JP5821532B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
図1は実施例1の車両用走行制御装置のシステム構成を示す。車両用走行制御装置は、駆動力源としてエンジンを備えた車両に搭載される。車両用走行制御装置のシステムは、周囲環境認識センサ1と、車速センサ2と、アクセル開度センサ3と、ナビゲーション装置4と、エンジンコントローラ5と、ブレーキコントローラ6と、アクセルペダル反力コントローラ7と、車両コントローラ10とを備える。
初めに、自車両前方のカーブを、予め設定された横加速度(旋回加速度)αy(例えば、αy=3.0m/s2)以下で走行するための通過可能車速Vckを算出する。ノードNkにおける通過可能車速Vckは、次式により求められる。
Vck=√(αy・Rk)
カーブ半径Rkが最小となる地点において、通過可能車速Vckは最も小さい値となる。以下では、自車位置から、カーブ入口のノードまでの距離をLcin、自車位置からカーブ半径が最小となるノードまでの距離をLcmin、自車位置からカーブ出口のノードまでの距離をLcoutとする。算出した通過可能車速Vck、及び、メモリに格納されている、自車位置からノードNkまでの距離Lkに基づいて、車両の現在地における制限車速Vcckを算出する。制限車速Vcckは、自車位置から、所定の減速度αx(例えば、αx=1.0m/s2)で減速したときに、ノードNkにおける車速が通過可能車速Vckとなるような車速であり、次式により求められる。
Vcck=√(Vck 2+2・αx・Lk)
まず、推定経路上の各ノードを対象として、算出された制限車速Vcckが最小値となるノードを特定する。ここでは、特定したノードをNk *とし、ノードNk *の通過可能車速をVck *、自車位置からノードNk *までの距離をLk *とする。自車位置からノードNk *までの目標減速度を上記のように所定値αxとした場合、ノードNk *までの間で、自車位置からの距離Lの位置における目標車速Vok*は、次式となる。
Vok *=√(2・αx・(L0 *−L))
ただし、L0 *は、次式で表される値である。
L0 *=(Vck *2+2・αx・Lk *)/(2・αx)
また、ノードNk *以降の位置における目標車速VKK+1は、次式により求める。VKK+1は、ノードNkとノードNk+1との間において、自車位置からの距離がLの位置における目標車速である。
VKK+1=√{2αKK+1(L0−L)}
ただし、
L0=(LK+1・Vck 2−Lk・Vck+1 2)/(Vck 2−Vck+1 2)
αKK+1=0.5・(Vck 2−Vck+1 2)/(LK+1−LK)
αKK+1は、ノードNkとノードNk+1との間の目標加減速度である。
上式に基づいて演算した目標車速V*(=Vok *,VKK+1)および目標加減速度αx*(=αx,αKK+1)のデータは、距離Lのデータとともに、メモリに記憶させておく。例えば、自車位置からの距離Lとともに、(L,V*(L),αx*(L))という形でメモリに記憶させておく。距離Lに応じた目標車速V*(L)および目標加減速度αx*(L)は、加減速制御時にドライバによるアクセル操作が無い場合のデフォルト値となる。
(2)カーブを車速一定で走行中、すなわち横加速度が発生するときには、許容車速Vuprを目標車速VO*よりも高く設定する。
(3)(カーブの前後の)直線路を車速一定で走行中、すなわち加減速度および横加速度が発生しないときには、許容車速Vuprを目標車速VO*と等しく設定する。ただし、障害物に接近中またはドライバが操舵回避したような場合は、上記(1)(2)と同様、許容車速Vuprを目標車速VO*よりも高く設定する。
ステップS1では、道路曲率算出部101が、自車走行路において、自車位置前方に存在するカーブ路の曲率を算出する。その後、ステップS2に移行する。
ステップS2では、周囲環境認識部102が、車両周囲の障害物の、車両への接近度合いを検出する。その後、ステップS3に移行する。
ステップS3では、目標車速算出部105が、目標車速VO*のパターンを決定する。その後、ステップS4に移行する。
ステップS4では、許容車速算出部107が、許容車速Vuprのパターンを決定する。その後、ステップS5に移行する。
ステップS5では、車速検出部103が車速Vを検出するとともに、アクセルペダル操作量検出部104がアクセルペダル操作量(アクセル開度AP)を検出する。その後、ステップS6に移行する。
ステップS6では、アクセルペダル操作検出部108が、アクセルペダル操作が行われたか否かを検出する。アクセルペダル操作有りと検出しなければステップS7に移行し、アクセルペダル操作有りと検出するとステップS9に移行する。
ステップS7では、オーバーライドモードを禁止するオーバーライド禁止モード中であることを示すオーバーライド禁止フラグをクリアする(0に設定する)。その後、ステップS8に移行する。
ステップS8では、目標車速V*をデフォルト値VO*に設定する。その後、ステップS18に移行する。
ステップS9では、オーバーライド禁止フラグが1であるか否かを判定する。フラグが0であればステップS10に移行し、フラグが1であればステップS16に移行する。
ステップS10では、検出された車速Vが目標車速(デフォルト値VO*)以上であるか否かを判定する。車速Vが目標車速VO*に達していなければステップS7に移行し、車速Vが目標車速VO*に達していれば(目標車速VO*以上であれば)ステップS11に移行する。
ステップS11では、目標車速修正部109が、検出されたアクセル開度APに応じて目標車速(デフォルト値)VO*を修正し、目標車速V*を修正値V1*に設定する。その後、ステップS12に移行する。
ステップS14では、目標車速制限部110が、目標車速V*を許容車速Vuprに設定する。その後、ステップS18に移行する。
ステップS15では、オーバーライド禁止フラグを立てる(1に設定する)。その後、ステップS16に移行する。
ステップS16では、目標車速復帰部111が、目標車速V*をデフォルト値VO*に設定する。その後、ステップS17に移行する。
ステップS17では、アクセルペダル反力制御部112が、アクセルペダルの操作反力を発生させる操作反力制御を行う。その後、ステップS18に移行する。
時刻t1以後、アクセル開度APが閾値AP_0を上回るため、(修正後の目標車速V1*が時刻t21で許容車速Vuprに達するまで、)ステップS1〜S6からステップS9→S10→S11→S17へと進む流れとなり、目標車速V*をアクセル開度APに応じて修正する(オーバーライドモード:Bの区間)。具体的には、アクセル開度APが大きいほど減速度合が小さくなるように、目標車速V*を修正する。
時刻t21で、修正後の目標車速V1*が許容車速Vuprに達し、かつ許容車速Vuprがまだ上昇に転じていない(下降している)ため、ステップS1〜S6からステップS9→S10→S11→S12→S13→S14→S17へと進む流れとなり、目標車速V*を許容車速Vuprに設定する(オーバーライド制限モードの開始)。
時刻t21以後、時刻t33まで、同様の流れとなり、目標車速V*を許容車速Vuprに設定する(オーバーライド制限モード:Cの区間)。
時刻t33以後、修正後の目標車速V1*が許容車速Vuprを下回るため、ステップS1〜S6からステップS9→S10→S11→S12→S18へと進む流れとなり、目標車速V*をアクセル開度APに応じて修正する(オーバーライドモード:Bの区間)。
時刻t34以後、時刻t52まで、アクセル開度APが閾値AP_0以下となるため、ステップS1〜S6からステップS7→S8→S18へと進む流れとなり、目標車速V*をデフォルト値V0*に設定する(通常モード:Aの区間)。
時刻t52以後、アクセル開度APが再び閾値AP_0を上回るため、ステップS1〜S6からステップS9→S10→S11→S12→S18へと進む流れとなり、目標車速V0*をアクセル開度APに応じて修正する(オーバーライドモード:Bの区間)。具体的には、アクセル開度APが大きいほど加速度合が大きくなるように、目標車速V0*を修正する。
時刻t53以後、修正後の目標車速V1*が許容車速Vuprに達し、かつ許容車速Vuprが上昇に転じていない(一定値に維持されている)ため、ステップS1〜S6からステップS9→S10→S11→S12→S13→S14→S18へと進む流れとなり、目標車速V*を許容車速Vuprに設定する(オーバーライド制限モード:Cの区間)。なお、時刻t53以後における目標車速V1*の図示を省略する。
時刻t4で、許容車速Vuprが上昇に転じるが、アクセル開度APが相変わらず閾値AP_0を上回っているため、図3のフローチャートにおいてステップS1〜S6からステップS9→S10→S11→S12→S13→S15→S16→S17→S18へと進む流れとなり、目標車速V*をデフォルト値V0*に設定する(オーバーライド禁止モードの開始)。時刻t4以後、アクセル開度APが閾値AP_0以下となる時刻t52まで、ステップS1〜S6からステップS9→S16→S17→S18へと進む流れとなり、目標車速V*をデフォルト値V0*に設定する(オーバーライド禁止モード:Dの区間)。この間、アクセルペダルの操作反力Fを発生させる(S17)。具体的には、時刻t4以後、アクセルペダル反力が増加して時刻t41で一定値となり、その後、時刻t52まで維持される。
時刻t52以後、時刻t55まで、アクセル開度APが閾値AP_0以下となるため、ステップS1〜S6からステップS7→S8→S18へと進む流れとなり、目標車速V*をデフォルト値V0*に設定する(通常モード:Aの区間)。時刻t52でアクセルペダル操作反力制御を終了するため、時刻52以後、アクセルペダル反力Fは減少し、時刻t54で0となる。
時刻t55以降は、図4の時刻t52以降と同様である。
(1)車両がカーブ路を走行する際、カーブ路の曲率に基づいて算出された目標車速V0*となるように車両を加減速制御する車両用走行制御装置において、加減速制御中にドライバのアクセルペダル操作が検出されると、検出されたアクセルペダル操作量(アクセル開度AP)に基づいて目標車速V0*を修正するとともに、目標車速V0*により発生する車両の横加速度αyよりも大きい横加速度を許容する許容車速Vuprよりも高くならないように目標車速V*を制限し、目標車速V*の制限中に許容車速Vuprが上昇した場合、アクセルペダルの操作反力Fを発生させると共に、アクセルペダル操作が検出されなくなるまで、加減速制御における車両の加速度を、許容車速Vuprを実現する加速度αy'よりも小さくなるように制限する。
よって、アクセルペダル操作量に基づいて、目標車速V0*を許容車速Vuprよりも高くならない範囲で修正することで、加減速制御中であっても、ドライバのアクセル操作による加速意図を所定の範囲内で自在に反映させることができる。また、許容車速Vuprによる目標車速V*の制限中に許容車速Vuprが上昇した場合、加速を制限することで、ドライバの誤ったアクセル操作による意図以上の加速を抑え、ドライバに与える違和感を低減することができる。また、反力Fを発生させることで、ドライバによる再度のアクセル操作の開始を促し、これによりドライバの加速意図が確実に(より正確に)アクセル操作に反映されるように促すことができる。
よって、上記(1)と同様の効果を奏する。
よって、減速制御後の加速制御時に、ドライバが誤ったアクセル操作を行っても、アクセルペダル操作量に応じて加速度合が大きくなるように目標車速V*が修正されることを禁止することで、ドライバの意図以上の加速を抑え、ドライバに与える違和感を低減することができる。
よって、車両挙動の安定性を確保しつつ、ドライバの感覚により適合した加減速制御を実現することができる。
例えば、駆動力源としてエンジンのほかにモータを備えたハイブリッド車や電気自動車に本発明の車両用走行制御装置を搭載することとしてもよい。
目標車速V*や許容車速Vuprの算出方法は実施例のものに限らない。例えば、周囲環境認識センサ1の前方監視カメラからの情報(撮影された画像における左右の車線区分線の配置等)に基づき、車両前方のカーブ路の曲率を算出することとしてもよい。
目標車速V*を修正するために用いるアクセルペダル操作量として、アクセル開度APに限らず、例えばアクセル開度APの時間積分値等を用いることとしてもよい。
アクセルペダルの踏み込み速度や戻し速度に基づき目標車速V*を修正することとしてもよい。また、アクセルペダル操作が行われた際に検出された車両位置に基づき目標車速V*を修正することとしてもよい。
104 アクセルペダル操作量検出部(アクセルペダル操作量検出手段)
105 目標車速算出部(目標車速算出手段)
106 加減速制御部(加減速制御手段)
107 許容車速算出部(許容車速算出手段)
108 アクセルペダル操作検出部(アクセルペダル操作検出手段)
109 目標車速修正部(目標車速修正手段)
110 目標車速制限部(目標車速制限手段)
111 目標車速復帰部(目標車速復帰手段)
112 アクセルペダル反力制御部(アクセルペダル反力制御手段)
Claims (4)
- 車両前方のカーブ路の曲率を算出する道路曲率算出手段と、
前記道路曲率算出手段によって算出された前記カーブ路の曲率に基づいて、車両が前記カーブ路を含む道路を走行する際の目標車速を算出する目標車速算出手段と、
前記目標車速算出手段によって算出された目標車速による車両の加減速度および横加速度よりも大きい加減速度および横加速度を許容する許容車速を算出する許容車速算出手段と、
前記目標車速に基づいて車両を加減速させる加減速制御手段と、
ドライバのアクセルペダル操作を検出するアクセルペダル操作検出手段と、
ドライバがアクセルペダル操作を行った際の操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
前記加減速制御手段による加減速制御の作動中に、前記アクセルペダル操作検出手段によってドライバのアクセルペダル操作が検出されると、前記アクセルペダル操作量検出手段によって検出されたアクセルペダル操作量に基づいて前記目標車速を修正する目標車速修正手段と、
前記目標車速修正手段によって修正された目標車速を前記許容車速以下に制限する目標車速制限手段と、
前記修正された目標車速が前記目標車速制限手段によって制限された状態で、前記許容車速が上昇に転じ、かつ前記アクセルペダル操作検出手段によってドライバのアクセルペダル操作が検出されると、前記アクセルペダル操作検出手段によってドライバのアクセルペダル操作が検出されなくなるまで、前記目標車速を前記目標車速修正手段による修正前の値に設定する目標車速復帰手段と、
前記目標車速復帰手段によって前記目標車速が前記修正前の値に設定されると、アクセルペダルの操作反力を発生させるアクセルペダル反力制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1に記載の車両用走行制御装置において、
前記目標車速修正手段は、前記アクセルペダル操作量検出手段によって検出されたアクセルペダル操作量が大きいほど、減速制御時の減速度合が小さくなるように、または、加速制御時の加速度合が大きくなるように、前記目標車速を修正し、
前記目標車速復帰手段は、減速制御時に前記修正された目標車速が前記目標車速制限手段によって制限された後、加速制御時に、前記アクセルペダル操作検出手段によってドライバのアクセルペダル操作が検出されると、前記目標車速を前記修正前の値に設定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1または2に記載の車両用走行制御装置において、
車両への障害物の接近度合いを検出する周囲環境認識手段を備え、
前記目標車速算出手段は、前記検出された障害物の接近度合いに基づき前記目標車速および前記許容車速を修正することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 車両がカーブ路を走行する際、前記カーブ路の曲率に基づいて算出された目標車速となるように車両を加減速制御する車両用走行制御装置において、
前記加減速制御中にドライバのアクセルペダル操作が検出されると、検出されたアクセルペダル操作量に基づいて前記目標車速を修正するとともに、前記目標車速により発生する車両の横加速度よりも大きい横加速度を許容する許容車速よりも高くならないように前記目標車速を制限し、
前記目標車速の制限中に前記許容車速が上昇した場合、アクセルペダルの操作反力を発生させると共に、アクセルペダル操作が検出されなくなるまで、前記加減速制御における車両の加速度を、前記許容車速を実現する加速度よりも小さくなるように制限することを特徴とする車両用走行制御装置。
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