JP5823886B2 - 浴槽及び開閉式浴槽 - Google Patents
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Description
しかし、堀り込んだ床面に浴槽本体を落とし込む従来の浴槽にあっては、浴槽本体を落とし込むための床面の堀り込みに手間や工事費がかかるという問題がある。
入浴時に入浴者を浴槽本体内に移し替えるとき、開口部より上方の浴槽内の湯量をタンクに一時的に移し替え、開口部を扉部で閉鎖した後にタンクの湯を浴槽内に戻すようにしている。そのため、入浴者の入浴と退出に伴う湯の出し入れ調整が、浴槽内に蓄えられた湯の約半分程度で済むので、入出浴に伴う湯の移し替えを大幅に短縮することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された開閉式浴槽では、入浴者を入浴用椅子や担架に載せたまま移送台によって浴槽本体の開口部を通して浴槽内のレール台に移送する構成であるため、入浴用椅子や担架のスペースを含む占有スペースが大きく、浴室と浴槽本体にそれぞれ大きなスペースが必要になるため、比較的狭い家庭用の浴室や、小さな浴室または浴槽等での入浴には不向きであった。
これによって、家庭用浴室等の狭いスペースでも、浴室のレイアウトに応じて着座部を備えたリフト機構を移動させて入浴しやすい位置に位置決めできる。しかも、浴槽の着座部に入浴者を着座させた状態で着座部を回転させたり移動させたりすることで身障者や老人等が開口部を通して浴槽に入ったり出たりすることができるため、容易に入浴が可能になる。
本発明の浴槽によれば、入浴者が入浴したり浴槽から退出したりする際、浴室のレイアウトや浴室の壁や設置設備等と浴槽の位置との関係から、入浴者が浴槽本体に対して入退出し易い位置が異なっていても、一の側壁に設けた複数の穴は等間隔で配列されているから、入退出する位置の近くの側壁に手すりを取り付け、入退出する位置から比較的離れた位置に操作スイッチを取り付けることができる。そのため、浴槽本体の設置位置に関わらず入浴者は手すりをつかんで安全に入退出したり浴槽内で立ち上がったりすることができ、入浴者が健常者である場合はもとより、身障者や老人等であっても転倒のおそれなく入退出等の動きをすることができる。
リフト機構に設けた着座部から退出する際、着座する際、または立ち上がる際にその近傍に取り付けた手すりをつかむことで滑ったりすることなく動くことができる。
本発明の開閉式浴槽によれば、浴室のレイアウトや浴槽の位置との関係から、入浴者が浴槽本体の一の側壁の開口部から入退出するとして、二の側壁における入退出位置または着座位置の近傍に手すりを設けることができるので、入浴者が開口部を通して入浴したり退出したりする際、或いは立ち上がる際、入浴者は確実に手すりをつかんで入退出したり浴槽本体内で立ち上がったりすることができる。そのため、入浴者が健常者である場合はもとより、身障者や老人等であっても転倒のおそれをなくして安全に動作することができる。
本発明によれば、リフト機構に近接する開口部を設けない第二の側壁において、着座部に近接する位置に手すりを取り付けて着座部から離れた位置に操作スイッチを設けることで、リフト機構の着座部から入浴者が立ち上がったり退出したり座ったりする際に手すりをつかんで動作することができるため、滑ったり転んだりするおそれがなく、入浴者が確実に立ったり座ったり、或いは移動する等の動作ができる。
なお、他の側壁とは開口部を設けた一の側壁や手すりや操作スイッチを設けた二の側壁以外の適宜の側壁であればよい。
入浴者は、着座部に着座した状態で、昇降駆動部によって着座部を昇降させることで、入浴位置と入退出位置とを切り替えることができる。
図1に示す本実施形態による開閉式浴槽10は、浴槽本体11と、浴槽本体11の手前側の第一側壁11aに設けられた開口部12と、第一側壁11aの高さ方向に沿って移動可能で開口部12を開閉する扉部13とを備えている。
浴槽本体11は上方が開放された略直方体の箱形形状をなしており、4つの側壁11a〜11d及び底面によって形成されている。図では、側壁11a〜11dは長辺板状をなす対向する第一側壁11a及び第二側壁11bと、短辺板状をなす対向する第三側壁11c及び第四側壁11dとで形成されている。開口部12は、手前側の第一側壁11aを上部から下方に向けて例えば略上半分程度矩形状に切除することで形成されている。
シール部材15は扉部13の内面に例えば略コの字状またはU字状に形成されている。シール部材15は中空で伸縮可能な合成樹脂またはゴム部材等からなり、扉部13が開口部12を閉鎖した状態でエア等の気体が供給されると膨張して浴槽本体11内の湯が開口部12から漏れ出ないシール作用を果たしている。
なお、座面部21にはヒンジを介して折り曲げ可能なフラップ23がその両側または片側に設けられていてもよく、図1に示すように扉部13を降下させて開口部12を開放した状態で、第一側壁11aの開口部12と扉部13の上面がほぼ同一高さとなり、その上に座面部21と同一平面上にフラップ23が載置される。これにより、入浴者が浴槽本体11に出入りする際に、いったんフラップ23に着座することで容易に座面部21に移動したり、浴槽本体11内の座面部21からフラップ23に移って外部に出たりすることができる。
支柱18の上端に連結されたフレーム25の水平板25aが第三側壁11cの上面に載置され、隣接する収納ボックス17内にその上端開口から垂直板25bと昇降駆動部26が進入して収容されている。また、図3に示すように、第三側壁11cの上面とフレーム25の水平板25aと収納ボックス17の上端開口とは、カバー部材30で覆われている。このカバー部材30は、図3に示すように、ヒンジを介して収納ボックス17の上端部に開閉可能に装着されている。カバー部材30は、浴槽本体11内に入浴者が入浴して座面部21に着座した際、入浴者の頭部を載せる枕としての機能も有する。
図5及び図6に示すように、収納ボックス17内の下部にはレール部39が取り付けられている。レール部39は脚部上に設置され、レール部39の側部には略L字状の支持ガイドが設けられている。
そして、摺動部38はレール部39に沿って摺動させることで、収納ボックス17から引き出し及び収納可能とされ、引き出した時にレール部39から分離して取り出すことができる。また、収納ボックス17の前面には摺動部38を収納した状態で覆うカバーが取り付けられている。
第二側壁11bの上面には、その両端部と中央部とに第一穴52、第二穴53、第三穴54が等間隔に形成されており、これらの穴52、53,54は同一形状で同一寸法を有していて、手すり49の両端部と操作スイッチ60はそれぞれ各穴52,53,54に取り付け可能とされている。
特に、手すり49は略U字形状に形成されており、その両端部の第二側壁11bの穴52,53,54への取り付け構造は、図7に示すように手すり49の端部とその先端側の軸部49aとの間に第一フランジ56が固定され、更に穴の裏側で第二フランジ57が締結ボルト58によって軸部49aに螺着されることで、第二側壁11bの上面が第一及び第二フランジ56,57で挟まれて固定される構成を有している。
そして、操作スイッチ60を押すことで伝達部材62を移動させて、浴槽本体11の底面において排水栓61の栓体64を排水口部材63から開弁させて排水でき、操作スイッチ60を引き上げることで、排水栓61の栓体64を排水口部材63に密閉させて閉弁させることができる。
開閉式浴槽10を製作する場合、図1乃至図3に示すように、浴室のレイアウトの関係で第三側壁11cにリフト機構16を取り付けたとすると、開口部12を設けた第一側壁11aに対向する第二側壁11bの着座面19に近い第一穴52及び第二穴53に手すり49を図7に示すように取り付ける。
そして、図8に示すように、リフト機構16から最も離れた第三穴54にポップアップ式排水栓50の操作スイッチ60を固定すると共に、底面の排水孔に排水栓61を設置する。
そして、入浴者はフラップ23に着座した状態で開口部12をまたいで、浴槽本体11内の着座部19における座面部21上に移動する。その際、入浴者は第二側壁11bに設けた手すり49を把持してフラップ23から座面部21に移動すれば、滑ったりよろめいたりすることなく安全に移動できる。
そして、リフト機構16のモータ29を駆動させて着座部19を底面に向けて降下させ、残りの湯を満たすことで入浴者が入浴状態になる。入浴状態において、身体を洗う際、手すり49を把持して入浴者が立ち上がった状態で臀部等を洗うことができる。
また、入浴者が退出する場合には、座面部21に着座した状態から手すり49を把持して、フランジ23に臀部を移動し、更に開口部12をまたぐことで浴槽本体11の外にでられる。
この状態で、入浴者は入浴及び退出に際し、そして身体を洗う場合に手すり49を把持して動作すれば、滑ったり転んだりすることなく安全かつスムーズに移動や動作を行える。
浴槽本体11の第二側壁11bにおいて、複数の穴である第一穴52、第二穴53、第三穴54を同一形状及び同一寸法で等間隔に形成したから、手すり49と操作スイッチ60を選択的に異なる位置に取り付け可能であり、特に入浴者に近い位置に手すり49を取り付けることができる。
そして、浴槽本体11におけるリフト機構16の取同一寸法で同一形状にり付け位置に応じて、隣接する第二側壁11bの座面部21に近い位置の二つの穴に手すり49を取り付け、座面部21から遠い位置の穴に操作スイッチ60を取り付けることで、入浴者が浴槽本体11へ入浴及び退出する場合に、近傍にある手すり49を把持しながら移動し、また身体を洗う場合にも手すり49を把持しながら立ち上がることで、安全な移動を行える。
上述の実施形態では、扉部13で開口部12を開閉する開閉式浴槽10について説明したが、本発明はこのような構成に限定されることなく、開口部12や扉部13のない通常の浴槽にも適用できる。
また、健常者等が浴槽本体11に入浴する場合、リフト機構16は必ずしも必要なく、着座部19を取り外し、更に支柱18及び昇降駆動部26を上方から引き出してもよい。
この場合、入浴者が出入りする第一側壁11aに対向する第二側壁11bや隣接する第三及び第四側壁11c、11dのいずれかに等間隔の3つの穴とこれらに選択的に取り付けた手すり49及び操作スイッチ50とを設ければよい。
また、上述の実施形態では、リフト機構16と収納ボックス17を第三側壁11cに設置したが、他の側壁11b、11dに設置してもよいことはいうまでもない。
この場合、リフト機構16を設置した側壁11b、11dに隣接する側壁に3つの穴である第一穴52〜第三穴54を形成し、これらの穴に手すり49と操作スイッチ50を選択的に取り付けることができ、リフト機構16に近接する位置に手すり49を取り付け、遠い位置に操作スイッチ50を取り付けることが好ましい。
11 浴槽本体
11a 第一側壁(側壁)
11b 第二側壁(側壁)
11c 第三側壁(側壁)
12 開口部
13 扉部
16 リフト機構
18 支柱
19 着座部
21 座面部
26 昇降駆動部
49 手すり
50 ポップアップ式排水栓
52 第一穴(穴)
53 第二穴(穴)
54 第三穴(穴)
60 操作スイッチ
Claims (4)
- 浴槽本体の側壁に手すりと排水栓を開閉操作する操作スイッチとを取り付けてなる浴槽において、
前記側壁には3つ以上の複数の穴を等間隔に配設し、前記手すりと操作スイッチとを前記複数の穴のいずれかに選択的に取り付けできるようにしたことを特徴とする浴槽。 - 前記浴槽本体の別の側壁には昇降可能な着座部を備えたリフト機構が設けられ、前記一の側壁におけるリフト機構に近接する位置に前記手すりを取り付け、前記リフト機構から離れた位置に前記操作スイッチを取り付けるようにした請求項1に記載された浴槽。
- 浴槽本体と、該浴槽本体の一の側壁の上部側に設けられた開口部を開閉させる扉部とを備えていて、前記浴槽本体の二の側壁に手すりと排水栓を開閉操作する操作スイッチとを取り付けてなる開閉式浴槽であって、
前記二の側壁には3つ以上の複数の穴を等間隔に配設し、前記手すりと操作スイッチとを前記複数の穴のいずれかに選択的に取り付けできるようにしたことを特徴とする開閉式浴槽。 - 前記浴槽本体の更に他の側壁には昇降可能な着座部を備えたリフト機構が設けられ、前記二の側壁における前記着座部に近接する位置に前記手すりを取り付け、前記着座部から離れた位置に前記操作スイッチを取り付けるようにした請求項3に記載された開閉式浴槽。
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