JP5816105B2 - 自走式掃除機 - Google Patents

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Description

この発明は、自走式掃除機に関する。より詳しくは、筐体の底面にサイドブラシを備えた自走式掃除機に関する。
床面等の塵埃を清掃するための自走式掃除機として、特許文献1には、下面に吸込口を有する自走可能な筐体と、吸込口に回転可能に設けられたメインブラシと、筐体の下面におけるメインブラシよりも前方に回転可能に設けられた左右一対のサイドブラシとを備えた自走式掃除機が提案されている。
この自走式掃除機のサイドブラシは、サイドブラシモータの回転軸に取り付けられる支持ブラケットを具備している。この支持ブラケットは、サイドブラシモータの回転軸に取り付けられる円柱形状の取付部と、ブラシ毛が植設される略円板形状の支持板と、支持板の下面に設けられたテーパ外周面を有する補助部材とから構成されている。取付部と支持板と補助部材は樹脂成型により一体的に形成されている。ブラシ毛は、支持板における周縁部に形成されたテーパ面に対して円環状に、かつ斜め下方に向かって延びるように植設されている。補助部材は、ブラシ毛が延びる方向に沿って前記テーパ外周面が配置されている。
この自走式掃除機の清掃動作中には、サイドブラシモータによりサイドブラシが駆動され、水平方向に回転する。このとき、ブラシ毛が床面の凹部に嵌り込むことによりブラシ毛が内側に撓むと、ブラシ毛が補助部材のテーパ外周面に当接する。そして、さらにブラシ毛が内側に撓むような力が加わると、ブラシ毛の弾力性によりブラシ毛が反対側(補助部材の外側)に跳ね出される。これにより、ブラシ毛に大きな癖がついてしまうことを防止し、ブラシ毛の塵埃掃き出し能力を維持させるようにしている。
特開2006−280506号公報
前記自走式掃除機のサイドブラシにおいて、支持ブラケットの支持板の上面は平坦面であり、サイドブラシを取り付ける掃除機本体の底面も平坦面であるため、これらの平坦面の間の隙間に髪の毛といった極細繊維が入り込み易い。この極細繊維としては、髪の毛(特に、長い髪の毛)が代表例として挙げられる。
そのため、自走式掃除機の清掃動作時、サイドブラシの支持ブラケットと掃除機本体の底面との間の平坦な隙間に入り込んだ髪の毛が回転する取付部に巻き付き、取付部に巻き付いた髪の毛の本数が増加すると、サイドブラシの回転が妨げられてしまう。この結果、サイドブラシモータに過剰な負荷がかかって故障したり寿命が短くなると共に、清掃効率が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、故障および清掃効率の低下を防止した自走式掃除機を提供するものである。
かくして、本発明によれば、下面に吸込口を有する自走可能な筐体と、筐体の底面に対し垂直な軸心廻りに回転可能として筐体の底面に設けられたサイドブラシとを備え、
筐体の底面におけるサイドブラシ取付位置には、凹部が形成されると共に、前記凹部から回転軸が突出して設けられており、
サイドブラシは、前記回転軸に着脱可能に取り付けられるブラシ基台と、ブラシ基台に植設されたブラシ束とを有しており、
前記凹部は、前記ブラシ基台の外周部まで収納する大きさに形成されており、
筐体の前記凹部と回転軸に取り付けられたブラシ基台との間に、かつ、前記回転軸の周囲の全周に亘って、断面形状がS字形、U字形またはL字形の隙間が形成されている自走式掃除機が提供される。
)筐体の前記凹部におけるサイドブラシ取付位置に、回転軸の軸心と同心円状に第1環状凸部と第1環状凹部とのうち少なくとも一方が設けられ、
ブラシ基台における筐体の前記凹部に、前記第1環状凸部に嵌り合うように近接する第2環状凹部と、前記第1環状凸部の内側もしくは外側の側壁部に近接するかまたは前記第1環状凹部に嵌り合うように近接する第2環状凸部とのうち少なくとも一方が設けられてもよい。
)筐体の前記凹部に、回転軸の軸心と同心円状に第1環状凸部と第1環状凹部とが設けられ、
ブラシ基台における筐体の前記凹部と対向する面に、前記第1環状凸部に嵌り合うように近接する第2環状凹部と、前記第1環状凹部に嵌り合うように近接する第2環状凸部とのうち少なくとも一方が設けられていてもよい。
)筐体の前記凹部に、回転軸の軸心と同心円状に第1環状凸部が設けられ、
ブラシ基台における筐体の前記凹部と対向する面に、前記第1環状凸部の内側もしくは外側の側壁部に近接する第2環状凸部が設けられていてもよい。
本発明の自走式掃除機によれば、清掃動作時において、床面上の髪の毛が回転するサイドブラシによってかき寄せられ、その際、髪の毛の先端が隙間の開口に進入する場合があっても、隙間は断面形状がS字形、U字形またはL字形に屈曲しているため、髪の毛の先端が隙間を通過することが困難となる。この結果、回転軸に髪の毛が巻き付いてサイドブラシの回転が妨げられてサイドブラシを回転駆動するモータに過剰な負荷がかかることが防止されると共に、清掃効率の低下が防止される。この効果は、断面形状がS字形の隙間が最も高く、次いでU字形の隙間、L字形の隙間の順に効果が高い。なお、この効果は、髪の毛に限らず、動物の毛、糸の繊維屑等の極細繊維に対して得ることができる。
また、回転軸の周囲の全周に亘って断面形状がS字形、U字形またはL字形の隙間が形成されているため、あらゆる方向からの隙間への髪の毛先端の進入を確実に防止することができる。
また、筐体底面のサイドブラシ取付位置の凹部と、サイドブラシのブラシ基台における凹部に収納された部分との間によっても、髪の毛といった極細繊維の先端が進入し難い屈曲した隙間が形成される。
た、前記構成()〜()によれば、筐体の底面と回転軸に取り付けられたブラシ基台との間に、断面形状がS字形、U字形またはL字形の隙間を形成することができる。
本発明の実施形態に係る自走式掃除機の斜視図である。 図1に示される自走式掃除機のA−A矢視断面図である。 図1に示される自走式掃除機の底面側から視た斜視図である。 筐体の蓋部が開放され集塵部が取り出された状態を示す図2対応図である。 図1に示される自走式掃除機の電気的な構成を示すブロック図である。 サイドブラシを取り外した状態を示す図3対応図である。 サイドブラシの実施形態1を示す斜視図である。 実施形態1のサイドブラシの取付構造を示す概略断面図である。 実施形態2のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。 実施形態3のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。 実施形態4のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。 実施形態5のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態に係る自走式掃除機の斜視図であり、図2は図1に示される自走式掃除機のA−A矢視断面図であり、図3は図1に示される自走式掃除機の底面側から視た斜視図であり、図4は筐体の蓋部が開放され集塵部が取り出された状態を示す図2対応図であり、図5は図1に示される自走式掃除機の電気的な構成を示すブロック図である。以下、「自走式掃除機」を「掃除ロボット」と言う場合がある。
本発明に係る掃除ロボット(自走式掃除機)1は、設置された場所の床面を自走しながら、床面上の塵埃を含む空気を吸い込み、塵埃を除去した空気を排気することにより床面上を掃除する掃除ロボットである。
掃除ロボット1は、円盤形の筐体2を備え、この筐体2の内部および外部に、回転ブラシ9、サイドブラシ10、集塵ボックス30、電動送風機22、一対の駆動輪29、後輪26および前輪27、各種センサを含む制御部等の構成要素が設けられている。
この掃除ロボット1において、前輪27が配置されている部分が前方部、後輪26が配置されている部分が後方部、集塵ボックス30が配置されている部分が中間部である。
筐体2は、前方部における中間部との境界付近の位置に形成された吸込口6を有する平面視円形の底板2aと、筐体2に対して集塵ボックス30を出し入れする際に開閉する蓋部3を中間部に有している天板2bと、底板2aおよび天板2bの外周部に沿って設けられた平面視円環形の側板2cとを備えている。また、底板2aには前輪27、一対の駆動輪29および後輪26の下部を筐体2内から外部へ突出させる複数の孔部が形成され、天板2bにおける前方部と中間部との境界付近には排気口7が形成されている。なお、側板2cは、前後に二分割されており、側板前部はバンパーとして機能する。
また、図4に示されるように、筐体2の内部において、前方部にモータユニット20、電動送風機22、イオン発生装置25(図5参照)等を収納する前方収納室R1を有し、中間部に集塵ボックス30を収納する中間収納室R2を有し、後方部に制御部の制御基板15、バッテリー14、充電端子4等を収納する後方収納室R3を有し、前方部と中間部との境界付近に吸引路11および排気路12を有している。吸引路11は吸込口6と中間収納室R2とを連通し、排気路12は中間収納室R2と前方収納室R1とを連通している。なお、これらの各収納室R1、R2、R3、吸引路11および排気路12は、筐体2の内部に設けられてこれらの空間を構成する仕切り壁39によって仕切られている。
一対の駆動輪29は、平面視円形の筐体2の中心を通る中心線Cと直角に交わる一対の回転軸に固定されており、一対の駆動輪29が同一方向に回転すると筐体2が進退し、各駆動輪29が逆方向に回転すると筐体2が中心線Cの回りに回転する。
一対の回転軸は、図示しない一対のモータからそれぞれ個別に回転力が得られるように連結されており、各モータは筐体の底板2aに直接またはサスペンション機構を介して固定されている。
前輪27はローラからなり、進路上に現れた段差に接地し、筐体2が段差を容易に乗り越えられるよう、駆動輪29が接地する床面Fから少し浮き上がるよう筐体2の底板2aの一部に回転自在に設けられている。
後輪26は自在車輪からなり、駆動輪29が接地する床面Fと接地するよう筐体2の底板2aの一部に回転自在に設けられている。
このように、筐体2に対して前後方向中間に一対の駆動輪29を配置し、前輪27を床面Fから浮かせ、掃除ロボット1の重量を一対の駆動輪29と後輪26によって支持できるよう、筐体2に対して前後方向に重量が配分されている。これにより、進路前方の塵埃を前輪27によって遮ることなく吸込口6に導くことができる。
吸込口6は、床面Fに対面するよう筐体2の底面(底板2aの下面)に形成された凹部8の開放面である。この凹部8内には、筐体2の底面と平行な第1軸心廻りに回転する回転ブラシ9が設けられており、凹部8の左右両側には筐体2の底面と垂直な第2回転軸心廻りに回転するサイドブラシ10が設けられている。回転ブラシ9は、回転軸であるローラの外周面に螺旋状にブラシを植設することにより形成されている。サイドブラシ10は、回転軸の下端にブラシ束を放射状に設けることにより形成されている。回転ブラシ9の回転軸および一対のサイドブラシ10の回転軸は、筐体2の底板2aの一部に枢着されると共に、その付近に設けられたモータユニット20とプーリおよびベルト等を含む動力伝達機構を介して独立的に連結されている。なお、サイドブラシ10およびその取付構造について詳しくは後述する。
図3に示されるように、筐体2の底面と前輪27との間には床面Fを検知する床面検知センサ13が配置され、左右の駆動輪29の側部前方には同様の床面検知センサ19が配置されている。床面検知センサ13によって下り階段を検知すると、その検知信号が制御部に送信され、制御部が両駆動輪29が停止するよう制御する。また、床面検知センサ13が故障した場合、床面検知センサ19が下り階段を検知して両駆動輪29を停止することができるため、掃除ロボット1の下り階段への落下が防止されている。また、床面検知センサ19が、下り階段を検知すると、その検知信号が制御部に送信され、制御部が駆動輪29に下り階段を回避して走行するように制御してもよい。
制御基板15には、掃除ロボット1における駆動輪29、回転ブラシ9、サイドブラシ10、電動送風機22等の各要素を制御する制御回路が設けられている。
筐体2の側板2cの後端には、バッテリー14の充電を行う充電端子4が設けられている。室内を自走しながら掃除する掃除ロボット1は、室内に設置されている充電台40に帰還する。これにより、充電台40に設けられた端子部41に充電端子4が接触し、バッテリー14の充電が行われる。商用電源(コンセント)に接続される充電台40は、通常、室内の側壁Sに沿って設置される。
バッテリー14は、充電端子4を介して充電台40から充電され、制御基板15、駆動輪29、回転ブラシ9、サイドブラシ10、電動送風機22、各種センサ等の各要素に電力を供給する。
集塵ボックス30は、通常、筐体2内における両駆動輪29の回転軸の軸心よりも上方の中間収納室R2内に収納されており、集塵ボックス30内に捕集された塵埃を廃棄する際は、図4に示されるように、筐体2の蓋部3を開いて集塵ボックス30を出し入れすることができる。
集塵ボックス30は、開口部を有する集塵容器31と、集塵容器31の開口部を覆うフィルタ部33と、フィルタ部33と集塵容器31の開口部とを覆うカバー部32とを備えている。カバー部32およびフィルタ部33は、集塵容器31の前側の開口端縁に回動可能に軸支されている。
集塵容器31の側壁前部には、集塵ボックス30が筐体2の中間収納室R2内に収納された状態において、筐体2の吸引路11と連通する流入路34と、筐体2の排気路12と連通する排出路35とが設けられている。
掃除ロボット1全体の動作制御を行う制御部は、図5に示されるように、CPU15aおよびその他の図示しない電子部品で構成された制御回路を有する制御基板15と、走行マップ18aを記憶する記憶部18、電動送風機22を駆動するためのモータドライバ22a、駆動輪29の走行モータ51を駆動するためのモータドライバ51a、筐体2内の排気口7付近に回動可能に設けられたルーバー17およびそれを駆動するための制御ユニット17a、臭いセンサ52およびその制御ユニット52a、湿度センサ53およびその制御ユニット53a、人感センサ54およびその制御ユニット54a、接触センサ55およびその制御ユニット55a等を備えて構成される。
CPU15aは中央演算処理装置であり、記憶部18に予め記憶されたプログラムデータに基いて、モータドライバ22a、51aおよび制御ユニット17aに個別に制御信号を送信し、電動送風機22、走行モータ51およびルーバー17を駆動制御して、一連の掃除運転およびイオン放出運転を行う。
また、CPU15aは、ユーザーによる掃除ロボット1の動作に係る条件設定を操作パネル(図示省略)から受け付けて記憶部18に記憶させる。この記憶部18は、掃除ロボット1の設置場所周辺の走行マップ18aを記憶することができる。走行マップ18aは、掃除ロボット1の走行経路や走行速度などといった走行に係る情報であり、予めユーザーによって記憶部18に記憶させるか、あるいは掃除ロボット1自体が掃除運転中に自動的に記録することができる。
臭いセンサ52は、筐体2の外部周辺の臭いを検知する。臭いセンサ52としては、例えば、半導体式や接触燃焼式の臭いセンサを用いることができる。掃除ロボット1の外部周辺の臭いを検知するために、例えば、筐体2の側板2cまたは天板2bから外部へ露出した状態で臭いセンサ52が配置される。CPU15aは制御ユニット52aを介して臭いセンサ52と接続されており、臭いセンサ52からの出力信号に基づいて筐体2の外部周辺の臭い情報を得る。
湿度センサ53は、筐体2の外部周辺の湿度を検知する。湿度センサ53としては、例えば、高分子感湿材料を用いた静電容量式や電気抵抗式の湿度センサを用いることができる。掃除ロボット1の外部周辺の相対湿度を検知するために、例えば、筐体2の側板2cまたは天板2bから外部へ露出した状態で湿度センサ53が配置される。CPU15aは制御ユニット53aを介して湿度センサ53と接続されており、湿度センサ53からの出力信号に基づいて筐体2の外部周辺の湿度情報を得る。
なお、走行マップ18aには、掃除ロボット1が設置される設置場所における所定閾値以上の臭気が漂う箇所および所定閾値以上に湿気が高い箇所が特定箇所として予め記憶されていてもよい。このようにすれば、CPU15aがこの特定箇所を筐体2の周辺環境に基づいて定めた箇所であると判断することができる。つまり、走行マップ18aが、臭いセンサ52および湿度センサ53と同様に、筐体2の周辺環境を検知する環境検知装置としての役割を果たすことになる。
人感センサ54としては、例えば、赤外線、超音波、可視光等によって人の存在を検知する人感センサを用いることができる。掃除ロボット1の外部周辺の人の存在を検知するために、例えば、筐体2の側板2cまたは天板2bから外部へ露出した状態で人感センサ54が配置される。CPU15aは制御ユニット54aを介して人感センサ54と接続されており、人感センサ54からの出力信号に基づいて筐体2の外部周辺の人の存在情報を得る。
接触センサ55は、掃除ロボット1が走行時に障害物と接触したことを検知するために、例えば、筐体2の側板2cの前部に配置される。CPU15aは制御ユニット55aを介して接触センサ55と接続されており、接触センサ55からの出力信号に基づいて筐体2の外部周辺の障害物の存在情報を得る。
このように構成された掃除ロボット1において、掃除運転の指令により、電動送風機22、イオン発生装置25、駆動輪29、回転ブラシ9およびサイドブラシ10が駆動する。これにより、回転ブラシ9、サイドブラシ10、駆動輪29および後輪26が床面Fに接地した状態で、筐体2は所定の範囲を自走しながら吸込口6から床面Fの塵埃を含む空気を吸い込む。このとき、回転ブラシ9の回転によって床面F上の塵埃は掻き上げられて吸込口6に導かれる。また、サイドブラシ10の回転によって吸込口6の側方の塵埃が吸込口6に導かれる。
吸込口6から筐体2内に吸い込まれた塵埃を含む空気は、図2の矢印A1に示されるように、筐体2の吸引路11を通り、集塵ボックス30の流入路34を通って集塵容器31内に流入する。集塵容器31内に流入した気流は、フィルタ部33を通過してフィルタ部33とカバー部32との間の空間50に流入し、排出路35を通って筐体2の排気路12へ排出される。この際、集塵容器31内の気流に含まれる塵埃はフィルタ部33によって捕獲されるため、集塵容器31内に塵埃が堆積する。
集塵ボックス30から筐体2の排気路12へ流入した気流は、図2の矢印A2に示されるように前方収納室R1へ流入し、図示しない第1排気路および第2排気路を流通する。第1排気路を流通する気流にはイオン発生装置25が放出するイオン(プラズマクラスターイオン)が含まれる。そして、筐体2の上面に設けた排気口7から、図2の矢印A3に示されるように、後方の斜め上方にイオンを含む気流が排気される。これにより、床面F上の掃除が行われると共に、掃除ロボット1の排気に含まれるイオンによって室内の除菌および脱臭が行われる。このとき、排気口7から後方の斜め上方に向けて排気するので、床面Fの塵埃の巻き上げが防止され、室内の清浄度を向上することができる。
また、図示省略するが、第1排気路を流通する気流の一部は、凹部8に導かれてもよい。このようにすれば、吸込口6から吸引路11に導かれる気流内にイオンが含まれるため、集塵ボックス30の集塵容器31内およびフィルタ部33の除菌および脱臭を行うことができる。
また、掃除ロボット1は、左右の駆動輪29が同一方向に正回転して前進し、同一方向に逆回転して後退し、互いに逆方向に回転することにより中心線Cを中心に旋回する。例えば、掃除ロボット1は、掃除領域の周縁に到達した場合および進路上の障害物に衝突した場合、駆動輪29が停止し、左右の駆動輪29を互いに逆方向に回転して向きを変える。これにより、掃除ロボット1は、設置場所全体あるいは所望範囲全体に障害物を避けながら自走することができる。
また、掃除ロボット1は、左右の駆動輪29と後輪26の3点で接地しており、前進時に急停止しても後輪26が床面Fから浮き上がらないようなバランスで重量配分されている。そのため、掃除ロボット1が前進中に下り階段の手前で急停止し、それによって掃除ロボット1が前のめりに傾いて下り階段へ落下するということが防止されている。なお、駆動輪29は、急停止してもスリップしないよう、溝を有するゴムタイヤをホイールに嵌め込んで形成されている。
また、集塵ボックス30が駆動輪29の回転軸の上方に配置されているため、集塵によって重量が増加しても掃除ロボット1の重量バランスが維持される。
掃除ロボット1は、環境検知装置である臭いセンサ52、湿度センサ53、走行マップ18aおよび人感センサ54から得られる情報に基づいて独特の動作を実行することができる。例えば、掃除ロボット1は、環境検知装置が検知した周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、排気口7からイオンを含む気流を放出することができる。
掃除ロボット1は、掃除が終了すると充電台40に帰還する。これにより、充電端子4が端子部41に接してバッテリー14が充電される。
また、掃除ロボット1は、充電台40に帰還した状態で電動送風機22およびイオン発生装置25を駆動することができる。これにより、排気口7から後方の斜め上方にイオンを含む気流が放出され、イオンを含む気流は側壁Sに沿って上昇し、室内の天井壁および対向する側壁に沿って流通する。この結果、イオンが室内全体に行き渡り、除菌効果や脱臭効果を向上させることができる。このように、掃除ロボット1は、イオン放出運転を単独で実行することも可能である。
掃除ロボット1の上面には操作部が設けられており、操作部によって掃除運転およびイオン放出運転を実行させることができる。また、筐体2内に受信部を設けると共に、受信部に指令信号を発信する送信機を設けてリモコン操作できるようにしてもよい。また、スマートフォンと呼ばれる携帯電話からインターネット回線および室内に設けたルーターを介して指令信号を掃除ロボット1に送信して遠隔操作できるようにしてもよい。
<サイドブラシおよびその取付構造>
図6はサイドブラシを取り外した状態を示す図3対応図であり、図7はサイドブラシの実施形態1を示す斜視図であり、図8は実施形態1のサイドブラシの取付構造を示す概略断面図である。
図6と図8に示されるように、筐体2の底面(底板2aの下面)のサイドブラシ取付位置には、サイドブラシ10の後述するブラシ基台10aを収納する凹部2a1が形成されていると共に、この凹部2a1から第2軸心P回りに回転可能な回転軸2a2が突出している。
また、凹部2a1には、回転軸2a2の周囲の全周に亘って、円環状の第1環状凸部2a11および第1環状凹部2a12が第2軸心Pに対して同心円状に設けられている。
回転軸2a2は筒形であり、下端の孔の内周面には雌ネジ2a21が形成されている。
筐体2の底板2aの上面(内面)にはボックス2a3が設けられ、このボックス2a3に連結軸2a4が回転可能に枢着されている。この連結軸2a4の下端部は回転軸2a2の上端側の孔に挿入され、連結軸2a4と回転軸2a2とが一体的に回転するよう連結している。なお、連結軸2a4は、前記のように図示しない回転ブラシ駆動用のモータの回転力がプーリおよびベルト等を含む動力伝達機構を介して伝達される。なお、サイドブラシ10は、回転ブラシ駆動用のモータを共用して回転駆動することなく、単独で設けるモータにて駆動されてもよい。
サイドブラシ10は、筐体2の底面と垂直な第2軸心P上に回転可能に設けられた前記回転軸2a2に着脱可能に取り付けられるブラシ基台10aと、ブラシ基台10aに放射状に植設された複数のブラシ束10bとを有している。
ブラシ基台10aは、中心貫通孔10ab1を有すると共に、筐体2の底面の凹部2a1と対向する面に、回転軸2a2の先端を嵌め入れる筒部10abを有している。さらに、ブラシ基台10aは、筐体2の底面の凹部2a1と対向する面であって筒部10abの周囲の全周に亘って、円環状の第2環状凹部10a1および第2環状凸部10a2が設けられている。第2環状凹部10a1および第2環状凸部10a2は、中心貫通孔10ab1の第2軸心Pに対して同心円状に設けられている。また、ブラシ基台10aの下端外周面には、複数のブラシ束10bを植え込むための複数の凹部が周方向等間隔で形成されている。
サイドブラシ10は、中心貫通孔10ab1にワッシャを介してネジnの雄ネジ部を挿通し、雄ネジ部を回転軸2a2の雌ネジ2a21に螺合させることにより筐体2に取り付けられる。この状態において、第1環状凸部2a11は第2環状凹部10a1に嵌り合うように近接し、第2環状凸部10a2は第1環状凹部2a12に嵌り合うように近接する。
これにより、サイドブラシ10のブラシ基台10aと筐体2の底板2aの底面との間の隙間Gの断面形状はS形となる。つまり、ブラシ基台10aの第2環状凸部10a2と筐体2の凹部2a1の第1環状凹部2a12との間に形成された断面形状U字形の外周側隙間部分と、凹部2a1の第1環状凸部2a11とブラシ基台10aの第2環状凹部10a1との間に形成された断面形状U字形の内周側隙間部分とで、断面形状S字形の隙間G1が形成されている。なお、この隙間G1の幅としては、例えば、0.1〜1mm程度である。以下、「S字形」、「U字形」、「L字形」と言うときは、断面形状を意味するものとする。
掃除ロボット1による清掃動作時において、床面F上の髪の毛が回転するサイドブラシ10によって回転ブラシ9の方へかき寄せられ、その際、髪の毛の先端が隙間G1の開口に進入する場合がある。しかしながら、ブラシ基台10aの第2環状凸部10a2と筐体2の凹部2a1の第1環状凹部2a12との間のU字形の外周側隙間部分を髪の毛の先端が通過することは困難である。また、仮に髪の毛の先端が外周側隙間部分を通過したとしても、凹部2a1の第1環状凸部2a11とブラシ基台10aの第2環状凹部10a1との間のU字形の内周側隙間部分を髪の毛の先端が通過することは困難である。
よって、本発明によれば、回転軸2a2に髪の毛が巻き付いてサイドブラシ10の回転が妨げられてサイドブラシ10を回転駆動するモータに過剰な負荷がかかることが防止されると共に、清掃効率の低下が防止される。この際、回転軸の周囲の全周に亘って断面形状がS字形、U字形またはL字形の隙間が形成されているため、あらゆる方向からの隙間への髪の毛先端の進入を確実に防止することができる。なお、この効果は、髪の毛に限らず、動物の毛、糸の繊維屑等の極細繊維に対して得ることができる。
また、筐体2の底面の凹部2a1と、サイドブラシ10のブラシ基台10aにおける凹部2a1に収納された筒部10abとの間によっても、髪の毛といった極細繊維の先端が進入し難い屈曲した隙間が形成される。
(実施形態2)
図9は実施形態2のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。なお、図9において、図8中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態1では、サイドブラシ10のブラシ基台10aと筐体2の凹部2a1との間にS字形の隙間G1が設けられた場合を例示したが、実施形態2のように1つのU字形の隙間G2のみが設けられてもよい。
実施形態2の場合、筐体2の底板2aの凹部2a1円環状の第1環状凸部2a21が設けられると共に、第1環状凸部2a21に嵌り合うように近接する円環状の第2環状凹部110a1がサイドブラシ110のブラシ基台110aの全周に亘って設けられており、これらによってU字形の隙間G2が形成されている。実施形態2において、その他の構成は実施形態1と同様である。
このように、サイドブラシ110のブラシ基台110aと筐体2の凹部2a1との間にU字形の隙間G2が1つ設けられても、実施形態1と同様の効果が得られる。
(実施形態3)
図10は実施形態3のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。なお、図10において、図8中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態3の場合、筐体2の底板2aの凹部2a1に全周に亘って円環状の第1環状凹部2a32が設けられると共に、第1環状凹部2a32に嵌り合うように近接する円環状の第2環状凸部210a2がサイドブラシ210のブラシ基台210aに全周に亘って設けられており、これらによってU字形の隙間G3が形成されている。実施形態3において、その他の構成は実施形態1と同様である。
このように、サイドブラシ210のブラシ基台210aと筐体2の凹部2a1との間にU字形の隙間G3が1つ設けられても、実施形態1と同様の効果が得られる。
なお、実施形態3は、実施形態2との差異は、凹凸の関係が逆になっている。つまり、筺体2の凹部2a1に設けられる実施形態3の第1環状凹部2a32に対し、実施形態2によれば第1環状凸部2a21である。また、サイドブラシ側も同様に実施形態3の第2環状凸部210a2に対し、第2実施形態によれば第2環状凹部110a1である。
(実施形態4)
図11は実施形態4のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。なお、図11において、図8中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態4の場合、筐体2の底板2aの凹部2a1に全周に亘って円環状の第1環状凸部2a41が設けられると共に、第1環状凸部2a41に嵌り合うように近接する円環状の第2環状凹部310a1がサイドブラシ310のブラシ基台310aに全周に亘って設けられており、これらによってL字形の隙間G4が形成されている。実施形態4において、その他の構成は実施形態1と同様である。
このように、サイドブラシ310のブラシ基台310aと筐体2の凹部2a1との間にL字形の隙間G4が1つ設けられても、実施形態1と同様の効果が得られる。
(実施形態5:参考例
図12は実施形態5のサイドブラシおよびその取付構造を示す概略断面図である。なお、図12において、図8中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態5の場合、筐体2の底板2aの凹部2a1に全周に亘って円環状の第1環状凸部2a51が設けられると共に、第1環状凸部2a41の外側の側壁部に近接する円環状の第2環状凸部410a2がサイドブラシ410のブラシ基台410aに全周に亘って設けられており、これらによってL字形の隙間G5が形成されている。実施形態5において、その他の構成は実施形態1と同様である。
このように、サイドブラシ410のブラシ基台410aと筐体2の凹部2a1との間にL字形の隙間G5が1つ設けられても、実施形態1と同様の効果が得られる。
なお、図示省略するが、筐体の第1環状凸部の内側の側壁部にサイドブラシの第2環状凸部が近接するように構成してもよい。
なお、実施形態5は、実施形態4との差異は、凹凸の関係が逆になっている。つまり、実施形態2と実施形態3との関係と一致する。
2 筐体
2a1 凹部
2a11、2a21、2a41、2a51 第1環状凸部
2a12、2a32 第1環状凹部
2a2 回転軸
6 吸込口
9 回転ブラシ
10 サイドブラシ
10a、110a、210a、310a、410a ブラシ基台
10b ブラシ束
10a1、110a1、310a1 第2環状凹部
10a2、210a2、410a2 第2環状凸部
30 集塵ボックス
F 床面
1、G2、G3、G4、G5 隙間
P 第2軸心

Claims (4)

  1. 下面に吸込口を有する自走可能な筐体と、筐体の底面に対し垂直な軸心廻りに回転可能として筐体の底面に設けられたサイドブラシとを備え、
    筐体の底面におけるサイドブラシ取付位置には、凹部が形成されると共に、前記凹部から回転軸が突出して設けられており、
    サイドブラシは、前記回転軸に着脱可能に取り付けられるブラシ基台と、ブラシ基台に植設されたブラシ束とを有しており、
    前記凹部は、前記ブラシ基台の外周部まで収納する大きさに形成されており、
    筐体の前記凹部と回転軸に取り付けられたブラシ基台との間に、かつ、前記回転軸の周囲の全周に亘って、断面形状がS字形、U字形またはL字形の隙間が形成されている自走式掃除機。
  2. 筐体の前記凹部におけるサイドブラシ取付位置に、回転軸の軸心と同心円状に第1環状凸部と第1環状凹部とのうち少なくとも一方が設けられ、
    ブラシ基台における筐体の前記凹部に、前記第1環状凸部に嵌り合うように近接する第2環状凹部と、前記第1環状凸部の内側もしくは外側の側壁部に近接するかまたは前記第1環状凹部に嵌り合うように近接する第2環状凸部とのうち少なくとも一方が設けられている請求項1に記載の自走式掃除機。
  3. 筐体の前記凹部に、回転軸の軸心と同心円状に第1環状凸部と第1環状凹部とが設けられ、
    ブラシ基台における筐体の前記凹部と対向する面に、前記第1環状凸部に嵌り合うように近接する第2環状凹部と、前記第1環状凹部に嵌り合うように近接する第2環状凸部とのうち少なくとも一方が設けられている請求項1に記載の自走式掃除機。
  4. 筐体の前記凹部に、回転軸の軸心と同心円状に第1環状凸部が設けられ、
    ブラシ基台における筐体の前記凹部と対向する面に、前記第1環状凸部の内側もしくは外側の側壁部に近接する第2環状凸部が設けられている請求項1に記載の自走式掃除機。
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