JP5823626B2 - 多段階電気化学的ストリッピング法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は一般に、被覆物品のアルミナイド被覆などの金属被覆を金属又は非金属物品の表面からストリッピングするための電気化学的ストリッピング法に関する。
金属被覆のストリッピングは、例えばタービン翼の修繕などの多くの製造プロセスにおいて重要なステップである。金属被覆は、例えば環境保護などの保護性能を物品に与えるために物品に施される。金属被覆の除去は、少なくとも1つの新しい被覆をそのような物品に施してその保護特性をその後の使用のために回復させることを可能にする。例えば、タービン翼上の拡散被覆又はオーバーレイ金属被覆の組成物として典型的には、限定はされないが、白金アルミナイド(PtAl)が挙げあれる。タービン翼の基材の組成物(「ベース合金」又は「母材合金」とも呼ばれる)として典型的には、限定はされないが、Rene N5(登録商標)ブランドの超合金が挙げられる。
ストリッピングプロセスは十分に選択的であるべきであり、これはストリッピングプロセスが意図する材料のみを除去し、一方で物品の所望の構造を保持することを意味する。例えば、ストリッピングプロセスは下にある基材を消耗又は改変させることなくタービン翼から金属被覆を除去するべきである。したがって、タービン翼の構造の完全性はストリッピングプロセス後に維持されることになる。
電気化学的ストリッピング法は、アルミナイド被覆などの金属被覆をタービン翼からストリッピングするための1つの公知の方法である。図1を参照すると、従来の電気化学的ストリッピングシステム1が示されている。システム1は、電解質3、カソード4、及び直流(DC)電源5を入れた電解質浴容器2を含んでいてもよい。タービン翼などの物品6がストリッピングされる必要がある場合、カソード4を電解質3の中に沈め、DC電源5の負端子に電気接続し、アノードとしての物品6を電解質3の中に沈め、DC電源5の正端子に電気接続する。DC電源5を起動した後、物品6上の金属被覆は当技術分野において公知である一段階電気化学的反応の間に電解質3によって腐食して除去される。
しかし、上記の一段階電気化学的反応は「非選択的」である場合があり、このことはストリッピングプロセスが物品6の金属被覆と基材とを十分に区別できないことを意味し、物品の性能及び信頼性の低下につながる。最悪のシナリオでは、物品6は使用不可能となり廃棄される場合がある。
これらの理由及び他の理由により、本発明の実施形態が必要とされる。
BOUCHAUD B ET AL: "Controlled stripping of aluminide coatings on nickel superalloys through electrolytic techniques", JOURNAL OF APPLIED ELECTROCHEMISTRY, KLUWER ACADEMIC PUBLISHERS, DO, vol.38, no.6, 22 February 2008 (2008-02-22), pages 817-825, XP019606245, ISSN: 1572-8838
本明細書で開示される実施形態によれば、被覆物品の金属被覆をストリッピングするための多段階電気化学的ストリッピング法が提供される。多段階電気化学的ストリッピング法は、
(a):電解質中に沈めた参照電極と被覆物品の間に所定の電極電位を与えるステップと、
(b):被覆物品を通って流れる電流信号の電流ピーク値を記録するステップと、
(c):電流信号が電流ピーク値を過ぎた後に所定の第1の電流値まで低下したら、被覆物品に与えられた電圧を取り除くステップと、
(d):電解質をリフレッシュするステップと、
(e):参照電極と被覆物品の間に前記の所定の電極電位を所定の時間与え、電流信号が所定の時間、所定の第2の電流値を下回っているかどうかを決定するステップと、
(f):電流信号が所定の第2の電流値を下回っていない場合、ステップ(d)及び(e)を繰り返すステップと、
(g):電流信号が所定の第2の電流値を下回っている場合、被覆物品に与えられた電圧を取り除くステップであって、所定の第1の電流が所定の第2の電流値を上回るステップと
を含む。
本発明のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めばさらに理解されることになる。添付の図面において、図面のすべてにわたって同様の文字は同様の部品を表す。
従来の電気化学的ストリッピングシステムの概略図である。 一実施形態による電気化学的ストリッピングシステムの概略図である。 別の実施形態による電気化学的ストリッピングシステムの概略図である。 図2の電気化学的ストリッピングシステムの制御回路のブロック図である。 一実施形態による多段階電気化学的ストリッピング法のフローチャートである。 本発明が扱うストリッピングシステムにおける、物品と参照電極の間の電極電位の関数としての、物品の金属被覆及び基材の電流密度のグラフである。 従来の一段階電気化学的ストリッピング法及び図6の多段階電気化学的ストリッピング法をそれぞれ用いることによる、電気化学的ストリッピング後のタービン翼の概観図である。
本発明の実施形態は、被覆物品の金属被覆をストリッピングするための多段階電気化学的ストリッピング法に関する。多段階電気化学的ストリッピング法は、電解質中に沈めた参照電極と物品の間に所定の電極電位を与えるステップと;物品を通って流れる電流信号の電流ピーク値を記録するステップと;電流信号が電流ピーク値を過ぎた後に所定の第1の電流値まで低下したら、物品に与えられた電圧を取り除くステップと;電解質をリフレッシュするステップと;再び所定の電極電位を前記の所定の時間与え、電流信号が所定の時間、所定の第2の電流値を下回っているかどうかを決定するステップとを含む。下回っていない場合、再び電解質をリフレッシュし、プロセスを続ける。電流信号が所定の時間、所定の第2の電流値を下回っている場合、プロセスは終了する。
別段定められない限り、本明細書において使用される技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用する用語「第1」、「第2」などは、順序、量、又は重要性を示すのではなく、1つの要素を別の要素と区別するために使用される。また、用語「a」及び「an」は量の限定を示すのではなく、言及される品目の少なくとも1つが存在することを示し、「前」、「後ろ」、「下部」、及び/又は「上部」などの用語は、特に断りのない限り、単に説明の便宜上使用され、いかなる1つの位置又は空間的な方向にも限定されない。さらに、用語「連結された」及び「接続された」は、2つの部材間の直接的又は間接的な連結/接続を区別することを意図しない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような部材は直接的又は間接的に連結/接続されてもよい。
図2を参照すると、一実施形態による電気化学的ストリッピングシステム10は、電解質30、電極40、制御回路50、ストリッピングしようとする被覆物品60、及び参照電極70を入れた電解質浴容器20(以後、「容器」とする)を含む。一実施形態において、電極40はカソードとして作用してもよく、被覆物品60は電極40に対応するアノードとして作用してもよい。代替的実施形態において、電極40はアノードとして作用してもよく、被覆物品60はカソードとして作用してもよい。参照電極70は、例えば外部電源(図示せず)から得られる参照電圧を与えるために使用される。
物品6がストリッピングされる必要がある場合、電極40、物品60、及び参照電極70を電解質30の中に沈め、制御回路50に電気接続する。制御回路50は、電極40と物品60の間にセル電圧を与えることにより、物品60と参照電極70の間の電極電位を所定の電圧範囲内で制御する。したがって、電極40と物品60の選択された被覆表面の間で所望の電場を確立することができ、これは物品60の金属被覆を腐食させて除去することができる。
図2のこの図示された実施形態は1つの電極40のみを示すが、これは単に例示的なものであり、決して本発明を限定することを意図しない。他の実施形態において、さらに効率を向上させるために2つ以上の電極40が存在してもよい。電極40は、電場を物品60の表面に向けるように構成された適切な形状で形成される。本発明の範囲内にある電極40の適切な幾何学形状としては、限定はされないが、平面形状、円筒形状、及びそれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、電極40は、ストリッピングしようとする物品60の形状に対しておよそ補完的である幾何学的構成などの、複雑な幾何学的構成を含んでいてもよい。電極40は一般に非消耗性であり、電気化学的ストリッピングプロセスの全体を通して無傷のままである。
容器20は任意の適切な非反応性容器であってもよい。容器20の形状及び容量は、容器20が電解質30、電極40、物品60、及び参照電極70を入れるのに十分なサイズである限り、用途に応じて様々であってもよい。容器20の材料もまた、それが非反応性であり電気化学的ストリッピングプロセスを妨げない限り、ガラス材料など、様々であってもよい。
一実施形態において、電解質30は溶媒中に電荷輸送成分を含んでいてもよい(限定はされないが、ハロゲン化物塩溶液など)。電解質30は、任意の適切な手段によって容器20の中に供給されてもよい。例えば、決して本発明を限定しないが、電解質30を容器20の中に注いでもよい。あるいは、電解質30は、ポンプ装置90(図3に示す)により容器20の中に供給されてもよい。図3の実施形態において、電解質プール21が導入され、十分な電解質31が入っている。電解質31は電解質30と同じであり、ポンプ装置90を用いることにより電解質30をリフレッシュするために使用される。例えば、ポンプ装置90は管55を通して電解質31をポンプでくみ上げ、管56を通して電解質31を容器20の中へ輸送する。その間、管57を通して制御弁、センサーなどの何らかの制御装置(図示せず)により従来の制御方法に従って、電解質30を電解質プール21へ輸送する。したがって、ストリッピングプロセスの間、電解質30をリフレッシュするための電解質の循環が確立される。一実施形態において、電解質の循環における電解質30の循環速度は100ml/分〜800ml/分であってもよい。
非限定的な実施形態において、物品60の拡散被覆又はオーバーレイ金属被覆の組成物としては、限定はされないが、白金アルミナイド(PtAl)を挙げることができる。物品60の基材の組成物としては、限定はされないが、ニッケル系超合金(Rene N5(登録商標)ブランドの超合金など)を挙げることができる。他の実施形態において、物品60及びその組成物は必要に応じて変更することもできる。例えば、物品60の金属被覆は、アルミナイド、ニッケル−アルミナイド、白金−ニッケル−アルミナイド、及びそれらの混合物であってもよい。物品60の基材は、コバルト系超合金又は鉄系超合金などであってもよい。
図4を参照すると、電気化学的ストリッピングシステム10の制御回路50の例示的な実施形態が示されている。制御回路50は、コントローラ51、電極40に電気接続された第1の電圧調整器52、物品60に電気接続された第2の電圧調整器53、及び第2の電圧調整器53と物品60の間に電気接続された電流センサー54を含んでいてもよい。第1の電圧調整器52は、コントローラ51からの制御コマンドに従って電極40への電圧を調整するために使用される。第2の電圧調整器53は、コントローラ51からの制御コマンドに従って物品60への電圧を調整するために使用される。電流センサー54は、物品60を通って流れる電流を感知するために使用され、感知された電流はストリッピングプロセスの間ずっとコントローラ51によって受け取られる。コントローラ51は参照電極70の基準電圧も受け取る。様々な実施形態において、コントローラ51は、感知された信号を受け取り所定のプログラムに従って制御信号を出力することができる、任意の適切なプログラム制御可能な装置であってもよい。例えば、コントローラ51はマイクロコントロールユニット又はプロセッサであってもよい。電圧調整器52及び53は変圧器などの任意の適切な回路構成であってもよく、要素への異なる電圧値を調整できる。電圧調整器52及び53は1つの要素として一体化してもよい。他の実施形態において、電極40は安定な電圧を受け取ることができ、したがってこのことは第1の電圧調整器52を省略できることを意味する。
ここで図5を参照すると、一実施形態による多段階電気化学的ストリッピング法のフローチャートが示されている。電気化学的ストリッピングシステム10は、物品60をストリッピングするための多段階電気化学的ストリッピング法を適用し、これは従来の一段階電気化学的ストリッピング法よりも良好な性能を実現できる。本発明により具体化される多段階電気化学的ストリッピングプロセスにおいて、電気化学的ストリッピングプロセスのパラメーター(以下、「ストリッピングパラメーター」とする)は、ストリッピングの特性も規定する。これらのストリッピングパラメーターは材料除去の速度、ひいてはストリッピングプロセスの効率に影響する。ストリッピングパラメーターとしては、限定はされないが、電極形状、参照電極と物品の間の電極電位、参照電極材料、電解質組成及び濃度、電極と物品の間の距離、電解質温度などが挙げられる。ストリッピングパラメーターは操作範囲にわたって様々であってもよい。例えば、電極電位は微小電圧(用語「微小」は小さいが測定可能な値を意味する)から少なくとも約30Vまでの間で様々であってもよい。物品60と電極40の間の距離は、約0.1インチから約10インチまでの範囲で様々であってもよい。電解質30の温度は20℃から60℃まで様々であってもよい。ストリッピング時間は、金属被覆の組成物、微細構造、密度、及び厚さによって決まる。電気化学的ストリッピングの時間は、被覆の厚さと共に増加し得る。例えば、電気化学的ストリッピングプロセスのストリッピング時間は、約0.1分から約4時間までの範囲で様々であってもよい。
一実施形態において、物品60がタービン翼である場合、タービン翼の拡散被覆又はオーバーレイ金属被覆の組成物としては白金アルミナイド(PtAl)が挙げられ、タービン翼の基材の組成物としてはRene N5(登録商標)ブランドの超合金が挙げられ、電解質30の電荷輸送成分は以下の表に従って選択でき、溶媒は蒸留水又は水道水から選択できる。
電解質30の電荷輸送成分は、3つの成分グループA、B、及びCを含み、各グループは上記の表に記載の対応する成分から選択される少なくとも1つの成分を含む。一実施形態において、グループAは、物品60に対するストリッピング機能を実施するのに使用される成分を含む。グループBは、電気化学的ストリッピングが行われる際に、電解質30の中のイオン移動を改善してその結果被覆表面のイオン濃度の均一性を高めるのに使用される成分を含む。グループCは、酸性環境(すなわちpH<7、特定の実施形態においてはpH<1.5)をもたらしてより良好な選択性を実現するのに使用される成分を含む(用語「選択性」は、ストリッピングプロセスが意図する材料のみを除去し、一方で物品の所望の構造を保持することを意味する)。
特定の実施形態において、電解質30の電荷輸送成分は、約3wt%のNaCl(Aより)、5wt%のNH4Cl(Bより)、及び3wt%のH3PO4(Cより)を含んでいてもよい。電解質30の溶媒は蒸留水を含んでいてもよい。電解質30の新しい溶液のpH値は約0.8である。電解質30の温度は30±3℃で制御される。電解質30の循環速度はポンプ装置90を使用することにより約400ml/分である。
図5は一実施形態による多段階電気化学的ストリッピング法のフローチャートである。ストリッピングプロセスの間ずっと、コントローラ51は電流センサー54により感知される電流信号を受け取る。一実施形態において、多段階電気化学的ストリッピング法はステップS1で開始する。ステップS1において、コントローラ51は制御コマンドを第1の電圧調整器52及び第2の電圧調整器53に送って電極40と物品60の間にセル電圧を与え、これは物品60と参照電極70の間の電極電位を制御して所定の電圧値に到達させることができる。参照電極70と物品60の間の電極電位もストリッピングパラメーターであり、実験データによって決定できる。例えば、図6は本発明が扱うストリッピングシステムにおける、物品60と参照電極70の間の電極電位の関数としての、物品60の金属被覆及び基材の電流密度の図を表す。
図6のこの実施形態において、参照電極70はAg/AgCl参照電極である。他の実施形態において、参照電極70は標準水素電極(SHE)、飽和カロメル電極(SCE)などの他の種類の参照電極であってもよい。図6において、金属被覆(曲線A1)と基材(曲線A2)の電流密度の差が最大である選択的ウィンドウを選択できる。このように、0.05V〜0.3Vなどの選択的ウィンドウに従えば所定の電圧範囲を選択できるであろう。さらに、所定の電圧範囲内で約0.2Vなどの特定の所定の電圧値も選択できる。したがって、ストリッピングプロセスは参照電極70と物品60の間に所定の電圧値を与えることにより引き起こされる。
図5のステップS2において、コントローラ51は電流センサー54により感知される電流信号の電流ピーク値を記録する。具体的には、ストリッピングプロセスが開始するとすぐに、電流信号は徐々に増加して電流ピーク値Ipeakに達し、徐々に減少することになる。このように、コントローラ51は上記の電流の傾向の特徴に従って、ピーク値Ipeakを記録できる。
ステップS3において、コントローラ51は、電流信号が電流ピーク値Ipeakを過ぎた後に所定の第1の電流値まで低下したら、制御コマンドを第1の電圧調整器52及び第2の電圧調整器53に出力して電極40及び物品60に与えられた電圧を取り除き、これはストリッピングプロセスを中断させる。一実施形態において、所定の第1の電流値は電流ピーク値Ipeakの20%〜90%などの電流範囲内で選択できる。特定の実施形態において、所定の第1の電流値は電流ピーク値Ipeakの40%±5%であってもよい。
ステップS4において、電解質30がリフレッシュされる。すなわち、物品60の表面のイオン濃度が初期状態までリフレッシュされる。例えば、電解質30は自動的にリフレッシュされてもよく、これはストリッピングプロセスが所定の時間(30分など)中断されることにつながる。代替的実施形態において、ポンプ装置90(図3に示す)を用いて電解質30をリフレッシュして新しい電解質31を容器20へ輸送することもできる。特定の実施形態において、電解質30はポンプ装置90によりリフレッシュされ、循環速度は約400ml/分で約5分間である。
ステップS5において、コントローラ51は制御コマンドを第1の電圧調整器52及び第2の電圧調整器53に送って、参照電極70と物品60の間の電極電位を制御して、10分などの所定の時間再び所定の電圧に到達させ(ストリッピングプロセスを再開させる)、次いで電極40と物品60の間に与えられた電圧を取り除く(ストリッピングプロセスを再び中断させる)。その間、コントローラ51は電流信号が所定の時間、所定の第2の電流値を下回っているかを決定する。所定の第2の電流値は所定の第1の電流値を下回る。「下回っている」ならば、全体のストリッピングプロセスが終了する。「下回っていない」ならば、ストリッピングプロセスはステップS4に戻る。特定の実施形態において、所定の第2の電流値は電流ピーク値Ipeakの約10%であってもよい。代替的実施形態において、所定の第2の電流値は0.002Aなどの安定した電流値であってもよい。
図7を参照すると、従来の一段階電気化学的ストリッピング法を使用することによる電気化学的ストリッピング後のタービン翼、及び本明細書で開示される多段階電気化学的ストリッピング法を使用した後のタービン翼の概観図が示され、それぞれ100及び200とラベルされている。ストリッピング済みタービン翼200をストリッピング済みタービン翼100と比較すると、タービン翼100において行われる従来の一段階電気化学的ストリッピング法から生じる残留被覆150は、タービン翼200には存在しないことが理解できる。このように、本明細書に記載されタービン翼200によって例証される多段階電気化学的ストリッピング法は、タービン翼のストリッピング済み表面の質を、タービン翼100によって表される従来法の表面の質よりも明らかに改善させる。すなわち、本明細書で開示される多段階電気化学的ストリッピング法は金属被覆と母材合金とを十分に区別し、より良好なストリッピング効果をもたらす。
本発明は例示的な実施形態に関して説明されているが、本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更を行うことができ等価物を本発明の要素の代替としてもよいことを、当業者は理解するであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱せずに、特定の状況又は材料を本発明の教示に適応させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本発明を実施するために考えられる最良の方法として開示される特定の実施形態に本発明が限定されることを意図しないが、本発明は添付の特許請求の範囲内に含まれるあらゆる実施形態を含むことになることを意図する。
上記のすべてのそのような目的又は利点は、必ずしも任意の特定の実施形態に従って実現されなくてもよいことを理解するべきである。このように、例えば、本明細書において教示される1つの利点又は利点の群を実現又は最適化する方法で、本明細書において教示又は提案され得るような他の目的又は利点を必ずしも実現しなくても、本明細書に記載のシステム及び技術を具体化又は実施してもよいことを当業者は認識するであろう。
1 従来の電気化学的ストリッピングシステム
2 電解質浴容器
3 電解質
4 カソード
5 直流(DC)電源
6 物品
10 一実施形態による電気化学的ストリッピングシステム
20 電解質浴容器
21 電解質プール
30 電解質
31 電解質
40 電極
50 制御回路
51 コントローラ
52 第1の電圧調整器
53 第2の電圧調整器
54 電流センサー
55 管
56 管
57 管
60 被覆物品
70 参照電極
90 ポンプ装置
100 従来の一段階電気化学的ストリッピング法による電気化学的ストリッピング後のタービン翼
150 残留被覆
200 本明細書で開示される多段階電気化学的ストリッピング法を使用した後のタービン翼

Claims (19)

  1. 被覆物品のアルミナイド被覆をストリッピングするための多段階電気化学的ストリッピング法であって、
    (a):電解質中に沈めたAg/AgCl参照電極と被覆物品の間に0.05V〜0.3Vの範囲の電極電位を与えるステップと、
    (b):被覆物品を通って流れる電流信号の電流ピーク値を記録するステップと、
    (c):電流信号が電流ピーク値を過ぎた後に所定の第1の電流値まで低下したら、被覆物品に与えられた電圧を取り除くステップと、
    (d):電解質をリフレッシュするステップと、
    (e):Ag/AgCl参照電極と被覆物品の間に前記の0.05V〜0.3Vの電極電位を所定の時間与え、電流信号が所定の時間、所定の第2の電流値を下回っているかどうかを決定するステップと、
    (f):電流信号が所定の第2の電流値を下回っていない場合、ステップ(d)及び(e)を繰り返すステップと、
    (g):電流信号が所定の第2の電流値を下回っている場合、被覆物品に与えられた電圧を取り除くステップであり、所定の第1の電流が所定の第2の電流値を上回るステップと
    を含む、方法。
  2. 電解質が溶媒中に電荷輸送成分を含み、電荷輸送成分が第1の成分、第2の成分及び第3の成分のいずれか1つを含み、第1の成分がアルカリ塩を含み、第2の成分がアンモニウム塩を含み、第3の成分が酸を含み、溶媒が脱イオン水を含む、請求項1記載の方法。
  3. 第1の成分が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、硝酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを含み、
    第2の成分が、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ又はそれらの組み合わせを含み、
    第3の成分が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はそれらの組み合わせを含み、
    溶媒が水を含む、
    請求項2記載の方法。
  4. 第1の成分が、溶媒の0〜10wt%の範囲の塩化ナトリウム、溶媒の0〜10wt%の範囲の塩化カリウム、溶媒の0〜10wt%の範囲の臭化ナトリウム、溶媒の0〜10wt%の範囲の臭化カリウム、溶媒の3〜15wt%の範囲の硝酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを含み、
    第2の成分が、溶媒の0〜10wt%の範囲の塩化アンモニウム、溶媒の0〜10wt%の範囲の硝酸アンモニウム又はそれらの組み合わせを含み、
    第3の成分が、溶媒の0〜10wt%の範囲の塩酸、溶媒の0〜10wt%の範囲の硫酸、溶媒の0〜10wt%の範囲の硝酸、溶媒の0〜10wt%の範囲のリン酸又はそれらの組み合わせを含む、
    請求項3記載の方法。
  5. 被覆物品の1つのアルミナイド被覆が白金アルミナイド、ニッケル−アルミナイド、白金−ニッケル−アルミナイド又はそれらの組み合わせを含み、
    被覆物品の基材が、ニッケル系超合金、コバルト系超合金、鉄系超合金又はそれらの組み合わせを含む、
    請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
  6. 被覆物品のアルミナイド被覆が白金アルミナイドを含み、基材がニッケル系超合金を含む、請求項5記載の方法。
  7. 電解質が溶媒中に電荷輸送成分を含み、電荷輸送成分が3wt%の塩化ナトリウム、5wt%の塩化アンモニウム、及び3wt%のリン酸を含み、溶媒が蒸留水を含む、請求項6記載の方法。
  8. 電解質のpH値が0.8であり、電解質の温度が30±3℃で保持される、請求項7記載の方法。
  9. 所定の電極電位が0.2Vである、請求項1乃至8のいずれか1項記載の方法。
  10. 所定の時間が10分である、請求項1乃至9のいずれか1項記載の方法。
  11. 所定の第1の電流値が、電流ピーク値の20%〜90%の範囲である、請求項1乃至10のいずれか1項記載の方法。
  12. 所定の第1の電流値が、電流ピーク値の40%±5%である、請求項11記載の方法。
  13. 所定の第2の電流値が、電流ピーク値の10%であるか、又は0.002Aに等しい、請求項11記載の方法。
  14. 外部電解質を循環させるポンプ装置によって電解質を循環させる、請求項1乃至13のいずれか1項記載の方法。
  15. 電解質の循環速度が100ml/分〜800ml/分の範囲である、請求項14記載の方法。
  16. 電解質の循環速度が400ml/分である、請求項15記載の方法。
  17. 電解質をリフレッシュするステップが、被覆物品に与えられた電圧を5分間取り除くことを含む、請求項16記載の方法。
  18. 参照電極と被覆物品の間に所定の電極電位を与えるステップが、電圧調整器を制御して電極と被覆物品の間のセル電圧を調整するためのコントローラを設けることを含む、請求項1乃至17のいずれか1項記載の方法。
  19. 被覆物品を通って流れる電流信号の電流ピーク値を記録するステップが、コントローラによって受け取られる電流信号を感知するための電流センサーを設けることを含む、請求項18記載の方法。
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