以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。尚、以下の説明では、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting:統合デジタル放送サービス)による地上デジタル放送波を対象にし、各構成部の処理において必要なパラメータは、非特許文献1のARIB STD−B31の規定に順ずるものとする。
まず、本発明の実施形態による混信波抽出装置の概略について説明する。図1は、混信波抽出装置1の概略構成を示すブロック図である。この混信波抽出装置1は、希望波抽出部10、伝送路特性算出部11、伝送路特性付加部12、遅延部13及び希望波キャンセル部14を備えている。
混信波抽出装置1は、送信局(親局)からの希望波(親局波)と混信局からの混信波とが混在した信号を受信し、この受信信号から希望波信号を抽出して希望波レプリカ信号を生成し、受信信号から希望波レプリカ信号を減算することで希望波信号をキャンセルし、混信波信号を抽出する。
希望波抽出部10は、希望波と混信波とが混在した受信信号を入力し、受信信号を、受信信号に含まれる希望波信号の伝送路歪みが解消されるように等化し、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用して、前記等化後の受信信号から希望波信号のみを抽出し、前記抽出した希望波信号を伝送路特性付加部12に出力する。
伝送路特性算出部11は、希望波と混信波とが混在した受信信号を入力し、受信信号と予め設定された基準信号(送信時における変調内容が既知の信号であり、パイロット信号(SP信号)とも呼ぶ。)とを用いて伝送路特性を算出し、得られた伝送路特性を伝送路特性付加部12に出力する。
伝送路特性付加部12は、希望波抽出部10から希望波信号を入力し、伝送路特性算出部11から伝送路特性を入力し、希望波信号に伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を生成し、希望波レプリカ信号を希望波キャンセル部14に出力する。ここで、希望波レプリカ信号は、混信波抽出装置1により受信された希望波と混信波とが混在した受信信号に含まれる希望波成分のみの信号である。
遅延部13は、希望波と混信波とが混在した受信信号を入力し、受信信号に対し、希望波抽出部10、伝送路特性算出部11及び伝送路特性付加部12により希望波レプリカ信号が生成される処理時間分の遅延を加え、遅延した受信信号を希望波キャンセル部14に出力する。これにより、希望波キャンセル部14において、希望波と混信波とが混在した受信信号から、希望波レプリカ信号を減算するタイミングを合わせることができる。
希望波キャンセル部14は、伝送路特性付加部12から希望波レプリカ信号を入力し、遅延部13から遅延した受信信号を入力し、受信信号から希望波レプリカ信号を減算し、混信波成分のみの信号を出力する。これにより、希望波と混信波とが混在した受信信号から希望波信号のみが除去され、混信波信号が抽出される。
以下、図1の混信波抽出装置1を具体化した装置を実施例1〜6に示し、実施例1〜6のそれぞれについて詳細に説明する。
まず、実施例1の混信波抽出装置について説明する。図2は、実施例1の混信波抽出装置の構成を示すブロック図である。この混信波抽出装置1−1は、BPF(Band Pass Filter:帯域通過フィルタ)21、A/D変換部22、直交復調部(QDEM:Quadrature DEModulator)23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部27、SP信号(Scatterd Pilot:スキャッタードパイロット)抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、シンボル判定部32、再変調部33、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部34、GI(Guard Interval:ガードインターバル)付加部35、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタ部36、減算部37、直交変調部(QMOD:Quadrature MODulator)38、D/A変換部39及びBPF40を備えている。尚、直交復調部23から直交変調部38までの間の信号処理は、全て複素信号処理であるため、ブロック図上は単一の線路で信号経路が描かれているが、実際には実部信号及び虚部信号の両方による信号処理が行われている。
混信波抽出装置1−1は、伝送方式にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)を採用しているISDB−T方式の他の地上デジタル放送波の混信の影響を受けている希望波の地上デジタル放送波を受信し、受信信号をIF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号に変換する。そして、混信波抽出装置1−1は、IF信号から、希望される地上デジタル放送波のA階層で伝送される携帯受信用の変調波信号(A階層信号)を抜き出し、抜き出したA階層信号に対して等化及びシンボル判定を行って希望波信号を抽出し、伝送路特性を付加して、レプリカ(複製)信号を生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号を出力する。これにより、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用して、希望波のA階層信号のレプリカ信号を生成し、受信信号から減算することで希望波信号のみを除去することができる。この結果、希望波の信号スペクトルのみが消失し、ISDB−T混信波のA階層で伝送される携帯受信用の信号波(混信波)を受信及び観察することが可能となる。
BPF21は、希望波と混信波とが混在したIF信号を入力し、IF信号から、中心周波数を基準にした所定の周波数範囲のA階層信号を抜き出す。BPF21は、例えばSAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波)フィルタにより構成される。BPF21により抜き出されたA階層信号は、希望波に混信波が重畳した状態の信号である。
A/D変換部22は、BPF21により抜き出されたA階層信号に対し、アナログ信号からデジタル信号への変換を行い、サンプリング及びデジタル化したA階層信号を生成する。これにより、後段の直交復調部23からD/A変換部39までは、デジタル信号に対する処理が行われる。
直交復調部23は、A/D変換部22によりサンプリング及びデジタル化されたA階層信号を直交復調し、等価低域帯の複素OFDM信号に変換する。
同期再生部24は、直交復調部23により生成された複素OFDM信号の同期を再生する。具体的には、同期再生部24は、ガードインターバル相関波形からシンボルタイミングを検出して再生し、シンボルクロック、FFTクロック、FFTウィンドウタイミング、スキャッタードパイロットの4シンボルシーケンスのタイミング等の同期信号を再生する。再生した各種のタイミング信号は、それらを必要とする本混信波抽出装置1−1の各部に供給される。また、同期再生部24は、ガードインターバル相関波形より複素OFDM信号の周波数偏差を検出し、周波数オフセットデータとして出力する。ガードインターバル相関を利用したこれらOFDM信号の同期再生に関しては、既知の技術であり、詳しい説明は省略する。
窓処理部25は、同期再生部24により再生されたシンボルタイミングに基づいて、直交復調部23により生成された複素OFDM信号からGIを除去し、有効シンボル期間の信号を抽出する。これにより、後段のFFT部27において、高速フーリエ変換する範囲が特定される。
遅延部26は、直交復調部23により生成された複素OFDM信号に対し、窓処理部25からFIRフィルタ部36までの構成部により希望波レプリカ信号が生成される処理時間分の遅延を加える。これにより、減算部37において、希望波と混信波とが混在する複素OFDM信号から、希望波レプリカ信号を減算するタイミングを合わせることができる。
FFT部27は、窓処理部25により抽出された有効シンボル期間の複素OFDM信号に対し、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域の複素OFDM信号を1セグメント分の周波数領域のキャリアシンボルに変換する。
SP信号抽出部28は、FFT部27より出力されたキャリアシンボルの中から、予め決められたシンボル番号及びキャリア番号のキャリアシンボルとして伝送されたパイロット信号であるSP信号を抽出する。抽出されたSP信号は、伝送路特性を算出するために用いられる。
伝送路特性算出部29は、SP信号抽出部28により抽出された伝送路歪みにより振幅及び位相が変化したSP信号(受信SP信号)を、予め決められた振幅及び位相を持つSP信号(送信SP信号)で除算し、伝送路特性を算出する。SP信号はシンボル方向(時間方向)及びキャリア方向(周波数方向)に離散的に挿入されているため、SP信号から算出される伝送路特性もシンボル方向及びキャリア方向に離散的である。そのため、算出されたSP信号に対する伝送路特性をシンボル方向及びキャリア方向に補間することで、全てのキャリアシンボルに対する伝送路特性が算出される。前記シンボル方向及びキャリア方向の補間処理に関しては様々な方法があり、多くが既知の技術であることから、詳しい説明は省略する。
等化部30は、FFT部27により出力されたキャリアシンボルを、伝送路特性算出部29により算出された伝送路特性で複素除算することにより等化し、キャリアシンボルの振幅の大きさ及び位相量に対して補償を行う。これにより、伝送路歪みが除去された希望波A階層信号のキャリアシンボルが得られる。
フィルタ係数生成部31は、伝送路特性算出部29により算出された伝送路特性に対し、逆高速フーリエ変換処理を行い、周波数領域の伝送路特性を、時間領域のインパルス応答に変換し、得られたインパルス応答をもとにFIRフィルタ部36にて用いるフィルタ係数を生成する。ここで、FIRフィルタ部36は、伝送路特性算出部29により算出された伝送路特性を再現するために構成され、フィルタ係数生成部31により生成されるフィルタ係数は、FIRフィルタ部36において伝送路特性を再現するために用いられる。
シンボル判定部32は、等化部30により等化されたキャリアシンボルに対し、予め定められたマッピング規則に基づく信号点の位置から閾値を算出して、比較することにより、送信時の信号点を推定する。キャリアシンボルの変調方式がQPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)であり、希望波に対する混信波のDU比が十分に大きい場合には、その判定処理に硬判定を用いることができる。
ここで、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高い(周波数領域において混信波の振幅が希望波の信号点間の距離の半分より小さい)ことから、このシンボル判定部32により推定される信号点は、希望波の送信時の信号点となる。これにより、希望波と混信波とが混在した受信信号から、周波数領域において希望波信号のみを抽出することができる。
再変調部33は、シンボル判定部32により推定された信号点の情報に基づいて、キャリアシンボルの再マッピングを行う。これにより、希望波における送信時のキャリアシンボルが再生される。
IFFT部34は、再変調部33により再マッピングされた希望波のキャリアシンボルに対し、逆高速フーリエ変換処理を行い、OFDMシンボル毎に、周波数領域のキャリアシンボルを、時間領域の有効シンボル期間の複素OFDM信号に変換する。
GI付加部35は、IFFT部34において変換され、出力された有効シンボル期間の複素OFDM信号に対し、ISDB−T伝送方式で定められている長さのGIを前記有効シンボル期間の複素OFDM信号の前縁に付加する。これにより、伝送路歪みを含まない時間領域の希望波信号が生成される。
FIRフィルタ部36は、GI付加部35によりGIが付加された時間領域における伝送路歪みを含まない希望波の複素OFDM信号に対し、フィルタ係数生成部31により生成されたフィルタ係数により伝送路特性を付加し、受信信号に含まれる希望波と同じ振幅特性及び位相特性を持つように調整する。これにより、調整後の信号は、希望波のA階層の複製(レプリカ)信号となる。
減算部37は、遅延部26により遅延された複素OFDM信号(希望波と混信波とが混在した信号)から、FIRフィルタ部36により調整され出力された希望波レプリカ信号を減算し、混信波信号のみを抽出する。これにより、希望波がキャンセルされる。すなわち、減算後の信号は、希望波がキャンセルされた状態で、混信波のA階層信号のみとなる。
直交変調部38は、減算部37により抽出された混信波のA階層信号である複素OFDM信号を直交変調し、混信波のIF信号に変換する。
D/A変換部39は、直交変調部38により変換された混信波のIF信号に対し、デジタル信号からアナログ信号への変換を行い、アナログ化したIF信号を生成する。
BPF40は、D/A変換部39により変換されたIF信号に現れるスペクトルのうち、折り返し成分を除去する。尚、BPF40は、BPF(Band Pass Filter:帯域通過フィルタ)に代えて、LPF(Low Pass Filter:ローパスフィルタ)を用いることもできる。これにより、混信波のIF信号が出力される。
以上のように、実施例1の混信波抽出装置1−1によれば、希望波と混信波とが混在した信号を受信し、BPF21が受信信号のIF信号からA階層信号を抜き出し、直交復調部23がA階層信号を直交復調し、FFT部27が高速フーリエ変換して周波数領域のキャリアシンボルに変換し、等化部30がキャリアシンボルを伝送路特性で除算して等化し、シンボル判定部32がシンボル判定し、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用することにより、希望波の送信点の信号を推定し、再変調部33が再マッピングし、IFFT部34が逆高速フーリエ変換して時間領域の信号を生成し、GI付加部35がGIを付加し、時間領域における希望波信号を生成するようにした。また、伝送路特性算出部29がキャリアシンボルから抽出されたSP信号を用いて伝送路特性を算出し、フィルタ係数生成部31が伝送路特性からフィルタ係数を生成するようにした。また、FIRフィルタ部36が、時間領域における希望波信号に伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を生成するようにした。また、減算部37が、希望波と混信波とが混在した信号から希望波レプリカ信号を減算し、希望波信号をキャンセルして混信波信号を抽出し、直交変調部38が直交変調し、BPF40が折り返し成分を除去するようにした。
これにより、希望波と混信波とが混在する状況であっても、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用して、希望波信号を抽出することができ、受信信号から希望波信号を除去し、混信波信号を高精度に抽出することが可能となる。したがって、送信局の送信装置を停止して希望波を停波させることなく、混信波を抽出でき、抽出した混信波を調査することができるから、放送事業者の作業負荷を低減することが可能となる。
次に、実施例2の混信波抽出装置について説明する。図3は、実施例2の混信波抽出装置の構成を示すブロック図である。この混信波抽出装置1−2は、BPF21、A/D変換部22、直交復調部23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、シンボル判定部32、再変調部33、IFFT部34、GI付加部35、FIRフィルタ部36、減算部37、直交変調部38、D/A変換部39、BPF40、SP信号発生部41及びSP信号付替え部42を備えている。尚、SP信号発生部41及びSP信号付替え部42を含む、直交復調部23から直交変調部38までの間の信号処理は、全て複素信号処理であるため、ブロック図上は単一の線路で信号経路が描かれているが、実際には実部信号及び虚部信号の両方による信号処理が行われている。
図2に示した実施例1の混信波抽出装置1−1と、図3に示す実施例2の混信波抽出装置1−2とを比較すると、両装置1−1,1−2は、図2に示した混信波抽出装置1−1の構成部を備えている点で同一である。これに対し、実施例2の混信波抽出装置1−2は、実施例1の混信波抽出装置1−1の構成に加え、さらに、SP信号発生部41及びSP信号付替え部42を備えている点で、実施例1の混信波抽出装置1−1と相違する。SP信号発生部41及びSP信号付替え部42は、再変調部33の後段、かつIFFT部34の前段に設けられている。図3において、図2と共通する部分には図2と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
混信波抽出装置1−2は、他の地上デジタル放送波の混信の影響を受けている希望波の地上デジタル放送波を受信し、ISDB−T方式の受信信号をIF信号に変換する。そして、混信波抽出装置1−2は、IF信号からA階層信号を抜き出し、抜き出したA階層信号を周波数領域信号に変換し、等化及びシンボル判定を行って希望波信号を抽出し、予め決められたシンボル番号及びキャリア番号の位置に挿入されているSP信号を、別途生成した誤りのないSP信号に付け替え、さらに伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を新たに生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号を出力する。
SP信号発生部41は、予め決められた振幅及び位相を持つSP信号、すなわち送信時の振幅及び位相が既知のSP信号を発生する。
SP信号付替え部42は、再変調部33により再マッピングされた希望波のキャリアシンボルにおいて、予め決められたシンボル番号及びキャリア番号の位置に挿入されているSP信号を、SP信号発生部41により発生されたSP信号に付け替える。この操作により、原信号に含まれていたシンボル判定時に判定誤りが発生している可能性のある再生されたSP信号は、別途生成された誤りのないSP信号に付け替えられる。
そして、IFFT部34は、SP信号付加部42によりSP信号が付け替えられた希望波のキャリアシンボルに対し、逆高速フーリエ変換処理を行う。
以上のように、実施例2の混信波抽出装置1−2によれば、シンボル判定部32が、シンボル判定し、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用することにより、希望波の送信点の信号を推定し、伝送路歪みのない希望波のキャリアシンボルを再生し、希望波のSP信号付替え部42が、再生した希望波のキャリアシンボルのうちのSP信号を、別途生成したSP信号に付け替えるようにした。また、FIRフィルタ部36が、SP信号付替え後の希望波信号に、時間領域で伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を生成するようにした。また、減算部37が、希望波と混信波とが混在した信号から希望波信号をキャンセルして混信波信号のみを抽出するようにした。
これにより、希望波と混信波とが混在する状況であっても、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用して、希望波信号を抽出することができ、受信信号から希望波信号を除去し、混信波信号を高精度に抽出することが可能となる。したがって、送信局の送信装置を停止して希望波を停波させることなく、混信波を抽出でき、抽出した混信波を調査することができるから、放送事業者の作業負荷を低減することが可能となる。また、再変調後の希望波のキャリアシンボルにおいてSP信号が付け替えられるから、シンボル判定部32においてSP信号のシンボル判定に誤りがあったとしても、その誤りを修正することができる。つまり、希望波レプリカ信号の精度を高くすることができ、受信信号から希望波信号を除去して得られる混信波信号の精度も高くすることができる。
次に、実施例3の混信波抽出装置について説明する。図4は、実施例3の混信波抽出装置の構成を示すブロック図である。この混信波抽出装置1−3は、BPF21、A/D変換部22、直交復調部23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、シンボル判定部32、再変調部33、IFFT部34、GI付加部35、FIRフィルタ部36、減算部37、直交変調部38、D/A変換部39、BPF40、SP信号発生部41、SP信号付替え部42及びBPF43を備えている。尚、SP信号発生部41、SP信号付替え部42及びBPF43を含む、直交復調部23から直交変調部38までの間の信号処理は、全て複素信号処理であるため、ブロック図上は単一の線路で信号経路が描かれているが、実際には実部信号及び虚部信号の両方による信号処理が行われている。
図3に示した実施例2の混信波抽出装置1−2と、図4に示す実施例3の混信波抽出装置1−3とを比較すると、両装置1−2,1−3は、図3に示した混信波抽出装置1−2の構成部を備えている点で同一である。これに対し、実施例3の混信波抽出装置1−3は、実施例2の混信波抽出装置1−2の構成に加え、さらにBPF43を備えている点で、実施例2の混信波抽出装置1−2と相違する。図4において、BPF43は、直交復調部23の後段、かつ窓処理部25及び遅延部26の前段に設けられている。図4において、図3と共通する部分には図3と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
混信波抽出装置1−3は、他の地上デジタル放送波の混信の影響を受けている希望波の地上デジタル放送波を受信し、ISDB−T方式の受信信号をIF信号に変換する。そして、混信波抽出装置1−3は、IF信号からA階層信号をアナログフィルタにより抜き出し、さらに、A階層信号をデジタルフィルタにより厳密に抜き出し、抜き出したA階層信号を周波数領域信号に変換し、等化及びシンボル判定を行って、希望波信号を抽出し、予め決められたシンボル番号及びキャリア番号の位置に挿入されているSP信号を、別途生成した誤りのないSP信号に付け替え、さらに伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を新たに生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号を出力する。
BPF43は、急峻な肩特性を持つデジタルフィルタで構成されており、直交復調部23により生成された複素OFDM信号からA階層信号を抜き出す。BPF43は、デジタルフィルタにより構成されるから、アナログフィルタにより構成されるBPF21とは異なり、A階層信号のみを厳密にかつ精度高く抜き出すことができる。
そして、窓処理部25は、同期再生部24により再生されたシンボルタイミングに基づいて、BPF43により抽出されたA階層信号の複素OFDM信号からGIを除去し、有効シンボル期間の信号を抽出する。また、遅延部26は、BPF43により抽出されたA階層信号の複素OFDM信号に対し、窓処理部25からFIRフィルタ部36までの構成部により希望波レプリカ信号が生成される処理時間分の遅延を加える。
以上のように、実施例3の混信波抽出装置1−3によれば、デジタルフィルタで構成されるBPF43が、A階層信号を高精度に抜き出し、シンボル判定部32が、A階層信号のキャリアシンボルについてシンボル判定し、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用することにより、希望波の送信点の信号を推定し、伝送路歪みのない希望波のキャリアシンボルを再生し、希望波のSP信号付替え部42が、再生した希望波のキャリアシンボルのうちのSP信号を、別途生成したSP信号に付け替えるようにした。また、FIRフィルタ部36が、SP信号付替え後の希望波信号に、時間領域で伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を生成するようにした。また、減算部37が、希望波と混信波とが混在する信号から希望波信号をキャンセルして混信波信号のみを抽出するようにした。
これにより、希望波と混信波とが混在する状況であっても、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用して、希望波信号を抽出することができ、受信信号から希望波信号を除去し、混信波信号を高精度に抽出することが可能となる。したがって、送信局の送信装置を停止して希望波を停波させることなく、混信波を抽出でき、抽出した混信波を調査することができるから、放送事業者の作業負荷を低減することが可能となる。また、再変調後の希望波のキャリアシンボルにおいてSP信号が付け替えられるから、シンボル判定部32においてSP信号のシンボル判定に誤りがあったとしても、その誤りを修正することができる。つまり、希望波レプリカ信号の精度を高くすることができ、受信信号から希望波信号を除去して得られる混信波信号の精度も高くすることができる。さらに、デジタルフィルタにより精度高くA階層信号を抜き出すから、希望波信号を精度高く抽出することができ、結果として、混信波信号の精度を一層高くすることができる。
次に、実施例4の混信波抽出装置について説明する。図5は、実施例4の混信波抽出装置の構成を示すブロック図である。この混信波抽出装置1−4は、BPF21、A/D変換部22、直交復調部23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、シンボル判定部32、再変調部33、IFFT部34、GI付加部35、FIRフィルタ部36、減算部37、直交変調部38、D/A変換部39、BPF40、SP信号発生部41、SP信号付替え部42、BPF43及びAFC(Automatic Frequency Control:自動周波数制御)部44を備えている。尚、SP信号発生部41、SP信号付替え部42、BPF43及びAFC(Automatic Frequency Control:自動周波数制御)部44を含む、直交復調部23から直交変調部38までの間の信号処理は、全て複素信号処理であるため、ブロック図上は単一の線路で信号経路が描かれているが、実際には実部信号及び虚部信号の両方による信号処理が行われている。
図4に示した実施例3の混信波抽出装置1−3と、図5に示す実施例4の混信波抽出装置1−4とを比較すると、両装置1−3,1−4は、図4に示した混信波抽出装置1−3の構成部を備えている点で同一である。これに対し、実施例4の混信波抽出装置1−4は、実施例3の混信波抽出装置1−3の構成に加え、さらにAFC部44を備えている点で、実施例3の混信波抽出装置1−3と相違する。図5において、AFC部44は、直交復調部23の後段、かつBPF43及び同期再生部24の前段に設けられている。図5において、図4と共通する部分には図4と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
混信波抽出装置1−4は、他の地上デジタル放送波の混信の影響を受けている希望波の地上デジタル放送波を受信し、ISDB−T方式の受信信号をIF信号に変換する。そして、混信波抽出装置1−4は、IF信号からA階層信号をアナログフィルタにより抜き出し、自動周波数制御により等価低域帯のA階層の複素OFDM信号の周波数オフセットを除去し、さらに、A階層信号をデジタルフィルタにより厳密に抜き出し、抜き出したA階層信号を周波数領域信号に変換し、等化及びシンボル判定を行って希望波信号を抽出し、予め決められたシンボル番号及びキャリア番号の位置に挿入されているSP信号を、別途生成した誤りのないSP信号に付け替え、さらに伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を新たに生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号を出力する。
図6は、図5に示すAFC部44の構成を示すブロック図である。このAFC部44は、NCO(Numerical Controlled Oscilator:数値制御発振器)制御データ発生器442、NCO443及び位相回転器441を備えている。位相回転器441は、4個の乗算器444−1〜444−4、減算器445及び加算器446を備えている。NCO制御データ発生器442は、同期再生部24において検出及び出力された周波数オフセットデータを入力し、周波数オフセットデータとは逆のオフセットを持つデータに応じて変化するNCO制御データを発生する。NCO443は、NCO制御データ発生器442により発生したNCO制御データを入力し、NCO制御データに応じて周波数が増減する信号を発生し、位相回転器441に出力する。これにより、NCO443は、周波数オフセットとは逆のオフセットを持つ複素キャリア信号のI軸信号及びQ軸信号を位相回転器441に出力することができる。
位相回転器441の乗算器444−1は、直交復調部23から複素OFDM信号のI軸信号を入力すると共に、NCO443から逆の周波数オフセットを有するI軸信号を入力し、両信号を乗算する。乗算器444−2は、直交復調部23から複素OFDM信号のI軸信号を入力すると共に、NCO443から逆の周波数オフセットを有するQ軸信号を入力し、両信号を乗算する。乗算器444−3は、直交復調部23から複素OFDM信号のQ軸信号を入力すると共に、NCO443から逆の周波数オフセットを有するQ軸信号を入力し、両信号を乗算する。乗算器444−4は、直交復調部23から複素OFDM信号のQ軸信号を入力すると共に、NCO443から逆の周波数オフセットを有するI軸信号を入力し、両信号を乗算する。減算器445は、乗算器444−1の乗算結果から乗算器444−3の乗算結果を減算し、減算結果を、周波数オフセットを除去した複素OFDM信号のI軸信号としてBPF43に出力する。加算器446は、乗算器444−2の乗算結果と乗算器444−4の乗算結果を加算し、加算結果を、周波数オフセットを除去した複素OFDM信号のQ軸信号としてBPF43に出力する。
すなわち、AFC部44は、直交復調部23から入力された複素OFDM信号を被乗算信号として位相回転器441に入力すると共に、同期再生部24において検出及び出力された周波数オフセットデータを入力する。そして、AFC部44は、当該周波数オフセットデータに基づいて、逆の周波数オフセットを持つ複素キャリア信号を、NCO443に発生させ、当該NCO443が発生した逆の周波数オフセットを持つ複素キャリア信号を乗算信号として位相回転器441に入力し、直交復調部23から入力された複素OFDM信号に逆の周波数オフセットを与えることで、周波数オフセットを除去した複素OFDM信号を生成する。
BPF43は、急峻な肩特性を持つデジタルフィルタで構成されており、AFC部44により生成された周波数オフセット除去後の複素OFDM信号からA階層信号を抽出する。
(AFC部の必要性)
前述のとおり、AFC部44は、直交復調部23により生成された複素OFDM信号の周波数オフセットを除去する。以下、混信波抽出装置1−4において、複素OFDM信号の周波数オフセットを除去することによる効果、すなわちAFC部44の必要性について詳細に説明する。
混信波抽出装置1−4の直交復調部23は、多数のキャリアで構成されるIF帯のOFDM信号を、既知の一定の周波数(IF信号の中心周波数)の複素ローカル信号を乗算した後にLPF(Low Pass Filter)処理してイメージ成分を除去し、等価低域帯の複素OFDM信号を生成する。
前述のとおり、IF帯域のOFDM信号を等価低域帯の複素OFDM信号に変換する際に、周波数が一定のIF帯のキャリア信号が用いられる。このIF帯のキャリア信号の周波数は、入力されるIF帯のOFDM信号のキャリア周波数に正確に一致している必要がある。しかし、このキャリア信号の周波数と、入力されたIF帯のOFDM信号の周波数との間にズレ(オフセット)が生じると、キャリア間の直交性が崩れたままFFTされることになり、FFT後のキャリアシンボルにキャリア間干渉が発生して、復調後の誤り率特性に劣化が生じる。
ここで、周波数オフセットと誤り率特性の関係について説明する。OFDM信号のシンボルレートをTS、シンボル周波数をf0とすると、GIが無い場合、シンボルレートTSとシンボル周波数f0との関係は、f0=1/TSで表される。OFDM信号の場合、シンボルレートTSの逆数は、キャリア間隔周波数に一致する。このキャリア間隔で正規化した周波数オフセットの大きさをαで定義し、正規化周波数オフセットと呼ぶこととする。正規化周波数オフセットαが大きい程、周波数オフセットが大きくなり、α=Δf/f0で表される。
図7は、周波数オフセットが存在する場合の受信CN比に対するシンボル誤り率の特性を示す図である。図7において、正規化周波数オフセットα=0の特性は、周波数オフセットが存在せず、ガウス雑音のみ存在している場合の特性を示している。図7によれば、正規化周波数オフセットαが大きくなると、CN比が向上しても誤り率の向上が劣化していることがわかる。特に、ISDB−Tに採用されている64QAMの例では、周波数オフセットが大きくなると、CN比をいかに改善しても、誤り率の向上は見られない。これは、周波数オフセットによるキャリア間干渉の影響が支配的になるからである。
図8は、正規化周波数オフセットに対するシンボル誤り率を示す図である。図8によれば、正規化周波数オフセットαが大きくなると、干渉によるシンボル誤り率は急激に劣化することがわかる。尚、図7及び図8は、“「わかりやすいOFDM技術」、伊丹誠著、オーム社”から引用したものである。
このように、周波数オフセットの存在は、OFDM信号の復調結果の品質に大きな影響を与えてしまうため、図5に示したAFC部44を備えることにより、周波数オフセットの無い複素OFDM信号を生成することが必要になる。
また、AFC部44を備えることにより、BPF43に入力する複素OFDM信号の周波数オフセットを正確に除去することで、BPF43の通過帯域幅をA階層信号の帯域幅により近づけることが可能になり、より精度良く混信波信号を抽出することが可能になる。
尚、図6に示したAFC機能の実現方法は一例であり、他にも様々な方法があるが、多くが既知の技術であることから、ここでは説明を省略する。要するに、AFC機能によって、周波数オフセットを除去した複素OFDM信号が生成できればよい。前述した実施例1〜3に記載した混信波抽出装置1−1〜1−3では、入力されるIF信号の周波数が正確に規定値と一致しており、等価低域帯の複素OFDM信号の周波数オフセットがゼロである場合を想定している。
以上のように、実施例4の混信波抽出装置1−4によれば、AFC部44が、複素OFDM信号の周波数オフセットを除去し、デジタルフィルタで構成されるBPF43が、A階層信号を高精度に抜き出し、シンボル判定部32が、A階層信号のキャリアシンボルについてシンボル判定し、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用することにより、希望波の送信点の信号を推定し、伝送路歪みのない希望波のキャリアシンボルを再生し、希望波のSP信号付替え部42が、再生した希望波のキャリアシンボルのうち、SP信号を別途生成したSP信号に付け替えるようにした。また、FIRフィルタ部36が、SP信号付替え後の希望波信号に、時間領域で伝送路特性を付加し、希望波レプリカ信号を生成するようにした。また、減算部37が、希望波と混信波とが混在した信号から希望波信号をキャンセルして混信波信号のみを抽出するようにした。
これにより、希望波と混信波とが混在する状況であっても、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用して、希望波信号を抽出することができ、受信信号から希望波信号を除去し、混信波信号を高精度に抽出することが可能となる。したがって、送信局の送信装置を停止して希望波を停波させることなく、混信波を抽出でき、抽出した混信波を調査することができるから、放送事業者の作業負荷を低減することが可能となる。また、再変調後の希望波のキャリアシンボルにおいてSP信号が付け替えられるから、シンボル判定部32においてSP信号のシンボル判定に誤りがあったとしても、その誤りを修正することができる。つまり、希望波レプリカ信号の精度を高くすることができ、受信信号から希望波信号を除去して得られる混信波信号の精度も高くすることができる。また、デジタルフィルタにより精度高くA階層信号を抜き出すから、希望波信号を精度高く抽出することができ、結果として、混信波信号の精度を一層高くすることができる。さらに、等価低域帯に変換した信号に対して周波数オフセットを除去するようにしたから、周波数オフセットのない複素ODFM信号から希望波を抽出でき、結果として、希望波レプリカ信号の精度が高くなるため、希望波と混信波とが混在した信号から希望波をキャンセルして得られる混信波信号の精度を一層高くすることができる。
次に、実施例5の混信波抽出装置について説明する。図9は、実施例5の混信波抽出装置の構成を示すブロック図である。この混信波抽出装置1−5は、BPF21、A/D変換部22、直交復調部23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、IFFT部34、GI付加部35、FIRフィルタ部36、減算部37、直交変調部38、D/A変換部39、BPF40,43、AFC部44、データシンボル分離部45、周波数デインターリーブ部46、時間デインターリーブ部47、デマッピング部48、ビットデインターリーブ部49、デパンクチュア部50、ビタビ復号部51、畳み込み符号化部52、パンクチュア部53、ビットインターリーブ部54、マッピング部55、時間インターリーブ部56、周波数インターリーブ部57、シンボル判定部58、再変調部59、遅延部60、SP/CP(Continual Pilot:コンティニュアルパイロット)信号発生部61及びフレーム再構築部62を備えている。尚、直交復調部23から直交変調部38までの間の信号処理の内、ビットデインターリーブ部49、デパンクチュア部50、ビタビ復号部51、畳み込み符号化部52、パンクチュア部53及びビットインターリーブ部54を除く部分は、全て複素信号処理であるため、ブロック図上は単一の線路で信号経路が描かれているが、実際には実部信号及び虚部信号の両方による信号処理が行われている。
図5に示した実施例4の混信波抽出装置1−4と、図9に示す実施例5の混信波抽出装置1−5とを比較すると、図9に示す混信波抽出装置1−5は、図5に示した混信波抽出装置1−4におけるシンボル判定部32からSP信号発生部41及びSP信号付替え部42までの構成部分の代わりに、データシンボル分離部45からフレーム再構築部62の構成部分を備えている点で相違する。図9において、図5と共通する部分については図5と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
混信波抽出装置1−5は、他の地上デジタル放送波の混信の影響を受けている希望波の地上デジタル放送波を受信し、その受信信号をIF信号に変換する。そして、混信波抽出装置1−5は、IF信号からA階層信号をアナログフィルタにより抜き出し、自動周波数制御により等価低域帯のA階層の複素OFDM信号の周波数オフセットを除去し、さらに、A階層信号をデジタルフィルタにより厳密に抜き出し、抜き出したA階層信号を周波数領域信号に変換し、等化を行った後、全キャリアシンボルの内、AC(Auxiliary Channel)及びTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を伝送しているキャリアシンボル、SP及びCP信号を伝送しているキャリアシンボル、並びにそれ以外のデータ信号を伝送しているキャリアシンボルに分離する。そして、混信波抽出装置1−5は、AC、TMCC、SP及びCP信号を伝送しているキャリアシンボル以外のデータ信号を伝送しているキャリアシンボルについて、キャリアシンボル単位で周波数及び時間軸上のデインターリーブを行い、続いてデマッピング、ビットデインターリーブ及びデパンクチュア処理を行い、ビタビ復号により内符号のビット誤り訂正を行った後に、畳み込み符号化を行い、パンクチュア処理、ビットインターリーブ及びシンボル再マッピングを行い、キャリアシンボル単位で時間及び周波数軸上のインターリーブを行う。そして、混信波抽出装置1−5は、インターリーブを施した信号に、別途硬判定及び再マッピングしたAC及びTMCC信号と、別途生成した誤りの無いSP及びCP信号とを加え、OFDMフレームを再構成し、IFFT及びGI付加処理を行って時間領域信号に変換した後、さらに伝送路特性を付加することで希望波レプリカ信号を新たに生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号を出力する。
データシンボル分離部45は、等化部30により伝送路応答を用いて補正されたISDB−TのA階層信号の各キャリアシンボルの内、AC及びTMCC信号を伝送しているキャリアシンボル、SP及びCP信号を伝送しているキャリアシンボル、並びにそれ以外のデータ信号を伝送しているキャリアシンボルを分離する。分離されたAC及びTMCC信号を伝送しているキャリアシンボルはシンボル判定部58へ、データ信号を伝送しているキャリアシンボルは周波数デインターリーブ部46へ送られる。
周波数デインターリーブ部46は、マルチパスによるバースト誤りをランダム誤り化するために施されているデータシンボルの周波数軸上のインターリーブを、所定の規則に従って解消する。具体的には、データ・セグメント内のキャリアローテション及びキャリア・ランダマイズを解消する。尚、インターリーブを解くための規則は既知であるから、ここでは説明を省略する。詳細については前述の非特許文献1を参照されたい。以下、断りの無い限り、「既定の規則に従って」または「予め決められた規則」と記載した場合は、前述の非特許文献1に記載されている規則に従うことを意味することとする。
時間デインターリーブ部47は、時間インターリーブにより伝送されているキャリアシンボルがキャリア毎に時間軸上で異なる遅延が与えられていることから、このキャリア毎の遅延差を既定の規則に従って解消する。この動作はデータ・セグメント単位で行われる。
デマッピング部48は、A階層信号を伝送するキャリアの変調方式に準じて、受信伝送シンボルのI,Q平面上の位置から送信シンボルを推定し、0,1のビットデータまたは、後段のビタビ復号部51が軟判定を行う場合にはビット毎に3ビット程度で表現される尤度を生成する。
デマッピング部48で生成されたビットデータまたは尤度データには、シンボル誤りに起因して生じる連続したビット誤りをランダマイズするためにビットインターリーブが施されている。ビットデインターリーブ部49は、このランダマイズを既定の規則に従って解消する。
ISDB−Tの内符号符号化部では、1つのマザーコードで複数の符号化率に対応するために、規定のパンクチュアパターンに従って規則的にデータビットの間引きが行われる。デパンクチュア部50は、内符号復号時にA階層の内符号化率に応じて間引かれるビットデータまたは存在しない尤度データに対し、暫定ビットデータまたは尤度=0.5を挿入する。
ビタビ復号部51は、デパンクチュア部50からの出力ビットデータまたは尤度情報を用いて、内符号復号であるビタビ復号を行う。この結果、ビタビ復号部51により、内符号訂正後のデータビットが出力されることになる。
畳み込み符号化部52は、データビットに対して内符号による誤り訂正原符号化を行う。符号化率は、受信したA階層信号と同一とする。原符号化を行うための符号化器の符号化率及び拘束長については、予め定められた規則に従う。
パンクチュア部53は、A階層伝送の内符号化率に応じて、規定のパンクチュアパターンに従ってデータビットの間引きを行う。ビットインターリーブ部54は、パンクチュア部53から出力されるビット列に対して、既定の規則に従ってビットインターリーブを行う。
マッピング部55は、ビットインターリーブ後のビット列に対し、既定の規則に従ってQPSK変調のシンボルマッピングを行う。マッピング後のデータは、I軸及びQ軸上値を持つ複素シンボルデータとなる。時間インターリーブ部56は、マッピングされた連続するシンボルデータに対して、既定の規則に従って時間インターリーブを施す。周波数インターリーブ部57は、A階層で伝送されるセグメント内のキャリアに対して、既定の規則に従って周波数軸方向にランダマイズを行う。
シンボル判定部58は、データシンボル分離部45で分離されたAC及びTMCC信号を伝送しているBPSK変調キャリアについて、受信信号の信号点の位置から予め定められたマッピング規則に基づく閾値処理により、送信時の信号点を推定し、送信シンボルを得る。AC及びTMCC信号を伝送するシンボルはBPSK変調されていることから、混信波のDU比が十分にある場合は、その閾値処理、すなわちシンボル判定に硬判定を用いることができる。
再変調部59は、シンボル判定部58で判定及び推測された送信シンボルの位置に基づき、I,Q平面上の信号点の位置を表すI軸及びQ軸データを生成する。
前述のとおり、データシンボル分離部45は、AC及びTMCC信号のキャリアシンボル、SP及びCP信号のキャリアシンボル、並びにデータ信号のキャリアシンボルを分離するが、データ信号のキャリアシンボルは、周波数デインターリーブ部46から周波数インターリーブ部57までの処理を経る段階で、AC及びTMCC信号のキャリアシンボルに対する処理(シンボル判定部58から再変調部59までの処理)の処理時間と比較して、処理時間が長くかかる。このため、遅延部60は、この処理時間の差を埋めるために、再マッピングされたAC及びTMCC信号のキャリアシンボルに対して遅延を加える。SP/CP信号発生部61は、誤りの無いSP信号及びCP信号を発生する。具体的には、予め決められた振幅及び位相を持つSP信号及びCP信号、すなわち送信時の振幅及び位相が既知のSP信号及びCP信号を発生する。
フレーム再構築部62は、周波数インターリーブ後のデータ信号のキャリアシンボルと、AC及びTMCC信号のキャリアシンボル、SP/CP信号発生部61で発生した誤りの無いSP及びCP信号のキャリアシンボルを既定の規則に従って合成し、A階層セグメントのOFDMフレームを再構築する。
以上のように、実施例5の混信波抽出装置1−5によれば、AFC部44により等価低域帯のA階層の複素OFDM信号の周波数オフセットを除去し、さらに、A階層信号をデジタルフィルタで構成されたBPF43により厳密に抜き出し、抜き出したA階層信号を周波数領域信号に変換し、等化を行った後、データシンボル分離部45において各キャリアシンボルの内、AC及びTMCC信号のキャリアシンボル、SP及びCP信号のキャリアシンボル、並びにそれ以外のデータ信号のキャリアシンボルを分離し、AC、TMCC、SP及びCP信号のキャリアシンボルを除いたデータ信号のキャリアシンボルについては、周波数及び時間軸上でデインターリーブを行い、続いてデマッピング及びビットデインターリーブを行い、デパンクチュア処理を行い、ビタビ復号により内符号のビット誤り訂正を行った後に、畳み込み符号化、パンクチュア処理、ビットインターリーブ及びシンボル再マッピングを行い、時間及び周波数軸上でインターリーブを行い、これに、別途硬判定及び再マッピングされたAC及びTMCC信号のキャリアシンボルと誤りの無いSP及びCP信号のキャリアシンボルとを加え、OFDMフレームを再構築し、IFFT及びGI付加後にさらに伝送路特性を付加することで希望波レプリカ信号を新たに生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号のみを抽出するようにした。
これにより、希望波と混信波とが混在する状況であっても、希望波の受信レベルが混信波の受信レベルよりも高いことを利用して、希望波信号を抽出することができ、受信信号から希望波信号を除去し、混信波信号を高精度に抽出することが可能となる。したがって、送信局の送信装置を停止して希望波を停波させることなく、混信波を抽出でき、抽出した混信波を調査することができるから、放送事業者の作業負荷を低減することが可能となる。また、希望波レプリカ信号の生成において、受信された希望波のデータに対し、内符号による誤り訂正を行うから、デマッピング部48においてシンボル判定に誤りが発生し、ビット誤りが発生したとしても、そのビット誤りを修正することができる。また、再変調後の希望波のキャリアシンボルにおいて、SP及びCP信号が付け替えられているので、SP及びCP信号にシンボル判定誤りがあったとしても、その誤りを修正することができる。つまり、希望波レプリカ信号の精度を高くすることができ、受信信号から希望波信号を除去して得られる混信波信号の精度も高くすることができる。また、デジタルフィルタにより精度高くA階層信号を抜き出すから、希望波信号を精度高く抽出することができ、結果として、混信波信号の精度を一層高くすることができる。さらに、等価低域帯に変換した信号に対して周波数オフセットを除去するようにしたから、周波数オフセットのない複素ODFM信号から希望波を抽出でき、結果として、希望波レプリカ信号の精度が高くなるため、希望波と混信波とが混在した信号から希望波をキャンセルして得られる混信波信号の精度を一層高くすることができる。
次に、実施例6の混信波抽出装置について説明する。図10は、実施例6の混信波抽出装置の構成を示すブロック図である。この混信波抽出装置1−6は、BPF21、A/D変換部22、直交復調部23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、IFFT部34、GI付加部35、FIRフィルタ部36、減算部37、直交変調部38、D/A変換部39、BPF40,43、AFC部44、データシンボル分離部45、周波数デインターリーブ部46、時間デインターリーブ部47、デマッピング部48、ビットデインターリーブ部49、デパンクチュア部50、ビタビ復号部51、畳み込み符号化部52、パンクチュア部53、ビットインターリーブ部54、マッピング部55、時間インターリーブ部56、周波数インターリーブ部57、シンボル判定部58、再変調部59、遅延部60、SP/CP信号発生部61、フレーム再構築部62、バイトデインターリーブ部63、エネルギー逆拡散部64、リードソロモン復号部65、リードソロモン符号化部66、エネルギー拡散部67及びバイトインターリーブ部68を備えている。尚、直交復調部23から直交変調部38までの間の信号処理の内、ビットデインターリーブ部49、デパンクチュア部50、ビタビ復号部51、バイトデインターリーブ部63、エネルギー逆拡散部64、リードソロモン復号部65、リードソロモン符号化部66、エネルギー拡散部67、バイトインターリーブ部68、畳み込み符号化部52、パンクチュア部53及びビットインターリーブ部54を除く部分は、全て複素信号処理であるため、ブロック図上は単一の線路で信号経路が描かれているが、実際には実部信号及び虚部信号の両方による信号処理が行われている。
図9に示した実施例5の混信波抽出装置1−5と、図10に示す実施例6の混信波抽出装置1−6とを比較すると、両装置1−5,1−6は、図9に示した混信波抽出装置1−5の構成部を備えている点で同一である。これに対し、実施例6の混信波抽出装置1−6は、実施例5の混信波抽出装置1−5の構成に加え、さらにバイトデインターリーブ部63からバイトインターリーブ部68までの構成部を備えている点で相違する。図10において、バイトデインターリーブ部63からバイトインターリーブ部68までの構成部は、ビタビ復号部51の後段、かつ畳み込み符号化部52の前段に設けられている。図10において、図9と共通する部分については図9と同一の符号を付し、その詳しい説明は以下省略する。
混信波抽出装置1−6は、他の地上デジタル放送波の混信の影響を受けている希望波の地上デジタル放送波を受信し、その受信信号をIF信号に変換する。そして、混信波抽出装置1−6は、IF信号からA階層信号をアナログフィルタにより抜き出し、自動周波数制御により等価低域帯のA階層の複素OFDM信号の周波数オフセットを除去し、さらに、A階層信号をデジタルフィルタにより厳密に抜き出し、抜き出したA階層信号を周波数領域信号に変換し、等化を行った後、全キャリアシンボルの内、AC及びTMCC信号を伝送しているキャリアシンボル、SP及びCP信号を伝送しているキャリアシンボル、並びにそれ以外のデータ信号を伝送しているキャリアシンボルに分離する。そして、混信波抽出装置1−6は、AC、TMCC、SP及びCP信号を伝送しているキャリアシンボル以外のデータ信号を伝送しているキャリアシンボルについて、キャリアシンボル単位で周波数及び時間軸上のデインターリーブを行い、続いてデマッピング、ビットデインターリーブ及びデパンクチュア処理を行い、ビタビ復号により内符号のビット誤り訂正を行った後に、バイトデインターリーブ及びエネルギー逆拡散を行い、その後、外符号であるリードソロモン符号の復号を行ってバイト誤りを訂正する。そして、混信波抽出装置1−6は、復号したデータに対し、リードソロモン符号化、エネルギー拡散、バイトインターリーブを行い、畳み込み符号化、パンクチュア処理、ビットインターリーブ及びシンボル再マッピングを行い、キャリアシンボル単位で時間及び周波数軸上のインターリーブを行う。そして、混信波抽出装置1−6は、インターリーブを施した信号に、別途硬判定及び再マッピングしたAC及びTMCC信号と、別途生成した誤りの無いSP及びCP信号とを加え、OFDMフレームを再構成し、IFFT及びGI付加処理を行って時間領域信号に変換した後、さらに伝送路特性を付加することで希望波レプリカ信号を新たに生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号を出力する。
バイトデインターリーブ部63は、ビタビ復号後のビット列をバイト列に変換し、バイト単位で既定の規則に従ってバイトデインターリーブを行う。エネルギー逆拡散部64はバイトデインターリーブ後の信号に対し、既定の規則に従って15次のM系列PN信号と、TSパケットの同期バイトを除くデータ部分とをビット単位で排他的論理和の演算を行い、エネルギー逆拡散を行う。
リードソロモン復号部65は、エネルギー逆拡散後の信号に対し、外符号復号である短縮化リードソロモン符号RS(204,188)の復号を行う。リードソロモン符号化部66は、リードソロモン復号後の信号に対し、外符号符号化である短縮化リードソロモン符号RS(204,188)の符号化を行う。
エネルギー拡散部67は、リードソロモン符号化後の信号に対し、15次のM系列PN符号とTSパケットの同期バイトを除くデータ部分とをビット単位で排他的論理和の演算を行い、エネルギー拡散を行う。バイトインターリーブ部68は、エネルギー拡散後の信号に対し、外符号の性能をさらに引き出すために、予め定められた規則に基づくバイト単位のインターリーブを行い、得られたバイト列をビット列に変換して出力する。
以上のように、実施例6の混信波抽出装置1−6によれば、実施例5の混信波抽出装置1−5と同様にビタビ復号部51にて内符号のビット誤り訂正を行い、その後に、バイトデインターリーブ及びエネルギー逆拡散を行い、外符号であるリードソロモン符号の復号を行ってバイト誤りを訂正し、リードソロモン符号化、エネルギー拡散及びバイトインターリーブを行うようにした。そして、実施例5の混信波抽出装置1−5と同様に、畳み込み符号化、パンクチュア処理、ビットインターリーブ及びシンボル再マッピングを行い、時間及び周波数軸上でインターリーブを行い、これに、別途硬判定及び再マッピングされたAC及びTMCC信号のシンボルと誤りの無いSP及びCP信号のシンボルとを加え、OFDMフレームを再構築し、IFFT及びGI付加後にさらに伝送路特性を付加することで希望波レプリカ信号を新たに生成し、それを混信波が重畳されている原信号(IF信号)から減算し、減算結果である混信波信号のみを抽出するようにした。
これにより、実施例5の混信波抽出装置1−5と同様の効果を奏する。したがって、実施例5の混信波抽出装置1−5と同様に、希望波レプリカ信号の精度を一層高くすることができ、受信信号から希望波信号を除去して得られる混信波信号の精度も一層高くすることができる。
尚、実施例1〜6の混信波抽出装置1−1〜1−6では、BPF21がA階層信号のみを抜き出し、装置全体としてA階層信号に対し信号処理を行うようにした。これに対し、BPF21が、A階層信号及びB階層信号を含むOFDM信号の全帯域を抜き出し、A/D変換部22、直交復調部23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、FIRフィルタ部36及びBPF43が、OFDM信号の全帯域に対し信号処理を行うようにしてもよい。この場合、実施例1〜4のシンボル判定部32は、OFDM信号の全帯域のキャリアシンボルのうちのA階層信号のキャリアシンボルに対し、硬判定により送信時の信号点を推定することで、希望波のA階層信号を抽出し、実施例5,6のデータシンボル分離部45は、OFDM信号の全帯域の各キャリアシンボルのうち、A階層信号のAC及びTMCC信号を伝送しているキャリアシンボル、A階層信号のSP及びCP信号を伝送しているキャリアシンボル、並びにA階層信号におけるそれ以外のデータ信号を伝送しているキャリアシンボルを分離する。そして、実施例1〜4の再変調部33からGI付加部35までは、前述と同様にA階層信号に対し信号処理を行う。また、実施例5,6の周波数デインターリーブ部46及びシンボル判定部58からGI付加部35までは、前述と同様にA階層信号に対し信号処理を行う。FIRフィルタ部36は、フィルタ係数生成部31から全帯域のフィルタ係数を入力すると共に、GI付加部35から希望波のA階層信号を入力し、全帯域についてFIRフィルタ処理を行う。また、実施例3〜6のBPF43は、デジタルフィルタ処理により、A階層信号及びB階層信号を含むOFDM信号の全帯域を抜き出す。
また、実施例1〜6の混信波抽出装置1−1〜1−6のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。混信波抽出装置1−1〜1−6は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。混信波抽出装置1−1に備えた直交復調部23、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、シンボル判定部32、再変調部33、IFFT部34、GI付加部35、FIRフィルタ部36、減算部37及び直交変調部38の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、混信波抽出装置1−2に備えた直交復調部23から直交変調部38までの構成部(混信波抽出装置1−1と同様の構成部)、SP信号発生部41及びSP信号付替え部42の各機能、混信波抽出装置1−3に備えた直交復調部23からSP信号付替え部42までの構成部(混信波抽出装置1−2と同様の構成部)及びBPF43の各機能、並びに、混信波抽出装置1−4に備えた直交復調部23からBPF43までの構成部(混信波抽出装置1−3と同様の構成部)及びAFC部44の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。さらに、混信波抽出装置1−5に備えた直交復調部23、同期再生部24、窓処理部25、遅延部26、FFT部27、SP信号抽出部28、伝送路特性算出部29、等化部30、フィルタ係数生成部31、IFFT部34、GI付加部35、FIRフィルタ部36、減算部37、直交変調部38、BPF43、AFC部44、データシンボル分離部45、周波数デインターリーブ部46、時間デインターリーブ部47、デマッピング部48、ビットデインターリーブ部49、デパンクチュア部50、ビタビ復号部51、畳み込み符号化部52、パンクチュア部53、ビットインターリーブ部54、マッピング部55、時間インターリーブ部56、周波数インターリーブ部57、シンボル判定部58、再変調部59、遅延部60、SP/CP信号発生部61及びフレーム再構築部62の各機能、並びに、混信波抽出装置1−6に備えた直交復調部23からフレーム再構築部62までの構成部(混信波抽出装置1−5と同様の構成部)、バイトデインターリーブ部63、エネルギー逆拡散部64、リードソロモン復号部65、リードソロモン符号化部66、エネルギー拡散部67及びバイトインターリーブ部68の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。
以上、実施例1〜6を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1〜6に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施例1〜6の混信波抽出装置1−1〜1−6に備えた直交復調部23は、デジタル信号による直交復調処理を行うようにしたが、アナログ信号による直交復調処理を行うようにしてもよい。また、前記実施例1〜6の混信波抽出装置1−1〜1−6に備えた直交変調部38は、デジタル信号による直交変調処理を行うようにしたが、アナログ信号による直交変調処理を行うようにしてもよい。この場合、直交復調部23は、A/D変換部22の前段に設けられ、A/D変換部22は同相信号用と直交信号用に2つのA/D変換器で構成される。直交変調部38は、D/A変換部39の後段に設けられ、D/A変換部39は同相信号用と直交信号用に2つのD/A変換器で構成される。