実施形態1.
本発明の第1の実施形態の放送システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の放送システム100の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の放送システム(放送用送受信システム)100は、送信部200と受信部(放送用受信システム)300とを含む。
送信部200には、アンテナ501,502が接続されている。また、受信部300には、分配器700を介してアンテナ601が接続されている。また、分配器700には、受信部400が接続されている。そして、受信部400には、アンテナ602と、分配器700を介してアンテナ601とが接続されている。
送信部200によってアンテナ501,502に入力された信号は当該アンテナ501,502によって電磁波に変換されて放射される。そして、アンテナ601,602によって、当該電磁波は受信されて受信信号に変換され、変換後の受信信号が受信部300,400に入力される。
なお、分配器700は、アンテナ601によって受信されて信号に変換された受信信号を受信部300と受信部400とに入力する。また、本例では、アンテナ501,601は水平偏波用のアンテナであり、アンテナ502,602は垂直偏波用のアンテナであるとする。
また、送信部200、受信部300および受信部400は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行する、CPU(Central Processing Unit)等の単数または複数の回路が搭載されたコンピュータによって実現されてもよい。具体的には、例えば、送信部200、受信部300および受信部400に、以下に述べる各動作を実現させるためのソフトウェアが搭載される。そして、送信部200、受信部300および受信部400は、当該ソフトウェアのプログラム制御に従って処理を実行することにより、以下に述べる各動作を実現するように構成されていてもよい。
また、受信部300は、例えば、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて、入力された受信信号に応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機や受信信号に応じた処理を行う受信機である。受信部300は、例えば、受信部300の受信処理部、受信部300の復調部および受信部300の復号部を含むように構成されている。
次に、送信部200の構成について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の第1の実施形態における送信部200は、符号化部210、多重化部220、変調部(例えば、データ構成手段)230、第1の増幅部240、および第2の増幅部250を含む。
なお、送信処理手段は、例えば、本発明の第1の実施形態における第1の増幅部240および第2の増幅部250に相当する。放送用送信システムは、例えば、図1に示されている放送用送信システム251に相当する。放送用送信システム251は、例えば、本発明の第1の実施形態における変調部230、第1の増幅部240および第2の増幅部250を含む。なお、放送用送信システムは、例えば、本発明の第1の実施形態における符号化部210、多重化部220、変調部230、第1の増幅部240および第2の増幅部250を含むように構成されていてもよい。
符号化部210は、第1のエンコーダ211、第2のエンコーダ212、および第3のエンコーダ213を含む。
第1のエンコーダ211、および第2のエンコーダ212には、「2K」の信号が入力される。なお、2Kとは、画面解像度が横2000程度×縦1000程度となるような映像の総称である。したがって、図1に示す例では、2Kに対応した信号(以下、2K用信号ともいう)が第1のエンコーダ211、および第2のエンコーダ212に入力される。なお、2Kの画面解像度とは、例えば、横2048×縦1080や、横1920×縦1080、横2048×縦1152、横2560×縦1600、横1440×縦1080等である。2K用信号は、2K用信号に応じたデータとも称される。なお、2K用信号に応じたデータは、例えば、音声データ、画像データおよび字幕データ等の出力用データを含む。
そして、第1のエンコーダ211は、入力された2K用信号に、H.264に基づく符号化処理を施す。そして、第1のエンコーダ211は、符号化処理後の2K用信号を多重化部220に入力する。なお、第1のエンコーダ211は、携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス(移動体受信サービスともいう。以下、ワンセグともいう)の提供用に用意されている。そこで、第1のエンコーダ211によるH.264に基づく符号化処理後の2K用信号をワンセグ用信号ともいう。ワンセグ用信号は、ワンセグ用信号に応じたデータとも称される。なお、ワンセグ用信号に応じたデータは、例えば、音声データ、画像データおよび字幕データ等の出力用データを含む。また、ワンセグ用信号に応じたデータは、移動体用のデータとも称される。
また、第2のエンコーダ212は、入力された2K用信号に、MPEG(Moving Picture Experts Group)-2に基づく符号化処理を施す。そして、第2のエンコーダ212は、MPEG-2に基づく符号化処理後の2K用信号を多重化部220に入力する。
多重化部220は、第1のエンコーダ211が入力したワンセグ用信号と、第2のエンコーダ212が入力した2K用信号とを互いに多重する。そして、多重化部220は、多重化後の信号である多重化信号を変調部230に入力する。
また、第3のエンコーダ213には、「4K」の信号が入力される。なお、4Kとは、画面解像度が横4000程度×縦2000程度となるような映像の総称である。したがって、図1に示す例では、4Kに対応した信号(以下、4K用信号ともいう)が第3のエンコーダ213に入力される。なお、4Kの画面解像度とは、例えば、横4096×縦2160や、横3840×縦2160、横4096×縦2304、横4096×縦2048等である。4K用信号は、4K用信号に応じたデータとも称される。なお、4K用信号に応じたデータは、例えば、音声データ、画像データおよび字幕データ等の出力用データを含む。
そして、第3のエンコーダ213は、入力された4K用信号に、H.265に基づく符号化処理を施す。そして、第3のエンコーダ213は、H.265に基づく符号化処理後の4K用信号を変調部230に入力する。
なお、ワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号はいずれもそれぞれTS(Transport Stream)である。
変調部230は、入力されたワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号に伝送路符号化処理を施して、第1のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号および第2のOFDM信号を生成する。伝送路符号化処理については後述する。
変調部230は、第1の増幅部240に、生成した第1のOFDM信号を入力する。また、変調部230は、第2の増幅部250に、生成した第2のOFDM信号を入力する。
なお、第1の増幅部240には、水平偏波用のアンテナ501が接続されている。第1の増幅部240は、変調部230が入力した第1のOFDM信号を所定の増幅率で増幅する。そして、第1の増幅部240は、増幅後の第1のOFDM信号をアンテナ501に入力する。
第1の増幅部240によって増幅された第1のOFDM信号は、アンテナ501によって電磁波に変換されて水平偏波で放射される。
また、第2の増幅部250には、垂直偏波用のアンテナ502が接続されている。第2の増幅部250は、変調部230が入力した第2のOFDM信号を予め決められた増幅率で増幅する。そして、第2の増幅部250は、増幅後の第2のOFDM信号をアンテナ502に入力する。
第2の増幅部250によって増幅された第2のOFDM信号は、アンテナ502によって電磁波に変換されて垂直偏波で放射される。
受信部300の受信処理部(受信手段)には、アンテナ501,502を介して放射されてアンテナ601によって受信された電磁波が受信信号に変換されて入力される。当該受信処理部は、受信信号を増幅する処理や、より後段の信号処理手段である受信部300の復調部(等化手段)における処理が可能な周波数であるベースバンドに受信信号の周波数を変換する処理等の所定の処理を受信信号に施す。受信部300の復調部は、入力された受信信号に、送信部200の変調部230がワンセグ用信号および、2K用信号に施した伝送路符号化処理に応じた復調処理や等化処理等を施して、TS信号を生成する。そして、当該復調部は、生成したTS信号を受信部300の復号部(再生処理手段)に入力する。当該復号部は、入力されたTS信号に、所定の復号処理を施して、映像信号を生成可能な機能を有する。また、当該復号部は、生成した映像信号を出力可能である。出力された映像信号は、テレビジョン受像機等の映像表示装置に入力されて、ワンセグ用信号または、2K用信号に基づく映像が再生される。
次に、受信部400の構成について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の第1の実施形態における受信部400は、第1の受信処理部410、第2の受信処理部420、復調部430、および復号部440を含む。
第1の受信処理部410には、分配器700を介して水平偏波用のアンテナ601が接続されている。そして、第1の受信処理部410には、アンテナ501,502を介して放射されてアンテナ601によって受信された電磁波が受信信号に変換されて入力される。
また、第2の受信処理部420には、垂直偏波用のアンテナ602が接続されている。そして、第2の受信処理部420には、アンテナ501,502を介して放射されてアンテナ602によって受信された電磁波が受信信号に変換されて入力される。
第1の受信処理部410および第2の受信処理部420は、それぞれ、受信信号を増幅する処理や、より後段の信号処理手段である復調部430における処理が可能な周波数であるベースバンドに受信信号の周波数を変換する処理等の所定の処理を受信信号に施す。
そして、第1の受信処理部410は、所定の処理を施した受信信号を復調部430に入力する。また、第2の受信処理部420は、所定の処理を施した受信信号を復調部430に入力する。
復調部430は、入力された受信信号に、送信部200の変調部230がワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号に施した伝送路符号化処理に応じた復調処理を施して、TS信号を生成する。そして、復調部430は、生成したTS信号を復号部440に入力する。なお、復調部430における復調処理については後述する復調部430における各部によって行われる。
復号部440は、入力されたTS信号に、所定の復号処理を施して、映像信号を生成可能な機能を有する。
例えば、復号部440は、入力されたTS信号にH.265に基づく復号処理を施して、4K用信号に基づく映像信号を生成可能であるとする。すると、復号部440は、生成した映像信号を出力可能である。そして、出力された映像信号は、テレビジョン受像機等の映像表示装置に入力されて、4K用信号に基づく映像が再生される。
また、例えば、復号部440は、入力されたTS信号にMPEG-2に基づく復号処理を施して、2K用信号に基づく映像信号を生成可能であるとする。すると、復号部440は、生成した映像信号を出力可能である。そして、出力された映像信号は、テレビジョン受像機等の映像表示装置に入力されて、2K用信号に基づく映像が再生される。
また、例えば、復号部440は、入力されたTS信号にH.264に基づく復号処理を施して、ワンセグ用信号に基づく映像信号を生成可能であるとする。すると、復号部440は、生成した映像信号を出力可能である。そして、出力された映像信号は、映像表示装置等に入力されて、ワンセグ用信号に基づく映像が再生される。
次に、変調部230が行う伝送路符号化処理について説明する。図2~4は、本発明の第1の実施形態における変調部230の構成例を示すブロック図である。図2~4に示すように、本発明の第1の実施形態における変調部230は、外符号処理部261-a、フレーム構成部261-b、階層分割部262-a、外符号処理部262-b、第1バイト-ビット変換部263-a~c、エネルギー拡散部264-a~c、遅延補正部265-a~c、ビット-バイト変換部266-a~c、バイトインターリーブ処理部267-a~c、第2バイト-ビット変換部268-a~c、畳込み符号化処理部269-a~c、ビットインターリーブ処理部270-a~c、マッピング処理部271-a~c、階層合成部272、時間インターリーブ処理部273、周波数インターリーブ処理部274、OFDMフレーム構成部(例えば、データ構成手段)275、正規化部276-a,b、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理部277-a,b、ガードインターバル付加処理部278-a,b、および直交変調処理部279-a,bを含む。
外符号処理部261-aには、互いに多重されたワンセグ用信号および2K用信号が入力される。そして、外符号処理部261-aは、入力されたワンセグ用信号および2K用信号に、それぞれ所定の検査用の符号を付す処理を施す。本例では、外符号処理部261-aは、入力されたワンセグ用信号および2K用信号に、それぞれリードソロモン符号(RS(204,188))を付す処理を施す。そして、外符号処理部261-aは、入力されたワンセグ用信号および2K用信号に、それぞれ検査用の符号が付されたワンセグ用信号および2K用信号を階層分割部262-aに入力する。
フレーム構成部261-bには、4K用信号が入力される。そして、フレーム構成部261-bは、例えば、入力された4K用信号を所定の固定長のTSパケットとして処理するためのダミーデータ(スタッフィングバイト)の付加等のフレーム構成の処理を行う。そして、フレーム構成部261-bは、外符号処理部262-bに、フレーム構成の処理が施された4K用信号を入力する。
外符号処理部262-bには、入力された4K用信号に、所定の検査用の符号を付す処理を施す。本例では、外符号処理部262-bは、入力された4K用信号に、リードソロモン符号(RS(204,188))を付す処理を施す。そして、外符号処理部262-bは、入力された4K用信号に、検査用の符号が付された4K用信号を第1バイト-ビット変換部263-bに入力する。
階層分割部262-aは、互いに多重されたワンセグ用信号および2K用信号を分割し、第1バイト-ビット変換部263-aに、ワンセグ用信号を入力する。また、階層分割部262-aは、第1バイト-ビット変換部263-cに、2K用信号を入力する。
ここで、伝送方式について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態における伝送方式の例を示す説明図である。本例では、送信部200と受信部300,400との間のデータの伝送に応じた周波数帯は、13個のセグメントに分割されて用いられる。
そして、水平偏波における当該周波数帯において、周波数が低い方から1~3番目のセグメントおよび10~13番目のセグメントによって成る7個のセグメントが2K用信号に応じたデータの伝送に用いられ、C階層と呼ばれる。図5において、C階層は右下がり斜線で示されている。なお、周波数が低い方から1番目のセグメントは、セグメントNo.11とも称され、周波数が低い方から2番目のセグメントは、セグメントNo.9とも称され、周波数が低い方から3番目のセグメントは、セグメントNo.7とも称される。また、周波数が低い方から10番目のセグメントは、セグメントNo.6とも称され、周波数が低い方から11番目のセグメントは、セグメントNo.8とも称され、周波数が低い方から12番目のセグメントは、セグメントNo.10とも称され、周波数が低い方から13番目のセグメントは、セグメントNo.12とも称される。
また、水平偏波における当該周波数帯において、周波数が低い方から4~6番目のセグメントおよび8,9番目のセグメントによって成る5個のセグメントが4K用信号に応じたデータの伝送に用いられ、B階層と呼ばれる。図5において、B階層は左下がり斜線で示されている。なお、周波数が低い方から4番目のセグメントは、セグメントNo.5とも称され、周波数が低い方から5番目のセグメントは、セグメントNo.3とも称され、周波数が低い方から6番目のセグメントは、セグメントNo.1とも称される。また、周波数が低い方から8番目のセグメントは、セグメントNo.2とも称され、周波数が低い方から9番目のセグメントは、セグメントNo.4とも称される。
水平偏波における当該周波数帯において、周波数が低い方から7番目のセグメントがワンセグ用信号に応じたデータの伝送に用いられ、A階層と呼ばれる。図5において、A階層は網掛けで示されている。なお、周波数が低い方から7番目のセグメントは、セグメントNo.0とも称される。
さらに、垂直偏波における当該周波数帯において、周波数が低い方から4~6番目のセグメントおよび8,9番目のセグメントによって成る5個のセグメントも4K用信号に応じたデータの伝送に用いられ、やはり、B階層と呼ばれる。
したがって、4K用信号に応じたデータの送信には、水平偏波の5個のセグメントと垂直偏波の5個のセグメントとを合わせた10個のセグメントが用いられる。
本例では、A階層を用いて伝送されるワンセグ用信号に応じたデータが、第1バイト-ビット変換部263-aに入力される。また、B階層を用いて伝送される4K用信号に応じたデータが、第1バイト-ビット変換部263-bに入力される。そして、C階層を用いて伝送される2K用信号に応じたデータが、第1バイト-ビット変換部263-cに入力される。
ここで、第1バイト-ビット変換部263-a~cには、バイト単位でデータが入力されるとする。そこで、第1バイト-ビット変換部263-a~cは、入力されたバイト単位のデータをMSB(Most Significant Bit)ファーストの順のビットストリームにそれぞれ変換する。
そして、第1バイト-ビット変換部263-a~cは、変換後のビットストリームをエネルギー拡散部264-a~cにそれぞれ入力する。
エネルギー拡散部264-a~cは、第1バイト-ビット変換部263-a~cが入力したビットストリームに所定のエネルギー拡散処理を施す。具体的には、エネルギー拡散部264-a~cは、例えば、所定のPRBS(Pseudo-Random Binary Sequence:擬似ランダム符号系列)と、第1バイト-ビット変換部263-a~cが入力したビットストリームにおいて同期バイトを除いたビット列とで、それぞれビット単位の排他的論理和を算出する。そして、エネルギー拡散部264-a~cは、第1バイト-ビット変換部263-a~cが入力したそれぞれのビットストリームにエネルギー拡散処理を施した結果として、遅延補正部265-a~cにそれぞれの算出結果のデータを入力する。
遅延補正部265-a~cは、ワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号の送信部200における処理終了タイミングが同じになるように、入力されたビットストリームに、必要に応じて遅延補正の処理を施す。そして、遅延補正部265-a~cは、ビット-バイト変換部266-a~cに処理結果後のビットストリームをそれぞれ入力する。
ビット-バイト変換部266-a~cは、入力されたビット単位のデータをMSBファーストの順のバイト単位のデータに変換する。
バイトインターリーブ処理部267-a~cは、ビット-バイト変換部266-a~cによって変換されたバイト単位のそれぞれのデータに互いの遅延量を異ならせる畳込みバイトインターリーブの処理を施す。なお、インターリーブの深さは、例えば、12バイトである。
第2バイト-ビット変換部268-a~cは、バイトインターリーブ処理部267-a~cによって畳込みバイトインターリーブの処理が施されて入力されたバイト単位のデータをMSBファーストの順のビットストリームに変換する。
畳込み符号化処理部269-a~cは、第2バイト-ビット変換部268-a~cによってそれぞれ畳込みバイトインターリーブの処理が施されたビットストリームに、所定の畳込み符号化処理をそれぞれ施す。具体的には、畳込み符号化処理部269-a~cは、当該ビットストリームに、例えば、拘束長k=7、符号化率1/2の原符号をマザーコードとし、階層ごとにそれぞれ設定された符号化率で、つまり、畳込み符号化処理部269-a~cがそれぞれ設定された符号化率で、パンクチャード畳込み符号の符号化処理を施す。
ビットインターリーブ処理部270-a~cは、符号化処理が施されたビットストリームに、後段のマッピング処理部271-a~cでなされるマッピングに応じたビットインターリーブの処理を施す。具体的には、例えば、畳込み符号化処理部269-aで符号化処理が施されたワンセグ用信号に基づくビットストリームに、マッピング処理部271-aでQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)のマッピング処理が施されるとする。そこで、ビットインターリーブ処理部270-aは、ワンセグ用信号に基づくビットストリームに、例えば、120ビットの遅延素子を挿入するビットインターリーブの処理を施す。また、畳込み符号化処理部269-bで符号化処理が施された4K用信号に基づくビットストリームに、マッピング処理部271-bで4096QAM(Quadrature Amplitude Modulation)や、1024QAM、256QAM等のマッピング処理が施されるとする。そこで、ビットインターリーブ処理部270-bは、4K用信号に基づくビットストリームに、例えば、それらマッピング処理に応じたビット数の遅延素子を挿入するビットインターリーブの処理を施す。畳込み符号化処理部269-cで符号化処理が施された2K用信号に基づくビットストリームに、マッピング処理部271-cで64QAM等のマッピング処理が施されるとする。そこで、ビットインターリーブ処理部270-cは、2K用信号に基づくビットストリームに、例えば、24~120ビットの遅延素子を挿入するビットインターリーブの処理を施す。
マッピング処理部271-a~cは、ビットインターリーブ処理部270-a~cによってビットインターリーブの処理が施されたビットストリームに、マッピング処理を行う。具体的には、マッピング処理部271-aは、例えば、ビットインターリーブ処理部270-aがビットインターリーブの処理を施したワンセグ用信号に基づくビットストリームに、QPSKのマッピング処理を施す。また、マッピング処理部271-bは、例えば、ビットインターリーブ処理部270-bがビットインターリーブの処理を施した4K用信号に基づくビットストリームに、4096QAMや、1024QAM、256QAM等のマッピング処理を施す。マッピング処理部271-cは、例えば、ビットインターリーブ処理部270-cがビットインターリーブの処理を施した2K用信号に基づくビットストリームに、64QAM等のマッピング処理を施す。そして、マッピング処理部271-a~cは、ワンセグ用信号に基づくビットストリームがマッピングされた信号、4K用信号に基づくビットストリームがマッピングされた信号、および2K用信号に基づくビットストリームがマッピングされた信号をそれぞれ階層合成部272に入力する。
階層合成部272は、予め指定されたパラメータで、マッピング処理部271-a~cがそれぞれ入力した信号を合成してデータセグメントに挿入するとともに、速度変換を行う階層合成処理を行う。なお、データセグメントは、例えば、A階層(つまり、ワンセグ用信号)に応じて1個、B階層(つまり、4K用信号)に応じて10個、およびC階層(つまり、2K用信号)に応じて7個用意されているとする。
時間インターリーブ処理部273は、変調(マッピング処理)後のシンボルデータを時間的に分散させ、耐フェージング性能を改善させるために、変調シンボル単位(I,Q軸単位)で、階層合成処理が施された信号に所定の時間インターリーブ処理を施す。
周波数インターリーブ処理部274は、時間に応じて、前述した13個のセグメント内でキャリア(搬送波)の周波数を変更(ローテーション)させたり、各セグメント間で使用する周波数帯を交換したりする周波数インターリーブの処理を行う。なお、ワンセグ用信号に基づくセグメントについては、例えば、他のセグメントとの間で周波数帯を交換したりするセグメント間インターリーブの処理は行われなくてもよい。また、周波数インターリーブ処理部274は、セグメント構成を確保しつつ、十分なインターリーブ効果が発揮できるよう、例えば、セグメント間とセグメント内のインターリーブを組み合わせて行うように構成されている。
OFDMフレーム構成部275には、周波数インターリーブ処理部274によって周波数インターリーブの処理が施された信号と、パイロット信号と、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号と、AC(Auxiliary Channel)信号とが入力される。なお、パイロット信号は、例えば、連続キャリアである。また、TMCC信号は、例えば、制御情報を伝送するための信号であり、例えば、TSパケットの同期バイトを示す情報が含まれているとする。AC信号は、例えば、放送に関する付加情報を伝送するための拡張用信号である。なお、パイロット信号は、例えば、パイロット信号用データである。また、TMCC信号は、例えば、TMCC信号用データである。AC信号は、例えば、AC信号用データである。さらに、上記周波数インターリーブの処理が施された信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データをまとめてデータとも総称する。
そして、OFDMフレーム構成部275は、入力された各信号に基づいてOFDMフレームを構成する。具体的には、OFDMフレーム構成部275は、例えば、OFDMの各キャリアにおける各シンボルに、各信号(ワンセグ用信号、2K用信号、4K用信号、パイロット信号、TMCC信号、およびAC信号)の値を設定する。また、OFDMフレーム構成部275は、OFDMフレームの所定の箇所にヌルキャリアを挿入する。ヌルキャリアの挿入箇所の詳細については後述する。
なお、OFDMフレーム構成部275は、例えば、水平偏波用のOFDMフレームと、垂直偏波用のOFDMフレームとを構成する。具体的には、OFDMフレーム構成部275は、例えば、ワンセグ用信号に応じたセグメントに対応する信号と、2K用信号に応じたセグメントに対応する信号と、4K用信号に応じた10個のセグメントのうち5個のセグメントに対応する信号と、パイロット信号と、TMCC信号と、AC信号とに応じて、水平偏波用のOFDMフレームを構成する。また、OFDMフレーム構成部275は、例えば、4K用信号に応じた10個のセグメントのうち残りの5個のセグメントに対応する信号と、パイロット信号と、TMCC信号と、AC信号とに応じて、垂直偏波用のOFDMフレームを構成する。なお、各パイロット信号は、本例のようにB階層に偏波MIMOによる放送波が送信されるように構成された場合であっても、C階層における放送波の適切な受信が可能なように設定された周波数領域における位置に挿入される。OFDMフレーム構成部275によって構成されるOFDMフレームの詳細およびパイロット信号の具体的な挿入位置については後述する。以下、OFDMフレーム構成部275によって構成されるOFDMフレームをOFDMセグメント構成とも称する。
また、OFDMフレーム構成部275は、受信部300に、B階層における信号が差動変調され、C階層における信号が同期変調されていることを示すTMCC信号を送信するように、水平偏波用のOFDMフレームを構成するように構成されていてもよい。
なお、TMCC情報によってB階層における信号が差動変調され、C階層における信号が同期変調されていることが示されている場合に、受信部300は、周波数デインターリーブの処理を行う際に、B階層に応じたセグメントと、C階層に応じたセグメントとをそれぞれ別々に処理する。このように処理することによって、周波数デインターリーブの結果、B階層に応じたセグメントと、C階層に応じたセグメントとが混在してしまうことを防ぐことができる。
そして、OFDMフレーム構成部275は、例えば、水平偏波用のOFDMフレームを正規化部276-aに入力する。また、OFDMフレーム構成部275は、例えば、垂直偏波用のOFDMフレームを正規化部276-bに入力する。
正規化部276-a,bは、入力されたそれぞれのOFDMフレームについて、各キャリアの送信信号レベルが同等になり、変調方式によらずOFDMシンボルの平均電力の互いの比が1になるように、正規化の処理を施す。そして、正規化部276-a,bは、正規化の処理が施された各OFDMフレームをそれぞれIFFT処理部277-a,bに入力する。
IFFT処理部277-a,bは、入力された各OFDMフレームにそれぞれIFFTの処理を施し、周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する。そして、IFFT処理部277-a,bは、変換後の時間領域の信号をガードインターバル付加処理部278-a,bにそれぞれ入力する。
ガードインターバル付加処理部278-a,bは、入力された時間領域の信号に、当該時間領域の信号における有効シンボルの前に所定の時間分のデータを付加するガードインターバルの付加処理を施す。
直交変調処理部279-a,bは、ガードインターバル付加処理部278-a,bによって入力された時間領域の信号に、所定の直交変調処理を施す。具体的には、直交変調処理部279-aは、例えば、ガードインターバル付加処理部278-aによって入力された時間領域の信号に所定の直交変調処理を施して、所定の送信周波数の第1のOFDM信号に変換する。そして、直交変調処理部279-aは、当該第1のOFDM信号を第1の増幅部240に入力する。また、直交変調処理部279-bは、例えば、ガードインターバル付加処理部278-bによって入力された時間領域の信号に所定の直交変調処理を施して、所定の送信周波数の第2のOFDM信号に変換する。そして、直交変調処理部279-bは、当該第2のOFDM信号を第2の増幅部250に入力する。
次に、復調部430の構成について、図面を参照して説明する。図6~9は、本発明の第1の実施形態における復調部430の構成を示すブロック図である。
図6~9に示すように、本発明の第1の実施形態における復調部430は、A-D(Analog to Digital)変換部511-a,b、直交復調処理部512-a,b、同期再生部513-a,b、FFT(Fast Fourier Transform)処理部514-a,b、フレーム抽出部515-a,b、TMCC信号復号部516-a,b、AC信号復号部517-a,b、キャリア復調部518、周波数デインターリーブ処理部519、時間デインターリーブ処理部520、第1の階層分割部521、デマッピング処理部522-a~c、ビットデインターリーブ処理部523-a~c、デパンクチャ処理部524-a~c、階層合成部525、内符号復号部526、第2の階層分割部527、バイトデインターリーブ処理部528-a~c、エネルギー逆拡散処理部529-a~c、TS再生処理部530、および外符号復号部531を含む。
A-D変換部511-a,bには、第1の受信処理部410,第2の受信処理部420によって所定の処理が施された受信信号がそれぞれ入力される。具体的には、A-D変換部511-aには、例えば、第1の受信処理部410によって所定の処理が施された受信信号が入力される。そして、A-D変換部511-aは、入力されたアナログ信号である受信信号をデジタル信号に変換する。そして、A-D変換部511-aは、デジタル信号に変換した受信信号を直交復調処理部512-aに入力する。
また、A-D変換部511-bには、例えば、第2の受信処理部420によって所定の処理が施された受信信号が入力される。そして、A-D変換部511-bは、入力されたアナログ信号である受信信号をデジタル信号に変換する。そして、A-D変換部511-bは、デジタル信号に変換した受信信号を直交復調処理部512-bに入力する。
そして、直交復調処理部512-a,bは、入力された受信信号に所定の直交復調処理を施す。具体的には、直交復調処理部512-a,bは、入力された受信信号と、互いに直交する復調用信号とをそれぞれ混合して、I成分の信号とQ成分の信号とを得る。
そして、直交復調処理部512-a,bは、直交復調処理後の受信信号であるそれら信号を同期再生部513-a,bおよびFFT処理部514-a,bにそれぞれ入力する。
同期再生部513-a,bは、直交復調処理部512-a,bが入力した信号、FFT処理部514-a,bによってFFT処理が施された信号、およびフレーム抽出部515-a,bが抽出したフレーム同期信号に基づいて、OFDMにおけるキャリア数に応じたモード(本例では、モード3)、およびガードインターバル長に応じて、OFDMシンボル同期およびFFTサンプル周波数を再生する。具体的には、同期再生部513-a,bは、例えば、各部から入力された信号に基づいて、OFDMシンボルの同期をとるためのタイミング、およびFFTサンプル周波数を特定(再生)する。
FFT処理部514-a,bは、同期再生部513-a,bが再生した情報に基づいて、直交復調処理部512-a,bが入力した信号にFFTの処理を施し、直交復調処理部512-a,bが入力した時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。そして、FFT処理部514-a,bは、同期再生部513-a,b、フレーム抽出部515-a,b、およびAC信号復号部517-a,bに、変換後の周波数領域の信号を入力する。
フレーム抽出部515-a,bは、FFT処理部514-a,bが入力した周波数領域の信号からフレーム同期信号を抽出する。そして、フレーム抽出部515-a,bは、同期再生部513-a,bおよびTMCC信号復号部516-a,bに、抽出したフレーム同期信号を入力する。なお、フレーム抽出部515-a,bは、TMCC信号復号部516-a,bに、FFT処理部514-a,bが入力した周波数領域の信号も入力する。
TMCC信号復号部516-a,bは、FFT処理部514-a,bから出力された周波数領域の信号のうちのTMCC信号から、TMCC情報を抽出する。そして、TMCC信号復号部516-a,bは、キャリア復調部518、周波数デインターリーブ処理部519、時間デインターリーブ処理部520、第1の階層分割部521、デマッピング処理部522-a~c、ビットデインターリーブ処理部523-a~c、デパンクチャ処理部524-a~c、階層合成部525、第2の階層分割部527、およびTS再生処理部530に、抽出したTMCC情報を入力する。
AC信号復号部517-a,bは、FFT処理部514-a,bが入力した周波数領域の信号からAC信号を抽出する。そして、AC信号復号部517-a,bは、AC信号のうち構成識別によって地震動警報情報の伝送であることが示されている場合に、地震動警報情報を抽出する。
キャリア復調部518には、FFT処理部514-a,bが変換した周波数領域の信号がそれぞれ入力される。そこで、キャリア復調部518は、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報に基づいて、FFT処理部514-a,bが入力した周波数領域の信号に、差動復調の処理や同期復調の処理を施す。具体的には、キャリア復調部518には、FFT処理部514-a,bが入力した周波数領域の信号におけるOFDMセグメントに基づいて、OFDM信号を構成する各キャリアを特定し、各キャリアの振幅を示す振幅情報、および各キャリアの位相を示す位相情報を生成する。そして、キャリア復調部518は、FFT処理部514-a,bが変換した周波数領域の信号と、振幅情報と、位相情報とを周波数デインターリーブ処理部519に入力する。
周波数デインターリーブ処理部519は、キャリア復調部518が入力した各情報に基づいて、周波数インターリーブ処理部274で施された周波数インターリーブの処理で変更された各キャリアの周波数や、交換された他のセグメントとの間で交換された周波数帯を元に戻す周波数デインターリーブの処理を、FFT処理部514-a,bが変換した周波数領域の信号に施す。
時間デインターリーブ処理部520は、時間インターリーブ処理部273によって施された時間インターリーブ処理によって時間的に分散したシンボルデータを元の時間的な順序に戻す時間デインターリーブ処理を、周波数デインターリーブ処理部519によって周波数デインターリーブの処理が施された信号に施す。
第1の階層分割部521は、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報に基づいて、時間デインターリーブ処理部520が時間デインターリーブ処理を施した信号を各階層に応じた信号に分割する。具体的には、第1の階層分割部521は、例えば、時間デインターリーブ処理部520が時間デインターリーブ処理を施した信号において、A階層に応じた周波数帯のキャリアの信号をデマッピング処理部522-aに入力し、B階層に応じた周波数帯のキャリアの信号をデマッピング処理部522-bに入力し、C階層に応じた周波数帯のキャリアの信号をデマッピング処理部522-cに入力する。
デマッピング処理部522-aは、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報に基づいて、マッピング処理部271-aが施したマッピング処理に応じたデマッピング処理を、第1の階層分割部521が入力した信号に施す。本例では、A階層に応じた周波数帯のキャリアの信号には、マッピング処理部271-aで、QPSKのマッピング処理が施されている。そこで、デマッピング処理部522-aは、第1の階層分割部521が入力した信号にQPSKに応じたデマッピング処理を施し、ビット情報(ビットストリーム)を抽出する。
デマッピング処理部522-bは、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報に基づいて、マッピング処理部271-bが施したマッピング処理に応じたデマッピング処理を、第1の階層分割部521が入力した信号に施す。本例では、B階層に応じた周波数帯のキャリアの信号には、マッピング処理部271-bで、4096QAMや、1024QAM、256QAM等のマッピング処理が施されている。そこで、デマッピング処理部522-bは、第1の階層分割部521が入力した信号にそれらマッピング処理に応じたデマッピング処理を施し、ビット情報(ビットストリーム)を抽出する。
デマッピング処理部522-cは、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報に基づいて、マッピング処理部271-cが施したマッピング処理に応じたデマッピング処理を、第1の階層分割部521が入力した信号に施す。本例では、C階層に応じた周波数帯のキャリアの信号には、マッピング処理部271-cで、64QAM等のマッピング処理が施されている。そこで、デマッピング処理部522-cは、第1の階層分割部521が入力した信号に64QAM等に応じたデマッピング処理を施し、ビット情報(ビットストリーム)を抽出する。
ビットデインターリーブ処理部523-aは、ビットインターリーブ処理部270-aが施したビットインターリーブの処理に応じたビットデインターリーブの処理を、デマッピング処理部522-aが抽出したビットストリームに施す。具体的には、本例では、ビットインターリーブ処理部270-aで、ワンセグ用信号に基づくビットストリームに、例えば、120ビットの遅延素子を挿入したビットインターリーブの処理が施されている。そこで、ビットデインターリーブ処理部523-aは、例えば、デマッピング処理部522-aが抽出したビットストリームから、例えば、120ビットの遅延素子を消去するビットデインターリーブの処理を行う。
ビットデインターリーブ処理部523-bは、ビットインターリーブ処理部270-bが施したビットインターリーブの処理に応じたビットデインターリーブの処理を、デマッピング処理部522-bが抽出したビットストリームに施す。具体的には、本例では、ビットインターリーブ処理部270-bで、4K用信号に基づくビットストリームに、例えば、マッピング処理部271-bにおけるマッピング処理に応じたビット数の遅延素子を挿入するビットインターリーブの処理が施されている。そこで、ビットデインターリーブ処理部523-bは、例えば、デマッピング処理部522-bが抽出したビットストリームから、例えば、当該遅延素子を消去するビットデインターリーブの処理を行う。
ビットデインターリーブ処理部523-cは、ビットインターリーブ処理部270-cが施したビットインターリーブの処理に応じたビットデインターリーブの処理を、デマッピング処理部522-cが抽出したビットストリームに施す。具体的には、本例では、ビットインターリーブ処理部270-cで、2K用信号に基づくビットストリームに、例えば、マッピング処理部271-cにおけるマッピング処理に応じた24~120ビットの遅延素子を挿入するビットインターリーブの処理が施されている。そこで、ビットデインターリーブ処理部523-cは、例えば、デマッピング処理部522-cが抽出したビットストリームから、例えば、当該遅延素子を消去するビットデインターリーブの処理を行う。
デパンクチャ処理部524-a~cは、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報によって指定された畳込み符号化率に応じて、畳込み符号のビット補間を行う。なお、TMCC情報によって階層ごとの符号化率が示されているとする。そこで、デパンクチャ処理部524-aは、TMCC情報によって示されているA階層の符号化率に応じて、畳込み符号のビット補間を行う。また、デパンクチャ処理部524-bは、TMCC情報によって示されているB階層の符号化率に応じて、畳込み符号のビット補間を行う。そして、デパンクチャ処理部524-cは、TMCC情報によって示されているC階層の符号化率に応じて、畳込み符号のビット補間を行う。
階層合成部525は、デパンクチャ処理部524-a~cによってそれぞれビットが補間された各階層のビットストリームを合成する。
内符号復号部526は、デパンクチャ処理部524-a~cによってビットが補間されて階層合成部525によって合成されたビットストリームに、復号処理を施す。具体的には、内符号復号部526は、当該ビットストリームに、例えば、ビタビ(Viterbi)アルゴリズムに基づく復号処理を施す。
第2の階層分割部527は、TMCC信号復号部516-a,bが入力したTMCC情報に基づいて、内符号復号部526によって復号処理が施されたビットストリームを各階層に応じたビットストリームに分割する。具体的には、第2の階層分割部527は、例えば、復号処理が施されたビットストリームのうち、A階層に応じたビットによるビットストリームを構成して、バイトデインターリーブ処理部528-aに入力する。また、第2の階層分割部527は、例えば、復号処理が施されたビットストリームのうち、B階層に応じたビットによるビットストリームを構成して、バイトデインターリーブ処理部528-bに入力する。そして、第2の階層分割部527は、例えば、復号処理が施されたビットストリームのうち、C階層に応じたビットによるビットストリームを構成して、バイトデインターリーブ処理部528-cに入力する。
バイトデインターリーブ処理部528-a~cは、入力されたビット単位のデータ(ビットストリーム)をバイト単位のデータに変換する。そして、バイトデインターリーブ処理部528-a~cは、例えば、バイトインターリーブ処理部267-a~cで畳込みバイトインターリーブの処理が施されて設定された遅延量をリセットするバイトデインターリーブの処理を当該データに施す。
エネルギー逆拡散処理部529-a~cは、バイトデインターリーブ処理部528-a~cによってバイトデインターリーブの処理が施されたバイト単位のデータをビット単位のビットストリームに変換し、変換後のビットストリームにエネルギー逆拡散の処理を施す。具体的には、エネルギー逆拡散処理部529-a~cは、例えば、当該ビットストリームのうちTSパケットの同期バイトを除くビット列と、エネルギー拡散部264-a~cがエネルギー拡散の処理に用いた所定のPRBSとで、それぞれビット単位の排他的論理和を算出する。そして、エネルギー逆拡散処理部529-a~cは、エネルギー逆拡散の処理を施した結果として、TS再生処理部530にそれぞれの算出結果のデータを入力する。
TS再生処理部530は、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報に基づいてTSの同期バイトを参照して、入力されたデータを互いに多重してTSパケットに分割することによって、送信側と同様なTSフレーム構成を再現する。
外符号復号部531は、TS再生処理部530が再現したTSフレーム構成のTSパケットに、外符号処理部261-a,262-bで付された所定の検査用の符号に基づいて、誤りを検出および訂正する復号処理を施して、TSパケットを生成する。
外符号復号部531が生成したTSパケットは、復号部440によって映像信号に変換され、映像表示装置等によって映像が再生される。
なお、受信部300にも、分配器700を介して水平偏波用のアンテナ601によって受信された受信信号が入力される。そして、受信部300は、例えば、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて、入力された受信信号に応じた映像をテレビジョン受像機に再生させる。
したがって、本発明の第1の実施形態における受信部400に接続された映像表示装置等には4K用信号に基づく映像が再生される。また、受信部300に接続されたテレビジョン受像機には2K用信号に応じて現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づく映像が再生される。よって、本発明の第1の実施形態の放送システム100は、現状の地上デジタルテレビジョン放送の放送システムと共存可能である。
次に、本発明の第1の実施形態の送信部200の動作について説明する。図10は、本発明の第1の実施形態における変調部230の動作を示すフローチャートである。
まず、変調部230には、ワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号が入力される(ステップS101)。
変調部230の各部が、入力されたワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号を合成して、伝送路符号化処理を施す(ステップS102)。例えば、OFDMフレーム構成部275は、後述するOFDMフレームを構成する。
変調部230は、水平偏波用のアンテナ501によって送信される電磁波用の第1のOFDM信号、および垂直偏波用のアンテナ502によって送信される電磁波用の第2のOFDM信号を生成する(ステップS103)。
変調部230は、第1の増幅部240に、生成した第1のOFDM信号を入力する。また、変調部230は、第2の増幅部250に、生成した第2のOFDM信号を入力する。第1の増幅部240は、変調部230が入力した第1のOFDM信号を所定の増幅率で増幅する(ステップS104)。そして、第1の増幅部240は、増幅後の第1のOFDM信号をアンテナ501に入力する。第1の増幅部240によって増幅された第1のOFDM信号は、アンテナ501によって電磁波に変換されて水平偏波で放射される。
第2の増幅部250は、変調部230が入力した第2のOFDM信号を予め決められた増幅率で増幅する(ステップS104)。そして、第2の増幅部250は、増幅後の第2のOFDM信号をアンテナ502に入力する。第2の増幅部250によって増幅された第2のOFDM信号は、アンテナ502によって電磁波に変換されて垂直偏波で放射される。
本実施形態によれば、送信部200の変調部230が、入力された2K用信号および4K用信号に基づいて、互いの偏波面を異ならせて送信可能な2種類のOFDM送信信号を生成する。そして、受信部400の復調部430が、送信部200によって生成されて送信されたOFDM送信信号に基づく受信信号を復調して、復号部440によって2K用信号および4K用信号に変換可能なTSパケットを生成する。
したがって、現状の地上デジタルテレビジョン放送の送信に用いられている電磁波、および当該電磁波の偏波面と異なる偏波面の電磁波を用いて、受信側において、ワンセグ用信号に応じた映像、2K用信号に応じた映像、および4K用信号に応じた映像のうち少なくとも1つを再生可能にするように、データを伝送することができる。
また、2K用信号に応じた電磁波の偏波面を現状の地上デジタルテレビジョン放送の送信に用いられている電磁波の偏波面と同じように設定した場合には、受信側で、現状の地上デジタルテレビジョン放送を受信および映像再生可能な状態を継続させつつ、新たに4K用信号に応じた映像を再生可能にすることができる。
なお、以上に述べた例では、4K用信号に応じたデータが送受信されるB階層によって10個(水平偏波で5個、垂直偏波で5個の合計で10個)のセグメントが利用されるとして説明した。しかし、4K用信号に応じたデータが送受信されるB階層によって8個(水平偏波で4個、垂直偏波で4個の合計で8個)等の他の数のセグメントが利用されるように構成されてもよい。
図11は、B階層によって利用されるセグメントの数と、4K用信号の変調方式とに応じたパラメータの例を示す説明図である。
図11に示す例では、2Kの欄には、現状の地上デジタルテレビジョン放送に応じた値が示されている。また、4Kの欄には、B階層およびC階層において、それぞれ4個のセグメントを用いた場合と、それぞれ5個のセグメントを用いた場合とについて、変調方式毎のTSレートが示されている。
図11に示されているように、4Kの変調方式の多値数がより大きいほど、TSレートの値がより大きくなる。また、図11に示されているように、4K用の信号に応じたデータの伝送に使用するセグメント数が多いほど、4K用の信号に応じたデータの伝送のTSレートの値がより大きくなる。同様に、図11に示されているように、2K用の信号に応じたデータの伝送に使用するセグメント数が多いほど、2K用の信号に応じたデータの伝送のTSレートの値がより大きくなる。
次に、OFDMフレーム構成部275によって構成されるOFDMフレームについて、図面を参照して詳細に説明する。
図12は、2K用信号に応じたOFDMセグメント構成(以下、2K用OFDMセグメント構成とも称する)と4K用信号に応じたOFDMセグメント構成(以下、4K用OFDMセグメント構成とも称する)との境界に接する部分を含むOFDMセグメント構成の一例を示している。
図12に示されている2K用OFDMセグメント構成は、例えば、432個のキャリアと、204個のOFDMシンボルとから構成されている。また、図12に示されている4K用OFDMセグメント構成は、例えば、432個のキャリアと、204個のOFDMシンボルとから構成されている。以下、OFDMシンボルをシンボルとも称する。
なお、図12において、ヌルキャリアが挿入されている箇所が「x」で示されている。図12において、パイロット信号が挿入されている箇所が「1」で示されている。図12の2K用OFDMセグメント構成において、2K用信号が挿入されている箇所が「D」で示されている。図12の4K用OFDMセグメント構成において、4K用信号が挿入されている箇所が「D」で示されている。また、図12において、AC信号またはTMCC信号等が挿入されている箇所も「D」で示されている。つまり、パイロット信号またはヌルキャリアが挿入されている箇所以外の箇所は、2K用信号、4K用信号、AC信号またはTMCC信号等が挿入されて送信される箇所である。
図12に示されているように、2K用OFDMセグメント構成には、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に従って、パイロット信号が所定の間隔で挿入されている。
具体的には、例えば、2K用OFDMセグメント構成では、パイロット信号は、キャリア方向において、12キャリアに1回挿入され、シンボル方向において、4シンボルに1回挿入されて送信される。
また、図12に示されているように、水平偏波側および垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成には、パイロット信号が所定の間隔で挿入されている。
具体的には、例えば、4K用OFDMセグメント構成において、パイロット信号は、キャリア方向において、24キャリアに1回挿入され、シンボル方向において、8シンボルに1回挿入されて送信される。
また、図12に示されているように、水平偏波側および垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、ヌル(NULL)キャリアが所定の間隔で挿入されている。なお、例えば、ヌルキャリアが挿入されている箇所では信号が送信されない。また、ヌルキャリアは、ヌルパイロット信号とも称される。
具体的には、例えば、4K用OFDMセグメント構成において、ヌルキャリアは、キャリア方向において、24キャリアに1回挿入され、シンボル方向において、8シンボルに1回挿入されている。
また、図12に示されているように、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成においてパイロット信号が挿入されている箇所に対応する、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成における箇所には、ヌルキャリアが挿入されている。
具体的には、例えば、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が0で、OFDMシンボル番号が0の箇所にはパイロット信号が挿入され、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が0で、OFDMシンボル番号が0の箇所には、ヌルキャリアが挿入されている。なお、以下、OFDMシンボル番号を、シンボル番号とも称する。
また、図12に示されているように、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成においてヌルキャリアが挿入されている箇所と対応する、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成における箇所には、パイロット信号が挿入されている。
具体的には、例えば、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が3で、シンボル番号が1の箇所にはヌルキャリアが挿入され、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が3で、シンボル番号が1の箇所には、パイロット信号が挿入されている。
受信部300は、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に従って、パイロット信号に基づいて、伝送路特性の推定を行い、受信した信号に等化処理を施す。具体的には、例えば、受信部300は、送信されたパイロット信号と、既知のパイロット信号とに基づいて、位相情報(例えば、送信されたパイロット信号と、既知のパイロット信号との位相差に応じた値)を取得し、当該位相情報に基づき伝送路特性の推定を行う。そして、受信部300は、当該伝送路特性の推定結果に基づき、受信した信号に等化処理を施す。
ここで、受信部300は、例えば、TMCC情報によって、B階層における信号が差動変調されていることが示されている場合に、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成においても、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に従って、パイロット信号が挿入されているという前提で、2K用信号に等化処理を施す。
具体的には、例えば、受信部300は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリア(つまり、キャリア番号が0のキャリア)には、パイロット信号が挿入されているという前提で、2K用信号に等化処理等を施す。
しかしながら、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式とは異なる伝送方式に従って設定される水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、図12に示されているように、キャリア番号が0の箇所にヌルキャリアが挿入された場合に、受信部300は、適切に受信信号に等化処理を施すことができないおそれがある。このため、B階層とC階層とにおいて、互いの境界に接する部分におけるキャリアのMER(Modulation Error Ratio)が悪化し、BER(Bit Error Rate)が劣化してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態のOFDMフレーム構成部275は、受信部300が適切に受信信号に等化処理を施すことができるように、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、パイロット信号を適切な位置に挿入するように構成されている。
図13は、OFDMフレーム構成部275によって構成されたOFDMセグメント構成の一例を示しており、2K用OFDMセグメント構成と4K用OFDMセグメント構成との境界に接する部分を含むOFDMセグメント構成の一例を示している。
図13に示されている2K用OFDMセグメント構成は、例えば、432個のキャリアと、204個のシンボルとから構成されている。また、図13に示されている4K用OFDMセグメント構成は、例えば、432個のキャリアと、204個のシンボルとから構成されている。
なお、図13において、ヌルキャリアが挿入されている箇所が「x」で示されている。図13において、パイロット信号が挿入されている箇所が「1」で示されている。図13の2K用OFDMセグメント構成において、2K用信号が挿入されている箇所が「D」で示されている。図13の4K用OFDMセグメント構成において、4K用信号が挿入されている箇所が「D」で示されている。また、図13において、AC信号またはTMCC信号等が挿入されている箇所も「D」で示されている。つまり、パイロット信号またはヌルキャリアが挿入されている箇所以外の箇所は、2K用信号、4K用信号、AC信号またはTMCC信号等が挿入されて送信される箇所である。
なお、第1の画質再生用のデータは、例えば、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成に含まれている4K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。
図13に示されているように、OFDMフレーム構成部275は、図12に示されているOFDMセグメント構成と同様に、2K用OFDMセグメント構成および4K用OFDMセグメント構成にパイロット信号およびヌルキャリアを所定の間隔で挿入する。なお、受信部400は、4K用OFDMセグメント構成に挿入されている当該パイロット信号に基づいて、伝送路特性の推定を行い、受信した信号に等化処理を施す。具体的には、例えば、受信部400は、挿入されている当該パイロット信号と、既知のパイロット信号とに基づいて、位相情報(例えば、挿入されている当該パイロット信号と、既知のパイロット信号との位相差に応じた値)を取得し、当該位相情報に基づき伝送路特性の推定を行う。そして、受信部400は、当該伝送路特性の推定結果に基づき、受信した信号に等化処理を施す。
なお、第2の画質再生用のデータは、例えば、水平偏波側の2K用OFDMセグメント構成に含まれている2K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。
また、一方の偏波アンテナ送信用のデータは、例えば、図13に示されている水平偏波側の2K用OFDMセグメント構成および4K用OFDMセグメント構成に含まれている2K用信号に応じたデータ、4K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。
また、他方の偏波アンテナ送信用のデータは、例えば、図13に示されている垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成に含まれている4K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。
具体的には、例えば、2K用OFDMセグメント構成において、OFDMフレーム構成部275は、キャリア方向において、12キャリアに1回、パイロット信号およびヌルキャリアを挿入する。すなわち、12キャリア毎にパイロット信号およびヌルキャリアが挿入される。したがって、パイロット信号およびヌルキャリアは11キャリア間隔で挿入される。また、具体的には、例えば、2K用OFDMセグメント構成において、OFDMフレーム構成部275は、シンボル方向において、4シンボルに1回、パイロット信号およびヌルキャリアを挿入する。すなわち、4シンボル毎にパイロット信号およびヌルキャリアが挿入される。したがって、パイロット信号およびヌルキャリアは3シンボル間隔で挿入される。第2の間隔は、例えば、連続する11キャリア分の周波数に相当する。また、第2の間隔は、例えば、連続する3シンボル分の時間に相当する。
また、図13に示されているように、OFDMフレーム構成部275は、図12に示されているOFDMセグメント構成と同様に、水平偏波側および垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成に、パイロット信号およびヌルキャリアを所定の間隔で挿入する。
具体的には、例えば、4K用OFDMセグメント構成において、OFDMフレーム構成部275は、キャリア方向において、24キャリアに1回、パイロット信号およびヌルキャリアを挿入する。すなわち、24キャリア毎にパイロット信号およびヌルキャリアが挿入される。したがって、パイロット信号およびヌルキャリアは23キャリア間隔で挿入される。また、具体的には、例えば、4K用OFDMセグメント構成において、OFDMフレーム構成部275は、シンボル方向において、8シンボルに1回、パイロット信号およびヌルキャリアを挿入する。すなわち、8シンボル毎にパイロット信号およびヌルキャリアが挿入される。したがって、パイロット信号およびヌルキャリアは7シンボル間隔で挿入される。第1の間隔は、例えば、連続する23キャリア分の周波数に相当する。また、第1の間隔は、例えば、連続する7シンボル分の時間に相当する。
図13に示されているように、OFDMフレーム構成部275は、図12に示されているOFDMセグメント構成と同様に、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成においてパイロット信号が挿入されている箇所に対応する、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成における箇所に、ヌルキャリアを挿入する。
具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部275は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が0で、シンボル番号が0の箇所に、パイロット信号を挿入し、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が0で、シンボル番号が0の箇所に、ヌルキャリアを挿入する。
また、図13に示されているように、OFDMフレーム構成部275は、図12に示されているOFDMセグメント構成と同様に、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成においてヌルキャリアが挿入されている箇所に対応する、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成における箇所に、パイロット信号を挿入する。
具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部275は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が3で、シンボル番号が1の箇所にヌルキャリアを挿入し、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が3で、シンボル番号が1の箇所に、パイロット信号を挿入する。
このように構成することによって、水平偏波用のアンテナから送信される信号と垂直偏波用のアンテナから送信される信号とが互いに干渉してしまう可能性を低減することができる。
また、図13に示されているように、OFDMフレーム構成部275は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリア(つまり、キャリア番号が0のキャリア)に、パイロット信号を挿入する。
なお、最も低い周波数のキャリアは、例えば、図13に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成におけるキャリア番号が0のキャリアに相当する。
図13に示されているように、OFDMフレーム構成部275は、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリア(つまり、キャリア番号が0のキャリア)に、ヌルキャリアを挿入する。
なお、図13に示されている2K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が8~15のシンボルには、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置がなされている。つまり、2K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置が繰り返しなされている。
また、図13に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が8~15のシンボルには、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置がなされている。つまり、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置が繰り返しなされている。
また、図13に示されている垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が8~15のシンボルには、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置がなされている。つまり、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置が繰り返しなされている。
図13に示されているOFDMセグメント構成の場合に、受信部300は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリアに挿入されているパイロット信号に基づいて、2K用信号に等化処理を施すことができる。つまり、B階層とC階層との境界に接する部分におけるキャリアのMERの悪化およびBERの劣化が抑制されることになる。その結果として、受信部300は、例えば、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて、入力された受信信号に応じた映像をテレビジョン受像機(第2の画質再生用のデータに応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機)に再生させることができる。したがって、新地上波放送と、現状の地上デジタルテレビジョン放送とが共存した場合でも、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて入力された受信信号に応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機は、当該映像を適切に再生できる。
なお、4K用OFDMセグメント構成におけるパイロット信号およびヌルキャリアの挿入間隔は、図13に示されている例に限られない。例えば、図13に示されているパイロット信号およびヌルキャリアの挿入間隔よりも広い間隔となるように、OFDMフレームが構成されていてもよいし、図13に示されているパイロット信号およびヌルキャリアの挿入間隔よりも狭い間隔となるようにOFDMフレームが構成されていてもよい。
具体的には、例えば、パイロット信号がキャリア方向において、48キャリアに1回挿入され、シンボル方向において、6シンボルに1回挿入されるようにOFDMフレームが構成されていてもよい。すなわち、例えば、48キャリア毎にパイロット信号が挿入され、6シンボル毎にパイロット信号が挿入されるようにOFDMフレームが構成されていてもよい。
また、図13に示されているOFDMセグメント構成では、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリアには、すべてのシンボルにわたってパイロット信号が挿入されていたが、2K用OFDMセグメント構成におけるパイロット信号の挿入間隔に応じた箇所にのみパイロット信号が挿入されるようにフレームが構成されていてもよい。
具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部275は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が0で、シンボル番号が4の箇所にパイロット信号を挿入し、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が0で、シンボル番号が4の箇所に、ヌルキャリアを挿入するように構成されていてもよい。
また、上述のようにパイロット信号およびヌルキャリアが挿入された場合に、OFDMフレーム構成部275は、水平偏波側および垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、当該パイロット信号および当該ヌルキャリアが挿入された箇所以外の箇所では、4K用信号が送信されるようにOFDMフレームを構成するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部275は、キャリア番号が0で、シンボル番号が1~3,5~7の箇所には、4K用信号が送信されるようにOFDMフレームを構成するように構成されていてもよい。
このように構成することによって、B階層におけるデータレートを向上させることができる。
また、OFDMフレーム構成部275は、B階層において、A階層との境界に接する部分についても、図13で示したOFDMセグメント構成と同様に、パイロット信号およびヌルキャリアを挿入するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部275は、ワンセグ用信号に応じたOFDMセグメント構成と4K用OFDMセグメント構成との境界に接する部分において、水平偏波側の当該4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリアにパイロット信号を挿入し、垂直偏波側の当該4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリアにヌルキャリアを挿入するように構成されていてもよい。
また、OFDMフレーム構成部275は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成における末尾のキャリア(つまり、キャリア番号が432であるキャリア)にも、パイロット信号を挿入するように構成されていてもよい。この場合に、OFDMフレーム構成部275は、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成における末尾のキャリアには、ヌルキャリアを挿入する。具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部275は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成における末尾のキャリアにおいて、すべてのシンボルにわたってパイロット信号を挿入するように構成されていてもよい。
このように構成することによって、例えば、受信部400が当該末尾のキャリアに挿入されているパイロット信号も用いて受信信号に等化処理を施すことができる場合には、伝送路特性の推定精度を向上させることができる。
なお、以上に述べた例において、一方が水平偏波であり他方が垂直偏波であるとして説明したが、一方が垂直偏波であり他方が水平偏波であってもよい。
また、本例では、ワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号はいずれもそれぞれTSであるとして説明したが、MMT(MPEG Media Transport)方式のパケットに応じた信号等の、他の形式の信号であってもよい。
また、本例では、受信部300と受信部400とが水平偏波用のアンテナ601を共有するように構成されているが、受信部300と受信部400とにそれぞれ別個のアンテナが接続されるように構成されていてもよい。
なお、データ構成手段は、図2~4に示されている変調部230の各部をすべて備えるように構成されていてもよいし、変調部230の各部のうち、一部を備えるように構成されていてもよい。データ構成手段は、例えば、変調部230のOFDMフレーム構成部275を備えるように構成されていてもよい。
実施形態2.
本発明の第2の実施形態の放送システムについて、図面を参照して説明する。図14は、本発明の第2の実施形態の放送システム101の構成例を示すブロック図である。
放送システム101は、第1の実施形態の放送システム100に対して、送信部201がOFDMセグメント構成の所定の箇所にTMCC信号およびAC信号を挿入する点や受信部401が所定のパイロット信号に基づいて、受信信号に等化処理を施す点で異なる。その他の構成要素は、図1等に示す第1の実施形態における構成と同様なため、当該その他の構成要素には、図1等に示す第1の実施形態において対応する構成要素と同じ参照符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、本発明の第2の実施形態の放送システム101は、送信部201と、受信部300と、受信部401とを含む。
送信部201、受信部300および受信部401は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行する、CPU等の単数または複数の回路が搭載されたコンピュータによって実現されてもよい。具体的には、例えば、送信部201、受信部300および受信部401に、以下に述べる各動作を実現させるためのソフトウェアが搭載される。そして、送信部201、受信部300および受信部401は、当該ソフトウェアのプログラム制御に従って処理を実行することにより、以下に述べる各動作を実現するように構成されていてもよい。
次に、送信部201の構成について、図面を参照して説明する。図14に示すように、本発明の第2の実施形態における送信部201は、符号化部210、多重化部220、変調部231、第1の増幅部240、および第2の増幅部250を含む。
変調部231は、入力されたワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号に伝送路符号化処理を施して、第1のOFDM信号および第2のOFDM信号を生成する。
変調部231は、第1の増幅部240に、生成した第1のOFDM信号を入力する。また、変調部231は、第2の増幅部250に、生成した第2のOFDM信号を入力する。
次に、受信部401の構成について、図面を参照して説明する。図14に示すように、本発明の第2の実施形態における受信部401は、第1の受信処理部410、第2の受信処理部420、復調部431、および復号部440を含む。
復調部431は、入力された受信信号に、送信部201の変調部231がワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号に施した伝送路符号化処理に応じた復調処理を施して、TS信号を生成する。そして、復調部431は、生成したTS信号を復号部440に入力する。なお、復調部431における復調処理については後述する復調部431における各部によって行われる。
次に、変調部231が行う伝送路符号化処理について説明する。図15~17は、本発明の第2の実施形態における変調部231の構成例を示すブロック図である。図15~17に示すように、本発明の第2の実施形態における変調部231は、外符号処理部261-a、フレーム構成部261-b、階層分割部262-a、外符号処理部262-b、第1バイト-ビット変換部263-a~c、エネルギー拡散部264-a~c、遅延補正部265-a~c、ビット-バイト変換部266-a~c、バイトインターリーブ処理部267-a~c、第2バイト-ビット変換部268-a~c、畳込み符号化処理部269-a~c、ビットインターリーブ処理部270-a~c、マッピング処理部271-a~c、階層合成部272、時間インターリーブ処理部273、周波数インターリーブ処理部274、OFDMフレーム構成部280、正規化部276-a,b、IFFT処理部277-a,b、ガードインターバル付加処理部278-a,b、および直交変調処理部279-a,bを含む。なお、OFDMフレーム構成部280以外の構成要素は、図2~4等に示す第1の実施形態における構成と同様なため、当該構成要素には、図2~4等に示す第1の実施形態において対応する構成要素と同じ参照符号を付して説明を省略する。
OFDMフレーム構成部280には、周波数インターリーブ処理部274によって周波数インターリーブの処理が施された信号と、パイロット信号と、TMCC信号と、AC信号とが入力される。
そして、OFDMフレーム構成部280は、入力された各信号に基づいてOFDMフレームを構成する。具体的には、OFDMフレーム構成部280は、例えば、OFDMの各キャリアにおける各シンボルに、各信号(ワンセグ用信号、2K用信号、4K用信号、パイロット信号、TMCC信号、およびAC信号)の値を設定する。また、OFDMフレーム構成部280は、OFDMフレームの所定の箇所にヌルキャリアを挿入する。ヌルキャリアの挿入箇所の詳細については後述する。
なお、OFDMフレーム構成部280は、例えば、水平偏波用のOFDMフレームと、垂直偏波用のOFDMフレームとを構成する。具体的には、OFDMフレーム構成部280は、例えば、ワンセグ用信号に応じたセグメントに対応する信号と、2K用信号に応じたセグメントに対応する信号と、4K用信号に応じた10個のセグメントのうち5個のセグメントに対応する信号と、パイロット信号と、TMCC信号と、AC信号とに応じて、水平偏波用のOFDMフレームを構成する。また、OFDMフレーム構成部280は、例えば、4K用信号に応じた10個のセグメントのうち残りの5個のセグメントに対応する信号と、パイロット信号と、TMCC信号と、AC信号とに応じて、垂直偏波用のOFDMフレームを構成する。なお、各パイロット信号は、本例のようにB階層に偏波MIMOによる放送波が送信されるように構成された場合であっても、C階層における放送波の適切な受信が可能なように設定された周波数領域における位置に挿入される。OFDMフレーム構成部280によって構成されるOFDMフレームの詳細やパイロット信号、TMCC信号およびAC信号の具体的な挿入位置については後述する。以下、OFDMフレーム構成部280によって構成されるOFDMフレームをOFDMセグメント構成とも称する。
また、OFDMフレーム構成部280は、受信部300に、B階層における信号が差動変調され、C階層における信号が同期変調されていることを示すTMCC信号を送信するように、水平偏波用のOFDMフレームを構成するように構成されていてもよい。
なお、TMCC情報によってB階層における信号が差動変調され、C階層における信号が同期変調されていることが示されている場合に、受信部300は、周波数デインターリーブの処理を行う際に、B階層に応じたセグメントと、C階層に応じたセグメントとをそれぞれ別々に処理する。このように処理することによって、周波数デインターリーブの結果、B階層に応じたセグメントと、C階層に応じたセグメントとが混在してしまうことを防ぐことができる。
そして、OFDMフレーム構成部280は、例えば、水平偏波用のOFDMフレームを正規化部276-aに入力する。また、OFDMフレーム構成部280は、例えば、垂直偏波用のOFDMフレームを正規化部276-bに入力する。
次に、復調部431の構成について、図面を参照して説明する。図18~21は、本発明の第2の実施形態における復調部431の構成を示すブロック図である。
図18~21に示すように、本発明の第2の実施形態における復調部431は、A-D変換部511-a,b、直交復調処理部512-a,b、同期再生部513-a,b、FFT処理部514-a,b、フレーム抽出部515-a,b、TMCC信号復号部516-a,b、AC信号復号部517-a,b、キャリア復調部532、周波数デインターリーブ処理部519、時間デインターリーブ処理部520、第1の階層分割部521、デマッピング処理部522-a~c、ビットデインターリーブ処理部523-a~c、デパンクチャ処理部524-a~c、階層合成部525、内符号復号部526、第2の階層分割部527、バイトデインターリーブ処理部528-a~c、エネルギー逆拡散処理部529-a~c、TS再生処理部530、および外符号復号部531を含む。なお、キャリア復調部532以外の構成要素は、図6~9等に示す第1の実施形態における構成と同様なため、当該構成要素には、図6~9等に示す第1の実施形態において対応する構成要素と同じ参照符号を付して説明を省略する。
キャリア復調部532には、FFT処理部514-a,bが変換した周波数領域の信号がそれぞれ入力される。そこで、キャリア復調部532は、TMCC信号復号部516-a,b(TMCC信号復号部516-aとTMCC信号復号部516-bとのうちいずれか一方であってもよい)が入力したTMCC情報に基づいて、FFT処理部514-a,bが入力した周波数領域の信号に、差動復調の処理、同期復調の処理、および等化処理等を施す。具体的には、キャリア復調部532には、FFT処理部514-a,bが入力した周波数領域の信号におけるOFDMセグメントに基づいて、OFDM信号を構成する各キャリアを特定し、各キャリアの振幅を示す振幅情報、および各キャリアの位相を示す位相情報を生成する。そして、キャリア復調部532は、FFT処理部514-a,bが変換した周波数領域の信号と、振幅情報と、位相情報とを周波数デインターリーブ処理部519に入力する。
また、例えば、キャリア復調部532は、FFT処理部514-a,bから入力された信号からパイロット信号を抽出し、当該パイロット信号に基づいて、伝送路特性を推定し、当該伝送路特性の推定結果を用いて、FFT処理部514-a,bから入力された信号に等化処理を施す。
本実施形態によれば、送信部201の変調部231が、入力された2K用信号および4K用信号に基づいて、互いの偏波面を異ならせて送信可能な2種類のOFDM送信信号を生成する。そして、受信部401の復調部431が、送信部200によって生成されて送信されたOFDM送信信号に基づく受信信号を復調して、復号部440によって2K用信号および4K用信号に変換可能なTSパケットを生成する。
したがって、現状の地上デジタルテレビジョン放送の送信に用いられている電磁波、および当該電磁波の偏波面と異なる偏波面の電磁波を用いて、受信側において、ワンセグ用信号に応じた映像、2K用信号に応じた映像、および4K用信号に応じた映像のうち少なくとも1つを再生可能にするように、データを伝送することができる。
また、2K用信号に応じた電磁波の偏波面を現状の地上デジタルテレビジョン放送の送信に用いられている電磁波の偏波面と同じように設定した場合には、受信側で、現状の地上デジタルテレビジョン放送を受信および映像再生可能な状態を継続させつつ、新たに4K用信号に応じた映像を再生可能にすることができる。
次に、OFDMフレーム構成部280によって構成されるOFDMセグメント構成について、図面を参照して詳細に説明する。
受信部300は、AC信号およびTMCC信号に基づいて測定されたMERを用いて受信品質を判定したり、判定した受信品質を表示したりする場合がある。また、受信部300は、当該判定した受信品質に基づいて、テレビジョン受像機に2K用信号に基づく映像を再生させるか否かを判断する場合がある。
具体的には、例えば、受信部300の受信処理部には、アンテナ501,502を介して放射されてアンテナ601によって受信された電磁波が受信信号に変換されて入力される。
次に、受信部300の復調部は、例えば、AC信号およびTMCC信号に基づいて、MERを測定し、当該MERを用いて受信品質を判定する。
そして、受信部300の復調部が受信品質が所定の閾値よりも低いと判断した場合には、受信部300の復号部は、テレビジョン受像機に2K用信号に基づく映像を再生させない。また、例えば、受信部300の復調部が受信品質が所定の閾値よりも高いと判断した場合には、受信部300の復号部は、テレビジョン受像機に2K用信号に基づく映像を再生させる。
ここで、受信部300は、例えば、TMCC情報によって、B階層における信号が差動変調されていることが示されている場合に、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成においても、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に従って、AC信号およびTMCC信号が挿入されているという前提で受信品質を判定する。
しかしながら、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式とは異なる伝送方式に従って設定される水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に応じた箇所にはAC信号またはTMCC信号が挿入されていない場合がある。
よって、受信部300は、受信品質を正しく判定することができず、受信品質が所定の閾値よりも低いと誤って判断してしまうおそれがある。そして、受信部300が受信品質を所定の閾値よりも低いと誤って判断してしまうと、2K用信号に基づく映像がテレビジョン受像機に再生されなくなってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態のOFDMフレーム構成部280は、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に従って、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成においても、AC信号およびTMCC信号を挿入するように構成されている。
具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部280は、キャリア番号が30の箇所にAC信号を挿入し、キャリア番号が51の箇所にTMCC信号を挿入するように構成されている。
図22,23は、OFDMフレーム構成部280によって構成される4K用OFDMセグメント構成の一例を示している。なお、図22,23に示されている4K用OFDMセグメント構成は、セグメントNo.5に関する。
なお、図22,23において、ヌルキャリアが挿入されている箇所が「x」で示されている。図22,23において、パイロット信号が挿入されている箇所が「1」で示されている。図22,23において、4K用信号が挿入されている箇所が「D」で示されている。図22,23において、差動セグメントのみにおいてAC信号が挿入されている箇所が「AC2」で示されている。図22,23において、TMCC信号が挿入されている箇所が「TMCC」で示されている。
なお、図22,23に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が8~15のシンボルには、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置がなされている。つまり、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置が繰り返しなされている。
また、図22,23に示されている垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が8~15のシンボルには、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置がなされている。つまり、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置が繰り返しなされている。
なお、図12に示されているように、図22,23に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成に、2K用OFDMセグメント構成が隣接するようにOFDMセグメントが構成されていてもよい。
図22,23に示されているように、OFDMフレーム構成部280は、本発明の第1の実施形態と同様に、4K用OFDMセグメント構成に、所定の間隔でパイロット信号およびヌルキャリアを挿入する。
また、図22,23に示されているように、OFDMフレーム構成部280は、本発明の第1の実施形態と同様に、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリア(つまり、キャリア番号が0のキャリア)に、パイロット信号を挿入し、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成における先頭のキャリア(つまり、キャリア番号が0のキャリア)に、ヌルキャリアを挿入する。
さらに、OFDMフレーム構成部280は、4K用OFDMセグメント構成における所定の箇所に、AC信号およびTMCC信号を挿入する。
具体的には、例えば、図22,23に示されているように、OFDMフレーム構成部280は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が10および30の箇所にAC信号を挿入する。
また、具体的には、例えば、図22,23に示されているように、OFDMフレーム構成部280は、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が10,30の箇所にヌルキャリアを挿入する。
さらに、例えば、図22,23に示されているように、OFDMフレーム構成部280は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が23,37,51の箇所にTMCC信号を挿入する。
また、具体的には、例えば、図22,23に示されているように、OFDMフレーム構成部280は、垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、キャリア番号が23,37,51の箇所にヌルキャリアを挿入する。
このように構成することによって、水平偏波用のアンテナから送信される信号と垂直偏波用のアンテナから送信される信号とが互いに干渉してしまう可能性を低減することができる。
上述した4K用OFDMセグメント構成によれば、受信部300は、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成に挿入されているAC信号およびTMCC信号を用いて、受信品質を判定することができる。つまり、受信部300が受信品質が所定の閾値よりも低いと誤って判断してしまう可能性を抑制することができる。その結果として、受信部300は、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて、入力された受信信号に応じた映像をテレビジョン受像機に再生させることができる。
なお、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成について、例えば、キャリア番号が30の箇所には、第1の実施形態のOFDMセグメント構成ではパイロット信号が挿入されていたが、本実施形態のOFDMセグメント構成では、受信部300が受信品質を判定するために、パイロット信号の代わりにAC信号が挿入されている。
ここで、受信部401は、AC信号またはTMCC信号が挿入される箇所とパイロット信号が挿入される箇所とが重複した場合に、当該箇所にパイロット信号が挿入されていなくても、受信信号に等化処理を適切に施せるように構成されていることが好ましい。
次に、受信部401のキャリア復調部532による等化処理の一例について、図面を参照して説明する。
図24,25は、OFDMフレーム構成部280によって構成される水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成の一例を示している。なお、図24,25に示されているOFDMセグメント構成は、セグメントNo.5に関する。
図24,25に示されているように、キャリア番号が30で、シンボル番号が2の箇所には、第1の実施形態で説明したパイロット信号の配置に従うと、パイロット信号が挿入されるが、本実施形態では、受信部300が受信品質を判定するために、当該箇所には、AC信号が挿入されている。
また、図24,25に示されているように、キャリア番号が51で、シンボル番号が5の箇所には、第1の実施形態で説明したパイロット信号の配置に従うと、パイロット信号が挿入されるが、本実施形態では、受信部300が受信品質を判定するために、当該箇所には、TMCC信号が挿入されている。
なお、図24,25に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が8~15のシンボルには、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置がなされている。つまり、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、シンボル番号が0~7のシンボルにおける信号配置と同様の信号配置が繰り返しなされている。
キャリア復調部532は、図24,25に示されているように、例えば、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成におけるシンボル番号が0~7のシンボルに挿入されている各パイロット信号に基づいて、各キャリアにおける伝送路特性の推定を行い、図24,25に示されているようなシンボル列を作成する。
具体的には、例えば、図24,25のシンボル列において、各キャリアに挿入されているパイロット信号に基づいて算出された位相情報(例えば、挿入されている各パイロット信号と、既知のパイロット信号との位相差に応じた値)が「1」で示されている。
図24,25に示されているシンボル列において、例えば、0番目のキャリアに対応する「1」は、0番目のキャリアにおけるパイロット信号と、既知のパイロット信号とに基づいて算出された位相差に応じた値を示している。つまり、図24,25に示されているシンボル列は、各キャリアにおける所定のシンボルに挿入されているパイロット信号に基づいて算出された位相情報を含む。
なお、キャリア復調部532は、キャリア番号が0で、シンボル番号が0~7の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいてそれぞれ算出された位相差に応じた値の平均値を、図24,25に示されているシンボル列において、0番目のキャリアに対応する「1」における位相差に応じた値とするように構成されていてもよい。
また、キャリア復調部532は、キャリア番号が0で、シンボル番号が7の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいて算出された位相差に応じた値を、図24に示されているシンボル列において、0番目のキャリアに対応する「1」における位相差に応じた値とするように構成されていてもよい。
また、図24,25に示されているシンボル列において、当該シンボル列に含まれている「1」で示されている位相情報に基づいて、伝送路特性の推定が行われる箇所が「0」で示されている。具体的には、例えば、図24に示されているシンボル列において、1番目のキャリアおよび2番目のキャリアに対応する「0」における伝送路特性は、当該シンボル列における0番目のキャリアおよび3番目のキャリアに対応する「1」における位相情報に基づいて、推定される。
また、キャリア復調部532は、例えば、AC信号またはTMCC信号が挿入されている箇所と、パイロット信号が挿入されている箇所とが重なったキャリアにおける位相情報を、前後のパイロット信号に基づいて算出する。
ここで、図24,25のシンボル列において、AC信号またはTMCC信号が挿入される箇所と、パイロット信号が挿入される箇所とが重なったキャリアが「C」で示されている。
具体的には、例えば、図24,25に示されているシンボル列において、キャリア復調部532は、キャリア番号が27の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいて算出された位相差に応じた値と、キャリア番号が33の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいて算出された位相差に応じた値との平均値を、キャリア番号が30のキャリアにおける位相差に応じた値とするように構成されていてもよい。
また、具体的には、例えば、図24,25に示されているシンボル列において、キャリア復調部532は、キャリア番号が48の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいて算出された位相差に応じた値と、キャリア番号が54の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいて算出された位相差に応じた値との平均値を、キャリア番号が51のキャリアにおける位相差に応じた値とするように構成されていてもよい。
そして、キャリア復調部532は、作成したシンボル列を用いて、キャリア方向における伝送路特性の推定を行う。具体的には、例えば、キャリア復調部532は、図24,25に示されているシンボル列における「1」に対応する位相差に応じた値と当該シンボル列における「C」に対応する位相差に応じた値とを用いて、当該シンボル列における「0」に対応するキャリアにおける伝送路特性を推定する。
そして、キャリア復調部532は、当該伝送路特性の推定結果を用いて、FFT処理部514-aから入力された信号に等化処理を施す。
具体的には、例えば、キャリア復調部532は、作成したシンボル列に基づいて、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いて、平滑化したデータを作成し、当該平滑化したデータを伝送路特性の推定に使用し、FFT処理部514-aから入力された信号に等化処理を施す。
なお、等化処理では、具体的には、例えば、FFT処理部514-aから入力された信号に応じた値に、推定した伝送路特性の逆特性に応じた値が乗算されることによって、当該信号の振幅および位相の歪みが補正される。
また、キャリア復調部532は、FFT処理部514-aから入力された信号に行った等化処理と同様の処理方法を用いて、FFT処理部514-bから入力された信号に等化処理を施すように構成されている。
次に、本発明の第2の実施形態の送信部201の動作について説明する。図26は、本発明の第2の実施形態における変調部231の動作を示すフローチャートである。
まず、変調部231には、ワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号が入力される(ステップS201)。
変調部231の各部が、入力されたワンセグ用信号、2K用信号、および4K用信号を合成して、伝送路符号化処理を施す(ステップS202)。具体的には、例えば、OFDMフレーム構成部280は、図22,23で示したようなOFDMフレームを構成する。
変調部231は、水平偏波用のアンテナ501によって送信される電磁波用の第1のOFDM信号、および垂直偏波用のアンテナ502によって送信される電磁波用の第2のOFDM信号を生成する(ステップS203)。
変調部231は、第1の増幅部240に、生成した第1のOFDM信号を入力する。また、変調部231は、第2の増幅部250に、生成した第2のOFDM信号を入力する。第1の増幅部240は、変調部231が入力した第1のOFDM信号を所定の増幅率で増幅する(ステップS204)。そして、第1の増幅部240は、増幅後の第1のOFDM信号をアンテナ501に入力する。第1の増幅部240によって増幅された第1のOFDM信号は、アンテナ501によって電磁波に変換されて水平偏波で放射される。
第2の増幅部250は、変調部231が入力した第2のOFDM信号を予め決められた増幅率で増幅する(ステップS204)。そして、第2の増幅部250は、増幅後の第2のOFDM信号をアンテナ502に入力する。第2の増幅部250によって増幅された第2のOFDM信号は、アンテナ502によって電磁波に変換されて垂直偏波で放射される。
次に、本発明の第2の実施形態の受信部401の動作について説明する。図27は、本発明の第2の実施形態における受信部401の動作を示すフローチャートである。
図27に示すように、キャリア復調部532には、FFT処理部514-a,bから信号が入力される(ステップS301)。
キャリア復調部532は、FFT処理部514-a,bから入力された信号からパイロット信号を抽出し、当該パイロット信号に基づいて、伝送路特性を推定する(ステップS302)。
キャリア復調部532は、伝送路特性の推定結果を用いて、FFT処理部514-a,bから入力された信号に等化処理を施す(ステップS303)。等化処理が施された信号に復調部431の各部において上述した処理が施されることによって、TS信号が生成される。そして、生成されたTS信号は、復号部440に入力される。
復号部440は、復調部431から入力されたTS信号に、所定の復号処理を施して、映像信号を生成可能な機能を有する(ステップS304)。例えば、復号部440は、入力されたTS信号にH.265に基づく復号処理を施して、4K用信号に基づく映像信号を生成可能であるとする。すると、復号部440は、生成した映像信号を出力可能である。そして、出力された映像信号は、テレビジョン受像機等の映像表示装置に入力されて、4K用信号に基づく映像が再生される。
本実施形態によれば、受信部300は、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて、受信品質の判定を適切に行うことができる。つまり、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に従ったキャリアにAC信号およびTMCC信号が挿入されているので、受信部300は、当該AC信号およびTMCC信号を用いて受信品質の判定を適切に行うことができる。したがって、受信部300は、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて、入力された受信信号に応じた映像をテレビジョン受像機に再生させることができる。よって、新地上波放送と、現状の地上デジタルテレビジョン放送とが共存した場合でも、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて入力された受信信号に応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機は、当該映像を適切に再生できる。
また、本実施形態によれば、受信部401は、AC信号またはTMCC信号が挿入される箇所と、パイロット信号が挿入される箇所とが重複するキャリアにおける位相差に応じた値を、前後のパイロット信号に基づいて算出する。このように構成することで、受信部401は、受信信号に等化処理を適切に施すことができる。このため、受信部401は、現状の地上デジタルテレビジョン放送を受信および映像再生可能な状態を継続させつつ、新たに4K用信号に応じた映像を再生可能にすることができる。したがって、新地上波放送と、現状の地上デジタルテレビジョン放送とが共存した場合でも、新地上波放送の伝送方式に基づいて入力された受信信号に応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機は、当該映像を適切に再生できる。
なお、図22に示されているOFDMセグメント構成では、本発明の第1の実施形態と同様に、先頭のキャリアにパイロット信号およびヌルキャリアが挿入されていたが、当該パイロット信号および当該ヌルキャリアが挿入されないように、OFDMフレームが構成されていてもよい。
また、本実施形態では、キャリア復調部532は、シンボル番号が0~7のシンボルにおけるパイロット信号に基づいて(つまり、8シンボル分のパイロット信号に基づいて)、シンボル列を作成したが、シンボル列を作成する際に用いるシンボルの数は8個に限られない。
図28,29は、OFDMフレーム構成部280によって構成される水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成の一例を示している。なお、図28,29に示されているOFDMセグメント構成は、セグメントNo.5に関する。
図28,29に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成において、パイロット信号およびヌルキャリアは、キャリア方向において、48キャリアに1回挿入され、シンボル方向において、6シンボルに1回挿入されている。すなわち、48キャリア毎にパイロット信号およびヌルキャリアが挿入され、6シンボル毎にパイロット信号およびヌルキャリアが挿入されている。
図28,29に示されているOFDMセグメント構成の場合に、キャリア復調部532は、シンボル番号が0~5のシンボルにおけるパイロット信号に基づいて(つまり、6シンボル分のパイロット信号に基づいて)、シンボル列を作成するように構成されていてもよい。
つまり、パイロット信号の挿入間隔に応じて、キャリア復調部532がシンボル列を作成する際に用いるシンボル数が決定されるように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、キャリア復調部532は、AC信号またはTMCC信号が挿入されている箇所と、パイロット信号が挿入されている箇所とが重複するキャリアにおける位相差に応じた値を、前後のパイロット信号に基づいて算出したが、前後3つのパイロット信号に基づいて、当該重なったキャリアにおける位相差に応じた値を算出するように構成されていてもよい。
具体的には、例えば、図24,25に示されているシンボル列において、キャリア復調部532は、キャリア番号が21,24,27の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいて算出されたそれぞれの位相差に応じた値と、キャリア番号が33,36,39の箇所に挿入されているパイロット信号に基づいて算出されたそれぞれの位相差に応じた値との平均値を、キャリア番号が30のキャリアにおける位相差に応じた値とするように構成されていてもよい。
実施形態3.
本発明の第3の実施形態の放送用送信システムについて、図面を参照して説明する。図30は、本発明の第3の実施形態の放送用送信システム20の構成例を示すブロック図である。図30に示すように、本発明の第3の実施形態の放送用送信システム20は、データ構成部21と、送信処理部22とを含む。放送用送信システム20は、例えば、本発明の第1の実施形態における送信部200に相当する。また、放送用送信システム20は、例えば、本発明の第1の実施形態における放送用送信システム251に相当する。データ構成部21は、例えば、本発明の第1の実施形態における変調部230に相当する。送信処理部22は、例えば、本発明の第1の実施形態における第1の増幅部240および第2の増幅部250に相当する。
データ構成部21は、第1の画質再生用のデータと第2の画質再生用のデータとに基づいて、一方の偏波アンテナ送信用のデータと他方の偏波アンテナ送信用のデータとを生成する。
第1の画質再生用のデータは、例えば、第1の実施形態における、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成に含まれている4K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。第2の画質再生用のデータは、例えば、第1の実施形態における、水平偏波側の2K用OFDMセグメント構成に含まれている2K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。一方の偏波アンテナ送信用のデータは、例えば、図13に示されている水平偏波側の2K用OFDMセグメント構成および4K用OFDMセグメント構成に含まれている2K用信号に応じたデータ、4K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。他方の偏波アンテナ送信用のデータは、例えば、図13に示されている垂直偏波側の4K用OFDMセグメント構成に含まれている4K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。
また、データ構成部21は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの当該第1の画質再生用のデータにおいて、第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されるように、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。なお、第1の間隔は、例えば、連続する23キャリア分の周波数に相当する。また、第1の間隔は、例えば、連続する7シンボル分の時間に相当する。
また、データ構成部21は、当該第1の間隔でヌルキャリアまたはパイロット信号が配置されるように、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。
また、データ構成部21は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの当該第2の画質再生用のデータにおいて、第2の間隔でパイロット信号が配置されるように、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。なお、第2の間隔は、例えば、連続する11キャリア分の周波数に相当する。また、第2の間隔は、例えば、連続する3シンボル分の時間に相当する。
また、データ構成部21は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの当該第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、当該第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されるように、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。最も低い周波数のキャリアは、例えば、図13に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成におけるキャリア番号が0のキャリアに相当する。
また、データ構成部21は、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータにおいて、当該パイロット信号が配置された箇所に応じた箇所にはヌルキャリアが配置されるように、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。
送信処理部22は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号と、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号とを送信するための処理を行う。
本実施形態によれば、データ構成部21は、第1の画質再生用のデータと第2の画質再生用のデータとに基づいて、一方の偏波アンテナ送信用のデータと他方の偏波アンテナ送信用のデータとを生成する。
また、データ構成部21は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの当該第1の画質再生用のデータにおいて、第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されるように、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。
また、データ構成部21は、当該第1の間隔でヌルキャリアまたはパイロット信号が配置されるように、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。
また、データ構成部21は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの当該第2の画質再生用のデータにおいて、第2の間隔でパイロット信号が配置されるように、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。
さらに、データ構成部21は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの当該第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、当該第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されるように、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。
そして、データ構成部21は、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータにおいて、当該パイロット信号が配置された箇所に応じた箇所にはヌルキャリアが配置されるように、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する。
送信処理部22は、当該一方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号と、当該他方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号とを送信するための処理を行う。
したがって、新地上波放送と、現状の地上デジタルテレビジョン放送とが共存した場合でも、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて入力された受信信号に応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機が当該映像を適切に再生できる。
実施形態4.
本発明の第4の実施形態の放送用受信システムについて、図面を参照して説明する。図31は、本発明の第4の実施形態の放送用受信システム30の構成例を示すブロック図である。図31に示すように、本発明の第4の実施形態の放送用受信システム30は、受信部31と、等化部32と、再生処理部33とを含む。受信部31は、例えば、本発明の第1の実施形態における受信部300の受信処理部に相当する。等化部32は、例えば、本発明の第1の実施形態における受信部300の復調部に相当する。再生処理部33は、例えば、本発明の第1の実施形態における受信部300の復号部に相当する。
受信部31は、第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されている第1の画質再生用のデータと、第2の間隔でパイロット信号が配置されている第2の画質再生用のデータとに応じた信号を受信する。当該第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、当該第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されている。なお、第1の間隔は、例えば、連続する23キャリア分の周波数に相当する。また、第1の間隔は、例えば、連続する7シンボル分の時間に相当する。第2の間隔は、例えば、連続する11キャリア分の周波数に相当する。また、第2の間隔は、例えば、連続する3シンボル分の時間に相当する。
最も低い周波数のキャリアは、例えば、図13に示されている水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成におけるキャリア番号が0のキャリアに相当する。
第1の画質再生用のデータは、例えば、第1の実施形態における、水平偏波側の4K用OFDMセグメント構成に含まれている4K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。第2の画質再生用のデータは、例えば、第1の実施形態における、水平偏波側の2K用OFDMセグメント構成に含まれている2K用信号に応じたデータ、パイロット信号用データ、TMCC信号用データおよびAC信号用データに相当する。
等化部32は、当該第1の画質再生用のデータおよび当該第2の画質再生用のデータに配置されているパイロット信号に基づいて、当該第2の画質再生用のデータに応じた信号に等化処理を施す。
再生処理部33は、等化処理された当該第2の画質再生用のデータに応じた信号に基づいて、当該第2の画質再生用のデータに応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機に、当該第2の画質再生用のデータに応じた映像を再生させる。
本実施形態によれば、受信部31は、第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されている第1の画質再生用のデータと、第2の間隔でパイロット信号が配置されている第2の画質再生用のデータとに応じた信号を受信する。当該第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、当該第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されている。等化部32は、当該第1の画質再生用のデータおよび当該第2の画質再生用のデータに配置されているパイロット信号に基づいて、当該第2の画質再生用のデータに応じた信号に等化処理を施す。再生処理部33は、等化処理された当該第2の画質再生用のデータに応じた信号に基づいて、当該第2の画質再生用のデータに応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機に、当該第2の画質再生用のデータに応じた映像を再生させる。
したがって、新地上波放送と、現状の地上デジタルテレビジョン放送とが共存した場合でも、現状の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に基づいて入力された受信信号に応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機が当該映像を適切に再生できる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
また、本発明は、各実施形態の変形・置換・調整に基づいて実施できる。また、本発明は、各実施形態を任意に組合せて実施することもできる。すなわち、本発明は、本明細書の全ての開示内容、技術的思想に従って実現できる各種変形、修正を含む。なお、各図面に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1の画質再生用のデータと第2の画質再生用のデータとに基づいて、一方の偏波アンテナ送信用のデータと他方の偏波アンテナ送信用のデータとを生成するデータ構成手段と、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号と、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号とを送信するための処理を行う送信処理手段と
を備え、
前記データ構成手段は、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおいて、第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記データ構成手段は、
前記第1の間隔でヌルキャリアまたはパイロット信号が配置されるように、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記データ構成手段は、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第2の画質再生用のデータにおいて、第2の間隔でパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記データ構成手段は、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、前記第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記データ構成手段は、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータにおいて、前記パイロット信号が配置された箇所に応じた箇所にはヌルキャリアが配置されるように、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する
ことを特徴とする放送用送信システム。
(付記2)
前記データ構成手段は、前記最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、すべてのシンボルにわたって前記パイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する
ことを特徴とする付記1に記載の放送用送信システム。
(付記3)
前記データ構成手段は、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータにおいて、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータでパイロット信号が前記第1の間隔で配置された箇所に応じた箇所には、ヌルキャリアを配置し、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータでヌルキャリアが前記第1の間隔で配置された箇所に応じた箇所には、パイロット信号を配置するように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する
ことを特徴とする付記1または2に記載の放送用送信システム。
(付記4)
前記データ構成手段は、前記第1の画質再生用のデータと、前記第2の画質再生用のデータと、移動体用のデータとに基づいて、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータと前記他方の偏波アンテナ送信用のデータとを生成し、
前記データ構成手段は、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、前記第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する
ことを特徴とする付記1~3のいずれか1項に記載の放送用送信システム。
(付記5)
前記データ構成手段は、前記第1の画質再生用のデータに応じた信号の変調方式が差動変調であることを示すTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号が送信されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する
ことを特徴とする付記1~4のいずれか1項に記載の放送用送信システム。
(付記6)
前記第1の間隔は、前記第2の間隔と異なる
ことを特徴とする付記1~5のいずれか1項に記載の放送用送信システム。
(付記7)
前記最も低い周波数のキャリアで送信されるデータに含まれるパイロット信号は、前記第1の画質再生用のデータが送信されるフレームの先頭のシンボルから5番目のシンボルに配置されるパイロット信号を含む
ことを特徴とする付記1~6のいずれか1項に記載の放送用送信システム。
(付記8)
前記データ構成手段は、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおいて、最も高い周波数で送信されるデータの少なくとも一部にパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する
ことを特徴とする付記1~7のいずれか1項に記載の放送用送信システム。
(付記9)
第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されている第1の画質再生用のデータと、第2の間隔でパイロット信号が配置されている第2の画質再生用のデータとに応じた信号を受信する受信手段と、
前記第1の画質再生用のデータおよび前記第2の画質再生用のデータに配置されているパイロット信号に基づいて、前記第2の画質再生用のデータに応じた信号に等化処理を施す等化手段と、
等化処理された前記第2の画質再生用のデータに応じた信号に基づいて、前記第2の画質再生用のデータに応じた映像を再生可能なテレビジョン受像機に、前記第2の画質再生用のデータに応じた映像を再生させる再生処理手段とを備え、
前記第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、前記第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されている
ことを特徴とする放送用受信システム。
(付記10)
付記1~8のいずれか1項に記載の放送用送信システムと、
付記9に記載の放送用受信システムとを備えた
ことを特徴とする放送用送受信システム。
(付記11)
第1の画質再生用のデータと第2の画質再生用のデータとに基づいて、一方の偏波アンテナ送信用のデータと他方の偏波アンテナ送信用のデータとを生成し、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号と、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号とを送信するための処理を行い、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成するときに、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおいて、第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成するときに、前記第1の間隔でヌルキャリアまたはパイロット信号が配置されるように、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成するときに、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第2の画質再生用のデータにおいて、第2の間隔でパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成するときに、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、前記第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成し、
前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成するときに、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータにおいて、前記パイロット信号が配置された箇所に応じた箇所にはヌルキャリアが配置されるように、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成する
ことを特徴とする放送用送信方法。
(付記12)
コンピュータに、
第1の画質再生用のデータと第2の画質再生用のデータとに基づいて、一方の偏波アンテナ送信用のデータと他方の偏波アンテナ送信用のデータとを生成するデータ構成処理と、
前記一方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号と、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータに応じた信号とを送信するための処理を行う送信処理と
を実行させ、
前記データ構成処理では、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおいて、第1の間隔でパイロット信号またはヌルキャリアが配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成させ、
前記データ構成処理では、前記第1の間隔でヌルキャリアまたはパイロット信号が配置されるように、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成させ、
前記データ構成処理では、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第2の画質再生用のデータにおいて、第2の間隔でパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成させ、
前記データ構成処理では、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータのうちの前記第1の画質再生用のデータにおける最も低い周波数のキャリアで送信されるデータにおいて、前記第1の間隔に基づくヌルキャリアに代えてパイロット信号が配置されるように、前記一方の偏波アンテナ送信用のデータを生成させ、
前記データ構成処理では、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータにおいて、前記パイロット信号が配置された箇所に応じた箇所にはヌルキャリアが配置されるように、前記他方の偏波アンテナ送信用のデータを生成させる
ことを特徴とする放送用送信プログラム。
この出願は、2018年12月26日に出願された日本出願特願2018-242888を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。