JP5818320B2 - リヤバンパを有する自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、車体の後部に取り付けられたリヤバンパを具備する自動車に関するものである。
安全性を確保するために、一般に、自動車の車体の後部にはリヤバンパが取り付けられている。
図5は従来の自動車の後部を示す側面図であり、図6は図5のVI−VI線拡大断面図である。これらの図を含めた全ての図における符号Frは自動車の前進方向を示し、符号Wは車幅方向を示している。また、本明細書及び特許請求の範囲における「前」又は「後」なる文言は、自動車の前進方向Frを基準とした前後を意味する。
図5に示すように、自動車の車体1の後部にはリヤバンパ2が取り付けられており、車体1とリヤバンパ2によって、後輪5用のホイールアーチ6が区画されている(ホイールアーチについては、特許文献1及び2を参照)。図5及び図6に示すように、リヤバンパ2は、樹脂製のバンパカバー3と、そのバンパカバー3の内部に泥砂、小石又は雨水などの異物が侵入することを阻止すべく、車体1に固定された樹脂製のバンパシール部材4(図5には示さず)とを有している。
ここで、図5に示したように、後輪5の中心軸線Xと、その後輪用のホイールアーチ6とを結ぶ鉛直線をアーチ鉛直線VLと称することにする。同様に後輪5の中心軸線Xとホイールアーチ6を結ぶ直線であって、上述のアーチ鉛直線VLに対して後方側に50°の角度αをなした直線をアーチ後側直線RLと称し、後輪5の中心軸線Xとホイールアーチ6を結ぶ直線であって、アーチ鉛直線VLに対して前方側に30°の角度βをなした直線をアーチ前側直線FLと称することにする。その際、アーチ前側直線FLとアーチ後側直線RLとの間のホイールアーチ6の部分20は、図6に示すように、後輪5のタイヤ7の車幅方向最外面8を含む平面であるタイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方に突出している。アーチ前側直線FLとアーチ後側直線RLとの間のホイールアーチ6の部分20を、必要に応じて、アーチ中央部と称することにすると、図6に示すように、このアーチ中央部20がタイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方にδ1で示す量だけ突出しているのである。このように構成する理由は、自動車の走行時にタイヤ7が撥ね上げた泥砂、氷雪又は水などが飛散して、これらが歩行者に当たることを阻止し、歩行者の安全性を確保するためである。かかる構成を採用すべきことは、法規にも規定されている。
ホイールアーチ6とタイヤ7の関係を上述のように構成することによって、歩行者の安全性を確保できるのであるが、その反面、タイヤ7が、ホイールアーチ6の奥側、すなわちタイヤまわりの車体部分であるホイールハウス(図示せず)の中に入り込んだ外観を呈し、これによって、タイヤの張り出し感が低下し、自動車の美観が害されることがある。従って、タイヤを大きく見せて、その張り出し感を高めるべきときは、タイヤ7を図5及び図6に示した位置よりも車幅方向外方に位置させて、アーチ中央部20の突出量δ1をできるだけ少なくし、タイヤ7が外部から見えやすいように自動車を設計する必要がある。ところが、このようにタイヤ7が車幅方向外方に位置するように自動車を設計すると、意匠上の各種の制約から、アーチ中央部20における一部、例えば図5に符号10を付したホイールアーチ部分が、タイヤ最外平面TPよりも車幅方向内方に引っ込んでしまい、アーチ中央部20の全体をタイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方に突出させることができなくなることがある。
そこで、このような場合には、図7乃至図9に示すように、タイヤ最外平面TPよりも車幅方向内方に引っ込んでしまうホイールアーチ部分10に、タイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方にδ2だけ突出したガード部109を固定することが従来より行われている。かかるガード部109を設ければ、アーチ中央部20と、これに設けられたガード部109の全体が、タイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方に突出するので、タイヤ7が撥ね上げた泥砂等が歩行者に当たることを阻止できる。
ところで、図8及び図9から判るように、従来のガード部109は、車体1やリヤバンパ2とは別の独立した部材から構成され、このガード部109が、図8に示したように、ナット21と、そのナット21に螺着されたボルト22とによって、リヤバンパ2のバンパカバー3に固定されている。このように、アーチ前側直線FLとアーチ後側直線RLとの間のホイールアーチ6の部分、すなわちアーチ中央部20に、後輪5のタイヤ7の車幅方向最外面8を含む平面であるタイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方にまで突出したガード部109を設けることによって、後輪5のタイヤ7の張り出し感を高めるべく、そのタイヤ7を、図5及び図6に示したタイヤ7よりも車幅方向外方に位置をずらして配置したときも、後輪5が撥ね上げた泥砂等が歩行者に当たることを阻止できるのである。ガード部109は歩行者の安全を確保し、歩行者を保護する用をなすものである。
ところが、前述のように、従来のガード部109は、車体1やリヤバンパ2から独立した別部材として構成され、ボルト22とナット21とによってバンパカバー3に固定されるように構成されているため、自動車の部品点数が増大し、そのコストが上昇する欠点を免れない。また、ガード部109はバンパカバー3よりも車幅方向外方に突出しているので、自動車の走行時に自動車に作用する抵抗が増大して自動車の燃費性能が低下し、しかもガード部109の近傍を流れる空気が乱れ、自動車の直進安全性が害される欠点も免れない。
特開2010−159009号公報 実用新案登録第3132090号公報
本発明の目的は、上記従来の欠点を除去した自動車を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、車体の後部に取り付けられたリヤバンパを具備し、該リヤバンパは、バンパカバーと、該バンパカバーの内部に異物が侵入することを阻止すべく、車体に固定された樹脂製のバンパシール部材とを有する自動車であって、後輪の中心軸線と該後輪用のホイールアーチとを結ぶ鉛直線をアーチ鉛直線とし、前記後輪の中心軸線と前記ホイールアーチを結ぶ直線であって、前記アーチ鉛直線に対して後方側に50°の角度をなした直線をアーチ後側直線とし、前記後輪の中心軸線と前記ホイールアーチとを結ぶ直線であって、前記アーチ鉛直線に対して前方側に30°の角度をなした直線をアーチ前側直線としたとき、該アーチ前側直線と前記アーチ後側直線との間のホイールアーチの部分であって、前記後輪のタイヤの車幅方向最外面を含む平面であるタイヤ最外平面よりも車幅方向内方に引っ込んだホイールアーチ部分に、前記タイヤ最外平面よりも車幅方向外方にまで突出したガード部が設けられている自動車において、前記ガード部が前記リヤバンパのバンパシール部材に一体に成形されていることを特徴とする自動車を提案する(請求項1)。
その際、前記バンパカバーの車幅方向最外方の面であるバンパカバー外表面よりも車幅方向外方に突出したガード部の部分をガード先端部とし、該ガード先端部の車幅方向内側に一体に隣接して位置するガード部の部分をガード内側部としたとき、該ガード内側部と前記ガード先端部は、ホイールアーチに沿って延びる板状に形成され、前記ガード先端部におけるホイールアーチの側の第1のコーナ部と、該ガード先端部におけるホイールアーチと反対側の第2のコーナ部は、共にガード部の外方に向けて突出した曲面に形成され、前記第2のコーナ部の曲面の曲率半径は、前記第1のコーナ部の曲面の曲率半径よりも大きく設定され、前記ホイールアーチを向いた側と反対側のガード部の面であって、前記ガード先端部とガード内側部との境界線を含み、該ガード先端部からガード内側部に亘って湾曲形成されている面をガード境界領域面としたとき、該ガード境界領域面は、ガード部の内方に向けて凹んだ曲面に形成されていると共に、該ガード境界領域面の曲面の曲率半径は、前記第2のコーナ部の曲面の曲率半径よりも小さく設定されていると有利である(請求項2)。
また、上記自動車において、前記ガード先端部の板厚が最も厚くなった部分が、前記タイヤ最外平面内に位置していると有利である(請求項3)。
さらに、上記自動車において、前記第1のコーナ部の曲面の曲率半径が1.3mm、前記第2のコーナ部の曲面の曲率半径が10mm、前記ガード境界領域面の曲面の曲率半径が5mm、前記ガード先端部の最大の板厚が5mmに設定されていると特に有利である(請求項4)。
請求項1に係る発明によれば、ガード部がリヤバンパのバンパシール部材に一体に形成されているので、自動車の部品点数を減少させ、そのコストを低減することができる。
請求項2乃至4に係る各発明によれば、自動車の走行時に自動車に作用する抵抗を下げ、かつガード部の近傍を流れる空気の乱れを抑えることができるので、自動車の燃費性能を向上させ、しかも自動車の直進安定性を高めることができる。
本発明一実施形態の自動車後部の側面図である。 図1のII−II線拡大断面図である。 風の流れを説明する、図2と同様な断面図である。 図1に示した自動車を斜め後方より見た斜視図である。 従来の自動車の後部の側面図である。 図5のVI−VI線拡大断面図である。 従来の他の形式の自動車の後部を示す側面図である。 図7のVIII−VIII線拡大断面図である。 図7に示した自動車を斜め後方より見た斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本例の自動車の後部を示す側面図であり、図2及び図3は図1のII−II線拡大断面図である。また、図4は図1に示した自動車の後部を斜め後方より見た斜視図である。
図1乃至図4に示した自動車も、その車体(メインボデー)1の後部に取り付けられたリヤバンパ2を具備し、そのリヤバンパ2は、樹脂製のバンパカバー3と、該バンパカバー3の内部に泥砂、小石、又は雨水などの異物が侵入することを阻止すべく、例えば図示していないクリップによって車体1に固定された樹脂製のバンパシール部材4とを有している。バンパカバー3の車内側の大部分の開口は車体1を構成する図示していない車体パネルによって覆われ、その車体パネルによってバンパカバー3の内部に異物が侵入することが阻止されているが、車体の構造上、その車体パネルだけではバンパカバー3の車内側の開口を覆いきれない開口部分がバンパシール部材4によって覆われ、これによりバンパカバー3内への異物の侵入が阻止されている。バンパシール部材4を、例えば図示していないクリップによって、車体1にだけでなくバンパカバー3にも固定するように構成してもよい。
本例の自動車においても、図1に示すように、車体1の車幅方向側部を構成する車体パネルの部分と、リヤバンパ2のバンパカバー3とによって後輪5用のホイールアーチ6が区画されている。その際、ここでも、後輪5の中心軸線Xと該後輪用のホイールアーチ6とを結ぶ鉛直線をアーチ鉛直線VLとし、後輪5の中心軸線Xとホイールアーチ6を結ぶ直線であって、上述のアーチ鉛直線VLに対して後方側に50°の角度αをなした直線をアーチ後側直線RLとし、後輪5の中心軸線Xとホイールアーチ6とを結ぶ直線であって、上記アーチ鉛直線VLに対して前方側に30°の角度βをなした直線をアーチ前側直線FLとしたとき、アーチ前側直線FLとアーチ後側直線RLとの間のホイールアーチの部分、すなわちアーチ中央部20であって、後輪5のタイヤ7の車幅方向最外面8を含む平面であるタイヤ最外平面TP(図2)よりも車幅方向内方に引っ込んだホイールアーチ部分10に、当該タイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方にまで突出したガード部9が設けられている。アーチ中央部20のうちの符号10で示したホイールアーチ部分にガード部9が設けられているのである
ガード部9の設けられていないアーチ中央部20の部分は、タイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方に突出している(図6を参照)。これに対し、ガード部9の設けられたホイールアーチ部分10は、タイヤ最外平面TPよりも車幅方向内方に引っ込んでいるが、図2に示したように、ガード部9が、タイヤ最外平面TPよりも車幅方向外方にδ2だけ突出しているので、後輪5のタイヤ7の張り出し感を高めるべく、そのタイヤ7を、図5に示した従来例の場合よりも車幅方向外方に位置をずらして配置しても、後輪5によって撥ね上げられた泥砂などが歩行者に当たる不具合を阻止することができる。
ここで、図1乃至図4に示した自動車においては、図7乃至図9に示した従来の自動車とは異なり、ガード部9がリヤバンパ2のバンパシール部材4に一体に成形されている。バンパシール部材4が、例えば射出成形機により成形されるとき、ガード部9も一緒に成形され、バンパシール部材4とガード部9が一体の成形品として構成されるのである。このように、ガード部9がバンパシール部材4に一体に形成されているので、そのガード部9をリヤバンパ2に固定するためのボルトやナットは不要であり、しかもその取り付け作業も不要である。このため、自動車の部品点数が減少し、そのコストを効果的に低減することができる。
また、本例のガード部9は、自動車の走行時に、自動車に作用する抵抗を従来のガード部109を用いた自動車よりも低減でき、しかもガード部9の近傍を流れる空気の乱れを抑えることができるように、次のように構成されている。
図2に示すように、バンパカバー3の車幅方向最外方の面であるバンパカバー外表面11よりも車幅方向外方に突出したガード部9の部分をガード先端部12とし、該ガード先端部12の車幅方向内側に一体に隣接して位置するガード部9の部分をガード内側部13としたとき、このガード内側部13とガード先端部12は、図1からも判るように、ホイールアーチ6に沿って延びる板状に形成されている。このようにガード先端部12は板状に形成されているので、そのガード先端部12の車幅方向外端部には、図2に示すように、ホイールアーチ6に近い側に位置する第1のコーナ部14と、ホイールアーチ6とは離れた側に位置する第2のコーナ部15が形成される。その際、これらのコーナ部14,15は、そのいずれも外方に向けて突出した曲面に形成されている。ガード先端部12におけるホイールアーチ6の側の第1のコーナ部14と、ガード先端部12におけるホイールアーチ6と反対側の第2のコーナ部15は、共にガード部9の外方に向けて突出した曲面に形成されているのである。このように、ガード先端部12の第1及び第2のコーナ部14,15が丸みをもった曲面に形成されているので、仮に、事故発生時に、車外の人体がこれらのコーナ部14,15に接触したとしても、人体に与える衝撃を小さく留めることができる。
また、図2から明らかなように、第2のコーナ部15の曲面の曲率半径R2は、第1のコーナ部14の曲面の曲率半径R1よりも大きく設定されている。例えば、第1のコーナ部14の曲面の曲率半径R1を1.3mm、第2のコーナ部15の曲面の曲率半径R2を10mmに設定し、第2のコーナ部15の曲率半径R2を大きく設定すると共に、第1のコーナ部14の曲率半径R1を小さく設定するのである。このように、第2のコーナ部15の曲面の曲率半径R2が大きくなっているので、自動車の走行時に、図3に矢印W1で示した風が流れてきたとき、その風W1は、第2のコーナ部15の大きな曲率半径R2の曲面に案内されて大きく乱されることなくスムーズに流れることができる。また、その風W1が第1のコーナ部14を通過するとき、その曲面の曲率半径R1は小さくなっているので、風W1は、乱されることなくそのまま滑らかに流れ去る。このように、風W1を滑らかに流すことができるので、走行中の自動車に作用する抵抗を低減でき、空気の流れの乱れを抑えることができる。
仮に、第1のコーナ部14の曲率半径R1が大きく設定されていると、ここを流れる風が図3に二点鎖線の矢印W2で示すように、ガード先端部12の背面側に回り込み、これが渦流となるため、自動車に作用する抵抗が増大すると共に、ガード部近傍の空気の流れが大きく乱れてしまう。本例の自動車においては、かかる不具合が発生することはない。
ところで、図2に示した第2のコーナ部15の曲率半径R2は、これを大きくすればするほど、図3に示した風W1をスムーズに流すことができる。ところが、この曲率半径R2を大きくすると、ガード先端部12の最大の板厚Tも大きくなり、この板厚Tが大きくなりすぎると、ガード部9を樹脂によって正確に成形できなくなるおそれがある。ガード部9とバンパシール部材4を射出成形機によって成形する場合、その成形型に溶融した樹脂が流れてきて、これが冷却する際に、板厚Tが大きすぎると、ガード先端部12の外側の部分が冷却し、次いでその内部の樹脂が冷却して固化するまでに長い時間を必要とし、その冷却過程で、ガード先端部12の形状が不正確なものとなるのである。従って、ガード先端部12の最大の板厚Tは、5mm程度であることが好ましい。このように板厚Tが5mmであると、第2のコーナ部15の曲面の曲率半径は、最大で10mm程度となる。このようにして、前述の如く、第2のコーナ部15の曲面の曲率半径R2を10mmに設定し、かつガード先端部12の最大の板厚Tを5mmに設定することが最も好ましいのである。
また、第1のコーナ部14の曲面の曲率半径R1は、これを小さくすればするほど、空気の渦流の発生を効果的に抑えることができるが、この曲率半径R1を小さくしすぎると、自動車の走行時に事故が発生して人体が第1のコーナ部14に接触したとき、人体に与える衝撃が大きくなるおそれがある。このため、前述のように、第1のコーナ部14の曲面の曲率半径R1を1.3mmに設定することが最も好ましい。曲率半径R1がこの値であると、空気の渦流が発生することを効果的に抑え、かつここに人体が当たったときの衝撃を小さくすることができるのである。コーナ部の曲率半径を1mm以上に設定すべきことは、法規で規定されているが、曲率半径R1の値を1.3mmに設定すれば、この規定も満足させることができる。
また、図2に示したように、ホイールアーチ6を向いた側とは反対側のガード部9の面であって、ガード先端部12とガード内側部13との境界線BLを含み、そのガード先端部12からガード内側部13に亘って湾曲形成されている面をガード境界領域面16と称することにすると、このガード境界領域面16は、図2に示すように、ガード部9の内方に向けて凹んだ曲面に形成されている。しかも、このガード境界領域面16の曲面の曲率半径R3は、第2のコーナ部15の曲面の曲率半径R2よりも小さな値に設定されている。このように、ガード境界領域面16の曲率半径R3を第2のコーナ部15の曲率半径R2よりも小さく設定することにより、図3に示したように、自動車の走行時に第2のコーナ部とガード境界領域面16に向けて流れてくる風W3は、曲率半径の大きな第2のコーナ部15の方に流れるので、その風W3がホイールアーチ6よりも車内側のホイールハウス内に流れ難くなる。これによっても自動車に作用する抵抗を小さくすることができ、空気の流れの乱れを抑えることができる。また、ガード境界領域面16の曲面の曲率半径R3は、前述の第1のコーナ部14の曲面の曲率半径R1よりも大きく設定されていることが好ましい。
仮に、ガード境界領域面16の曲面の曲率半径R3を第2のコーナ部15の曲面の曲率半径R2よりも大きく設定して、ガード境界領域面16の曲面をなだらかに形成したとすると、自動車の走行時に発生する風が、図3に二点鎖線の矢印W4で示したように、そのなだらかな曲面に案内されて、ホイールハウス内に流入しやすくなって、自動車に作用する抵抗が大きくなり、空気の流れの乱れが激しくなる。本例の自動車によれば、曲率半径R3が小さく設定されているので、このような不具合が発生することはない。ただし、この曲率半径が極端に小さくなると、ここに風が当たったときの抵抗が増大するので、この点も考慮に入れて、曲率半径R3の大きさを設定すべきである。その意味で、ガード境界領域面16の曲面の曲率半径R3を5mmに設定することが最も好ましい。
また、前述のように、ガード境界領域面16の曲面は、ガード先端部12からガード内側部13に亘って湾曲形成されているので、図2から明らかなように、そのガード境界領域面16の車幅方向内側の終端Eは、バンパカバー3の車幅方向最外方の面であるバンパカバー外表面11よりも、車幅方向内側に位置している。また、バンパカバー外表面11の近傍の車体1の外表面は、バンパカバー外表面11と面一状態に位置している。このため、図3に示すように、自動車の走行時に車体1の外表面に沿って前方から流れてきた風W3は、その大部分が、ガード境界領域面16の曲面に案内されて、ホイールハウス内に流れることなく、第2のコーナ部15の方に滑らかに流れる。これによっても、自動車に作用する抵抗の増大を回避し、空気の流れの乱れを抑えることができる。
仮に、ガード境界領域面16の車幅方向内側の終端Eがバンパカバー外表面11よりも車幅方向外側に位置していたとすると、自動車の走行時に車体1の外表面に沿って前方から流れてきた風は、ガード境界領域面16よりも車幅方向内方の平坦なガイド部9の部分の面に当たることになるので、その風はホイールハウスの内部へと流れやすくなり、空気の流れが激しく乱れることになる。
また、図2に示すように、本例の自動車においては、ガード先端部12の板厚Tが最も厚くなった部分17が、前述のタイヤ最外平面TP内に位置している。この部分17は、第2のコーナ部15の曲面の最も突出した頂部である。このため、図3に示したようにタイヤの車幅方向最外面8に沿って流れてきた風W5は、頂部であるガード部9の部分17に当たる。このとき、その風W5の多くは、曲率半径の小さなガード境界領域面16の方ではなく、曲率半径の大きな第2のコーナ部15の方に流れ、滑らかに後方に流れて行く。これによっても風W5がホイールハウス内に流入する不具合を抑え、空気の流れの乱れを抑制し、自動車に作用する抵抗を小さくすることができる。
上述のように、本例のガード部9によると、従来のガード部よりも自動車に作用する抵抗を下げ、燃費性能を高めることができると共に、自動車の走行時の空気の流れの乱れを抑え、自動車の直進安定性を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの構成に限定されず、各種改変して構成できるものである。
1 車体
2 リヤバンパ
3 バンパカバー
4 バンパシール部材
5 後輪
6 ホイールアーチ
7 タイヤ
8 タイヤの車幅方向最外面
9 ガード部
10 ホイールアーチ部分
11 バンパカバー外表面
12 ガード先端部
13 ガード内側部
14 第1のコーナ部
15 第2のコーナ部
16 ガード境界領域面
17 板厚が最も厚くなった部分
20 ホイールアーチの部分
BL 境界線
FL アーチ前側直線
RL アーチ後側直線
VL アーチ鉛直線
R1,R2,R3 曲率半径
T 板厚
TP タイヤ最外平面
X 中心軸線
W 車幅方向
α,β 角度

Claims (4)

  1. 車体の後部に取り付けられたリヤバンパを具備し、該リヤバンパは、バンパカバーと、該バンパカバーの内部に異物が侵入することを阻止すべく、車体に固定された樹脂製のバンパシール部材とを有する自動車であって、後輪の中心軸線と該後輪用のホイールアーチとを結ぶ鉛直線をアーチ鉛直線とし、前記後輪の中心軸線と前記ホイールアーチを結ぶ直線であって、前記アーチ鉛直線に対して後方側に50°の角度をなした直線をアーチ後側直線とし、前記後輪の中心軸線と前記ホイールアーチとを結ぶ直線であって、前記アーチ鉛直線に対して前方側に30°の角度をなした直線をアーチ前側直線としたとき、該アーチ前側直線と前記アーチ後側直線との間のホイールアーチの部分であって、前記後輪のタイヤの車幅方向最外面を含む平面であるタイヤ最外平面よりも車幅方向内方に引っ込んだホイールアーチ部分に、前記タイヤ最外平面よりも車幅方向外方にまで突出したガード部が設けられている自動車において、前記ガード部が前記リヤバンパのバンパシール部材に一体に成形されていることを特徴とする自動車。
  2. 前記バンパカバーの車幅方向最外方の面であるバンパカバー外表面よりも車幅方向外方に突出したガード部の部分をガード先端部とし、該ガード先端部の車幅方向内側に一体に隣接して位置するガード部の部分をガード内側部としたとき、該ガード内側部と前記ガード先端部は、ホイールアーチに沿って延びる板状に形成され、前記ガード先端部におけるホイールアーチの側の第1のコーナ部と、該ガード先端部におけるホイールアーチと反対側の第2のコーナ部は、共にガード部の外方に向けて突出した曲面に形成され、前記第2のコーナ部の曲面の曲率半径は、前記第1のコーナ部の曲面の曲率半径よりも大きく設定され、前記ホイールアーチを向いた側と反対側のガード部の面であって、前記ガード先端部とガード内側部との境界線を含み、該ガード先端部からガード内側部に亘って湾曲形成されている面をガード境界領域面としたとき、該ガード境界領域面は、ガード部の内方に向けて凹んだ曲面に形成されていると共に、該ガード境界領域面の曲面の曲率半径は、前記第2のコーナ部の曲面の曲率半径よりも小さく設定されている請求項1に記載の自動車。
  3. 前記ガード先端部の板厚が最も厚くなった部分が、前記タイヤ最外平面内に位置している請求項2に記載の自動車。
  4. 前記第1のコーナ部の曲面の曲率半径が1.3mm、前記第2のコーナ部の曲面の曲率半径が10mm、前記ガード境界領域面の曲面の曲率半径が5mm、前記ガード先端部の最大の板厚が5mmに設定されている請求項2又は3に記載の自動車。
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