JP2021049867A - 走行支援方法及び走行支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車が目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況にかかわらず目標軌跡から自車走行軌跡が逸脱するのを抑える適切な走行支援を実現すること。【解決手段】目標軌跡と目標速度プロファイルに沿って走行するように自車の走行支援装置を制御する走行支援方法において、自車の目標軌跡が生成されると、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する。走行路状況情報に基づいて、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1を、タイヤグリップ限界による前後加速度値Gxmax及び横加速度値Gymax以下に制約する制約条件を算出する。制約条件を用い、目標軌跡に沿う目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)を生成する。自車が目標軌跡に沿って走行するとき、目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)に従った走行支援を行う。【選択図】図9

Description

本開示は、目標速度プロファイルを生成する走行支援方法及び走行支援装置に関する。
従来、前輪および後輪が操舵綸となる車両において、自動運転制御の実行有無に応じて車体スリップ角特性を変更する車両制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の車両制御システムでは、自動運転時は車体スリップ角特性を車体が旋回内向きとなるように設定し、自動運転制御オフ時では車体スリップ角特性が相対的に小さくなるよう設定している。
国際公開第2014/016947号
特許文献1に開示された技術では、自動運転時に、走行する走行路の曲率に応じてスリップ角ゲインを変更して、車体が旋回内向きとなるように制御することによって、車載された周囲認識装置の検知エリアを適正に保つことができる。しかし、将来の走行路の走行路曲率等に起因してタイヤグリップ限界を超える可能性があることを想定して制御を行う構成とはなっていない。よって、目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況に起因して自車が目標軌跡から逸脱してしまう走行になることがある、という課題があった。
本開示は、上記課題に着目してなされたもので、自車が目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況にかかわらず目標軌跡から自車走行軌跡が逸脱するのを抑える適切な走行支援を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、自車の目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成するコントローラを備える。この走行支援方法において、コントローラは、自車の目標軌跡が生成されると、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する。走行路状況情報に基づいて、前後加速度及び横加速度のタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性を、タイヤグリップ限界による前後加速度値及び横加速度値以下に制約する制約条件を算出する。制約条件を用い、目標軌跡に沿う目標速度プロファイルを生成する。自車が目標軌跡に沿って走行するとき、目標速度プロファイルに従った走行支援を行う。
上記課題解決手段を採用したため、自車が目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況にかかわらず目標軌跡から自車走行軌跡が逸脱するのを抑える適切な走行支援を実現することができる。
実施例1の走行支援方法及び走行支援装置が適用された自動運転車両のシステム構成を示す全体システム構成図である。 自動運転コントローラ及び車両運動コントローラの制御ブロック構成を示すブロック構成図である。 自動運転コントローラの目標速度プロファイル生成部の構成を示すブロック構成図である。 実施例1における前後加速度Gx及び横加速度Gyの第1摩擦円特性FC1と第2摩擦円特性FC2を示す摩擦円特性図である。 直進路での第1目標速度プロファイルVt1と第2目標速度プロファイルVt2の一例を示すタイムチャートである。 路面摩擦係数μに対するGx上限補正値(加速側)とGy上限補正値の特性例を示す上限補正値特性図である。 走行路曲率絶対値|ρ|に対するGx上限補正値(加速側)とGy上限補正値の特性例を示す上限補正値特性図である。 走路幅絶対値|W|に対するGx上限補正値(加速側)とGy上限補正値の特性例を示す上限補正値特性図である。 目標速度プロファイル生成部にて実行される目標速度プロファイル生成処理の流れ示すフローチャートである。 旋回路において同じ走行路曲率特性である場合の上限速度Vmaxの特性の比較を示す上限速度特性比較図である。 旋回路(図10)において第2目標速度プロファイルを生成するときに第2摩擦円特性に沿う自車の前後/横加速度動作点の移動作用を示す作用説明図である。 実施例1の他例1における前後加速度Gx及び横加速度Gyの第1摩擦円特性FC1と第2摩擦円特性FC2を示す摩擦円特性図である。 実施例1の他例2における前後加速度Gx及び横加速度Gyの第1摩擦円特性FC1と第2摩擦円特性FC2を示す摩擦円特性図である。 実施例1の他例3における走路幅絶対値|W|に対するGx上限補正ゲイン(加速側)とGy上限補正ゲインの特性例を示す上限補正ゲイン特性図である。 実施例1の他例3における前後加速度Gx及び横加速度Gyの第1摩擦円特性FC1と第2摩擦円特性FC2を示す摩擦円特性図である。
以下、本開示による走行支援方法及び走行支援装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1における走行支援方法及び走行支援装置は、自動運転モードを選択すると目標軌跡が生成され、生成された目標軌跡に沿って走行するように速度及び舵角による車両運動が制御される自動運転車両(走行支援車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「自動運転コントローラの制御ブロック構成」、「目標速度プロファイル生成部の詳細構成」、「目標速度プロファイル生成処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成(図1)]
自動運転車両ADは、図1に示すように、車載センサ1と、ナビゲーション装置2と、車載制御ユニット3と、アクチュエータ4と、HMIモジュール5と、を備えている。なお、「HMI」は「Human Machine Interface」の略称である。
車載センサ1は、自車周辺物体や走行路形状などの周辺環境、自車位置や自車状態などを認識するために自車に搭載された各種のセンサである。この車載センサ1は、外部センサ11、GPS受信機12、内部センサ13を有する。
外部センサ11は、自車周辺に向けて設けられ、自車周辺の静止物体や移動物体や走行路形状などを検出するセンサである。この外部センサ11としては、例えば、カメラ、レーダー(「Radar」:Radio Detection and Rangingの略)、ライダー(「Lidar」:Light Detection and Rangingの略)、ソナー(「Sonar」:Sound Navigation and Rangingの略)などが用いられる。なお、外部センサ11では、例えば、カメラとレーダーやカメラとライダーを組み合わせ、検出情報を融合させることによって必要な情報を取得するセンサフュージョンを行ってもよい。
GPS受信機12は、GNSSアンテナ12aにより3個以上のGPS衛星からの信号を受信して、自車位置を示す位置データ(緯度及び経度)を取得する装置である。なお、「GNSS」は「Global Navigation Satellite System」の略称、「GPS」は「Global Positioning System」の略称である。また、GPS受信機12による信号受信が不良のときには、内部センサ13やオドメーター(車両移動量計測装置)を利用してGPS受信機12の機能を補完してもよい。
内部センサ13は、自車の速度・加速度・姿勢データなどの自車情報を検出する検出機器である。例えば、6軸慣性センサ(IMU:Inertial Measurement Unit)を有し、自車の移動方向、向き、回転を検出することができる。さらに、内部センサ13の検出結果に基づいて移動距離や移動速度などを算出できる。6軸慣性センサは、前後、左右、上下の三方向の加速度を検出できる加速度センサと、この三方向の回転の速さを検出できるジャイロセンサを組み合わせることで実現される。なお、内部センサ13には、車輪速センサやヨーレイトセンサやアクセル操作量センサ、などの必要情報を取得するセンサを含むことができる。
さらに、この車載センサ1では、図示していない外部データ通信器との間で無線通信を行うことで、必要な情報を外部から取得してもよい。即ち、外部データ通信器が、例えば、他車に搭載されたデータ通信器の場合、自車と他車の間で車車間通信を行う。この車車間通信により、他車が保有する様々な情報から必要な情報を取得することができる。また、外部データ通信器が、例えば、インフラ設備に設けられたデータ通信器の場合、自車とインフラ設備の間でインフラ通信を行う。このインフラ通信により、インフラ設備が保有する情報の中から必要な情報を取得することができる。この結果、例えば、自動運転コントローラ31が有する高精度地図データでは不足する情報や変更された情報がある場合に必要な地図データを補うことができる。また、自車が走行を予定している経路上での渋滞情報や走行規制情報などの交通情報を取得することもできる。
ナビゲーション装置2は、施設情報データを内蔵し、目的地までの自車が走行する経路を案内する装置である。ナビゲーション装置2は、走行路の車線の位置情報が含まれる高精度地図データを内蔵するようにしても良い。このナビゲーション装置2では、目的地が入力されると、自車の現在地(或いは任意に設定された出発地)から目的地までの案内経路が生成される。生成された案内経路の情報は、高精度地図データと合成されてHMIモジュール5のディスプレイに表示される。尚、目的地は、車両の乗員が車内で設定したものを用いてもよいし、或いは、ユーザー端末(例えば、携帯電話、スマートフォン)によりユーザーが設定した目的地を、無線通信を介して自車で受信し、受信した目的地を用いてもよい。また案内経路は、自車に備わるコントローラを用いたナビゲーション装置により算出してもよいし、或いは、車外のコントローラを用いたナビゲーション装置により算出してもよい。
車載制御ユニット3は、CPUやメモリを備えており、車載センサ1によって検出された各種の検出情報や、ナビゲーション装置2によって生成された案内経路情報、必要に応じて適宜入力されるドライバ入力情報を統合処理する。そして、この車載制御ユニット3は、階層処理により車両運動を制御するコントローラである。なお、「階層処理」とは、入力情報に対して複数の処理を順に(階層的に)実行して最終的な出力情報を演算することであり、上位階層の処理にて出力された出力値(演算値)が下位階層の処理での入力値となる関係になる。
この車載制御ユニット3は、目標軌跡及び目標速度プロファイルを生成する自動運転コントローラ31と、生成された目標軌跡及び目標速度プロファイルに基づいて車両運動を制御するための指令値を演算する車両運動コントローラ32と、を有している。ここで、第1制御周期にて演算を行う自動運転コントローラ31によって上位階層の処理を行い、第1制御周期よりも短い第2制御周期にて演算を行う車両運動コントローラ32によって下位階層の処理を行う。
自動運転コントローラ31では、車載センサ1やナビゲーション装置2からの入力情報や高精度地図データなどに基づき、目標軌跡及び目標速度プロファイルを階層処理により生成する。ここで、「目標軌跡」とは、自車を自動運転走行させる際に目標とする走行軌跡であり、例えば、自車が車線幅内で走行する軌跡や、自車周囲の走行可能領域の中での走行する軌跡や、障害物を回避する軌跡などを含む。生成された目標軌跡及び目標速度プロファイルの情報は車両運動コントローラ32に出力される。生成された目標軌跡の情報は、高精度地図データと合成されてHMIモジュール5のディスプレイに表示されるようにしてもよい。
車両運動コントローラ32では、自動運転コントローラ31からの目標軌跡及び目標速度プロファイルの情報、又は、ドライバ操作による入力情報(以下、「ドライバ入力」という。)に基づいて自車を走行させるための制御指令値を演算する。演算された制御指令値はアクチュエータ4に出力される。なお、車両運動コントローラ32は、ドライバ入力の有無によって走行モードを調停し、調停結果(自動運転走行モード、又は、マニュアル運転走行モード)に応じた制御指令値を演算する。
アクチュエータ4は、自車の直進走行/旋回走行/停止させるための制御アクチュエータであり、速度制御アクチュエータ41と、操舵制御アクチュエータ42と、を有する。なお、走行には、加速走行/定速走行/減速走行を含む。
速度制御アクチュエータ41は、車載制御ユニット3から入力された速度制御指令値に基づいて駆動輪へ出力する駆動トルク又は制動トルクを制御する。速度制御アクチュエータ41としては、例えば、エンジン車の場合にエンジンを用い、ハイブリッド車の場合にエンジンとモータ/ジェネレータを用い、電気自動車の場合にモータ/ジェネレータを用いる。また、制動トルクのみを制御するアクチュエータとしては、例えば、VDC液圧アクチュエータや油圧ブースタや電動ブースタやブレーキモータアクチュエータなどを用いる。
操舵制御アクチュエータ42は、車載制御ユニット3から入力された操舵制御指令値に基づいて操舵輪の転舵角を制御する。なお、操舵制御アクチュエータ42としては、ステアリングシステムの操舵力伝達系に設けられる操舵モータなどを用いる。
HMIモジュール5は、自車のドライバを含む乗員と車載制御ユニット3の間で互いの意思や情報を伝達するためのインターフェイスである。HMIモジュール5は、例えば、乗員に自動運転制御状況などによる画像情報を表示するヘッドアップディスプレイやメータディスプレイ、アナウンス音声を出力するスピーカ、点灯や点滅により警告するランプ、乗員が入力操作を行う操作ボタンやタッチパネルなどから構成される。
[自動運転コントローラの制御ブロック構成(図2)]
自動運転コントローラ31は、図2に示すように、目標速度プロファイルを生成するのに必要な情報の取得処理部として、高精度地図データ記憶部311と、自己位置推定部312と、走行環境認識部313と、周囲物体認識部314と、を備えている。そして、目標軌跡及び目標速度プロファイルを生成する階層処理部として、走行車線計画部315と、動作決定部316と、走行領域設定部317と、目標軌跡生成部318と、目標速度プロファイル生成部319と、を備えている。
高精度地図データ記憶部311は、車外に存在する静止物体の三次元の位置情報(経度、緯度、高さ)が設定された高精度三次元地図データ(以下、「HDマップ」という)が格納された車載メモリである。高精度地図データの静止物体には、例えば、横断歩道、停止線、各種標識、分岐点、走行路標示、信号機、電柱、建物、看板、車道やレーンの中心線、区画線、路肩線、走行路と走行路のつながりなどの様々な要素が含まれる。なお、高精度地図データ記憶部311には、必ずしも上記の静止物体の全ての要素が含まれる必要はない。
自己位置推定部312は、車載センサ1からのセンサ情報、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報を入力し、入力されたセンサ情報とHDマップ情報とをマッチングして高精度地図上での自車の現在地(自己位置)を推定する。そして、自己位置推定部312からは、走行環境認識部313へ自己位置情報が出力される。
走行環境認識部313は、車載センサ1からのセンサ情報、ナビゲーション装置2からの案内経路情報、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報、自己位置推定部312からの自己位置情報、周囲物体認識部314からの周囲物体認識情報を入力する。そして、これらの入力情報と自車走行環境の刻々と変化する動的な情報を統合し、自車の走行環境を認識する。ここで、「動的な情報」とは、例えば、準静的データ(交通規制情報など)と準動的データ(事故情報や渋滞情報など)と動的データ(周辺移動車両情報や歩行者情報など)を組み合わせた情報をいう。走行環境認識部313からは、動作決定部316と目標速度プロファイル生成部319へ走行環境認識情報が出力される。
周囲物体認識部314は、車載センサ1からのセンサ情報を入力し、自車の周囲に存在する物体の位置、属性、挙動の検出又は予測によって、自車の周囲物体を認識する。そして、周囲物体認識部314からは、走行環境認識部313や走行領域設定部317へ周囲物体認識情報が出力される。
走行車線計画部315は、ナビゲーション装置2からの案内経路情報、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報を入力し、目的地までの案内経路上において、自車が走行すべき走行車線(以下、「目標車線」という)を計画する。走行車線計画部315から次の階層の動作決定部316へは、目標車線情報が出力される。
動作決定部316は、走行環境認識部313からの走行環境認識情報、走行車線計画部315からの目標車線情報を入力し、目標車線に沿って走行したとき、自車が遭遇する事象を抽出し、それら事象に対する自車の動作を決定する。ここで、「自車の動作」とは、発進、停止、加速、減速、右左折などの目標車線に沿って走行するために必要となる自車の動きをいう。動作決定部316から次の階層の走行領域設定部317へは、自車動作決定情報が出力される。
走行領域設定部317は、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報、動作決定部316からの自車動作決定情報、周囲物体認識部314からの周囲物体認識情報を入力する。そして、自車の動作情報と周囲物体認識情報を照合し、目標車線に沿って自車を走行させることが可能な走行可能領域を設定する。ここで、「走行可能領域」とは、例えば、自車周辺に駐車車列などの物体が存在したり工事区間が存在したりするとき、当該領域との干渉や接触を回避するように設定される領域をいう。走行領域設定部317から次の階層の目標軌跡生成部318へは、走行可能領域情報が出力される。
目標軌跡生成部318は、走行領域設定部317からの走行可能領域情報を入力し、現在の自車の位置から任意に設定される目標位置まで、走行可能領域内を走行することを拘束条件とし、車線変更を含めて目標軌跡を生成する。目標軌跡生成部318から次の階層の目標速度プロファイル生成部319へは、目標軌跡情報が出力される。また、目標軌跡生成部318から車両運動コントローラ32へは、目標軌跡情報が出力される。
目標速度プロファイル生成部319は、車載センサ1からのセンサ情報、目標軌跡生成部318からの目標軌跡情報を入力し、自車の目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成する。目標速度プロファイル生成部319から車両運動コントローラ32へは、目標速度プロファイル情報が出力される。
[目標速度プロファイル生成部の詳細構成(図3)]
目標速度プロファイル生成部319の詳細構成を説明する。目標速度プロファイル生成部319は、図3に示すように、路面摩擦係数推定部319aと、走行路曲率算出部319bと、走路幅算出部319cと、第1摩擦円特性設定部319dと、第1目標速度プロファイル生成部319eと、を備えている。さらに、第1加速度上限補正値算出部319fと、第2加速度上限補正値算出部319gと、第3加速度上限補正値算出部319hと、制約条件算出部319iと、第2摩擦円特性設定部319jと、第2目標速度プロファイル生成部319kと、を備えている。
路面摩擦係数推定部319aは、車載センサ1に含まれる車輪速センサからの車輪速情報や前後Gセンサからの前後G情報や横Gセンサからの横G情報やアクセル開度センサからのアクセル開度情報などを入力する。そして、走行中、これらのセンサからの入力情報に基づいて、自車走行路でのタイヤ/路面間の路面摩擦係数μを推定する。ここで、路面摩擦係数μの推定手法としては、例えば、アクセル開度の大きさによる駆動輪スリップ発生状況の監視(低μ路ほどスリップ大)、最大前後Gや最大横Gの発生監視(高μ路ほど最大前後Gや最大横Gが大)などによる周知の手法を用いる。なお、路面摩擦係数推定部319aは、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する走行路状況情報取得部に相当する。
走行路曲率算出部319bは、目標軌跡生成部318からの目標軌跡情報を入力し、目標軌跡に基づいて、自車がこれから走行する前方走行路の走行路曲率ρを制御周期毎に算出する。ここで、直進路の走行路曲率ρ(=旋回半径∞)はゼロであり、旋回半径が小さくなるほど走行路曲率ρは大きい値となる。なお、走行路曲率算出部319bは、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する走行路状況情報取得部に相当する。ここで、目標軌跡に基づく走行路曲率ρにおいて、好適には目標軌跡上の最大値を用いるようにするが、目標軌跡上の平均値や中央値を用いるようにしてもよい。
走路幅算出部319cは、車載センサ1に含まれるカメラなどからの自車前方の路面撮像情報を入力し、路面撮像情報に基づいて、自車がこれから走行する前方走行路の走路幅Wを算出する。なお、走路幅算出部319cは、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する走行路状況情報取得部に相当する。
第1摩擦円特性設定部319dは、図4に示すように、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1を初期設定する。第1摩擦円特性FC1は、予め路面摩擦係数が高μ路(例えば、μ=1)と想定し、前後加速度軸のタイヤグリップ限界による前後加速度値±Gxmaxと、横加速度軸のタイヤグリップ限界による横加速度値±Gymaxを円弧線により繋いだ真円形特性により描かれる。つまり、第1摩擦円特性FC1は、走行路状況による加速度制約を受けていないとき、タイヤグリップ限界にて実現できる最大前後加速度と最大横加速度の関係特性をあらわす。
第1目標速度プロファイル生成部319eは、目標軌跡生成部318にて自車の目標軌跡が生成されると、第1摩擦円特性設定部319dに初期設定されている第1摩擦円特性FC1に基づいて、第1目標速度プロファイルVt1を生成する。即ち、第1目標速度プロファイルVt1は、自車の目標軌跡に沿う経時的な速度計画であり、図5の実線特性に示すように、前後加速度Gx及び横加速度Gyが第1摩擦円特性FC1の内側位置になるように、目標速度Vtの上昇勾配と低下勾配を抑えて生成される。
第1加速度上限補正値算出部319fは、路面摩擦係数推定部319aから路面摩擦係数推定情報を入力し、路面摩擦係数μが低いほど加速度制限を大きくする第1加速度上限補正値を算出する。即ち、図6に示すように、路面摩擦係数μがμ=1のときにGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値をゼロとし、μ=0のときにGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値を最大値(=重力加速度g)とする。そして、μ=1からμ=0までの間は、路面摩擦係数μが低μ路を示すほど比例的に加速度制限を大きく第1加速度上限補正値を算出する。
第2加速度上限補正値算出部319gは、走行路曲率算出部319bからの走行路曲率情報を入力し、走行路曲率絶対値|ρ|が大きいほど加速度制限を大きくする第2加速度上限補正値を算出する。即ち、図7に示すように、走行路曲率絶対値|ρ|が0から|ρ1|までの区間はGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値をゼロとする。走行路曲率絶対値|ρ|が|ρ1|から|ρ2|までの区間はGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値を比例的に高くする値とし、走行路曲率絶対値|ρ|が|ρ2|を超える区間はGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値を最大値とする。
第3加速度上限補正値算出部319hは、走路幅算出部319cからの走路幅情報を入力し、走路幅絶対値|W|が狭いほど加速度制限を大きくする第3加速度上限補正値を算出する。即ち、図8に示すように、走路幅絶対値|W|が0から|W1|までの区間はGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値を最大値とする。走路幅絶対値|W|が|W1|から|W2|までの区間はGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値を比例的に低くする値とし、走路幅絶対値|W|が|W2|を超える区間はGx上限補正値(加速側のみ)とGy上限補正値をゼロとする。
制約条件算出部319iは、走行路状況情報に基づいて、第1摩擦円特性FC1の前後加速度Gx及び横加速度Gyを、タイヤグリップ限界による前後加速度±Gxmax及び横加速度±Gymax以下に制約する制約条件(前後加速度上限補正値Gxc、横加速度上限補正値Gyc)を算出する。即ち、第1加速度上限補正値算出部319fからの第1加速度上限補正値と、第2加速度上限補正値算出部319gからの第2加速度上限補正値と、第3加速度上限補正値算出部319hからの第3加速度上限補正値を入力する。そして、前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを、第1加速度上限補正値と第2加速度上限補正値と第3加速度上限補正値のうち最大値の選択により算出する。ここで、第1加速度上限補正値と第2加速度上限補正値と第3加速度上限補正値を加算し、その総和を走行路状況情報の数N(N=3)で除した平均値により算出するようにしても良い。さらに、前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycの算出に際し、例えば、3つの加速度上限補正値のバラツキが大きい場合は最大値の選択により算出し、バラツキが小さい場合は平均値により算出するようにしても良い。
第2摩擦円特性設定部319jは、第1摩擦円特性設定部319dからの第1摩擦円特性FC1と制約条件算出部319iからの前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを入力し、図4に示すように、第2摩擦円特性FC2を設定する。ここで、前後加速度上限補正値Gxcのうち、第1目標速度プロファイルVt1の上昇勾配を抑える加速側の前後加速度上限補正値Gxc(=Gyc)を、第1目標速度プロファイルVt1の低下勾配を抑える減速側の前後加速度上限補正値Gxc(=0)より大きな値に設定している。
即ち、第1摩擦円特性FC1の前後加速度軸の前後加速度値+Gxmaxと前後加速度上限補正値Gxcより、加速側の前後加速度上限値+Gxlmtを算出する。減速側の前後加速度上限値−Gxlmtは、前後加速度値−Gxmaxのままとする。第1摩擦円特性FC1の横加速度軸の横加速度値±Gymaxと横加速度上限補正値Gycより、横加速度上限値±Gylmtとする。よって、第2摩擦円特性FC2は、図4の破線特性に示すように、前後加速度上限値±Gxlmtと横加速度上限値±Gylmtを滑らかに連続する曲線にて繋いだ変形円特性により規定される。
第2目標速度プロファイル生成部319kは、第1目標速度プロファイル生成部319eからの第1目標速度プロファイルVt1、第2摩擦円特性設定部319jからの第2摩擦円特性FC2(制約条件)を入力する。そして、第1目標速度プロファイルVt1と第2摩擦円特性FC2を用い、第1目標速度プロファイルVt1による速度の変化勾配である前後加速度が、第2摩擦円特性FC2の内側になる補正により第2目標速度プロファイルVt2を生成する。即ち、第2目標速度プロファイルVt2は、図5の破線特性に示すように、横加速度Gyがゼロである直進走行時、第1目標速度プロファイルVt1の上昇勾配(=加速側の前後加速度Gx)を制限することで目標速度Vtの上限速度Vmaxを制限する(Vmax1>Vmax2)。しかし、横加速度Gyがゼロである直進走行時、第1目標速度プロファイルVt1の低下勾配(=減速側の前後加速度Gx)を制限しない補正により第2目標速度プロファイルVt2が生成される。
ここで、第2目標速度プロファイル生成部319kにより生成された第2目標速度プロファイルVt2は、車両運動コントローラ32へ出力される。そして、車両運動コントローラ32では、自車が目標軌跡に沿って走行するとき、第2目標速度プロファイルVt2に従った実速度による走行になるように走行支援される。
[目標速度プロファイル生成処理構成(図9)]
図9は、目標速度プロファイル生成部319にて実行される目標速度プロファイル生成処理の流れを示す。以下、図9の各ステップについて説明する。
ステップS1では、スタートに続き、目的地の設定に基づいて目標軌跡が生成されたか否かを判断する。YES(目標軌跡が生成された)の場合はステップS2へ進み、NO(目標軌跡が生成されていない)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ステップS2では、S1での目標軌跡が生成されたとの判断に続き、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1に基づいて第1目標速度プロファイルVt1を生成し、ステップS3へ進む。
ステップS3では、S2での第1目標速度プロファイルVt1の生成に続き、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得し、ステップS4へ進む。ここで、走行路状況情報としては、路面摩擦係数μ、走行路曲率絶対値|ρ|、走路幅絶対値|W|の情報が取得される。
ステップS4では、S3での走行路状況情報の取得に続き、第1摩擦円特性FC1の前後加速度Gx及び横加速度Gyを、タイヤグリップ限界による前後加速度±Gxmax及び横加速度±Gymax以下に制約する制約条件を算出し、ステップS5へ進む。ここで、制約条件としては、路面摩擦係数μ、走行路曲率絶対値|ρ|、走路幅絶対値|W|のそれぞれに応じたGx上限補正値(加速側のみ)及びGy上限補正値が算出される。
ステップS5では、S4での制約条件の算出に続き、第1摩擦円特性FC1と前後加速度上限補正値Gxc及び横加速度上限補正値Gycに基づき、第2摩擦円特性FC2を設定し、ステップS6へ進む。ここで、第2摩擦円特性FC2は、図4に示すように、第1摩擦円特性FC1の前後加速度軸の加速側のみを前後加速度上限補正値Gxcにより制限し、横加速度軸の右左折両方を横加速度上限補正値Gycにより制限することで設定される。
ステップS6では、S5での第2摩擦円特性FC2の設定に続き、第1目標速度プロファイルVt1による速度の変化勾配である前後加速度が、第2摩擦円特性FC2の内側になる補正により第2目標速度プロファイルVt2を生成し、ステップS7へ進む。
ステップS7では、S6での第2目標速度プロファイルVt2の生成に続き、生成した第2目標速度プロファイルVt2を車両運動コントローラ32へ出力し、ステップS8へ進む。なお、第2目標速度プロファイルVt2を車両運動コントローラ32へ出力することで、自車が目標軌跡に沿って走行するとき、第2目標速度プロファイルVt2に従った走行支援が行われる。
ステップS8では、S7での第2目標速度プロファイルVt2の出力に続き、自車が目的地に到着したか否かを判断する。YES(目的地に到着した)の場合はエンドへ進み、NO(目的地に到着していない)の場合はステップS2へ戻る。
次に、実施例1の作用を、「目標速度プロファイル生成処理作用」、「旋回路での目標速度プロファイル生成作用」に分けて説明する。
目標速度プロファイルを生成する背景技術は、予めタイヤグリップ限界域による最大前後Gを決めておき、目標軌跡が生成されると、自車速度の上昇勾配(加速度)と自車速度の低下勾配(減速度)を、最大前後Gまでに制限する。そして、上昇勾配と低下勾配を制限した自車速度を目標速度とし、自車の目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成している。
しかしながら、上記背景技術の場合、目標速度プロファイルの生成において、自車がこれから走行する前方走行路の走行路状況(路面摩擦係数、走行路曲率、走路幅など)が一切考慮されていない。このため、目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況に起因して自車が目標軌跡から逸脱してしまう走行になることがある、という課題があった。
例えば、低μカーブ路を旋回走行するシーンにおいて、目標軌跡に沿って生成された目標速度プロファイルに基づいて走行すると、路面摩擦係数と走行路曲率が考慮されていない目標速度に追従する自車速になる。このため、自車のタイヤグリップ限界を超えてしまう可能性が高くなり、自車のタイヤグリップ限界を超えてしまうと、自車の旋回軌跡がカーブ路外側に膨らみ、自車が目標軌跡から逸脱(乖離)してしまうカーブ路走行になる。なお、自動運転車両の場合、自車の走行軌跡が目標軌跡から所定量以上乖離すると、自動運転走行からマニュアル運転走行への切替えが要求され、オーバーライド回数が増大することになる。
上記課題に対して、例えば、低μカーブ路を旋回走行するシーンにおいても自車のタイヤグリップ限界を超えないように、最大前後Gを低μ路基準とし、小さな値に設定する案がある。しかし、この場合、高μ路走行シーンにおいて目標軌跡に沿って生成された目標速度プロファイルに基づいて走行すると、自車速度の上昇勾配(加速度)や低下勾配(減速度)の制限代が過剰になり、自車乗員が期待する加速感や減速感が得られないというように、自車乗員に走行違和感を与える、という課題が生じる。
よって、自車の目標軌跡に沿う経時的な速度計画に関しては、自車走行軌跡が目標軌跡から逸脱する課題、過剰な加速度抑制による走行違和感を与える課題を解消する。その上で、車両ダイナミクスを最大化し、自車のタイヤグリップ限界付近での連続的な運動計画にしたいという要望がある。
上記の背景に対してその解決手法を検証した結果、
(A) 前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1を用いると、直進/旋回の走行態様にかかわらず横加速度Gyによる前後加速度Gxへの制限影響を考慮した連続的な速度計画を立てることができる。
(B) 自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報に基づいて第1摩擦円特性FC1の制約条件を決めると、走行路状況に応じて自車のタイヤグリップ限界付近での連続的な速度計画を立てることができる。
という点に着目した。
上記着目点に基づいて本開示は、自車の目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成する車載制御ユニット3を備える。この走行支援方法において、車載制御ユニット3は、自車の目標軌跡が生成されると、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する。走行路状況情報に基づいて、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1を、タイヤグリップ限界による前後加速度値Gxmax及び横加速度値Gymax以下に制約する制約条件を算出する。制約条件を用い、目標軌跡に沿う目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)を生成する。自車が目標軌跡に沿って走行するとき、目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)に従った走行支援を行う、という課題解決手段を採用した。
即ち、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報に基づいて、第1摩擦円特性FC1のタイヤグリップ限界による前後加速度Gxmax及び横加速度Gymax以下に制約する制約条件が算出される。このため、目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況に起因して自車が目標軌跡から逸脱することが抑えられる。
そして、制約条件を用い、目標軌跡に沿う目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)が生成される。このため、自車速度の上昇勾配(加速度)や低下勾配(減速度)の制限代が過剰になることがなく、タイヤグリップ限界付近で実現可能な速度計画による目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)が生成されることになる。
このように、自車がこれから走行する前方走行路の走行路状況が変化してタイヤグリップ限界を超える状況が想定される場合、タイヤグリップ限界を超える分を制限条件(可変マージン)として目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)が生成される。この結果、自車が目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況にかかわらず目標軌跡から自車走行軌跡が逸脱するのを抑える適切な走行支援を実現することができる。この効果は、発明者が行ったコーナー数が多い低μ路の寒冷地コースでの走行実験において、スポーツ走行中のオーバーライド回数が12回(採用前)→0回(採用後)になったという実験結果が得られたことによっても裏付けられる。
[目標速度プロファイル生成処理作用(図9)]
目的地の設定に基づいて目標軌跡が生成されると、図9に示すフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S7→S8へと進む。そして、S8において目的地に到着していないと判断されている間は、S2→S3→S4→S5→S6→S7→S8へと進む流れが繰り返される。
S2では、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1に基づいて第1目標速度プロファイルVt1が生成される。S3では、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報が取得される。S4では、第1摩擦円特性FC1の前後加速度Gx及び横加速度Gyを、タイヤグリップ限界による前後加速度±Gxmax及び横加速度±Gymax以下に制約する制約条件が算出される。S5では、第1摩擦円特性FC1とGx上限補正値(加速側のみ)及びGy上限補正値に基づき、第2摩擦円特性FC2が設定される。S6では、第1目標速度プロファイルVt1による速度の変化勾配である前後加速度が、第2摩擦円特性FC2の内側になる補正により第2目標速度プロファイルVt2が生成される。S7では、生成した第2目標速度プロファイルVt2が車両運動コントローラ32へ出力される。
よって、自車が目標軌跡に沿って走行するとき、随時、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報が取得され、走行路状況情報に基づいて制約条件が算出され、第1摩擦円特性FC1と制約条件により第2摩擦円特性FC2が設定される。そして、第1目標速度プロファイルVt1と第2摩擦円特性FC2を用いて第2目標速度プロファイルVt2が生成され、第2目標速度プロファイルVt2に従った走行支援が行われる。
ここで、制約条件は、第1摩擦円特性FC1より内側の前後加速度上限値±Gxlmtと横加速度上限値±Gylmtを滑らかに連続する曲線にて繋いだ第2摩擦円特性FC2により規定するようにしている。
よって、第2目標速度プロファイルVt2の生成により速度計画を立てる際、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第2摩擦円特性FC2を用いることになる。このため、直進/旋回の走行態様にかかわらず横加速度Gyによる前後加速度Gxへの制限影響を考慮した連続的な速度計画としての第2目標速度プロファイルVt2を生成することができる。
第2目標速度プロファイルVt2は、第1目標速度プロファイルVt1と第2摩擦円特性FC2を用い、第1目標速度プロファイルVt1による速度の変化勾配である前後加速度が、第2摩擦円特性FC2の内側になる補正により生成するようにしている。
よって、第2目標速度プロファイルVt2の生成する際、既に生成されている第1目標速度プロファイルVt1がベースとされる。そして、第1目標速度プロファイルVt1での加速区間と減速区間に対して第2摩擦円特性FC2を用い、加速制限や減速制限が加えられる。このため、第2目標速度プロファイルVt2の生成する際、第1目標速度プロファイルVt1をベースとし、第1目標速度プロファイルVt1の加速区間と減速区間に対して第2摩擦円特性FC2を用いて容易に加速制限や減速制限を加えることができる。
前後加速度上限補正値Gxcのうち、第1目標速度プロファイVt1の上昇勾配を抑える加速側の前後加速度上限補正値Gxcを、第1目標速度プロファイルVt1の低下勾配を抑える減速側の前後加速度上限補正値Gxcより大きな値に設定している。つまり、実施例1では、加速側の前後加速度上限補正値Gxcを横加速度上限補正値Gycと同じとし、減速側の前後加速度上限補正値Gxcをゼロとしている。
即ち、加減速による車両の前後輪荷重の移動をみると、加速時は前輪荷重が低下し、後輪荷重が増大し、これに伴い前輪タイヤのグリップ限界が低下する。一方、減速時は前輪荷重が増大し、後輪荷重が減少し、これに伴い前輪タイヤのグリップ限界が上昇する。よって、前輪タイヤのグリップ限界が上昇する減速側での速度勾配の制限が、前輪タイヤのグリップ限界が低下する加速側での速度勾配の制限より小さく抑えられることになる。つまり、減速側では制限マージンを小さくしても、前輪タイヤのグリップ限界を超えないものになる。このため、速度勾配の制限が、加速時と減速時における前輪タイヤのグリップ限界の低下/上昇を考慮したものとなり、加速中であるか減速中であるかにかかわらず、タイヤグリップ限界付近での連続的な速度計画を立てることができる。
[旋回路での目標速度プロファイル生成作用(図10、図11)]
図10は、旋回路において同じ走行路曲率特性である場合の上限速度Vmaxの特性の比較を示し、図11は、図10に示す旋回路において第2目標速度プロファイルVt2を生成するときに第2摩擦円特性FC2に沿う自車の前後/横加速度動作点Pの移動作用を示す。以下、図10及び図11に基づいて、旋回路での目標速度プロファイル生成作用を説明する。
旋回路走行において走行路曲率ρが、図10の上部に示すように、時刻t1から時刻t2に向かって上昇し、時刻t2から時刻t3まで一定値を維持し、時刻t3から時刻t4に向かってゼロまで低下するとする。
このとき、走行路曲率ρに基づく上限速度Vmaxは、図10の下部の特性Aに示すように、時刻t1までは一定の上限速度Vmaxで、時刻t1から時刻t4までは上限速度Vmaxが徐々に低下した後、徐々に上昇する円弧特性を示す。そして、時刻t4以降は再び一定の上限速度Vmaxで推移する。
次に、第1摩擦円特性FC1に基づく上限速度Vmaxは、図10の下部の特性Bに示すように、時刻t0までは一定の上限速度Vmaxで、時刻t0から時刻t1までは上限速度Vmaxが徐々に低下する。時刻t1から時刻t4までは上限速度Vmaxが徐々に低下した後、徐々に上昇する円弧特性を示すが、上限速度Vmaxの最小値は特性Aより高くなる。そして、時刻t4から時刻t5までは上限速度Vmaxが徐々に上昇し、時刻t5以降は再び一定の上限速度Vmaxで推移する。
次に、第2摩擦円特性FC2に基づく上限速度Vmaxは、図10の下部の特性Cに示すように、時刻t0までは一定の上限速度Vmax(特性A,Bより低い)で、時刻t0から時刻t1までは上限速度Vmaxが徐々に低下する。時刻t1から時刻t4までは上限速度Vmaxが徐々に低下した後、徐々に上昇する円弧特性を示すが、上限速度Vmaxの最小値は特性A,Bより低くなる。そして、時刻t4から時刻t5までは上限速度Vmaxが徐々に上昇し、時刻t5以降は再び一定の上限速度Vmax(特性A,Bより低い)で推移する。
このとき、第2摩擦円特性FC2に基づく上限速度Vmaxの変化を、自車の前後/横加速度動作点Pの移動によりあらわしたのが図11である。時刻t0から時刻t1までの区間(a)においては、図11(a)に示すように、第1摩擦円特性FC1より内側の前後/横加速度動作点Paになる。時刻t1から時刻t2の手前までの区間(b)においては、図11(b)に示すように、横加速度軸上の横加速度上限値+Gylmtに向かって移動する前後/横加速度動作点Pcになる。時刻t2の手前から時刻t3の直後までの区間(c)においては、図11(c)に示すように、横加速度軸上の横加速度上限値+Gylmtを通って移動する前後/横加速度動作点Pcになる。時刻t3の直後以降の区間(d)においては、図11(d)に示すように、前後加速度軸上の前後加速度上限値−Gxlmtに向かって移動する前後/横加速度動作点Pdになる。このように、自車の前後/横加速度動作点Pa→Pb→Pc→Pdの移動軌跡は、第1摩擦円特性FC1の内側に描かれる第2摩擦円特性FC2になる。
以上説明したように、実施例1の自動運転車両ADにおける走行支援方法及び走行支援装置にあっては、下記に列挙する効果を奏する。
(1) 自車の周囲の状況を検出するセンサ(車載センサ1)と、自車が走行する車線内の目標軌跡を周囲の状況に基づいて生成し、目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成し、目標速度プロファイルに沿って走行するように自車の走行支援装置(アクチュエータ4)を制御するコントローラ(車載制御ユニット3)を備える走行支援方法において、コントローラは、自車の目標軌跡が生成されると、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得し、走行路状況情報に基づいて、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1を、タイヤグリップ限界による前後加速度値Gxmax及び横加速値Gymax以下に制約する制約条件を算出し、制約条件を用い、目標軌跡に沿う目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)を生成し、自車が目標軌跡に沿って走行するとき、目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)に従った走行支援を行う(図9)。
このため、自車が目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況にかかわらず目標軌跡から自車走行軌跡が逸脱するのを抑える適切な走行支援を実現する走行支援方法を提供することができる。
(2) 走行路状況情報に基づいて前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを算出し、第1摩擦円特性FC1の前後加速度軸のタイヤグリップ限界による前後加速度値±Gxmaxと前後加速度上限補正値Gxcより、前後加速度上限値±Gxlmtを算出し、第1摩擦円特性FC1の横加速度軸のタイヤグリップ限界による横加速度値±Gymaxと横加速度上限補正値Gycより、横加速度上限値±Gylmtを算出し、制約条件を、前後加速度上限値±Gxlmtと横加速度上限値±Gylmtを滑らかに連続する曲線にて繋いだ第2摩擦円特性FC2により規定する(図4)。
このため、直進/旋回の走行態様にかかわらず横加速度Gyによる前後加速度Gxへの制限影響を考慮した連続的な速度計画としての目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)を生成することができる。
(3) 目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)は、第2摩擦円特性FC2を用い、速度の変化勾配である前後加速度が、第2摩擦円特性FC2の内側になるように生成する(図5)。
このため、目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)を生成する際、第2摩擦円特性FC2を用い、速度の変化勾配である前後加速度の加速制限や減速制限を加えることができる。
(4) 前後加速度上限補正値Gxcのうち、加速側の前後加速度上限補正値Gxcを、減速側の前後加速度上限補正値Gxcより大きな値に設定する(図4)。
このため、速度勾配の制限が、加速時と減速時における前輪タイヤのグリップ限界の低下/上昇を考慮したものとなり、加速中であるか減速中であるかにかかわらず、タイヤグリップ限界付近での連続的な速度計画を立てることができる。
(5) 走行路状況情報として、複数の異なる走行路状況情報を検出し、複数の走行路状況情報を用いて前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを算出する(図6〜図8)。
このため、複数の異なる走行路状況のうち少なくとも一つの走行路状況が変化した場合であっても、走行路状況変化に対応する適切な前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを算出することができる。
(6) 複数の異なる走行路状況情報として、路面摩擦係数μ、走行路曲率ρ、走路幅Wを検出し、路面摩擦係数μ、走行路曲率ρ、走路幅Wのそれぞれの検出値に対し、第1加速度上限補正値、第2加速度上限補正値、第3加速度上限補正値を算出する(図6〜図8)。
このため、路面摩擦係数μと走行路曲率ρと走路幅Wのうち少なくとも一つの走行路状況が変化した場合であっても、走行路状況変化に対応する適切な前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを算出することができる。
(7) 前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを、第1加速度上限補正値と第2加速度上限補正値と第3加速度上限補正値の最大値により算出する(図6〜図8)。
このため、前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを算出する際、路面摩擦係数μと走行路曲率ρと走路幅Wの要素のうち最も加速度制限が必要な要素を反映した値となり、目標軌跡からの自車走行軌跡の逸脱を有効に抑えることができる。
(8) 前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを、第1加速度上限補正値と第2加速度上限補正値と第3加速度上限補正値の平均値により算出する(図6〜図8)。
このため、前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycを算出する際、路面摩擦係数μと走行路曲率ρと走路幅Wの全ての要素を反映した値にすることができる。
(9) 第1加速度上限補正値は、路面摩擦係数μが低いほど加速度制限を大きくする値に算出する(図6)。
このため、高μ路走行から低μ路走行へと移行する際、路面摩擦係数μが低いほど加速度制限を大きくすることで、路面摩擦係数μに大きさにかかわらず車両挙動を安定させることができる。
(10) 第2加速度上限補正値は、走行路曲率ρが大きいほど加速度制限を大きくする値に算出する(図7)。
このため、直進走行から旋回走行へ移行する際、旋回路の旋回半径が小さくて走行路曲率ρが大きいほど加速度制限を大きくすることで、走行路曲率ρの大きさにかかわらず車両の旋回挙動を安定させることができる。
(11) 第3加速度上限補正値は、走路幅Wが狭いほど加速度制限を大きくする値に算出する(図8)。
このため、走路幅Wが広い走行から走路幅Wが狭い走行へ移行する際、走路幅Wが狭いほど加速度制限を大きくすることで、走路幅Wが狭くても目標軌跡から逸脱することのない自車走行を確保することができる。
(12) 自車の周囲の状況を検出するセンサ(車載センサ1)と、自車が走行する車線内の目標軌跡を周囲の状況に基づいて生成し、目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成し、目標速度プロファイルに沿って走行するように自車の走行支援装置(アクチュエータ4)を制御するコントローラ(車載制御ユニット3)を備える走行支援装置において、コントローラは、自車の目標軌跡が生成されると、自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する走行路状況情報取得部(路面摩擦係数推定部319a、走行路曲率算出部319b、走路幅算出部319c)と、走行路状況情報に基づいて、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1を、タイヤグリップ限界による前後加速度値Gxmax及び横加速度値Gymax以下に制約する制約条件を算出する制約条件算出部319iと、制約条件を用い、目標軌跡に沿う目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)を生成する目標速度プロファイル生成部(第2目標速度プロファイル生成部319k)と、自車が目標軌跡に沿って走行するとき、目標速度プロファイル(第2目標速度プロファイルVt2)に従った走行支援を行う走行支援制御部(車両運動コントローラ32)と、を有する(図3)。
このため、自車が目標軌跡に沿って走行するシーンにおいて、自車前方の走行路状況にかかわらず目標軌跡から自車走行軌跡が逸脱するのを抑える適切な走行支援を実現する走行支援装置を提供することができる。
以上、本開示の走行支援方法及び走行支援装置を、実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加などは許容される。
実施例1では、前後加速度Gx及び横加速度Gyのタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性FC1に基づいて第1目標速度プロファイルVt1を生成し、第1目標速度プロファイルVt1と制約条件を用い、第2目標速度プロファイルVt2を生成する例を示した。しかし、第1目標速度プロファイルを生成することなく、第1摩擦円特性に対する制約条件により、目標速度プロファイルを直接生成する例としても良い。
実施例1では、第2摩擦円特性FC2として、図4に示すように、前後加速度上限補正値Gxcのうち、加速側の前後加速度上限補正値Gxcを、減速側の前後加速度上限補正値Gxcより大きな値に設定する例を示した。
しかし、第2摩擦円特性FC2としては、図12に示すように、前後加速度軸の前後加速度上限補正値Gxcを何れもゼロとし、横加速度軸の横加速度上限補正値Gycのみによる楕円形状とする例としても良い。この場合、前後加速度上限補正値Gxcの算出を要しない。
また、第2摩擦円特性FC2としては、図13に示すように、前後加速度軸の前後加速度上限補正値Gxc及び横加速度軸の横加速度上限補正値Gycによる縮小真円形状とする例としても良い。
さらに、第2摩擦円特性FC2としては、図14に示すように、走路幅絶対値|W|が狭い場所ほど大きい値となるゲインKwを算出する。そして、図15に示すように、ゲインKwを横加速度上限補正値Gycに乗じた値を横加速度上限補正値Gyc*とし、ゲインKwを前後加速度上限補正値Gxcに乗じた値を前後加速度上限補正値Gxc*とする例としても良い。なお、この場合、図12や図13に示す第2摩擦円特性FC2にも適用できる。
実施例1では、前後加速度上限補正値Gxcと横加速度上限補正値Gycとして、第1加速度上限補正値と第2加速度上限補正値と第3加速度上限補正値の最大値又は平均値により算出する例を示した。しかし、前後加速度上限補正値と横加速度上限補正値としては、要因の異なる複数の加速度上限補正値の乗算値により算出する例としても良い。
実施例1では、本開示の走行支援方法及び走行支援装置を、目標軌跡に沿って走行するように速度及び舵角による車両運動が制御される自動運転車両ADに適用する例を示した。しかし、本開示の走行支援方法及び走行支援装置は、自動運転車両に限らず、オートクルーズ機能やレーンキープ機能などを備え、少なくともステアリング操作/アクセル操作/ブレーキ操作の何れか一つの運転操作を支援する運転支援車両に対しても適用することができる。
AD 自動運転車両
1 車載センサ
2 ナビゲーション装置
3 車載制御ユニット(コントローラ)
31 自動運転コントローラ
318 目標軌跡生成部
319 目標速度プロファイル生成部
319a 路面摩擦係数推定部(走行路状況情報取得部)
319b 走行路曲率算出部(走行路状況情報取得部)
319c 走路幅算出部(走行路状況情報取得部)
319d 第1摩擦円特性設定部
319e 第1目標速度プロファイル生成部
319f 第1加速度上限補正値算出部
319g 第2加速度上限補正値算出部
319h 第3加速度上限補正値算出部
319i 制約条件算出部
319j 第2摩擦円特性設定部
319k 第2目標速度プロファイル生成部(目標速度プロファイル生成部)
32 車両運動コントローラ(走行支援制御部)
4 アクチュエータ(走行支援装置)
5 HMIモジュール

Claims (12)

  1. 自車の周囲の状況を検出するセンサと、
    前記自車が走行する車線内の目標軌跡を前記周囲の状況に基づいて生成し、前記目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成し、前記目標速度プロファイルに沿って走行するように前記自車の走行支援装置を制御するコントローラを備える走行支援方法において、
    前記コントローラは、
    前記自車の目標軌跡が生成されると、前記自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得し、
    前記走行路状況情報に基づいて、前後加速度及び横加速度のタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性を、タイヤグリップ限界による前後加速度値及び横加速度値以下に制約する制約条件を算出し、
    前記制約条件を用い、前記目標軌跡に沿う目標速度プロファイルを生成し、
    前記自車が前記目標軌跡に沿って走行するとき、前記目標速度プロファイルに従った走行支援を行う
    ことを特徴とする走行支援方法。
  2. 請求項1に記載された走行支援方法において、
    前記走行路状況情報に基づいて前後加速度上限補正値と横加速度上限補正値を算出し、
    前記第1摩擦円特性の前後加速度軸のタイヤグリップ限界による前後加速度値と前記前後加速度上限補正値より、前後加速度上限値を算出し、
    前記第1摩擦円特性の横加速度軸のタイヤグリップ限界による横加速度値と前記横加速度上限補正値より、横加速度上限値を算出し、
    前記制約条件を、前記前後加速度上限値と前記横加速度上限値を滑らかに連続する曲線にて繋いだ第2摩擦円特性により規定する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  3. 請求項2に記載された走行支援方法において、
    前記目標速度プロファイルは、前記第2摩擦円特性を用い、速度の変化勾配である前後加速度が前記第2摩擦円特性の内側になるように生成する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  4. 請求項2又は3に記載された走行支援方法において、
    前記前後加速度上限補正値のうち、加速側の前後加速度上限補正値を、減速側の前後加速度上限補正値より大きな値に設定する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  5. 請求項2から4までの何れか一項に記載された走行支援方法において、
    前記走行路状況情報として、複数の異なる走行路状況情報を検出し、複数の走行路状況情報を用いて前後加速度上限補正値と横加速度上限補正値を算出する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  6. 請求項5に記載された走行支援方法において、
    前記複数の異なる走行路状況情報として、路面摩擦係数、走行路曲率、走路幅を検出し、
    前記路面摩擦係数、前記走行路曲率、前記走路幅のそれぞれの検出値に対し、第1加速度上限補正値、第2加速度上限補正値、第3加速度上限補正値を算出する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  7. 請求項6に記載された走行支援方法において、
    前記前後加速度上限補正値と前記横加速度上限補正値を、前記第1加速度上限補正値と前記第2加速度上限補正値と前記第3加速度上限補正値の最大値により算出する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  8. 請求項6に記載された走行支援方法において、
    前記前後加速度上限補正値と前記横加速度上限補正値を、前記第1加速度上限補正値と前記第2加速度上限補正値と前記第3加速度上限補正値の平均値により算出する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  9. 請求項6から8までの何れか一項に記載された走行支援方法において、
    前記第1加速度上限補正値は、前記路面摩擦係数が低いほど加速度制限を大きくする値に算出する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  10. 請求項6から9までの何れか一項に記載された走行支援方法において、
    前記第2加速度上限補正値は、前記走行路曲率が大きいほど加速度制限を大きくする値に算出する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  11. 請求項6から10までの何れか一項に記載された走行支援方法において、
    前記第3加速度上限補正値は、前記走路幅が狭いほど加速度制限を大きくする値に算出する
    ことを特徴とする走行支援方法。
  12. 自車の周囲の状況を検出するセンサと、
    前記自車が走行する車線内の目標軌跡を前記周囲の状況に基づいて生成し、前記目標軌跡に沿う経時的な速度計画である目標速度プロファイルを生成し、前記目標速度プロファイルに沿って走行するように前記自車の走行支援装置を制御するコントローラを備える走行支援装置において、
    前記コントローラは、
    前記自車の目標軌跡が生成されると、前記自車がこれから走行する目標軌跡上の走行路状況情報を取得する走行路状況情報取得部と、
    前記走行路状況情報に基づいて、前後加速度及び横加速度のタイヤグリップ限界による第1摩擦円特性を、タイヤグリップ限界による前後加速度値及び横加速度値以下に制約する制約条件を算出する制約条件算出部と、
    前記制約条件を用い、前記目標軌跡に沿う目標速度プロファイルを生成する目標速度プロファイル生成部と、
    前記自車が前記目標軌跡に沿って走行するとき、前記目標速度プロファイルに従った走行支援を行う走行支援制御部と、を有する
    ことを特徴とする走行支援装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023139867A1 (ja) * 2022-01-20 2023-07-27 日立Astemo株式会社 車両運動制御装置、および、車両運動制御方法

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