施の形態に従う後処理装置FSのサドル100の要部拡大断面図である。
図2を参照して、シートSは、斜め上方から斜め下方に向けて搬入される。また、図中右下に記すように、以下の説明において、斜め下方に向かう方向をX方向、紙面においてX方向と直交する方向をY方向、紙面に対して垂直な方向をZ方向とする。
サドル100を構成するガイド部材は、上流側ガイド部材101、102と下流側ガイド部材103、104とからなり、上流側ガイド部材101、102の上部側に用紙幅整合部110が位置し、上流側ガイド部材101、102の中ほどに中綴じ処理部72が位置し、上流側ガイド部材101、102と下流側ガイド部材103、104との間に折り部50が位置する。
搬送路H1を介してサドル100に搬入されるシートSは、サドル搬入センサー62によって1枚ずつ検出される。そして、搬入されるシートSは、自重によってガイド部材に沿って搬送される。その際、上パドル75、下パドル76がシートの表面に接触して回転することにより、シートが1枚ずつ円滑に搬送される。
用紙幅整合部110は、シートSの幅方向(Z、逆Z方向)の整合を行なう。
折り部50の下流には、下流側ガイド部材103、104に沿って移動可能な先端ストッパー105が設けられる。先端ストッパー105はシートSの下端を所定位置に規制するものであり、用紙サイズに応じて移動される。
上流側ガイド部材101と下流側ガイド部材103とは、サドル100の下側(逆Y方向側)に位置し、シートSがその面に沿って滑落し積載されるスタック面を構成する。また、上流側ガイド部材102と下流側ガイド部材104は、上流側ガイド部材101と下流側ガイド部材103と一定間隔をあけて対向配置される。
中綴じ処理部72は、受針機構72aと打針機構72bとからなり、シートSの束の用紙搬送方向の中央部が先端ストッパー105によって位置決めされると作動して、シートSの束を中綴じする。具体的には、先端ストッパー105がシートSの用紙搬送方向(X、逆X方向)に移動することで、複数枚のシートSのセンタは、中綴じ処理部72に合わされてスタックされる。複数枚のシートSがスタックされた後、中綴じ処理部72でシートSの束が中綴じされる。なお、中綴じ処理部72で中綴じ処理が行なわれない場合には、シートSのセンタが折り部50に合うように、シートSがスタックされる。
折り部50は、第1折り板51、第1折りローラー52、第2折りローラー53、第3折りローラー54、第4折りローラー56、第5折りローラー58、搬送路切替部材55、案内部材57、第1折り板センサー59、第2折り板60および第2折り板センサー61を備え、シートSを中折り(二つ折り)処理又は三つ折り処理を行なう。
図3は、本発明の実施の形態に従う中折り(二つ折り)処理を説明する図である。
図2および図3を参照して、中折り(二つ折り)処理においては、まずシートSの長さの中央部が第1折り板51の位置となるように先端ストッパー105が移動される。ついで、図3(A)に示されるように第1および第2折りローラー52、53が回転しながら、第1折り板51がシートSを第1折りローラー52と第2折りローラー53との間に挿入する。第1折りローラー52と第2折りローラー53とは図示しないバネ部材で互いに圧接するよう付勢されているので、図3(B)においてシートSは中央部で折り目をつけて折り処理される。そして、搬送路切替部材55の下方に設けられた案内部材57により折り処理されたシートSは、第4および第5折りローラー56、58に搬送される。図3(C)に示されるように、第4および第5折りローラー56、58は回転し、折り処理されたシートSを搬送する。そして、図3(D)において、第4および第5折りローラー56、58は、折り処理されたシートSをシートトレイ800に排出する。なお、第1折り板センサー59は、第1折り板51のホーム位置を検出し、移動した第1折り板51はホーム位置まで戻される。
図4は、本発明の実施の形態に従う三つ折り処理を説明する図である。
図2および図4を参照して、まず、三つ折り処理においては、搬送路切替部材55は移動し、図2の点線で示される位置に設定される。そして、シートSはその長さの3分の1の位置が折り板51の位置となるように先端ストッパー105により移動される。ついで、図4(A)に示されるように第1および第2折りローラー52、53が回転しながら、第1折り板51がシートSを第1折りローラー52と第2折りローラー53との間に挿入する。図4(B)においては、シートSはその長さの3分の1の位置で折り目をつけて折り処理される。ついで、図4(C)においてシートSがその折り目を先頭にして搬送路切替部材55の形状に沿って上側に案内される。なお、搬送路切替部材55の形状に沿って案内されたシートSは、図示しない停止部材により停止される。停止部材は、第2折り板60で折り処理する際のシートSの位置決めに用いられるものであり、折り処理されたシートSの長さの中央部を第2折り板60が折り目をつける位置となるように調節する。
次に、図4(D)において、第2折りローラー53および第3折りローラー54が回転しながら、第2折り板60はシートSを第2折りローラー53と第3折りローラー54との間に挿入する。第2折りローラー53と第3折りローラー54とは、図示しないバネ部材で互いに圧接するように付勢されているものとする。折り処理されたシートSは、第2折り板60により、残りの長さの中央部の位置でさらに折り目をつけて折り処理される。図4(E)において、第2および第3折りローラー53、54は回転しながら、折り処理されたシートSをシートトレイ800に排出する。なお、第1折り板センサー59は、第1折り板51のホーム位置を検出し、移動した第1折り板51はホーム位置まで戻される。また、第2折り板センサー61は、第2折り板60のホーム位置を検出し、移動した第2折り板60はホーム位置まで戻される。なお、三つ折り処理については、シートSをまず、その長さの3分の1の位置で折り処理し、そして、残りの長さの半分について、折り処理した側を畳むように折り目をつけて三つ折り処理が行われる。
なお、ここでは、1枚のシートSの二つ折りあるいは三つ折り処理について説明しているが、特に1枚に限られず、複数枚についても同様の処理が可能である。
図5は、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の斜視図である。
図5を参照して、シートトレイ800は、載置部材820と、ストッパー部材822とを備える。
ストッパー部材822は、端部が載置部材820と連結されるとともに、載置部材820に重なるように折り畳むことが可能であり、載置部材820とともに後処理装置FSの側面に収納することが可能である。
また、ストッパー部材822には、把持部826が設けられており、後述するが当該把持部826を持ってシートトレイ800の角度を調整することが可能である。
また、載置部材820には、2本の搬送ベルト827A,827Bが設けられている。シートトレイ800に載置された折りシートは、当該搬送ベルト827A,827Bを介して搬送される。
また、載置部材820には、可動部材823,824が設けられている。なお、ここでは、可動部材824は図示されていない。シートトレイ800に載置された折りシートが搬送ベルトを介して搬送されると可動部材823,824と接触して、可動部材823,824は下方に移動する。
また、載置部材820には、押下可能な搬送ボタン825が設けられている。なお、図示しないが搬送ボタン825の押下を検知する搬送ボタン検知部が載置部材820内に設けられている。当該搬送ボタン825を押下すると搬送ベルト827A,827Bを駆動させることが可能である。
また、シートトレイ800の端部上方に搬送コロ67A,67Bが設けられている。搬送コロ67A,67Bについては後述する。
図6は、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の模式図である。
図6(A)は、シートトレイ800を上面から見た図である。図6(B)は、シートトレイ800の断面図である。
シートトレイ800の載置部材820には、折りシートを搬送する搬送部である搬送ベルト827A,827Bが2本設置されており、ベルト搬送ローラー821A、821Bの回転により搬送ベルト827A,827Bは同図(A)に示す矢印c方向、同図(B)に示す矢印d方向に回動させられる。
同図(A)に示すように、ストッパー部材822近傍であって、2本の搬送ベルト827A,827B間の略中央付近には、折りシートにより移動させられる可動部材823が設置されている。
また、ストッパー部材822と反対側の入口付近であって、2本の搬送ベルト827A,827B間の略中央付近には、折りシートにより移動させられる可動部材824が設置されている。
シートトレイ800の載置部材820に排出された折りシートは、図示の如く積み重なった状態(図6(B)における折りシートの積載状態は模式的に示したものである)で搬送ベルト827A,827Bにより徐々に搬送される。
図示のように可動部材823は、先頭の折りシートの接触により載置部材820の内側の隠れた位置に移動させられる。載置部材820内には、可動部材823が載置部材820の内側の位置に移動したことを検知する、検知部材(シートトレイ先端センサー)が配置されている。当該可動部材823の移動により検知部材は、折りシートの端部が当該位置に到達したことを把握することが可能である。
なお、可動部材824については、折り部50からシートトレイ800に折りシートが排出された際に、折りシートが可動部材824を覆うように排出される位置(初期位置)に設けられているものとする。したがって、折りシートが排出された場合には、可動部材824は、可動部材823と同様に載置部材820の内側の隠れた位置に移動させられる。載置部材820内には、可動部材824が載置部材820の内側の位置に移動したことを検知する、検知部材(シートトレイ入口センサー)が配置されている。当該可動部材824の移動により検知部材は、折りシートが当該初期位置、つまりシートトレイ800に排出されたことを検知することが可能である。
また、可動部材824が載置部材820の内側から最初の位置に戻った場合に、検知部材はオンからオフとなり、折りシートの端部が初期位置にあることを検知することが可能である。
図7は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置Aの概略ブロック図である。
図7を参照して、画像形成装置Aは、装置全体を制御するメイン制御部150と、画像読取部1と、画像処理部2と、画像書込部3と、画像形成部4と、自動原稿搬送装置(ADF(Auto Document Feeder)10と、操作パネル13と、音声出力部14と、外部機器インタフェース15と、通信インタフェース16とを備える。
メイン制御部150は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)151と、CPU151で実行されるプログラムが予め格納されたROM(Read Only Memory)152と、CPU151のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)153とを備える。
メイン制御部150は、ADF10に載荷された原稿から画像読取部1を用いて画像を読み取り電子データ化する読取制御と、読み取られた画像に対して画像処理部2を用いて様々な画像処理を行なう画像処理制御と、画像処理された画像を画像書込部3および画像形成部4を用いて既知の電子写真プロセスによってシートに形成する画像形成制御と、画像が形成されたシートを搬送する用紙給送制御とを実行する。
操作パネル13は、タッチパネルを有しており、シートに施す後処理の種類の設定、その他の様々な機能の操作設定を行ない、また設定された機能の確認や種々の警告等を表示可能に構成されている。操作パネル13には、後述するがたとえば、コピー枚数等を設定するテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー等も表示される。
操作パネル13からメイン制御部150へは、ユーザーの操作に基づいて、シートの情報(サイズおよび種別)、後処理の種別情報(折り・綴じの有無およびそれらの種類ならびに枚数等)を含むジョブが入力される。
メイン制御部150は、これらのジョブについて通信インタフェース16を通じて後処理装置FSへ送信する。
音声出力部14からは操作音や警告音、紙詰まり等のエラーが発生した場合のエラー音が出力される。外部機器インタフェース15には外部のネットワーク17が接続される。これにより、ネットワーク上の他の機器と通信可能に構成されている。
なお、画像形成装置Aは、複写(コピー)機能のほかに、画像データを取得するスキャン機能、および図示しないが外部のパソコン等の機器から画像データを受信し、印刷を行なうプリント機能、ファクシミリ送信が可能なFAX機能等を備えている。
図8は、本発明の実施の形態に従う後処理装置FSの概略ブロック図である。
図8を参照して、後処理装置FSは、後処理装置FSの全体を制御するフィニッシャー制御部200と、画像形成装置Aと情報の通信を行なうための通信インタフェース87とを備える。
フィニッシャー制御部200は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを実行するためのCPU201と、CPU201で実行されるプログラムが予め格納されたROM202と、CPU201のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM203と、時刻を計時するタイマー204とを備える。
フィニッシャー制御部200は、画像形成装置Aから出力されたジョブに基づいて後処理装置FS内部における各部を制御する。
フィニッシャー制御部200は、各種センサーと接続されている。具体的には、用紙検出センサー26,73と、サドル搬入センサー62と、入口センサー28と、シートトレイ入口センサー38と、シートトレイ先端センサー39と、第1折り板センサー59と、第2折り板センサー61と、シートトレイ上部センサー82と、シートトレイ下部センサー84とがフィニッシャー制御部200に接続されており、各種センサーからの検出信号が入力される。
フィニッシャー制御部200は、切り替えスイッチ86,88を制御する。切り替えスイッチ86,88は、それぞれ搬送路切替部材30,55と接続されている。当該切り替えスイッチ86,88の切り替えにより搬送路切替部材30,55の位置が変化して搬送路が切り替えられる。
フィニッシャー制御部200は、各種モーターを制御する。
先端ストッパー105、上パドル75、下パドル76、搬送ローラー23,24、第1折り板51、折りローラー52〜54,56,58、排出パドル22、搬送ベルト827A,827B、エレベートトレイ81、第2折り板60、搬送コロ67は、それぞれ先端ストッパーモーター90、上パドルモーター91、下パドルモーター92、搬送モーター93、第1折り板モーター94、折りローラーモーター95、排出パドルモーター96、搬送ベルトモーター97、エレベートモーター98、第2折り板モーター99、搬送コロモーター64によりそれぞれ駆動される。
フィニッシャー制御部200は、孔あけ処理部40、端綴じ処理部71、中綴じ処理部72、用紙幅整合部110等をそれぞれ制御する。
フィニッシャー制御部200は、搬送ボタン検知部89と接続されている。搬送ボタン検知部89は、搬送ボタン825と接続されている。搬送ボタン検知部89は、搬送ボタン825の押下を検知し、検知信号をフィニッシャー制御部200に出力する。フィニッシャー制御部200は、搬送ボタン825の押下に従う検知信号に応答して搬送ベルトモーター97を駆動する。
なお、ここでは、説明を簡易にするために収容ベルト70および収容パドル74をそれぞれ駆動するモーターについては図示を省略している。他の部品についても同様である。
図9は、本発明の実施の形態に従う操作パネル13の概観図である。
図9を参照して、本発明の実施の形態に従う操作パネル13は、表示部312と、10キー302と、スタートボタン310とを含む。なお、その他のキーについては省略している。
表示部312上にはタッチパネルが設けられており、表示部312上において所定の操作が可能である。10キー302は、コピー等の枚数を入力するためのボタンである。スタートボタン310は、コピー/スキャン等の処理の実行を指示するボタンである。
また、表示部312には、各種モードの表示やその他の表示が行われる。そして、タッチパネルによって、表示内容に従った各種設定を行なうことができる。例えば、表示部312には、通常は、コピー動作やスキャン動作を実行する際に行なう基本的/応用的な設定のためのタブボタン314が配置されている。各タブボタンを押下すると、その詳細設定を行なうための階層画面が表示される。本例においては、応用のタブボタンが押下された場合が示されており、後処理装置FSにおける各種後処理についての詳細な設定指示が可能となっている。具体的には、「小冊子モード」、「とじ代モード」、「折りモード」、「ステープルモード」の指定が可能となっている。
また、本例においては、排出モードの選択として、「シート整列搬送モード」と、「シート排出搬送モード」の指定が可能な場合が示されている。搬送モードについては後述する。
また、本例においては、後処理装置FSにおけるジョブについて当該操作パネル13を操作して指定することが可能であるものとする。具体的には、ジョブの内容として例えば、二つ折り、三つ折り等の折り処理の種別、また、折り処理をする際のシートの枚数、折りシートの部数、折り処理をする際のシートの種別(普通紙、厚紙等)の設定が可能であるものとする。当該ジョブの内容に基づいて後処理装置FSにおける折り処理等が実行される。
次に、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の角度の調節方式について説明する。
図10は、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の調節機構について説明する図である。
図10を参照して、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800は、3段階に角度を調節可能であるものとする。
具体的には、図10(A),(B)は、シートトレイ800が最下部に位置する状態を説明する図である。
図10(C),(D)は、シートトレイ800が中間に位置する状態を説明する図である。
図10(E),(F)は、シートトレイ800が最上部に位置する状態を説明する図である。
本例においては、一例として最下部は、水平面に対して5度、中間位置は、15度、最上部は30度の角度で傾斜している場合が示されている。
図10(A)を参照して、シートトレイ800は、トレイ受け850に収容されており、トレイ受け850に収容されているシートトレイ800からその角度を調節することが可能となっている。具体的には、シートトレイ800の側部の両側には、突起部840,842が設けられている。本例においては、突起部840A,840Bと、突起部842A,842Bとが設けられる。
図10(B)を参照して、トレイ受け850には、突起部840,842に対応してそれぞれ設けられた凹み部が設けられている。ここでは、突起部840A,840Bに対応して設けられた凹み部845A,845Bが示されている。
シートトレイ800が最下部にある場合には、凹み部845A,845Bに突起部840A,840Bが収まっている。なお、突起部842A,842Bについても同様である。
上述したストッパー部材822の把持部826を介してシートトレイ800を持ち上げると、トレイ受け850の左右の壁がシートトレイ800に設けられた突起部により押圧されて広がり、突起部が凹み部から外れてシートトレイ800を持ち上げることが可能となる。
図10(C)を参照して、ここでは、突起部840が凹み部845A,845Bから外れてシートトレイ800が持ち上げられた状態となっている。
図10(D)を参照して、シートトレイ800の突起部840A,840Bは、トレイ受け850の上端部に載った状態が示されている。当該状態は、シートトレイ800が中間に位置した状態となっている。
そして、さらに、上述したストッパー部材822の把持部826を介してシートトレイ800を持ち上げると、トレイ受け850の左右の壁がシートトレイ800に設けられた突起部により押圧されて広がり、突起部が凹み部から外れてさらにシートトレイ800を持ち上げることが可能となる。
図10(E)を参照して、ここでは、突起部842が凹み部から外れてシートトレイ800が持ち上げられた状態となっている。
図10(F)を参照して、シートトレイ800の突起部842A,842Bは、トレイ受け850の上端部に載った状態が示されている。当該状態は、シートトレイ800が最上部に位置した状態となっている。
なお、ここでは、最下部から最上部にシートトレイ800を持ち上げて角度を調節する方式について説明したが、その逆に、最上部から最下部にシートトレイ800を持ち下げて角度を調節することも可能である。
また、本例においては、シートトレイ800の角度を調節するために突起部、凹み部等を設けた調節機構を設けた場合について説明したが、特にこれに限られず、指示に従ってモーターを駆動し、モーターの駆動に従ってシートトレイ800の角度を調節するようにしても良い。
シートトレイ800は、低い位置に設けられており、シートトレイ800に載置された折りシートを取り出すには、姿勢を変化させてしゃがんだり、腰をかがめなければならない場合があり、折りシートを取り出しづらい場合があった。また、シートトレイ800に設けられている搬送ボタンも低い位置にあるため操作しづらい場合があった。
そこで、上記の構成の如く、シートトレイ800の角度を調節することによりシートトレイ800から折りシートの取り出しを容易にすることが可能である。
次に、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の角度の検出方式について説明する。
図11は、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の角度の検出方式を説明する図である。
図11(A)を参照して、ここでは、シートトレイ800が最下部に位置する状態が示されている。シートトレイ800は、端部において上下に張り出した上縁部811と、下縁部812とを有している。また、上縁部811、下縁部812にそれぞれ対応してシートトレイ上部センサー82と、シートトレイ下部センサー84が設けられる。
本例においては、シートトレイ800が最下部に位置する状態の場合に、シートトレイ下部センサー84が反応し、下縁部812を検出しているものとする。一方、シートトレイ上部センサー82は、上縁部811を検出していないものとする。例えば、ここでは、一例として、シートトレイ下部センサー84、シートトレイ上部センサー82は、接触式センサーであるものとする。そして、同図(A)の状態においては、シートトレイ下部センサー84と下縁部812とが接触した状態であるものとする。
図11(B)を参照して、ここでは、シートトレイ800が中間に位置する状態が示されている。
本例においては、シートトレイ下部センサー84およびシートトレイ上部センサー82がともに下縁部812、上縁部811と接触していないため、いずれも検出していない。
図11(C)を参照して、本例においては、シートトレイ800が最上部に位置する状態が示されている。
本例においては、シートトレイ下部センサー84は下縁部812と接触していないが、シートトレイ上部センサー82は、上縁部811と接触しており、上縁部811を検出しているものとする。
したがって、シートトレイ下部センサー84のみが検出信号を出力する場合と、シートトレイ上部センサー82,84がともに検出信号を出力しない場合と、シートトレイ上部センサー82のみが検出信号を出力する3状態に従って、シートトレイ800の角度を検出することが可能である。
次に、搬送モードについて説明する。
シート整列搬送モードとは、シートトレイ800に排出された折りシートを重ね合わせて整列して搬送するモードである。
シート排出搬送モードとは、シートトレイ800に排出された折りシートを取り出し易いようにシートトレイ800の先端部に搬送するモードである。
図12は、本発明の実施の形態に従うシート整列搬送モードのフロー図である。当該処理は、CPU201が搬送ベルトモーター97を制御することにより実行される。
図12を参照して、シート整列搬送モードにおいては、まず、シート排出タイミングであるかどうかを判断する(ステップS2)。CPU201は、折り部50で処理された折りシートが排出タイミングであるかどうかを判断する。
ステップS2において、シート排出タイミングであると判断した場合(ステップS2においてYES)には、搬送ベルトを正転する(ステップS4)。具体的には、折りシートがシートトレイ800に接触する直前に搬送ベルトモーター97に指示して搬送ベルト827A,827Bを正転(排出方向)させる。
次に、シートトレイ入口センサー38がONであるかどうかを判断する(ステップS6)。CPU201は、シートトレイ800に折りシートが排出される初期位置に設けられたシートトレイ入口センサー38がONしているかどうかを判断する。
ステップS6において、シートトレイ入口センサー38がONで有ると判断した場合(ステップS6においてYES)には、その状態を維持し、搬送ベルトを正転させた状態でシートトレイ入口センサー38がOFFとなるかどうかを判断する。
ステップS6において、シートトレイ入口センサー38がOFFとなるまで搬送ベルトを正転させて、シートトレイ入口センサー38がOFFとなった場合(ステップS6においてNO)に、搬送ベルトを停止する(ステップS8)。
そして、次のジョブが有るかどうかを判断する(ステップS10)。次のジョブが有る場合には、ステップS2に戻り、上記の処理を繰り返す。一方、次のジョブが無い場合には、処理を終了する(エンド)。
すなわち、当該シート整列搬送モードにおいては、シート排出タイミングにおいて、排出された折りシートがシートトレイ800に到達した場合に、上述した可動部材824が移動するためシートトレイ入口センサー38はONになる。そして、シートトレイ入口センサー38がOFFとなるまで当該排出された折りシートを搬送ベルトにより搬送し、当該排出された折りシートの後端部が可動部材824を抜けたときに、可動部材824は、初期の状態に戻る。すなわち、折りシートの後端部が初期位置に到達した場合に、シートトレイ入口センサー38はOFFとなり当該位置で搬送ベルトは停止する。そして、再び、次のジョブのシート排出タイミングにおいて、排出された折りシートは、初期位置に排出されて可動部材824が移動し、シートトレイ入口センサー38をONにする。例えば、排出された折りシートの中央部分に可動部材824が設けられている場合、前に排出された折りシートと、次に排出された折りシートとは長さの半分ずつ程、重なり合うことになる。当該処理を繰り返すことにより一定間隔で排出された折りシートが重なりあって整列して搬送されることになる。すなわち、当該搬送モードは、折りシートが排出される毎に所定距離、搬送ベルトを移動(ステップ移動)させて排出された折りシートを搬送する搬送モードである。
図13は、本発明の実施の形態に従うシート排出搬送モードのフロー図である。当該処理は、CPU201が搬送ベルトモーター97を制御することにより実行される。
図13を参照して、シートトレイ先端センサー39がONであるかどうかを判断する(ステップS20)。
次に、シートトレイ先端センサー39がONであると判断した場合(ステップS20においてYES)には、当該状態を維持する。
一方、シートトレイ先端センサー39がOFFで有ると判断した場合(ステップS20においてNO)には、搬送ベルトを正転する(ステップS22)。具体的には、搬送ベルトモーター97に指示して搬送ベルト827A,827Bを正転(排出方向)させる。
次に、シートトレイ先端センサー39がONであるかどうかを判断する(ステップS24)。
ステップS24において、シートトレイ先端センサー39がONであると判断した場合(ステップS24においてYES)には、シート集積時間が経過したかどうかを判断する(ステップS26)。
ステップS26において、シート集積時間が経過したと判断した場合(ステップS26においてYES)には、搬送ベルトを停止する(ステップS28)。具体的には、搬送ベルトモーター97に指示して搬送ベルト827A,827Bを停止させる。そして、再び、ステップS20に戻る。
一方、ステップS26において、シート集積時間が経過していないと判断した場合(ステップS26においてNO)には、ステップS26の状態を維持する。
ステップS24において、シートトレイ先端センサー39がONでないと判断した場合(ステップS24においてNO)には、エンプティ時間が経過したかどうかを判断する(ステップS30)。
ステップS30において、エンプティ時間が経過したと判断した場合(ステップS30においてYES)には、エンプティである旨を報知する(ステップS32)。具体的には、CPU201が通信インタフェース87を介して画像形成装置Aのメイン制御部150にエンプティである旨の情報を出力し、画像形成装置Aのメイン制御部150が音声出力部14により音声信号を出力するようにすれば良い。あるいは、ここで、報知することなくエンプティであると判断して、次のステップS34に進むようにしても良い。
そして、搬送ベルトを停止する(ステップS34)。そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS30において、エンプティ時間が経過していないと判断した場合(ステップS30においてNO)には、ステップS24に戻り、搬送ベルトを正転させながらシートトレイ先端センサー39がONとなるかどうかを判断する。以降の処理については同様である。
すなわち、当該シート排出搬送モードにおいては、シートトレイ先端センサー39の検出結果に基づいて搬送制御する搬送モードである。具体的には、シートトレイ先端センサー39がONでない場合に、シートトレイ先端センサー39がONとなり、かつ、シート集積時間が経過するまでシートトレイ800に排出された折りシートを搬送ベルトにより端部に搬送する。
したがって、シートトレイ800に排出された折りシートは、シートトレイ800の端部(先端方向)に搬送されるためシートトレイ800に載置された折りシートの取り出しが容易となる。
そして、シートトレイ800の端部に載置された折りシートが取り出された場合には、再び、シートトレイ先端センサー39がオフし、シートトレイ800の搬送ベルトが動作してシートトレイ800の入口付近に積載された折りシートが端部方向に搬送されるため、シートトレイ800の入口付近に積載された折りシートの取り出しも容易になる。
一方で、エンプティ時間経過後もシートトレイ先端センサー39がONしない場合には、シートトレイ800には、折りシートが載置されていない状態であることが把握される。したがって、その場合には、エンプティである旨を報知して搬送ベルトを停止させる。当該処理により無駄な処理が継続されることを防止できる。
ここで、シート集積時間が経過した後、搬送ベルトを停止する場合について説明する。
図14は、本発明の実施の形態に従う折りシートが集積する状態を説明する図である。
図14(A)は、複数の折りシートがシートトレイ800において載置されている場合が示されている。
当該状態において、シートトレイ800の搬送ベルトを正転させると、図14(B)に示されるように折りシートの束がストッパー部材822を介して集積された状態が示されている。
当該状態のままさらに、シートトレイ800の搬送ベルトを正転させると、折りシートの束が反対側にひっくりかえることになる。本例においては、ストッパー部材822に適切に集積された状態でシートトレイ800の搬送ベルトを停止させる。
シート集積時間とは、シートトレイ先端センサー39がONしてから、ストッパー部材822に適切に折りシートが集積された状態となるまでの期間に相当する。
このシート集積時間は、シートトレイ800の角度により調整される。また、後処理モードの種類によっても調整される。
図15は、シートトレイ800および後処理モードに基づくシート集積時間の対応テーブルである。
図15を参照して、シートトレイ800の角度が小さい程、折りシートがひっくり返りにくく、逆に、角度が大きい程、折りシートがひっくり返り易い。また、後処理モードにおいて、三つ折り処理は、折りシートの高さが低いのでひっくり返りにくく、中折りでは折りシートの高さが高いのでひっくり返り易い。また、中綴じは中折りと折りシートの高さが同じだが、折りシートの先端がステーブルされており先端が重いのでひっくり返り易い。
本例においては、上記に基づいて、シートトレイ800が最下位位置にある場合には、三つ折り、中折り、中綴じのそれぞれの場合において、シート集積時間を75s、30s、22.5sにそれぞれ設定している。
また、シートトレイ800が中間位置になる場合には、三つ折り、中折り、中綴じのそれぞれの場合において、シート集積時間を45s、22.5s、15sにそれぞれ設定している。
また、シートトレイ800が最上位位置になる場合には、三つ折り、中折り、中綴じのそれぞれの場合において、シート集積時間を30s、15s、7.5sにそれぞれ設定している。
当該時間は、用紙サイズA3、坪量80g/m2、中綴じのステープルは2箇所、搬送ベルトを20mm/sで駆動したときの実験結果に基づくものである。
なお、当該例は、一例であり、シートのサイズ毎に当該テーブルを設けることも可能であるし、あるいは、シートのサイズに従って係数を乗算してシート集積時間を算出するようにしても良い。
当該シート集積時間により、ストッパー部材822に適切に折りシートを集積して、折りシートをシートトレイ800から取り易くすることが可能である。
上記で説明した2つの搬送モードは、例えば、シートトレイ800の角度により切り替えるようにしても良い。一例として、シートトレイ上部センサー82、シートトレイ下部センサー84の検出状態に基づいて、シートトレイ800の角度を検出する。そして、通常の状態、すなわち、シートトレイ800が最下位に位置する場合には、シート整列搬送モードにおける搬送制御を実行し、シートトレイ800が中間位置あるいは最上位に位置する場合には、シート排出搬送モードに従う搬送制御を実行するようにしても良い。
また、当該搬送モードの切り替えは、特にこれに限られない。
次に、シートトレイ800と搬送コロ67との関係について説明する。
図16は、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800と搬送コロ67との関係について説明する図である。
図16(A)を参照して、シートトレイ800が最下部から最上部に持ち上げた場合が示されている。
当該図に示されるように搬送コロ67は、後処理装置FSの外装側に設けられている。そして、シートトレイ800を最上部に持ち上げた場合に搬送コロ67がシートトレイ800に近接する。そして搬送コロ67を介してシートトレイ800に排出された折りシートがシートトレイ800の端部側に送出される。一方、シートトレイ800を最下部に下げた場合に搬送コロ67は離れた状態となり搬送コロ67の影響を受けないように構成されている。なお、シートトレイ800を中間位置とした場合にも折りシートは搬送コロ67の回転によりシートトレイ800の端部側に創出されるものとする。なお、シートトレイ800には、搬送ベルト827A,827Bが設けられており、当該搬送ベルト827A,827Bにより折りシートはシートトレイ800の端部側に搬送されるが、搬送コロ67は当該折りシートを搬送する際に補助する役割を果たす。
図16(B)を参照して、ここでは、搬送コロ67を駆動する駆動機構が示されている。
搬送コロ67の搬送コロモーター64が回転することによりベルト65が回転する。ベルト65がプーリー66に懸架されており、プーリー66には搬送コロ67(67A,67B)が設けられている。したがって、搬送コロモーター64が回転することにより搬送コロ67A,67Bが回転する。搬送コロ67A,67Bが回転することにより当該搬送コロと当接する折りシートはシートトレイ800の端部側に送出される。
なお、プーリー66は、ワンウェイクラッチ付きのプーリーとして、折りシートが搬送コロに当接すると従動して回転させるようにしても良い。
図17は、本発明の実施の形態に従うシートの種類および折り処理に従って搬送コロを駆動する速度を規定する速度テーブルを説明する図である。
図17(A)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、普通紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が4〜5枚の場合には、搬送コロの速度は5mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が6枚以上の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。
シートの枚数が増える程、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、普通紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が4〜5枚の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が6枚以上の場合には、搬送コロの速度は22mm/sに設定する。
シートトレイの角度(勾配)が大きくなるほど、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。
図17(B)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、普通紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜4枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が5〜9枚の場合には、搬送コロの速度は5mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が10枚以上の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。シートの枚数が増える程、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、普通紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜4枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が5〜9枚の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が10枚以上の場合には、搬送コロの速度は23mm/sに設定する。シートトレイの角度(勾配)が大きくなるほど、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。
図17(C)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、厚紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が2枚の場合には、搬送コロの速度は5mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が3枚以上の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。
シートの枚数が増える程、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。また、シートの種別が厚紙であるため枚数が少なくても搬送負荷が大きいため、普通紙と比べて折り処理するシートの枚数が少なくても搬送コロの速度を速くして補助する割合を大きくしている。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、厚紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が2枚の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が3枚以上の場合には、搬送コロの速度は22mm/sに設定する。
シートトレイの角度(勾配)が大きくなるほど、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。また、シートの種別が厚紙であるため枚数が少なくても搬送負荷が大きいため、普通紙と比べて折り処理するシートの枚数が少なくても搬送コロの速度を速くして補助する割合を大きくしている。
図17(D)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、厚紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が4〜5枚の場合には、搬送コロの速度は5mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が6枚以上の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。シートの枚数が増える程、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。また、シートの種別が厚紙であるため枚数が少なくても搬送負荷が大きいため、普通紙と比べて折り処理するシートの枚数が少なくても搬送コロの速度を速くして補助する割合を大きくしている。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、厚紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が4〜5枚の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が6枚以上の場合には、搬送コロの速度は23mm/sに設定する。シートトレイの角度(勾配)が大きくなるほど、搬送負荷が増大するため搬送コロの速度を速くしている。また、シートの種別が厚紙であるため枚数が少なくても搬送負荷が大きいため、普通紙と比べて折り処理するシートの枚数が少なくても搬送コロの速度を速くして補助する割合を大きくしている。
図18は、本発明の実施の形態に従う搬送コロの制御について説明するフロー図である。当該処理については、主にCPU201にて実行される処理について説明する。
図18を参照して、シートトレイ800の持ち上げがあったかどうかを判断する(ステップS200)。具体的には、CPU201がシートトレイ上部センサー82、シートトレイ下部センサー84の検出結果に基づいてシートトレイ800が中間位置あるいは最上位位置であるかどうかを判断する。シートトレイ800が中間位置あるいは最上位位置であると判断した場合には持ち上げがあったと判断する。
ステップS200において、シートトレイ800を持ち上げたと判断した場合(ステップS200においてYES)には、CPU201は、シートトレイ先端センサー39がONしているかどうかを判断する(ステップS202)。
ステップS202において、CPU201は、シートトレイ先端センサー39がONしていると判断した場合(ステップS202においてYES)には、その状態を維持する。すなわち、シートトレイ800の先端側に折りシートが集積されているからである。
そして、ステップS202において、CPU201は、シートトレイ先端センサー39がOFFしていると判断した場合(ステップS202においてNO)には、搬送ベルト827A,827Bを駆動する(ステップS204)。搬送ベルト827A,827Bを駆動してシートトレイ800の先端側に折りシートを搬送して、折りシートを取り出しやすくする。
そして、次に、CPU201は、ジョブに基づいて搬送コロの速度を算出する(ステップS206)。具体的には、実行するジョブの内容(シートの種別、シートの枚数および折り処理)に従って図17の速度テーブルに基づく搬送コロの速度を算出する。
次に、CPU201は、搬送コロの速度は停止ではないかどうかを判断する(ステップS208)。具体的には、速度テーブルに従って停止(0mm/s)でないかどうかを判断する。
ステップS208において、CPU201は、算出した搬送コロの速度は停止(0mm/s)であると判断した場合(ステップS208においてNO)には、搬送コロを駆動することなくステップS216に進む。
一方、ステップS208において、CPU201は、算出した搬送コロの速度は停止(0mm/s)よりも速いと判断した場合には、次に、搬送コロの速度が搬送ベルトよりも速いかどうかを判断する(ステップS210)。本例においては、一例として搬送ベルトの速度は20mm/sであるものとする。
ステップS210において、CPU201は、算出した搬送コロの速度が搬送ベルトよりも速いと判断した場合(ステップS210においてYES)には、搬送コロをシートトレイの搬送ベルトと同じ速度で駆動する(ステップS212)。すなわち、CPU201は、搬送コロモーター64に指示して搬送コロの速度が20mm/sとなるように駆動する。
そして、ステップS216に進む。
ステップS210において、CPU201は、算出した搬送コロの速度が搬送ベルトよりも遅い場合(ステップS210においてNO)には、算出した速度で搬送コロを駆動する(ステップS214)。具体的には、CPU201は、搬送コロモーター64に指示して搬送コロの速度が算出した速度となるように駆動する。
そして、ステップS216に進む。
次に、CPU201は、シートトレイ先端センサー39がONしたかどうかを判断する(ステップS216)。すなわち、折りシートがシートトレイ800の先端部に搬送されてシートトレイ先端センサー39がONしたかどうかを判断する。
ステップS216において、CPU201は、シートトレイ先端センサー39がONしない場合には、次に、シートトレイエンプティ時間が経過したかどうかを判断する(ステップS222)。
ステップS222において、CPU201は、シートトレイエンプティ時間が経過したと判断した場合(ステップS222においてYES)には、シートトレイエンプティを報知する(ステップS224)。
そして、次に、CPU201は、シートトレイ800の搬送ベルトと搬送コロを停止する(ステップS220)。そして、処理を終了する(エンド)。すなわち、シートトレイエンプティ時間が経過した場合に、シートトレイ先端センサー39がONしない場合とは、シートトレイ800に折りシートが載置されていない状態あるいは載置されていても正常に載置されていない異常状態を指す。したがって、その場合にはシートトレイエンプティを報知してユーザーにその旨を通知することが可能である。
一方、ステップS222において、CPU201は、シートトレイエンプティ時間が経過していないと判断した場合(ステップS222においてNO)には、ステップS216に戻る。そして、当該処理を繰り返す。
ステップS216において、CPU201jは、シートトレイ先端センサー39がONしたと判断した場合(ステップS216においてYES)には、シート集積時間が経過したかどうかを判断する(ステップS218)。シート集積時間は、図15で説明したシート集積時間を用いることが可能である。
ステップS218において、CPU201は、集積時間が経過したと判断した場合(ステップS218においてYES)には、シートトレイ800の搬送ベルトと搬送コロを停止する(ステップS220)。
そして、処理を終了する(エンド)。
当該処理により、ストッパー部材822に適切に折りシートを集積して、折りシートをシートトレイ800から取り易くすることが可能である。
そして、本例においては、シートトレイ800の角度(勾配)に従って搬送負荷が増大する場合に搬送コロの速度を適切に制御することによりその負荷を軽減することが可能である。また、搬送ベルトの速度と比較して搬送ベルトの速度よりも搬送コロの速度が速くならないように制御して折りシートのシートがめくれる等の問題を回避することが可能である。
図19は、本発明の実施の形態の変形例に従う搬送コロについて説明する図である。
図19(A)を参照して、図5で説明した構成と比較して、搬送コロが後処理装置の外装に設けられた構成ではなく、搬送レバー69A,69Bを介して搬送コロが設けられている点が異なる。搬送レバー69A,69Bの一端部は後処理装置の外装と固定され、他端部は、搬送コロを介してシートトレイ800と接触する構成となっている。搬送レバー69A,69Bは可動式であり、シートトレイ800の角度とともにその角度が変化するようになっている。
図19(B)を参照して、ここでは、シートトレイ800が最下部に位置する場合が示されていて、搬送コロ67Aを介して搬送レバー69Aとシートトレイ800とが接触している場合が示されている。したがって、シートトレイ800が最下部に位置する場合であっても折りシートは搬送コロ67と接触する。
図19(C)を参照して、ここでは、シートトレイ800が最上部に位置する場合が示されていて、搬送コロ67Aを介して搬送レバー69Aとシートトレイ800とが接触している場合が示されている。なお、シートトレイ800が持ち上げられた状態であり、その角度に従って搬送レバー69Aの角度も調整されている。
図19(D)を参照して、ここでは、搬送コロ67を駆動する駆動機構が示されている。
搬送レバー69Aは、搬送コロ67Aとベルト68Aとを含む。また、搬送レバー69Bは、搬送コロ67Bとベルト68Bとを含む。搬送コロモーター64が回転することによりベルト65が回転する。ベルト65がプーリー66に懸架されており、プーリー66にはベルト68A,68Bが懸架されている。したがって、モーター86が回転することによりベルト68A,68Bが回転し、それに伴って搬送コロ67A,67Bが回転する。
当該構成とした場合であっても同様に搬送コロを設けることにより折りシートの搬送負荷を軽減することが可能である。
図20は、本発明の実施の形態の変形例に従うシートの種類および折り処理に従って搬送コロを駆動する速度を規定する速度テーブルを説明する図である。
図20(A)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、普通紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が4〜6枚の場合には、搬送コロの速度は3mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が7枚以上の場合には、搬送コロの速度は6mm/sに設定する。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、普通紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が4〜6枚の場合には、搬送コロの速度は6mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が7枚以上の場合には、搬送コロの速度は12mm/sに設定する。
図20(B)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、普通紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜5枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が6〜9枚の場合には、搬送コロの速度は3mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が10枚以上の場合には、搬送コロの速度は6mm/sに設定する。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、普通紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜5枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が6〜9枚の場合には、搬送コロの速度は6mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が10枚以上の場合には、搬送コロの速度は15mm/sに設定する。
図20(C)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、厚紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が2枚の場合には、搬送コロの速度は3mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が3枚以上の場合には、搬送コロの速度は6mm/sに設定する。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、厚紙、三つ折りモードの場合には、折り処理するシートの枚数が1枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が2枚の場合には、搬送コロの速度は9mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が3枚以上の場合には、搬送コロの速度は18mm/sに設定する。
図20(D)を参照して、シートトレイ800が中間位置である場合に、厚紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態とする。折り処理するシートの枚数が4〜6枚の場合には、搬送コロの速度は3mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が7枚以上の場合には、搬送コロの速度は6mm/sに設定する。
一方、シートトレイ800が最上位位置である場合に、厚紙、中折り(中綴じ)モードの場合には、折り処理するシートの枚数が1〜3枚の場合には、搬送コロは停止した状態(0mm/s)とする。折り処理するシートの枚数が4〜6枚の場合には、搬送コロの速度は10mm/sに設定する。折り処理するシートの枚数が7枚以上の場合には、搬送コロの速度は23mm/sに設定する。
図17の速度テーブルと比較して、搬送レバー69A、69Bにより搬送コロ67A,67Bが折りシートに加圧する力が増すため搬送コロ67A,67Bの速度をそれほど速くしなくてもシートトレイ800の端部に十分に送出することが可能であるためその速度がやや遅く調整されている。その他の点は図17と同様である。また、図18のフロー図を同様に適用可能である。
本実施の形態においては、シートトレイ800において、折りシートを端部に搬送する搬送力を補助するための搬送コロを設けてその速度を適切に調整することにより搬送負荷が増大してもそれに合わせて適切に搬送することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。