JP5820649B2 - 治療用処置装置 - Google Patents

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Description

本発明は、治療用処置装置に関する。
一般に、熱エネルギを用いて生体組織を処置する治療用処置装置が知られている。例えば特許文献1には、次のような治療用処置装置が開示されている。この治療用処置装置は、処置対象である生体組織を把持する開閉可能な保持部を有している。この保持部には、それを加熱するためのヒータとして機能する抵抗素子が配置されている。このような治療用処置装置は、生体組織を保持部で把持し、把持した部分の生体組織を加熱することで生体組織を吻合することができる。抵抗素子への投入電力量の制御について特許文献1には、所定の一定の値の電力量を投入する制御方法と、抵抗素子の抵抗値変化に基づいて温度計測を行いながらフィードバック制御によって抵抗素子を所定温度に制御する方法とが開示されている。
特開2001−190561号公報
上記のような治療用処置装置の使用において、吻合の際に保持部で把持する生体組織の面積は一定ではなく、処置毎に異なるのが一般的である。このため、ヒータとして機能する抵抗素子への投入電力量を所定の一定の値とする制御方法では、処置毎に吻合温度が異なることになる。その結果、接合強度が不安定となる可能性がある。一方、抵抗素子の抵抗値変化に基づいて温度計測を行いフィードバック制御によって抵抗素子を所定温度に制御する方法では、予め抵抗素子の抵抗値と温度との特性を正確に取得しておく必要がある。このためには、抵抗素子の均一性を製造時に高い精度で管理するか、抵抗素子の抵抗―温度特性を個体毎に正確に計測しておく必要がある。その結果、当該装置はコストアップしてしまう。
そこで本発明は、予め抵抗素子の抵抗値と温度との関係を個別に取得しておく必要なく低コストに、その抵抗値から抵抗素子の温度を算出して正確な温度制御を行うことができる治療用処置装置を提供することを目的とする。
前記目的を果たすため、本発明の治療用処置装置の一態様は、生体組織を目標温度で加熱して治療するための治療用処置装置であって、前記生体組織に接触して該生体組織に熱を伝える伝熱部と、電力が投入されることによって前記伝熱部を加熱する抵抗素子と、を有する処置具と、前記処置具と着脱可能であり、前記抵抗素子の抵抗値Rを計測でき、前記目標温度で前記生体組織を加熱するために前記抵抗素子に電力を供給して前記伝熱部の温度を制御する制御装置と、前記処置具又は前記制御装置に設けられた、係数C2を格納するための記憶部と、を具備し、前記制御装置は、前記治療の前に、前記処置具と前記制御装置とが接続された状態で、校正温度Tcと、格納された前記係数C2と、計測された前記抵抗素子の抵抗値Rcとに基づいて係数C1をC1=(Tc−C2)/Rcにより算出し、前記治療のときには、前記抵抗素子の温度Tを、前記抵抗値R、前記係数C1、及び前記係数C2を用いてT=C1×R+C2により算出し、前記温度Tを用いて前記伝熱部の温度を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、予め格納された係数C2と、処置具と制御装置とが接続された状態で算出された係数C1とを用いるので、予め抵抗素子の抵抗値と温度との関係を個別に取得しておく必要なく低コストに、その抵抗値から抵抗素子の温度を算出して正確な温度制御を行うことができる治療用処置装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る治療用処置システムの構成例を示す概略図。 本発明の一実施形態に係るエネルギ処置具のシャフト及び保持部の構成例を示す断面の概略図であり、(A)は保持部が閉じた状態を示す図、(B)は保持部が開いた状態を示す図。 本発明の一実施形態に係る保持部の第1の保持部材の構成例を示す概略図であり、(A)は平面図、(B)は(A)に示す3B−3B線に沿う縦断面図、(C)は(A)に示す3C−3C線に沿う横断面図。 本発明の一実施形態に係る発熱チップの構成例の概略を示す上面図。 本発明の一実施形態に係る発熱チップの構成例の概略を示す図であって、図4Aに示す4B−4B線に沿う断面図。 本発明の一実施形態に係る制御装置の構成例を示す図。 本発明の一実施形態に係る治療用処置装置の加熱処置に関わる構成の概略を示す図。 本発明の一実施形態に係る治療用処置装置の制御部による処理の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態に係る治療用処置装置の制御部による初期設定処理の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態に係る治療用処置装置の制御部による加熱処置実施処理の一例を示すフローチャート。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る治療用処置装置は、生体組織の治療に用いるための装置であり、生体組織に高周波エネルギと熱エネルギとを作用させる装置である。図1に示すように、治療用処置装置100は、エネルギ処置具120と、制御装置170と、フットスイッチ216とを備えている。
エネルギ処置具120は、例えば腹壁を貫通させて処置を行うための、リニアタイプの外科治療用処置具である。エネルギ処置具120は、ハンドル222と、ハンドル222に取り付けられたシャフト224と、シャフト224の先端に設けられた保持部125とを有する。保持部125は、開閉可能であり、処置対象の生体組織を保持して、生体組織の凝固、切開等の処置を行う処置部である。以降説明のため、保持部125側を先端側と称し、ハンドル222側を基端側と称する。ハンドル222は、保持部125を操作するための複数の操作ノブ232を備えている。また、ハンドル222部分には、不揮発性のメモリ123が備えられている。メモリ123には、後に詳述するように、そのエネルギ処置具120に固有の個体識別番号や、温度制御に用いる固有の係数C2等の固有情報が記憶されている。なお、ここで示したエネルギ処置具120の形状は、もちろん一例であり、同様の機能を有していれば、他の形状でもよい。例えば、鉗子のような形状をしていてもよいし、シャフトが湾曲していてもよい。
ハンドル222は、ケーブル160を介して制御装置170に接続されている。ここで、ケーブル160と制御装置170とは、コネクタ165によって接続されており、この接続は着脱自在となっている。すなわち、治療用処置装置100は、処置毎にエネルギ処置具120を交換することができるように構成されている。制御装置170には、フットスイッチ216が接続されている。足で操作するフットスイッチ216は、手で操作するスイッチやその他のスイッチに置き換えてもよい。フットスイッチ216のペダルを術者が操作することにより、制御装置170からエネルギ処置具120へのエネルギの供給のON/OFFが切り換えられる。
保持部125及びシャフト224の構造の一例を図2に示す。図2(A)は保持部125が閉じた状態を示し、図2(B)は保持部125が開いた状態を示す。シャフト224は、筒体242とシース244とを備えている。筒体242は、その基端部でハンドル222に固定されている。シース244は、筒体242の外周に、筒体242の軸方向に沿って摺動可能に配設されている。
筒体242の先端部には、保持部125が配設されている。保持部125は、第1の保持部材127と、第2の保持部材128とを備えている。第1の保持部材127の基部は、シャフト224の筒体242の先端部に固定されている。一方、第2の保持部材128の基部は、シャフト224の筒体242の先端部に、支持ピン256によって、回動可能に支持されている。したがって、第2の保持部材128は、支持ピン256の軸回りに回動し、第1の保持部材127に対して開いたり閉じたりする。
保持部125が閉じた状態では、第1の保持部材127の基部と、第2の保持部材128の基部とを合わせた断面形状は、円形となる。第2の保持部材128は、第1の保持部材127に対して開くように、例えば板バネなどの弾性部材258により付勢されている。シース244を、筒体242に対して先端側にスライドさせ、シース244によって第1の保持部材127の基部及び第2の保持部材128の基部を覆うと、図2(A)に示すように、弾性部材258の付勢力に抗して、第1の保持部材127及び第2の保持部材128は閉じる。一方、シース244を、筒体242の基端側にスライドさせると、図2(B)に示すように、弾性部材258の付勢力によって第1の保持部材127に対して第2の保持部材128は開く。
筒体242には、後述する第1の高周波電極132又は第2の高周波電極134に接続される高周波電極用通電ライン268と、発熱部材である発熱チップ140に接続される発熱チップ用通電ライン162とが挿通されている。
筒体242の内部には、その基端側で操作ノブ232の一つと接続した駆動ロッド252が、筒体242の軸方向に沿って移動可能に配設されている。駆動ロッド252の先端側には、先端側に刃が形成された薄板状のカッタ254が配設されている。操作ノブ232を操作すると、駆動ロッド252を介してカッタ254は、筒体242の軸方向に沿って移動させられる。カッタ254が先端側に移動するとき、カッタ254は、保持部125に形成された後述するカッタ案内溝264,274内に収まる。
第1の保持部材127は、第1の保持部材本体262を有し、第2の保持部材128は、第2の保持部材本体272を有する。図3に示すように、第1の保持部材本体262には、前記したカッタ254を案内するためのカッタ案内溝264が形成されている。第1の保持部材本体262には、凹部が設けられ、そこには例えば銅の薄板で形成された第1の高周波電極132が配設されている。第1の高周波電極132は、カッタ案内溝264を有するので、その平面形状は、図3(A)に示すように、略U字形状となっている。
また、後に詳述するように、第1の高周波電極132の第1の保持部材本体262側の面には、複数の発熱チップ140が接合されている。この発熱チップ140と、発熱チップ140への配線等と、第1の高周波電極132とを覆うように、例えばシリコーンからなる封止剤が塗布されて封止膜265が形成されている。
第1の高周波電極132には、図2に示すように、高周波電極用通電ライン268が電気的に接続している。第1の高周波電極132は、この高周波電極用通電ライン268を介して、ケーブル160に接続されている。
第2の保持部材128は、第1の保持部材127と対称をなす形状をしている。すなわち、第2の保持部材128には、カッタ案内溝264と対向する位置に、カッタ案内溝274が形成されている。また、第2の保持部材本体272には、第1の高周波電極132と対向する位置に、第2の高周波電極134が配設されている。第2の高周波電極134は、高周波電極用通電ライン268を介して、ケーブル160に接続されている。
閉じた状態の保持部125が生体組織を把持する際には、把持された生体組織は、第1の高周波電極132及び第2の高周波電極134と接触する。
第1の保持部材127及び第2の保持部材128は更に、第1の高周波電極132及び第2の高周波電極134に接した生体組織を焼灼するために、発熱のための機構を有する。第1の保持部材127に設けられた発熱機構と、第2の保持部材128に設けられた発熱機構とは、同様の形態を持つ。ここでは第1の保持部材127に形成された発熱機構を例に挙げて説明する。
まず、この発熱の機構を構成する発熱チップ140について図4A及び図4Bを参照して説明する。ここで、図4Aは上面図であり、図4Bは図4Aに示した4B−4B線に沿う断面図である。発熱チップ140は、アルミナ製の基板141を用いて形成されている。基板141の主面の一方である表面には、発熱用のPt薄膜である抵抗パターン143が形成されている。また、基板141の表面の、長方形の2つの短辺近傍には、それぞれ矩形の電極145が形成されている。ここで、電極145は、抵抗パターン143のそれぞれの端部に接続している。電極145が形成されている部分を除き、抵抗パターン143上を含む基板141の表面には、例えばポリイミドで形成された絶縁膜147が形成されている。
基板141の裏面全面には、接合用金属層149が形成されている。電極145と接合用金属層149とは、例えばTiとCuとNiとAuとからなる多層の膜である。これら電極145と接合用金属層149とは、ハンダ付け等に対して安定した強度を有している。接合用金属層149は、例えば第1の高周波電極132に発熱チップ140をハンダ付けする際に、接合が安定するように設けられている。
発熱チップ140は、第1の高周波電極132及び第2の高周波電極134の生体組織と接する面(第1の主面)とは反対側の面(第2の主面)に配設されている。ここで発熱チップ140は、それぞれ接合用金属層149の表面と第1の高周波電極132又は第2の高周波電極134の第2の主面とをハンダ付けすることにより固定されている。
第1の高周波電極132の場合を例に挙げて、図3を参照して説明する。第1の高周波電極132には、6個の発熱チップ140が離散的に配置されている。すなわち、発熱チップ140は、基端側から先端側に向けてカッタ案内溝264を挟んで対称に2列に3個ずつ並べて配置されている。
これら発熱チップ140の抵抗パターン143は、電極145を介して直列に接続されている。隣り合う電極145同士は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤ163で接続されている。直列に接続された発熱チップの両端には、一対の発熱チップ用通電ライン162が接続されている。一対の発熱チップ用通電ライン162は、ケーブル160に接続されている。このようにして発熱チップ140は、ワイヤ163、発熱チップ用通電ライン162及びケーブル160を介して、制御装置170に接続されている。制御装置170は、発熱チップ140に投入する電力を制御する。
以上のように本実施形態では、複数の発熱チップ140が第1の高周波電極132に配置されているが、これは第1の高周波電極132の温度均一性を高めるためであり、電気的には6個の発熱チップ140全体で単一の発熱チップとみなすことができる。第1の高周波電極132上には、発熱チップ140や発熱チップ用通電ライン162を覆うように、例えばシリコーンからなる封止剤が塗布されて、封止膜265が図3に示すように形成されている。
制御装置170から出力された電流は、6個の発熱チップ140の各抵抗パターン143を流れる。その結果、各抵抗パターン143は発熱する。抵抗パターン143が発熱すると、第1の高周波電極132にその熱が伝達される。この熱により、第1の高周波電極132に接した生体組織が焼灼される。
発熱チップ140で生じた熱を効率よく第1の高周波電極132へ伝えるために、封止膜265、及びその周囲の第1の保持部材本体262は、第1の高周波電極132や基板141の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有することが好ましい。封止膜265及び第1の保持部材本体262の熱伝導率が低いことで、損失の少ない熱伝導が実現される。
制御装置170の内部には、図5に示すように、制御部180と、高周波エネルギ出力回路181と、発熱チップ駆動回路182と、入力部185と、表示部186と、記憶部187と、スピーカ188と、温度センサ189とが配設されている。制御部180は、制御装置170内の各部と接続しており、制御装置170の各部を制御する。高周波エネルギ出力回路181は、エネルギ処置具120と接続しており、制御部180の制御の下、エネルギ処置具120の第1の高周波電極132及び第2の高周波電極134を駆動する。すなわち、高周波エネルギ出力回路181は、高周波電極用通電ライン268を介して、第1の高周波電極132及び第2の高周波電極134に高周波電圧を印加する。
発熱チップ駆動回路182は、エネルギ処置具120と接続しており、制御部180の制御の下、エネルギ処置具120の発熱チップ140を駆動する。すなわち、発熱チップ駆動回路182は、制御部180の制御の下、発熱チップ用通電ライン162を介して加熱のために発熱チップ140の抵抗パターン143に電力を供給する。ここで、発熱チップ駆動回路182は、発熱チップ140に供給する電力量を変化させることができる。
また、発熱チップ駆動回路182は、発熱チップ140に電圧を印加した際に流れる電流を計測する機能を有する。発熱チップ駆動回路182は、計測した電流値を制御部180に出力する。
抵抗パターン143の抵抗値は、抵抗パターン143の温度に応じて変化する。したがって、抵抗パターン143の温度と抵抗値との関係を有していれば、制御部180は、抵抗パターン143の抵抗値に基づいて、抵抗パターン143の温度を取得することができる。制御部180は、抵抗パターン143に印加した電圧値と、発熱チップ駆動回路182から取得したそのとき流れる電流値とに基づいて、抵抗パターン143の抵抗値を算出する。さらに制御部180は、抵抗パターン143の温度と抵抗値との関係に基づいて、抵抗パターン143の温度を算出する。
また、制御部180は、上記のように抵抗パターン143の温度を取得するために、抵抗パターン143の温度と抵抗値との関係を算出する。より具体的には、制御部180は、コネクタ165を介してエネルギ処置具120と制御装置170とが接続されたときに、メモリ123から当該エネルギ処置具120の固有情報を読み出す。さらに制御部180は、発熱チップ140の抵抗パターン143に微小電圧を印加させ、そのとき流れる電流値から抵抗パターン143の抵抗値を取得する。さらに制御部180は、温度センサ189から、校正温度としての環境温度を取得する。制御部180は、エネルギ処置具120の特性と、抵抗パターン143の抵抗値と、環境温度とから、抵抗パターン143の温度と抵抗値との関係を算出する。また、制御部180は、後に詳述するように、メモリ123から読み出した固有情報のうちエネルギ処置具120の個体識別番号と、算出した温度と抵抗値との関係に係る値、すなわち後に詳述する係数C1とを、記憶部187に格納する。
制御部180には、フットスイッチ(SW)216が接続されており、フットスイッチ216からエネルギ処置具120による処置が行われるONと、処置が停止されるOFFとが入力される。入力部185は、制御部180の各種設定等を入力する。表示部186は、制御部180の制御下で治療用処置装置100の各種情報を表示する。記憶部187は、制御装置170の動作に必要な各種データが記憶されている。スピーカ188は、アラーム音などを出力する。温度センサ189は、環境温度を計測する。
上記説明した治療用処置装置100のうち、特に加熱処置に係る部分を抜き出した模式図を図6に示す。この図に示すように、加熱処置は、第1の高周波電極132及び第2の高周波電極134並びに発熱チップ140を有する保持部125と、メモリ123とを備えるエネルギ処置具120によって行われる。エネルギ処置具120の制御は、制御部180と発熱チップ駆動回路182と記憶部187と温度センサ189とを有する制御装置170によって行われる。エネルギ処置具120と制御装置170とは、制御装置170側に設けられたコネクタ165を用いて着脱自在なケーブル160によって接続されている。なお、前記した高周波処置やカッタに係る構成は、本発明に係る治療用処置装置100においては必ずしも必要ではない。
このように、例えば第1の高周波電極132又は第2の高周波電極134は、生体組織に接触して生体組織に熱を伝える伝熱部として機能し、例えば発熱チップ140は、電力が投入されることによって前記伝熱部を加熱する抵抗素子として機能し、例えばエネルギ処置具120は、伝熱部と抵抗素子とを有する処置具として機能し、例えば制御装置170は、抵抗素子の抵抗値Rを計測でき、目標温度で生体組織を加熱するために抵抗素子に電力を供給して伝熱部の温度を制御する制御装置として機能し、例えばメモリ123は、係数C2を格納するための記憶部として機能し、例えば温度センサ189は、環境温度を計測するための温度センサとして機能し、例えば記憶部187は、算出係数記憶部として機能する。
次に本実施形態に係る治療用処置装置100の動作を説明する。制御部180による処理を表すフローチャートを図7に示す。ステップS101において制御部180は、エネルギ処置具120が接続しているケーブル160が、コネクタを介して制御装置170に接続されたか否かを判定する。接続されていないとき、制御部180はステップS101を繰り返す。一方、制御部180がエネルギ処置具120が接続したケーブル160が制御装置170に接続されたと判定したら、処理はステップS102に移される。ステップS102において制御部180は、定義済み処理である初期設定処理を実行する。この初期設定処理については、後に詳述する。
ステップS103において制御部180は、定義済み処理である出力設定処理を実行する。出力設定処理では、制御部180は、入力部185を介して術者の指示を受け取り、治療用処置装置100の出力条件、例えば、高周波エネルギ出力の設定電力、熱エネルギ出力による目標温度Top、加熱時間top等を設定する。ここで、術者がそれぞれの値を個別に設定するようにしてもよいし、術者は術式に応じた設定値のセットを選択し、その選択に基づいて制御部180が出力条件を決定するようにしてもよい。
エネルギ処置具120の保持部125及びシャフト224は、例えば、腹壁を通して腹腔内に挿入される。術者は、操作ノブ232を操作して保持部125を開閉させ、第1の保持部材127と第2の保持部材128とによって処置対象の生体組織を把持する。このとき、第1の保持部材127に設けられた第1の高周波電極132と第2の保持部材128に設けられた第2の高周波電極134との両方の第1の主面に、処置対象の生体組織が接触している。
ステップS104において制御部180は、術者による高周波処置開始の指示が入力されたか否かの判定を繰り返す。術者は、保持部125によって処置対象の生体組織を把持したら、フットスイッチ216を操作する。例えばフットスイッチ216がONに切り換えられ、制御部180が高周波処置開始の指示が入力されたと判定する。このとき、ステップS105において制御部180は、高周波処置実施処理を実行する。高周波処置実施処理では、制御装置170の高周波エネルギ出力回路181から、ケーブル160を介して第1の高周波電極132及び第2の高周波電極134に、設定電力の高周波電力が供給される。供給される電力は、例えば20W〜80W程度である。その結果、生体組織は発熱し、組織が焼灼される。この焼灼により、当該組織は変性し、凝固する。所定時間の経過後、又は術者の指示に基づいて、制御部180は高周波エネルギの出力を停止し、高周波処置実施処理は終了する。
ステップS106において制御部180は、術者による加熱処置開始の指示が入力されたか否かの判定を繰り返す。例えばフットスイッチ216がONに切り換えられ、制御部180が加熱処置開始の指示が入力されたと判定したら、ステップS107において制御部180は、加熱処置実施処理を実行する。加熱処置実施処理では、後に詳述するようにして、制御装置170は第1の高周波電極132の温度が目標温度になるように発熱チップ140に電力を供給する。ここで、目標温度は、例えば200℃程度である。このとき電流は、制御装置170の発熱チップ駆動回路182から、ケーブル160及び発熱チップ用通電ライン162を介して、各発熱チップ140の抵抗パターン143を流れる。各発熱チップ140の抵抗パターン143は、電流によって発熱する。
抵抗パターン143で発生した熱は、基板141及び接合用金属層149を介して、第1の高周波電極132に伝わる。その結果、第1の高周波電極132の温度は上昇する。同様に、第2の高周波電極134の温度も、第2の高周波電極134に配置された各発熱チップ140を流れる電流による発熱で上昇する。これらの熱によって第1の高周波電極132又は第2の高周波電極134の第1の主面と接触している生体組織は更に焼灼され、更に凝固する。加熱によって生体組織が凝固したら、熱エネルギの出力は停止され、加熱処置実施処置は終了する。以上のようにして、制御部180による一連の処理は終了する。最後に術者は、操作ノブ232を操作してカッタ254を移動させ、生体組織を切断する。以上によって生体組織の処置が完了する。
上記のような加熱処置において、発熱チップ140による加熱における温度制御には、高い精度が求められる。本実施形態では、制御部180は、発熱チップ140の温度を抵抗パターン143の抵抗値に基づいて取得する。すなわち、制御部180の制御下で発熱チップ駆動回路182は、抵抗パターン143に電圧を印加し、そのとき流れる電流値を計測する。発熱チップ駆動回路182は、計測した電流値を制御部180に出力する。制御部180は、抵抗パターン143に印加した電圧値と、発熱チップ駆動回路182から取得した電流値とに基づいて、抵抗パターン143の抵抗値を算出する。制御部180は、算出した抵抗値と抵抗パターン143の抵抗値と温度との関係に基づいて、抵抗パターン143の温度を算出する。
抵抗パターン143の抵抗値Rと温度Tとの関係について説明する。抵抗パターン143の温度は、下記式(1)で与えられる。
T=C1×R+C2 (1)
ここで、係数C1及び係数C2は所定の定数である。したがって、係数C1及び係数C2が既知であれば、式(1)に基づいて抵抗パターン143の抵抗値Rから温度Tを求めることができる。以下、係数C1及び係数C2について説明する。
温度T1のときの抵抗値R1とし、温度T2のときの抵抗値R2とすると、式(1)より、次式(2)及び(3)が成り立つ。
T1=C1×R1+C2 (2)
T2=C1×R2+C2 (3)
ここで、抵抗値R1及びR2の比をαとする。すなわち、次式(4)とする。
α=R2/R1 (4)
すると、式(2)(3)(4)より、次式(5)が得られる。
C2=(T1×α―T2)/(α−1) (5)
ここで、αは抵抗パターン143の材料によって決まる値である。すなわち、製造工程で不均一さが生じる抵抗パターン143の線幅や厚さには依存しない。したがって、同一材料を用いた同一構造の発熱チップ140では、個体間の係数C2の差異はごく小さい。係数C2の導出には2つの異なる温度で抵抗値を計測する必要がある。しかしながら、個体間の差異が小さいことから、全ての発熱チップ140について計測する必要はなく、例えは発熱チップ140の製造ロット毎に抜き取り検査を行って平均値を算出することで十分な精度でそのロットの発熱チップ140の係数C2を得ることができる。
係数C2が既知である場合、ある温度Tにおける抵抗パターン143の抵抗値Rは、下記式(6)で表される。
C1=(T−C2)/R (6)
この式から明らかなとおり、係数C2が既知であれば、ある一つの温度における抵抗値を計測することで係数C1を取得することができる。
ここで、係数C1は、抵抗パターン143の線幅や厚さには依存し、製造工程において比較的大きな不均一さが生じ易い。したがって、処置具の個体毎に係数C1を計測することが望まれる。
以上のことから、本実施形態では、係数C2は、例えば製造ロット毎の抜き取り検査の平均値等によって予め求めておく。そして、この係数C2の値は、上述のとおりエネルギ処置具120に備えられたメモリ123に記憶しておく。一方、係数C1は、使用時の初期設定処理において計測する。
本実施形態における初期設定処理の例を図8に示すフローチャートを参照して説明する。ステップS201において制御部180は、エネルギ処置具120のメモリ123から、そのエネルギ処置具120の個体識別番号と係数C2の値とを読み出す。ステップS202において制御部180は、記憶部187に個体識別番号に対応する係数C1が格納されているか否かを判定する。
ステップS202の判定において、記憶部187に個体識別番号に対応する係数C1が格納されていないと判定されたら、処理はステップS203に進められる。ステップS203において制御部180は、制御装置170に備えられた温度センサ189から計測した環境温度Tmを取得する。本実施形態では、この環境温度Tmを、係数C1の算出に用いる温度である校正温度とする。ステップS204において制御部180は、発熱チップ駆動回路182に指令して発熱チップ140の抵抗パターン143に微小電圧Vmを印加させる。ステップS205において制御部180は、発熱チップ駆動回路182に指令して抵抗パターン143を流れる電流Imを計測させ、計測した電流Imを取得する。
ステップS206において制御部180は、次式(7)に基づいて抵抗パターン143の抵抗値Rmを算出する。
Rm=Vm/Im (7)
さらに、得られたRmと、ステップS201で取得した係数C2と、ステップS203で計測した環境温度Tmと、式(6)とに基づいて、次式(8)により、係数C1を算出する。
C1=(Tm−C2)/Rm (8)
なお、ケーブル160のコネクタ165への接続直後にこの計測が行われることから、発熱チップの温度は環境温度と等しいとみなすことができる。
ステップS207において制御部180は、ステップS201で読み出した個体識別番号と、ステップS206で算出した係数C1とを関連付けて、記憶部187に格納する。ステップS208において制御部180は、発熱チップ駆動回路182に指令して、抵抗パターン143への微小電圧Vmの印加を停止させる。その後処理は、係数C1及びC2を戻り値として、図7に示した処理のステップS102に戻される。
一方、ステップS202の判定において、記憶部187に個体識別番号に対応する係数C1が格納されていると判定されたら、ステップS209において制御部180は、係数C1の算出を行わずに、記憶部187から記憶されている個体識別番号に対応する係数C1を読み出す。その後処理は、係数C1及びC2を戻り値として、ステップS102に戻される。
なお、ここに示した処理手順は一例であり、処理順序は適宜変更することができる。例えば、ステップS203は、ステップS205の後に行うことができるし、ステップS208は、ステップS205の後に行うことができる。
本実施形態では、ステップS107における加熱処置実施処理において、上記のようにして得られた係数C1及びC2を用いて発熱チップ140に投入する電力のフィードバック制御を行う。加熱処置実施処理を図9に示したフローチャートを参照して説明する。
ステップS301において制御部180は、各種パラメータを初期値に設定し、発熱チップ駆動回路182に抵抗パターン143への電力の投入を開始させる。例えば、経過時間tを0とし、投入電力Pを初期投入電力P0とし、抵抗パターン143に印加する電圧Vdを初期印加電圧Vd_0に設定する。
ステップS302において制御部180は、抵抗パターン143への印加電圧Vdと、発熱チップ駆動回路182から取得したこのとき流れる電流Iとに基づいて、抵抗パターン143の抵抗値Rを算出する。ステップS303において制御部180は、式(1)に基づいて抵抗パターン143の温度Tを算出する。ステップS304において制御部180は、次式(9)により、抵抗パターン143に投入する電力Pを算出する。
P=C3×(Top−T)+Pnow (9)
ここで、C3は制御ゲインであり、所定の値が与えられている。Topは目標温度であり、Pnowは現在投入されている電力である。ここでは制御ゲインをC3とする単純な比例制御としているが、より安定した制御を行うために、PID制御を用いてもよい。
ステップS305において制御部180は、次式(10)に基づいて印加電圧Vを算出する。
V=(P×R)0.5 (10)
ステップS306において制御部180は、発熱チップ駆動回路182に指令して、算出した印加電圧Vを抵抗パターン143に印加させる。
ステップS307において制御部180は、経過時間tが処置時間topよりも小さいか否かを判定する。経過時間tが処置時間topよりも小さければ、処理はステップS302に戻される。一方、経過時間tが処置時間top以上であれば、加熱処置実施処理は終了され、図7に示す処理のステップS107に戻される。以上のようにして、ステップS302乃至ステップS307の処理が繰り返される間、抵抗パターン143に投入される電力Pはフィードバック制御される。
本実施形態によれば、係数C1及び係数C2を得るために、全てのエネルギ処置具120を対象として複数の温度における各抵抗値を計測する必要がない。係数C2を予めエネルギ処置具120に格納しておき、単一の温度における抵抗値を計測することで、高い精度で係数C1を得ることができる。このため、各エネルギ処置具120の使用前に、環境温度において抵抗値を計測するだけで係数C1及び係数C2を得ることができる。その結果、製造時の検査工程において全てのエネルギ処置具120を対象とした計測を行う必要がないので、検査工程のコストを低減させることができる。
また、本実施形態においては、係数C1を算出する際の抵抗値Rmの計測では、微小電圧Vmの印加によって行うので、発熱チップ140が高温になることがない。また、ケーブル160のコネクタ165への接続直後にこの計測が行われることから、発熱チップの温度は環境温度と等しいとみなすことができる。発熱チップの温度を上下させた場合と比較して、温度Tを安定して取得することができるので、係数C1の算出は高精度となる。
また、係数C1の算出では、校正温度として環境温度を用いているので、制御装置170に温度センサ189を設けておけば、抵抗パターン143の温度を取得するための温度センサをエネルギ処置具120毎に設ける必要がない。また、精度を多少犠牲にする場合、又は環境温度が安定している場所で用いる場合、温度センサ189を設けずに、例えば環境温度が25℃等一定であると仮定して、その温度を校正温度として用いて同様の処理を行うこともできる。
また本実施形態によれば、係数C1の計測を、当該エネルギ処置具120を実際に駆動する制御装置170を用いて行うので、内部配線の寄生抵抗やアンプのオフセット等、制御装置170の個体差が補正される。したがって、より高精度に発熱チップ140の温度制御を行うことができる。
また、一度計測された係数C1の値は、同一の制御装置170に対しては再利用される。したがって、例えば加熱治療処置を行った後に何等かの理由で一時的にエネルギ処置具120を制御装置170から取り外し、時間を経ずに再接続した場合等、発熱チップ140の残熱で発熱チップ140と制御装置170の温度センサ189との間に大きな温度差がある場合でも、係数C1が誤った値に更新されることがない。なお、本実施形態では、算出された係数C1の値を記憶部187に格納しているが、メモリ123に格納しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本実施形態では、係数C2をエネルギ処置具120のメモリ123に格納しているので、抵抗パターン143の素材が異なるエネルギ処置具120を、同一の制御装置170で駆動することができる。なお、抵抗パターン143の素材が単一で、かつ製造ロット間の不均一さが非常に小さい場合には、エネルギ処置具120の例えば記憶部187に係数C2を格納するようにしてもよい。またエネルギ処置具120の個体識別番号とそれに対する係数C2との関係を、制御装置170が例えばオンラインで取得したり、その情報をメディアを介して取得したりしてもよい。
また、本実施形態では、個体識別番号とそれに対する算出した係数C1との関係を、制御装置170の記憶部187に格納しているが、エネルギ処置具120に設けられたメモリ123やその他のメモリに格納するようにしてもよい。
また、本実施形態では、環境温度を計測するための温度センサ189を制御装置170内に配置しているが、温度センサをエネルギ処置具120に配置して、その温度センサの計測値を制御装置170が読み出す構成としてもよい。この場合、温度センサは発熱チップ140の近傍に配置されることが特に好適である。この場合は、係数C1を算出するにあたって用いる校正温度は環境温度に限らない。
また、本実施形態では、抵抗パターン143の抵抗値からその温度を算出するにあたって、式(1)を用いたが、より高精度の温度計測を行うために、抵抗温度係数の温度依存性を考慮するには、次式(11)を用いることもできる。
T=C1´×R+C1×R+C2 (11)
この場合は抵抗温度係数の温度依存性は、係数C1´と関係する。ここでC1´もC1と同様に抵抗パターン143の材質に依存する。このため、係数C1´を用いる場合は、これをC1と同様にメモリ123に記憶させておくことができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。
100…治療用処置装置、120…エネルギ処置具、123…メモリ、125…保持部、127…第1の保持部材、128…第2の保持部材、132…第1の高周波電極、134…第2の高周波電極、140…発熱チップ、141…基板、143…抵抗パターン、145…電極、147…絶縁膜、149…接合用金属層、160…ケーブル、162…発熱チップ用通電ライン、163…ワイヤ、165…コネクタ、170…制御装置、180…制御部、181…高周波エネルギ出力回路、182…発熱チップ駆動回路、185…入力部、186…表示部、187…記憶部、188…スピーカ、189…温度センサ、216…フットスイッチ、222…ハンドル、224…シャフト、232…操作ノブ、242…筒体、244…シース、252…駆動ロッド、254…カッタ、256…支持ピン、258…弾性部材、262…第1の保持部材本体、264,274…カッタ案内溝、265…封止膜、268…高周波電極用通電ライン、272…第2の保持部材本体。

Claims (6)

  1. 生体組織を目標温度で加熱して治療するための治療用処置装置であって、
    前記生体組織に接触して該生体組織に熱を伝える伝熱部と、
    電力が投入されることによって前記伝熱部を加熱する抵抗素子と、
    を有する処置具と、
    前記処置具と着脱可能であり、前記抵抗素子の抵抗値Rを計測でき、前記目標温度で前記生体組織を加熱するために前記抵抗素子に電力を供給して前記伝熱部の温度を制御する制御装置と、
    前記処置具又は前記制御装置に設けられた、係数C2を格納するための記憶部と、
    を具備し、
    前記制御装置は、
    前記治療の前に、前記処置具と前記制御装置とが接続された状態で、校正温度Tcと、格納された前記係数C2と、計測された前記抵抗素子の抵抗値Rcとに基づいて係数C1を
    C1=(Tc−C2)/Rc
    により算出し、
    前記治療のときには、前記抵抗素子の温度Tを、前記抵抗値R、前記係数C1、及び前記係数C2を用いて
    T=C1×R+C2
    により算出し、
    前記温度Tを用いて前記伝熱部の温度を制御する、
    ことを特徴とする治療用処置装置。
  2. 前記係数C1の算出は、前記処置具と前記制御装置とが接続された後、前記加熱の開始前に行われることを特徴とする請求項1に記載の治療用処置装置。
  3. 前記校正温度は、環境温度であり、
    前記係数C1は、前記環境温度と、計測した前記抵抗値Rと、読み出した前記係数C2とに基づいて算出される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の治療用処置装置。
  4. 前記処置具又は前記制御装置に設けられた、前記環境温度を計測するための温度センサをさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の治療用処置装置。
  5. 前記処置具又は前記制御装置に設けられた算出係数記憶部をさらに具備し、
    前記制御装置は、算出した前記係数C1を前記算出係数記憶部に格納する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の治療用処置装置。
  6. 前記制御装置は、前記処置具と前記制御装置とが初めて接続された際には前記係数C1を算出し、2回目以降に接続された際には前記算出係数記憶部に格納された前記係数C1を読み出し、前記伝熱部の温度を制御することを特徴とする請求項5に記載の治療用処置装置。
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