JP5815506B2 - 活性炭及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、有機合成などにおける触媒(酸化反応触媒、分解触媒など)として有効な活性炭、この活性炭の触媒活性を利用した用途に関する。より詳細には、本発明は、例えば、過酸化物及び/又はクロラミン(クロロアミン)の分解触媒(又は酸化触媒)として有用な活性炭(例えば、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸からN−ホスホノメチルグリシンを製造する方法において、水溶液中の過酸化水素分解機能を保持しかつ持続的に性能を維持できる活性炭触媒など)と、その用途(例えば、N−ホスホノメチルグリシンの製造法、クロラミンの除去方法など)に関する。
活性炭自体が触媒として作用することがよく知られており、例えば、活性炭は硫化水素及びSOの酸化を含む様々な酸化反応に有用であることが知られている。活性炭はそのような反応に影響することが観察されており、触媒としての活性炭は反応速度のみに影響し、活性炭自体は反応により殆ど変化しない。
窒素分の多い原料から製造された活性炭は、窒素分の少ない原料から製造された活性炭に比べて、過酸化水素の分解などの特定の反応において効果的に触媒作用する。同様に、窒素分の少ない原料から製造された活性炭を、高温で、アンモニアなどの窒素含有化合物に曝すと、活性炭の触媒機能が高まることも知られている。最近では、ポリアクリロニトリルやポリアミドなどの窒素分の多い物質を低温又は高温で乾留し、この乾留物を活性化(賦活)することにより、触媒活性の高い活性炭が製造されている。いずれの場合も、活性炭は700℃を超える温度で熱処理することによって製造される。窒素分の少ない原料から製造された活性炭を、窒素含有化合物に曝す前、又は曝す最中に酸化するのが有利であることも知られている。
しかし、触媒活性を有する活性炭を製造する先行技術の方法は、すべてある種の欠点があり、そのために全体的な有用性や実用性が限られている。例えば、ポリアクリロニトリルやポリアミドなどの窒素分の多い原料は高価であり、炭素化に際し、大量のシアン化物および他の毒性ガスを発生する。窒素分の少ない原料から得られる活性炭では、触媒能力を大きく変化させるために激しい化学的な後処理が必要である。その際、所望の触媒活性を得るために炭素収率を犠牲にして達成され、必然的に高価となる。さらに、化学的に処理する方法では、硝酸、硫酸またはアンモニアなどの毒性があり危険な薬品を大量に使用するため、SOx、NOx、シアン化物のような毒性があり危険な副生物が著しく大量に生じる。
特開昭60−246328号公報(特許文献1)には、表面から酸化物が除去された活性炭触媒を用い、酸素又は酸素含有気体の存在下で反応させ、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸からN−ホスホノメチルグリシンを製造することが開示されている。この文献では、活性炭触媒を、炭素を酸化剤(硝酸など)に曝し、800〜1200℃で無酸素雰囲気中で熱分解する方法、アンモニア及び酸素含有気体の気流を炭素上に通しながら、800〜1200℃で熱分解する方法で得ることも記載されている。この薬品で炭素材を処理する方法では、前記のように、毒性のある危険な薬品を使用する必要があるとともに、毒性を有し、危険な副生物を多量に生じる。
また、活性炭自体の触媒性能を扱った先行技術は数多く見受けられるが、下記の特許文献4を除き、活性炭の物性と触媒性能との関係を詳細に取り扱ったものは少ない。この理由として、活性炭が有する種々の物性が複合的に触媒性能に寄与しているため、複雑であり且つ解明が困難な状況にあることが挙げられる。
特許2685356号公報(特許文献2)には、水溶液中で過酸化水素を急速に分解する触媒活性の炭素質チャーが開示され、この文献には、瀝青炭又は瀝青炭状の物質の酸化により炭素質チャーを製造すること、特に、原料を、低温で酸化し、尿素などの窒素含有化合物に曝し、不活性雰囲気中、高温で加熱し、蒸気及び/又は二酸化炭素中、高温でか焼又は活性化し、不活性雰囲気中で冷却することにより炭素質チャーを製造することが記載されている。しかし、このような方法は煩雑である。
また、特許3719756号公報(特許文献3)には、水、過酸化水素及び活性炭を共存させN−ホスホノメチルイミノジ酢酸からN−ホスホノメチルグリシンを合成する方法が開示されており、この文献には、市販の活性炭を使用できること、活性炭を何度も再使用が可能であることが記述されている。しかし、活性炭の最適化がなされていないためか、活性炭の触媒活性が低く、しかもリサイクルにより触媒活性が大きく低下する。また、活性炭の触媒活性について、最適化の指標が示されていないため、N−ホスホノメチルグリシンの製造方法に関わる活性炭触媒の影響については不明である。
特開平5−811号公報(特許文献4)には、過酸化水素分解用触媒として、蛋白質やポリアクリロニトリル繊維状活性炭素材を原料とし、窒素1〜5重量%、酸素3〜30重量%、炭素40〜95重量%を含有し、平均細孔半径が15〜30Åであり、有孔メソポアが全容積当たり少なくとも50容積%を占める活性炭が開示されている。この文献の実施例には、窒素2.1〜4.1重量%、酸素7.6〜22.8重量%の活性炭が記載され、比較例には窒素0.5重量%、酸素5.6重量%の活性炭が記載されている。しかし、これらの活性炭は、過酸化水素を分解する触媒活性が未だ十分でなく、しかも繰り返し使用により活性が低下する場合がある。
なお、水道水の消毒には、塩素の代用として低濃度のクロラミン(クロロアミン)が使用されている。クロラミンには、モノクロロアミン(モノクロラミン)、ジクロロアミン、トリクロロアミンが存在し、モノクロラミンは塩素よりも安定であり、揮散することがない。また、メタンの存在下でも、ハロメタン類を生成させない。そのため、クロラミン(特に、モノクロラミン)の使用が増加しつつある。しかし、近年、多くの研究者により、モノクロラミンが、生物、特に淡水域や海水域の水性生物に対する毒性や溶血性貧血の発病原因物質として認識されようになり、クロラミンの効果的な除去手段を開発することが要望されている。また、クロラミンで消毒された水道水を人工透析器に用いると、半透膜を通じてクロラミンが血液と接触するため、腎臓透析ユニットなどでは高いクロラミン除去能が必要とされる。
特開昭60−246328号公報(特許請求の範囲、第2頁左下欄乃至右下欄) 特許2685356号公報(特許請求の範囲、第4欄37行〜第5欄27行) 特許3719756号公報(特許請求の範囲、段落[0017][0020]) 特開平5−811号公報(特許請求の範囲、実施例及び比較例)
従って、本発明の目的は、酸化触媒(又は分解触媒)として有用な活性炭とその用途を提供することにある。
本発明の他の目的は、繰り返し使用しても高い触媒活性を保持する活性炭触媒とその用途を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、水溶液中で過酸化物(過酸化水素など)及び/又はクロラミン(モノクロラミンなど)を有効に分解又は除去できる活性炭触媒とその用途を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記活性炭の触媒活性を利用して、N−ホスホノメチルグリシンを効率よく製造できる方法、過酸化物(過酸化水素など)及び/又はクロラミン(モノクロラミンなど)を効率よく分解又は除去できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討の結果、酸素、窒素、硫黄及び水素原子を所定の濃度で含有する活性炭を用いると、過酸化水素の分解能が大きく向上すること、前記活性炭がN−ホスホノメチルイミノジ酢酸の酸化を効率よく触媒し、N−ホスホノメチルグリシンを効率よく生成すること、クロラミンを有効に酸化分解することことを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の活性炭は、酸素含有量が1.40〜4.30質量%、窒素含有量が0.90〜2.30質量%、硫黄含有量が0.50〜1.20質量%、水素含有量が0.40〜0.65質量%の範囲にある。
本発明の活性炭は、酸化触媒(又は分解触媒)として有用であり、例えば、過酸化物又はクロラミンを分解するための触媒として有用である。この活性炭触媒(酸化触媒又は分解触媒)は、酸素含有量が1.40〜4.30質量%(例えば、1.40〜3.5質量%)、窒素含有量が0.90〜2.30質量%(例えば、0.90〜2.0質量%)、硫黄含有量が0.50〜1.20質量%(例えば、0.50〜1.00質量%)、水素含有量が0.40〜0.65質量%(例えば、0.40〜0.62質量%)である活性炭で構成されている。前記活性炭触媒において、酸素含有量は1.40〜3.0質量%、窒素含有量は0.90〜1.75質量%、硫黄含有量は0.50〜0.90質量%、及び水素含有量は0.40〜0.65質量%であってもよい。
前記過酸化物は過酸化水素であってもよく、クロラミンはモノクロロアミンであってもよい。
前記活性炭(酸化触媒又は分解触媒などの活性炭触媒)は、さらに、下記(e)酸性表面官能基量、(f)塩基性表面官能基量及び(g)ベンゼン吸着性能のうち少なくとも1つの特性を有していてもよい。
(e)酸性表面官能基量が0.10〜0.36meq/g(例えば、0.10〜0.30meq/g)
(f)塩基性表面官能基量0.50〜1.30meq/g(例えば、0.50〜1.00meq/g)
(g)ベンゼン吸着性能25〜50%(例えば、25〜47%)
本発明の活性炭は、過酸化物の存在下、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸の酸化を触媒する。そのため、本発明は、活性炭の存在下、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸を酸化剤で酸化してN−ホスホノメチルグリシンを製造する方法であって、酸素含有量が1.40〜4.30質量%、窒素含有量が0.90〜2.30質量%、硫黄含有量が0.50〜1.20質量%、及び水素含有量が0.40〜0.65質量%である活性炭を用い、酸化剤として過酸化物を用いるN−ホスホノメチルグリシンの製造方法も包含する。この方法において、活性炭の使用割合は、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸100重量部に対して0.5〜300重量部であってもよく、10〜100重量部であってもよい。また、過酸化物は過酸化水素であってもよい。さらに、前記方法において、活性炭1g当たり1時間での過酸化水素の分解速度は、1000mg以上(すなわち、過酸化水素の分解速度は、1,000mg−H/g−活性炭/hr以上)であってもよい。
さらに、本発明は、活性炭と接触させてクロラミンを除去する方法であって、酸素含有量が1.40〜4.30質量%、窒素含有量が0.90〜2.30質量%、硫黄含有量が0.50〜1.20質量%、及び水素含有量が0.40〜0.65質量%である活性炭を用い、クロラミンを除去する方法も包含する。この方法では、クロラミンを有効に分解して塩素を遊離化し、クロラミンを効率よく除去できる。
なお、活性炭の酸素含有量、窒素含有量、硫黄含有量、水素含有量、酸性表面官能基量、塩基性表面官能基量及びベンゼン吸着性能は、実施例に記載の方法で測定できる。また、過酸化水素の分解速度も実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の活性炭は酸化触媒又は分解触媒として高い触媒活性を示す。また、活性炭触媒は繰り返し使用しても高い触媒活性を保持する。そのため、活性炭触媒は、水溶液中で過酸化物(過酸化水素など)を有効に分解できる。さらに、本発明の活性炭は酸化反応を触媒し、活性炭の触媒活性を利用して、過酸化物(過酸化水素など)の存在下、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸からN−ホスホノメチルグリシンを効率よく製造できる。さらに、本発明の活性炭は、例えば、クロラミン(モノクロラミンなど)を分解して塩素を遊離化し、除去するのに適している。さらには、従来の手段により製造された活性炭と比較して、本発明の活性炭は、過酸化物の分解除去、クロラミンの除去に限らず、硫化物(硫化水素など)、二酸化硫黄SOおよび酸化窒素の酸化などの多くの酸化反応の触媒として非常に有用である。
本発明の活性炭は以下の特徴を有する。
(a)酸素含有量が1.40〜4.30質量%の範囲であり、
(b)窒素含有量が0.90〜2.30質量%の範囲であり、
(c)硫黄含有量が0.50〜1.20質量%の範囲であり、
(d)水素含有量が0.40〜0.65質量%の範囲である。
(a)活性炭の酸素含有量は、1.40〜4.30質量%、好ましくは1.40〜3.5質量%(例えば、1.40〜3.0質量%)、さらに好ましくは1.40〜2.8質量%(例えば、1.40〜2.75質量%)程度である。酸素含有量が少なすぎると、触媒活性が低下し、酸素含有量が多すぎると、繰り返し使用により活性が低下する。
(b)活性炭の窒素含有量は、0.90〜2.30質量%、好ましくは0.90〜2.0質量%(例えば、0.90〜1.75質量%)、さらに好ましくは0.90〜1.50質量%(例えば、0.90〜1.25質量%)程度である。窒素含有量が少なすぎると、繰り返し使用により活性が低下し、窒素含有量が多すぎると、触媒活性が低下する。
(c)活性炭の硫黄含有量は、0.50〜1.20質量%、好ましくは0.50〜1.00質量%、さらに好ましくは0.50〜0.90質量%(例えば、0.50〜0.85質量%)程度である。硫黄含有量が少なすぎると、繰り返し使用により活性が低下し、硫黄含有量が多すぎると、触媒活性が低下する。
さらに、(d)活性炭の水素含有量は、0.40〜0.65質量%(例えば、0.45〜0.65質量%)、好ましくは0.40〜0.62質量%(例えば、0.50〜0.62質量%)程度であり、0.55〜0.65質量%程度であってもよい。水素含有量が少なすぎると、触媒活性が低下し、水素含有量が多すぎると、繰り返し使用により活性が低下する。
なお、これらの活性炭の元素(a)〜(d)に関し、触媒活性には単一の元素含有量ではなく複数の元素含有量が複合的に関与しているようである。そのため、単一の元素含有量が上記範囲にあっても、他の元素含有量が上記範囲を外れると、活性炭の触媒活性が低下する。
さらに、本発明の活性炭は、下記(e)酸性表面官能基量、(f)塩基性表面官能基量及び(g)ベンゼン吸着性能のうち少なくとも1つの特性を有しているのが好ましい。
(e)活性炭の酸性表面官能基量は、0.10〜0.36meq/g、好ましくは0.10〜0.30meq/g(例えば、0.11〜0.27meq/g)、さらに好ましくは0.12〜0.25meq/gの範囲である。酸性表面官能基量が少なすぎても多すぎても、繰り返し使用により活性が低下する。
(f)活性炭の塩基性表面官能基量は、0.50〜1.30meq/g、好ましくは0.50〜1.00meq/g(例えば、0.52〜0.80meq/g)、さらに好ましくは0.55〜0.75meq/gの範囲である。塩基性表面官能基量が少なすぎても多すぎても、繰り返し使用により活性が低下する。
(g)活性炭のベンゼン吸着性能は、25〜50%、好ましくは25〜47%、さらに好ましくは27〜45%の範囲であり、30〜50%の範囲であってもよい。ベンゼン吸着性能が低すぎても高すぎても、繰り返し使用により活性が低下する。
このような特性を有する活性炭は、酸化触媒又は分解触媒などの触媒として有用である。例えば、本発明の活性炭触媒は、過酸化物、クロラミンの分解(又は酸化)などに有用である。過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過酸(過ギ酸、過酢酸、過安息香酸など)、パーオキサイド(過酸化ベンゾイル、過酸化ジアセチル、過酸化ラウロイル、エチルメチルケトンパーオキサイドなど)などが例示できる。代表的な過酸化物は、過酸化水素である。
クロラミン(クロロアミン)は、モノクロロアミンNHCl、ジクロロアミンNHCl、トリクロロアミンNClのいずれであってもよい。水道水などの消毒に汎用される代表的なクロラミンはモノクロロアミンであり、このモノクロロアミンは揮発性が低く、安定性が高い。そのため、残存するモノクロロアミンはチオ硫酸ナトリウムなどで処理されている。本発明の活性炭触媒は、このようなクロラミン(モノクロロアミンなど)を効率よく分解し、塩素を遊離化させる。
本発明の活性炭触媒は、前記過酸化物、クロラミン以外に、多くの反応のための触媒、例えば、硫化物(硫化水素など)、二酸化硫黄SOおよび酸化窒素NOxの酸化又は転化などにも有用である。
過酸化物、クロラミンなどの分解(又は酸化)は、有機溶媒(トルエンなどの炭化水素、エタノールなどのアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、カルボン酸類など)又は水性溶媒(水、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒)中で行うことができ、通常、水中で行う場合が多い。また、過剰量の溶媒の存在下で、前記分解又は酸化反応を行う場合が多い。また、硫化物(硫化水素など)、二酸化硫黄SOおよび酸化窒素NOxなどのガス状基質は、必要により空気又は酸素含有気体とともに、気流の形態で活性炭と接触させてもよい。なお、過酸化物(過酸化水素など)、クロラミン(モノクロロアミンなど)などの基質の濃度は特に制限されず、例えば、反応系での過酸化物(過酸化水素など)の濃度は0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1〜20質量%程度であってもよい。本発明では、前記基質を有効に分解又は酸化できるため、本発明の活性炭触媒は、微量の過酸化物(過酸化水素など)、クロラミン(モノクロロアミンなど)などの基質を除去するのに有用である。残存する微量の基質を処理する場合、例えば、基質の濃度は、0.1ppb〜1000ppm程度であってもよい。
活性炭触媒の使用量は、過酸化物、クロラミンなどの基質100質量部に対して、0.1〜500質量部、好ましくは1〜250質量部、さらに好ましくは5〜100質量部(例えば、10〜50質量部)程度であってもよい。
前記分解又は酸化反応は、例えば、10〜70℃、好ましくは20〜50℃程度で行うことができる。前記分解又は酸化反応は、例えば、空気中又は酸素含有雰囲気下で行うこともでき、不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。
本発明の活性炭触媒は、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸を酸化剤で酸化してN−ホスホノメチルグリシンを製造するための触媒としても有用である。すなわち、本発明は、活性炭の存在下に、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸を酸化剤で酸化してN−ホスホノメチルグリシンを製造する方法であって、該活性炭中の酸素含有量が1.40〜4.30質量%の範囲で且つ、窒素含有量が0.90〜2.30質量%の範囲で且つ、硫黄含有量が0.50〜1.20質量%の範囲で且つ、水素含有量が0.40〜0.65質量%の範囲にある活性炭を用い、酸化剤として過酸化物を用いるN−ホスホノメチルグリシンの製造方法も包含する。
過酸化物としては、前記と同様の過酸化物が例示できる。これらの過酸化物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。過酸化物の中で、水溶性過酸化物、通常、過酸化水素が使用される。なお、過酸化水素としては、市販の30〜60質量%水溶液を使用でき、必要により希釈して使用してもよい。
過酸化物(過酸化水素など)の使用量は、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸1モルに対して、1.5〜10モル、好ましくは2〜5モル、さらに好ましくは2〜3モル(例えば、2〜2.5モル)程度である。
活性炭の使用割合は、酸化剤による酸化を触媒できる範囲、例えば、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸100質量部に対して0.1〜500質量部の範囲から選択でき、通常、0.5〜300質量部、好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは10〜100質量部(例えば、20〜80質量部)程度である。
上記反応は、有機溶媒の存在下で行ってもよいが、通常、水性溶媒の存在下、特に水の存在下で行われる。溶媒(特に、水)の使用量は、均一な反応系を形成できればよく、通常、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸1質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは2〜25質量部程度であってもよい。
反応は、温度50〜100℃、好ましくは55〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃程度で行うことができる。反応は加圧下又は常圧下で行うことができ、通常、大気圧下で行われる。さらに、反応は、例えば、空気中又は酸素含有雰囲気下で行うことができ、不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、必要により、反応混合液を、濃縮、析出、溶媒抽出、再結晶などの慣用の分離精製工程に供することにより、高純度のN−ホスホノメチルグリシンを高い収率で得ることができる。例えば、本発明では、純度93%以上のN−ホスホノメチルグリシンを、収率80%以上で得ることができる。N−ホスホノメチルグリシンは、反応系からの析出、再結晶などの方法により、通常、結晶の形態で得る場合が多い。
さらに、本発明の活性炭触媒は、繰り返し使用しても触媒活性が低下せずに高い触媒能を維持する。例えば、実施例に記載の試験方法(水溶液中過酸化水素分解性能評価及び過酸化水素分解速度の測定)において、活性炭1g当たり1時間での過酸化水素の分解速度は、バッチ式の水溶液中で1,000mg−H/g−活性炭/hr以上(例えば、2,000〜100,000mg−H/g−活性炭/hr、好ましくは2,500〜75,000mg−H/g−活性炭/hr、さらに好ましくは3,000〜50,000mg−H/g−活性炭/hr)である。しかも、このような試験方法(バッチ式の水溶液中該過酸化水素分解試験)に繰り返し10回以上(例えば、10〜25回、好ましくは12〜30回程度)使用しても、高い触媒活性を維持する。すなわち、本発明の活性炭触媒は、前記試験方法において、1,000mg−H/g−活性炭/hr以上の水溶液中の過酸化水素分解性能を維持しつつ繰り返し10回以上使用できる。より具体的には、実施例に記載の方法(水溶液中過酸化水素分解性能評価及び過酸化水素分解速度の測定)において、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸水溶液中に過酸化水素と本発明の活性炭触媒を共存させ、N−ホスホノメチルグリシンを製造すると、繰り返し使用回数が10回以上であっても、純度93%以上のN−ホスホノメチルグリシンを収率80%以上の高い収率で得ることができる。
通常、活性炭触媒の製造は、活性炭を硝酸や硫酸、次亜塩素酸ナトリウムなどで酸化したのち、高温でアンモニアと接触させるか、ポリアクリロニトリルなどの窒素を多く含む原料から活性炭化する方法で行われる。
本発明では、複数のパラメーターを管理することにより、様々な高触媒活性を有する活性炭を低製造コストで製造できる。
すなわち、本発明の活性炭触媒は、炭素質材料を乾留し、水蒸気、窒素及び二酸化炭素を含む混合ガス雰囲気下、850℃〜1000℃の温度で3〜48時間に亘り熱処理することにより得ることができる。この熱処理において、乾留した炭素材は部分的にガス化してもよい。
炭素質材料としては、活性炭の製造に適した公知の材料全てから選択でき、例えば、植物(ヤシガラ、籾ガラ、珈琲豆滓、木材など)、天然高分子(デンプン、セルロース、リグニン類など)、半合成高分子(セルロースエステル類、セルロースエーテル類、リグニン樹脂など)、合成高分子(フェノール系樹脂、フラン系樹脂、エポキシ樹脂など)、瀝青質物質などで例示できる。これらの原料は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい原料は、木材などの植物原料であってもよいが、特に、窒素や硫黄を含む石炭類、例えば、泥炭、亜炭、亜瀝青炭、瀝青炭、半無煙炭、無煙炭からなる石炭類から選ばれる石炭が好ましく用いられる。
本発明の活性炭は、一般的な活性炭製造設備である流動層、多段炉、回転炉などを用いて作製される。
乾留は、慣用の方法、例えば、炭素質材料を、酸素又は空気を遮断して、400〜800℃、好ましくは500〜800℃、さらに好ましくは600〜800℃で加熱することにより行うことができる。
熱処理(活性化又は賦活)は、流動層、多段炉、回転炉内で、乾留物を、750℃を超える温度、好ましくは850〜1000℃(例えば、850〜950℃)で、水蒸気、窒素及び二酸化炭素の混合物の雰囲気下で行うことができる。前記混合物の雰囲気下で賦活することにより、乾留物が部分的にガス化し、活性炭が得られる。なお、炭素質材料の乾留物の一部をガス化させるためのガス(水蒸気、窒素及び二酸化炭素からなる混合ガス)は、天然ガス、石油、又は炭化水素を含む他の可燃物を燃焼させることによって得ることもできる。なお、賦活温度は、通常、±25℃程度の範囲で変動する場合が多い。
賦活時間は、3〜48時間、好ましくは4〜24時間、さらに好ましくは5〜20時間(例えば、6〜12時間)程度であってもよい。賦活時間が短すぎると、活性炭の活性が低下し、長すぎると生産性が低下する。
ガス分圧は、水蒸気分圧7.5〜40%、好ましくは10〜30%(例えば、10〜20%)、二酸化炭素分圧10〜50%、好ましくは15〜45%(例えば、20〜40%)、窒素分圧30〜80%、好ましくは40〜70%(例えば、45〜65%)程度であり、ガス分圧は、水蒸気分圧10〜40%、二酸化炭素分圧10〜40%及び窒素分圧40〜80%程度であってもよい。なお、ガスの全圧は、通常、1気圧(約0.1MPa)である。水蒸気分圧が低すぎると、賦活(活性化)が十分でなく、高すぎると、活性炭の活性が低下する。また、二酸化炭素分圧が低すぎると、賦活が不十分となり、高すぎると、活性炭の活性が低下する。さらに、窒素分圧が低すぎると活性炭の活性が低下し、高すぎると、賦活が不十分となる。
また、総ガス供給量(流量)は、乾留品原料100gに対して、10〜50L/分、好ましくは15〜45L/分、さらに好ましくは20〜40L/分程度である。流量が少なすぎると、賦活が十分でなく、多すぎると、活性炭の活性が低下する。
このような条件を組み合わせることにより、目的とする酸素含有量、窒素含有量、硫黄含有量、水素含有量を有する活性炭触媒が得られる。なお、本発明の活性炭触媒の製造方法の詳細は、実施例を参照できる。
なお、活性炭は、粉末状、粒状、造粒状であってもよく、必要であれば、ハニカム状などの形態に成形してもよい。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に述べるが、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
なお、以下の実施例及び比較例では、活性炭の性能を以下のようにして評価した。
[水溶液中過酸化水素分解性能評価及び過酸化水素分解速度の測定]
25℃における3,000mg/L過酸化水素濃度の水溶液400mLに乾燥した活性炭0.1gを添加し、水溶液中に残留している過酸化水素濃度を測定し、経時変化を残留量がゼロになるまで評価した。
過酸化水素分解速度=(Co−C)×0.4/A/T
Co=過酸化水素初濃度(mg/L),C=任意時間経過後の過酸化水素濃度(mg/L),
A=活性炭量(g),T=任意時間(hr)
繰り返し時における過酸化水素分解性能評価は、残留量がゼロになった溶液に、30質量%濃度の過酸化水素水溶液を3000mg/Lになるように添加し、再び水溶液中に残留している過酸化水素濃度を測定し、経時変化を残留量がゼロになるまで評価する。この操作を1,000mg−H/g−活性炭/hr以上の過酸化水素分解速度が得られなくなるまで繰り返した。
[活性炭の窒素、硫黄及び水素含有量の測定]
ELEMENTAR社製Vario EL IIIを使用し、基準物質にスルファニル酸を用いて、活性炭の窒素、硫黄及び水素含有量を測定した。また、各測定値のバラツキを考慮し、標準サンプルとしてクラレケミカル製活性炭P−GLCRを同時に測定して補正し、活性炭中の窒素、硫黄及び水素の含有量を決定した。
[活性炭の酸素含有量の測定]
ELEMENTAR社製Vario EL IIIを使用し、基準物質に安息香酸を用いて、活性炭の酸素含有量を測定した。また、各測定値のバラツキを考慮し、標準サンプルとしてクラレケミカル製活性炭P−GLCRを同時に測定して補正し、活性炭中の酸素の含有量を決定した。
[活性炭の酸性表面官能基量の測定]
25℃において、0.1mol/L−ナトリウムエトキシド水溶液25mLに活性炭0.5gを添加し24時間振とう後、遠心分離機により活性炭を沈降させ、上澄み液10mLを採取し0.1mol/L−HClで滴定し、酸性表面官能基量を決定した。
[活性炭の塩基性表面官能基量の測定]
25℃において、0.1mol/L−HCl水溶液25mLに活性炭0.5gを添加し24時間振とう後、遠心分離機により活性炭を沈降させ、上澄み液10mLを採取し0.1mol/L−NaOHで滴定し、塩基性表面官能基量を決定した。
[活性炭のベンゼン吸着性能の測定]
日本工業規格における活性炭試験方法JIS K1474に準拠し、活性炭のベンゼン吸着性能を測定した。
[炭素質原料の乾留および賦活方法]
種々の原料による影響を確認するために、異なる原料により活性炭を作製した。具体的には、炭素質原料を700℃で乾留し、続いて得られた乾留品500gを炉に投入し、850〜980℃において、水蒸気、二酸化炭素ガス、窒素ガスを任意の分圧に変化させ、ガスの全圧1気圧でかつ任意の流量で炉内に供給し、賦活時間を任意に変えて、活性炭を作製した。
[N−ホスホノメチルグリシンの生成方法]
水100mL中に、表1に示す活性炭5gとN−ホスホノメチルイミノジ酢酸20.0gとを加え、攪拌下、65℃にて30質量%過酸化水素水20.0gを、65℃を保持しつつ、3時間で滴下した。滴下終了後、1時間保持した後、N−ホスホノメチルグリシンを結晶単離し、高速液体クロマトグラフィーにより定量し、重量収率及び純度を測定した。
[比較例1〜7]
表に示す各種原料を上記乾留処理した後、水蒸気分圧30%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧40%の混合ガスを、乾留品500gに対して流量40L/分で炉内に導入し、賦活温度900℃、賦活時間1時間の条件下で処理して活性炭を作製した。
なお、上記比較例では、以下の炭素質原料を用いた。
比較例1:無煙炭
比較例2:有煙炭
比較例3:瀝青炭
比較例4:ペトロコークス
比較例5:不融化した繊維状のポリアクリロニトリル(PAN)
比較例6:ヤシ殻炭
比較例7:木炭
比較例1の活性炭(原料:無煙炭)は、窒素含有量、硫黄含有量、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も1回と低いことを確認した。
比較例2の活性炭(原料:有煙炭)は、窒素含有量、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も1回と低いことを確認した。
比較例3の活性炭(原料:瀝青炭)は、酸素含有量、窒素含有量、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も3回と低いことを確認した。
比較例4の活性炭(原料:ペトロコークス)は、酸素含有量、硫黄含有量、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も5回と低いことを確認した。
比較例5の活性炭(原料:ポリアクリロニトリル(PAN))は、窒素含有量、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も9回であることを確認した。
比較例6の活性炭(原料:ヤシ殻炭)は、硫黄含有量、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も1回と低いことを確認した。
比較例7の活性炭(原料:木炭)は、酸素含有量、窒素含有量、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も3回と低いことを確認した。
[比較例8及び9]
比較例2の活性炭100gに対して6N硝酸1Lを加え、1時間に亘り煮沸した後、水洗し、比較例8の活性炭を調製した。比較例8の活性炭は、酸素含有量、硫黄含有量、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も1回と低いことを確認した。
また、比較例8の活性炭を、窒素雰囲気下において930℃、3時間で熱処理し、比較例9の活性炭を調製した。比較例9の活性炭は、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も4回と低いことを確認した。
[比較例10]
比較例4の活性炭100gに対して6N硝酸1Lを加え、1時間に亘り煮沸した後、水洗し、比較例10の活性炭を調製した。得られた活性炭は、酸素含有量、窒素含有量、硫黄含有量、水素含有量が外れ、触媒としての繰返し使用回数も1回と低いことを確認した。
[比較例11]
炭素質原料を瀝青炭とし、混合ガスの導入量を20L/分とし、賦活時間を2時間とする以外、比較例1〜7と同様の条件で処理し、比較例11の活性炭を作製した。得られた活性炭は、酸素含有量が外れ、触媒としての繰返し使用回数も6回であることを確認した。
[比較例12]
炭素質原料を有煙炭とし、比較例11と同様の条件で処理し、比較例12の活性炭を作製した。得られた活性炭は、水素含有量が外れ、触媒としての繰り返し使用回数も3回であることを確認した。
[比較例13]
活性炭として先行文献3に記載のクラレケミカル社製「クラレコールKW」(瀝青炭を原料とした活性炭)を用いた。この活性炭は、酸素含有量、窒素含有量、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も3回と低いことを確認した。
[比較例14]
活性炭として先行文献3に記載のクラレケミカル社製「クラレコールGC」(ヤシガラを原料とした活性炭)を用いた。この活性炭は、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も1回と低いことを確認した。
[比較例15]
活性炭として先行文献3に記載のクラレケミカル社製「クラレコールGLC」(ヤシガラを原料とした活性炭)を用いた。この活性炭は、酸素含有量、窒素含有量、硫黄含有量、水素含有量のすべてが所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し使用回数も1回と低いことを確認した。
[比較例16]
比較例5の活性炭に窒素雰囲気下で930℃、3時間で熱処理を行い、比較例16の活性炭を調製した。得られた活性炭は、窒素含有量、硫黄含有量、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も9回であることを確認した。
[実施例1]
炭素質原料としての瀝青炭を前記乾留処理した後、水蒸気分圧20%、二酸化炭素分圧40%、窒素分圧40%の混合ガスを、乾留品500gに対して10L/分の流量で炉内に導入し、賦活温度900℃、賦活時間5時間の条件下で処理し、実施例1の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も15回であることを確認した。
[実施例2]
炭素質原料を無煙炭とし、実施例1と同様の条件で処理し、実施例2の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も14回であることを確認した。
[実施例3]
炭素質原料を木炭とし、実施例1と同様の条件で処理し、実施例3の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も13回であることを確認した。
[実施例4]
炭素質材料としての瀝青炭を前記乾留処理した後、水蒸気分圧10%、二酸化炭素分圧20%、窒素分圧70%の混合ガスを、乾留品500gに対して20L/分の流量で炉内に導入し、賦活温度900℃、賦活時間20時間の条件下で処理し、実施例4の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も13回であることを確認した。
[実施例5]
炭素質材料としての瀝青炭を前記乾留処理した後、水蒸気分圧15%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧55%の混合ガスを、乾留品500gに対して10L/分の流量で炉内に導入し、賦活温度900℃、賦活時間10時間の条件下で処理し、実施例5の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も14回であることを確認した。
[実施例6]
炭素質材料としての瀝青炭を前記乾留処理した後、水蒸気分圧15%、二酸化炭素分圧20%、窒素分圧65%の混合ガスを、乾留品500gに対して10L/分の流量で炉内に導入し、賦活温度900℃、賦活時間18時間の条件下で処理し、実施例6の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も15回であることを確認した。
実施例1〜6及び比較例1〜16で得られた活性炭の評価結果を表1に示す。
Figure 0005815506
表1から明らかなように、比較例1〜16で得られた活性炭は、酸素含有量(O)、窒素含有量(N)、硫黄含有量(S)、水素含有量(H)のうち少なくとも1つの含有量が所定の含有量に対して過剰又は過小であり、触媒としての繰り返し使用回数も1〜9回であり、繰り返し使用により触媒活性が大きく低下する。
これらに対して、実施例1〜6では、酸素含有量(O)、窒素含有量(N)、硫黄含有量(S)、水素含有量(H)が所定の濃度範囲にあり、触媒としての繰り返し使用回数も13〜15回と大きく向上し、高い触媒活性を維持し繰り返し使用できることが明らかである。
[比較例17]
比較例17として、先行文献3の実施例に記載のNORIT製活性炭SA−1についても評価した。この活性炭は、酸素含有量、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も7回であることを確認した。
[比較例18]
炭素質原料である瀝青炭を上記乾留処理後に水蒸気分圧3%、二酸化炭素分圧3%、窒素分圧94%の混合ガスを乾留品500gに対して50L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間60時間の条件下で賦活を行い比較例18の活性炭を調製した。この活性炭は、酸素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も3回であることを確認した。
[比較例19]
炭素質原料である木炭を上記乾留処理後に水蒸気分圧50%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧20%の混合ガスを乾留品500gに対して50L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間2時間の条件下で賦活を行い比較例19の活性炭を調製した。この活性炭は、酸素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も5回であることを確認した。
[比較例20]
炭素質原料である無煙炭を上記乾留処理後に水蒸気分圧50%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧20%の混合ガスを乾留品500gに対して50L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間2時間の条件下で賦活を行い比較例20の活性炭を調製した。この活性炭は、窒素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も2回であることを確認した。
[比較例21]
比較例4の活性炭100gに対して1N硝酸をlL加え、1時間の煮沸を実施後水洗を行い、比較例21の活性炭を調製した。この活性炭は、窒素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も5回であることを碗認した。
[比較例22]
炭素質原料である無煙炭を上記乾留処理後に水蒸気分圧30%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧40%の混合ガスを乾留品500gに対して40L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間2時間の条件下で賦活を行い比較例22の活性炭を調製した。この活性炭は、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も4回であることを確認した。
[比較例23]
炭素質原料であるペトロコークスを上記乾留処理後に水蒸気分圧5%、二酸化炭素分圧5%、窒素分圧90%の混合ガスを乾留品500gに対して30L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間3時間の条件下で賦活を行い比較例23の活性炭を調製した。この活性炭は、硫黄含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も3回であることを確認した。
[比較例24]
炭素質原料であるヤシ殻を上記乾留処理後に水蒸気分圧5%、二酸化炭素分圧5%、窒素分圧90%の混合ガスを乾留品500gに対して30L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間60時間の条件下で賦活を行い比較例24の活性炭を調製した。得られた活性炭は、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も2回であることを確認した。
[比較例25]
炭素質原料である木炭を上記乾留処理後に水蒸気分圧40%、二酸化炭素分圧5%、窒素分圧55%の混合ガスを乾留品500gに対して20L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間3時間の条件下で賦活を行い比較例25の活性炭を調製した。得られた活性炭は、水素含有量が所定範囲から外れ、触媒としての繰り返し回数も6回であることを確認した。
[実施例7]
炭素質原料を木炭とし上記乾留処理後、水蒸気分圧30%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧40%の混合ガスを乾留品500gに対して40L/分の流量で炉内に導入し賦活温度850℃、賦活時間3時間の条件下で実施例7の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も12回であることを確認した。
[実施例8]
炭素質原料を木炭とし上記乾留処理後、水蒸気分圧20%、二酸化炭素分圧40%、窒素分圧40%の混合ガスを乾留品500gに対して10L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間7時間の条件下で実施例8の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も13回であることを確認した。
[実施例9]
炭素質原料を無煙炭とし上記乾留処理後、水蒸気分圧30%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧40%の混合ガスを乾留品500gに対して10L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間9時間の条件下で実施例9の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も13回であることを確認した。
[実施例10]
炭素質原料を木炭とし上記乾留処理後、水蒸気分圧30%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧40%の混合ガスを乾留品600gに対して10L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間3時間の条件下で実施剛10の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も15回であることを硅認した。
[実施例11]
炭素質原料を瀝青炭とし上記乾留処理後、水蒸気分圧30%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧40%の混合ガスを乾留品500gに対して10L/分の流量で炉内に導入し賦活温度950℃、賦活時間3時間の条件下で実施例11の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も14回であることを確認した。
[実施例12]
炭素質原料を木炭とし上記乾留処理後、水蒸気分圧10%、二酸化炭素分圧20%、窒素分圧70%の混合ガスを乾留品500gに対して10L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間5時間の条件下で実施例12の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も12回であることを確認した。
[実施例13]
炭素質原料を無煙炭とし上記乾留処理後、水蒸気分圧30%、二酸化炭素分圧30%、窒素分圧40%の混合ガスを乾留品500gに対して40L/分の流量で炉内に導入し賦活温度900℃、賦活時間7時間の条件下で実施例13の活性炭を作製した。得られた活性炭は、物性値のすべてにおいて所定範囲内であり、触媒としての繰り返し使用回数も11回であることを確認した。
実施例7〜13及び比較例17〜25で得られた活性炭の評価結果を表2に示す。
Figure 0005815506
表2から明らかなように、比較例17〜25で得られた活性炭は、酸素含有量(O)、窒素含有量(N)、硫黄含有量(S)、水素含有量(H)のうち少なくとも1つの含有量が所定の含有量に対して過剰又は過小であり、触媒としての繰り返し使用回数も2〜7回であり、繰り返し使用により触媒活性が大きく低下する。
これらに対して、実施例7〜13では、酸素含有量(O)、窒素含有量(N)、硫黄含有量(S)、水素含有量(H)が所定の濃度範囲にあり、触媒としての繰り返し使用回数も11〜15回と大きく向上し、高い触媒活性を維持し繰り返し使用できることが明らかである。
各比較例及び各実施例で得られた触媒活性炭を用いて、前記[N−ホスホノメチルグリシンの生成方法]に従って試験し、触媒としての機能を確認した。表3〜表6に各触媒活性炭における収率及び純度(繰り返し回数による収率及び純度の変化)を示す。
Figure 0005815506
Figure 0005815506
Figure 0005815506
Figure 0005815506
比較例では、過酸化水素の分解繰り返し回数に依存し、N−ホスホノメチルグリシンの生成反応において、初期の収率や純度は満足するものの、繰り返し反応を行うことによって触媒としての機能低下が生じている。この理由は過酸化水素の分解速度が低下するために、N−ホスホノメチルグリシンの収率及び純度が低下したものと考えられる。
実施例では、本発明が規定する元素組成の範囲にあり、N−ホスホノメチルグリシンの生成反応において、繰り返し回数が増えても高い収率及び純度が維持されていることを確認した。この原因は本発明により規定した元素組成が過酸化水素の分解反応だけでなく、N−ホスホノメチルグリシンの生成反応においても有効であることを示している。
本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明によるとN−ホスホノメチルイミノジ酢酸を水と過酸化水素共存下で本発明の活性炭を用いることにより、N−ホスホノメチルグリシンを効率よく製造できる。
[クロラミンの分解]
比較例及び実施例で得られた活性炭を用いて、以下のようにして、クロラミンの分解量を測定した。
約100ppmに調整したクロラミン(モノクロロアミン)水溶液100mL中に、活性炭を添加し、25℃で2時間振とうした後、ろ紙で濾過し、濾液を下記のDPD吸光光度法で残留クロラミン濃度を測定し、クロラミン濃度と遊離残留塩素との関係から、残存濃度3ppmでのクロラミン分解量(mg/g−活性炭)を求めた。
[クロラミンの定量方法:DPD吸光光度法]
(1)遊離残留塩素の測定
リン酸緩衝液2.5mLを共栓付き比色管50mLに採り、この緩衝液にN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン(DPD)試薬0.5gを加える。次に、前記濾液を加えて全量を50mLとし、混和後、呈色した検液の適量を吸収セルに採り、光電分光光度計を用いて波長510〜555nm付近における吸光度を測定し、下記(2)で作成した検量線によって試料1L中の遊離残留塩素(mg/L)を求める。
(2)遊離残留塩素検量線の作成
調整した標準塩素水を用いて希釈水で希釈し、数段階の標準列を調製する。次に、直ちに各標準列について(1)と同様に操作して吸光度を測定し、それぞれの遊離残留塩素の濃度(mg/L)を求め、それらの吸光度を基準として検量線を作成する。
(3)残留塩素の測定
上記(1)で発色させた溶液にヨウ化カリウム約0.5gを加えて溶解し、約2分間静置後、上記(1)と同様に測定して試料の残留塩素(mg/L)を求める。
(4)結合残留塩素(クロラミン)の測定
上記残留塩素と遊離残留塩素の差を結合残留塩素(クロラミン)濃度(mg/L)とする。
結果を表7に示す。
Figure 0005815506
表7より、実施例の活性炭は、比較例の活性炭に比べて、クロラミンの分解量が極めて高い。
本発明の活性炭は、過酸化物(過酸化水素など)、硫化物、二酸化硫黄および酸化窒素などの酸化触媒又は分解触媒として有用であり、クロラミンの分解触媒としても有用である。また、本発明の活性炭触媒は酸化反応を触媒し、水と過酸化水素共存下においてN−ホスホノメチルイミノジ酢酸からN−ホスホノメチルグリシンを効率よく製造できる。しかも、高い触媒活性を維持できるため、リサイクル性が高く、活性炭廃棄物の少量化が図れ、コスト低減を行うことができる。そのため、多くの酸化反応を触媒する活性炭触媒として有用である。

Claims (12)

  1. (a)酸素含有量が1.40〜4.30質量%、(b)窒素含有量が0.90〜2.30質量%、(c)硫黄含有量が0.50〜1.20質量%、(d)水素含有量が0.40〜0.65質量%の範囲にある活性炭。
  2. 過酸化物又はクロラミンを分解するための触媒であって、(a)酸素含有量が1.40〜4.30質量%、(b)窒素含有量が0.90〜2.30質量%、(c)硫黄含有量が0.50〜1.20質量%、(d)水素含有量が0.40〜0.65質量%である活性炭で構成されている分解触媒。
  3. (a)酸素含有量が1.40〜3.5質量%、(b)窒素含有量が0.90〜2.0質量%、(c)硫黄含有量が0.50〜1.00質量%、及び(d)水素含有量が0.40〜0.65質量%である活性炭で構成されている請求項2記載の分解触媒。
  4. 過酸化水素又はモノクロロアミンを分解するための触媒であって、酸素含有量が1.40〜3.0質量%、(b)窒素含有量が0.90〜1.75質量%、(c)硫黄含有量が0.50〜0.90質量%、及び(d)水素含有量が0.40〜0.65質量%である活性炭で構成されている請求項2又は3記載の分解触媒。
  5. さらに、下記(e)酸性表面官能基量、(f)塩基性表面官能基量及び(g)ベンゼン吸着性能のうち少なくとも1つの特性を有する請求項2〜4のいずれかに記載の分解触媒。
    (e)酸性表面官能基量0.10〜0.36meq/g
    (f)塩基性表面官能基量0.50〜1.30meq/g
    (g)JIS K1474に準拠して測定したベンゼン吸着性能25〜50%
  6. さらに、下記(e)酸性表面官能基量、(f)塩基性表面官能基量及び(g)ベンゼン吸着性能のうち少なくとも1つの特性を有する請求項2〜5のいずれかに記載の分解触媒。
    (e)酸性表面官能基量0.10〜0.30meq/g
    (f)塩基性表面官能基量0.50〜1.00meq/g
    (g)JIS K1474に準拠して測定したベンゼン吸着性能25〜47%
  7. 活性炭の存在下、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸を酸化剤で酸化してN−ホスホノメチルグリシンを製造する方法であって、(a)酸素含有量が1.40〜4.30質量%、(b)窒素含有量が0.90〜2.30質量%、(c)硫黄含有量が0.50〜1.20質量%、及び(d)水素含有量が0.40〜0.65質量%である活性炭を用い、酸化剤として過酸化物を用いるN−ホスホノメチルグリシンの製造方法。
  8. 活性炭の使用割合が、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸100重量部に対して0.5〜300重量部である請求項7記載のN−ホスホノメチルグリシンの製造方法。
  9. 過酸化物の使用割合が、N−ホスホノメチルイミノジ酢酸100重量部に対して10〜100重量部である請求項7又は8記載のN−ホスホノメチルグリシンの製造方法。
  10. 過酸化物が過酸化水素である請求項7〜9いずれかに記載のN−ホスホノメチルグリシンの製造方法。
  11. 過酸化水素の分解速度が1,000mg−H/g−活性炭/hr以上である請求項10記載のN−ホスホノメチルグリシンの製造方法。
  12. 活性炭と接触させて過酸化物又はクロラミンを除去する方法であって、(a)酸素含有量が1.40〜4.30質量%、(b)窒素含有量が0.90〜2.30質量%、(c)硫黄含有量が0.50〜1.20質量%、及び(d)水素含有量が0.40〜0.65質量%である活性炭を用いる方法。
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